JP3212406U - がいし取替工具 - Google Patents

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田代 淳
淳 田代
徹 古内
徹 古内
涼平 三井
涼平 三井
架 佐々木
架 佐々木
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東日本電気エンジニアリング株式会社
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【課題】がいしの交換を作業性良く行うことができるがいし取替工具を提供する。【解決手段】がいし取替工具1は、支持材15に吊り下げられ電線Eを支持するがいし19を交換する際に用いるがいし取替工具であって、鋼材で形成された係止部材2と、電線Eを引き上げて電線Eの荷重を負担する張線器3と、を備え、係止部材2は、支持材15に係止可能な係止部と、張線器3が取り付けられる取付部29と、を有し、係止部材2が支持材15に取り付けられた状態で、取付部29は、支持材15の高さと略同一以上の高さに配置されることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本考案は、がいし取替工具に関するものである。
従来から、鉄道のき電線は、がいしに取り付けられている。具体的には、電柱間にはビームが架設され、ビーム上に鋼材で形成されたやぐらが設置されている。やぐらは、ビームから立設された一対の縦材と、縦材の上端部どうしを連結する上材とを有した門型をなしている。やぐらの上材にがいしが取り付けられ、がいしにき電線が支持されている(例えば、下記の特許文献1参照)。このがいしは、経年や落雷等により損傷した場合には、交換する必要がある。
がいしを交換する際には、やぐらの上材にロープを環状にして引っかけて、ロープに張線器(シメラー)が取り付けられたフックを係止させて、張線器にき電線を仮支持させて、がいしを交換している。
実開平6−53263号公報
しかしながら、上記のようにやぐらの上材にロープを引っかける方法では、ロープに係止させるフックの位置が低いと、張線器の引きしろが短すぎて、き電線を仮支持することができない。このため、フックの位置が上方になるように再調整する必要があり、手間がかかるという問題点がある。
そこで、本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであり、がいしの交換を作業性良く行うことができるがいし取替工具を提供する。
上記目的を達成するために、本考案は以下の手段を採用している。
すなわち、本考案に係るがいし取替工具は、支持材に吊り下げられ電線を支持するがいしを交換する際に用いるがいし取替工具であって、鋼材で形成された係止部材と、前記電線を引き上げて該電線の荷重を負担する張線器と、を備え、前記係止部材は、前記支持材に係止可能な係止部と、前記張線器が取り付けられる取付部と、を有し、前記係止部材が前記支持材に取り付けられた状態で、該取付部は、前記支持材の高さと略同一以上の高さに配置されることを特徴とする。
このように構成されたがいし取替工具では、係止部材は鋼材で形成されているため、ロープ等のように変形することがない。よって、係止部を支持材に係止させれば、取付部は、常に支持材の高さと略同一以上の高さに配置される。したがって、取付部に取り付けられた張線器に電線を仮支持させる際には、張線器の引きしろが十分に確保されるため、張線器の位置調整等することなく、作業性良くがいしを交換することができる。
また、本考案に係る取替工具では、前記係止部材は、前記支持材の上面に沿って配置される基部を有し、前記取付部は、前記基部の一端部に設けられていることが好ましい。
このように構成されたがいし取替工具では、取付部は、支持材の上面に沿って配置された基部の一端部に設けられている。よって、係止部材を複雑な構成とすることなく、張線器の引きしろを十分に確保することができる。
また、本考案に係る取替工具では、前記係止部材は、前記基部の他端部から下方に延び、前記支持材の下面に係止可能な係止部を有していてもよい。
このように構成されたがいし取替工具では、係止部は、基部の他端部から下方に延び支持材の下面に係止可能である。よって、基部の一端部側には仮支持した電線の荷重が下向きに作用し、この力を反力として、基部の他端部に設けられた係止部を支持材に確実に係止させることができる。
本考案に係るがいし取替工具によれば、がいしの交換を作業性良く行うことができる。
本考案の一実施形態に係るがいし取替工具の使用対象となるがいしを示す斜視図である。 本考案の一実施形態に係るがいし取替工具を使用して、がいしを交換する様子を示す斜視図である。 本考案の一実施形態に係るがいし取替工具を示す斜視図である。 本考案の一実施形態に係るがいし取替工具の係止部材が支持材に係止されている様子を示す斜視図である。 本考案の一実施形態に係るがいし取替工具の係止部材が支持材に係止されている様子を示す模式的な側面図である。
本考案の一実施形態に係るがいし取替工具について、図面を用いて説明する。
図1は、本考案の一実施形態に係るがいし取替工具の使用対象となるがいしを示す斜視図である。図2は、本考案の一実施形態に係るがいし取替工具を使用して、がいしを交換する様子を示す斜視図である。
列車に電気を供給する鉄道電気設備(電車線路)では、例えば図1に示すように、対向設置された電柱11間に、ビーム12が架設されている。ビーム12には、門型をなすやぐら13が設置されている。やぐら13は、ビーム12から上方に延びる一対の縦枠14と、一対の縦枠14の上端部どうしを連結する上枠(支持材)15と、を有している。図5に示すように、上枠15は、断面視L型をなす鋼材が組み付けて構成され、上面16uが略水平方向に沿って配置される上板部16と、上板部16の幅方向(上板部16の延在方向と直交する水平方向)の略中央から下方に延びる垂下部17と、を有している。上枠15の垂下部17には、図1に示すように、上下方向に複数のがいし19が連設されている。図2に示すように、最上端に位置するがいし19uは、取付部材18を介して上枠15に吊り下げられている。最下端に位置するがいし19bには、支持部材20が設けられている。支持部材20は、き電線等の電線Eを支持している。本実施形態に係るがいし取替工具1は、がいし19を交換する際に使用するものである。
図3は、がいし取替工具1を示す斜視図である。図4は、がいし取替工具1の係止部材2が上枠15に係止されている様子を示す斜視図である。図5は、がいし取替工具1の係止部材2が上枠15に係止されている様子を示す模式的な側面図である。なお、図5において、がいし取替工具1の係止部材2以外の部材の図示を省略している。
図3から図5に示すように、がいし取替工具1は、係止部材2と、張線器(シメラー)3と、を備えている。
係止部材2は、鋼材で形成されている。係止部材2は、基体(基部)21と、係止部26と、を有している。
基体21は、上枠15の上板部16の上面16uに沿って配置される設置板部22と、設置板部22から立設された立設板部23と、を有している。設置板部22及び立設板部23は、上枠15に取り付けられた状態で、上枠15の幅方向に延びている。
立設板部23の延在方向の端部23a側には、上枠15に取り付けられた状態で、上部から下部に向かうにしたがって次第に端部に向かって傾斜する傾斜部24が設けられている。
係止部26は、立設板部23の端部23aに設けられている。係止部26は、上枠15の上板部16の上面16uから上板部16の先端面16eを通過して上板部16の下面16bにわたるまで湾曲した形状をなしている。係止部26により形成される隙間26s内に、上板部16の端部が嵌め込まれている。
立設板部23の端部23bには、立設板部23を板厚方向に貫通する取付孔23hが形成されている。接続部材(取付部)29に挿通されたボルト29bが、取付孔23hに螺合されている。接続部材29には、張線器3が不図示のボルト等を介して接続されている。換言すると、接続部材29は、上枠15の上面16uに沿って配置される立設板部23に取り付けられている。これにより、接続部材29は、上枠15よりも上方の位置で取り付けられている。
張線器3は、接続部材29に接続されたワイヤー巻回部31と、ワイヤー巻回部31に巻きとられるワイヤー32と、ワイヤー32を支持するワイヤー支持部33と、ワイヤー支持部33に接続され、電線Eが係合可能な係合金具34と、を有している。
張線器3は、ワイヤー巻回部31に接続されたハンドル35の操作により、ワイヤー巻回部31の中心と係合金具34との間の長さ(引きしろ)L(図2参照)を調整することができる。つまり、係止部材2が上枠15に取り付けられた状態で、張線器3は、ハンドル35の操作により、電線Eを上枠15側に引っ張り、または引っ張った電線Eを元に位置(下方)に戻すことが可能である。
次に、上記のがいし取替工具1を用いて、がいし19を交換する方法につい説明する。
まず、がいし取替工具1の係止部26を、やぐら13の上枠15に係止させて、張線器3の係合金具34に電線Eを係合させる。次に、張線器3のハンドル35を操作して、図2に二点鎖線で示すように、電線Eを上枠15側(上方)に引き上げて、張線器3に電線Eの荷重を負担させる。この状態で、がいし19を交換して、新設されたがいし19に電線Eを支持させる。続いて、張線器3のハンドル35を操作して、電線Eを元の位置に戻し、張線器3を電線Eから取り外し、係止部材2をやぐら13の上枠15から取り外す。このようにして、がいし19が交換される。
このように構成されたがいし取替工具1では、係止部材2は鋼材で形成されているため、ロープ等のように変形することがない。よって、係止部26を上枠15に係止させれば、接続部材29は、常に上枠15よりも上方の位置で取り付けられている。したがって、接続部材29に取り付けられた張線器3に電線Eを仮支持させる際には、張線器3の引きしろが十分に確保されるため、張線器3の位置調整等することなく、作業性良くがいし19を交換することができる。
また、接続部材29は、上枠15の上面16uに沿って配置された立設板部23の端部23aに設けられている。よって、係止部材2を複雑な構成とすることなく、張線器3の引きしろを十分に確保することができる。
また、係止部26は、立設板部23の端部23aから下方に延び上枠15の下面16bに係止可能である。よって、立設板部23の端部23b側には仮支持した電線Eの荷重が下向きに作用し、この力を反力として、立設板部23の端部23aに設けられた係止部26を上枠15に確実に係止させることができる。
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本考案の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記に示す実施形態では、接続部材29は、上枠15よりも上方の位置で取り付けられているが、本考案はこれに限られず、接続部材29は支持材の高さと略同一以上の高さに配置されていればよい。
また、上記に示す実施形態では、係止部26は基体21の端部23aから下方に延び上枠15の下面16bに係止可能に構成されているが、本考案はこれに限られない。例えば、係止部は上枠15の先端面16eまでのび、先端面16eに係止される構成であってもよい。
1…がいし取替工具
2…係止部材
3…張線器
13…やぐら
14…縦枠
15…上枠(支持材)
16…上板部
19…がいし
21…基体(基部)
22…設置板部
23…立設板部
26…係止部
29…接続部材(取付部)
31…ワイヤー巻回部
33…ワイヤー支持部
E…電線
L…長さ

Claims (3)

  1. 支持材に吊り下げられ電線を支持するがいしを交換する際に用いるがいし取替工具であって、
    鋼材で形成された係止部材と、
    前記電線を引き上げて該電線の荷重を負担する張線器と、を備え、
    前記係止部材は、
    前記支持材に係止可能な係止部と、
    前記張線器が取り付けられる取付部と、を有し、
    前記係止部材が前記支持材に取り付けられた状態で、該取付部は、前記支持材の高さと略同一以上の高さに配置されることを特徴とするがいし取替工具。
  2. 前記係止部材は、前記支持材の上面に沿って配置される基部を有し、
    前記取付部は、前記基部の一端部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のがいし取替工具。
  3. 前記係止部材は、前記基部の他端部から下方に延び、前記支持材の下面に係止可能な係止部を有することを特徴とする請求項2に記載のがいし取替工具。
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