JP3211235B2 - 近似推論装置と人間とのインターフェイス装置 - Google Patents

近似推論装置と人間とのインターフェイス装置

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JP3211235B2 JP16849190A JP16849190A JP3211235B2 JP 3211235 B2 JP3211235 B2 JP 3211235B2 JP 16849190 A JP16849190 A JP 16849190A JP 16849190 A JP16849190 A JP 16849190A JP 3211235 B2 JP3211235 B2 JP 3211235B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 この発明は,近似推論装置と人間とのインターフェイ
ス装置に関する。
従来技術 推論結果を,その推論結果を導くために使用した事象
の情報量によって修正または変更する方式の近似推論が
知られている(たとえば,Zhang Hongmin“AN EXPERT SY
STEM WITH THINKING IN IMAGES",Preprints of Second
IFSA Congress,Tokyo,July 20−25,1987,P.765)。
この近似推論方式は,事象に対して結論ごとに与えら
れたメンバーシップ関数を用いて,事象ごとの情報量
(すなわち事象の情報識別能力)を算出し,推論結果
(すなわち結論が成り立つ可能性)を,その結論を導く
ために使用した事象の情報量によって修正または変更す
る(可能性と情報量の積をとる)ことによって,推論結
果の識別能力を高めようとするものである。
このような近似推論装置においては,結論ごとに算出
した可能性をすべて表示した人間に知らせるか,または
可能性の高い結論を1個または複数個表示することによ
り,結論の可能性に関する情報を出力していた。そし
て,結論が成り立っているかどうかは,すべての結論に
ついて一律に(たとえば可能性の値が最大値のものを選
択する)判断していた。
このため従来の近似推論装置では,可能性の高い結論
が必ず成り立っているとは限らないので正確とはいえな
い,実際に成り立っている可能性の値の大きさが結論ご
とに異なっていた場合にそのことを検知できない,時間
の経過とともに結論の成り立つ可能性が動的に変化する
ような場合に対応できないという問題点がある。
発明の概要 発明の目的 この発明は推論の結果得られた結論の可能性の値とそ
の結論が実際に成り立っているかどうかを結論ごとに整
合させることができるようにするものである。
発明の構成,作用および効果 この発明による近似推論装置と人間とのインターフェ
イス装置は,複数の事象とその結論との関係を表わす知
識を用い,与えられた入力データに応じて結論の可能性
を演算する近似推論装置に対して設けられるものであ
る。このインターフェイス装置は,各結論に対する閾値
を設定する手段,および結論の可能性の値とそれに対応
する閾値とを比較し,閾値以上の可能性の値をもつ結論
を出力する手段を備えていることを特徴とする。
好ましくは,可能性の値が対応する閾値以上であるが
実際には成り立っていない結論および可能性の値が対応
する閾値未満であるが実際には成り立っている結論に関
する情報を入力するエラー情報入力手段,ならびに入力
されたエラー情報にしたがって結論に対するエラーが無
くなる方向に対応する閾値を自動的かつ動的に変更する
手段をさらに設ける。
さらに,可能性の値が対応する閾値以上である結論に
ついて警報を出力する手段を設けると一層よい。
この発明によると,結論ごとに閾値があらかじめ設定
されている。近似推論装置から得られる結論の可能性の
値とそれに対応する閾値とが比較され,閾値以上の可能
性の値をもつ結論が出力(表示)される。したがって,
結論ごとに,異なった判断基準(閾値の大きさ)で,そ
の結論が成り立っているかの判定を行なうことができ
る。
また,この発明によると,可能性の値が対応する閾値
以上であるが実際には成り立っていない,または可能性
の値が対応する閾値未満であるが実際には成り立ってい
る結論についてエラーである旨の情報を入力すると,エ
ラーの生じている結論についての閾値が自動的かつ動的
に修正される。各結論が成り立つ可能性の閾値が自動的
かつ動的に変更されるので,学習を行なうことと同等の
効果がある。また知識ベース自体を変更することなく,
推論の精度を向上させることが可能となる。たとえば,
機械の故障診断の場合,その機械の特性やその日の特性
にあった近似推論が可能となる。
さらに可能性の値が閾値を超えたときに警報等を出力
するようにすることにより,常時監視が可能となる。
実施例の説明 (1)近似推論装置およびインターフェイス装置の全体
構成 第1図に近似推論装置およびインターフェイス装置の
全体構成の一例が示されている。近似推論装置は,知識
記憶装置11,知識合成装置12,合成後知識記憶装置13,事
象値入力装置14,適合度演算装置15,動的情報量演算装置
16,可能性演算装置17,静的情報量演算装置19,明瞭性演
算装置20,明瞭性記憶装置21,明瞭性加算装置22および明
瞭性表示装置23から構成されている。
インターフェイス装置は可能性表示装置18,閾値入力
装置31,閾値記憶装置32,警報出力装置33,エラー情報入
力装置34および閾値変更装置35から構成されている。
以下に,これらの装置について故障診断を例にとって
詳述する。
(2)知識記憶装置 知識記憶装置11は,専門家等が入力した知識を,事象
(故障により生じた状況,測定結果等)と結論(故障の
種類等)との関係を示す形式で記憶する装置である。こ
の装置は複数の専門家の知識を記憶することができる。
知識記憶装置11に記憶されている2名の専門家ex1,ex
2の知識の例を規則の形式で以下に示す。
専門家ex1: if 20≦f1≦60,0≦f2≦40,then c1 …(1) if 40≦f1≦80,60≦f2≦100,then c2 …(2) 専門家ex2: if 30≦f1≦50,10≦f2≦30,then c1 …(3) if 50≦f1≦70,70≦f2≦90,then c2 …(4) f1,f2は事象であり,これらをそれぞれ事象1,事象2
と呼ぶことがある。c1,c2は結論であり,これらをそれ
ぞれ結論1,2と呼ぶことがある。
また,a≦f1≦bのように表わされたa,bをそれぞれ最
小値,最大値と呼ぶ。
上述の規則を,専門家ごとに表(テーブル)の形式で
表現すると次のようになる。
(3)知識合成装置 知識合成装置12は,知識記憶装置11に記憶された複数
の専門家の知識を合成して,1つの知識にまとめる装置で
ある。
知識の合成方法は種々あるが,ここでは,各結論に関
与している各事象の最大値と最小値について,複数の専
門家の平均値と標準偏差を計算する。
上述した2名の専門家の事象f1から結論c1を導く知識
を例にとって知識合成処理について以下に説明する。
上述の規則(第(1)式,第(3)式)から,事象1
(f1)から結論1(c1)を求める規則を抽出すると次の
ように表わされる。
専門家ex1:if 20≦f1≦60 then c1 …(5) 専門家ex2:if 30≦f1≦50 then c1 …(6) 最小値の平均値mminおよび最大値の平均値mmaxが算出
される。
最小値の標準偏差σminおよび,最大値の標準偏差σ
maxが算出される。
このような専門家の知識の合成演算を,上述した規則
(第(1)式〜第(4)式)について,各結論に関与し
ている各事象の最小値と最大値のすべてについて行なう
と,次のような表(テーブル)が得られる。
一般に,近似推論においては,事象に対してメンバー
シップ関数が与えられる。ここでは,一例として,上述
のようにして合成された専門家の知識を用いてガウス分
布によりメンバーシップ関数を求める方法について説明
する。
最小値の平均値mmin,最大値の平均値mmax,最小値の標
準偏差σmin,最大値の標準偏差σmaxを用いて,メンバ
ーシップ関数は次式により表わされる。
ただし, x :事象への入力データの値 Φ(x) :入力データxが事象に適合する程度(適
合度) Gauss(x):入力xにおけるガウス分布の値 である。
第2図にガウス分布の一例を示す。このガウス分布に
おいてメンバーシップ関数の作成のために左半分のみが
使用される。Φ(x)=0.5におけるxの位置はmmin
たはmmaxによって決定され,傾きはσminまたはσmax
よって決定される。
一例として,事象f1から結論c1を求めるためのメンバ
ーシップ関数は,第(7)式から第(10)式により算出
した値を用いて第3a図から第3c図のようにして作成され
る。この場合,第(11)式は次のようになる。
第3a図は第(11)式または第(12)式の右辺第1項
を,第3b図は第(11)式または第(12)式の右辺第2項
を,第3c図は上記第1項から第2項を減算した結果,す
なわち第(11)式または第(12)式で表わされるメンバ
ーシップ関数を表わしている。
第3表に示す合成された知識に基づいて作成された各
事象f1,f2について,結論c1,c2を求めるためのメンバー
シップ関数の例を,第4a図および第4b図に示す。
(4)合成後知識記憶装置 合成後知識記憶装置13には,知識合成装置12によって
算出された平均値と標準偏差が,第3表のような形式で
記憶される。知識の合成は推論の都度行なう必要はない
ため,このようにあらかじめ計算した結果を記憶してお
く。そして推論の都度この記憶装置18内の値を読み出し
て使用することによって推論処理の高速化を図ることが
できる。
(5)事象値入力装置 事象値入力装置14は故障診断対象機器,キーボード,
通信インターフェイス装置,メモリ,ファイルなどか
ら,事象ごとに入力される入力データを読み込む装置で
ある。入力されたデータは適合度演算装置15に与えられ
るとともに,各事象のデータが入力されたかどうかの情
報が明瞭性加算装置22に与えられる。
(6)適合度演算装置 適合度演算装置15は,事象値入力装置14から入力され
たデータの各メンバーシップ関数(または結論)に対す
る適合度を算出するものである。具体的には適合度は,
第(11)式の右辺の変数xとして入力データを代入する
ことによりΦ(x)として求められる。もちろんこのよ
うな演算式を必ずしも用いなくてもよい。
(7)動的情報量演算装置と静的情報量演算装置事象f1
の事象値(入力データ)をx1,事象f2の事象値をx2とす
る。これらのデータは事象値入力装置14から入力され
る。
第5a図および第5b図に示すように各適合度m11,m12,m
22,m22を次のように定める。
m11:入力データx1の結論c1に対する適合度 m12:入力データx1の結論c2に対する適合度 m21:入力データx2の結論c1に対する適合度 m22:入力データx2の結論c2に対する適合度 これらの適合度は入力データx1,x2が与えられたとき
適合度演算装置15によって算出される。
ここでファジィ・エントロピという概念を考える。
入力x1が与えられたときのファジィ・エントロピEf1
を次のように定義する。
このファジィ・エントロピは,情報識別能力の指標の
一種で,入力データx1を与えたときに,結論が明確に識
別できるほど小さい値となり,結論があいまいにしか識
別できないほど大きい値となる。つまり,入力データx1
の結論c1に対する適合度m11と入力データx1の結論c2に
対する適合度m12との差が大きいほど小さい値となり,
差が小さいほど大きい値となる。
同じようにして,入力x2が与えられたときのファジィ
・エントロピEf2は次式によって与えられる。
ファジィ・エントロピEfの取り得る値の範囲は以下に
示すものとなる。
0≦Ef≦log(n) n:事象上の結論数 この例では,事象1(f1)上の結論数は2(c1,c2)
であるので,ファジィ・エントロピEfの最大値は,log
(2)となる。
次に,このファジィ・エントロピEf1を使用して,入
力データx1が与えられたときの動的情報量If1D(x1)を
求める。ここで,動的情報量If1D(x1)とは,推論を行
なうときにおける結論を確定するための事象の識別能力
で,入力データx1の結論c1に対する適合度m11と入力デ
ータx1の結論c2に対する適合度m12の差が大きいほど大
きい値をとり,差が小さいほど小さい値となるものとす
る。
そこで,事象f1についての動的情報量If1D(x1)を,
最大ファジィ・エントロピから,入力データx1が与えら
れたときのファジィ・エントロピEf1を引いたものと定
義する。
同じように,事象f2について入力データx2が与えられ
たときの動的情報量を次のように定義する。
動的情報量演算装置16は,適合度演算装置15で得られ
た適合度を用いて,第(15)式および第(16)式にした
がって事象ごとに動的情報量を算出する。
動的情報量は上述のように入力データx1,x2に依存す
る。これに対して,静的情報量は入力データに依存しな
いものであって,最大ファジィ・エントロピから,事象
のレンジ幅の中のファジィ・エントロピの平均を引いた
ものを,事象全体の静的情報量とする。たとえば,事象
1についての静的情報量は次式で与えられる。
同じように事象2についての静的情報量は次式で与え
られる。
ここで, m11(x):事象f1についての入力データxの結論c1
に対する適合度 m12(x):事象f1についての入力データxの結論c2
に対する適合度 m21(x):事象f2についての入力データxの結論c1
に対する適合度 m22(x):事象f2についての入力データxの結論c2
に対する適合度 第(17)式および第(18)式から分るように,事象の
メンバーシップ関数間の重なりが大きいほど,事象の静
的情報量は小さく,事象のメンバーシップ関数間の重な
りが小さいほど,事象の静的情報量は大きい。つまり,
静的情報量は,事象のメンバーシップ関数が結論を識別
する能力を示している。
静的情報演算装置19は,合成された知識により得られ
るメンバーシップ関数から,上述した第(17)式および
第(18)式にしたがって,事象ごとに,静的情報量を演
算して記憶する。静的情報量は入力データには依存しな
いので,1回のみ算出されればよい。
(8)可能性演算装置 各結論ごとに,その結論に関与する事象の情報量の総
和が1になり,かつそれらの事象の情報量の相対強度は
変化しないような事象の情報量を算出する。この算出し
た情報量を重みという。
たとえば上述した動的情報量を用いると各重みは次の
ようになる。
結論1に対する事象1の重み:wf11= If1D(x1)/[If1D(x1)+If2D(x2)] …(19) 結論1に対する事象2の重み:wf12= If2D(x2)/[If1D(x1)+If2D(x2)] …(20) 結論2に対する事象1の重み:wf21= If1D(x1)/[If1D(x1)+If2D(x2)] …(21) 結論2に対する事象2の重み:wf22= If2D(x2)/[If1D(x1)+If2D(x2)] …(22) 次に,これらの重みと適合度との積を計算し,それを
結論ごとに合計したものを,結論の可能性として算出す
る。
たとえば上記の例では 結論1の可能性=wf11×m11+wf12×m21 …(23) 結論2の可能性=wf21×m12+wf22×m22 …(24) となる。
可能性演算装置17は上述した演算を行ない結論ごとの
可能性を算出する。
(9)閾値入力装置 閾値入力装置31は,人間が直接に各結論の可能性を示
す値に対する閾値を入力するためのものである。この装
置31の表示装置上にガイダンス等を表示して,人間が閾
値を入力しやすいようにすると好ましい。このときには
閾値の入力は次のようにして行なわれよう。まず表示装
置の画面上に表示された結論の一覧から,閾値を変更す
べき結論をマウス等によって指定する。次に指定した結
論についての閾値をボリューム・スイッチやマウス等に
よって入力する。このように,随時,人間が直接結論の
閾値を入力するので,推論の最終結果の精度の向上が期
待できる。
入力された閾値は,通信インターフェイス装置,メモ
リ,ファイル等を通じて,または直接に閾値記憶装置32
に与えられて記憶される。
(10)閾値記憶装置 閾値記憶装置32は,第4表に示すような表の形式で,
メモリやファイル等に各結論に関して入力された閾値を
結論ごとに記憶するものである。
故障診断において結論の可能性とは,その結論が表わ
す故障の生じている可能性を示す。たとえば,結論c1,c
2,c3はモータの不良,刃先の破損,軸の回転の停止を表
わす。以下の説明では第4表のように可能性の閾値が記
憶されているものとする。
(11)可能性表示装置 可能性表示装置18は,閾値記憶装置32から各結論につ
いて記憶されている可能性についての閾値を入力し,可
能性演算装置17で算出された各結論についての可能性の
値を入力する。そして,結論ごとに可能性の値と対応す
る閾値とを比較し,閾値以上の可能性の値を持つ結論を
表示して人間に知らせる。必要ならば,通信による可能
性の伝送,メモリやファイル等への可能性の記憶を行な
ってもよい。
これにより,全結論について同一の判断基準で結論が
成り立っているかを判断するのではなく,各結論ごとに
設定された閾値を用いて各結論の特性にあった基準で結
論を対する判断を行なうことができるようになる。
たとえば,第4表に示した例では,第5表のように可
能性の値が算出されたとすると,結論c1の可能性のみが
対応する閾値よりも大きいから,結論c1のみが表示され
る。
これにより,故障診断において,常に人間が故障検知
を行なうのではなく,機械からデータを入力し,近似試
論装置によって故障診断推論を行ない,結論(故障)の
可能性が閾値を超えれば,人間や機械等に警告を発生さ
せるような自動的な常時監視が可能となる。
(12)警報出力装置 警報出力装置33は,可能性表示装置18からの情報入力
により,閾値以上の可能性の値を持つ結論が存在した場
合にブザーやランプなどによって人間に対して警報を出
力する装置である。必要ならばメモリやファイル,通信
等により機械へ故障検知信号を送り,機械の運転を停止
させるようにすることもできる。このように警報を出力
することによって,故障診断(故障予知)などにおい
て,自動的な常時監視が可能となり,故障予知時に機械
を停止させることによって危険を事前に回避できるよう
になる。
(13)エラー情報入力装置 エラー情報入力装置34は,可能性表示装置18に表示さ
れた結論(または表示されない結論)に誤りがあると人
間が判断したときに,その誤った結論を人間が入力する
ものである。すなわち,このエラー情報入力装置には,
実際には成り立っているのに(故障があるのに),その
可能性が閾値未満であるために表示装置18に表示されな
い結論,および可能性が閾値以上であるので成り立って
いるとして表示装置18に表示されているが,実際には成
り立っていない(故障がない)結論が入力される。これ
らは,閾値の設定が誤っているためである。このような
誤った結論について閾値を変更するために,入力された
結論とその可能性の値はエラー情報として閾値変更装置
35に通信による伝送や,メモリ,ファイル等に出力する
ことなどにより与えられる。
たとえば,第5表に示した例において, 結論c1:閾値0.5:可能性0.6:実際には結論が成り立っ
ていない(故障が生じていない) 結論c2:閾値0.7:可能性0.5:実際には結論が成り立っ
ている(故障が生じている) 結論c3:閾値0.8:可能性0.5:実際には結論が成り立っ
ていない(故障が生じていない) 場合には,閾値変更装置35へは次のエラー情報が与えら
れる。
結論c1:可能性0.6 結論c2:可能性0.5 (14)閾値変更装置 閾値変更装置35は,エラー情報入力装置から与えられ
たエラー情報に基づいてエラー情報に含まれる結論につ
いての閾値を自動的かつ動的に変更するものである。閾
値が変更されるのは次の2つの場合である。
1)可能性の値が対応する閾値以上であるが,実際には
その結論が成り立っていない場合 この場合には,閾値が低いので閾値を上げる必要があ
る。
2)可能性の値がその閾値未満であるが,実際にはその
結論が成り立っている場合 この場合には,閾値が高いので閾値を下げる必要があ
る。
このようにして変更された閾値とそれについての結論
は,通信やメモリ,ファイル等を通じて,閾値記憶装置
32に与えられて記憶される。すなわち,閾値記憶装置32
に記憶されている閾値が修正される。閾値の変更は,エ
ラー情報が生じなくなるまで続けられることが好まし
い。
閾値の変更のためのアルゴリズムの一例を説明する。
エラー情報としてある結論とその可能性の値が入力し
た場合,装置35はある関数f(t,v)を用いて閾値を変
更する。
t′=f(t,v) …(25) ここで t :結論の閾値 t′:結論の変更後の閾値 v :結論の可能性の値 この関数f(t,v)としては,以下のようなものが考
えられる。
上記の1)項の場合 t′=MIN(t+Δt,1.0) …(26) ここで Δt=0.3(0.5≦v−t<1.0) 0.1(0.3≦v−t<0.5) 0.05(0.1≦v−t≦0.3) 0.01(0<v−t<0.1) MINは小さい方を選択する演算 上記の2)項の場合 t′=MAX(t−Δt,0) …(27) Δtは上記と同じ MAXは大きい方を選択する演算 第(26)式および第(27)式の演算を上記結論c1およ
びc2にそれぞれ適用すると次のようになる。
結論c1 t′=0.5+0.05=0.55 …(28) 結論c2 t′=0.7−0.05=0.65 …(29) 閾値変更のアルゴリズムは上記の例に限定されないの
はいうまでもない。
故障診断の場合には,可能性の値が充分に大きくなく
てもその結論(故障)が生じているような場合がある。
この発明によって各結論(故障)の発生状況に応じた閾
値の設定および変更が可能なので,機械の特性に合った
故障診断が可能となる。
(15)明瞭性演算装置 明瞭性演算装置20は,各結論ごとに,各事象の明瞭性
を演算する装置である。ここで,各結論ごとの各事象の
明瞭性とは,ある結論を確定する時の各事象の相対的な
識別能力を示すものである。したがって,この明瞭性に
より,ある結論を確定するための,複数の事象の識別能
力を比較することができ,どの事象が高い識別能力を持
っているか(多くの情報量を持っているか)が分る。明
瞭性の算出法について以下に述べる。
まず,結論および事象と静的情報量の関係を第6表に
示す。
第6表から分るように静的情報量によっても,各結論
を確定するための複数の事象の識別能力を比較すること
はできる。しかし,このままでは相対的な識別能力が直
観的に分りにくいので,下表に示すように各結論ごとに
静的情報量を正規化して,その正規化した値を各結論ご
との各事象の明瞭性Clとする。
ただし, Cl11=Cl12=If1S/(If1S+If2S) Cl21=Cl22=If2S/(If1S+If2S) である。
このようにして,明瞭性演算装置20において,各結論
ごとに各事象の明瞭性が算出される。
(16)明瞭性記憶装置 明瞭性記憶装置21は,明瞭性演算装置20で算出された
各結論ごとの各事象の明瞭性を記憶する装置である。明
瞭性の演算は,推論のたびに行なう必要はない。そこ
で,知識を合成したときに算出した明瞭性を明瞭性記憶
装置21に記憶しておき,推論を行なうたびに明瞭性記憶
装置21に記憶している値を読み出すようにする。これに
より,推論処理の高速化が図れる。
(17)明瞭性加算装置 明瞭性加算装置22は,データが実際に入力された事象
の明瞭性を演算する装置である。ここでは,実際に行な
われる推論のために,データが入力された事象の明瞭性
の総和をとる。この明瞭性の総和は,推論結果の明瞭性
を示す。この明瞭性が高いほど,推論結果を導くための
情報量が多いといえる。したがって明瞭性は推論結果自
体の信頼性を判断する指標に使用することができる。
推論結果に対する明瞭性は次のようにして算出され
る。
a)事象1(f1)のみについてデータが入力された場合 ・結論1(c1)の推論結果に対する明瞭性Cl1=Cl11 ・結論2(c2)の推論結果に対する明瞭性Cl2=Cl12 b)事象2(f2)のみについてデータが入力された場合 ・結論1(c1)の推論結果に対する明瞭性Cl1=Cl21 ・推論2(c2)の推論結果に対する明瞭性Cl2=Cl22 c)事象1(f1)および事象2(f2)の両方についてデ
ータ入力された場合 ・結論1(c1)の推論結果に対する明瞭性Cl1=Cl11
+Cl21=1.0 ・結論2(c2)の推論結果に対する明瞭性Cl2=Cl12
+Cl22=1.0 推論結果の明瞭性Clのとり得る範囲は, 0.0≦Cl≦1.0 である。つまり,推論を行なう前に与えられた知識の中
で,ある結論を導くために使用することができる事象の
すべてについてデータを入力して推論を行なった場合,
その結論の明瞭性は1.0になる。また,ある結論を導く
ために使用することができる事象の中で,一部の事象の
みについて,データを入力した場合,明瞭性は0.0から
1.0の間の値となる。このとき,使用することができる
事象の中で,明瞭性の高い事象を多く使用すれば,結論
の明瞭性も高くなり,信頼性が高い推論結果が得られる
と言える。
(18)明瞭性表示装置 明瞭性表示装置23は,明瞭性加算装置22で算出した推
論結果(一例として上述した可能性)に対する明瞭性を
表示する装置である。明瞭性は試論結果と共に表示して
もよいし,また明瞭性を他の装置に伝送したり,メモリ
やファイルへ記憶するようにしてもよい。
この明瞭性の表示は,推論結果の全ての結論について
表示する。したがって結論が複数存在する場合には,そ
れぞれの結論に対応する明瞭性が表示される。
このようにして,データが入力されるたびに,入力さ
れたデータが属する事象の情報量を演算し,推論結果に
対する明瞭性を表示することにより,推論結果に対する
信頼性をユーザが判断できるようになる。
上述した各装置11〜23,31〜35はメモリおよび表示装
置を含むコンピュータによって実現できるのはいうまで
もない。たとえば知識合成装置12,各種演算装置15,16,1
7,19,20,22,35はプログラムにしたがって動作するCPUに
よって好適に実現される。
【図面の簡単な説明】
第1図は近似推論装置およびインターフェイス装置の全
体構成の一例を示すブロック図である。 第2図はガウス分布を示すグラフである。 第3a図から第3c図はメンバーシップ関数が形成される様
子を示すグラフである。 第4a図および第4b図は,各事象ごとに得られたメンバー
シップ関数を示すグラフである。 第5a図および第5b図は適合度を求める様子を示すグラフ
である。 11……知識記憶装置, 12……知識合成装置, 13……合成後知識記憶装置, 14……事象値入力装置, 15……適合度演算装置, 16……動的情報量演算装置, 17……可能性演算装置, 18……可能性表示装置, 31……閾値入力装置, 32……閾値記憶装置, 33……警報出力装置, 34……エラー情報入力装置, 35……閾値変更装置。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の事象とその結論との関係を表わす知
    識を用い,与えられた入力データに応じて結論の可能性
    を演算する近似推論装置に対して設けられ, 各結論に対する閾値を設定する手段,および 結論の可能性の値とそれに対応する閾値とを比較し,閾
    値以上の可能性の値をもつ結論を出力する手段, を備えた近似推論装置と人間とのインターフェイス装
    置。
  2. 【請求項2】可能性の値が対応する閾値以上であるが実
    際には成り立っていない結論および可能性の値が対応す
    る閾値未満であるが実際には成り立っている結論に関す
    る情報を入力するエラー情報入力手段,ならびに 入力されたエラー情報にしたがって結論に対するエラー
    が無くなる方向に対応する閾値を自動的かつ動的に変更
    する手段, を備えた請求項(1)に記載の近似推論装置と人間との
    インターフェイス装置。
  3. 【請求項3】可能性の値が対応する閾値以上である結論
    について警報を出力する手段を備えた請求項(1)また
    は(2)に記載の近似推論装置と人間とのインターフェ
    イス装置。
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