JP3210860U - 住宅用断熱パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】作業を簡素化することができる住宅用断熱パネルを提供する。【解決手段】1階床パネル10は、一対の合板11を有し、この一対の合板11の間に、発泡系断熱部材12が配設されると共に、一対の合板11を互いに支持するように補強リブ部材13が配設されている。補強リブ部材13は、例えば、一方向に伸長させて間隔を開けて複数配置するようにしてもよい。合板11と発泡系断熱部材12とを一体として簡単に取扱うことができると共に、十分な強度を得ることができる。【選択図】図1
Description
本考案は、住宅の建築に用いられる住宅用断熱パネルに関する。
近年、住宅の快適性を向上させ、かつ、省エネを達成するために、住宅の高断熱化が進められている。一般に、木造住宅の断熱工法としては、例えば、充填断熱工法と外張断熱工法の2つがある(例えば、非特許文献1参照)。充填断熱工法は、柱などの構造材の間に断熱材を充填する方法であり、壁の内側の空間を利用するので、支持材などで新たに断熱用のスペースを作る必要がなく、低コストであるという特徴を有している。断熱材には、例えば、グラスウール、ロックウール、又は、セルロースファイバーなどの繊維系断熱材が用いられている。また、外張断熱工法は、柱などの構造材の外側を断熱材でくるむ方法であり、壁の中に空間を残すことで配線や配管などのダクトスペースに活用することができ、施工が簡単であるという特徴を有している。断熱材には、例えば、硬質ウレタンフォーム、押出法ポリスチレンフォーム、又は、フェノールフォームが用いられている。
ホームページ「断熱住宅.com」(http://dannetsujyutaku.com/basic/knowledge/method)
しかしながら、どちらの工法においても、例えば1階の床の場合には、大引きや根太の間に断熱材を敷き、床材を貼る必要があり、断熱材を敷く手間が増えてしまうという問題があった。
本考案は、このような問題に基づきなされたものであり、作業を簡素化することができる住宅用断熱パネルを提供することを目的とする。
本考案の請求項1に係る住宅用断熱パネルは、合板と発泡系断熱部材とを接合して形成したものである。
本考案の請求項2に係る住宅用断熱パネルは、1階床パネルであり、合板は一対設けられ、この一対の合板の間に、発泡系断熱部材が配設されると共に、一対の合板を互いに支持するように補強リブ部材が配設されたものである。
本考案の請求項3に係る住宅用断熱パネルは、天井パネルであり、発泡系断熱部材は、矩形の板状であり、合板は、発泡系断熱部材の上面において、対向する少なくとも一対の端部に沿って、少なくとも一対設けられ、発泡系断熱部材の下面には、周縁に、梁に載せるための切欠きが設けられたものである。
本考案の請求項4に係る住宅用断熱パネルは、屋根パネルであり、合板の一面に発泡系断熱部材が設けられており、発泡系断熱部材の合板と反対側には、登り梁に配設するための複数の溝が一方向に伸長して設けられ、発泡系断熱部材には、一方向に伸長して、各溝の間に対応して通気孔がそれぞれ設けられ、発泡系断熱部材の一方向の両端部には、通気孔に対応して、中空状のスペースジョイントを挿入するための凹部が設けられ、複数の屋根パネルを並べて配設する際に、一方向において隣接する面の一方の凹部にスペースジョイントの一方を挿入し、他方の凹部にスペースジョイントの他方を挿入して接続するものである。
請求項1に係る考案によれば、合板と発泡系断熱部材とを接合して形成しているので、簡単に断熱部材を配設することができ、作業を簡素化することができる。
また、請求項2に係る考案によれば、1階床パネルにおいて、一対の合板の間に発泡系断熱部材及び補強リブ部材を配設するようにしたので、合板と発泡系断熱部材とを一体として簡単に取扱うことができる。また、補強リブにより強度を向上させることができるので、十分な強度を得ることができ、根太レス工法(剛床工法)に用いることができる。更に、一対の合板の間に発泡系断熱部材を配設しているので、熱橋が起こりにくく、断熱性を向上させることができる。
更に、請求項3に係る考案によれば、天井パネルにおいて、発泡系断熱部材の上面に、対向する少なくとも一対の端部に沿って、合板を少なくとも一対設けるようにしたので、発泡系断熱部材と合板とを一体として安定して簡単に取り扱うことができる。また、天井パネルの施工時に、作業者が合板部分を足場として利用することができるので、作業者が作業中に誤って落下することを防止することができる。更に、発泡系断熱部材の下面には梁に載せるための切欠きが設けられているので、発泡系断熱部材において梁と接触し、木部の熱橋がなく、断熱性を向上させることができる。
加えて、請求項4に係る考案によれば、屋根パネルにおいて、合板の一面に、通気孔を一方向に伸長して設けた発泡系断熱部材を配設するようにしたので、合板と発泡系断熱部材とを一体として簡単に取扱うことができる。また、発泡系断熱部材の合板と反対側に、登り梁に配設するための溝が設けられているので、発泡系断熱部材において登り梁と接触し、木部の熱橋がなく、断熱性を向上させることができる。更に、一方向の両端部に、通気孔に対応して、中空状のスペースジョイントを挿入するための凹部を設けるようにしたので、スペースジョイントを凹部に挿入することにより、一方向において隣接する屋根パネルを容易に接続することができると共に、通気孔を流通する空気が接合部分で漏れてしまうことを防止することができる。
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態に係る住宅用断熱パネルは、例えば、合板と発泡系断熱部材とを組み合わせ、接合して形成したものであり、木造住宅に好ましく用いることができる。具体的には、1階床パネル、天井パネル、又は、屋根パネルとして用いることができる。
(1階床パネル)
図1は1階床パネル10の構成を表すものであり、(A)は一面側から見た図、(B)は(A)に示したB−B線に沿った断面図である。この1階床パネル10は、一対の合板11を有し、この一対の合板11の間に、発泡系断熱部材12が配設されている。すなわち、発泡系断熱部材12の両面に一対の合板11が配設されている。合板11の大きさは、例えば、長さが1820mm、幅が910mm、厚みが12mmである。発泡系断熱部材12の厚みは、例えば、30mmである。発泡系断熱部材を構成する材料としては、例えば、押出し発泡ポリスチレン、ビーズ法ポリスチレン、ウレタンフォーム、高発泡ポリエチレン、又は、フェノールフォームが挙げられる。
図1は1階床パネル10の構成を表すものであり、(A)は一面側から見た図、(B)は(A)に示したB−B線に沿った断面図である。この1階床パネル10は、一対の合板11を有し、この一対の合板11の間に、発泡系断熱部材12が配設されている。すなわち、発泡系断熱部材12の両面に一対の合板11が配設されている。合板11の大きさは、例えば、長さが1820mm、幅が910mm、厚みが12mmである。発泡系断熱部材12の厚みは、例えば、30mmである。発泡系断熱部材を構成する材料としては、例えば、押出し発泡ポリスチレン、ビーズ法ポリスチレン、ウレタンフォーム、高発泡ポリエチレン、又は、フェノールフォームが挙げられる。
一対の合板11の間には、また、一対の合板11を互いに支持するように補強リブ部材13が配設されている。補強リブ部材13は、例えば、合板材などの木材により構成されている。形状は一対の合板11を互いに支持し、補強することができればどのようなものでもよい。例えば、図1に示したように、一方向に伸長させた複数の補強リブ部材13を間隔を開けて配置するようにしてもよく、また、図2に示したように、周縁部に沿って補強リブ部材13を設け、その内側に一方向に伸長させた複数の補強リブ部材を間隔を開けて配置するようにしてもよい。これら一対の合板11、発泡系断熱部材12、及び、補強リブ部材13は、接着剤により接合されている。なお、この1階床パネル10は、例えば、大引き(図示せず)の上に設置して用いられる。この1階床パネル10によれば、一対の合板11の間に発泡系断熱部材12が配設されているので、大引きからの熱橋が起こりにくく、断熱性を向上させることができるようになっている。
図3は、図1に示した本実施の形態の1階床パネル10に荷重をかけてたわみ量を調べた結果である。合板11の厚みは12mmとし、発泡系断熱部材12の厚みは30mmとした。また、28mm厚の合板に同様にして荷重をかけてたわみ量を調べた結果も合わせて示す。図3に示したように、本実施の形態の1階床パネル10によれば、28mm厚合板に比べてたわみ量を小さくすることができ、十分な強度を得ることができることが分かる。
このように本実施の形態の1階床パネル10によれば、一対の合板11の間に発泡系断熱部材12及び補強リブ部材13を配設するようにしたので、合板11と発泡系断熱部材12とを一体として簡単に取扱うことができる。また、補強リブ13により強度を向上させることができるので、十分な強度を得ることができ、根太レス工法(剛床工法)に用いることができる。更に、一対の合板11の間に発泡系断熱部材12を配設しているので、熱橋が起こりにくく、断熱性を向上させることができる。
(天井パネル)
図4は天井パネル20の構成を表すものである。この天井パネル20は、上から見た形状が矩形の板状よりなる発泡系断熱部材21の一面(上面)に、対向する少なくとも一対の端部に沿って、少なくとも一対の合板22が設けられた構造を有している。発泡系酸熱部材21の材料は、上述した通である。発泡系断熱部材21の大きさは、例えば、長さが1820mm、幅が910mm、厚みが80mmである。合板22は、例えば、長手方向及び短手方向において対向する二対の端部に沿って設けられていてもよく、どちらか一対の端部に沿って設けられていてもよいが、長手方向において対向する一対の端部に沿って、すなわち短手方向に沿った両端部に設けられていることが好ましい。価格の上昇を抑えつつ、安定性を向上させることができるからである。合板22の大きさは、例えば、長さが910mm、幅が240mm、厚みが12mmである。
図4は天井パネル20の構成を表すものである。この天井パネル20は、上から見た形状が矩形の板状よりなる発泡系断熱部材21の一面(上面)に、対向する少なくとも一対の端部に沿って、少なくとも一対の合板22が設けられた構造を有している。発泡系酸熱部材21の材料は、上述した通である。発泡系断熱部材21の大きさは、例えば、長さが1820mm、幅が910mm、厚みが80mmである。合板22は、例えば、長手方向及び短手方向において対向する二対の端部に沿って設けられていてもよく、どちらか一対の端部に沿って設けられていてもよいが、長手方向において対向する一対の端部に沿って、すなわち短手方向に沿った両端部に設けられていることが好ましい。価格の上昇を抑えつつ、安定性を向上させることができるからである。合板22の大きさは、例えば、長さが910mm、幅が240mm、厚みが12mmである。
発泡系断熱部材21と合板22とは、例えば、接着剤により接合されている。また、発泡系断熱部材の他面(下面)には、周縁に、梁(図示せず)に載せるための切欠き23が設けられている。天井パネル20は、切欠き23を梁(図示せず)に載せて配設される。これにより、発泡系断熱部材21において梁(図示せず)と接触するので、木部の熱橋がなく、断熱性を向上させることができるようになっている。なお、天井パネル20の角部には、柱に合わせて柱用切欠き(図示せず)が設けられていてもよい。
このように本実施の形態の天井パネル20によれば、発泡系断熱部材21の一面に、対向する少なくとも一対の端部に沿って、合板22を少なくとも一対設けるようにしたので、発泡系断熱部材21と合板22とを一体として安定して簡単に取り扱うことができる。また、天井パネル20の施工時に、作業者が合板22の部分を足場として利用することができるので、作業者が作業中に誤って落下することを防止することができる。更に、発泡系断熱部材の下面には梁に載せるための切欠きが設けられているので、発泡系断熱部材21において梁と接触し、木部の熱橋がなく、断熱性を向上させることができる。
(屋根パネル)
図5は屋根パネル30の構成を表すものであり、(A)は全体を表す斜視図、(B)は複数の屋根パネル30を接続した状態を表す図である。屋根パネル30は、合板31の一面に発泡系断熱部材32が設けられた構成、すなわち、発泡系断熱部材32の一面に合板31が設けられた構成を有している。合板31と発泡系断熱部材32とは例えば接着剤により接合されている。発泡系断熱部材32の合板31と反対側には、登り梁(図示せず)に配設するための複数の溝33が一方向に伸長して設けられている。これにより、発泡系断熱部材32において登り梁(図示せず)と接触するので、木部の熱橋がなく、断熱性を向上させることができるようになっている。
図5は屋根パネル30の構成を表すものであり、(A)は全体を表す斜視図、(B)は複数の屋根パネル30を接続した状態を表す図である。屋根パネル30は、合板31の一面に発泡系断熱部材32が設けられた構成、すなわち、発泡系断熱部材32の一面に合板31が設けられた構成を有している。合板31と発泡系断熱部材32とは例えば接着剤により接合されている。発泡系断熱部材32の合板31と反対側には、登り梁(図示せず)に配設するための複数の溝33が一方向に伸長して設けられている。これにより、発泡系断熱部材32において登り梁(図示せず)と接触するので、木部の熱橋がなく、断熱性を向上させることができるようになっている。
また、発泡系断熱部材32には、一方向に伸長して、各溝33の間に対応して通気孔34がそれぞれ設けられている。発泡系断熱部材32の一方向の両端部には、通気孔34に対応して、中空状のスペースジョイント35を挿入するための凹部36が設けられている。複数の屋根パネル30を並べて配設する際に、一方向において隣接する面の一方の凹部36にスペースジョイント35の一方を挿入し、他方の凹部36にスペースジョイント35の他方を挿入して接続するためのものである。
この屋根パネル30は、溝33を登り梁(図示せず)に合わせて配設される。また、一方向において隣接する屋根パネル30同士は、例えば、図5(B)に示したように、隣接する一方の凹部36にスペースジョイント35の一方の端部を挿入し、隣接する他方の凹部36にスペースジョイント35の他方の端部を挿入して接続される。なお、図5(B)では、溝33を省略して表している。
このように本実施の形態に係る屋根パネル30によれば、合板31の一面に、通気孔34を一方向に伸長して設けた発泡系断熱部材32を配設するようにしたので、合板31と発泡系断熱部材32とを一体として簡単に取扱うことができる。また、発泡系断熱部材32の合板31と反対側に、登り梁に配設するための溝33が設けられているので、発泡系断熱部材32において登り梁と接触し、木部の熱橋がなく、断熱性を向上させることができる。更に、一方向の両端部に、通気孔34に対応して、中空状のスペースジョイント35を挿入するための凹部36を設けるようにしたので、スペースジョイント35を凹部36に挿入することにより、一方向において隣接する屋根パネル30を容易に接続することができると共に、通気孔34を流通する空気が接合部分で漏れてしまうことを防止することができる。
以上、実施の形態を挙げて本考案を説明したが、本考案は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、各構成要素について具体的に説明したが、全ての構成要素を備えていなくてもよく、また、他の構成要素を備えていてもよい。
10…1階床パネル、11…合板、12…発泡系断熱部材、13…補強リブ部材、20…天井パネル、21…発泡系断熱部材、22…合板、23…切欠き、30…屋根パネル、31…合板、32…発泡系断熱部材、33…溝、34…通気孔、35…スペースジョイント、36…凹部
Claims (4)
- 合板と発泡系断熱部材とを接合して形成したことを特徴とする住宅用断熱パネル。
- 1階床パネルであり、
前記合板は一対設けられ、この一対の合板の間に、前記発泡系断熱部材が配設されると共に、一対の合板を互いに支持するように補強リブ部材が配設された
ことを特徴とする請求項1記載の住宅用断熱パネル。 - 天井パネルであり、
前記発泡系断熱部材は、上から見た形状が矩形の板状であり、
前記合板は、前記発泡系断熱部材の上面において、対向する少なくとも一対の端部に沿って、少なくとも一対設けられ、
前記発泡系断熱部材の下面には、周縁に、梁に載せるための切欠きが設けられた
ことを特徴とする請求項1記載の住宅用断熱パネル。 - 屋根パネルであり、
前記合板の一面に前記発泡系断熱部材が設けられており、
前記発泡系断熱部材の前記合板と反対側には、登り梁に配設するための複数の溝が一方向に伸長して設けられ、
前記発泡系断熱部材には、一方向に伸長して、前記各溝の間に対応して通気孔がそれぞれ設けられ、
前記発泡系断熱部材の一方向の両端部には、前記通気孔に対応して、中空状のスペースジョイントを挿入するための凹部が設けられ、
複数の屋根パネルを並べて配設する際に、一方向において隣接する面の一方の凹部に前記スペースジョイントの一方を挿入し、他方の凹部に前記スペースジョイントの他方を挿入して接続する
ことを特徴とする請求項1記載の住宅用断熱パネル。
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JP2017001418U JP3210860U (ja) | 2017-03-30 | 2017-03-30 | 住宅用断熱パネル |
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JP2017001418U JP3210860U (ja) | 2017-03-30 | 2017-03-30 | 住宅用断熱パネル |
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