JP3213097U - 装身具 - Google Patents

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Abstract

【課題】どのような形状の装身具であっても、アレルギーを起こし難い装身具を提供する。【解決手段】ピアス10は、ピン12、装飾体14、及び留め具16を具えている。ピアス10は、ピアス10の装着時、人体に継続的に触れる部位であるピン12の継続的接触部11に、ガラスの超微粒子が透明液剤を介して、継続的接触部11の表面全体を覆った状態で、透明液剤が硬化することによって形成されている硬化ガラス膜を具えているため、ピン12の継続的接触部11が人体に触れることによるアレルギーの発生可能性を極めて低くすることができる。【選択図】図1

Description

本考案は、例えば、ピアス、ネックレス、腕時計など、装着時、人体の皮膚に継続的に接触する部位(以下、単に、「継続的接触部」ともいう。)又は接触し得る部位(以下、単に、「接触部」ともいう。)を有する装身具に関する。
ピアス、ネックレス、腕時計などの装身具は、継続的接触部又は接触部を有しており、これらの装身具は、金属製であることが多い。そして、金属製の部位が皮膚に触れた場合、その金属の成分により、アレルギー性皮膚炎などの金属アレルギーを起こす可能性がある。また、装身具の継続的接触部又は接触部が樹脂製やゴム製の場合も、皮膚との接触によりアレルギー症状を起こす場合がある。
これまで、アレルギーの発生を予防する装身具が開発されており、例えば、以下に示すものがある。
実開平5−23916号公報
特許文献1には、ピアス式イヤリングにおいて、耳朶の挿入孔に挿通される金属製芯材であるイヤリングポストに樹脂被膜層を施したものが開示されている。
特許文献1のように、金属製芯材に樹脂被膜層を施す場合、確かに、金属アレルギー発生の予防が期待できる。しかし、被膜層が樹脂であるため、樹脂を原因とするアレルギーが発生する可能性がある。また、樹脂被膜層は比較的厚いため、例えば、鎖状のネックレスや、腕時計の裏面などの面状の部位に透明被膜を施し難いという問題もある。
そこで、本考案は、前述した問題点に鑑み、どのような形状の装身具であっても、アレルギーを起こし難い装身具を提供することをその目的とする。
本考案は、人体に装着される装身具であって、
前記装身具は、装着時に人体に継続的に触れる部位である継続的接触部を具え、
前記継続的接触部にガラスの超微粒子を含有する無機質の透明液剤が硬化した硬化ガラス膜が形成されていることを特徴とする装身具によって前記課題を解決した。
本考案によれば、装着時、人体に継続的に触れる継続的接触部に、ガラスの超微粒子を含有する無機質の透明液剤が硬化した硬化ガラス膜が形成されているので、アレルギーの発生を防止することができる。すなわち、金属や樹脂、ゴムと異なり、ガラスの超微粒子は無機質であり、また、透明液剤も無機質であるため、本考案の装身具は、アレルギーの発生可能性が極めて低い。なお、ガラスの超微粒子と透明液剤はともに透明であるため、ガラスの超微粒子と透明液剤で形成される層は肉眼で見え難く、装身具の美観を損なうことなく上述の効果を奏することができる。
また、装身具が、装着時に人体に触れ得る部位である接触部を具える場合、当該接触部に対しても、ガラスの超微粒子を含有する無機質の透明液剤が硬化した硬化ガラス膜を形成すれば、装身具を装着することによるアレルギーの発生を一層防止することができる。また、装身具の全体にガラスの超微粒子を含有する無機質の透明液剤が硬化した硬化ガラス膜を形成すれば、継続的接触部や接触部に該当しない部位、例えば、装着時のみに触れる部位も硬化ガラス膜で覆うことができるので、アレルギー発生の防止を一層図ることができる。
硬化ガラス膜の層を多層にすれば、硬化ガラス膜の耐久性、延いては、装身具の耐久性を向上させることができる。
また、硬化ガラス膜は、ガラスの超微粒子を含有する無機質の透明液剤を硬化させることによって形成されるので、継続的接触部が、棒状、鎖状、又は面状であっても適用することができる。よって、従来に比べ、様々な形状の装身具に適用することができる。特に、ピアス、イヤリング、ネックレス、ブレスレット、アンクレット、リング、ヘアピン、又は腕時計などの装身具に適用することができる。
本考案の第一実施例の装身具の一例を示した図。 図1の要部拡大断面図。 本考案の第二実施例の要部拡大断面図。
以下、本考案の実施形態を図1〜3を参照して説明する。但し、本考案はこの実施形態に限定されるものではない。
図1には、本考案の第一実施例の装身具であるピアス10が示されている。ピアス10は、ピン12、装飾体14、及び留め具16を具えている。ピアス10は、人体に設けられた貫通孔(図1では、耳朶20)にピン12が挿通され、留め具16がピン12に取付けられることにより装着される。
ピン12は、人体に設けられた貫通孔(図1では、耳朶20)に挿通される部材である。ピン12は、ピアス10の装着時、人体に継続的に触れる部位、すなわち、耳朶20の貫通孔に対応する部位である継続的接触部11と、ピン12を耳朶20に挿通させるときに人体に触れる接触部(ピン接触部13)を有する。ピン12は、通常、金属や樹脂で形成されており、金属メッキ加工が施されている場合もある。ピアス10において、ピン12は直線状であるが、湾曲しているタイプのものであってもよい。
ピン12の一端には、装飾体14が取付けられている。装飾体14は、装着時、耳朶20に接触し得る部位である接触部(装飾体接触部15)を有している。ピアス10の場合、装飾体14は球体であるが、これに換えて、他の形状の装飾体としてもよい。装飾体は、金属や宝玉、宝石で構成されることが多く、装飾体の一部がピンと連続していることもあり得る。なお、耳朶20から離れた位置に取付けられる装飾体の場合など、装飾体接触部を有しないものもあることは言うまでもない。
ピン12の他端には、留め具16が取付けられている。すなわち、ピアス10は、装飾体14と留め具16で耳朶20を挟む形で装着される。留め具16は、装着時、耳朶20に接触し得る部位である接触部(留め具接触部18)を有している。なお、留め具は、通常、金属や樹脂で形成されており、金属メッキ加工が施される場合もある。留め具の形状は、公知のものを適用することができる。
図2に示すように、ピン12の継続的接触部11には、硬化ガラス膜Aが形成されている。硬化ガラス膜Aは、単体の直径が0.2μmよりも小さいガラスの超微粒子32が、透明液剤34を介して、継続的接触部11の表面全体を覆った状態で、透明液剤34が硬化することによって形成されている。ガラスの超微粒子32は、強化ガラスの超微粒子としてもよい。透明溶剤34は、100%無機質の溶剤であって、水分を条件に硬化する液体を適用することができる。硬化ガラス膜Aの厚さは、0.2〜0.8μmである。なお、継続的接触部11の表面に傷がある場合、ガラスの超微粒子32と透明液剤34がその傷に入り込み、硬化する。よって、継続的接触部11の表面状態に関わらず、硬化ガラス膜Aを形成させることができる。ガラスの超微粒子32は無機質であり、また、透明液剤34も無機質であるため、硬化ガラス膜Aが形成されているピン12の継続的接触部11が人体に触れることによるアレルギーの発生可能性は、極めて低い。なお、硬化ガラス膜Aが形成されることにより、ピアス10の耐熱性の向上、メッキの変色防止、錆防止、傷の付着防止、印字が消え難くなる、などの効果も奏することができる。
硬化ガラス膜Aは、以下の方法により形成することができる。まず、ガラスの超微粒子32を含有する液状の透明液剤34を準備する。その透明液剤34を布等に含浸させ、対象部位に塗布する。或いは、対象の装身具を透明液剤34に浸してもよい。次に、透明液剤34が塗布された部位に水分を含ませ、透明液剤34を硬化させる。水分を含ませる方法としては、水分を含んだ布を対象部位に押し当てる、対象部位に霧吹きする、或いは、対象部位にスチームを当てるなどの方法がある。上記の方法で硬化ガラス膜Aは形成される。上記のとおり、硬化ガラス膜Aを形成するために、透明液剤34を対象部位に塗布する必要がある。よって、透明液剤34を吸収する紙や布等の素材以外には、硬化ガラス膜Aを形成させることが可能である。
ピアス10の場合、継続的接触部11の他に、接触部である装飾体接触部15と留め具接触部18に硬化ガラス膜Aを形成することにより、ピアス10を装着することによるアレルギーの発生を一層防止することができる。また、継続的接触部11、ピン接触部13、装飾体接触部15、及び留め具接触部18以外の部位を含むピアス10の全体に硬化ガラス膜Aを形成すれば、例えば、装着時のみに触れる部位も硬化ガラス膜Aで覆うことができるので、アレルギー発生の防止を一層図ることができる。
図3は、ピアス10と同形のピアス10aの継続的接触部11aに硬化ガラス膜A,Bが形成されている実施例を示している。このように、硬化ガラス膜は、多層にすることができる。多層にする方法としては、硬化ガラス膜Aを形成した後、さらに、上述した硬化ガラス膜形成処理を行い、硬化ガラス膜Bを形成すればよい。なお、硬化ガラス膜Bは、硬化ガラス膜Aと同様の構成であり、ガラスの超微粒子42が、透明液剤40を介して、硬化ガラス膜Aの表面全体を覆った状態で、透明液剤40が硬化することによって形成されている。このように、硬化ガラス膜を多層にすることにより、硬化ガラス膜A,Bの耐久性、延いては、ピアス10aの耐久性を向上させることができる。
図示をしての説明は省略するが、硬化ガラス膜は、ピアス10のような装身具以外にも、例えば、イヤリング、ネックレス、ブレスレット、アンクレット、リング、ヘアピン、又は腕時計などの装身具に形成させることもできる。イヤリングの場合、耳朶を挟むときに耳朶に接触する部位が継続的接触部である。ネックレス、ブレスレット、アンクレット、リングの場合は、全体が継続的接触部となり得る。ヘアピンの場合、装着時、頭皮に面する部位が継続的接触部である。また、腕時計の場合、文字盤の裏面(腕に面する面)とベルトの裏面が継続的接触部である。本考案は、上述のとおり、液状の透明液剤を硬化させるという方法で硬化ガラス膜を形成させるものであるから、鎖状のネックレス、ブレスレット、又はアンクレットでも、腕時計の文字盤の裏面のような面状でも適用することができる。なお、上記の装身具が、それぞれ、接触部を有する場合は、当該接触部に硬化ガラス膜を形成させてもよく、装身具の全体に硬化ガラス膜を形成させてもよい。
以上に説明したように、本考案によれば、どのような形状の装身具であっても、アレルギーを起こし難い装身具を提供することができる。
10,10a ピアス(装身具)
11 継続的接触部
13,15,18 接触部
32 ガラスの超微粒子
34 透明液剤
A,B 硬化ガラス膜

Claims (6)

  1. 人体に装着される装身具であって、
    前記装身具は、装着時に人体に継続的に触れる部位である継続的接触部を具え、
    前記継続的接触部にガラスの超微粒子を含有する無機質の透明液剤が硬化した硬化ガラス膜が形成されていることを特徴とする、
    装身具。
  2. 前記装身具が、装着時に人体に触れ得る部位である接触部を具え、
    前記接触部にガラスの超微粒子を含有する無機質の透明液剤が硬化した硬化ガラス膜が形成されている、請求項1の装身具。
  3. 前記装身具の前記継続的接触部及び接触部以外の部位を含む全体に、ガラスの超微粒子を含有する無機質の透明液剤が硬化した硬化ガラス膜が形成されている、請求項2の装身具。
  4. 前記硬化ガラス膜の層が多層である、請求項1から3のいずれかの装身具。
  5. 前記継続的接触部が、棒状、鎖状、又は面状である、請求項1から4のいずれかの装身具。
  6. 前記装身具が、ピアス、イヤリング、ネックレス、ブレスレット、アンクレット、リング、ヘアピン、又は腕時計である、請求項1から4のいずれかの装身具。
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