JP3213460B2 - 生分解性積層不織構造体の製造方法 - Google Patents

生分解性積層不織構造体の製造方法

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    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性合成短繊維不
織布層と天然繊維不織布層とが積層されてなる積層不織
布構造体の製造方法であって、生分解性を有し、剥離強
力が高く、柔軟性が優れ、吸水性と疎水性を併せて有
し、医療・衛生材料、拭き取り布や包装材料あるいは家
庭用又は業務用の生塵捕集用袋等の一般生活関連材、あ
るいは農業用に代表される産業資材用の各素材として好
適な積層不織構造体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から,医療・衛生材料や一般生活関
連材あるいは一部の産業資材用の素材としてポリエチレ
ンやポリプロピレン,ポリエステル,ポリアミド等の熱
可塑性合成重合体繊維からなる不織布が知られている。
これらの不織布は,通常の自然環境下では化学的に安定
な前記のような重合体から構成されるため自己分解性が
なく,したがって使い捨て用途では,焼却あるいは埋め
立てという方法で処理されているのが実情である。焼却
処理に関しては,多大の費用が必要とされ,しかも廃棄
プラスチツクによる公害を生じる等,自然・生活環境保
護の観点からして問題である。一方,埋め立てに関して
は,上述したように素材が通常の自然環境下では化学的
に安定であるため土中で長期間にわたって元の状態のま
ま保持されるという問題がある。これらの問題を解決す
べく,生分解性を有する素材からなる不織布を選択する
ことが考えられる。例えば,乾式法あるいは溶液浸漬法
により得られるビスコースレーヨン短繊維不織布,湿式
スパンボンド法により得られるキユプラレーヨン長繊維
不織布,コツトンや麻に代表されるセルロース系繊維か
らなる短繊維不織布,その他,キチン等の多糖類,カツ
トグツト(脹線)あるいはアテロコラーゲン等の蛋白
質,ポリペプチド(ポリアミノ酸),微生物が自然界で
作るポリ−3−ヒドロキシブチレート,ポリ−3−ヒド
ロキシバリレート,ポリ−3−ヒドロキシカプロレート
等の微生物ポリエステルといった天然物の化学繊維から
なる不織布,ポリグリコリドやポリラクチド等の合成脂
肪族ポリエステルの合成繊維からなる不織布が挙げられ
る。しかしながら,前者の各種レーヨン繊維,セルロー
ス系繊維あるいは前記天然物の化学繊維からなる不織布
は,生分解性は有するものの不織布自体の構成素材自体
の機械的強度が低くかつ親水性があるため,吸水・湿潤
時の機械的強度低下が著しい,また柔軟性が劣る,さら
に素材自体が非熱可塑性であるため熱接着性を有しない
等の種々の問題を有している。また,後者の合成脂肪族
ポリエステル繊維からなる不織布は,生分解性を有しか
つ機械的強度は向上するものの細繊度化が困難であるた
め,柔軟性の兼備を要求されるような用途分野に適用す
ることが困難であり,しかも重合体特性の点で湿式紡糸
法に頼らざるを得ないため,不織布を得るに際して段階
的な複数の工程を必要とし,また加工コストを低減しよ
うとすると大規模な装置を要するという問題を有してい
る。
【0003】一方,積層不織構造体として,従来から,
熱可塑性合成繊維不織布層と天然繊維不織布層とが積層
されてなる積層不織構造体が知られている。例えば,特
公昭54−24506号公報には,熱可塑性合成繊維不
織布からなる通気性熱溶着層と天然繊維等からなる通気
性非熱溶着層とが積層され,非熱溶着層上に熱溶着性物
質が点在的に配置されかつ熱溶着性物質と熱溶着層との
溶融部が非熱溶着層の両面から浸透して前記非熱溶着層
を接着挟持した構造を有する積層不織構造体が提案され
ている。しかしながら,この積層不織構造体は,天然繊
維が積層されているため吸水性は優れるものの,熱可塑
性合成繊維不織布が生分解性を有する素材からなるもの
ではなく,使い捨て用途の場合に上述したような問題を
生じる。しかも,この積層不織構造体は,これを製造す
るに際して通気性熱溶着層と通気性非熱溶着層とを積層
する工程と,非熱溶着層上に含浸用熱溶着性シート層を
重合し,超音波融着処理により熱溶着性物質と熱溶着層
との溶融部が非熱溶着層の両面から浸透して前記非熱溶
着層を接着挟持した構造を発現する工程と,前記含浸用
熱溶着性シートをその溶融部を残して剥離する工程とを
必要とするなど製造技術の観点からすれば煩雑で,経済
性にも劣るものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱可塑性合
成短繊維不織布層と天然繊維不織布層とが積層されてな
る積層不織布構造体の製造方法であって、生分解性を有
し、剥離強力が高く、柔軟性が優れ、吸水性と疎水性を
併せて有し、医療・衛生材料、拭き取り布や包装材料あ
るいは家庭用又は業務用の生塵捕集用袋等の一般生活関
連材、あるいは農業用に代表される産業資材用の各素材
として好適な積層不織構造体の製造方法を提供しようと
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
を解決すべく鋭意検討の結果、本発明に到達した。すな
わち、本発明は、以下の構成をその要旨とするものであ
る。 (1)生分解性熱可塑性合成短繊維からなる不織布層
天然繊維同士が機械的に交絡してなる不織布層と
積層し、超音波融着装置を用いて、前記合成短繊維と天
然繊維とが融着されてなる点状融着区域を形成し、前記
点状融着区域において前記両不織布層の少なくとも境界
面に位置する天然繊維が前記合成短繊維の融解部に埋没
された状態で固定されることにより全体として一体化さ
せることを特徴とする生分解性積層不織構造体の製造方
。 (2)生分解性熱可塑性合成短繊維が、脂肪族グリコー
ルと脂肪族ジカルボン酸の縮重合体である生分解性熱可
塑性脂肪族ポリエステル系重合体からなる請求項1記載
の生分解性積層不織構造体の製造方法。 (3)生分解性熱可塑性脂肪族ポリエステル系重合体
が、ポリエチレンサクシネート又はポリブチレンサクシ
ネートである請求項2記載の生分解性積層不織構造体
製造方法。 (4)生分解性熱可塑性脂肪族ポリエステル系重合体
が、ポリエチレンサクシネートの0重量%を超えかつ3
5重量%以下と、ポリブチレンサクシネートの100重
量%未満かつ65重量%以上との共重合体である請求項
2記載の生分解性積層不織構造体の製造方法
【0006】次に,本発明を詳細に説明する。本発明に
おける生分解性熱可塑性合成短繊維不織布層は,脂肪族
グリコールと脂肪族ジカルボン酸の縮重合体である生分
解性熱可塑性脂肪族ポリエステル系重合体繊維からなる
ものである。この生分解性熱可塑性脂肪族ポリエステル
系重合体とは,脂肪族グリコールと脂肪族ジカルボン酸
の縮重合体で,かつ融点が90℃以上のものであり,例
えばポリエチレンオキサレート,ポリエチレンサクシネ
ート,ポリエチレンアジペート,ポリエチレンアゼレー
ト,ポリブチレンオキサレート,ポリブチレンサクシネ
ート,ポリブチレンアジペート,ポリブチレンセバケー
ト,ポリヘキサメチレンセバケート,ポリネオペンチル
オキサレート又はこれらの共重合体が挙げられる。本発
明では,前記脂肪族ポリエステル系重合体として,ポリ
エチレンサクシネート及び/又はポリブチレンサクシネ
ートを採用すると,本願発明がその対象とする用途分野
において好適な不織布特性を発現させることができるた
め,特に好ましい。ポリエチレンサクシネートとポリブ
チレンサクシネートは,ポリエチレンサクシネート単体
あるいはポリブチレンサクシネート単体であってもよ
く,またこれらの共重合体であってもよいが,共重合体
の場合には,ポリエチレンサクシネートを0重量%を超
えかつ35重量%以下とし,ポリブチレンサクシネート
を100重量%未満かつ65重量%以上とするのが,共
重合体の融点と数平均分子量の点で好ましい。すなわ
ち,ポリエチレンサクシネートが35重量%を超える
(すなわち,ポリブチレンサクシネートが65重量%未
満となる。)と,融点が90℃未満となるためこの重合
体を用いて短繊維不織布としたとき高温条件下での使用
に困難となり,また数平均分子量が十分に向上しないた
めこの重合体の繊維形成性が低く,溶融紡糸時の製糸性
が向上しないためである。なお,本発明においては,上
述したところの生分解性熱可塑性重合体に,必要に応じ
て,例えば艶消し剤,顔料,光安定剤,熱安定剤,酸化
防止剤等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲
内で添加することができる。
【0007】本発明における生分解性熱可塑性合成短繊
維不織布層は,前記重合体短繊維からなるものであっ
て,この短繊維は,前記重合体単独からなるものの他に
前記重合体の中から選択された2種以上の相異なる重合
体が各々溶融紡糸性を損なわない範囲内でブレンドされ
たブレンド物からなるものであってもよく,例えばポリ
エステル系重合体とポリオレフイン系重合体とがブレン
ドされたものや,2種の相異なるポリアミド系重合体が
ブレンドされたものが挙げられる。また,この短繊維の
形態は,前記重合体の中から選択された2種の相異なる
重合体が芯鞘型あるいは並列型に配されたものであって
もよい。
【0008】この短繊維不織布に関してであるが,まず
前述した重合体を単独で,あるいは前記重合体の中から
選択された2種以上の相異なる重合体がブレンドされた
ブレンド物を,あるいは前記重合体の中から選択された
2種の相異なる重合体を芯鞘型あるいは並列型に配する
ようにして溶融紡出し,すなわち紡糸口金から溶融紡出
・冷却し,引取りローラ等の引取り手段を用い引取り速
度を例えば500〜2000m/分として引取った後,
得られた未延伸フイラメント糸条を延伸し,スタツフア
ボツクス等の捲縮付与手段を用いて機械捲縮を付与した
後,所定長に切断して短繊維とし,得られた短繊維をカ
ーデイング機等を用いてウエブ化することによって,容
易に短繊維不織ウエブを得ることができる。この場合,
前述した重合体から選択された非相溶性の2種以上の重
合体を用いて複合紡出し,前述したと同様にして不織ウ
エブを作成し,得られた不織ウエブに機械的割繊処理を
施して各重合体単独からなる割繊繊維とする方法を採用
すると,より容易に極細短繊維の不織ウエブを得ること
ができる。なお,この非相溶性の2種以上の重合体とし
てはほぼ同等の融点を有するものであってもよいが,相
互に融点を少なくとも20℃異にする重合体を選択する
こともできる。溶融紡出するに際しては,前記脂肪族ポ
リエステル系重合体としてASTM−D−1238
(L)に準じて温度200℃で測定したメルトフローレ
ート値が5g/10分以上70g/10分以下のものを
採用するのが好ましい。このメルトフローレート値が5
g/10分未満であると重合体の粘度が高過ぎて得られ
る不織布が硬い風合いのものとなるため,一方,メルト
フローレート値が70g/10分を超えると重合体の粘
度が低過ぎて得られる短繊維の強度が低下したり,ある
いは溶融紡糸時の製糸性が低下したりするため,いずれ
も好ましくない。
【0009】この短繊維不織布では,その機械的特性と
寸法安定性の向上を目的に,得られた不織ウエブに熱カ
レンダーローラ又は熱エンボスローラを用いる熱圧着法
あるいは熱風を用いる熱融着法により構成短繊維間に熱
接着処理を施すことが好ましい。あるいは,高圧液体柱
状流処理あるいはニードルパンチング処理により構成短
繊維間に機械的交絡を付与してもよい。ウエブに熱圧接
処理を施すに際しては,公知の方法を採用することがで
きる。例えば,加熱されたカレンダーローラを用いて全
面的熱融着区域を形成する方法あるいは加熱されたエン
ボスローラと表面が平滑な金属ローラとを用いて構成短
繊維間に点状融着区域を形成する方法である。熱カレン
ダーローラを用いて短繊維同士を熱圧接させるに際して
は,カレンダーローラの温度を,通常は脂肪族ポリエス
テル系重合体の融点より5〜30℃程度低い温度とする
のが好ましく,この温度を適宜選択することにより短繊
維間の接着力が高くすなわち機械的強度が優れ,しかも
柔軟性に富む不織布を得ることができる。また,加熱さ
れたエンボスローラを用いてエンボスパターン部に存在
する短繊維同士を部分的に熱圧接させるに際しては,熱
エンボスローラの個々の圧接点面積を円形換算にて0.
1〜1.0mm2 ,圧接面積率を2〜30%好ましくは
4〜20%,かつ圧接点密度を2〜80点/cm2 好ま
しくは4〜60点/cm2 とし,圧接面積率が2%未満
あるいは圧接点密度が2点/cm2 未満であると熱接着
域が少な過ぎるため不織布の機械的強度と形態保持性そ
して寸法安定性が低下し,一方,圧接面積率が30%を
超えあるいは圧接点密度が60点/cm2 を超えると不
織布が剛直化して柔軟性が損なわれるため,いずれも好
ましくない。また,熱エンボスローラの温度を,通常は
脂肪族ポリエステル系重合体の融点より5〜40℃程度
低い温度とするのが好ましく,この温度を適宜選択する
ことにより短繊維間の接着力が高くすなわち機械的強度
が優れ,しかも柔軟性に富む不織布を得ることができ
る。熱エンボスローラのエンボスパターンは,その圧接
面積率が2〜30%の範囲内であれば特に限定されるも
のではなく,丸型,楕円型,菱型,三角型,T字型,井
型等,任意の形状でよい。なお,この熱エンボスローラ
を用いる部分的熱圧接処理は,連続工程あるいは別工程
のいずれであってもよい。また,ウエブに熱融着処理を
施すに際しても,例えば循環式熱風乾燥機を用いるなど
公知の方法を採用することができる。熱風処理を施して
短繊維同士を熱融着させるに際しては,熱風温度を,通
常は用いる脂肪族ポリエステル系重合体の融点以上かつ
30℃程度高い温度までとするのが好ましく,この温度
を適宜選択することにより短繊維間の接着力が高くすな
わち機械的強度が優れ,しかも柔軟性に富む不織布を得
ることができる。
【0010】また,ウエブの構成短繊維同士を機械的に
交絡させるに際しては,高圧液体柱状流処理あるいはニ
ードルパンチング処理など公知の方法を採用することが
できる。特に前者の場合,短繊維同士が三次元的に交絡
して不織布の嵩高性が向上すると共に柔軟性も向上する
ため,得られる積層不織構造体を衛生材用あるいは生活
関連材用の素材として用いる上で好ましい。高圧液体柱
状流処理の場合,例えば孔径が0.05〜1.5mm特
に0.1〜0.4mmの噴射孔を孔間隔を0.05〜5
mmで1列あるいは複数列に多数配列した装置を用い,
噴射圧力が5〜150kg/cm2 Gの高圧液体を前記
噴射孔から噴射し,多孔性支持部材上に載置したカード
ウエブに衝突させることにより短繊維間に三次元的交絡
を付与する方法を採用する。噴射孔の配列は,このカー
ドウエブの進行方向と直交する方向に列状に配列する。
高圧液体としては,常温の水あるいは温水を用いること
ができる。噴射孔とウエブとの間の距離は,1〜15c
mとするのがよい。この距離が1cm未満であるとこの
処理により得られる複合不織布の地合いが乱れ,一方,
この距離が15cmを超えると液体流が積層物に衝突し
たときの衝撃力が低下して三次元的な交絡が十分に施さ
れず,いずれも好ましくない。
【0011】本発明における生分解性熱可塑性合成短繊
維不織布層は,前述したような製法により得られるもの
であり,その構成短繊維の単繊維繊度を1.0デニール
以上8.0デニール以下好ましくは2.0デニール以上
5.0デニール以下とするのがよい。この単繊維繊度を
1.0デニール以上8.0デニール以下とすることによ
って,機械的特性と寸法安定性に優れた積層不織構造体
を得ることができる。
【0012】本発明における生分解性熱可塑性合成短繊
維不織布層は,その目付けが10〜70g/m2 のもの
であるのが好ましい。目付けが10g/m2 未満である
と短繊維同士の緻密な重なりの程度が低く,この不織布
に天然繊維不織布を積層・一体化して得られる積層不織
構造体の層間接着力が低下したりあるいは地合いが劣る
ため,好ましくない。一方,目付けが70g/m2 を超
えると厚みが大きくなり過ぎて,得られる積層不織構造
体を例えば柔軟性が要求されるような分野に適用するこ
とが困難となり,あるいは例えば医療・衛生材料や生活
関連材等の直接皮膚に接触する分野における素材として
使用したとき皮膚を刺激し,しかもこの不織布に天然繊
維不織布を積層した後,超音波融着装置を用い融着処理
を施して一体化するに際して加工速度を遅くしたりある
いは多大の超音波エネルギを供給するなどの必要が生じ
るため,好ましくない。
【0013】次に,本発明における天然繊維同士が機械
的に交絡してなる不織布層に関してであるが,この不織
布層を構成する天然繊維とは,木綿繊維や麻繊維等のセ
ルロース系繊維の他に,ラミー等の動物繊維,絹短繊
維,天然パルプ,レーヨンに代表される各種再生短繊維
をも包含するものである。本発明では,この不織布層の
出発原料として,晒し加工の施されていないコーマ糸,
晒し加工された晒し綿,あるいは織物・編物から得られ
る各種反毛を用いることもできる。出発原料として反毛
を用いる場合,効果的に用い得る反毛機としては,ラツ
グマシン,ノツトブレーカ,ガーネツトマシン,廻切機
が挙げられる。用いる反毛機の種類と組み合わせは,反
毛される織物・編物等の布帛形状や構成する糸の太さあ
るいは撚りの強さにもよるが,同一の反毛機を複数台直
列に連結したり,2種以上の反毛機を組み合わせて使用
したりするとより効果的である。この反毛機による解繊
率(%)は30〜95%の範囲であるのが好ましい。こ
の解繊率が30%未満であると,カードウエブ中に未解
繊繊維が存在するため不織布表面にザラツキが生じるの
みでなく,例えば高圧液体柱状流処理により天然繊維同
士を三次元的機械的交絡を施すに際して未解繊繊維部分
を高圧液体柱状流が十分貫通せず,一方,解繊率が95
%を超えると,前記生分解性熱可塑性合成短繊維不織布
と積層・一体化して得られる積層不織構造体において,
十分な表面摩擦強度が得られず,いずれも好ましくな
い。なお,ここでいう解繊率(%)とは,下記式(1)
により求められるものである。 解繊率(%)=(被反毛重量−糸状物重量)×100/被反毛重量・・(1)
【0014】本発明における天然繊維不織布層は,前記
天然繊維からなり,かつ繊維同士が機械的に交絡してな
るものである。すなわち,天然繊維同士が,高圧液体柱
状流処理あるいはニードルパンチング処理により機械的
に交絡したものであり,特に前者の場合,繊維同士が三
次元的に交絡して不織布の嵩高性が向上すると共に柔軟
性も向上するため,例えば前記生分解性熱可塑性合成短
繊維不織布と積層・一体化して得られる積層不織構造体
を衛生材用あるいは生活関連材用の素材として用いる上
で好ましい。この不織布層は,前記天然繊維素材の中か
ら選択された単一素材あるいは複数種の素材が混合され
てなるものを出発原料とし,カード機を用いて所定目付
けのカードウエブを作成し,次いで得られたウエブに高
圧液体柱状流処理あるいはニードルパンチング処理によ
り繊維間に機械的交絡を施すことにより容易に得ること
ができる。このカードウエブは,構成繊維の配列度合に
よって種々選択することができ,例えばカード機の進行
方向に配列したパラレルウエブ,パラレルウエブがクロ
スレイドされたウエブ,ランダムに配列したランダムウ
エブあるいは両者の中程度に配列したセミランダムウエ
ブ等が挙げられる。また,衣料用素材としての展開を図
りたい場合には,不織布強力の縦/横比が概ね1/1と
なるカードウエブを使用するのが好ましい。
【0015】高圧液体柱状流処理の場合,例えば孔径が
0.05〜1.5mm特に0.1〜0.4mmの噴射孔
を孔間隔を0.05〜5mmで1列あるいは複数列に多
数配列した装置を用い,噴射圧力が5〜150kg/c
2 Gの高圧液体を前記噴射孔から噴射し,多孔性支持
部材上に載置したカードウエブに衝突させることにより
繊維間に三次元的交絡を付与する方法を採用する。噴射
孔の配列は,このカードウエブの進行方向と直交する方
向に列状に配列する。高圧液体としては,常温の水ある
いは温水を用いることができる。噴射孔とウエブとの間
の距離は,1〜15cmとするのがよい。この距離が1
cm未満であるとこの処理により得られる複合不織布の
地合いが乱れ,一方,この距離が15cmを超えると液
体流が積層物に衝突したときの衝撃力が低下して三次元
的な交絡が十分に施されず,いずれも好ましくない。こ
の高圧液体柱状流による処理は,少なくとも2段階に別
けて施とよい。すなわち,第1段階の処理として圧力が
5〜40kg/cm2 Gの高圧液体流を噴出し前記ウエ
ブに衝突させ,ウエブの構成繊維同士を予備的に交絡さ
せる。この第1段階の処理において,液体流の圧力が5
kg/cm2 G未満であるとウエブの構成繊維同士を予
備的に交絡させることができず,一方,液体流の圧力が
40kg/cm2 Gを超えるとウエブに高圧液体流を噴
出し衝突させたときウエブの構成繊維が液体流の作用に
よって乱れ,ウエブに地合いの乱れや目付け斑が生じる
ため,いずれも好ましくない。引き続き,第2段階の処
理として圧力が50〜150kg/cm2 Gの高圧液体
流を噴出し前記ウエブに衝突させ,ウエブの構成繊維同
士を三次元的に交絡させて全体として緻密に一体化させ
る。この第2段階の処理において,液体流の圧力が50
kg/cm2 G未満であると,上述したような繊維間の
三次元的交絡を十分に形成することができず,一方,液
体流の圧力が150kg/cm2 Gを超えると,得られ
る不織布の嵩高性と柔軟性が向上せず,いずれも好まし
くない。なお,ウエブの目付けによっては,第2段階の
処理に引き続き第3段階の処理として,第2段階の処理
側と逆の側から第2段階の処理と同様の条件にて再度処
理を施すことにより,表裏共に緻密に繊維同士が交絡し
た不織布を得ることができる。高圧液体柱状流処理を施
すに際して用いる前記ウエブを担持する多孔性支持部材
としては,例えば20〜100メツシユの金網製あるい
は合成樹脂製等のメツシユスクリーンや有孔板など,高
圧液体流がウエブを貫通し得るものであれば特に限定さ
れない。また,多孔性支持部材のメツシユ構成は20本
/25mm〜200本/25mmの範囲であるのが好ま
しく,20本/25mm未満であると,高圧液体柱状流
がウエブに衝突した際に繊維が柱状流と共にメツシユス
クリーンを通過して繊維の脱落が発生し,一方,200
本/25mmを超えると,高圧液体柱状流がウエブとメ
ツシユスクリーンとを通過するに要するエネルギー量が
多大になって生産コストが上昇し,いずれも好ましくな
い。高圧液体流処理を施した後,処理後の前記ウエブか
ら過剰水分を除去する。この過剰水分を除去するに際し
ては,公知の方法を採用することができる。例えばマン
グルロール等の絞り装置を用いて過剰水分をある程度機
械的に除去し,引き続きサクシヨンバンド方式の熱風循
環式乾燥機等の乾燥装置を用いて残余の水分を除去して
不織布を得ることができる。
【0016】本発明における天然繊維不織布層は,その
目付けが30〜200g/m2 好ましくは50〜150
g/m2 のものであるのがよい。目付けが30g/m2
未満であると天然繊維の単位面積当たりの存在量が小さ
過ぎて本発明が目的とする吸水性が十分に具備されず,
一方,目付けが200g/m2 を超えると前記生分解性
熱可塑性合成短繊維不織布との積層後に超音波融着装置
を用いて点状融着区域を形成することにより一体化して
得られる積層不織構造体においてその剥離強力が十分に
向上せず,いずれも好ましくない。
【0017】次に、本発明の積層不織構造体の製造方法
においては、前記生分解性熱可塑性合成短繊維不織布層
と、天然繊維不織布層と積層超音波融着装置を用
いて、前記合成短繊維と天然繊維とが融着されてなる点
状融着区域を形成し、かつ前記点状融着区域において前
記両不織布層の少なくとも境界面に位置する天然繊維が
前記合成短繊維の融解部に埋設された状態で固定される
ことにより全体として一体化さる。この点状融着区域
とは、周波数が19.15KHzの通常ホーンと呼称さ
れる超音波発信器と、円周上に点状又は帯状に凸状突起
部を具備するパターンロールとからなる超音波融着装置
を用いて形成され、前記凸状突起部に該当する部分に当
接する短繊維同士を融着させたものである。さらに詳し
くは、この点状融着区域は、不織構造体全表面積に対し
て特定の領域と特定の配置とを有し、個々の点状融着区
域は必ずしも円形の形状である必要はないが、不織構造
体全表面積に対する全点状融着区域の面積の比が2〜4
0%、好ましくは4〜25%、同区域密度が7〜80点
/cm2、好ましくは8〜50点/cm2であるものがよ
い。不織構造体全表面積に対する全点状融着区域の面積
の比が2%未満であると、前記生分解性熱可塑性合成短
繊維不織布と天然繊維不織布との積層後に超音波融着装
置を用いて点状融着区域を形成することにより一体化し
て得られる積層不織構造体の柔軟性と嵩高性が低下する
ため、いずれも好ましくない。また、同区域密度が7点
/cm2未満であると得られる積層不織構造体の層間接
着力すなわち剥離強力に斑が生じ、一方、同区域密度が
80点cm2を超えると得られる積層不織構造体の柔軟
性と嵩高製が低下し、いずれも好ましくない。
【0018】本発明において用い得る超音波融着装置と
は、公知の装置すなわち周波数が19.15KHzの通
常ホーンと呼称される超音波発振器と、円周上に点状又
は帯状に凸状突起部を具備するパターンロールとからな
る装置である。前記超音波発振器の下部に前記パターン
ロールが配設され、被処理物は超音波発振器とパターン
ロールとの間に通される。このパターンロールに配設さ
れる凸状突起部は1列あるいは複数列であてもよく、ま
た、その配設が複数列の場合には、並列あるいは千鳥型
のいずれの配列でもよい。融着処理に際しては、ホーン
に空気圧を印加して加圧する。ホーンとパターンロール
間の線圧は、通常1〜10kg/cmとし、線圧が1k
g/cm未満であると、前記熱可塑性合成短繊維不織布
層と天然繊維不織布層との積層物に対する押し圧が不足
して融着が生じなく、一方、線圧が10kg/cmを超
えると、点状融着区域に対する押し圧が高過ぎて融着区
域に相当する前記生分解性熱可塑性合成短繊維不織布層
が熱分解したり、あるいは極端な場合には穿孔が生じた
りして得られる積層不織構造体の層間接着力が低下し、
いずれも好ましくない。図1は、本発明により得られる
積層不織構造体における前記点状融着区域の断面を示す
模式図である。図において、1は点状融着区域において
融解した生分解性熱可塑性合成短繊維層、2は天然繊維
で、同図から明らかなように点状融着区域において両不
織布層の少なくとも境界面に位置する天然繊維2は、熱
可塑性合成短繊維が融解した融解部すなわち1に埋設さ
れた状態で固定されており、両不織布層が点状融着区域
において、このような接着構造を有するため、剥離強力
の高い積層不織構造体となる。
【0019】
【作用】本発明の製造方法により得られる積層不織布構
造体は、片面が生分解性熱可塑性合成短繊維からなる不
織布層から構成されるため疎水性を有し、他面が天然繊
維同士が機械的に交絡してなる不織布層から構成される
ため吸水性を有し、しかも両面の不織布共に生分解性を
有する。また、前記の熱可塑性合成短繊維不織布が割繊
短繊維不織布であって、かつ天然繊維同士が三次元的に
交絡してなる場合、前記合成短繊維と相乗して優れた柔
軟性が具備される。さらに、前記合成短繊維と天然繊維
とが融着されてなる点状融着区域において、前記両不織
布層の少なくとも境界面に位置する天然繊維が前記合成
短繊維の融解部に埋設された状態で固定された接着構造
を有するため、剥離強力の高い積層不織構造体となる。
【0020】
【実施例】次に,実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが,本発明は,これらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。実施例において,各特性値の測定を
次の方法により実施した。 メルトフローレート値(g/10分):ASTM−D−
1238(L)に記載の方法に準じて測定した。なお,
生分解性熱可塑性脂肪族ポリエステル系重合体の場合,
測定温度を200℃とした。 融点(℃):パーキンエルマ社製示差走査型熱量計DS
C−2型を用い,試料重量を5mg,昇温速度を20℃
/分として測定して得た融解吸熱曲線の最大極値を与え
る温度を融点(℃)とした。 目付け(g/m2 ):標準状態の試料から縦10cm×
横10cmの試料片計10点を作成し平衡水分に到らし
めた後,各試料片の重量(g)を秤量し,得られた値の
平均値を単位面積(m2 )当たりに換算し目付け(g/
2 )とした。 引張り強力(kg/2.5cm幅)及び引張り伸度
(%):JIS−L−1096Aに記載の方法に準じて
測定した。すなわち,試料長が10cm,試料幅が2.
5cmの試料片計10点を作成し,各試料片毎に不織布
の経及び緯方向について,定速伸長型引張り試験機(東
洋ボールドウイン社製テンシロンUTM−4−1−10
0)を用いて引張り速度10cm/分で伸長し,得られ
た切断時荷重値(kg/2.5cm幅)の平均値を引張
り強力(kg/2.5cm幅),切断時伸長率(%)の
平均値を引張り伸度(%)とした。 層間剥離強力(g/5cm幅):試料長が10cm,試
料幅が5cmの試料片計10点を作成し,各試料片毎に
不織布の経方向について,定速伸長型引張り試験機(東
洋ボールドウイン社製テンシロンUTM−4−1−10
0)を用いて引張り速度10cm/分で天然繊維不織布
層が合成短繊維不織布層から積層構造体の端部から計っ
て5cmの位置まで強制的に剥離させ,得られた荷重値
(g/5cm幅)の平均値を層間剥離強力(g/5cm
幅)とした。 剛軟度(g):試料長が10cm,試料幅が5cmの試
料片計5点を作成し,各試料片毎に横方向に曲げて円筒
状物とし,各々その端部を接合したものを剛軟度測定試
料とした。次いで,各測定試料毎にその軸方向につい
て,定速伸長型引張り試験機(東洋ボールドウイン社製
テンシロンUTM−4−1−100)を用いて圧縮速度
5cm/分で圧縮し,得られた最大荷重値(g)の平均
値を剛軟度(g)とした。 吸水性(mm):JIS−L−1096に記載のバイレ
ツク法に準じて測定した。 生分解性の評価:試料片を土壌中に3カ月間埋設した後
に取り出し,試料片がその形態を保持しいる場合,ある
いはその形態を保持していても引張り強力が初期の50
%以下に低下している場合,生分解性が良好であると評
価した。
【0021】実施例1 融点が110℃,メルトフローレート値が30g/10
分のポリエチレンサクシネート10重量%/ポリブチレ
ンサクシネート90重量%の共重合体チツプを用い,前
記共重合体の短繊維からなる不織布を作成した。すなわ
ち,前記共重合体チツプをエクストルーダ型溶融押出し
機を用いて溶融し,これを孔径が0.35mmの円形断
面紡糸孔を有する紡糸口金を通して紡糸温度を210℃
かつ単孔吐出量を0.9g/分として溶融紡出し,温度
が20℃の冷却風を用いて冷却した後,引取りローラを
用い引取り速度を800m/分として引取った後,得ら
れた未延伸フイラメント糸条を延伸倍率を3.5として
延伸し,スタツフアボツクス等の捲縮付与手段を用いて
22個/25mmの機械捲縮を付与した後,51mm長
に切断して短繊維とし,得られた短繊維をカーデイング
機等を用いてウエブとし,得られたウエブに循環式熱風
乾燥機を用い,処理温度を120℃,処理時間を2分と
して熱融着処理を施し,単繊維繊度が3デニールで,目
付けが30g/m2 の短繊維不織布を得た。得られた短
繊維不織布は,引張り強力が2.1kg/2.5cm
幅,引張り伸度が45%,剛軟度が22g,吸水性が2
5mmのものであった。別途,平均単繊維繊度が1.5
デニールで,かつ平均繊維長が25mmの木綿晒し綿を
用い,木綿繊維同士が三次元的に交絡してなる不織布を
作成した。すなわち,前記晒し綿を出発原料とし,ラン
ダムカード機により繊維配列がランダムなウエブを作成
し,次いで得られたウエブを移動速度20m/分で移動
する70メツシユの金網上に載置して高圧液体流処理を
施した。高圧液体流処理は,孔径0.1mmの噴射孔が
孔間隔0.6mmで一列に配設された高圧柱状水流処理
装置を用い,ウエブの上方50mmの位置から2段階に
別けて柱状水流を作用させた。第1段階の処理では圧力
を30kg/cm2 Gとし,第2段階の処理では圧力を
70kg/cm2 Gとした。なお,第2段階の処理は,
まずウエブの表側から4回施した後にウエブを反転し,
裏側から5回施した。次いで,得られた処理物からマン
グルロールを用いて過剰水分を除去した後,得られた処
理物に熱風乾燥機を用い温度100℃の条件で乾燥処理
を施し,木綿繊維同士が緻密に三次元的交絡をした目付
けが35g/m2 の木綿繊維不織布を得た。得られた木
綿繊維不織布は,引張り強力が2.2kg/2.5cm
幅,引張り伸度が35%,剛軟度が28g,吸水性が1
32mmのものであった。
【0022】次いで,前記で得られた短繊維不織布と木
綿繊維不織布とを積層し,周波数が19.15KHzの
超音波発振器と円周上に点状に凸状突起部が面積比(ロ
ール全表面積に対する全凸状突起部の面積の比)11%
かつ密度18点/cm2 で配設されたパターンロールと
からなる超音波融着装置を用い,加工速度を30m/
分,線圧を1.5kg/cm,超音波の振幅を16μm
とし超音波融着処理を施して積層不織構造体を得た。得
られた積層不織構造体の特性を表1に示す。
【0023】実施例2 融点が116℃,メルトフローレート値が35g/10
分のポリブチレンサクシネートチツプを用い,前記重合
体の短繊維からなる不織布を作成した。すなわち,前記
重合体チツプをエクストルーダ型溶融押出し機を用いて
溶融し,これを孔径が0.35mmの紡糸孔を有する紡
糸口金を通して紡糸温度を220℃かつ単孔吐出量を
0.8g/分として溶融吐出し,温度が20℃の冷却風
を用いて冷却した後,引取りローラを用い引取り速度を
800m/分として引取った後,得られた未延伸フイラ
メント糸条を延伸倍率を2.8として延伸し,スタツフ
アボツクス等の捲縮付与手段を用いて20個/25mm
の機械捲縮を付与した後,51mm長に切断して短繊維
とし,得られた短繊維をカーデイング機等を用いてウエ
ブとし,得られたウエブに循環式熱風乾燥機を用い,処
理温度を125℃,処理時間を2分として熱融着処理を
施し,単繊維繊度が3デニールで,目付けが30g/m
2 の短繊維不織布を得た。得られた短繊維不織布は,引
張り強力が2.6kg/2.5cm幅,引張り伸度が4
0%,剛軟度が28g,吸水性が21mmのものであっ
た。次いで,前記で得られた短繊維不織布と実施例1で
作成した木綿繊維不織布とを積層し,以降は実施例1と
同様にして,積層不織構造体を得た。得られた積層不織
構造体の特性を表1に示す。
【0024】比較例1 融点が156℃,メルトフローレート値が30g/10
分のポリプロピレンチツプを用い,前記重合体の短繊維
からなる不織布を作成した。すなわち,前記重合体チツ
プをエクストルーダ型溶融押出し機を用いて溶融し,以
降は紡糸温度を230℃,引取り速度を1200m/
分,延伸倍率を3.5として紡糸・延伸をし,以降は捲
縮数を25個/25mmとした以外は実施例1と同様に
して,単繊維繊度が2デニールで,目付けが30g/m
2 の短繊維不織布を得た。得られた短繊維不織布は,引
張り強力が4.5kg/2.5cm幅,引張り伸度が3
6%,剛軟度が33g,吸水性が13mmのものであっ
た。次いで,前記で得られた短繊維不織布と実施例1で
作成した木綿繊維不織布とを積層し,以降は実施例1と
同様にして,積層不織構造体を得た。得られた積層不織
構造体の特性を表1に示す。
【0025】比較例2 実施例1で作成した短繊維不織布と実施例1で作成した
木綿繊維不織布とを積層し,超音波融着処理に代わり圧
接面積率が12%の熱エンボスローラと表面平滑な金属
ローラとを用い,処理温度を98℃,かつ線圧を50k
g/cmとして加工速度15m/分で部分熱圧接処理を
施した以外は実施例1と同様にして,積層不織構造体を
得た。得られた積層不織構造体の特性を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】実施例1及び2で得られた積層不織構造体
は,表1から明らかなように実用上十分な引張り強伸度
を有すると共に剥離強力が高く,柔軟性が優れ,生分解
性を具備するものであった。これに対し,比較例1で得
られた積層不織構造体は,生分解性繊維を含有しておら
ず前記評価試験の結果,生分解性が劣ると評価された。
比較例2で得られた積層不織構造体は,熱エンボスロー
ラを用いた部分熱圧接処理が施されたものであるため,
剥離強力が極めて低いものであった。
【0028】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られる生分解
性積層不織構造体は、生分解性熱可塑性合成短繊維不織
布層と天然繊維同士が機械的に交絡してなる不織布層と
が積層され、前記合成短繊維と天然繊維とが融着されて
なる点状融着区域とを有し、前記点状融着区域において
前記両不織布層の少なくとも境界面に位置する天然繊維
が前記合成短繊維の融解部に埋設された状態で固定され
ることにより全体として一体化されてなるものであるの
、生分解性を有し、剥離強力が高く、柔軟性が優れ、
吸水性と疎水性を併せ有し、医療・衛生材料、拭き取り
布や包装材料あるいは家庭用又は業務用の生塵捕集用袋
等の一般生活関連材、あるいは農業用に代表される産業
資材用の各素材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生分解性積層不織構造体における前記
点状融着区域の断面を示す模式図である。
【符号の説明】
1:融解した生分解性熱可塑性合成短繊維層 2:天然繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−214648(JP,A) 特開 平5−230751(JP,A) 特開 昭50−47492(JP,A) 特開 昭60−101118(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04H 1/00 - 18/00 C08G 63/00 - 63/91

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性熱可塑性合成短繊維からなる不
    織布層と天然繊維同士が機械的に交絡してなる不織布
    層と積層し、超音波融着装置を用いて、前記合成短繊
    維と天然繊維とが融着されてなる点状融着区域を形成
    し、前記点状融着区域において前記両不織布層の少なく
    とも境界面に位置する天然繊維が前記合成短繊維の融解
    部に埋没された状態で固定されることにより全体として
    一体化させることを特徴とする生分解性積層不織構造体
    の製造方法
  2. 【請求項2】 生分解性熱可塑性合成短繊維が、脂肪族
    グリコールと脂肪族ジカルボン酸の縮重合体である生分
    解性熱可塑性脂肪族ポリエステル系重合体からなる請求
    項1記載の生分解性積層不織構造体の製造方法
  3. 【請求項3】 生分解性熱可塑性脂肪族ポリエステル系
    重合体が、ポリエチレンサクシネート又はポリブチレン
    サクシネートである請求項2記載の生分解性積層不織構
    造体の製造方法
  4. 【請求項4】 生分解性熱可塑性脂肪族ポリエステル系
    重合体が、ポリエチレンサクシネートの0重量%を超え
    かつ35重量%以下と、ポリブチレンサクシネートの1
    00重量%未満かつ65重量%以上との共重合体である
    請求項2記載の生分解性積層不織構造体の製造方法
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