JP3210646U - 容器入り麺 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱によって液体に戻した後のスープの風味を高めることができる容器入り麺を提供する。【解決手段】カップ入りラーメン1は、容器本体2内に生麺11、具材12、固形スープ13及び固形油14が分離して収容されている。固形スープ13及び固形油14は、電子レンジ等を用いた加熱により液状化する。固形油14は、液体状の食用油にゼラチンを加えて凝固させ、サイコロ状(塊状)に角切りにしたものである。固形スープ13にはこのような固形油14が複数個、投入されている。【選択図】図1
Description
本考案は、容器入り麺に関する。
従来、容器にゼリー状のスープと麺を収容した特許文献1のような容器入り麺がある。スープは、ゼラチンによって凝固された状態で容器内に収容される。容器内に麺と凝固スープが収容された状態で容器を電子レンジで加熱すると、スープが液体に戻るとともに加熱されたスープによって麺が茹で上がる。
特許文献1のような従来の容器入り麺において、鍋で煮込まれた直後のスープのような風味の高い状態のスープを実現するのは難しい。
本考案の目的は、加熱によって液体に戻した後のスープの風味を高めた容器入り麺を提供することにある。
本考案の容器入り麺は、麺と、加熱により液状化するゼリー状の固形スープと、食用油を主成分とし、加熱により液状化する複数個の塊状の固形油とが容器に収容されている。
本考案者は、液体に戻した後のスープの風味を高めるために試行錯誤を重ねた結果、スープから油を一部又は完全に分離してそれぞれ凝固させる方法に到達した。具体的には、ゼリー状の固形スープと、食用油を主成分とした塊状の固形油とを容器に収容し、電子レンジ等で加熱することで液状化することとした。これにより、加熱によって固形スープと塊状の固形油とを液状化した際、固形スープ由来の液状のスープ成分の風味と塊状の固形油由来の液状の食用油の風味とをそれぞれ独立に際立たたせやすい。そして、これらそれぞれの風味を際立たたせた結果、油を含んだスープ全体の風味を向上することが可能となった。なお、本考案において「食用油を主成分とする」とは、全体が食用油からなるものの他、調味料やその他の食品添加物等を適量含んだ食用油を含む。
さらに、本考案においては、複数個の塊状の固形油が容器に収容されている。固形油全体の量が同じであるとすると、食用油を1個の塊状の固形油として容器に収容する場合と比べ、複数個の塊状の固形油として容器に収容する方が、加熱効率が良い。よって、本考案によると、加熱調理しやすい容器入り麺が実現する。
また、本考案においては、前記複数個の塊状の固形油のそれぞれが、前記固形スープ上及び前記固形スープ内の少なくともいずれかに存在することが好ましい。これによると、加熱後、液体に戻った固形油が液体に戻った固形スープ上に自然に浮かびやすい。
また、本考案においては、前記複数個の塊状の固形油の少なくともいずれかにおける表面が、平面状の複数の切断面から構成されていることが好ましい。これによると、塊状の固形油の表面が複数の切断面から構成されているので、加熱効率がより向上する。
以下、本考案の一実施形態に係るカップ入りラーメン1について図1及び図2を参照しつつ説明する。カップ入りラーメン1は、容器と容器内に収容された食材とによって構成されている。容器は、容器本体2、内蓋3及び外蓋4からなる。内蓋3内には食材の収容空間3aが形成されている。収容空間3aは内蓋3の上部において上方に向かって開口している。内蓋3は、容器本体2内の上部に配置されている。外蓋4は、内蓋3の収容空間3aの上部開口を覆うように内蓋3に取り付けられている。
食材は、生麺11、具材12、固形スープ13及び固形油14(塊状の固形油)からなる。生麺11及び具材12は内蓋3の収容空間3aに収容されている。なお、図2には、生麺11及び具材12の収容状況が概略図によって示されている。生麺11はラーメンの麺である。具材12は、チャーシュー、メンマ、ネギ等からなる。固形スープ13及び固形油14は、容器本体2内の内蓋3より下方に収容されている。固形スープ13は鍋で煮込まれたスープ(以下、原スープとする)を醤油等の調味料によって調味したものにゼラチンを加えて冷やし、ゼリー状に凝固させたものである。本実施形態における原スープは、野菜や骨等の食材を80〜90℃で長時間煮込むことで作られた、濁りのない、いわゆる「清湯スープ」である。固形スープ13には食用油が全く使用されていないか、使用されているとしても僅かである。これにより、固形スープ13は、食用油以外の成分によって全体が構成されるか、僅かな食用油とそれ以外の成分とによって構成されることになる。
固形油14は液体状の食用油にゼラチンを加えて凝固させ、サイコロ状(塊状)に角切りにしたものである。固形油14は、固形スープ13上に乗せられるか、固形スープ13内に埋まっている。凝固前の食用油は、ラードを煮込んだものに魚介エキス等の調味料を加えて調味することで作られる。その他、添加目的に応じた適量の食品添加物が凝固前の食用油に含まれていてもよい。これにより、固形油14は、食用油と食用油以外の僅かな成分とによって構成されることになる。食用油は、ゼラチンを使用せず、調味後の液体状の食用油をそのまま冷やすことにより自然に凝固させてもよいが、ゼラチンを使用することで凝固を早めることができる。凝固後の食用油は、カッター等でサイコロ状に切り分ける。これによって、固形油14が、図1及び図2に示すように、平面状の複数(例えば6つ)の切断面で構成されることになる。
以下、カップ入りラーメン1の調理方法について説明する。図2に示すように、カップ入りラーメン1から生麺11及び具材12を一旦取り出す。そして、固形スープ13及び固形油14上に生麺11を乗せた状態で電子レンジを用いて数分間加熱する。これにより、固形スープ13及び固形油14の両方が液状化する。加熱前の固形油14は、固形スープ13上に乗せられるか、固形スープ13内に埋まっている。このため、加熱によって液状化した固形油14が、同じく液状化した固形スープ13上に自然に浮かぶ。そして、生麺11が、高温になった液状の食用油及びスープ成分によって茹で上がる。その後、茹で上がった生麺11上に具材12を置くことにより調理が完了する。
以上説明した本実施形態によると、スープから油が分離され、それぞれの凝固したものが容器本体2に収容されている。具体的には、固形スープ13と食用油を主成分とする固形油14とが容器本体2に収容されている。これにより、加熱によって固形スープ13と固形油14とを液体に戻した際、固形スープ13由来の液状のスープ成分の風味と固形油14由来の液状の食用油の風味とをそれぞれ独立に際立たせやすい。そして、これらそれぞれの風味を際立たせた結果、油を含んだスープ全体の風味を向上することが可能となる。特に、清湯スープのように濁りのない清んだ原スープを用いている場合、原スープと食用油を混ぜたスープ全体を丸ごと凝固してしまうと、加熱によって液体に戻した結果、本来の清んだ風味に濁りが生じてしまうおそれがある。これに対し、本実施形態では、固形スープ13及び固形油14の形態でスープから油が分離されており、これらが加熱によってそれぞれ独立に液体に戻る。したがって、食用油の風味が清湯スープの風味を濁しにくく、全体としてそれぞれの風味が活かされたスープとなりやすい。
また、複数個の塊状の固形油14が容器本体2に収容されている。用いられる食用油全体の量が同じであるとすると、食用油を1個の塊状の固形油として容器本体2に収容する場合と比べ、複数個の塊状の固形油14として容器本体2に収容する方が、単位重量当たりの固形油14の表面積が大きくなる。このため、固形油14を加熱する際の加熱効率が良い。よって、カップ入りラーメン1は加熱調理しやすい。また、本実施形態においては、固形油14の表面が複数の切断面から構成されている。したがって、例えば固形油14が球形になっている場合と比べ、単位重量当たりの固形油14の表面積が比較的大きくなるので、固形油14がさらに効率良く加熱される。
以上は、本発明の好適な実施形態についての説明であるが、本考案は上述の実施形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲の限りにおいて様々な変更が可能なものである。
例えば、上述の実施形態では、固形油14はサイコロ状に角切りにされている。しかし、固形油14がサイコロ以外の立体形状であってもよい。例えば、サイコロ以外の多面体であってもよいし、円筒形や球形であってもよい。また、上述の実施形態では、固形油14が固形スープ13上に乗っているか固形スープ13内に埋まっている。しかし、固形油14が固形スープ13とは分離して容器本体2内に収容されていてもよい。また、固形スープ13及び固形油14の凝固にゼラチンが用いられているが、コラーゲン等、その他の凝固材が用いられてもよい。また、カップ入りラーメン1には生麺11が用いられているが、生麺ではなく乾麺が用いられてもよい。上述の実施形態は本発明がラーメンに適用されたものであるが、本発明がその他の麺類に適用されてもよい。
1 カップ入りラーメン
2 容器本体
11 生麺
13 固形スープ
14 固形油
2 容器本体
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14 固形油
Claims (3)
- 麺と、加熱により液状化するゼリー状の固形スープと、食用油を主成分とし、加熱により液状化する複数個の塊状の固形油とが容器に収容されていることを特徴とする容器入り麺。
- 前記複数個の塊状の固形油のそれぞれが、前記固形スープ上及び前記固形スープ内の少なくともいずれかに存在することを特徴とする請求項1に記載の容器入り麺。
- 前記複数個の塊状の固形油の少なくともいずれかにおける表面が、平面状の複数の切断面から構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器入り麺。
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2017
- 2017-03-14 JP JP2017001111U patent/JP3210646U/ja active Active
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