JP3211015B2 - 電動工具のトルク伝達機構 - Google Patents

電動工具のトルク伝達機構

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JP3211015B2
JP3211015B2 JP00883694A JP883694A JP3211015B2 JP 3211015 B2 JP3211015 B2 JP 3211015B2 JP 00883694 A JP00883694 A JP 00883694A JP 883694 A JP883694 A JP 883694A JP 3211015 B2 JP3211015 B2 JP 3211015B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータの出力軸から減
速機構を介してスピンドルにトルク伝達を行う丸鋸機や
切断機等の電動工具のトルク伝達機構に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のトルク伝達機構においては特開昭
58−71109号公報に開示のブレーキ・クラッチ装
置が知られている。この発明は、例えば切断時にブレー
ドに急激な負荷がかかったりした際に、反動で丸鋸機が
取扱者の方へ跳ね返ってしまう不具合が生じること(キ
ックバック)から、このような場合直ちにブレードの回
転を停止させようとするもので、モータ軸から回転力が
伝達される駆動シリンダとブレードを回転させるスピン
ドル間にコイルバネを介在させてモータからスピンドル
への駆動伝達を行い、上記キックバック時にはモータ作
動中でもコイルバネの回転を直接停止させて駆動シリン
ダからスピンドルへのトルク伝達をカットし、駆動軸は
強制的にストップさせたコイルバネとの摩擦によって停
止させる構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の装置におい
て、駆動シリンダとスピンドル間の連結に用いられるコ
イルバネはキックバック時に作用する緊急ブレーキとし
て活用されているが、例えば作業後に電源をOFFにし
てモータを電気ブレーキによって停止させても、この場
合コイルバネは駆動シリンダとスピンドルを連結するだ
けであるからブレードへの有効な停止手段はなく、特に
径の大きなブレードであると、モータは停止しても慣性
力によってブレードが空転し続けて、その分次の作業へ
の移行が遅れることとなり作業性が低下する。更に前記
キックバック時のスピンドルへのブレーキは、強制的に
停止させたコイルバネの摩擦力を利用するため、その際
のブレーキの効きをよくするために駆動シリンダとスピ
ンドルへのコイルバネの嵌め合いを強くする必要があ
り、結果駆動シリンダとスピンドルが強固に連結される
ことになる。よって本装置においてモータ起動時や電気
ブレーキ作動時のトルク伝達は、モータ出力軸のピニオ
ンや減速機構のギヤ等の噛合により瞬時に行われる構成
となり、そのため構成部品やピニオンへの負荷が大きく
なってピニオン同士の衝突により音が発生したり、その
衝撃によりピニオンの消耗が激しくなって部品の耐久性
が低下したりしてしまう。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1に記載
の第1発明は、電気ブレーキ作動時の衝撃を緩和し、モ
ータ出力軸や歯車のピニオン等への負荷を軽減させるト
ルク伝達機構を提供するもので、その構成は、前記減速
機構の出力軸と同軸にスピンドルを配置し、前記出力軸
に対してスピンドルに設けた従動軸部を軸方向へ隣接さ
せ、減速機構の出力軸とスピンドルの従動軸部との相互
間に、少なくとも前記出力軸と径差を有してその出力軸
に連結されるコイルバネを両者に跨がって配置し、減速
機構の出力軸の回転減少によりコイルバネの径を変化さ
せて、前記出力軸への制動力をスピンドルの従動軸部に
伝達可能としたものである。次に、請求項4に記載の第
2発明は、モータの起動時と電気ブレーキ作動時との双
方での衝撃を緩和し、モータ出力軸や歯車のピニオン等
への負荷を軽減させるトルク伝達機構を提供するもの
で、その構成は、前記減速機構の出力軸と同軸にスピン
ドルを配置し、前記出力軸に対してスピンドルに設けた
従動軸部を軸方向へ隣接させ、減速機構の出力軸とスピ
ンドルの従動軸部との相互間に、両者に跨がって配置さ
れる異径且つ同心の2本のコイルバネの収納部を互いに
対向して設けると共に、夫々のコイルバネには少なくと
も前記出力軸側の収納部と径差を設けて同出力軸に連結
し、更にコイルバネの一方は減速機構の出力軸の回転増
加によりコイルバネの径を変化させて、前記出力軸の回
転をスピンドルの従動軸部に伝達可能とし、他方は減速
機構の出力軸の回転減少によりコイルバネの径を変化さ
せて、前記出力軸への制動力をスピンドルの従動軸部に
伝達可能としたものである。尚本発明でいうトルク伝達
とは、モータ起動から上昇して定回転するまでに行われ
るスピンドルへの正の伝達に加え、モータにブレーキを
かけてスピンドルを減速させて停止させる所謂負の伝達
も指すものである。又減速機構とは、複数の遊星歯車を
有したキャリアや回転盤に限らず、単一のギヤも含み、
更に筒状部も、中空の筒体に限らず、コイルバネが嵌挿
可能な内周部を有するものであれば、リング状に形成し
た溝も含むものである。
【0005】
【作用】第1発明によれば、定回転中のモータに電気ブ
レーキを作動させると、減速機構の出力軸とコイルバネ
が一体に減速するが、スピンドルは同時にブレーキがか
かるものの、コイルバネのスピンドルの従動部への連結
は充分でないから、そのため減速機構とスピンドルとの
減速に差が生じる。しかし出力軸の回転減少によりコイ
ルバネはスピンドルの従動軸部を強固に連結し、減速機
構の停止と共にスピンドルも停止する。このコイルバネ
の作用によりスピンドルへ急激に制動力がかかることが
なく、コイルバネによる緩衝が得られる。又、第2発明
によれば、モータを起動させると減速機構の出力軸とコ
イルバネが一体に回転するが、スピンドルは同時に回転
を始めるものの、コイルバネのスピンドルの従動軸部へ
の連結は充分でないから、その分スピンドルの回転スピ
ードは遅くなる。しかし出力軸の回転増加によりコイル
バネはスピンドルの従動軸部を強固に連結し、減速機構
とスピンドルは一体回転する。この初動時のコイルバネ
の作用によりモータからスピンドルへの急激なトルク伝
達が行われず、一旦コイルバネによって衝撃を吸収され
ることとなり、モータ軸や減速機構等への負荷を軽減で
きる。電気ブレーキ作動時は第1発明の作用と同じであ
る。
【0006】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。尚実施例中の左右の回転方向は全てモータ側からブ
レード側に向かって見た方向で示す。まず図1は、起動
時からトルク伝達を行うコイルバネを用いた丸鋸機を示
すもので、丸鋸機1において、モータハウジング2に内
蔵されるモータ3のモータ軸4は、ボールベアリング5
によって軸支されてギヤハウジング6内に突出してお
り、前記モータ軸4の側方にはボールベアリング7,8
によってスピンドル9が軸支され、スピンドル9にはギ
ヤ10が遊嵌されて歯10aが前記モータ軸4先端部の
ピニオン4aと噛合している。又スピンドル9先端部に
は、ブレードカバー11a内で円盤状のブレード11を
挟持したインナーフランジ12とアウターフランジ13
とが挿着され、両フランジ12,13はスピンドル9先
端に螺着されるボルト14及びワッシャー15によりス
ピンドル9に固着されている。一方ギヤハウジング6内
において、前記ギヤ10には出力軸となる内筒部16
が、スピンドル9の略中央部にはギヤ10からの従動軸
部となり内筒部16と同径の大径部17が夫々設けら
れ、ギヤ10は前記大径部17とリング18との間でス
ピンドル軸方向への移動を規制されている。又大径部1
7と内筒部16との外周相互間には、断面角形で右巻き
のコイルバネ19が、大径部17よりも内筒部16への
巻き量を若干多くして巻装されている。このコイルバネ
19の内径は、ギヤ10の内筒部16及びスピンドル9
の大径部17の外径よりもやや小さく(−0.3mm)設
定されており、更にコイルバネ19はギヤ10の回転に
伴い内筒部16と一体回転可能であるが、ブレード11
を有して必要なトルクが大きなスピンドル9に対しては
巻装力が不足しており、ギヤ10からコイルバネ19を
介してスピンドル大径部17へ起動時のトルクが伝達さ
れる際には、コイルバネ19のスピンドル大径部17の
巻装部分がその外周を若干滑るように設定されている。
【0007】このように構成された丸鋸機1において
は、モータ3を起動させるとモータ軸4は右回りに回転
し、先端のピニオン4aに噛合するギヤ10を左回りに
回転させる。この時ギヤ10の内筒部16に巻装される
コイルバネ19も内筒部16と一体に左回りに回転し、
スピンドル9の大径部17へ回転伝達を行おうとする。
しかしブレード11を有したスピンドル9は同時に回転
を始めるものの、コイルバネ19の巻装力が充分でない
ために、コイルバネ19の大径部17への巻装部分が大
径部17外周を滑りながら最初は遅いスピードで回転さ
せることになる。そしてギヤ10の内筒部16の回転に
伴い、コイルバネ19はその内周と大径部17間との摩
擦力により巻き締められ、結果スピンドル大径部17へ
の巻装力も上昇してコイルバネ19は大径部17をしっ
かり締め付ける。よってギヤ10の内筒部16とスピン
ドル9の大径部17とがコイルバネ19を介して強固に
連結され、両者は一体回転することとなる。上記伝達作
用を回転数と時間の関係を示すグラフによって説明する
と、図3においてモータの起動によりギヤが0から時間
Tで定回転に達するとすると、スピンドルは同時に回転
を開始しても前記コイルバネの滑りにより回転スピード
は遅く、その後コイルバネの巻装力の上昇によりスピン
ドルの回転スピードもアップし、時間T で定回転に
達するものとなるが、ここではT=T となり、スピ
ンドルはコイルバネの滑りにより立上りのスピードが遅
くなるものの、定回転へ達する時間はギヤと同時で、モ
ータからのトルクのロスはない。この立上りの滑りがギ
ヤからスピンドルへのトルク伝達を急激に行われること
を防止し、コイルバネがクッションとなってギヤからの
衝撃を吸収して、モータ軸やギヤ間での音の発生やピニ
オンの摩耗を軽減させる。更に上記起動時のクッション
効果に加えて、例えば切断作業時に加工材の節目等によ
りブレードに切断抵抗が加わった場合においても、本実
施例ではギヤとスピンドルを連結するコイルバネが若干
の滑りをもたせて設定してあるため、切断時におけるブ
レードのばたつきがなく、切断面が良好となる効果も奏
するのである。尚上記実施例ではスピンドルとギヤの外
周相互間にコイルバネを巻装させるものについて説明し
たが、スピンドルとギヤの両隣接部に夫々筒状部を突き
合わせ状に形成し、両筒状部の内周間に跨がってコイル
バネを巻装させてもよい。但しこの場合はコイルバネの
拡開力を両者の連結に用いるものであるから、巻き方向
はギヤやスピンドルと同じ巻き方向(例えばギヤが左回
転であれば左巻きでギヤの筒状部に連結され、スピンド
ルの筒状部内周との摩擦によりコイルバネは拡がるもの
となる)で、その外径がギヤ側の筒状部の内径より大き
くなる(例えば+0.3mm)。この筒状部はリング状の
溝でも良く、溝の大径側の内周にコイルバネを嵌挿すれ
ば良い。
【0008】《実施例1》 そして、以下にモータ停止時の負荷の緩衝を目的とした
第1発明のトルク伝達機構について図4に基いて説明す
る。尚同じ丸鋸機においての適用であり、同符号は上記
構造と同じ構成部分を示すものである。ギヤハウジング
6内において、スピンドル9の大径部17後方に位置す
るギヤ10は前記スピンドル9の大径部17とリング1
8との間で軸方向の移動を規制され、スピンドル9とギ
ヤ10の互いの摺動面には夫々クラッチ面9a、10b
が形成されており、ギヤ10に伝達されるトルクを回転
方向にのみスピンドル9へ伝達可能としている。又ギヤ
10のブレード11側には円筒部20が形成され、円筒
部20には内径部22をスピンドル大径部17の径と一
致させたリング状の溝21が設けられている。一方大径
部17とブレード11側のボールベアリング7間には、
二面の面取部が形成され、その面取部には中間筒24が
スピンドル9と一体回転可能に嵌着されている。この中
間筒24は、その内径を前記ギヤ10の溝21の外径部
23と一致させた周壁25を後方へ有し、更に周壁25
の先端部にはギヤ10の円筒部20外周に当接する帯部
26を連設している。更に前記溝外径部23と周壁25
内周面相互間には断面角形で右巻きのコイルバネ19a
が収容され、このコイルバネ19aは、中間筒周壁25
よりもギヤ10の溝外径部23への当接量を若干多く設
定している。そしてコイルバネ19aの外径は、溝の外
径部23と中間筒周壁25の内周面よりもやや大きく
(+0.3mm)設定されており、よって本実施例では拡
大しようとするコイルバネ19aの所謂拡開力によって
ギヤ10と中間筒24(スピンドル)が連結されるもの
となる。尚ここでもギヤ10と、ブレードを有して回転
するスピンドル9への必要なトルクの相違から、電気ブ
レーキをかけた際、コイルバネ19aはギヤ10とは一
体回転するが、中間筒24に対しては周壁25内周面と
の間で若干滑る様に設定されている。
【0009】このように構成されたトルク伝達機構にお
いて、まずモータ3の起動によりモータ軸4が右回転
(モータ側から見た方向)してギヤ10を左回転させる
と、クラッチ面9a、10bの作用によりギヤ10のト
ルクはスピンドル9へ伝達され、同時にコイルバネ19
aはギヤ10と一体回転する。この時は起動時からギヤ
10とスピンドル9間の回転にズレは生じないから、コ
イルバネ19aには何の外力も加わらず、ギヤ10、コ
イルバネ19a、スピンドル9は一体である。しかしそ
の後電気ブレーキを作動させて定回転するモータ3を停
止させると、減速するギヤ10とブレード11の慣性で
回転するスピンドル9間にスピード差が生じるから、ク
ラッチ面9a、10b間の係合が解かれて両者の駆動方
向の回転伝達は解除されてフリーとなる。一方ギヤ10
とスピンドル9との回転スピードの相違により、コイル
バネ19aは、ギヤ10とは一体で、中間筒24に対し
てはブレーキ作動直後には周壁25内周面を滑りながら
回転し、その摩擦力によりコイルバネ19aは拡開する
方向へ力が加えられる。結果ギヤ10の溝外径部23、
中間筒の周壁25夫々への摩擦力が上昇して、コイルバ
ネ19aを介してギヤ10とスピンドル9とがしっかり
連結される。よって電気ブレーキをかけてもギヤ10と
スピンドル9が同様に減速せず、両者間の負荷をコイル
バネ19aにより吸収しながら両者を制動させることが
でき、電気ブレーキ作動時のモータ軸4やギヤ10間の
音の発生や部品の消耗を軽減することが可能となる。又
ここでも電気ブレーキ作動時の回転スピードと時間との
関係を説明すると、図6に示す如く、定回転するギヤが
ブレーキ作動後にスピードダウンして停止するまでの時
間をTとすると、スピンドルはギヤに追動せず、ブレー
キは同時にかかるもののコイルバネが滑りながら最初は
緩やかにギヤを減速させ、その後コイルバネとの摩擦力
の上昇によりギヤと強固に連結されて一気にスピードダ
ウンし、時間T が経過してから停止するものとな
る。この場合T=T であり、電気ブレーキ作動後の
ギヤとスピンドルの停止は同時である。よって大径のブ
レードであっても空転時間は短縮され、ブレーキ作動後
モータ軸と同時に停止させることができる。更に、従来
は切断終了時に急にブレーキをかけると、丸鋸機本体が
振動を受け、切断面に当接しているブレードによって切
断面を傷つけたりする不具合があったが、本実施例にお
いてはブレーキをかけた時にコイルバネがクッションと
なるため、丸鋸機本体への振動も少なくなり、切断終了
時に急ブレーキをかけても切断面の悪化は生じないとい
う効果も奏するものである。尚上記実施例ではスピンド
ルの中間筒内周とギヤの溝大径部内周相互間にコイルバ
ネを嵌挿させるものについて説明したが、例えば中間筒
の周壁外径と溝の内径部とを一致させて外側にコイルバ
ネを巻装させるものとしても良い。但しこの場合はコイ
ルバネの巻装力を両者の連結(ブレーキ)に用いるもの
であるから、巻き方向はギヤやスピンドルと反対の巻き
方向(例えばギヤが左回転であると右巻きでギヤの溝内
径部に巻装され、スピンドルの中間筒外周との摩擦によ
りコイルバネは巻き絞られるものとなる)で、その内径
がギヤ側の溝内径部の径より小さくなる(例えば−0.
3mm)。又本実施例に係る発明はブレーキ時の緩衝であ
るから、起動時のトルク伝達は駆動回転方向のみトルク
伝達するものであれば噛み合いクラッチやラチェット機
構等でも良く、クラッチ機構は限定しない。
【0010】《実施例2》 次に上記起動時と停止時との双方の作用効果を有する第
2発明の実施例を図7、8に基いて説明する。尚同符号
は前記実施例と同じ構成部品を示すものである。図7の
ギヤハウジング6内において、スピンドル9の大径部1
7の後方にあってスピンドル9に遊嵌されるギヤ10
は、前記大径部17とリング18との間で軸方向の移動
を規制され、ギヤ10前方に突設された円筒部20に
は、内径部22をスピンドルの大径部17の径と一致さ
せたリング状の溝21が設けられている。一方大径部1
7とブレード11側のボールベアリング7間には、二面
の面取部によってスピンドルへ一体回転可能に嵌着され
る中間筒24が設けられ、この中間筒24は、前記ギヤ
10の溝21の外径部23へ対向して隣接し、その内径
を外径部23と一致させた周壁25を一体に有すると共
に、周壁25先端はギヤ10の円筒部20外周に当接す
る帯部26を連設している。又ギヤ10の円筒部20と
スピンドル大径部17相互間には断面角形の内側コイル
バネ27が、同じく円筒部20と中間筒24相互間には
断面角形の外側コイルバネ28が夫々配置されている。
内側コイルバネ27は大径部17よりも溝21の内径部
22への巻き量を若干多くして巻装された右巻きのもの
で、その内径は、溝21の内径部22及びスピンドル9
の大径部17の外径よりもやや小さく(−0.3mm)設
定されており、更に大径部17に対しては、上記図1と
同様に起動時のトルク伝達の際に若干滑るように設定さ
れている。一方外側コイルバネ28は中間筒24の周壁
25内周面の巻き量(当接部分)よりも溝21外径部2
3への巻き量(当接部分)を多くして収容された右巻き
のもので、この外側コイルバネ28の外径は、溝21の
外径部23と周壁25の内径よりもやや大きく(+0.
3mm)設定されており、所謂拡開力によってギヤ10と
中間筒24(スピンドル)を連結するものとなる。勿論
この外側コイルバネ28も上記実施例1と同様に中間筒
24の回転に対しては、電気ブレーキをかけた際に周壁
25内周面を若干滑るように設定されている。
【0011】このように構成された丸鋸機1は、まずモ
ータの起動時には内側コイルバネ27がトルク伝達を行
う。即ちモータ3の起動によりモータ軸4が右回転する
とギヤ10が左回転し、内側コイルバネ27も溝21の
内径部22と一体に左回転してスピンドル9の大径部1
7へトルク伝達しようとする。この時スピンドル9は同
時に回転を開始するが、内側コイルバネ27の大径部1
7への巻装部分が大径部17外周を滑りつつ回転するた
め、立上りは遅いスピードでスピンドル9を回転させ
る。そしてギヤ10の回転に連れて内側コイルバネ27
はその内周と大径部17との摩擦力により巻き締めら
れ、上昇した巻装力によって大径部17をしっかり締め
付けてギヤ10とスピンドル9とを一体回転させる。こ
の時外側コイルバネ28は中間筒24の周壁25内周面
を滑り、この際に生じる摩擦力により逆に巻き絞られる
ことになって拡開力が低下し、トルク伝達の機能は殆ど
生じさせない。そして電気ブレーキをかけた際には、モ
ータ3及びギヤ10の回転が低下してもスピンドル9は
ブレード11の慣性によりそのまま回転を続けようと
し、今度は外側コイルバネ28が中間筒24の周壁25
内周面を滑りながら回転し、同時にブレーキはかかるも
のの、ギヤ10よりも緩やかにスピードダウンする。こ
の時の摩擦力により外側コイルバネ28には拡がる方向
へ力が加えられてギヤ10の溝21の外径部23、中間
筒24の周壁25夫々への拡開力が上昇し、外側コイル
バネ28を介して両者はしっかり連結される。よってモ
ータ軸4、ギヤ10の停止と共にスピンドル9(ブレー
ド)も同時に停止することになる。この時内側コイルバ
ネ27は停止しようとするギヤ10の溝21と左回転す
る大径部17との摩擦力により拡がる方向へ力を加えら
れ、巻装力が低下して制動力の伝達は殆ど行われない。
上記の如く第2発明によれば内側、外側の2つのコイル
バネの採用により、モータの起動時、電気ブレーキ作動
時双方においてモータ側からの負荷をコイルバネにより
吸収することができ、ブレーキ作動時のブレードの空転
時間を短縮し、モータ軸やギヤ間の音の発生や部品の消
耗を軽減することが可能となる。勿論第2発明において
も、起動時から定回転へ達する時間及び電気ブレーキ作
動後の停止時間はギヤとスピンドル共に同じで、トルク
のロスも生じない。更に本実施例2においては、図1の
説明において述べた効果、即ち切断時にブレードへの切
断抵抗が加わった場合でもコイルバネがブレードや本体
の振動を抑えて良好な切断面を維持する効果及び、上記
実施例1において述べた効果、即ち切断終了時に急ブレ
ーキをかけた場合でもコイルバネが本体の振動を抑えて
良好な切断面を維持する効果を夫々併せ持つことは言う
までもない。
【0012】尚上記実施例2においては、内側コイルバ
ネをスピンドルとギヤに巻装して起動時の緩衝に、外側
コイルバネをスピンドルとギヤに設けた両筒状部の内周
に嵌挿してブレーキ時の緩衝に用いたが、内側コイルバ
ネと外側コイルバネの機能を逆にして、ギヤとスピンド
ルの対向部に夫々筒状部を形成し、その内周に内側コイ
ルバネを嵌挿し、外周に外側コイルバネを巻装して、内
側コイルバネでブレーキ時の緩衝作用、外側コイルバネ
でスタート時の緩衝作用を得ることもできる。又同じ配
置でも巻き方向を変えることで作用が逆になるため、巻
装と嵌挿と巻き方向との任意の組み合わせで更に多くの
設計変更は可能である。更に実施例1,2において、コ
イルバネの巻数や実施例2でのスピンドル大径部との内
径差や実施例1での中間筒内周面との外径差は上記実施
例に限定するものでなく、適用するブレードの径や工具
の種類等に応じて適正なものを選択できる。又実施例2
でのスピンドル大径部とギヤ内筒部との外径は同じ径と
したが、必要なコイルバネの巻装力に応じてスピンドル
側の径を小さく設定する等して両者の径を相違させても
差し支えなく、その場合コイルバネも両端が同径の筒形
でなく、両端が異径のすり鉢形状のものを使用してもよ
い。これは実施例1における中間筒の周壁内周面と溝外
径部との関係においても同様である。更にコイルバネ断
面形状も断面丸形としたり、ギヤ内筒部とスピンドル大
径部或は中間筒への夫々の当接面積を均等としたりして
も良い。加えてコイルバネを適用する位置も、上記実施
例のスピンドルと単独のギヤとの間に限らず、遊星歯車
を有したキャリアとスピンドルとの間に設けることもで
き、又ギヤがスピンドルに貫通されるタイプでなく、同
軸で並列配置されるタイプにおいても本発明は適用可能
である。従って対象となる工具の種類も多く、上記丸鋸
機に止まらず、一方向の回転でスピンドルへトルク伝達
を行う電動工具であれば、切断機等他の工具においても
用いることができ、工具の種類や目的に応じて第1、第
2発明を適宜選択して採用可能である。
【0013】
【発明の効果】以上本発明によれば、モータとスピンド
ル間の駆動伝達をロスなく行う効果を維持しつつ、モー
タ起動時及び電気ブレーキ作動時のモータ軸やギヤ等の
構成部品への負荷を緩衝し、音の発生を防止して構成部
品の摩耗も軽減でき、耐久性をより向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】丸鋸機を示す説明図である。
【図2】図1のA−A線端面図である。
【図3】ギヤとスピンドル間の回転数と時間との関係を
示すグラフである。
【図4】第1発明を適用した丸鋸機の実施例を示す説明
図である。
【図5】図4のB−B線端面図である。
【図6】実施例1のギヤとスピンドル間の回転数と時間
との関係を示すグラフである。
【図7】第2発明を適用した丸鋸機の実施例を示す説明
図である。
【図8】図7のC−C線端面図である。
【符号の説明】
1・・丸鋸機、2・・モータハウジング、3・・モー
タ、4・・モータ軸、5・・ボールベアリング、6・・
ギヤハウジング、7、8・・ボールベアリング、9・・
スピンドル、10・・ギヤ、11・・ブレード、12・
・インナーフランジ、13・・アウターフランジ、14
・・ボルト、15・・ワッシャー、16・・内筒部、1
7・・大径部、18・・リング、19・・コイルバネ、
20・・円筒部、21・・溝、22・・内径部、23・
・外径部、24・・中間筒、25・・周壁、26・・帯
部、27・・内側コイルバネ、28・・外側コイルバ
ネ。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23D 47/12 B25F 5/00 F16D 3/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータ軸から減速機構を介してスピンド
    ルに回転を伝達する電動工具のトルク伝達機構であっ
    て、前記減速機構の出力軸と同軸にスピンドルを配置
    し、前記出力軸に対してスピンドルに設けた従動軸部を
    軸方向へ隣接させ、減速機構の出力軸とスピンドルの従
    動軸部との相互間に、少なくとも前記出力軸と径差を有
    してその出力軸に連結されるコイルバネを両者に跨がっ
    て配置し、減速機構の出力軸の回転減少によりコイルバ
    ネの径を変化させて、前記出力軸への制動力をスピンド
    ルの従動軸部に伝達可能とした電動工具のトルク伝達機
    構。
  2. 【請求項2】 前記コイルバネが、減速機構の出力軸の
    回転方向と同じ巻き方向で、隣接する前記出力軸とスピ
    ンドルの従動軸部との相互間外周に跨がって巻装される
    ものであり、更に前記径差が、コイルバネの内径を前記
    出力軸の外径より小径としたものである請求項1に記載
    の電動工具のトルク伝達機構。
  3. 【請求項3】 前記コイルバネが、減速機構の出力軸の
    回転方向と反対巻きで、隣接する前記出力軸とスピンド
    ルの従動軸部とに互いに対向して設けた筒状部の両内周
    間に跨がって嵌挿されるものであり、更に前記径差が、
    コイルバネの外径を前記出力軸の筒状部内径より大径と
    したものである請求項1に記載の電動工具のトルク伝達
    機構。
  4. 【請求項4】 モータ軸から減速機構を介してスピンド
    ルに回転を伝達する電動工具のトルク伝達機構であっ
    て、前記減速機構の出力軸と同軸にスピンドルを配置
    し、前記出力軸に対してスピンドルに設けた従動軸部を
    軸方向へ隣接させ、減速機構の出力軸とスピンドルの従
    動軸部との相互間に、両者に跨がって配置される異径且
    つ同心の2本のコイルバネの収納部を互いに対向して設
    けると共に、夫々のコイルバネには少なくとも前記出力
    軸側の収納部と径差を設けて同出力軸に連結し、更にコ
    イルバネの一方は減速機構の出力軸の回転増加によりコ
    イルバネの径を変化させて、前記出力軸の回転をスピン
    ドルの従動軸部に伝達可能とし、他方は減速機構の出力
    軸の回転減少によりコイルバネの径を変化させて、前記
    出力軸への制動力をスピンドルの従動軸部に伝達可能と
    した電動工具のトルク伝達機構。
  5. 【請求項5】 前記コイルバネの収納部が、隣接する前
    記出力軸とスピンドルの従動軸部との夫々の外周部と、
    その外周部より大径で出力軸と従動軸部とに一体且つ同
    軸で夫々設けられた筒状部の夫々の内周部であり、更に
    両外周部間には、減速機構の出力軸の回転方向と反対巻
    きで、その内径を前記出力軸側の外周部の外径より小径
    に設定した内側コイルバネを巻装し、両内周部間には、
    減速機構の出力軸の回転方向と反対巻きで、その外径を
    前記出力軸側の内周部の内径より大径に設定した外側コ
    イルバネを嵌挿したものである請求項4に記載の電動工
    具のトルク伝達機構。
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