JP3213484B2 - 根管長測定機能を備えた歯科用診療装置 - Google Patents

根管長測定機能を備えた歯科用診療装置

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JP3213484B2 JP20289094A JP20289094A JP3213484B2 JP 3213484 B2 JP3213484 B2 JP 3213484B2 JP 20289094 A JP20289094 A JP 20289094A JP 20289094 A JP20289094 A JP 20289094A JP 3213484 B2 JP3213484 B2 JP 3213484B2
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    • A61C19/00Dental auxiliary appliances
    • A61C19/04Measuring instruments specially adapted for dentistry
    • A61C19/041Measuring instruments specially adapted for dentistry for measuring the length of the root canal of a tooth

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、根管長測定機能を備
えた歯科用診療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ハンドピースに装着されたファイルやリ
ーマなどの切削工具を根管長測定用の電極に兼用し、根
管長を測定しながら根管治療を行えるようにした装置は
周知である(例えば、実公昭57−3303号公報、特
開平5−64643号公報等参照)。この場合には、切
削工具を根管長測定回路の測定電極として使用すること
になるため、ハンドピースとは別体の制御器本体内に設
けられている根管長測定回路の一方の信号用リード線を
切削工具に接続する必要がある。
【0003】しかしながら、従来はこの測定回路用リー
ド線をハンドピースの外側を経由して接続しており、リ
ード線が邪魔になってハンドピースの操作性が損なわ
れ、また治療ごとにリード線を外部配線することが必要
となるため作業が煩わしいなどの問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明はこの点に着
目し、根管長測定回路用のリード線の外部配線をなくし
てハンドピースの操作性を向上することを目的としてな
されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、切削工具駆動用モータを有するハ
ンドピース本体と、根管長測定用電極を兼ねる切削工具
が装着されるヘッドとを備えたハンドピースが、別体の
制御器本体にチューブで接続されている歯科用診療装置
において、上記切削工具が少なくともヘッドの導電性部
材を通じて根管長測定回路の一方の信号線に導通される
ように構成されており、且つ根管長測定回路の測定結果
に基づき、上記切削工具が根管内の設定位置まで挿入さ
れた時に切削工具を自動的に逆転させる駆動制御手段を
備えている。
【0006】上記の構成において、切削工具と導電性部
材はチューブ内のリード線を介して制御器本体に備えら
れた根管長測定回路に接続される。また、少なくとも患
者の口腔内に挿入される範囲のハンドピースの外面を絶
縁性材料で構成している。
【0007】また、根管長測定回路の測定結果に基づ
き、上記切削工具が根管内の設定位置まで挿入された時
に切削工具を自動的に逆転させる位置を設定する設定手
段を設けている。以下、このように設定位置で切削工具
を逆転させることを、設定位置で停止させ、あるいはそ
の動作速度を低減させることも含めてオートストップと
総称する。
【0008】また、少なくとも根管長測定回路による測
定結果を表示する表示手段及び/又は切削工具や根管長
測定回路を制御する操作手段を備えている。上記表示手
段としては、例えば、複数個の表示ドットからなり、根
管長測定回路による測定結果に応じて各表示ドットの点
滅周期が変化し、あるいは表示色が変化するように構成
され、あるいは音響出力を発するように構成される。
【0009】また、上記の表示手段や操作手段をハンド
ピース本体に設け、ハンドピース本体がヘッドに対して
回転可能に構成しており、更に、ヘッドがハンドピース
本体に対して着脱自在なように構成することもできる。
この場合、例えばヘッドとハンドピース本体のいずれに
対しても着脱自在なシャンクをヘッドとハンドピース本
体との間に介挿し、シャンクとハンドピース本体の接続
部に両部材を電気的導通を維持しながら回転自在に接続
する導電接続部材が設けられる。
【0010】以上の構成のうち主要な要素を備えたハン
ドピースとしては、例えば、切削工具駆動用のモータを
ハンドピース本体に内蔵し、ヘッドに装着された切削工
具がヘッド内部の導電性部材とハンドピース本体内部の
導電性部材及びチューブ内のリード線を介して制御器本
体に備えられた根管長測定回路の一方の信号線に導通
し、ヘッドはハンドピース本体に対して着脱自在であ
り、少なくとも患者の口腔内に挿入される範囲の外面が
絶縁性材料で構成される。
【0011】
【作用】この発明の根管長測定機能を備えた歯科用診療
装置では、ヘッドに装着された切削工具がヘッドの導電
性部材を通じて根管長測定回路の一方の信号線に導通し
ているので、切削工具に対して信号用のリード線を外部
配線する必要がない。また、切削工具が根管内の設定位
置まで挿入された時に切削工具が自動的に逆転する。
【0012】また、外面を絶縁性材料で構成することに
より、ハンドピースの一部が患者に触れても測定回路が
影響を受けることがなく、根管長測定を支障なく続ける
ことができる。
【0013】また、オートストップのための駆動制御手
段や位置設定手段を設けることにより、根管長測定時に
オートストップ制御を実施できる。
【0014】また、表示手段や操作手段をハンドピース
に設けることにより、治療部位に近い位置に表示される
測定結果を確認しながら施術を続けることができ、表示
手段が音響出力を発するものであれば視線を患部から移
動させないでも表示を確認でき、また手元で切削工具や
根管長測定回路を制御することができる。
【0015】また、表示手段や操作手段をハンドピース
本体に設けてヘッドに対して本体を回転可能とすること
によって、表示の確認や制御操作を治療の部位に関係な
く行うことができる。
【0016】また、ヘッドがハンドピース本体に対して
着脱自在に構成されることにより、切削工具の交換など
を短時間で容易に行うことができる。
【0017】また、切削工具駆動用のモータをハンドピ
ース本体に内蔵し、ヘッドに装着された切削工具をヘッ
ドとハンドピース本体の導電性部材及びチューブ内のリ
ード線を介して制御器本体の根管長測定回路の一方の信
号線に導通させ、ヘッドをハンドピース本体に対して着
脱自在とし、患者の口腔内に挿入される範囲の外面を絶
縁性材料で構成することにより、根管長測定機能付きハ
ンドピースに要求される主要な機能を備えた使い勝手の
よいハンドピースが得られる。
【0018】
【実施例】次に、図1及び図2によりこの発明のハンド
ピースを含む歯科用診療装置について説明する。図1は
装置全体の概略図、図2は同装置の回路の概略ブロック
図である。
【0019】Hはハンドピース、Cは据置型の制御器本
体であり、ハンドピースHはヘッド1、ハンドピース本
体21、シャンク22等で構成され、チューブ24を介
して制御器本体Cに接続されている。ハンドピース本体
21には駆動用のモータ23としてマイクロモータが内
蔵され、表示部26、操作スイッチ27が設けられてい
るが、これらの具体的な機能についてはその一例を後述
する。なお、図2において24cはモータ用リード線、
29は根管長測定回路52の一方の信号回路である信号
用リード線であるが、表示部26と操作スイッチ27及
びこれらの制御リード線は図示してない。
【0020】制御器本体Cは制御部51、根管長測定回
路52、モータドライバ53、オートストップ位置設定
部54、操作部55、表示部56、ホルダ57等を備え
ており、またフートコントローラF、測定電極S、口腔
電極Gを接続できるようになっている。制御部51は装
置全体の制御を行うもので主要部はマイクロコンピュー
タで構成されており、オートストップを行う位置はオー
トストップ位置設定部54で設定される。またオートス
トップ制御のオンオフ、すなわちこの制御を行うか否か
の選択と、オンの場合に設定位置で切削工具10を自動
的に停止し、あるいは逆転させ、またはその動作速度を
低減させるという制御のいずれを行うかについての選択
は操作部55でそれぞれ行われる。
【0021】モータ23のオンオフと回転数設定及び根
管長測定は、上記の設定や選択を行った後フートコント
ローラFを操作することによって行われる。根管長測定
の際は、ヘッド1に装着されている切削工具10が測定
用電極に兼用され、口腔電極Gとセットで使用される。
また、専用の測定電極Sを用いて根管長を測定すること
もできる。なお、図1では具体的には示してないが、フ
ートコントローラFには仕様に応じた操作部が適宜設け
られる。
【0022】以上は標準的な使い方の例であるが、操作
部55による設定や選択をフートコントローラFでも行
えるように構成してもよい。また、上記の例ではハンド
ピースHに設けられている操作スイッチ27を使用して
いないが、フートコントローラFを一切使用せずにその
機能を操作スイッチ27に持たせたり、あるいは操作部
55の機能を操作スイッチ27に持たせることもでき
る。このように、操作部55、フートコントローラF、
操作スイッチ27の機能は固定的に考える必要はないか
ら、装置全体の仕様に応じて機能の組み合わせを選択す
ればよく、不要なものは省略することもできる。
【0023】以下、この発明のハンドピースの一実施例
について説明する。この実施例はシャンクを介してヘッ
ドをハンドピース本体に装着する構造であり、且つ水と
エアの供給機能を備えたものの例である。図3はヘッ
ド、図4はハンドピース本体、図5はシャンクをそれぞ
れ示している。
【0024】図3において、1はヘッドであり、ヘッド
ハウジング2にベアリングホルダ3が固定され、駆動軸
4がベアリングホルダ3に支持されている。5は駆動軸
4の入力側端部に固定された駆動ギヤ、6は駆動軸4の
出力側端部に固定されたフロントギヤ、7はローターギ
ヤ8が固定されたローター軸である。駆動軸4とロータ
ー軸7はフロントギヤ6とローターギヤ8が噛み合うよ
うに互いに直交して配置されており、ローター軸7の上
端に設けられた工具保持機構9に切削工具10が取り付
けられて使用される。
【0025】以上は従来から知られている一般的な構造
であって、工具保持機構9としては周知のものを適宜採
用することができ、ハンドピース本体の先端に直接、あ
るいはシャンクを介してベアリングホルダ3を挿入する
と、駆動ギヤ5が本体側のギヤと噛み合ってモータの回
転が伝達され、切削工具10が回転する。
【0026】この実施例ではベアリングホルダ3、駆動
軸4及びこれを支持するベアリング4a、フロントギヤ
6、ローター軸7、ローターギヤ8のすべての部材を金
属その他の導電性材料で形成してあり、これらの部材に
よって連続した回路が形成され、ベアリングホルダ3と
工具保持機構9の間が電気的に導通された状態となって
いる。
【0027】また、11はベアリングホルダ3と駆動軸
4のベアリング4aとの間に挿入されたウエーブワッシ
ャであり、駆動軸4とフロントギヤ6を図の左方向に加
圧している。従って、フロントギヤ6とローターギヤ8
間の接触が確実に保たれることになり、回転中に両ギヤ
6,8間が瞬間的に離れて導通回路が途切れるようなこ
とはない。
【0028】図4において、21はハンドピース本体、
21aはモータハウジング、21bはカバーであり、モ
ータハウジング21aの内部には出力軸23aの先端に
クラッチ23bを有するモータ23が内蔵されており、
一方の端部には制御器本体Cとの間を接続する連結チュ
ーブ24が取り付けられ、他方の端部、すなわち先端側
にはシャンクが嵌着される頭部25が設けられている。
モータ23にはいわゆるマイクロモータが使用される。
また、外周部には根管長の測定結果などを表示する表示
部26と、切削工具のオンオフ、測定の開始や停止など
を行う操作スイッチ27が設けられている。表示部26
としては、後述するように例えば複数個のLEDを配列
してその点灯や点滅によって情報を表示するように構成
されている。
【0029】チューブ24は注水チューブ24a、エア
チューブ24b、モータ用リード線24cのほか、表示
部26用及び操作スイッチ27用の制御リード線28を
備えているほか、更に根管長測定回路の一方の信号回路
である信号用リード線29を備えている。注水チューブ
24aは接手31に接続され、水パイプ32aを経て頭
部25の外周面の開口部25aに連通し、同様にエアチ
ューブ24bは接手31に接続され、エアパイプ32b
を経て頭部25の外周面の開口部25bに連通してお
り、信号用リード線29も接手31に接続されている。
なお、具体的な接続経路は示してないが、モータ用リー
ド線24cは端子板33を経てモータ23に接続され、
制御リード線28は表示部26と操作スイッチ27に接
続されている。
【0030】上記の接手31と各パイプ32a,32b
及び頭部25は金属製であり、パイプ32a,32bの
両端に設けられているOリング34a,34bと、頭部
25の外周に装着されているOリング35には導電性ゴ
ム製のOリングが使用してある。このため、信号用リー
ド線29と頭部25は、接手31、Oリング34a,3
4b及び各パイプ32a,32bなどを通じて電気的に
相互に接続された状態になっている。
【0031】図5において、22はシャンクであり、ハ
ウジング41に接続筒42とボデー43を一体に組み付
け、軸心部にドライブ軸44を支持してその一端にはク
ラッチ44aを、他端に駆動ギヤ44bを設けてある。
本体21の頭部25に接続筒42を嵌着すると、接続筒
42の環状溝42aに頭部25の固定用ばねリング25
cが係合して抜け止めされ、本体21に対して回転自在
な状態で取り付けられる。注水パイプ45は環状溝45
aを経て本体21の開口部25aに連通し、注水パイプ
45に平行に設けられるエアパイプ(図示せず)も同様
に環状溝46aを経て本体21の開口部25bに連通す
る。
【0032】ボデー43は円筒状の挿入穴43aを有す
るもので、外側には偏心した溝47aを内周面に有する
リング部材47を取り付けてある。このリング部材47
を回転することによりボール47bを挿入穴43aに出
没させ、ヘッド1のベアリングホルダ3をボデー43に
挿入した時に外面の穴3aにボール47bを係合させる
ことによって、ヘッド1がシャンク22に装着される。
この状態で駆動ギヤ44bとヘッド1の駆動ギヤ5が噛
み合う。
【0033】ここで、シャンク22のハウジング41、
接続筒42及びボデー43は金属その他の導電性材料で
形成されており、ヘッド1を取り付けたシャンク22を
ハンドピース本体21の頭部25に嵌着すると、ヘッド
1のベアリングホルダ3はシャンク22を介して本体2
1の信号用リード線29に接続されるのである。なお、
Oリング35を導電性ゴム製としてあるので、本体21
の頭部25とシャンク22の接続筒42との電気的接触
は確実に行われる。
【0034】またこの実施例では、信号用リード線29
と頭部25を水パイプ32a、エアパイプ32bを経て
導通させているため、モータハウジング21aとカバー
21bは必ずしも金属製でなくてもよいが、例えば図6
のような他の導通構造を採用することもできる。
【0035】図6において、モータハウジング21aと
カバー21bを金属製とし、板ばねに接点21dを取り
付けた接触板21cをカバー21bに1個乃至複数個設
け、接点21dを固定用ばねリング25cに接触させて
ある。すなわち、固定用ばねリング25cは金属製であ
り、その弾力性によってシャンク22の接続筒42に十
分な接触圧力で接触するので、この実施例はこの点に着
目してリング25cを抜け止めと電気的導通に兼用して
いる。これにより、構造上不十分になりやすい頭部25
とリング25cとの間の接触が接触板21cで補われて
導通が確実になるので、安定した測定が可能となるので
ある。
【0036】なお、この実施例ではOリング35として
通常の絶縁性ゴム製のものを使用して差し支えない。ま
た、接触板21cは図示の形状に限定されるものではな
く、他の適宜の形状を採用することができる。あるい
は、接点21dを固定用ばねリング25cに接触させる
のではなく、シャンク22の接続筒42に直接接触させ
るような構造としてもよい。
【0037】ところで、ヘッド1は患者の口腔内に挿入
されるので、口腔内などの組織に触れると根管長測定回
路52が影響を受けて測定できなくなる可能性があるの
で、工具保持機構9の外面には絶縁皮膜を形成してあ
る。また、ヘッドハウジング2は全体を合成樹脂などの
絶縁性材料で形成することもできるが、金属などの導電
性材料が使用された場合にはその外面にも絶縁皮膜が形
成される。また、シャンク22も患者の口腔内や唇など
に触れる可能性があるので、少なくともその可能性のあ
る範囲の外面には絶縁皮膜を設けてある。従って、ヘッ
ド1やシャンク22が口腔内などの組織に触れても測定
を支障なく行うことができるのである。なお、これらの
絶縁皮膜は非常に薄いものでよいので、図には示してな
い。
【0038】ハンドピース本体21に設けられている表
示部26と操作スイッチ27は、根管長の測定結果など
を表示し、また切削工具のオンオフ、測定開始や停止な
どを行うためのものであるが、上述のようにこの実施例
ではシャンク22が本体21に対して回転自在となって
いる。従って、表示部26と操作スイッチ27を確認や
操作の容易な位置に向けておいて、ヘッド1だけを治療
の部位に応じて任意に回転させることが可能であり、使
いやすいハンドピースが得られる。
【0039】図7はオートストップ制御がオンの時の制
御手順を示したものであり、フートコントローラFや操
作スイッチ27の操作によってモータ23がオンされる
と、周知の原理によって切削工具10の先端の位置検出
が開始される。そしてオートストップ位置設定部54で
設定された位置まで切削工具10が挿入されたことが検
出されると、操作部55での設定に応じたオートストッ
プ制御が行われるのである。
【0040】図8は制御器本体Cの表示部56の表示パ
ターンの一例を示した図である。表示部56は例えば液
晶パネルで構成されており、歯牙を示す歯牙表示部56
a、切削工具10の挿入位置に応じて上から順に点灯す
る工具表示部56b、モータ23の回転数に応じた数字
が点灯する回転数表示部56c、オートストップ制御が
オンの時に点灯するモード表示部56d、口腔電極Gを
示す電極表示部56e、オートストップの設定位置を示
す位置表示部56f等を備えている。表示部56は面積
が大きいので、このように根管長測定装置として必要な
すべてのデータを表示するように構成することができ
る。
【0041】これに対して、ハンドピース本体21に設
けられている表示部26は、LEDのような表示ドット
を複数個一列に配置したものであるから表示内容は限定
されたものとなる。図9はその回路構成の一例を示した
ものである。この図は6個のLED26aを用いた例で
あり、図の上方の4個は緑色、次の1個は黄色、最も下
の1個は赤色の発光色を持つものが使用され、それぞれ
バッファ26bを介して制御部51の出力ポートに接続
されている。この図では出力ポートがLレベルになれば
LED26aが発光するようになっており、その視認性
を高めるためにHレベルとLレベルを繰り返して点滅さ
せるようにしてある。
【0042】上記の構成において、根管長測定結果、す
なわち切削工具10の挿入位置を表示する場合には、挿
入量に応じて上端のものから順次発光させ、あらかじめ
設定されているオートストップ位置に近付くと発光数が
増加すると共に黄色のものが発光するようになり、最後
に赤色が発光してオートストップ位置に達したことを報
知するのである。この場合、赤色のものを最初から発光
させてオートストップ位置を表示しておき、その位置に
切削工具10が達した時に点滅させて報知するようにし
てもよい。
【0043】このように、点滅の有無や点滅の周期を変
化させることによって異なる情報を表示することができ
るので、単に点灯する場合、点滅する場合、点滅の周
期、発光色などを組み合わせることにより、発光体を複
数個備えただけの簡単な構造の表示部26であってもあ
る程度の情報を区別して表示することが可能である。
【0044】上記のような発光体を用いて視覚に訴える
表示のほかに、例えば電子ブザー音や合成音声による言
葉などの音響出力によって表示を行うことも可能であ
り、施術者が患部から視線を移動させないで情報を得ら
れる利点がある。根管長測定装置において情報をイヤホ
ンで出力するものが知られているが、音響出力としては
例えばこれに準じた内容とすることができる。この音響
出力による表示手段は、ハンドピース11と充電器1の
いずれに設けてもよいが、電子ブザー音は比較的容易に
発生させることができ、音の種類や高さ、断続周期、強
弱などを変えることによってかなり多くの情報を表示す
ることができるので、軽量化が望まれるハンドピースH
の表示手段として適したものの一つである。
【0045】なお、根管長測定回路52は信号用リード
線24cにより切削工具10と導通が保たれていればよ
いので、一般に制御器本体C側に設けられる。上記の実
施例もこれを前提としたものであるが、場合によっては
根管長測定回路52をハンドピース本体21に設けるこ
とも可能である。
【0046】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明の根管長測定機能を備えた歯科用診療装置は、切削工
具駆動用モータを有するハンドピース本体と、根管長測
定用電極を兼ねる切削工具が装着されるヘッドとを備え
たハンドピースが、別体の制御器本体にチューブで接続
されており、切削工具が少なくともヘッドの導電性部材
を通じて根管長測定回路の一方の信号線に導通されると
共に、根管長測定回路の測定結果に基づいて切削工具が
根管内の設定位置まで挿入された時に切削工具を自動的
に逆転させるようにしたものである。従って、切削工具
に対して信号用のリード線を外部配線する必要がなく、
従来のようにリード線が邪魔になり、あるいは治療ごと
にリード線を外部配線するという煩わしさがなくなると
共に、切削工具が根管内の設定位置まで挿入された時に
切削工具が自動的に逆転するので、ハンドピースの操作
性が向上して使いやすい歯科用診療装置を得ることがで
きるのである。
【0047】また、外面を絶縁性材料で構成したもので
は、ヘッドなどの一部が患者に触れても測定回路が影響
を受けることがなく、根管長測定を支障なく続けること
ができるので、ハンドピースの操作性が向上すると共に
測定を効率よく実施することができる。
【0048】また、オートストップのための駆動制御手
段や位置設定手段を設けることにより、根管長測定時に
オートストップ制御を実施できる。
【0049】また、表示手段や操作手段を設けたもので
は、治療中に治療部位に近い位置に表示される測定結果
を確認しながら施術を続けることができ、根管長測定結
果を表示したり、手元で切削工具や根管長測定回路を制
御したりでき、更に、ヘッドをこれらの表示手段や操作
手段を設けたハンドピース本体に対して回転可能とした
ものでは、表示手段や操作手段を表示の確認あるいは制
御操作の容易な位置に向けておいて、ヘッドを任意の治
療の部位に向けることができるので、これらの点でハン
ドピースの操作性を向上させることができる。
【0050】また、ヘッドをハンドピース本体に対して
着脱自在に構成したものでは、切削工具の交換などを短
時間で容易に行うことができる。
【0051】また、根管長測定機能付きハンドピースと
して要求される主要な機能を備えたものでは、使い勝手
のよいハンドピースが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の歯科用診療装置の構成を示す概略図
である。
【図2】同装置の回路の概略ブロック図である。
【図3】この発明の一実施例のヘッドの断面図である。
【図4】同実施例のハンドピース本体の断面図である。
【図5】同実施例のシャンクの断面図である。
【図6】同実施例のハンドピース本体の他の構造例を示
す要部の断面図である。
【図7】同実施例のオートストップ制御の手順を示した
フローチャートである。
【図8】同装置における制御器本体の表示部の表示パタ
ーンを例示した図である。
【図9】同実施例のハンドピース本体の表示手段の回路
図である。
【符号の説明】
H ハンドピース C 制御器本体 F フートコントローラ 1 ヘッド 2 ヘッドハウジング 6 フロントギヤ 8 ローターギヤ 9 工具保持機構 10 切削工具 21 ハンドピース本体 22 シャンク 23 駆動用のモータ 24 チューブ 25 頭部 26 表示部 27 操作スイッチ 29 信号用リード線 31 接手 32a 水パイプ 32b エアパイプ 41 ハウジング 42 接続筒 43 ボデー 52 根管長測定回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−26880(JP,A) 実開 平2−15113(JP,U) 実開 平5−91627(JP,U) 実開 平5−41513(JP,U) 実開 昭59−24017(JP,U) 実開 昭57−5206(JP,U) 実公 昭57−3303(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61C 19/04 A61C 1/00 - 1/18

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切削工具駆動用モータを有するハンドピ
    ース本体と、根管長測定用電極を兼ねる切削工具が装着
    されるヘッドとを備えたハンドピースが、別体の制御器
    本体にチューブで接続されている歯科用診療装置であっ
    て、上記切削工具が少なくともヘッドの導電性部材を通
    じて根管長測定回路の一方の信号線に導通されるように
    構成され、且つ根管長測定回路の測定結果に基づき、上
    記切削工具が根管内の設定位置まで挿入された時に切削
    工具を自動的に逆転させる駆動制御手段を備えたことを
    特徴とする根管長測定機能を備えた歯科用診療装置。
  2. 【請求項2】 上記切削工具と導電性部材がチューブ内
    のリード線を介して制御器本体に備えられた根管長測定
    回路に接続される請求項1記載の根管長測定機能を備え
    た歯科用診療装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも患者の口腔内に挿入される範
    囲のハンドピースの外面を絶縁性材料で構成した請求項
    1又は2記載の根管長測定機能を備えた歯科用診療装
    置。
  4. 【請求項4】 根管長測定回路の測定結果に基づき、上
    記切削工具が根管内の設定位置まで挿入された時に切削
    工具を自動的に逆転させる位置を設定する設定手段を設
    けた請求項1乃至3のいずれかに記載の根管長測定機能
    を備えた歯科用診療装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも根管長測定回路による測定結
    果を表示する表示手段、又は切削工具や根管長測定回路
    を制御する操作手段、のいずれかを備えた請求項1乃至
    4のいずれかに記載の根管長測定機能を備えた歯科用診
    療装置。
  6. 【請求項6】 上記表示手段が複数個の表示ドットから
    なり、根管長測定回路による測定結果に応じて各表示ド
    ットの点滅周期及び/又は表示色が変化するように構成
    された請求項5記載の根管長測定機能を備えた歯科用診
    療装置。
  7. 【請求項7】 上記表示手段が、根管長測定回路による
    測定結果に応じた音響出力を発するように構成された請
    求項5記載の根管長測定機能を備えた歯科用診療装置。
  8. 【請求項8】 上記表示手段及び/又は操作手段がハン
    ドピース本体に設けられており、且つハンドピース本体
    がヘッドに対して回転可能に構成された請求項5記載の
    根管長測定機能を備えた歯科用診療装置。
  9. 【請求項9】 ヘッドがハンドピース本体に対して着脱
    自在に構成された請求項8記載の根管長測定機能を備え
    た歯科用診療装置。
  10. 【請求項10】 ヘッドとハンドピース本体のいずれに
    対しても着脱自在なシャンクがヘッドとハンドピース本
    体との間に介挿され、シャンクとハンドピース本体の接
    続部に両部材を電気的導通を維持しながら回転自在に接
    続する導電接続部材が設けられている請求項1記載の根
    管長測定機能を備えた歯科用診療装置。
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