JP3210236U - 板海苔包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】結露による水分に対しても充分な防湿機能を有するフィルムによって海苔を吸湿から防止でき、特に0〜10℃程度の低温領域の売り場でも板海苔を良質な状態で長期間保って販売可能な板海苔包装体を提供する。【解決手段】板海苔1を、水蒸気透過率0.1g/m2・day以下の高防湿性フィルム2で密封状態に包装した板海苔包装体Aとする。板海苔包装体Aの包装に用いる高防湿性フィルム2は、二酸化ケイ素蒸着の透明蒸着フィルムの表面に、透明でありかつ無延伸のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを重ね、裏面には同じく透明でありかつ無延伸のポリプロピレン樹脂フィルムを重ねて全層を接着により積層一体化したものとする。【選択図】図1
Description
この考案は、防湿性のフィルムで食品の板海苔を包装した板海苔包装体に関する。
一般に、わが国では身近な水産物である紅藻、緑藻、藍藻などの食用藻類を原料とし、漉いて紙状に乾燥させた板海苔を食品として利用することが多い。
このような板海苔は、乾燥状態を保って流通および消費する必要があることから、防湿性のフィルムで包装された状態で流通し、販売がなされている。
海苔製品は、量販店等の乾物売り場では常温で販売されているのが一般的であるが、購入者の海苔を利用した料理メニューの多くは、刺身、いくら等の海鮮具材を使用する事が多く、それらが販売されている0〜10℃程度の低温環境の売り場等でも板海苔を販売することができれば、消費者の利便性が向上する。
従来の板海苔を包装した板海苔包装体は、フィルムの透明性を保ち、また風味や食感を維持できる乾燥状態が保たれるように、水蒸気透過率(透湿度)は1g/m2・day程度まで許容されると考えられていた(特許文献1)。
また、図4に示すように、水蒸気透過率(透湿度)を0にすることが可能な高防湿性フィルムとして、アルミニウム箔等の金属箔9に、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム10やポリエチレン樹脂フィルム11等の樹脂フィルムに重ねて一体化した積層フィルムが知られている。
しかしながら、アルミ箔等の金属箔を重ねて設けた積層フィルムは、透明性がなく、包装した海苔の色や艶を消費者が確認することはできず、安心して商品を選ぶことが困難になる。
また、透明性を確保するために、水蒸気透過率(透湿度)は1g/m2・day程度まで許容した防湿性フィルムを採用した従来の板海苔包装体では、これを低温領域の鮮魚売り場等で販売すると、0〜10℃程度の販売環境温度にある板海苔包装体を、急激に夏季の室内外の温度(例えば25〜30℃程度)に曝すことになる場合があり、その場合に板海苔包装体の表面に結露が起こりやすく、包装体の内部にも僅かに浸透する水分が増えるから、そのような結露が複数回起こる場合には商品である板海苔の乾燥状態や風味に悪影響を与えるという問題が生じてしまう。
そこで、この考案の課題は、上記した問題点を解決し、板海苔を包装した板海苔包装体に、結露による水分に対しても充分な防湿機能を有するフィルムによって海苔を吸湿から防止できる板海苔包装体とし、特に0〜10℃程度の低温領域の売り場でも板海苔を良質な状態で長期間保って販売可能な板海苔包装体にすることである。
上記の課題を解決するために、この考案においては、板海苔を、水蒸気透過率0.1g/m2・day以下の高防湿性フィルムで密封状態に包装した板海苔包装体としたのである。
上記したように構成されるこの考案の板海苔包装体は、水蒸気透過率が所定値以下の高防湿性フィルムで密封状態に包装したことにより、0〜10℃程度の低温領域の環境に置いておくとき、その後に、例えば25〜30℃程度の比較的高温の室温下に移動させたり、そのような高温の空気が前記低温領域に流入し、包装体表面に結露が生じても包装体内の商品に水が触れないようにして板海苔を乾燥した状態で収容しておくことができる。
そのため、0℃〜10℃程度の低温領域の売り場でも板海苔を良質な状態に長期間保って販売することができるようになる。
そのため、0℃〜10℃程度の低温領域の売り場でも板海苔を良質な状態に長期間保って販売することができるようになる。
また、そのような作用効果を充分に奏するように、前記高防湿性フィルムが、透明蒸着フィルムの表裏両面に、ポリエチレンテレフタレートまたはポリプロピレンなどの透明性無延伸樹脂フィルムを重ねて一体化された積層フィルムである上記の板海苔包装体とすることが好ましい。
上記構成の積層フィルムとすることにより、防湿性の高い透明蒸着フィルムの特性が、ポリエチレンテレフタレートまたはポリプロピレンなどの無延伸樹脂フィルムによって保持され、しかも透明性と共に包装に必要な強度が得られる。
この考案の板海苔包装体は、板海苔を、水蒸気透過率0.1g/m2・day以下の高防湿性フィルムで密封状態に包装したものであるから、0℃〜10℃程度の低温領域の環境に置いておき、例えば25〜30℃程度の比較的高温の室温下に移動させたり、そのような高温の空気に入れ替えても包装体内への水蒸気の侵入を防ぐことができ、これにより0℃〜10℃程度の低温領域の売り場でも板海苔を良質な状態に長期間保って販売できるという利点がある。
この考案の実施形態を以下に添付図面に基づいて説明する。
図1〜3に示すように、実施形態は、板海苔1を、水蒸気透過率0.1g/m2・day以下の高防湿性フィルム2で密封状態に包装した板海苔包装体Aである。
図1〜3に示すように、実施形態は、板海苔1を、水蒸気透過率0.1g/m2・day以下の高防湿性フィルム2で密封状態に包装した板海苔包装体Aである。
図3に示すように、板海苔包装体Aの包装に用いる高防湿性フィルム2は、二酸化ケイ素などの金属酸化物を蒸着した透明蒸着フィルム3の表面に、透明性無延伸樹脂フィルムの一例であるポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム4を重ね、裏面には同じく透明性無延伸樹脂フィルムの一例としてポリプロピレン樹脂フィルム5を重ねて全層を接着により積層一体化したものである。
上記のように包装される板海苔は、食用藻類から乾燥した板状に加工されたものであればよく、例えばアマノリ属に属するアサクサノリ、スサビノリ、ウップルイノリ、緑藻類のアオサやアオノリ、カワノリなどを原料藻類とするものが挙げられる。
また、包装の対象の板海苔は、特にその大きさや重ねる枚数を制限することなく、需要者の要望にあわせて商品としての形態を整えたものであり、例えば全型(縦約21cm×横約19cm)を縦横にどのように分割してもよく、また任意の枚数を重ねて流通、販売や消費に便利な商品形態であってよい。
高防湿フィルムの積層構造は、少なくとも透明性の樹脂フィルムからなる基材層6に金属酸化物の蒸着層7が重ねて形成された透明蒸着フィルム3を構成層の一層として含むものであればよい。
金属酸化物の蒸着は、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの金属酸化物を真空で気化させて樹脂フィルムの表面に付着させることにより行われ、周知の物理蒸着(PVD)法、または化学蒸着(CVD)法によって、所要の耐熱性を備えた樹脂フィルムに蒸着することができる。
金属酸化物は、透明性のよい酸化ケイ素や酸化アルミニウムばかりでなく、スズやチタンその他の商品の包装にも使用可能な周知の金属酸化物を選択的に採用可能であり、これらは単体で用いるだけではなく2種以上の複合物であってもよい。また、酸化ケイ素を用いる場合については、二酸化ケイ素だけでなく、一酸化ケイ素の単体またはこれらの複合物であってもよい。
すなわち、この考案に用いる透明蒸着フィルムは、一酸化ケイ素蒸着フィルム、二酸化ケイ素蒸着フィルムまたは一酸化ケイ素と二酸化ケイ素の混在するケイ素酸化物蒸着フィルムであってもよい。また、この考案に用いる透明蒸着フィルムは、酸化アルミニウム蒸着フィルムであってもよく、さらには酸化アルミニウムとケイ素酸化物の複合した金属酸化物蒸着フィルムであってもよく、その他にも周知の金属酸化物を選択的に蒸着層の形成材料に採用した透明蒸着フィルムであってもよい。
水蒸気バリア性の高い二酸化ケイ素の蒸着層は、樹脂フィルムの表面にあまり密度を高めて形成すると、蒸着層によって樹脂フィルム全体が硬くなる場合があるので、比較的柔らかい酸化アルミニウムを混ぜた二成分による二元透明蒸着層を形成してもよい。このような蒸着フィルムは、例えば東洋紡績社製の透明蒸着フィルムなど、周知の市販のものを採用することもできる。
この考案に用いる透明蒸着フィルムの透湿度は、0.1g/m2・day以下であり、好ましくは0.07g/m2・day以下、より好ましくは0.03g/m2・day以下である。
そして、上記のような透明蒸着フィルム3の表裏両面には、ポリエチレンテレフタレートまたはポリプロピレンなどの比較的防湿性の高い透明性無延伸樹脂フィルムを重ねて一体化する。
無延伸樹脂フィルムを採用すれば、延伸した樹脂フィルムに比べて引張強度などの機械的強度は、ある程度低くなるが、防湿性については向上する。強度、軟質性、防湿性にも優れた樹脂から選択されるポリエチレンテレフタレートまたはポリプロピレンからなる透明性無延伸樹脂フィルムを、表面または裏面に接着剤を介してラミネートして一体化された積層フィルムとすることが好ましい。
[実施例1]
図3に示すように、基材層6に二酸化ケイ素の蒸着層7を形成した厚さ12μmの透明蒸着フィルム3の表面に、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム4を接着剤を介して重ね、さらに透明蒸着フィルム3の裏面に、厚さ50μmの無延伸ポリプロピレン樹脂フィルム5を重ねて、全層を加熱加圧状態で一体化して高防湿性フィルム2を形成した。
得られた高防湿性フィルムの透湿度を測定したところ、0.03g/m2・dayであり、酸素透過度は、64.1cc/m2・dayであった。
図3に示すように、基材層6に二酸化ケイ素の蒸着層7を形成した厚さ12μmの透明蒸着フィルム3の表面に、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム4を接着剤を介して重ね、さらに透明蒸着フィルム3の裏面に、厚さ50μmの無延伸ポリプロピレン樹脂フィルム5を重ねて、全層を加熱加圧状態で一体化して高防湿性フィルム2を形成した。
得られた高防湿性フィルムの透湿度を測定したところ、0.03g/m2・dayであり、酸素透過度は、64.1cc/m2・dayであった。
次に、別途設けた透明樹脂製のトレー8に収容された板海苔(焼海苔)1の2切14枚を上記の高防湿性フィルム2で包み、四辺をヒートシールして板海苔包装体Aを製造した。
得られた板海苔包装体を、0℃〜10℃程度の低温領域の環境に置き、その後、板海苔包装体の表面が結露するように30℃の高温の室温下に10回以上曝し、その後は、通常の室温下で保存したところ、板海苔の乾燥状態が保たれており、賞味期間は、9か月間確保できることを確認した。
得られた板海苔包装体を、0℃〜10℃程度の低温領域の環境に置き、その後、板海苔包装体の表面が結露するように30℃の高温の室温下に10回以上曝し、その後は、通常の室温下で保存したところ、板海苔の乾燥状態が保たれており、賞味期間は、9か月間確保できることを確認した。
1 板海苔
2 高防湿性フィルム
3 透明蒸着フィルム
4、10 ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム
5 ポリプロピレン樹脂フィルム
6 基材層
7 蒸着層
8 トレー
9 金属箔
11 ポリエチレン樹脂フィルム
A 板海苔包装体
2 高防湿性フィルム
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5 ポリプロピレン樹脂フィルム
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11 ポリエチレン樹脂フィルム
A 板海苔包装体
Claims (2)
- 板海苔を、水蒸気透過率0.1g/m2・day以下の高防湿性フィルムで密封状態に包装した板海苔包装体。
- 前記高防湿性フィルムが、透明蒸着フィルムの表裏両面に、透明性無延伸樹脂フィルムを重ねて一体化された積層フィルムである請求項1に記載の板海苔包装体。
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JP2017000704U Active JP3210236U (ja) | 2017-02-20 | 2017-02-20 | 板海苔包装体 |
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