JP3209909B2 - バースト光信号受信機 - Google Patents

バースト光信号受信機

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JP3209909B2
JP3209909B2 JP01389796A JP1389796A JP3209909B2 JP 3209909 B2 JP3209909 B2 JP 3209909B2 JP 01389796 A JP01389796 A JP 01389796A JP 1389796 A JP1389796 A JP 1389796A JP 3209909 B2 JP3209909 B2 JP 3209909B2
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覚司 井上
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B10/00Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
    • H04B10/60Receivers
    • H04B10/66Non-coherent receivers, e.g. using direct detection
    • H04B10/69Electrical arrangements in the receiver
    • H04B10/695Arrangements for optimizing the decision element in the receiver, e.g. by using automatic threshold control

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  • Signal Processing (AREA)
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  • Dc Digital Transmission (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バースト光信号の
受信機に関する。特に、複数の加入者からバースト状に
発生する光信号を誤りなく受信するバースト光信号受信
機に関する。
【0002】
【従来の技術】図14は、本発明の対象とする光受信機
の位置づけを説明する図である。一例として、一の局1
00にスターカプラ3を通して、複数の光ネットワーク
網加入者ユニット(以下、単に加入者という)ONU#
1〜#Nが接続され、双方向伝送を行うシステムが示さ
れる。図ではスターカプラ3が1つであるが、複数のス
ターカプラを縦続し、それぞれに複数の加入者が接続さ
れる構成も可能である。
【0003】一の局100は、更にバースト光信号対応
の本発明の対象とする光受信機1と、この光受信機1に
より受信された光信号を電気信号に変換して得られるデ
ジタル信号に対するデジタル処理を行う回路2、例えば
多重化されたデジタル信号を加入者対応に分配する回路
等を有して構成される。
【0004】ここで、複数の加入者ONU#1〜#Nか
ら光受信機1に向けられる、上り(局側)のバースト伝
送のタイムチャートの一例を図15のタイムチャートに
より説明する。
【0005】図15において、A、Bは、それぞれ加入
者ONU#1及び加入者ONU#Nからのバースト光信
号である。加入者ONU#1からのバースト光信号はバ
ーストデータセル位置aとcに、加入者ONU#Nから
のバースト光信号はバーストデータセル位置bに発生し
ている。
【0006】したがって、バースト対応の光受信機1に
は、スターカプラ3を通して送られる加入者ONU#1
及び加入者ONU#Nからのバースト光信号が発生順
に、図15Cに示されるように入力される。ここで、加
入者ONU#1からのバースト光信号Aの受信レベル
は、加入者ONU#Nからのバースト光信号の受信レベ
ルに比して小さい。
【0007】このように、加入者毎のバースト光信号の
受信レベルに差が生じるのは、光伝送路の距離長に基づ
く伝送路損失が加入者毎に異なるためである。また、ス
ターカプラの分岐比が接続形態に応じて異なるためであ
る。これらに起因して加入者毎のバースト光信号の受信
レベルに差が生じる。
【0008】光受信機1は、図15Cに示すような受信
レベルの異なる光信号を、ディジタル処理部2に受け渡
すために、図15Dに示すような二値のロジック信号に
変換する必要がある。
【0009】図16は、従来のバースト信号対応の光受
信機1の構成例である。図16において、10は受光素
子としてのフォトダイオードである。フォトダイオード
10で受光された受信光信号は、電気信号に変換され、
更にプリアンプ11により増幅されて自動閾値制御機能
を有する識別回路12に入力される。識別回路12にお
いての閾値を越える信号レベルの時、“1”、閾値以下
の時“0”を出力する。
【0010】識別回路12の出力は、更にバッファ増幅
器13を通して識別データとして出力される。
【0011】図16において、更にCPは、ピーク保持
コンデンサであり、光バースト信号のピーク値をホール
ドし、このホールドされたピーク値に対応して光バース
ト信号の識別レベルである閾値が識別回路12において
自動制御される。ピーク保持コンデンサCPにホールド
されたピーク値は、バースト信号の終了時にリセット回
路14により放電リセットされる。
【0012】ここで識別回路12は、一例として図17
のように構成される。即ち、ピーク保持コンデンサCP
を一部の構成素子として含むピーク検出回路120、リ
ミッタ増幅器123、演算増幅器125及び積分回路
(積分抵抗126と積分コンデンサ127を有する)を
含む直流帰還回路124、レベル1/2回路128を有
する。尚、入力データは、バーストセル内でマーク率1
/2を前提としている。
【0013】かかる自動閾値制御機能を有する識別回路
12の動作を図18の動作タイムチャートを参照して説
明する。ピーク検出回路120は、増幅器121と整流
ダイオード122を含み、入力データのピーク値と充電
電圧が一致するまでピーク保持コンデンサCPに充電す
る。
【0014】一方、直流帰還回路124は、直流DCレ
ベルを一定に制御する回路である。直流帰還回路124
において、リミッタ増幅器123からのデータ出力の正
論理と負論理の値を入力し、その差を演算増幅器125
より出力する。演算増幅器125よりの出力は更に、抵
抗RDC126及びコンデンサCDC127の積分回路
により平均化される。したがって、積分回路の出力は、
直流DCレベル(図18Aのd参照)となる。
【0015】先に説明したように、入力データをバース
トセル内でマーク率1/2であると前提しているので、
レベル1/2回路128は、ピーク保持コンデンサCP
により検出される入力データのピーク値(図18Aのb
参照)と直流帰還回路124の出力との差の1/2の大
きさの値を出力する(図18Aのc参照)。
【0016】レベル1/2回路128からの出力は、リ
ミッタ増幅器123の一の入力端に閾値として入力され
る。リミッタ増幅器123において、他の入力端にバー
ストデータ(図18Aのa参照)が入力され、このバー
ストデータのレベルを一の入力端に入力される閾値によ
り識別する。
【0017】即ち、バーストデータのレベルが閾値を越
える時、正論理出力Oに“1”、負論理出力/Oに
“0”を出力する。バーストデータのレベルが閾値以下
の時は、これと反対関係にある出力となる。
【0018】更に、図18Bに示すリセット信号RS
は、図17においてピーク保持コンデンサCPの充電電
荷を次のバーストセルのタイミングの前に放電するため
に与えられる。
【0019】しかしながら、上記のごとき従来のバース
ト信号光受信機の構成においては、次のような問題が生
じていた。
【0020】ピーク検出回路120について、次の点が
問題となる。
【0021】第一に、数mV〜数百mVの広入力ダイナミッ
クレンジに渡り、ピーク検出動作を高速高精度で行い
(広帯域、高利得)、発振しないこと(位相余裕の確
保)の二つの要求を両立する回路構成を得ることが困難
である。
【0022】第二に、入力バーストデータが無い状態で
は雑音に対してピーク検出が行われる。これにより、リ
ミッタ増幅器123の入力部において、雑音のピークレ
ベルに対し、閾値が低いレベルに設定されるために、出
力は雑音を増幅した形で現れる。
【0023】即ち、図19Aにおいて、ノイズを含むデ
ータが図19Aのaのように変化すると、ピーク検出回
路120は、ノイズのピーク値を保持する(図19Aの
b参照)。したがって、図19Bに示すように、リミッ
タ増幅器123は、閾値(図19Aのc参照)を越える
雑音レベルを識別増幅して出力することになる。
【0024】また、直流帰還回路124において、入力
データが無い場合、ピークレベル=DC(ボトム)レベ
ルが閾値レベルとなり、出力は不定、又は不安定なノイ
ズが発生する問題がある。
【0025】即ち、図20Aに入力データが無い場合、
ピークレベル=DC(ボトム)レベルとなる様子を示
す。図20Bは、リセット信号のタイミングである。図
20Cに出力が不定となる様子が示される。
【0026】次に図21は、直流DCレベルのずれによ
る問題を説明する図である。図21Bは、入力データで
あり、図21Aは、図21Bの一部拡大図である。図2
1Aに示すように、入力データのデューティ比が劣化し
ている場合、図17の直流帰還回路124の動作説明か
ら理解出来るように、DC(ボトム)レベルはデータの
ボトムレベルに対し、ずれを生じる(図21C参照)。
図21Cの例では、DC(ボトム)レベルが下がり過
ぎ、データのボトムレベルと一致していない。
【0027】この結果、大信号データセルの直後に小信
号データセルが入力された場合(図図21C参照)、図
21Eに示すように、小信号のレベルが識別出来ないと
いう問題が生じる。
【0028】更に、上記第一の問題としたと同様に、ピ
ーク保持コンデンサCPのピーク検出レベルに対応する
充電電荷をリセットする回路の構成が困難である。ま
た、入力データがある状態でリセットをかけると、ピー
ク保持用コンデンサCPに電荷を充電する動作と放電す
る動作が同時に起こるため、不安定となる問題がある。
【0029】図22は、かかる問題を説明する図であ
る。今、図22Aのように、入力データがあり、リセッ
ト信号RSが図22Bのように入力データの期間中に生
じると、図22Bのように増幅器121を含むピーク検
出系とリセット回路14を含む放電系が短絡回路とな
り、過大電流が流れることになる。このためにピーク保
持コンデンサCPのピーク検出レベルの値が不安定にな
ると言う問題が生じる。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
第一の目的は、発振することなしに、ピーク検出動作を
高速高精度で行い得るバースト光信号受信機を提供する
ことにある。
【0031】本発明の更なる目的は、雑音のピークレベ
ルに対し、閾値が低いレベルに設定され、出力は雑音を
増幅した形で現れるという問題を解決するバースト光信
号受信機を提供することにある。
【0032】また本発明の目的は、直流帰還回路124
において、入力データが無い場合、ピークレベル=DC
(ボトム)レベルが閾値レベルとなり、出力が不定、又
は不安定なノイズが発生する問題を解決するバースト光
信号受信機を提供することにある。
【0033】更に本発明の目的は、入力データのデュー
ティ比が劣化している場合、DC(ボトム)レベルとデ
ータのボトムレベルとの不一致により大信号データセル
の直後に小信号データセルが識別出来ないという問題を
解決するバースト光信号受信機を提供することにある。
【0034】更にまた、本発明の目的は、ピーク保持コ
ンデンサCPのピーク検出レベルに対応する充電電荷を
リセットする回路の構成が困難であるとともに、入力デ
ータがある状態でリセットをかけると、ピーク保持用コ
ンデンサCPに電荷を充電する動作と放電する動作が同
時に起こるため、ピーク検出が不安定となる問題を解決
するバースト光信号受信機を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の請求項1に記載のバースト光信号受信機は、入力光
信号の入力レベルを所定の閾値と比較して識別する識別
回路と、入力光信号のピーク値を検出し、保持するピー
ク検出回路と、識別回路の出力の直流レベルを求める直
流帰還回路と、直流帰還回路からの直流レベルと該ピー
ク検出回路により保持されるピーク値から該識別回路に
該所定の閾値を生成して供給する回路とを有し、ピーク
検出回路は、利得と動作ダイナミックレンジの異なる複
数のピーク検出部を有し、入力光信号の入力レベルに応
じて該複数のピーク検出部を動作させる。
【0036】請求項2に記載のバースト光信号受信機
は、請求項1において、前記ピーク検出回路は、大信号
用増幅器を有する第一のピーク検出部と、小信号用増幅
器を有する第二のピーク検出部と、第一のピーク検出部
と第二のピーク検出部の出力を加算する回路と、加算す
る回路の出力を充電するピーク保持用コンデンサと、大
信号用増幅器の入力側に接続されるオフセット回路を有
し、前記入力光信号を直接該小信号用増幅器に入力し、
該オフセット回路を通して該大信号用増幅器に入力す
る。
【0037】請求項3に記載のバースト光信号受信機
は、請求項2において、前記オフセット回路は、前記大
信号用増幅器に直列に接続される抵抗で構成される。
【0038】請求項4に記載のバースト光信号受信機
は、請求項1において、前記直流帰還回路の入力側に、
前記識別回路の出力に強制的にオフセットを与える回路
を有する。
【0039】請求項5に記載のバースト光信号受信機
は、請求項4において、前記直流帰還回路は、前記識別
回路の正論理出力と負論理出力を加算する直流増幅器を
有し、前記強制的にオフセットを与える回路は、電流加
算回路を有し、電流加算回路により直流増幅器の入力に
該オフセットを電流加算する。
【0040】請求項6に記載のバースト光信号受信機
は、請求項1において、前記所定の閾値を生成して供給
する回路は、前記ピーク保持用コンデンサのピーク値と
前記直流帰還回路の出力との1/2のレベルを生成して
所定の閾値とする。
【0041】請求項7に記載のバースト光信号受信機
は、請求項1において、前記直流帰還回路は、前記識別
回路の正論理出力と負論理出力を加算する直流増幅器
と、直流増幅器の出力側に接続されるアナログスイッチ
回路と、アナログスイッチ回路の出力を積分する積分回
路を有し、アナログスイッチ回路を入力データの期間中
開放とし、前記直流レベルを保持する。
【0042】請求項8に記載のバースト光信号受信機
は、請求項7において、前記アナログスイッチ回路を差
動化構成とすることでコモンモードをキャンセルする。
【0043】請求項9に記載のバースト光信号受信機
は、請求項1において、前記ピーク検出回路は、ピーク
保持用コンデンサと、ピーク保持用コンデンサの充電電
荷を放電するリセット回路を有し、更に、リセット回路
は、ピーク保持用コンデンサの充電電荷を放電する第一
のトランジスタを有するリセット部と、リセット部に並
列に、抵抗と第二のトランジスタで構成される電流経路
を有するリセットオフ部を有し、充電電荷の放電が進む
と、リセットオフ部により第一のトランジスタをオフ状
態にして、リセット動作を停止する。
【0044】請求項10に記載のバースト光信号受信機
は、請求項1において、前記ピーク検出回路は、リセッ
ト信号と入力データの反転の論理のNOR回路を有し、
リセット信号の入力時に、ピーク検出動作を停止させ
る。
【0045】
【発明の実施の形態】以下図面にしたがい本発明の実施
の形態を説明する。尚、図において、同一または類似の
ものには、同一の参照番号または記号を付して説明す
る。
【0046】図1は、上記従来例のバースト光信号受信
機におけるピーク検出回路120の問題を解決した、本
発明にしたがうピーク検出回路の実施の形態を示す回路
図である。図1は、ピーク検出回路120の他、リセッ
ト回路14を示している。
【0047】図1において、ピーク検出回路120は、
ピーク検出部200と演算増幅部OP1、比較増幅器A
MP4を有している。ピーク検出部200は、大信号用
増幅器AMP1、小信号用増幅器APM2、トランジス
タTR1、TR2、抵抗R1、R2及びピーク保持用コ
ンデンサCPを有して構成される。
【0048】増幅器AMP4は、ピーク保持用コンデン
サCPの電圧を基準値VREFと比較し、その差分の大
きさに対応する出力を演算増幅部OP1に帰還するもの
である。したがって、データが入力される演算増幅部O
P1は、データ入力が“1”である場合、データ入力と
増幅器AMP4から帰還される値が一致するまで正論理
Qを出力する。
【0049】この正論理Qが出力される間、後に説明す
るように、ピーク保持用コンデンサCPが充電され、デ
ータ入力に対応したピーク値が保持される。
【0050】図1において、増幅器AMP3とトランジ
スタTR3を有するリセット回路202とリセット信号
が入力されるバッファ増幅器BUFFを有する。リセッ
ト信号がバッファ増幅器BUFFに入力されると、増幅
器AMP3の出力によりトランジスタTR3がON状態
となりピーク保持用コンデンサCPが充電された電荷が
放電される。これによりピーク保持値がリセットされ
る。
【0051】図2は、図1における演算増幅部OP1と
オフセット回路201の関係を説明する詳細回路であ
る。図2において、演算増幅部OP1は、差動対トラン
ジスタQ1、Q2、これらのトランジスタQ1、Q2の
コレクタ抵抗R11、R12と共通エミッタと接地電位
間に接続される定電流源Io により構成される。更に、
演算増幅部OP1は、正論理及び負論理出力回路部とし
て出力側にトランジスタQ3、Q4を有している。
【0052】更に、図2において、図1のオフセット回
路201は、オフセット抵抗201で構成される。した
がって、正論理出力回路部であるトランジスタQ3の出
力は、小信号用増幅器AMP3の正入力に直接、大信号
用増幅器AMP2の正入力にオフセット抵抗201を通
して入力される。
【0053】また、負論理出力回路部であるトランジス
タQ4の出力は、大信号用増幅器AMP2及び小信号用
増幅器AMP3の負入力に共通に入力される。
【0054】このように構成される本発明にしたがうピ
ーク検出回路120は、大信号用と小信号用に2系統に
している。更に大信号用の系統において、ピーク検出部
200の大信号用増幅器AMP1の入力側にオフセット
回路201を備えている。これにより、小信号に対して
は、大信号用の系統が応答しないようにしている。この
結果高速応答特性と高精度検出を可能にしている。
【0055】即ち、図3及び図4は、それぞれ小信号入
力時、大信号入力時における図1のピーク検出回路12
0の応答特性を説明する図である。図3、図4におい
て、a(実線)は入力信号、b(破線)はピーク検出値
である。
【0056】今、図3を参照して小信号入力時を考え
る。小信号入力時は、小信号用増幅器AMP2は動作
し、その出力がトランジスタTR2、抵抗R2を通して
ピーク保持用コンデンサに充電される(図3A参照)。
【0057】一方、大信号用増幅器AMP1には、オフ
セット回路であるオフセット抵抗201を通して信号が
入力される。したがって、図3Bに示すように、大信号
用増幅器AMP1の+入力端子のレベルは、−入力端子
のレベル以下であり、大信号用増幅器AMP1は動作せ
ず、出力が現れない。
【0058】このように、小信号入力時には、図3Cに
示すように、小信号用増幅器AMP2のみが動作してピ
ーク値のみの検出が行われる。
【0059】更に、図4を参照して大信号の入力を考え
ると、小信号用増幅器AMP2からの出力は、図4Aに
示すように、従来のピーク検出回路におけると同様に、
応答速度が遅い。
【0060】本発明では、これを解消すべく、大信号用
増幅器AMP1を有している。即ち、大信号用増幅器A
MP1がピーク値よりオフセット抵抗201により生じ
るオフセット電圧分低い電圧まで高速に応答する(図4
B参照)。
【0061】更に、大信号用増幅器AMP1及び小信号
用増幅器AMP2の出力に接続されるトランジスタTR
1、TR2のエミッタ出力は、共通にピーク保持用コン
デンサCPに接続されている。したがって、ピーク保持
用コンデンサCPには、大信号用増幅器AMP1及び小
信号用増幅器AMP2の出力が加算されて充電される
(図4C参照)。これにより、広入力ダイナミックレン
ジに渡る入力に対し、高速、高精度のピーク検出保持が
可能となる。尚、上記図1の実施の形態では、小信号用
と大信号用の2系統の回路をピーク検出回路120に備
える例であるが、本発明はこれに限定されず、入力レベ
ルに応じて、更に複数の系統の回路を設けるように構成
することも可能である。
【0062】図5は、図17で示した従来装置の直流帰
還回路(DCFB)124の問題点である、入力データ
が無い場合に、ピークレベル=直流DC(ボトム)レベ
ル=閾値レベルの関係により、出力が不安定となること
を解消する本発明にしたがう実施の形態(その1)を説
明する図である。
【0063】図5は、図17の従来構成の関連する対応
部のみを抜き出し、簡略化して示している。したがっ
て、同一の参照番号は、図17の対応する部位を示して
いる。図5において特徴とする点は、強制オフセット加
算回路300を付加したことである。
【0064】強制オフセット加算回路300は、具体的
には、バッファ増幅器であり、その入力側にオフセット
設定電圧Voff を入力する。したがって、オフセット設
定電圧Voff がリミッタ増幅器123の出力に加算され
て直流帰還回路124に入力する。直流帰還回路124
はその入力端間の電圧が0V(DCボトムレベル)にな
るように動作する。即ち、加算されたオフセット電圧が
出力電圧において打ち消され、直流帰還回路124の演
算増幅器125の両端入力に差が無くなるように収束す
る。
【0065】このようなオフセット設定電圧Voff を加
算する効果を更に、図6において観察する。図6におい
て、aは入力データの応答であり、信号のある期間Iと
信号の無い期間IIを示している。bは入力データのピー
ク値であり、cは、1/2レベル回路128から出力さ
れる閾値である。
【0066】図6から理解できるように、オフセット設
定電圧Voff を加算することによりVoff 分、DCレベ
ルが上昇する。閾値は、DCレベルと入力データのピー
ク値bとの1/2に設定されるので、オフセット設定電
圧Voff を加算する前の閾値レベルより高く設定される
ことになる。
【0067】したがって、リミッタ増幅器123は、入
力データが無い場合に、安定して“L”レベルを出力す
ることが出来る。更に、入力データが無いIIの期間にお
いて、信号にノイズがのる場合にあってノイズレベルに
より誤識別してしまうという従来装置の問題も解消出来
る。
【0068】図7は、図5の実施の形態と同様に、入力
データが無い場合の問題を解消する実施の形態(その
2)であり、図5と同様に、図17の従来構成の関連す
る対応部のみを抜き出し、簡略化して示している。した
がって、同一の参照番号は、図17の対応する部位を示
している。尚、図7では、バッファ増幅器127を示し
ているが、これは積分回路(抵抗RDC、コンデンサC
DC)によるDCレベル保持の特性を向上するものであ
る。
【0069】図8は、かかる図7の回路の動作を説明す
るタイムチャートである。図8に示すように、データの
無い期間Cをシステム側で予め設定する。この期間内で
直流帰還ループの安定化を行うものである。構成として
は、図7に示すように、直流帰還回路124に直列にア
ナログスイッチ回路126を挿入する。
【0070】そして、予め設定されたデータの無い期間
Cにおいて、外部よりスイッチ制御信号を受け、スイッ
チ126を閉接して直流帰還ループを閉じる。この直流
帰還ループか閉じられている期間に、直流DC(ボト
ム)レベルをコンデンサCDCに保持する。これによ
り、ノイズに影響されないで“L”レベルを識別する識
別信号をリミッタ増幅器123に与えることが出来る。
【0071】図9は、図7のアナログスイッチ回路12
6の具体例である。図9の回路において、端子T1 には
増幅器125からの出力が入力され、端子T2 にはスイ
ッチ制御信号SWが入力される。
【0072】トランジスタQS1、QS2 からなるスイッ
チ制御部とトランジスタQS3、QS4からなるカレントミ
ラーによる定電流源と、この定電流源がエミッタ側に接
続されエミッタ・フォロワとして機能するトランジスタ
QS5 を有する。
【0073】かかる回路において、スイッチ制御信号S
Wが十分低い電圧であれば、スイッチ制御部のトランジ
スタQS1、QS2 はOFF状態となる。カレントミラー
による電流源でバイアスされた、エミッタ・フォロワと
して機能するトランジスタQS5は、端子T1 における増
幅器125からの信号入力をトランジスタQS5のVBE
け電圧降下し、出力信号として積分回路(抵抗RDC、
コンデンサCDCによる)に出力する。
【0074】次に、制御入力が高い電圧になると、トラ
ンジスタQS1、QS2がON状態となり、それぞれV1,
V2の電圧を引き下げる。V1の電圧が十分下がると、
トランジスタQS5はベース・エミッタが逆バイアス(エ
ミッタの電圧はコンデンサCDCで保持されている)に
なり、OFF状態となる。
【0075】V2の電圧が十分下がり、トランジスタQ
S3、QS4のVBEより小さくなると、トランジスタQS3、
QS4はOFF状態となり、電流源の電流も遮断される。
この結果として、信号出力端子はハイ・インピーダンス
状態になる。
【0076】図10は、図7のスイッチ回路126を別
の形態として即ち、スイッチ回路126を差動化した構
成例である。第一の差動対増幅器dif1を設け、それに対
応してスイッチSW1、SW2を設けた構成である。し
たがって、図7のコンデンサCDCは、二つのコンデン
サCDC1とCDC2に分割されている。
【0077】スイッチSW1、SW2は、上記の通りス
イッチ制御信号SWにより、閉接/開放制御される。第
二の差動対増幅器dif2は、図7のバッファ増幅器127
として機能する。
【0078】図の構成において、増幅器125の出力の
ピーク値を保持する状態(即ちシイッチSW1、SW2
が閉接状態)では、A点の電圧降下はコンデンサCDC
1の容量値と第二の差動対増幅器dif2のベース電流で決
まる。スイッチ部を差動構成にすると、A点とB点の電
位差だけが第二の差動対増幅器dif2を通して次段に伝達
される。このために、第二の差動対増幅器dif2のトラン
ジスタQd1とQd2のベース電流のバランスがよければコ
モンモードをキャンセルし、保持特性が改善される。
【0079】図11は、図1のバッファ増幅器BUFF
とリセット回路202に対応し、上記従来のリセット回
路14における問題を解消する実施の形態である。即
ち、安定にピーク検出レベルをリセットする回路の実現
が困難であることを解消するものである。
【0080】図11において、図1に対し、バッファ増
幅器BUFFとトランジスタTR3のベース間にレベル
シフト回路111、更にトランジスタQ11,Q12を
有するリセットオフ部112を有している。
【0081】かかる構成によって、ピーク保持用コンデ
ンサCPの充電電荷を、任意のレベルまで放電したらリ
セット動作が抑制される。即ち、リセット信号(RES
ET=”H”)が入力されると、トランジスタQ11の
ベースが”H”となり、トランジスタQ13がONす
る。このために、ピーク保持用コンデンサCPより電荷
が放電される。
【0082】放電が進みトランジスタQ12のエミッタ
がトランジスタQ12のベースよりもダイオードDの電
圧降下程度に下がるとトランジスタQ12はONとな
る。抵抗R10より電流を引き抜くためトランジスタQ
13のベースが下がり、オフとなって、リセット動作は
停止する。
【0083】図12、図13は更に、入力データがある
時にリセット動作を行うと、ピーク保持用コンデンサC
Pの放電と充電が同時に生じるという従来の問題を解決
する実施の形態である。
【0084】即ち、リセット信号が入力されたら、デー
タ信号系のピーク検出動作を停止し、リセット動作を行
う構成とするものである。図12は、理解を容易とする
ために、図1のピーク検出回路を簡略して示している。
図12において、増幅器120は、図1における大信号
用増幅器AMP1,小信号用増幅器AMP2を示してい
る。更に、ダイオード121は、図1におけるトランジ
スタTR1,TR2を示している。
【0085】更に、図12は、図1の演算増幅器OP1
をトランジスタQ20〜Q25で構成している。トランジス
タQ20とQ21、トランジスタQ20とQ23はエミッタが共
通接続され、OR論理が取られるように構成されてい
る。
【0086】したがって、データ入力のピーク検出値を
保持する時は、差動対増幅器のトランジスタQ24がオン
となり、トランジスタQ25がオフとなり、トランジスタ
Q25のコレクタの電位が増幅器120、ダイオード12
1を通して保持コンデンサCPに充電される。
【0087】図12において、リセット信号RESET
がトランジスタQ23に入力されると、トランジスタQ25
がオン状態となり、保持コンデンサCPに充電が停止さ
れ、ピーク検出動作が停止される。かかる構成により、
データ入力がある場合であっても、リセット信号RES
ETが優先となり、ピーク保持用コンデンサCPの放電
と充電が同時に生じるということが解消される。
【0088】図13は、かかる動作を更に説明するタイ
ムチャートである。図13において、Aはデータ入力、
Bはリセット信号RESET、CはトランジスタQ25の
出力である。このリセット信号RESETは、データ入
力より振幅とする。これにより、作動対がバランスする
ことなく、これにより上記のようにリセット信号RES
ETを優先して確実にトランジスタQ25をオン状態と
し、出力を停止することが出来る。
【0089】この結果、図13Cに示すように、リセッ
ト信号RESETが入力された期間は、出力を停止し、
ピーク検出動作を停止する。
【0090】
【発明の効果】以上実施の形態に基づき説明したよう
に、本発明により、入力レベルに応じた複数のピーク検
出回路を有することで、動作の安定化、高精度、広ダイ
ナミックレンジ化が図れる。更に、直流帰還回路に強制
的にオフセットを与えることで、等価的に閾値を上げ長
期間の無入力時の出力安定の問題を解消出来る。
【0091】また、入力データが無い期間で直流帰還回
路動作を行うため、高精度なDC(ボトム)レベルホー
ルドが可能である。更にリーク電流の極めて少ないアナ
ログスイッチを適用することで長期間のDCレベルホー
ルドが可能である。
【0092】更にまたリセットオフ回路を適用すること
で過剰リセットの不安定性を解消することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うピーク検出回路の一実施の形態を
示す図である。
【図2】図1の増幅器OP1とオフセット回路の詳細回
路例である。
【図3】小信号入力時のピーク検出回路の応答特性を示
す図である。
【図4】大信号入力時のピーク検出回路の応答特性を示
す図である。
【図5】入力データが無い場合の問題を解消する実施の
形態(その1)を示す図である。
【図6】図5の動作を説明する図である。
【図7】入力データが無い場合の問題を解消する実施の
形態(その2)を示す図である。
【図8】入力データとスイッチ信号の関係を説明する図
である。
【図9】図7のアナログスイッチ回路の具体例を説明す
る図である。
【図10】図7のスイッチ回路を差動化により実現する
構成例を説明する図である。
【図11】リセットオフ回路の実施の形態を示す図であ
る。
【図12】ピーク検出停止回路の実施の形態を示す図で
ある。
【図13】ピーク検出動作の停止を説明する図である。
【図14】本発明の対象とする光受信機の位置付けを説
明する図である。
【図15】バースト光信号のタイムチャート示す図であ
る。
【図16】従来のバースト信号対応の光受信機の構成を
示す図である。
【図17】図16における自動閾値制御回路の一例を示
す図である。
【図18】図17の自動閾値制御回路の動作タイムチャ
ートを示す図である。
【図19】バーストデータの雑音と自動閾値制御回路
(ATC)動作の問題点を説明する図である。
【図20】入力データが無い場合の直流帰還回路におけ
る問題点を説明する図である。
【図21】DC(ボトム)レベルのずれによる問題を説
明する図である。
【図22】入力データとリセット信号が重なった場合の
問題を説明する図である。
【符号の説明】
10 フォトダイオード 11 プリアンプ 12 自動閾値制御回路 13 バッファ増幅器 14 リセット回路 CP ピーク保持用コンデンサ 120 ピーク検出回路 121 増幅器 122 ダイオード 123 リミッタ増幅器 124 直流帰還回路 125 演算増幅器 126 積分抵抗 127 積分コンデンサ 128 1/2回路 200 ピーク検出部 201 オフセット回路 202 リセット回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04B 10/28 H04L 25/06 (72)発明者 齋藤 芳広 神奈川県横浜市港北区新横浜2丁目3番 9号 富士通ディジタル・テクノロジ株 式会社内 (72)発明者 井上 覚司 神奈川県横浜市港北区新横浜2丁目3番 9号 富士通ディジタル・テクノロジ株 式会社内 (72)発明者 延原 裕之 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 森 和行 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−107313(JP,A) 特開 平7−131489(JP,A) 特開 昭62−271526(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 25/03 H04B 10/04 H04B 10/06 H04B 10/14 H04B 10/26 H04B 10/28 H04L 25/06

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力光信号の入力レベルを所定の閾値と比
    較して識別する識別回路と、 該入力光信号のピーク値を検出し、保持するピーク検出
    回路と、 該識別回路の出力の直流レベルを求める直流帰還回路
    と、 該直流帰還回路からの直流レベルと該ピーク検出回路に
    より保持されるピーク値から該識別回路に該所定の閾値
    を生成して供給する回路とを有し、 該ピーク検出回路は、利得と動作ダイナミックレンジの
    異なる複数のピーク検出部を有し、該入力光信号の入力
    レベルに応じて該複数のピーク検出部を動作させること
    を特徴とするバースト光信号受信機。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記ピーク検出回路は、大信号用増幅器を有する第一の
    ピーク検出部と、 小信号用増幅器を有する第二のピーク検出部と、 該第一のピーク検出部と該第二のピーク検出部の出力を
    加算する回路と、 該加算する回路の出力を充電するピーク保持用コンデン
    サと、 該大信号用増幅器の入力側に接続されるオフセット回路
    を有し、 前記入力光信号を直接該小信号用増幅器に入力し、該オ
    フセット回路を通して該大信号用増幅器に入力すること
    を特徴とするバースト光信号受信機。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記オフセット回路は、前記大信号用増幅器に直列に接
    続される抵抗で構成されることを特徴とするバースト光
    信号受信機。
  4. 【請求項4】請求項1において、 前記直流帰還回路の入力側に、前記識別回路の出力に強
    制的にオフセットを与える回路を有することを特徴とす
    るバースト光信号受信機。
  5. 【請求項5】請求項4において、 前記直流帰還回路は、前記識別回路の正論理出力と負論
    理出力を加算する直流増幅器を有し、前記強制的にオフ
    セットを与える回路は、電流加算回路を有し、該電流加
    算回路により該直流増幅器の入力に該オフセットを電流
    加算することを特徴とするバースト光信号受信機。
  6. 【請求項6】請求項1において、 前記所定の閾値を生成して供給する回路は、前記ピーク
    保持用コンデンサのピーク値と前記直流帰還回路の出力
    との1/2のレベルを生成して該所定の閾値とすること
    を特徴とするバースト光信号受信機。
  7. 【請求項7】請求項1において、前記直流帰還回路は、 前記識別回路の正論理出力と負論理出力を加算する直流
    増幅器と、 該直流増幅器の出力側に接続されるアナログスイッチ回
    路と、 該アナログスイッチ回路の出力を積分する積分回路を有
    し、 該アナログスイッチ回路を入力データの期間中開放と
    し、前記直流レベルを保持するようにしたことを特徴と
    するバースト光信号受信機。
  8. 【請求項8】請求項7において、 前記アナログスイッチ回路を差動化構成とすることでコ
    モンモードをキャンセルするようにしたことを特徴とす
    るバースト光信号受信機。
  9. 【請求項9】請求項1において、前記ピーク検出回路
    は、 ピーク保持用コンデンサと、該ピーク保持用コンデンサ
    の充電電荷を放電するリセット回路を有し、 更に、該リセット回路は、該ピーク保持用コンデンサの
    充電電荷を放電する第一のトランジスタを有するリセッ
    ト部と、 該リセット部に並列に、抵抗と第二のトランジスタで構
    成される電流経路を有するリセットオフ部を有し、 該充電電荷の放電が進むと、該リセットオフ部により該
    第一のトランジスタをオフ状態にして、リセット動作を
    停止することを特徴とするバースト光信号受信機。
  10. 【請求項10】請求項1において、前記ピーク検出回路
    は、 リセット信号と入力データの反転の論理のNOR回路を
    有し、リセット信号の入力時に、ピーク検出動作を停止
    させることを特徴とするバースト光信号受信機。
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