JP3210239U - 空気精製処理機能を有するドラフトチャンバー - Google Patents

空気精製処理機能を有するドラフトチャンバー Download PDF

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Abstract

【課題】種々の有害物質や有毒物質を操作する操作室と、ここで発生する処理空気の加熱滅菌処理を含む空気精製処理を行う空気精製処理部との一体化が可能で、コンパクトなドラフトチャンバーを提供する。【解決手段】操作室1,吸気部2および排気部3を備えるとともに、処理空気移送部4,予備加熱部5,反応器6および冷却部7を備え、清浄空気とともに排気部3から排出される操作室1内の空気を含む処理空気が、予備加熱部5において300℃以上に予備加熱され、複数段の加熱体Ha,Hb・・につき上流側に加熱容量の大きな加熱体が設けられた反応器6において無触媒条件で400℃以上に加熱されることによって、滅菌処理および精製処理が行われ、精製空気として供出される。【選択図】図1

Description

本考案は、空気精製処理機能を有するドラフトチャンバーに関するものであり、特に、有毒ガスや有害生物(バクテリア・菌・ビールス類等)の操作・実験・研究等によって発生するドラフトチャンバー操作室内の空気を無毒化・無菌化するための加熱滅菌処理を含む空気精製処理機能を有するドラフトチャンバーに関する。
通常、有毒ガスや有害生物(バクテリア・菌・ビールス類等)等の試料を操作し、実験しあるいは研究等を行う場合、室内と隔離された処理室を有するドラフトチャンバーが用いられる。このとき、ドラフトチャンバーの作動時は、処理室内で発生する空気は、実験室等室内に放出されることを防ぐように吸引装置等により常に排気され、室内の気圧に対して負圧となるようにされている。例えば、図5(a),(b)に示すようなドラフトチャンバーが提案されている(例えば特許文献1参照)。具体的には、有毒ガス等を発生する試料の処理を行う処理室10を備えるドラフトチャンバーに、処理室10内に設置した冷却器24に接続される冷却装置22等を設置する機器設置部20と、機器設置部20内の空気を処理室10に送るための連通部30を設ける。これにより、処理室10内の空気は下吸気口17又は上吸気口18から吸気され、排気口12,排気ダクト13を通って外部に排出される。冷却装置22を稼働させると、排熱部23から排出された熱は連通部30から排気通路19に流れ、排気口12を通って外部に排出される。外部に排出された処理室内のガスは、排気処理装置により適切な処理がなされて無毒化された後、外部に放出される。
実用新案登録第3140619号公報
しかし、上記のようなドラフトチャンバーでは、以下に挙げるような問題点や課題が生じることがあった。
(i)従来、ドラフトチャンバーの排気口から外部に排出された有毒ガスを含む空気は、無毒化・無菌化するために屋外に設置された排気処理装置に供給され、例えば活性炭等を用いたフィルタリング処理を行われる。しかしながら、有毒ガス等が吸着・吸蔵された活性炭等は、定期的に交換する必要があり、さらに脱着・焼却等の処分をする必要があり、保守操作の煩雑さおよび費用負担も大きい。
(ii)処理室内で取り扱われる対象は、実験目的の変更等に伴い頻繁に変更されることがある。このとき処理室から排出される空気中の有毒・有害成分が異なる場合には、その都度対象に柔軟に対応した排気処理が必要となり、処理方法や処理装置の変更が必要となる。しかし、実験室内において、こうした処理方法の変更や処理装置の取り替え(移動・増設等)は困難であり、迅速性・柔軟性が求められる実験・研究活動の阻害要因となっている。汎用性の高い処理方法や処理装置が求められている。
(iii)また、実験・研究のための操作に伴い発生する有害物質や有毒物質を含む処理空気は、素早く処理することが好ましく、処理空気の精製処理装置と一体化されたコンパクトなドラフトチャンバーが求められている。一方、有害物質や有毒物質の多くは400℃以上に加熱することによって滅菌・分解処理することができる。しかし、従来の加熱滅菌処理は大掛かりな装置を必要とし、実験室内においてドラフトチャンバーに併設することはできない。
(iv)さらに、近年実験・研究の多様化に伴い、有害物質や有毒物質が異なる複数の対象を、複数のドラフトチャンバーを用いて同時並行的に操作する場合がある。こうした操作に伴い、複数の操作室から発生する種々の有害物質や有毒物質を処理することができる処理方法や処理装置が求められている。
(v)また、加熱滅菌処理装置を実験室外に設置した場合であっても、常温の空気を高温加熱するために多くの熱源(エネルギー)を投入する必要がある一方、作製された精製空気は、再び常温にして排出する必要がある。つまり、エネルギーの有効利用の観点からは、投入された熱源を効率よく回収し、これを効率よく再利用することが好ましい。しかしながら、現実の装置において、こうした効率よくエネルギー利用することは難しく、エネルギー効率の向上が大きな課題となっている。
そこで、本考案の目的は、種々の有害物質や有毒物質を操作する操作室において発生する処理空気の加熱滅菌処理を含む空気精製処理を行うことができるとともに、こうした空気精製処理部と一体化が可能で、コンパクトなドラフトチャンバーを提供することにある。また、複数の操作室からの処理空気を同時並行的に加熱滅菌処理を含む空気精製処理することができるドラフトチャンバーを提供することにある。さらに、精製処理において必要となるエネルギーを効率的に使用し、ドラフトチャンバー全体のエネルギー負荷を軽減することができることを目的とする。
本考案者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す空気精製処理機能を有するドラフトチャンバーによって、上記目的を達成できることを見出し、本考案を完成するに到った。
本考案に係る空気精製処理機能を有するドラフトチャンバーは、負圧条件下で実験・研究に係る操作が可能な操作室と、該操作室に清浄空気を取り込む吸気部と、前記操作室の上部に設けられ、操作室からの処理空気を加圧または負圧条件下で排出させる排気部と、を備えるとともに、該排気部から排出された処理空気の移送を担う処理空気移送部と、内部に熱交換手段を有し、前記処理空気供給部から供給された処理空気が予備加熱処理される予備加熱部と、内部に上流から下流方向に複数段の加熱体が配設され、前記予備加熱部から供給された空気が高温酸化処理される反応器と、高温酸化処理された空気が供出される該反応器の供出部と前記熱交換手段を接続する高温空気流路と、該高温空気流路から供出された空気を冷却する冷却部と、を有する空気精製処理部と、を備え、前記処理空気が、前記予備加熱部において300℃以上に予備加熱され、前記複数段の加熱体につき上流側に加熱容量の大きな加熱体が設けられた前記反応器において無触媒条件で400℃以上に加熱されることによって、滅菌処理および精製処理が行われ、精製空気として供出されることを特徴とする。
こうした構成によって、保守や点検作業が少なく、汎用性の高い処理空気の加熱滅菌処理等を含む空気精製処理を行うことができるとともに、空気精製処理部と一体化が可能で、コンパクトなドラフトチャンバーを提供することができる。特に、予備加熱部において300℃以上で処理空気の予備加熱を行い、さらに反応器において無触媒条件で400℃以上に加熱滅菌処理を含む空気精製処理を行うとともに、反応器の内部に上流から下流方向に複数段の加熱体を設け、かつ上流側に加熱容量の大きな加熱体を設けることによって非常にコンパクトな空気精製処理部を構成することを可能にした。また、反応器からの高温の空気の顕熱を予備加熱部の熱源として利用することによって、エネルギー効率が高く、長期間の使用における保守の大幅軽減、ランニングコストの低減を図ることを可能とした。
本考案は、上記ドラフトチャンバーであって、2以上の操作室と、各操作室に繋がる1または2以上の吸気部および2以上の排気部と、前記操作室または排気部の圧力および/または流量を検出する1または2以上の測定部と、が備えられるとともに、検出された圧力および/または流量に応じて、前記排気部または/および処理空気移送部に設けられた各操作室からの処理空気の切換え操作を担う1または2以上の切換弁、および前記処理空気移送部に設けられた処理空気の移送流量の調整を担うブロアの作動が制御されることを特徴とする。
こうした構成によって、複数の操作室からの処理空気に対して同時並行的に加熱滅菌処理を含む空気精製処理することができるドラフトチャンバーを提供することが可能となる。ここで、「同時並行的処理」とは、必ずしも複数の操作室全てから処理空気が排出される場合だけではなく、所定時間複数の操作室のうちの1または2以上の操作室から処理空気が排出され、その後別の複数の操作室から処理空気が排出され、順次1または2以上の操作室から処理空気が排出され場合を含み、本考案においては、排出される処理空気の圧力および/または流量に対応して、1または2以上の切換弁の切換え操作を行うとともに、ブロアを作動し処理空気の排出流量に対応した適正流量を予備加熱部および反応器に供給するように制御される。
本考案は、上記ドラフトチャンバーであって、前記空気精製処理部からの精製空気供出流路が前記吸気部に繋がる吸気流路と接続されるとともに、前記精製空気の一部または全量が清浄空気として前記操作室に供給され、清浄空気の供給流量に応じて前記吸気流路から吸気される精製空気の吸気量が制御されることを特徴とする。
ドラフトチャンバーを使用する実験・研究においては、対象物を操作する操作室に清浄空気が供給されることが好ましい。従前は、クリーンルームのような清浄空間の場合は、その屋内空気を用いることがあるが、通常別途清浄空気を準備し、操作室に供給している。また、排気処理装置が屋外に設けられた場合には、ここで処理された清浄空気は、そのまま大気放出されるか別途の用途に用いられ、ドラフトチャンバー用として利用されることはない。本考案では、空気精製処理部が操作室と近接し、一体化されたドラフトチャンバーを構成することができるため、空気精製処理部からの精製空気をそのまま操作室の清浄空気として利用することが可能である。ドラフトチャンバー内に空気の還流系を形成することによって、外部からの清浄空気の供給を低減または不要とすることができる。特に、操作室は通常減圧条件とされることから、空気精製処理部おいて精製処理される処理空気は、操作室の操作に利用される清浄空気以外に操作室の外部から流入する屋内空気が混ざったものであり、精製処理される処理空気量は、操作室において必要とされる清浄空気量を超えることから、外部からの精製空気の供給を必要としない点において優れている。
本考案は、上記ドラフトチャンバーであって、前記空気精製処理部において、前記反応器の内部流路が前記熱交換手段の上部に配設され、前記冷却器の内部流路が前記熱交換手段の下部に配設されるとともに、該冷却部において冷却された空気を精製処理するフィルタが前記冷却器に近接して配設され、前記予備加熱部の内部流路に前記高温空気流路から供出された高温の空気が流通され、その外周流路に前記処理空気供給部から供給された前記処理空気が流通され、さらに、外周流路に冷却用冷媒が流通される前記冷却器の内部流路に前記予備加熱部から供出された低温の空気が流通され、前記冷却部から供出された空気が前記フィルタに供給され、該空気中の残渣や灰分が除去され、所定温度の精製空気が供出されることを特徴とする。
高温処理が行われる反応器と常温レベルの冷却処理が行われる冷却部とを備え、常温レベルの原料空気と高温の加熱空気の熱交換処理が行われる予備加熱部を備えるとともに、これらを流通する空気に対するエネルギーの効率的な授受を図るとともに、各デバイスの最適な作動条件を確保し、デバイス間におけるエネルギーロスの少ない配置関係を確保することによって、装置全体のエネルギー負荷を軽減することができる。また、熱交換機能を有する予備加熱部および冷却器において、内部流路に高温流体が流通され、外周流路に低温流体が流通されることによって、高温流体のエネルギーを効率よく低温流体に伝達し、周囲温度との温度差が大きい高温流体からの直接的な放熱による大きなエネルギーロスを回避・軽減することができる。また、空気精製処理部から供出される精製空気は、非常に無害性および無菌性の高い空気であることから、本考案においては、さらに反応器において生じる可能性のある微量の残渣や灰分を除去し、よりクリーンな状態にすることによって、さらに有用性を高くすることができる。
本考案に係るドラフトチャンバーの基本構成を例示する全体構成図。 本考案に係るドラフトチャンバーの空気精製処理部の構成を例示する構成図。 本考案に係るドラフトチャンバーの第2構成例を示す全体構成図。 本考案に係るドラフトチャンバーの第3構成例を示す全体構成図。 従来技術に係るドラフトチャンバーを例示する全体構成図。
本考案に係るドラフトチャンバー(以下「本装置」という)は、負圧条件下で実験・研究に係る操作が可能な操作室と、操作室に清浄空気を取り込む吸気部と、操作室の上部に設けられ、操作室からの処理空気を加圧または負圧条件下で排出させる排気部と、を備えるとともに、排気部から排出された処理空気の移送を担う処理空気移送部と、内部に熱交換手段を有し、処理空気供給部から供給された処理空気が予備加熱処理される予備加熱部と、内部に上流から下流方向に複数段の加熱体が配設され、予備加熱部から供給された空気が高温酸化処理される反応器と、高温酸化処理された空気が供出される反応器の供出部と熱交換手段を接続する高温空気流路と、高温空気流路から供出された空気を冷却する冷却部と、を有する空気精製処理部と、を備え、処理空気が、予備加熱部において300℃以上に予備加熱され、複数段の加熱体につき上流側に加熱容量の大きな加熱体が設けられた反応器において無触媒条件で400℃以上に加熱されることによって、滅菌処理および精製処理が行われ、精製空気として供出されることを特徴とする。汎用性の高い処理空気の加熱滅菌処理を行うことができるとともに、加熱滅菌処理部と一体化が可能で、コンパクトなドラフトチャンバーを構成することが可能となった。以下、本考案の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、基本的な構成要素を有する場合には、各図に示す実施態様に限定されものではない。
<本装置の構成例>
本装置の実施態様として、基本的な概略全体構成を、図1に例示する(第1構成例)。本装置は、操作室1,吸気部2および排気部3を備えるとともに、処理空気移送部4,予備加熱部5,反応器6および冷却部7を備える。一体化された本装置各部に対して、所定の電力および冷却水等ユーティリティの供給が一元管理されている。操作室1において、研究者等による実験・研究等に係る操作が行われる。このとき、操作される対象物が有毒物質あるいは有害生物(以下「有害物等」という)を含む場合、あるいは操作に伴い有害物等が発生した場合、操作室1内の空気には、有害物等が含まれる。本装置では、こうした操作室1内に対して吸気部2から清浄空気が取り込まれ、操作室1内の空気は、清浄空気とともに排気部3から排出される(処理空気)。清浄空気は、バルブV2を介して供給され、吸気流路L2を通過して操作室1に導入される。清浄空気として外気等十分に清浄化されていない場合等には、ペーパーフィルタやソックスフィルタ等精製処理が可能なフィルタ2aによって除塵・精製処理を行い、操作室1へ導入することが好ましい。清浄空気は、図示するように、操作室1外周から均質に操作室1に流入し、有害物等を同伴して処理空気として操作室1の上部から排気部3を介して排出される。排気部3には、操作室1から排出された処理空気が通過する排気流路L3が設けられ、バルブV3を介して処理空気移送部4と接続される。排気流路L3には、ブロアB3と圧力および/または流量を検出する測定部S3が配設され、有害物等の処理量(処理空気量)あるいは精製空気の供給流量に応じて吸気流路から吸気される精製空気の吸気量が制御される。
このとき、操作室1の構造上、操作室1および排気部3が外部からの室内空気の流入がない(密閉系に近い)状態が維持されれば、ブロアB3を作動制御し操作室1および排気部3を減圧状態にし、有害物等の室内への漏洩を防ぐことができる。また、操作室1に開閉可能なチャンバー窓(図示せず)が設けられている場合であって、操作室1における操作が室内空気を流入させた状態で行われる場合には、ブロアB3を作動制御し操作室1および排気部3を減圧状態にし、操作室1に清浄空気に加えて室内空気を流入させた状態を形成することによって、有害物等の室内への漏洩を防ぐことができる。本装置においては、チャンバー窓全開状態において、操作室1が減圧状態となるように、ブロアB3の作動を制御(例えば負荷のインバータ制御用)するとともに、バルブV3で調整され、所定量が吸引される。
バルブV3を介して供出された処理空気は、処理空気移送部4から予備加熱部5に導入される。処理空気移送部4では、処理空気がポンプやブロア等の給送手段(図ではブロアB4)によって吸引され、処理空気供給流路L4を介して予備加熱部5に給送される。このとき、処理空気を予めろ過フィルタ等(図示せず)によって粉塵や微粒子等を除去することが好ましいが、触媒等被毒によって機能が低下する要素の少ない空気精製処理部を有する本装置においては、必ずしも必要とされない。また、予備加熱部5に導入される処理空気の移送流量は、基本的には、バルブV3を介して処理空気移送部4に供送される処理空気の流量と略同量であるが、操作室1から排気される処理空気量が不安定な場合には、反応器6を含む空気精製処理部の安定性を維持するためにバルブV4の開度を調整し、処理空気の移送流量を一定とすることも可能である。この場合、バルブV4から処理空気を排出することなくバルブV4から外気または清浄空気が導入される。ここでいう清浄空気には、後述するように、空気精製処理部から供出される精製空気の一部を用いることが可能である。
予備加熱部5に導入された処理空気は、予備加熱部5内に設けられた熱交換手段5aにおいて反応器6からの高温の高温空気との熱交換によって、300℃以上に予備加熱される(予熱空気)。予熱空気は、反応器6に導入され、400℃以上の高温条件下において高温酸化処理される(高温空気)。高温空気は、反応器供出部6aから供出され高温空気流路L6を介して予備加熱部5に還流され、熱交換手段5aにおける処理空気との熱交換によって、約100〜200℃に冷却される(低温空気)。低温空気は、低温空気流路L5を介して冷媒が供給される冷却部7に導入され、冷媒との熱交換によって、約20〜30℃に冷却される(冷却空気)。冷却空気は、精製空気流路L7を介して精製空気として供出される。このとき、図示するように、冷却空気を精製処理用のフィルタ8に導入し、反応器において生じる可能性のある微量の残渣や灰分を除去することによって、よりクリーンな清浄化された有用性の高い精製空気を得ることができる。また、上記の吸気部2にフィルタ2aが設けられていない場合や、処理空気中に操作室1での操作によって新たに発生し反応器6では処理されない不純物が含まれる場合において有用である。また、フィルタ8とともに、またはこれに代えて消音機8を設けることも可能である。空気精製処理部が操作室と一体化されたドラフトチャンバーが、室内に設置された場合の騒音防止を図ることができる。
本装置の空気精製処理部は、図2に例示するように、反応器6の内部流路(図示せず)が、熱交換手段5aの上部に配設され、冷却器7の内部流路(図示せず)が、熱交換手段5aの下部に配設されるとともに、フィルタ8が冷却器7に近接して配設されることが好ましい。こうした構成することによって、エネルギーの効率的に使用を可能とし、本装置全体のエネルギー負荷を軽減することができる。最も低温での処理が行われる冷却部7の内部流路を最下部に設け、高温処理が行われる反応器6の内部流路を最上部に設け、その中間部に常温レベルの処理空気と高温の加熱空気の熱交換処理が行われる予備加熱部を設けることによって、これらを流通する空気に対するエネルギーの効率的な授受を図るとともに、各デバイスの最適な作動条件を確保し、デバイス間におけるエネルギーロスの少ない配置関係を確保することができ、装置全体のエネルギー負荷を軽減することができる。
このとき、予備加熱部5の内部流路に高温空気流路L6から供出された高温空気が流通され、その外周流路(図示せず)に処理空気供給部4から供給された処理空気が流通され、冷却器7の内部流路に予備加熱部5から供出された低温空気が流通され、その外周流路(図示せず)に冷媒が流通されるとともに、冷却部7から供出された冷却空気がフィルタ8に供給され、精製空気として供出されることが好ましい。予備加熱部5において、高温流体である高温空気(400℃以上)のエネルギーを効率よく低温流体である処理空気(約20〜30℃)に伝達ことができるとともに、冷却器7において、高温流体である予備加熱部5から供出された低温空気(約100〜200℃)のエネルギーを効率よく低温流体である冷媒(例えば約5〜20℃)に伝達ことができる。また、高温流体と予備加熱部5の周囲環境との中間に低温流体が介在する構成とすることによって、高温流体の温度と周囲温度との大きな温度差が推進力となって生じる放熱による大きなエネルギーロスを低減することができる。エネルギーの効率的に使用を可能とし、本装置全体のエネルギー負荷を軽減することができる。
反応器6は、内部に上流から下流方向に複数段の加熱体Ha,Hb・・および測定部Sa,Sb・・が配設され、内部温度を400℃以上の温度を確保し維持するように制御される。予備加熱部5から供給された予熱空気が、反応器6において高温酸化処理される。本装置の検証過程において、上流側に加熱容量の大きな加熱体Ha,Hb・・が設けられる構成によって、加熱体の段数を低減することができるとともに、内部容量を縮小することができるとの知見を得た。具体的には、300℃以上の予熱空気が供給されることを条件として、最低2つの異なる加熱容量の加熱体Ha,Hbを設けることによって約400以上の高温状態で酸化滅菌処理を含む空気精製処理を行うことができることが確認された。例えば、300℃以上の予熱された処理空気が反応器6内における面流速0.5m/secで導入された場合、初段の加熱体Haを6kWhrとし後段の加熱体Hbを4kWhrとすることによって、反応器6内において400以上で空気精製処理が行われ、反応器供出部6aから400以上の高温空気が供出されることが確認された。こうした最小段数の加熱体Ha,Hb・・を有する反応器6を構成することによって、反応器6のコンパクト化を図ることができるとともに、操作室1と一体化された本装置のコンパクト化および高温部を有する装置の施設内への設置条件の緩和を図ることができる。
加熱体Ha,Hb・・は、メッシュ状または網目状の加熱素子からなる構成、または/および加熱素子が内壁に密着して設けられた複数の細孔を有する構成が挙げられる。こうした構成によって、被加熱空気を効率的に分散することができるとともに、均等な流れを形成することができ、400℃以上の高温に加熱することが可能となり、かつ長期的に安定な加熱が可能となった。また、被加熱空気との接触時間が長く、均一な流通を形成することが可能となった。さらに、こうした構成は、高温加熱に伴い発生する熱歪による加熱体Ha,Hb・・の変形を防止し、高熱破壊を回避することが可能となった。具体的には、ニクロム等からなる抵抗式加熱素子をメッシュ状に成形し、周端部を反応器6の内壁に接触させたタイプ,網目状に形成された平面状の抵抗式加熱素子を巻回し、周回部を反応器6の内壁に接触させたタイプ,あるいは板状体に多数の細孔を設け、線状の加熱素子を細孔の内壁に密着して設けられたタイプを用いることができる。
また、反応器6の内部に加熱体Ha,Hb・・が反応空間部(図示せず)を介在させて複数段に配設された構成によって、反応器6の内部において被加熱空気の均等な流れを形成することが可能となった。具体的には、分散素子として機能する加熱体Ha,Hb・・によって、被加熱空気は乱流状態を形成し、流れに垂直な方向に均等な熱分布を形成することができる。反応空間部では、こうした状態で受けて、層流に近い状態で下流の加熱体Ha,Hb・・に被加熱空気が送給される。こうした流れを複数段経由することによって、反応器6に導入された予熱空気は、均等に加熱され、均等な高温酸化処理を安定的に行うことができる。また、このとき、投入される電源を連続供給式とせずに、間欠供給式とすることによって供給エネルギーを大幅に低減することができる。
本装置は、反応器6において、無触媒条件で400℃以上に反応温度が設定される。例えば細菌等を含む空気を反応器6に導入し、そのときの細菌等の残存率と反応温度の関係を実証した結果、反応温度が約300℃を超えると急激に酸化反応が進み、約400℃において略0%近い残存率となることが判った。また、種々の有毒物質あるいは有害生物についても、同様の処理効果が得られることが判った。本装置では、こうした反応特性を有効に活かし、予備加熱を、反応が進行する温度に近い約300℃以上に設定し、反応器6における反応温度を約400℃以上に設定することが好ましい。予備加熱を約300℃以上とすることによって、反応器6における負荷を軽減するとともに、予備加熱部5において高温空気が有する温熱を効果的に吸収することができる。
予備加熱部5において冷却された低温空気は、さらに冷却部7に導入され、約20〜30℃の冷却空気が形成される。冷却部7には、低温空気と熱交換をする冷媒が導入される。冷媒としては、処理対象の空気が多量の場合には、熱容量の大きい例えば常温の市水や工場用水等を用いることができる。また、チラー等熱媒体用冷却機を用いて例えば5〜20℃に冷却された市水や工場用水等あるいはブライン水を用いることができる。
〔本装置の他の構成例〕
本装置の第2構成例を、図3に示す。基本的な構成は、第1構成例と同様であるが、空気精製処理部からの精製空気供出流路L8が吸気部2に繋がる吸気流路L2と接続されるとともに、精製空気の一部または全量が清浄空気として操作室1に供給され、精製空気の供給流量に応じて吸気流路L2から吸気される精製空気の吸気量が制御されることを特徴とする。本装置は、空気精製処理部が操作室1と近接し、一体化されたドラフトチャンバーを構成することができるため、空気精製処理部からの精製空気をそのまま操作室の清浄空気として利用することが可能である。本装置内に空気の還流系を形成することによって、外部からの清浄空気の供給を低減または不要とすることができる。特に、上記のように操作室1は通常減圧条件とされることから、空気精製処理部おいて精製処理される処理空気は、操作室の操作に利用される清浄空気以外に操作室の外部から流入する屋内空気が混ざったものであり、精製処理される処理空気量は、操作室1において必要とされる清浄空気量を超えることから、外部からの清浄空気の供給は必要とされない。過剰の精製空気は、バルブV4を介して処理空気の一部として処理空気移送部4に供送されることも可能であるとともに、別途清浄空気として、本装置以外に供給されることによって、より有効利用することができる。
本装置の第3構成例を、図4に示す。空気精製処理部の基本的な構成は、第1構成例と同様であるが、2以上の操作室1a,1b,1c・・と、各操作室1a,1b,1c・・に繋がる1または2以上の吸気部(図示せず)および2以上の排気部3a,3b,3c・・と、操作室1a,1b,1c・・または排気部3a,3b,3c・・の圧力および/または流量を検出する1または2以上の測定部S3a,S3b,S3c・・と、が備えられるとともに、検出された圧力および/または流量に応じて、排気部3a,3b,3c・・または/および処理空気移送部4に設けられた各操作室1a,1b,1c・・からの処理空気の切換え操作を担う1または2以上の切換弁V3a,V3b,V3c・・、および処理空気移送部4に設けられた処理空気の移送流量の調整を担うブロアB4の作動が制御されることを特徴とする。排気部3a,3b,3c・・から排出される各処理空気の圧力および/または流量に対応して、1または2以上の切換弁の切換え操作を行うとともに、ブロアB4を作動し処理空気の排出流量に対応した適正流量を予備加熱部5および反応器6に供給するように制御される。
このとき、排気部3a,3b,3c・・からの処理空気の圧力および/または流量は、各々異なることから、処理空気移送部4に吸引される処理空気の移送流量は、排気流路L3a,L3b,L3c・・に設けられた測定部S3a,S3b,S3c・・によって検出された圧力および/または流量に対応して、切換弁V3a,V3b,V3c・・の開閉を制動するとともに、バルブV4からの外気または清浄空気の吸引流量が調整される。こうした構成によって、複数の操作室1a,1b,1c・・からの処理空気を、同時並行的に加熱滅菌処理することができる。なお、ここでいう「同時並行的処理」とは、必ずしも複数の操作室全てから処理空気が排出される場合だけではなく、所定時間複数の操作室1a,1b,1c・・のうちの1または2以上の操作室から処理空気が排出され、その後別の複数の操作室から処理空気が排出され、順次1または2以上の操作室から処理空気が排出され場合が含まれる。また、予備加熱部5に導入される処理空気の移送流量は、基本的には、切換弁V3a,V3b,V3c・・を介して処理空気移送部4に供送される処理空気の流量と略同量であるが、各操作室1a,1b,1c・・から排気される処理空気量が異なる場合には、反応器6を含む空気精製処理部の安定性を維持するためにバルブV4の開度を調整し、処理空気の移送流量を一定とすることも可能である。この場合、バルブV4から処理空気を排出することなくバルブV4から外気または清浄空気が導入される。ここでいう清浄空気には、上記のように、空気精製処理部から供出される精製空気の一部を用いることが可能である。
1 操作室
2 吸気部
2a フィルタ
3 排気部
4 処理空気供給部
5 予備加熱部
5a 熱交換手段
6 反応器
6a 反応器供出部
7 冷却部
8 フィルタ(消音機)
B3,B4 ブロア
Ha,Hb 加熱体
L2〜L8 流路
Sa,Sb,S3 測定部
V3〜V8 バルブ

Claims (4)

  1. 負圧条件下で実験・研究に係る操作が可能な操作室と、該操作室に清浄空気を取り込む吸気部と、前記操作室の上部に設けられ、操作室からの処理空気を加圧または負圧条件下で排出させる排気部と、を備えるとともに、
    該排気部から排出された処理空気の移送を担う処理空気移送部と、内部に熱交換手段を有し、前記処理空気供給部から供給された処理空気が予備加熱処理される予備加熱部と、内部に上流から下流方向に複数段の加熱体が配設され、前記予備加熱部から供給された空気が高温酸化処理される反応器と、高温酸化処理された空気が供出される該反応器の供出部と前記熱交換手段を接続する高温空気流路と、該高温空気流路から供出された空気を冷却する冷却部と、を有する空気精製処理部と、を備え、
    前記処理空気が、前記予備加熱部において300℃以上に予備加熱され、前記複数段の加熱体につき上流側に加熱容量の大きな加熱体が設けられた前記反応器において無触媒条件で400℃以上に加熱されることによって、滅菌処理および精製処理が行われ、精製空気として供出されることを特徴とする空気精製処理機能を有するドラフトチャンバー。
  2. 2以上の操作室と、各操作室に繋がる1または2以上の吸気部および2以上の排気部と、前記操作室または排気部の圧力および/または流量を検出する1または2以上の測定部と、が備えられるとともに、検出された圧力および/または流量に応じて、前記排気部または/および処理空気移送部に設けられた各操作室からの処理空気の切換え操作を担う1または2以上の切換弁、および前記処理空気移送部に設けられた処理空気の移送流量の調整を担うブロアの作動が制御されることを特徴とする請求項1記載の空気精製処理機能を有するドラフトチャンバー。
  3. 前記空気精製処理部からの精製空気供出流路が前記吸気部に繋がる吸気流路と接続されるとともに、前記精製空気の一部または全量が清浄空気として前記操作室に供給され、清浄空気の供給流量に応じて前記吸気流路から吸気される精製空気の吸気量が制御されることを特徴とする請求項1または2記載の空気精製処理機能を有するドラフトチャンバー。
  4. 前記空気精製処理部において、前記反応器の内部流路が前記熱交換手段の上部に配設され、前記冷却器の内部流路が前記熱交換手段の下部に配設されるとともに、該冷却部において冷却された空気を精製処理するフィルタが前記冷却器に近接して配設され、前記予備加熱部の内部流路に前記高温空気流路から供出された高温の空気が流通され、その外周流路に前記処理空気供給部から供給された前記処理空気が流通され、さらに、外周流路に冷却用冷媒が流通される前記冷却器の内部流路に前記予備加熱部から供出された低温の空気が流通され、前記冷却部から供出された空気が前記フィルタに供給され、該空気中の残渣や灰分が除去され、所定温度の精製空気が供出されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気精製処理機能を有するドラフトチャンバー。
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