JP3209588U - 指圧クッション材およびスリッパ - Google Patents
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Abstract
【課題】衝撃を十分に緩和することができるとともに、適度な指圧効果を得ることができ、しかも速乾性に優れる指圧クッション材およびスリッパを提供する。【解決手段】熱可塑性弾性樹脂からなる所定線径の連続した線条を曲がりくねらせてランダムループを形成しそれぞれのランダムループの接触部の大部分が融着されてなる三次元立体構造網状体で形成されるベース部材11上に、別途用意される前記三次元立体構造網状体を加熱圧縮することで形成される複数の突起14を有する上敷部材12を設置し、これらベース部材11と上敷部材12とを縫い糸13により縫合して結合することで指圧クッション材を構成し、該指圧クッション材を、足を載せるスリッパ本体2の芯材7として用いることで目的とするスリッパを得る。【選択図】図3
Description
本考案は、指圧機能とクッション性を兼ね備える指圧クッション材およびそれを用いて構成されるスリッパに関するものである。
従来、例えば室内履きとして使用されるスリッパにおいては、足を載せるスリッパ本体の芯材として厚紙や合成繊維等から形成されるものを用いることが多い。また、多数の突起を有する上敷をスリッパ本体上に敷設することにより、指圧機能を付加したものが提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、厚紙や合成繊維等から形成される芯材でスリッパ本体を構成したスリッパでは、水洗いすると、芯材が変質する場合があり、洗濯することが事実上不可能であり、仮に水洗いしても変質しない芯材を用いた場合でも乾燥時間が長くなるという問題点がある。
また、スリッパ本体の芯材を厚紙や合成繊維等で形成した場合、クッション性が乏しいため、衝撃を十分に緩和することができず、そのようなスリッパ本体に多数の突起を有する上敷を敷設した場合、上敷の突起から足裏が受ける刺激が強すぎて、適度な指圧効果を得ることができないという問題点がある。
本考案は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、衝撃を十分に緩和することができるとともに、適度な指圧効果を得ることができ、しかも速乾性に優れる指圧クッション材およびスリッパを提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、第1考案による指圧クッション材は、
熱可塑性弾性樹脂からなる所定線径の連続した線条を曲がりくねらせてランダムループを形成しそれぞれのランダムループの接触部の大部分が融着されてなる三次元立体構造網状体で形成されるベース部材上に、別途用意される前記三次元立体構造網状体を加熱圧縮することで形成される複数の突起を有する上敷部材を設置し、これらベース部材と上敷部材とを結合部材で結合してなることを特徴とするものである。
熱可塑性弾性樹脂からなる所定線径の連続した線条を曲がりくねらせてランダムループを形成しそれぞれのランダムループの接触部の大部分が融着されてなる三次元立体構造網状体で形成されるベース部材上に、別途用意される前記三次元立体構造網状体を加熱圧縮することで形成される複数の突起を有する上敷部材を設置し、これらベース部材と上敷部材とを結合部材で結合してなることを特徴とするものである。
次に、第2考案によるスリッパは、
足を載せるスリッパ本体の芯材として第1考案に係る指圧クッション材を用い、前記上敷部材における前記突起が当該スリッパ本体に載せられる足の足裏と向い合うように前記指圧クッション材を配設してなることを特徴とするものである。
足を載せるスリッパ本体の芯材として第1考案に係る指圧クッション材を用い、前記上敷部材における前記突起が当該スリッパ本体に載せられる足の足裏と向い合うように前記指圧クッション材を配設してなることを特徴とするものである。
本考案の指圧クッション材およびスリッパによれば、ベース部材上に設置された上敷部材の上側に人体の特定部位(足)を載せると、人体の特定部位(足)がベース部材によって弾性的に支えられるとともに、上敷部材に形成された複数の突起によって人体の特定部位(足裏)の複数箇所が押圧されるので、衝撃を十分に緩和することができるとともに、適度な指圧効果を得ることができる。また、水に濡れたとしても、ベース部材および上敷部材を構成する三次元立体構造網状体に水が吸収されることなく網目から水が抜け落ちるので、速乾性に優れるという効果を奏する。
次に、本考案による指圧クッション材およびスリッパの具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
<スリッパの概略説明>
図1に示されるスリッパ1は、足を載せることが可能な形状寸法のスリッパ本体2と、スリッパ本体2に載せられた足の甲を覆う甲覆い部3とを備え、甲覆い部3の両側部をスリッパ本体2に縫合により接合して構成されている。ここで、甲覆い部3は、合成繊維等からなる不織シートを芯材として該芯材を上下(表裏)2枚のメッシュ生地で挟んでそれらメッシュ生地の前後端縁を縫合してなるものである。
図1に示されるスリッパ1は、足を載せることが可能な形状寸法のスリッパ本体2と、スリッパ本体2に載せられた足の甲を覆う甲覆い部3とを備え、甲覆い部3の両側部をスリッパ本体2に縫合により接合して構成されている。ここで、甲覆い部3は、合成繊維等からなる不織シートを芯材として該芯材を上下(表裏)2枚のメッシュ生地で挟んでそれらメッシュ生地の前後端縁を縫合してなるものである。
<スリッパ本体の概略説明>
図1、図2並びに図3(a)および(b)に示されるように、スリッパ本体2は、床等に接触される底材5と、この底材5の上方に配されてその底材5の全体を覆うメッシュ生地からなる上カバー材6と、これら底材5と上カバー材6との間に介在される芯材7と、上下に重ねられた芯材7および底材5の外周を取り巻く帯状のメッシュ生地からなる外周カバー材8とを備え、底材5の外周縁と外周カバー材8の下縁とが縫合されるとともに、外周カバー材8の上縁と上カバー材6の外周縁とが縫合されて構成されている。
図1、図2並びに図3(a)および(b)に示されるように、スリッパ本体2は、床等に接触される底材5と、この底材5の上方に配されてその底材5の全体を覆うメッシュ生地からなる上カバー材6と、これら底材5と上カバー材6との間に介在される芯材7と、上下に重ねられた芯材7および底材5の外周を取り巻く帯状のメッシュ生地からなる外周カバー材8とを備え、底材5の外周縁と外周カバー材8の下縁とが縫合されるとともに、外周カバー材8の上縁と上カバー材6の外周縁とが縫合されて構成されている。
<底材の説明>
図2および図3(b)に示されるように、底材5は、上下(表裏)2枚のメッシュ生地を張りのある無数の連結糸によって結び付けて、厚みのあるシート状に編成してなる立体メッシュシートにより構成されている。立体メッシュシートは、立体的な編目構造を有する一定の厚みを持った一体的な編物であって、優れた通気性とクッション性を一つの部材で同時に実現することができる。
図2および図3(b)に示されるように、底材5は、上下(表裏)2枚のメッシュ生地を張りのある無数の連結糸によって結び付けて、厚みのあるシート状に編成してなる立体メッシュシートにより構成されている。立体メッシュシートは、立体的な編目構造を有する一定の厚みを持った一体的な編物であって、優れた通気性とクッション性を一つの部材で同時に実現することができる。
表裏のメッシュ生地は、亀甲模様や格子模様などさまざまなパターン(本例では亀甲模様)の組織にすることができ、互いの組織を同じものにも異なったものにもできる。中でも表裏のメッシュ生地が亀甲模様となったハニカム構造のものが、隙間が大きくて通気性がよく、軽いながらも高い強度を得ることができ、スリッパ1の底材5に適している。
表裏のメッシュ生地に使用する繊維は、特に限定されるものではないが、乾きやすくするためには例えばポリエステル等の合成繊維が適している。連結糸は、立体メッシュシートにクッション性を持たせる働きを担うので、ナイロン等の張りのある繊維を使用するのが好ましい。なお、立体メッシュシートは、合成繊維を使用した場合には滑り易いので、床に接する面には滑り止め処理が必要であり、本実施形態では、スリッパ本体2の接地面側において、前部および後部における底材5の立体メッシュシートに滑り止めパッド9がそれぞれ貼り付けられている。
<芯材の説明>
図3(a)に示されるように、芯材7は、指圧機能とクッション性を兼ね備える指圧クッション材により構成されており、上下に重ね合わされた2枚のベース部材11上に上敷部材12を設置し、これらベース部材11と上敷部材12とを例えば縫い糸13(本発明の「結合部材」に相当する。)で縫合し結合することで構成されている。
図3(a)に示されるように、芯材7は、指圧機能とクッション性を兼ね備える指圧クッション材により構成されており、上下に重ね合わされた2枚のベース部材11上に上敷部材12を設置し、これらベース部材11と上敷部材12とを例えば縫い糸13(本発明の「結合部材」に相当する。)で縫合し結合することで構成されている。
ベース部材11は、例えばポリエステル等の熱可塑性弾性樹脂からなる所定線径の連続した線条を曲がりくねらせてランダムループを形成しそれぞれのランダムループの接触部の大部分が融着されてなる三次元立体構造網状体で形成されている。この三次元立体構造網状体においては、線条の線径が例えば5mm以下であり、上下両面が実質的にフラット化されており、見掛け密度が例えば0.005〜0.10g/cm3の範囲にあり、厚みが5mm以上であるのが好ましい。
上敷部材12は、ベース部材11を形成する前記三次元立体構造網状体とは別に用意される同構造の三次元立体構造網状体を加熱圧縮することで形成される複数の突起14を有している。上敷部材12は、突起14を形成するために三次元立体構造網状体を局所的に押し出す凸部が形成されてなる雄型と、この雄型における凸部に対応する凹部が形成されてなる雌型とを備えてなる熱プレス盤を用いて作製され、三次元立体構造網状体に対し熱を加えながら雄型と雌型とで圧縮する熱プレス加工を施すことにより、全体的に扁平な形状に形成されると同時に複数の突起14が形成される。このようにして熱プレス加工によって作製された上敷部材12は、冷却・硬化後は全体的に硬質なものとなるため、突起14によって足裏を効果的に押圧することができる。
<作用効果の説明>
以上に述べたように構成されるスリッパ1によれば、ベース部材11上に設置された上敷部材12の上側に足を載せると、足がベース部材11によって弾性的に支えられるとともに、上敷部材12に形成された複数の突起14によって足裏の複数箇所が押圧されるので、衝撃を十分に緩和することができるとともに、適度な指圧効果を得ることができる。また、スリッパ1が水に濡れたとしても、甲覆い部3を構成する合成繊維等からなる不織シートや表裏のメッシュ生地に水が吸収されることなく網目から水が抜け落ち、上カバー材6や外周カバー材8のメッシュ生地でも同様に網目から水が抜け落ちるとともに、ベース部材11および上敷部材12を構成する三次元立体構造網状体に水が吸収されることなく網目から水が抜け落ちるので、速乾性に優れるという効果を奏する。
以上に述べたように構成されるスリッパ1によれば、ベース部材11上に設置された上敷部材12の上側に足を載せると、足がベース部材11によって弾性的に支えられるとともに、上敷部材12に形成された複数の突起14によって足裏の複数箇所が押圧されるので、衝撃を十分に緩和することができるとともに、適度な指圧効果を得ることができる。また、スリッパ1が水に濡れたとしても、甲覆い部3を構成する合成繊維等からなる不織シートや表裏のメッシュ生地に水が吸収されることなく網目から水が抜け落ち、上カバー材6や外周カバー材8のメッシュ生地でも同様に網目から水が抜け落ちるとともに、ベース部材11および上敷部材12を構成する三次元立体構造網状体に水が吸収されることなく網目から水が抜け落ちるので、速乾性に優れるという効果を奏する。
以上、本考案の指圧クッション材およびスリッパについて、一実施形態に基づいて説明したが、本考案は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本考案の指圧クッション材は、衝撃を十分に緩和することができるとともに、適度な指圧効果を得ることができ、しかも速乾性に優れるという特性を有していることから、スリッパ等の履物は勿論のこと、座クッション等の敷物や、その他バスマットや背凭れ等の芯材としての用途に好適に用いることができ、産業上の利用可能性が大である。
1 スリッパ
2 スリッパ本体
3 甲覆い部
5 底材
6 上カバー材
7 芯材(指圧クッション材)
8 外周カバー材
11 ベース部材
12 上敷部材
13 縫い糸(結合部材)
14 突起
2 スリッパ本体
3 甲覆い部
5 底材
6 上カバー材
7 芯材(指圧クッション材)
8 外周カバー材
11 ベース部材
12 上敷部材
13 縫い糸(結合部材)
14 突起
Claims (2)
- 熱可塑性弾性樹脂からなる所定線径の連続した線条を曲がりくねらせてランダムループを形成しそれぞれのランダムループの接触部の大部分が融着されてなる三次元立体構造網状体で形成されるベース部材上に、別途用意される前記三次元立体構造網状体を加熱圧縮することで形成される複数の突起を有する上敷部材を設置し、これらベース部材と上敷部材とを結合部材で結合してなることを特徴とする指圧クッション材。
- 足を載せるスリッパ本体の芯材として請求項1に記載の指圧クッション材を用い、前記上敷部材における前記突起が当該スリッパ本体に載せられる足の足裏と向い合うように前記指圧クッション材を配設してなることを特徴とするスリッパ。
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JP2017000095U JP3209588U (ja) | 2017-01-13 | 2017-01-13 | 指圧クッション材およびスリッパ |
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2017
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