JP3212231U - 物品保持具 - Google Patents

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孝之 佐々木
孝之 佐々木
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Abstract

【課題】十分な耐荷重を有するとともに、一度剥がしても何度でも繰り返し使用することが可能な物品保持具を提供する。【解決手段】吸着シート10と、基材11と、保持部12とを備える。吸着シート10は、複数の微細な孔がマイクロ吸盤として機能する吸着層を設けており、一方の面10aが前記壁面に吸着される。基材11は、所定の剛性及び所定の厚さtを有する面材であり、一方の面11aが前記吸着シート10の他方の面10bに貼り付けられる。保持部12は、物品を保持し、一方の面12aが前記基材11の他方の面11bに取り付けられる。保持部12が物体を保持した際に、保持部12の最下端を支点として基材11に対して下方へ回転する回転力が掛かり、当該基材11は、掛かった回転力をせん断力にして吸着シート10に伝える。【選択図】図1

Description

本考案は、物品保持具に関する。
近年、複数の微細な孔が吸盤として機能する吸着層を有する吸着シートが開発されており、この吸着シートを用いた物品保持具が開発されている。例えば、特開平9−215582号公報(特許文献1)には、磁性面に当接する板状の基部片の背面に、マグネットを固着し、このマグネットの背面に、弾性を有し、無数の独立気泡体と連続気泡体とが混在して、平滑面に対し押圧作用により吸着性を有する発泡樹脂シートから成る吸着片を設けた保持部材が開示されている。これにより、耐荷重性に秀れた保持部材を提供出来るとしている。
又、特開2008−113947号公報(特許文献2)には、表面に吸着面を形成した吸着シートの裏面の一部又は全部に手指の滑り止めストッパー状突起を設けた容器着脱保持具が開示されている。これにより、手指から滑り易く、そのため、こわれ易いガラス製、陶磁器製等の容器に迅速に装着でき、容器の洗滌等の際には、容易に取りはずしでき、軽量小型に形成され、安価に製作できるとしている。
又、特開2008−173222号公報(特許公報3)には、折曲自在な柔軟性を有するシート状の本体と、この本体は、少なくとも基材とこの基材の一方の面に設けられ被吸着面に吸着する吸着層とを備えた物品保持具が開示されている。この物品保持具の吸着層は、合成樹脂組成物を発泡させて少なくとも前記吸着層の表面に多数の気孔を備えて真空吸着力を有しており、物品保持具は、物品を保持可能な保持体を備えている。これにより、物品を保持すると共に、壁面等の被吸着面に吸着させて簡易かつ迅速に取り付けることができるとしている。
特開平9−215582号公報 特開2008−113947号公報 特開2008−173222号公報
しかしながら、上述した特許文献1−3に記載の技術では、部品点数が多くなったり、耐荷重が不十分であったりする課題がある。
特に、吸着シートは、パネル、ガラス、金属板等の平滑な壁面には、容易に吸着するとともに、壁面から汚さずに剥がすことができ、更に、吸着シートの吸着層を洗えば、繰り返し使用することが出来る。しかしながら、吸着シートを物品保持具に用いた場合は、耐荷重の不十分さから、従来の粘着シートや吸盤の代替になり難いという課題がある。
一方で、粘着シートでは、両面に粘着層を設け、壁面と物品保持具とを粘着層で密着させるが、物品保持具を壁面から取り外す場合に、粘着層が壁面に残り、壁面が汚れるという課題がある。又、粘着シートでは、一度、物品保持具を壁面に密着させると、位置変更等の微調整が出来ないという課題がある。
又、吸盤では、吸盤内部と壁面との間に真空を設けることで、吸盤を介して物品保持具を壁面に固定するものであるが、一度、物品保持具を壁面に固定すると、物品保持具が保持する物品の重さにより、吸盤自体が塑性変形し、吸盤内部の真空が解除され、物品保持具が壁面から突然脱落するという課題がある。特に、吸盤は、一度塑性変形が生じると、吸着力が著しく低下するため、買い替える必要がある。近年では、レバー式にして、吸盤内部の真空度を高めて、耐荷重を高める物品保持具も開発されているが、結局、吸盤の塑性変形により、物品保持具が、長期間、荷重に耐えきれずに脱落する。
そこで、本考案は、前記課題を解決するためになされたものであり、十分な耐荷重を有するとともに、一度剥がしても何度でも繰り返し使用することが可能な物品保持具を提供することを目的とする。
本考案は、平滑な壁面に固定される物品保持具であって、吸着シートと、基材と、保持部とを備える。吸着シートは、複数の微細な孔がマイクロ吸盤として機能する吸着層を設けており、一方の面が前記壁面に吸着される。基材は、所定の剛性及び所定の厚さを有する面材であり、一方の面が前記吸着シートの他方の面に貼り付けられる。保持部は、物品を保持し、一方の面が前記基材の他方の面に取り付けられる。
本考案によれば、十分な耐荷重を有するとともに、一度剥がしても何度でも繰り返し使用することが可能となる。
本考案に係る物品保持具の側面図(図1A)と、正面図(図1B)と、斜視図(図1C)とである。 本考案に係る物品保持具を壁面に固定させ、物品を保持させた際の断面模式図(図2A)と、回転する力が分散された様子を示す断面模式図(図2B)とである。 基材の形状を変化させた場合の複数の物品保持具の正面図である。 両面粘着シートを設けた場合の側面図及び斜視図(図4A)と、保持部の寸法を大きくした場合の側面図及び斜視図(図4B)とである。 保持部の寸法を基材の寸法と同等にした場合の側面図及び斜視図(図5A)と、引っ張り部を設けた場合の側面図及び斜視図(図5B)とである。 保持部の形状を変化させた場合の複数の物品保持具の斜視図(図6A)と、保持部の形状をシャワー用にした場合の物品保持具の斜視図(図6B)とである。 基材に鏡を設けた場合の第一の物品保持具の斜視図(図7A)と、基材に鏡を設けた場合の第二の物品保持具の斜視図(図7B)とである。 保持部を箱状にした場合の第一の物品保持具の斜視図(図8A)と、保持部を箱状にした場合の第二の物品保持具の斜視図(図8B)とである。 保持部を基材と一体成型させた場合の第一の物品保持具の斜視図(図9A)と、保持部を基材と一体成型させた場合の第二の物品保持具の斜視図(図9B)とである。 保持部を複数設けた場合とタオル掛け用にした場合の物品保持具の斜視図(図10A)と、二つの物品保持具を用いた多用途のハンガーの分解図(図10B)とである。 保持部を基材に埋め込んだ場合の第一の物品保持具の左側面図、断面拡大図、正面図(図11A)と、保持部を基材に埋め込んだ場合の第一の物品保持具及びスクレーパーの左側面図、正面図(図11B)とである。 基材を透明にし、基材の形状を猫にした場合の物品保持具の左側面図、正面図、斜視図(図13A)と、複数の印刷物の猫のデザインの例を示す正面図(図13B)とである。 実施例1−3、比較例1の物品保持具を示す斜視写真(図14A)と、鉄板扉、ガラス、鏡にそれぞれ実施例1−3の物品保持具を吸着させ、物品を吊り下げた様子を示す斜視写真(図14B)とである。 実施例4−6の物品保持具を示す斜視写真(図15A)と、鉄板扉に実施例4−6の物品保持具を吸着させ、物品を吊り下げた様子を示す斜視写真(図15B)とである。 実施例7−9の物品保持具を示す斜視写真(図16A)と、鉄板扉に実施例9の物品保持具が脱落せずに固定している様子を示す斜視写真(図16B)とである。 実施例10−12の物品保持具を示す斜視写真(図17A)と、鉄板扉に実施例12の物品保持具が脱落せずに固定している様子を示す斜視写真(図17B)とである。 比較例2、3の物品保持具を示す斜視写真(図18A)と、比較例4の物品保持具を示す斜視写真(図18B)とである。
以下に、添付図面を参照して、本考案の実施形態について説明し、本考案の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本考案を具体化した一例であって、本考案の技術的範囲を限定する性格のものではない。
本考案は、平滑な壁面に固定される物品保持具1であって、図1に示すように、吸着シート10と、基材11と、保持部12とを備える。吸着シート10は、複数の微細な孔がマイクロ吸盤として機能する吸着層を設けており、一方の面10aが前記壁面に吸着される。基材11は、所定の剛性及び所定の厚さtを有する面材であり、一方の面11aが前記吸着シート10の他方の面10bに貼り付けられる。保持部12は、物品を保持し、一方の面12aが前記基材11の他方の面11bに取り付けられる。図1に示す保持部12は、フックであり、下方にU字状に湾曲した吊り下げ形状とし、保持部12の寸法を基材11の寸法の一部(1/4程度)とし、基材11の他方の面11bの下方近傍に保持部12の一方の面12aを接着等により貼り付けている。これにより、十分な耐荷重を有するとともに、一度剥がしても何度でも繰り返し使用することがとなる。
即ち、吸着シート10は、通常、被吸着体に対して垂直方向の引き剥がしの力には弱いことから、繰り返し貼ったり剥がしたりするポスター等に使用される。一方、本考案者は、吸着シート10の素材としての可能性を追求した結果、吸着シート10は、引き剥がしの力に弱いものの、被吸着体に対して水平方向のせん断の力には、十分の強度があることを見出した。そこで、本考案者は、吸着シート10に、所定の剛性及び所定の厚さtを有する基材11を貼り付け、その基材11に保持部12を取り付けた。
そして、本考案者は、図2Aに示すように、物品保持具1の吸着シート10を平滑な壁面20に押し付けて、吸着シート10のマイクロ吸盤を吸着させ、保持部12のフック21に所定の重さを有する物品22の引っ掛け部23を引っ掛けて、物品22を保持させた。すると、保持部12のフック21には、物品22の引っ掛け部23から下方に力が掛かり、保持部12の最下端を支点Sとして基材11に対して下方へ回転する回転力が掛かる。
ここで、基材11は、所定の剛性と所定の厚さtを備えていることから、(この回転力を全面で受けて)掛かった回転力をせん断力にして吸着シート10に伝える。これにより、本考案では、吸着シート10のみの場合や吸着シート10に屈曲自在な柔軟なシートを積層させた場合と比較して耐荷重を増加させることが出来るのである。尚、基材11は、掛かった回転力を分散させる役割もある。
又、吸着シート10は、壁面20から一度引き剥がしても、吸着面を水で洗浄して乾燥させれば、マイクロ吸盤の吸着力は回復するため、何度でも繰り返し使用することが可能となる。通常の粘着シートのように粘着層が壁面20に残ることは無いし、通常の吸盤のように塑性変形が生じることも無い。
ここで、吸着シート10の構成に特に限定は無く、例えば、合成樹脂組成物を発泡させた吸着層を形成し、吸着層の表面に複数の微細な孔を設けて、マイクロ吸盤を形成させ、真空吸着力を備えるようにする。吸着シート10は、一般に市販されているものを用いても構わない。
又、基材11に対する吸着シート10の取り付け方法に特に限定は無く、例えば、粘着力、耐水性に優れるアクリル系両面テープを用いて貼り付けられる。又、基材11の寸法は、例えば、吸着シート10の寸法と同等に設定される。そのため、基材11の一方の面11aの面積は、吸着シート10の他方の面10bの面積に等しい。又、基材11の寸法は、吸着シート10の寸法より大きめに設定されても良い。
又、基材11の材質は、所定の剛性を有していれば、特に限定は無く、例えば、合成樹脂、金属等を採用することが出来る。特に、合成樹脂であれば、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)、PS樹脂(ポリスチレン樹脂)等を採用することが出来る。
又、基材11の厚さtは、例えば、1.5mm以上であると好ましく、3.0mm以上であると、更に好ましい。上述のように、基材11は、保持部12からの回転する力を全面で受けるために、その厚さtが厚い程、基材11の剛性が向上し、耐荷重を増加させることが出来る。一方、基材11の厚さtが、1.5mm未満の場合、基材11が、回転する力を全面で受けることが出来ず、回転する力が基材11の一部に集中し、容易に脱落する可能性がある。尚、基材11の形状が板状であれば、厚みtが均一であるが、基材11の形状が凹凸を有する立体的な形状である場合、基材11の平均的な厚さtが、例えば、1.5mm以上であるか、基材11の最低厚さtが、1.5mm以上であると好ましい。
又、吸着シート10及び基材11の面積は、例えば、30cm以上であると好ましく、50cm以上であると、更に好ましい。上述のように、基材11は、保持部12からの回転する力を全面で受けるために、その面積が広い程、回転する力が分散され、耐荷重を増加させることが出来る。一方、吸着シート10及び基材11の面積が、30cm未満の場合、基材11が、回転する力を分散することが出来ず、容易に脱落する可能性がある。
又、基材11の形状に特に限定は無いが、例えば、図3に示すように、正方形、縦長の長方形、横長の長方形、凹凸を有する立体的な形状、楕円形状、円形状等を採用することが出来る。尚、耐荷重の向上の観点から、基材11の形状は、縦長か横長が好ましい。又、本考案では、デザイン性の向上の観点から、基材11の形状として、キャラクターの外縁を示す形状を採用することが出来る。これにより、ユーザをキャラクターで視覚的に楽しませることが可能となる。キャラクターの種類に特に限定は無いが、例えば、動物、植物、飲食用具、食器、飲食物、人物の各部、人物像、道具、服装、装飾品、建物、風景、文字(アルファベット、平仮名、片仮名、漢字等)等を採用することが出来る。
上述では、基材11の一方の面11aに吸着シート10の他方の面10bを直接貼り付けるよう構成しているが、耐荷重の向上の観点から、発泡シートを中間層に有し、粘着シートを上下層に有する両面粘着シートを、基材11と吸着シート10との間に設けても良い。例えば、図4Aに示すように、吸着シート10の他方の面10bに、両面粘着シート40の一方の面の第一の粘着シート41が貼り付けられ、基材11の一方の面11aに、両面粘着シート40の他方の面の第二の粘着シート42が貼り付けられる。これにより、発泡シートを中間層に設けることで、粘着シート41、42の有効接着面積を増加させ、物体保持具1全体の厚さtを増加させ、耐荷重を向上させることが出来る。尚、図4Aに示すように、両面粘着シート40の寸法は、基材11の寸法と同等に設定されているが、例えば、基材11の寸法よりも小さく設定されても良い。
又、両面粘着シート40の発泡シートの材質に特に限定は無いが、例えば、ウレタン系発泡シート、アクリル系発泡シート、ポリエチレン系発泡シート等を採用することが出来る。ここで、中間層をアクリル系発泡シートとし、上下層の粘着シートをアクリル系粘着シートとして、両面粘着シート40の材質を同一系統とすることで、両面粘着シート40に掛かる応力を全体に分散させ、耐荷重を更に向上させることが出来る。
又、デザインの向上の観点から、例えば、基材11の材質を透明にし、基材11と吸着シート10との間に、所定のデザインを付与した印刷物(加飾シート)を設けても良い。これにより、印刷物を自由に変更することで、好みのデザインを基材11を介して視認することが可能となり、物品保持具1に意匠性を付与することが可能となる。
又、上述では、基材11の他方の面11bの下方近傍に保持部12の一方の面12aを貼り付けるよう構成しているが、耐荷重の向上の観点から、保持部12の寸法を大きくし、基材11との取付面積を広くしてもよい良い。例えば、図4Bに示すように、基材11の他方の面11bの上下の寸法に対応して保持部12の寸法を縦長の寸法にし、縦長の保持部12の一方の面12aを基材11の他方の面11bの上下にわたって取り付ける。これにより、物品を保持部12に保持させた際に、保持部12が受ける力を基材11に分散させて伝えることが出来るため、耐荷重を更に向上させることが出来る。
尚、保持部12の寸法、形状、面積は、保持対象の物品に応じて適宜設計することが出来る。又、両面粘着シートと組み合わせても良い。更に、図5Aに示すように、保持部12の一方の面12aの寸法を、基材11の他方の面11bの寸法と同等に設定して、耐荷重を更に向上させても良い。
又、本考案の物品保持具1は、耐荷重が良好であるため、一度、平滑な壁面に吸着すると、引き剥がし難くなる。そこで、図5Bに示すように、基材11の一角に、引っ張り部50を設け、引っ張り部50を壁面に対して垂直に引っ張ると、吸着シート10の一角が壁面から剥がれ、吸着シート10の全体を引き剥がし易くするよう構成しても良い。これにより、一度、壁面に吸着させた後に、位置変更等の微調整を容易に行うことが可能となる。
又、保持部12の形状は、物品を保持出来る形状であれば、特に限定は無く、用途に応じて適宜設計変更することが出来る。例えば、図6Aに示すように、コの字の形状と、台の形状の二つを用意し、コの字の形状の保持部12を基材11の上方に取り付け、台の形状の保持部12を基材11の下方に取り付ける。コの字の形状の中に細長の小物を収納することで、物品を保持するようにしても良い。又、上方を開放した容器の形状とし、容器の形状の裏面を基材11に取り付ける。容器の形状の中に細長の歯ブラシやチューブを収納することで、物品を保持するようにしても良い。
又、図6Bに示すように、シャワーを装着可能なコの字の形状とし、コの字の形状の保持部12を細長の基材11の中央に取り付ける。コの字の形状の中にシャワーを装着することで、物品を保持するようにしても良い。
又、図7Aに示すように、コの字状の帯状の保持部12を基材11の下方に取り付け、基材11の正面に鏡13を設けても良い。又、保持部12の帯には、着脱フック14を装着出来れば、様々な物品の引っ掛け部を着脱フック14に引っ掛けることが可能となる。又、図7Bに示すように、筒状の保持部12を基材11の下方に取り付け、基材11の正面に鏡13を設けても良い。保持部12の筒には、上述と同様に、着脱フック14が装着される。このような鏡13付きの物品保持具1は、例えば、玄関周りに設置され、ユーザが家を出る前に身だしなみを確認することが出来る。
又、図8Aに示すように、一方の側面が開放された箱状の保持部12を基材11の左右方向の一方に取り付けても良い。又、図8Bに示すように、上面が開放された箱状の保持部12を基材11の下方に取り付けても良い。ユーザの用途に合わせて保持部12の形状やサイズを変更しても良い。
又、図9Aに示すように、碗状の保持部12を基材11に一体成型させても良い。又、図9Bに示すように、調味料等の小物を収納可能な箱状の保持部12を基材11に一体成型させても良い。
又、図10Aに示すように、フックの形状を複数用意し、フックの形状の保持部12を横長の基材11に横に沿って配置して取り付ける。フックの形状に台所のお玉やフライ返し等の小物を引っ掛けることで、物品を保持するようにしても良い。又、タオル掛け用の棒60の端部を装着する装着部の形状を含む保持部12を2つ用意し、2つ用意した保持部12に、2つ用意した基材11をそれぞれ取り付ける。そして、棒60の両端部に対応する位置に2つの保持部12を配置し、棒60の両端部を装着部で装着した状態で吸着シート10を貼り付ける。棒60にタオルを掛けることで、タオルを物品として保持するようにしても良い。
又、図10Bに示すように、コの字状の保持部12を縦長の基材11に上下方向に沿って取り付けた物品保持具1を2つ用意し、保持部12のコの字状の開口部に挿通可能な棒15(例えば、アルミ製の板材)を用意し、2つの物品保持具1の吸着シート10を適当な間隔で壁面に設置し、2つの物品保持具1の保持部12の開口部にそれぞれ棒15を挿通させることで、分解可能な多用途のハンガーとして用いても良い。
又、図11Aに示すように、フック状の保持部12を側面視がドーム状で正面視が略四角形状の基材11の下方に埋め込んで取り付けても良いし、図11Bに示すように、側面視がドーム状で卵状の基材11の下方に埋め込んでも良い。又、物品保持具1の付属品として、羽根状で先端が尖ったスクレーパー16を用意しても良い。スクレーパー16は、例えば、磁石を内蔵し、冷蔵庫等に吸着させても良いし、引っ掛け用の開口部17を設けて、引っ掛け可能にしても良い。
又、図12Aに示すように、基材11の材質を透明にし、基材11と吸着シート10との間に所定のデザインを付与した印刷物18を設けても良い。具体的には、基材11の形状を動物の猫の後ろ姿を模した形状にし、フック状の保持部12を猫のしっぽに見立てて設けられる。保持部12は、先端が尖ったフック状であっても良く、フックに物品を引っ掛けた場合に物品の荷重が基材11の本体に沿ってフックに掛かる形状である。印刷物18の寸法は、例えば、基材11の背面の寸法と同等に設定され、印刷物18のデザインは、多種多様に彩ることが出来る。例えば、図12Bに示すように、印刷物18は、基材11の形状に対応して、猫の後ろ姿を模したデザインとすることで、猫好きのユーザに好まれる物品保持具1とすることが出来る。尚、上述の構成は、一例である。又、基材11と保持部12との間に、他の印刷物等を設けても構わない。
又、壁面の材質は、平滑であれば、特に限定は無いが、例えば、鉄板、ガラス、鏡等を採用することが出来る。
以下、実施例、比較例等によって本考案を具体的に説明するが、本考案はこれにより限定されるものではない。
先ず、基材の有無、両面粘着シートの有無により耐荷重が変化するか否かを調べた。縦8.0cm、横7.0cmに切断した長方形状の合成樹脂板(PS樹脂製、厚さt=1.7mm)を基材として用意し、この基材の寸法と同等の寸法に市販の吸着シート(株式会社ユポ・コーポレーション製)を切断した。吸着シートは、一方の面に吸着層を有し、他方の面に粘着層を有する。そのため、基材の一方の面に吸着シートの他方の面を貼り付けた。そして、一方の面に粘着層を有し、他方の面に引っ掛け部を有する市販のフックを保持部として用意し、基材の他方の面の下方に保持部の一方の面を貼り付けて、基材が有る物品保持具を実施例1として作製した。比較のため、吸着シートの他方の下方に保持部の一方の面を直接貼り付けて、基材が無い物品保持具を比較例1として作製した。尚、吸着シートは、柔軟性を有する。
又、中間層をアクリル系発泡シートとし、上下層をアクリル系粘着シートとする第一の両面粘着シートを用意し、吸着シートと基材との間に第一の両面粘着シートを設けて(アクリル系粘着シートをそれぞれ吸着シートと基材とに貼り付けて)、両面粘着シートが有る物品保持具を実施例2として作製した。両面粘着シートの素材を変えるために、中間層をウレタン系発泡シートとし、上下層を粘着シートとする第二の両面粘着シート(厚さt=3.0mm)を用意し、吸着シートと基材との間に第二の両面粘着シートを設けて(ウレタン系発泡シートをそれぞれ吸着シートと基材とに貼り付けて)、両面粘着シートが有る物品保持具を実施例3として作製した。図13Aには、実施例1−3、比較例1の物品保持具を示す。
壁面を平滑な鉄板扉とし、この鉄板扉に実施例1−3、比較例1の吸着シートを吸着させ、実施例1−3、比較例1のフックに2kgの重さの物品を吊り下げて静止させ、物品保持具が脱落するか否かを確認した(脱落試験)。その結果、比較例1では、静止から40時間経過後に脱落したが、実施例1−3では、静止から10日経過しても脱落しなかった。次に、実施例1−3のフックに4kgの重さの物品を吊り下げて静止させた。その結果、実施例1−3では、静止から5日経過しても脱落しなかった。更に、実施例1、2のフックに6kgの重さの物品を吊り下げて静止させた。すると、実施例1では、静止から1日経過に脱落したが、実施例2では、静止から2日以上脱落しなかった。
従って、所定の剛性及び所定の厚さを有する基材が有ることで、耐荷重が向上することが分かった。又、基材に加えて両面粘着シートを設けることで、耐荷重が更に向上することが分かった。
次に、壁面を平滑な鉄板扉から、平滑なガラス、平滑な鏡に代えて、上述と同様の脱落試験を行った。図13Bには、鉄板扉、ガラス、鏡にそれぞれ実施例1−3の物品保持具を吸着させ、物品を吊り下げた様子を示す。その結果、壁面をガラス、鏡に代えても、比較例1では、直ぐに脱落する一方、実施例1−3では、静止から長期間、脱落せずに固定した状態であり、同様の作用効果があることが分かった。
次に、基材の厚さにより耐荷重が変化するか否かを調べた。縦7.0cm、横4.7cmに切断した長方形状の合成樹脂板(PS樹脂製)であって、厚さtが1.0mm、1.7mm、3.4mmの異なる合成樹脂板を基材として用意し、上述と同様に、基材の一方の面に吸着シートの他方の面を貼り付け、基材の他方の面の下方にフックの保持部の一方の面を貼り付けて、厚さtが1.0mm、1.7mm、3.4mmの物品保持具を実施例4、5、6として作製した。図14Aには、実施例4−6の物品保持具を示す。
壁面を鉄板扉とし、鉄板扉に実施例4−6の吸着シートを吸着させ、実施例4−6のフックに1kgの重さの物品を吊り下げて静止させた(脱落試験)。その結果、実施例4−6では、静止から3.5時間経過しても脱落しなかった。そこで、実施例4−6のフックに2kgの重さの物品を吊り下げて静止させた。すると、実施例4では、静止から20分経過後に脱落したが、実施例5、6では、1時間経過しても脱落しなかった。そこで、更に、実施例5、6のフックに3kgの重さの物品を吊り下げて静止させた。すると、実施例5では、静止から26.5時間経過後に脱落したが、実施例6では、26.5時間経過しても脱落しなかった。最後に、実施例6のフックに4kgの重さの物品を吊り下げて静止させると、静止から2.5時間経過後に脱落した。図14Bには、鉄板扉に実施例4−6の物品保持具を吸着させ、物品を吊り下げた様子を示す。
従って、基材の厚さが厚くなる程、耐荷重が向上することが分かった。
次に、基材の形状により耐荷重が変化するか否かを調べた。縦6.0cm、横6.0cmに切断した正方形の合成樹脂板(PS樹脂製、厚さt=1.7mm)を2枚、縦9.0cm、横4.0cmに切断した長方形の合成樹脂板(PS樹脂製、厚さt=1.7mm)を4枚用意し、上述と同様に、基材の一方の面に吸着シートの他方の面を貼り付け、基材の他方の面の下方にフックの保持部の一方の面を貼り付けて、正方形の物品保持具を実施例7(2つ)、縦長の長方形状の物品保持具を実施例8(2つ)、横長の長方形状の物品保持具を実施例9(2つ)として作製した。実施例7−9では、基材及び吸着シートの面積は36cmと同一である。図15Aには、実施例7−9の物品保持具を示す。
壁面を鉄板扉とし、鉄板扉に実施例7−9の吸着シートを吸着させ、実施例7−9のフックに1kgの重さの物品を吊り下げて静止させた(脱落試験)。その結果、実施例7−9では、静止から2時間経過しても脱落しなかった。そこで、実施例7−9のフックに2kgの重さの物品を吊り下げて静止させた。すると、実施例7−9では、1つずつ脱落した。そこで、実施例7−9のフックに3kgの重さの物品を吊り下げて静止させると、実施例7では、1つ脱落し、実施例8、9では、1つずつ脱落せずに固定していた。最後に、実施例8、9のフックに4kgの重さの物品を吊り下げて静止させると、実施例8では、脱落し、実施例9では、脱落せずに固定していた。図15Bには、鉄板扉に実施例9の物品保持具が脱落せずに固定している様子を示す。
次に、厚さを厚くした合成樹脂板を用いて、基材の形状により耐荷重が変化するか否かを調べた。上述と同様に、縦6.0cm、横6.0cmに切断した正方形の合成樹脂板(PS樹脂製、厚さt=3.7mm)を2枚、縦9.0cm、横4.0cmに切断した長方形の合成樹脂板(PS樹脂製、厚さt=1.7mm)を4枚用意し、上述と同様に、基材の一方の面に吸着シートの他方の面を貼り付け、基材の他方の面の下方にフックの保持部の一方の面を貼り付けて、正方形の物品保持具を実施例10(2つ)、縦長の長方形状の物品保持具を実施例11(2つ)、横長の長方形状の物品保持具を実施例12(2つ)として作製した。実施例10−12では、基材及び吸着シートの面積は36cmと同一である。図16Aには、実施例10−12の物品保持具を示す。
壁面を鉄板扉とし、鉄板扉に実施例10−12の吸着シートを吸着させ、実施例10−12のフックに2kgの重さの物品を吊り下げて静止させた(脱落試験)。その結果、実施例10−12では、いずれも脱落しなかった。そこで、実施例10−12のフックに3kgの重さの物品を吊り下げて静止させると、実施例10−12では、1つずつ脱落した。そこで、実施例10−12のフックに4kgの重さの物品を吊り下げて静止させると、実施例10では、脱落し、実施例11では、フックが破損して脱落し、実施例12では、脱落せずに固定していた。図16Bには、鉄板扉に実施例12の物品保持具が脱落せずに固定している様子を示す。
このように、基材は、正方形より長方形の方が、耐荷重を向上させ、基材の厚さが厚い場合であっても、同様の作用効果があることが分かった。
又、比較のために、縦6.0cm、横6.0cmに切断した正方形の吸着シートを1枚と、縦9.0cm、横4.0cmに切断した長方形の吸着シートを2枚とを用意し、各吸着シートの他方の面に柔軟性のあるシートを貼り付け、そのシートの他方の面の下方に保持部のフックを直接貼り付けて、柔軟性シートのある正方形の物品保持具を比較例2、横長の長方形状の物品保持具を比較例3、縦長の長方形状の物品保持具を比較例4として作製した。そして、壁面を鉄板扉とし、鉄板扉に比較例2−4の吸着シートを吸着させ、比較例2−4のフックに1kgの重さの物品を吊り下げて静止させた(脱落試験)。その結果、図17Aに示すように、比較例2では、物品を吊り下げた直後から、縦6.0cm、横6.0cmの吸着シートの下方が浮き上がり、徐々に上方まで浮き上がって、1分も経たずに脱落した。比較例3では、横長の縦4.0cm、縦9.0cmの吸着シートであるため、上下方向の吸着領域が少なく、物品を吊り下げた直後から、10秒も経たずに脱落した。又、図17Bに示すように、比較例4では、縦長の縦9.0cm、横4.0cmの吸着シートであるため、上下方向の吸着領域が多く、吸着シートの下方から徐々に上方まで浮き上がり、2分で脱落した。
このように柔軟性シートを用いると、直ぐに脱落し、耐荷重が悪いことが分かった。
尚、実施例の物品保持具は壁面から剥がした後に、再度、壁面に吸着させても、強固に固定され、繰り返して使用出来ることを確認した。
以上のように、本考案に係る物品保持具は、日用品や身の回り品を保持する業務用又は家庭用の物品保持具として有用であり、十分な耐荷重を有するとともに、一度剥がしても何度でも繰り返し使用することが可能な物品保持具として有効である。
1 物品保持具
10 吸着シート
11 基材
12 保持部

Claims (1)

  1. 平滑な壁面に固定される物品保持具であって、
    複数の微細な孔がマイクロ吸盤として機能する吸着層を設けており、一方の面が前記壁面に吸着される吸着シートと、
    所定の剛性及び所定の厚さを有する面材であり、一方の面が前記吸着シートの他方の面に貼り付けられる基材と、
    物品を保持し、一方の面が前記基材の他方の面に取り付けられる保持部と
    を備える物品保持具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018116078A (ja) * 2017-01-16 2018-07-26 エスプリンティンソリューション株式会社 画像形成装置及び現像装置
JP7454843B2 (ja) 2020-05-11 2024-03-25 アスベル株式会社 保持具

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