JP3211336B2 - 縫製用位相信号発生装置 - Google Patents

縫製用位相信号発生装置

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JP3211336B2
JP3211336B2 JP05671292A JP5671292A JP3211336B2 JP 3211336 B2 JP3211336 B2 JP 3211336B2 JP 05671292 A JP05671292 A JP 05671292A JP 5671292 A JP5671292 A JP 5671292A JP 3211336 B2 JP3211336 B2 JP 3211336B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミシンの位相信号発生
装置に関し、特に針棒の上下動に連動して刺繍装置の刺
繍枠移動可能期間に相当する位相信号を出力するように
したものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、市販されている一般的な機械駆動
式ミシンや電子制御式ミシンに刺繍装置を装着し、この
刺繍装置の刺繍枠に支持した加工布を前後左右に移動さ
せながらミシンの針棒の上下動と協働して刺繍縫製を可
能にする為に、加工布の移動可能な期間を制御信号で刺
繍装置に供給するミシンの刺繍装置用位相信号発生装置
が種々提案されている。
【0003】例えば、実公昭57─24305号公報に
は、押え棒の下端部に押え足取付け板を取付けるととも
に、この押え足取付け板に押え足を回動可能に支持する
一方、押え足から斜め上方に延びる押えレバーを針止め
の横軸に係合可能に設け、また押え足取付け板に設けた
マグネットを押え足の上下揺動と同期して揺動させ、更
にこのマグネットの直ぐ上側にリードスイッチを設け、
針棒の上下動に連動して押えレバーつまり押え足が揺動
することにより、針棒が最上位置から押え足が加工布を
押圧するまでの期間に亙って、リードスイッチから
「H」レベルのスイッチ信号(ON信号)を刺繍装置に
出力し、このスイッチ信号が「H」レベルの期間におい
て刺繍枠を移動するようにした刺繍布押えが記載されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記実公昭57─24
305号公報に記載の刺繍布押えにおいては、針棒の上
下動による押え足の上下動に連動して、針棒の最上位置
から押え足が加工布を押圧するまでの期間に亙って、リ
ードスイッチから刺繍枠の移動を許可する「H」レベル
のスイッチ信号を出力するように構成されている関係
上、このスイッチ信号が「H」レベルである刺繍枠の移
動可能な期間が非常に短く、布送り量が大きい場合や縫
製速度が速い場合には、その布送り量に対応して加工布
を確実に送れないという問題がある。
【0005】本発明の目的は、刺繍枠の移動可能期間を
大幅に拡大して、布送り量の多少によらず加工布を確実
に移動できるようなミシンの刺繍装置用位相信号発生装
置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明の位相信号発生装置は、ミシ
ンの上下動する針棒に対して布移送体によって加工布を
相対的に移送する布移送装置用位相信号発生装置であっ
て、加工布を押圧するための押え足と、針棒の上下動に
よって動作しその押え足を上下動させるための第1の上
下動伝達手段と、その第1の上下動伝達手段とは独立し
て作動され針棒の上下動によって動作する第2の上下動
伝達手段と、その第2の上下動伝達手段の動作により信
号を生じる検出手段とを備え、第1の上下動伝達手段に
よって針棒の上下動に対応し前記押え足を上下動させ、
且つ、その第1の上下動伝達手段とは独立して作動され
る第2の上下動伝達手段により、針棒に取付けられた縫
針が加工布から上方へ外れて加工布の移動が許可される
所定期間であって針棒最上位置の前後の所定期間を識別
可能な位相信号を検出手段から発生させるように構成し
ている。
【0007】また、請求項2に記載の発明の位相信号発
生装置は、少なくとも下端に縫針を取付けた針棒と糸輪
捕捉器とを含む縫目形成手段と、押え棒に取付けられた
押え足支持部材に支軸を介して揺動可能に支持された加
工布を押圧するための刺繍用押え足とを備え、刺繍枠に
支持した加工布を前後左右に移動駆動する刺繍装置と協
働して刺繍縫製可能なミシンにおいて、刺繍用押え足と
一体化され且つ針棒に 取付けられた係合片により支軸の
周りに揺動される第1の揺動レバーと、押え足支持部材
に付設された検出器と、第1の揺動レバーとは独立して
揺動可能に押え足支持部材に支持され針棒に取付けられ
た係合片により支軸の周りに揺動され検出器を作動する
作動片が設けられた第2の揺動レバーとを備え、第2の
揺動レバーの作動片は、縫針が加工布から上方へ外れて
加工布の移動が許可される所定期間であって針棒最上位
置の前後の所定期間を識別可能な位相信号を検出器から
発生させるようにしている。
【0008】
【作用】請求項1に記載の発明の位相信号発生装置にお
いては、第1の上下動伝達手段によって針棒の上下動に
対応し押え足を上下動させ、且つ、その第1の上下動伝
達手段とは独立して作動される第2の上下動伝達手段に
より、針棒に取付けられた縫針が加工布から上方へ外れ
て加工布の移動が許可される所定期間であって針棒最上
位置の前後の所定期間を識別可能な位相信号を検出手段
から発生させるようにしている。
【0009】また、請求項2に記載の発明の位相信号発
生装置においては、刺繍用押え足と一体化され且つ針棒
に取付けられた係合片により支軸の周りに揺動される第
1の揺動レバーにより刺繍用押え足が上下動され、その
第1の揺動レバーとは独立して揺動可能に押え足支持部
材に支持され針棒に取付けられた係合片により支軸の周
りに揺動され第2の揺動レバーを備え、その第2の揺動
レバーの作動片は、縫針が加工布から上方へ外れて加工
布の移動が許可される所定期間であって針棒最上位置の
前後の所定期間を識別可能な位相信号を検出器から発生
させるようにしている。
【0010】
【発明の効果】請求項1に記載の発明の位相信号発生装
置においては、第1の上下動伝達手段によって針棒の上
下動に対応し押え足を上下動させ、且つ、その第1の上
下動伝達手段とは独立して作動される第2の上下動伝達
手段により、位相信号を検出手 段から発生させるように
しており、例え、第1の上下動伝達手段による押え足の
上下動のストロークが布の厚さ等により制限を受けたと
しても、第2の上下動伝達手段は、その第1の上下動伝
達手段とは独立して作動するため、針棒に取付けられた
縫針が加工布から上方へ外れて加工布の移動が許可され
る所定期間であって針棒最上位置の前後の所定期間を識
別可能な位相信号を検出手段から発生させることができ
る。
【0011】このため、布移送体のの移動可能期間が大
幅に拡大され、何れの布送り量であっても加工布を確実
に移動することができる。
【0012】請求項2に記載の発明の位相信号発生装置
においては、針棒に取付けられた係合片により支軸の周
りに揺動される第1の揺動レバーにより刺繍用押え足が
上下動させ、且つ、その第1の揺動レバーとは独立して
揺動可能に押え足支持部材に支持され針棒に取付けられ
た係合片により支軸の周りに揺動され第2の揺動レバー
により、位相信号を検出手段から発生させるようにして
おり、例え、第1の揺動レバーによる刺繍用押え足の上
下動のストロークが布の厚さ等により制限を受けたとし
ても、第2の揺動レバーは、その第1の揺動レバーとは
独立して作動するため、確実に針棒に取付けられた縫針
が加工布から上方へ外れて加工布の移動が許可される所
定期間であって針棒最上位置の前後の所定期間を識別可
能な位相信号を検出手段から発生させることができる。
【0013】このため、布移送体のの移動可能期間が大
幅に拡大され、布送り量が大きい場合や縫製速度が速い
場合であっても加工布を確実に移動することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基いて
説明する。本実施例は、一般的な電子制御式ジグザグミ
シンとこれに着脱可能に装着された刺繍装置と協働して
加工布上に刺繍模様を形成する刺繍装置の為の位相信号
発生装置に本発明を適用した場合のものである。
【0015】先ず、この電子制御式ジグザグミシンMに
ついて説明するが、このミシンMは一般的なミシンと同
様なので簡単に説明するものとする。このミシンMは図
1に示すように、ミシンベッド部1と、そのベッド部1
の右端部から立設された脚柱部2と、その脚柱部2から
ベッド部1に対向するように左方へ延びるアーム部3と
から構成され、ベッド部1には、送り歯を上下動させる
送り歯上下動機構(図示略)及び前後動させる送り歯前
後動機構(図示略)、図示外の糸輪捕捉器などが設けら
れ、アーム部3には、縫針5を下端に装着可能な針棒4
を上下動させる針棒駆動機構と針棒4を布送り方向と直
交する方向に揺動させる針棒揺動機構、天秤を針棒4の
上下動に調時して上下動させる天秤駆動機構(図示略)
などが設けられている。尚、符号6は針棒4の後側の機
枠7に上下動可能に支持された押え棒であり、送り歯上
下動機構と針棒駆動機構と天秤駆動機構とはミシンモー
タ61で駆動され、また送り歯前後動機構は送り歯駆動
用ステッピングモータ63で駆動され、針棒揺動機構は
針棒揺動用ステッピングモータ62で駆動される。
【0016】前記脚柱部2の前面には、縫製作業の起動
・停止を指示する起動・停止スイッチ9、テンキーから
なり模様番号を選択する模様選択スイッチ10、選択さ
れた模様番号を2桁で表示する7セグメント発行素子
(LED)11が設けられている。尚、符号12は電源
スイッチ、符号13は縫製速度を制御する速度調節ツマ
ミである。また、脚柱部2の側面には、足踏み式のフッ
トコントローラ(図示略)を着脱可能に接続する為のフ
ットコントローラ用コネクタ14が設けられている。
【0017】次に、前記ベッド部1の直ぐ左側でミシン
Mに着脱可能に装着され、刺繍枠23に支持した加工布
Wを前後左右に移動させる布移送装置としての刺繍装置
20について説明するが、この刺繍装置20は一般的な
ものと同様なので簡単に説明するものとする。刺繍装置
20の本体フレーム21上には、刺繍テーブル22が布
送り方向及び反布送り方向に平行なY方向とこのY方向
に直交するX方向とに移動可能に設けられ、この刺繍テ
ーブル22には、加工布Wを支持する為の刺繍枠23が
着脱可能に装着できるようになっている。この刺繍枠2
3は布移送体に相当する。
【0018】また、この本体フレーム21内には、刺繍
テーブル22をX方向に駆動する為の第1ステッピング
モータ75とY方向に駆動する為の第2ステッピングモ
ータ76とが配設され、これら両ステッピングモータ7
5・76は駆動信号を受けて夫々駆動されるので、刺繍
テーブル22を介して刺繍枠23がX方向及びY方向に
移動され、この刺繍枠23に取付けられた加工布W上に
は、針棒4の上下動と協働して刺繍模様が形成される。
更に、この本体フレーム21の前面には、刺繍縫製の開
始・停止を指示する起動・停止スイッチ24、刺繍模様
を番号で選択する為のテンキーからなる刺繍模様選択ス
イッチ25、選択された模様番号を表示する7セグメン
ト発行素子(LED)26、刺繍枠23を手動でX方向
及びY方向に移動させる為の移動キー27などが設けら
れている。
【0019】次に、前記押え棒6の下端部に取付けられ
た押え足ユニット30について、図1〜図5に基いて説
明する。この押え足ユニット30は、刺繍用押え足40
を押え棒6の下端部に支持する押え足取付け機構31と
位相信号発生装置32とから構成され、先ず押え足取付
け機構31について説明する。平面視略コ字状の押え足
支持部材35は、その取付け部35aにおいて押え棒6
の下端部にビス36で着脱可能に取付けられ、更にその
対向する1対の枢支壁部35b・35cには、左右方向
向きに配設された支軸37の両端部が夫々支持されてい
る。尚、符号38は支軸37の抜け止めの為の抜け止め
リング(Eリング)である。
【0020】正面視略コ字状の第1揺動レバー39(第
1の上下動伝達手段に相当する)は、枢支壁部35bの
左側に位置するその枢支部39aと、前方斜め上方に延
びるそのレバー部39bの下端部とにおいてこの支軸3
7を挿通させることにより、支軸37を介して押え足支
持部材35に回動可能に枢支されている。この第1揺動
レバー39の下端部には略前後方向に延びる刺繍用押え
足40が一体的に形成され、この刺繍用押え足40は第
1揺動レバー39と一体的に揺動可能に構成されてい
る。尚、符号40aは縫針5が挿通する針孔である。
【0021】更に、図2・図3に示すように、この支軸
37の左端近傍部にはコイルバネ41が外装され、この
コイルバネ41の一端が押え足支持部材35に係合し且
つ他端が刺繍用押え足40に係合され、第1揺動レバー
39と刺繍用押え足40とは図4にて時計回転方向に常
に弾性付勢され、刺繍用押え足40はこの弾性力を介し
て加工布Wを押圧するようになっている。尚、図4に示
すように、第1揺動レバー39と押え足支持部材35と
の当接により、第1揺動レバー39の時計回転方向への
揺動が規制されている。
【0022】次に、位相信号発生装置32について説明
すると、正面視略コ字状の第2揺動レバー45(第2の
上下動伝達手段に相当する)は、枢支壁部35cの右側
に位置するその枢支部45aと、前方斜め上方に延びる
そのレバー部45bの下端部とにおいて前記支軸37を
挿通させることにより、支軸37を介して押え足支持部
材35に回動可能に枢支されている。前記押え足支持部
材35の上方に延びる鉛直壁部35dの上端部は前方に
曲げられ、この上端部には、投光器と受光器とからなる
フォトインタラプタ46が下向きに取付けられている。
前記レバー部45bの後側には、その下端からその高さ
方向中段部に亙って、フォトインタラプタ46を検出作
動させる略扇形の作動片45cが一体に形成されてい
る。
【0023】更に、図2・図3に示すように、この支軸
37の右端近傍部にはコイルバネ47が外装され、この
コイルバネ47の一端が押え足支持部材35に係合し且
つ他端が第2揺動レバー45に係合され、第2揺動レバ
ー45は図5にて反時計回転方向に常に弾性付勢されて
いる。尚、図5に示すように、第2揺動レバー45と押
え足支持部材35との当接により、第2揺動レバー45
の反時計回転方向への揺動が規制されている。
【0024】一方、前記針棒4の下端部には、針棒取付
け部材50が固着され、この針棒取付け部材50を介し
て縫針5の上端部を針棒4に取付ける為の取付け軸51
がこの針棒取付け部材50に螺着されるとともに、右方
へ延びている。そこで、図2に示すように、この取付け
軸51がこれら両レバー部39b・45bを横切るよう
に両レバー部39b・45bの下側に配設されている。
従って、図5に示すように、針棒4の上下動に応動し
て、これら両揺動レバー39・45が支軸37を回動中
心として上下に揺動する。ここで、図5において、針棒
4が最上位置のときの両揺動レバー39・45の揺動位
置を2点鎖線で示し、縫針5の先端が加工布Wに刺挿す
るときの両揺動レバー39・45の揺動位置を実線で示
す。
【0025】ここで、図7は、針棒4が最上位置のとき
(このときの位相角を0°とする)を示すもので、この
ときにはフォトインタラプタ46の投光器からの光線が
作動片45cにより遮断されている状態を示す。また、
図8は、針棒4が下降した位相角約75°のときを示す
もので、このときには投光器からの光線が作動片45c
により遮断される限界の状態を示す。更に、図9は、針
棒4が最下位置のときつまり位相角約180°のときを
示すもので、投光器からの光線が作動片45cにより遮
断されていない状態を示す。
【0026】即ち、図6〜図9に示すように、針棒4が
最上位置の位相角0°から位相角約75°に亙って、フ
ォトインタラプタ46は「L」レベルの位相信号PSを
出力し、位相角75°から縫針5が加工布Wの上方に外
れて加工布Wの移動が可能になる位相角約285°に亙
って、フォトインタラプタ46は「H」レベルの位相信
号PSを出力し、更に位相角約285°から位相角0°
に亙って、フォトインタラプタ46は「L」レベルの位
相信号PSを出力する。つまり、針棒4の最上位置の前
後を含み、加工布Wの移動が許可される位相角285°
から360°に亙る前半の刺繍枠移動可能範囲と、位相
角0°から75°に亙る後半の刺繍枠移動可能範囲とを
加えた期間に亙って、フォトインタラプタ46は識別可
能な「L」レベルの位相信号PSを出力する。
【0027】次に、ミシンMの制御系は、図10のブロ
ック図に示すように構成されている。起動・停止スイッ
チ9と、模様選択スイッチ10と、少なくとも針上位置
信号などのタイミング信号を発生するタイミング信号発
生器60と、コネクタ14とは制御装置C1の入出力イ
ンターフェース68に接続されている。また、この入出
力インターフェース68には、ミシンモータ61の為の
駆動回路64、針棒揺動用ステッピングモータ62の為
の駆動回路65、送り歯駆動用ステッピングモータ63
の為の駆動回路66、LED11を駆動する為のLED
コントローラ(LEDC)67が夫々接続されている。
【0028】制御装置C1は、CPU69と、このCP
U69にデータバスなどのバス72を介して接続された
入出力インターフェース68と、ROM70及びRAM
71とから構成されている。ROM70には、実用縫い
や模様縫いの各縫目模様の縫目データが模様の種類毎に
分類して模様コード番号と対応づけて格納され、このR
OM70には、選択設定された各縫目模様の縫目データ
を順次読出して縫製する模様縫い制御の制御プログラム
も格納されている。更に、ROM70には、モータ61
〜63を駆動する駆動制御プログラム、LED11に選
択された模様番号を表示する表示制御プログラム、コネ
クタ14に入力された速度制御信号SCSに基いてミシ
ンモータ61の回転速度を制御するモータ駆動制御プロ
グラム等が格納されている。
【0029】RAM71には、CPU69で演算した演
算結果を一時的に格納するメモリやフラグやカウンタや
ポインタなどの各種メモリが設けられている。尚、フォ
トインタラプタ46は針棒4の上下動に応動して「L」
レベル又は「H」レベルの位相信号PSを出力する。ま
た、コネクタ14には、信号線L1を介して刺繍装置2
0から速度制御信号SCSが入力される。
【0030】次に、刺繍装置20の制御系は、図11の
ブロック図に示すように構成されている。起動・停止ス
イッチ24と、刺繍模様選択スイッチ25と、移動キー
27とは制御装置C2の入出力インターフェース80に
接続されている。また、この入出力インターフェース8
0には、第1ステッピングモータ75の為の駆動回路7
7、第2ステッピングモータ76の為の駆動回路78、
LED26を駆動する為のLEDコントローラ(LED
C)79が夫々接続されている。
【0031】制御装置C2は、CPU81と、このCP
U81にデータバスなどのバス83を介して接続された
入出力インターフェース80と、ROM82及びRAM
90とから構成されている。尚、この入出力インターフ
ェース80には、信号線L1を介してフォトインタラプ
タ46から位相信号PSが入力されるとともに、信号線
L2を介して入出力インターフェース80から前記コネ
クタ14に速度制御信号SCSが出力される。ROM8
2には、複数の刺繍模様の各々について縫目データが刺
繍模様の種類毎に分類して刺繍模様コード番号と対応づ
けて格納され、このROM82には、選択設定された各
刺繍模様の縫目データを順次読出して縫製する刺繍縫い
制御の制御プログラム、後述する本願特有の刺繍縫い制
御の制御プログラムも格納されている。更に、ROM8
2には、モータ75・76を駆動する駆動制御プログラ
ム、LED26に選択された模様番号を表示する表示制
御プログラム、後述する速度制御信号SCSを出力する
制御プログラムなどが格納されている。
【0032】更に、このROM82には、縫目データの
X方向又はY方向における最大送り量Dに対応する速度
制御信号SCSを出力する為の速度信号テーブルが格納
されており、この速度信号テーブルを次の表1に示す。
【0033】
【表1】 但し、回転数はミシンモータ61の回転数(rpm)で
ある。また、速度制御信号SCSの内容V1〜V5は、
ミシンモータ61の回転数を設定する為の電圧値であ
り、V1>V2>V3>V4>V5=0である。
【0034】RAM90の番号メモリ91には、選択さ
れた刺繍模様の番号データが格納される。データメモリ
92には、読込まれた5針分の縫目データが格納され
る。ポインタメモリ93には、刺繍縫いを実行する縫目
データを指示する為のポインタ値PTが格納される。速
度信号メモリ94には、ミシンMに出力する速度制御信
号SCSのデータが格納される。更に、このRAM90
には、CPU81で演算した演算結果を一時的に格納す
るメモリやフラグやカウンタやポインタなどの各種メモ
リが設けられている。
【0035】次に、制御装置C2で行なわれる刺繍縫い
制御のルーチンについて、図12のフローチャートに基
いて説明する。尚、図中符号Si(i=10、11、1
2・・・・)は各ステップである。ここで、この制御を
開始する前段階として、移動キー27を操作して縫針5
が刺繍枠23の加工布W上の適当な刺繍縫い開始位置に
位置するように刺繍枠23が移動され、刺繍模様選択ス
イッチ25により選択された刺繍模様の番号が番号メモ
リ91に格納される。一方、ミシンMにおいては、直線
縫いが選択されて、縫針5が直線縫い位置に移動されて
いるものとする。
【0036】起動・停止スイッチ24が操作されるとこ
の制御が開始され、先ず選択された刺繍模様番号のデー
タが番号メモリ91から読出され(S10)、ポインタ
値PTに初期値「1」が格納される(S11)。次に、
この刺繍模様番号データに対応する縫目データのうち、
ポインタ値PTで指示する縫目データを含む5針分の縫
目データを読出してデータメモリ92に格納され(S1
2)、このデータメモリ92の縫目データに基いて最大
の送り量Dが検索される(S13)。ここで、各縫目デ
ータには、X方向送り量とY方向送り量とが対に格納さ
れているので、これら5針分のX方向送り量とY方向送
り量のうちから最大の送り量Dが検索される。
【0037】次に、速度信号テーブルに基いて、この最
大送り量Dに対応する速度制御信号SCSを読出し且つ
入出力インターフェース80から信号線L1を介して前
記コネクタ14に出力される(S14)。その結果、制
御装置C1においては、この速度制御信号SCSに基い
てミシンモータ61の回転速度を制御するので、刺繍縫
いが開始される。次に、入出力インターフェース80に
入力される位相信号PSが読込まれ、この位相信号PS
が「L」レベルのときには(S15:Yes)、刺繍枠
移動可能期間なので、ポインタ値PTで指示する縫目デ
ータに基いて両ステッピングモータ75・76が夫々駆
動され、刺繍枠23が次の縫い位置に移動される(S1
6)。
【0038】次に、起動・停止スイッチ24が操作され
ないで停止指令が入力されないときには(S17:N
o)、ポインタ値PT11つインクリメントされ(S
18)、このポインタ値PTで指示する縫目データが存
在するときには(S19:No)、S12以降が繰り返
される。これにより、順次5針分先までの縫目データの
最大送り量Dに基づく速度制御信号SCSでミシンモー
タ61の回転速度が制御さるので、何れの送り量であっ
ても刺繍枠移動可能期間内に刺繍枠23の移動が確実に
完了する。
【0039】次に、起動・停止スイッチ24が操作され
て停止指令が入力されたとき(S17:Yes)、或い
は縫目データが終了したときには(S19:Yes)、
「0」の速度制御信号SCSが出力され(S20)、こ
の制御を終了してリターンする。その結果、ミシンモー
タ61の駆動が停止され、刺繍縫いが終了する。
【0040】以上説明したように、刺繍用押え足40の
為の揺動レバー39とは異なる第2揺動レバー45を支
軸37に揺動可能に別体に設け、この第2揺動レバー4
5の作動片45cでフォトインタラプタ46を検出作動
させるように構成したので、加工布Wの移動が許可され
る位相角約285°から位相角75°に亙る刺繍枠移動
可能期間を識別可能な位相信号PSをフォトインタラプ
タ46から発生させるようにしたので、刺繍枠23の移
動可能期間が約150°分に対応して大幅に拡大され、
これにより布送り量の多少によらず加工布Wを確実に移
動することができる。
【0041】また、上記構成のため、刺繍用押え足40
が押圧する加工布Wの厚さにかかわらず、常に位相角7
5°及び285°のタイミングにおいて、位相信号PS
を確実に発生させることができる。即ち、1つの揺動レ
バーに押え足と作動片とを固定して、両者とも揺動させ
るように構成した場合、加工布Wの厚さが大きいと、位
相角75°に達する以前に、押え足が加工布Wに接触
し、その時点で揺動レバーの揺動が停止するので、作動
片の揺動が同時に停止する。その結果、位相角が75°
に達しても、作動片がフォトインタラプタの投光器から
の光線を遮断した状態のままであり、位相信号PSを
「L」から「H」へ切換えることができない。このこと
は位相角285°についても同様である。
【0042】尚、フォトインタラプタ46に代えて、近
接スイッチなど刺繍枠23の移動可能期間を識別可能な
位相信号PSを出力する種々の検出器を設けることが可
能である。尚、フォトインタラプタ46を2個設けると
ともに、作動片45cにスリットを設け、これら両フォ
トインタラプタ46から刺繍枠23の移動可能期間を識
別可能な位相信号つまりパルス信号を出力するように構
成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子制御式ジグザグミシンと刺繍装置との概略
斜視図である。
【図2】押え足ユニットの正面図である。
【図3】図2の3─3線断面図である。
【図4】押え足ユニットの左側面図である。
【図5】押え足ユニットの右側面図である。
【図6】針棒及び位相信号のタイミングチャートであ
る。
【図7】針棒が最上位置(約0°の位相角)のときの図
5相当図である。
【図8】約75°の位相角のときの図5相当図である。
【図9】針棒が最下位置(約180°の位相角)のとき
の図5相当図である。
【図10】電子制御式ジグザグミシンの制御系のブロッ
ク図である。
【図11】刺繍装置の制御系のブロック図である。
【図12】刺繍縫い制御のルーチンの概略フローチャー
トである。
【符号の説明】 M 電子制御式ジグザグミシン 4 針棒 5 縫針 6 押え棒 20 刺繍装置 30 押え足ユニット 32 位相信号発生装置 35 押え足支持部材 40 刺繍用押え足 45 第2揺動レバー 45b レバー部 45c 作動片 46 フォトインタラプタ 51 取付け軸

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシンの上下動する針棒に対して布移送
    体によって加工布を相対的に移送する布移送装置用位相
    信号発生装置であって、 加工布を押圧するための押え足と、 前記針棒の上下動によって動作しその押え足を上下動さ
    せるための第1の上下動伝達手段と、 その第1の上下動伝達手段とは独立して作動され前記針
    棒の上下動によって動作する第2の上下動伝達手段と、 その第2の上下動伝達手段の動作により信号を生じる検
    出手段とを備え、 前記第1の上下動伝達手段によって前記針棒の上下動に
    対応し前記押え足を上下動させ、且つ、その第1の上下
    動伝達手段とは独立して作動される前記第2の上下動伝
    達手段により、前記針棒に取付けられた縫針が加工布か
    ら上方へ外れて加工布の移動が許可される所定期間であ
    って針棒最上位置の前後の所定期間を識別可能な位相信
    号を前記検出手段から発生させるように構成したことを
    特徴とするミシンの位相信号発生装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも下端に縫針を取付けた針棒
    と糸輪捕捉器とを含む縫目形成手段と、押え棒に取付け
    られた押え足支持部材に支軸を介して揺動可能に支持さ
    れた加工布を押圧するための刺繍用押え足とを備え、刺
    繍枠に支持した加工布を前後左右に移動駆動する刺繍装
    置と協働して刺繍縫製可能なミシンにおいて、 前記刺繍用押え足と一体化され且つ針棒に取付けられた
    係合片により前記支軸の周りに揺動される第1の揺動レ
    バーと、 前記押え足支持部材に付設された検出器と、 前記第1の揺動レバーとは独立して揺動可能に前記押え
    足支持部材に支持され前記針棒に取付けられた係合片に
    より前記支軸の周りに揺動され前記検出器を作動する作
    動片が設けられた第2の揺動レバーとを備え、 前記第2の揺動レバーの前記作動片は、前記縫針が加工
    布から上方へ外れて加 工布の移動が許可される所定期間
    であって針棒最上位置の前後の所定期間を識別可能な位
    相信号を前記検出器から発生させるように構成されてい
    ることを特徴とするミシンの位相信号発生装置。
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