JP3209353B2 - ワイヤ放電加工の加工条件決定装置 - Google Patents

ワイヤ放電加工の加工条件決定装置

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JP3209353B2 JP32835891A JP32835891A JP3209353B2 JP 3209353 B2 JP3209353 B2 JP 3209353B2 JP 32835891 A JP32835891 A JP 32835891A JP 32835891 A JP32835891 A JP 32835891A JP 3209353 B2 JP3209353 B2 JP 3209353B2
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワイヤ放電加工を実施
する場合の加工条件の決定、特に加工形状に特殊な形状
がある場合の加工条件の決定に好適なワイヤ放電加工の
加工条件決定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ワイヤ放電加工においては、加工実施前
に設定しなければならない多くの加工条件の設定項目が
ある。これらの加工条件は、被加工物の材質や板厚(被
加工物情報)、使用するワイヤ電極の材質や径(ワイヤ
電極情報)、最終の仕上げ面粗さ、真直度や太鼓量等の
最小形状精度、最小寸法公差(以上、加工精度情報)、
および加工液噴流ノズルの径や浸漬加工機能の有無等の
機械の仕様(機械情報)により異なり、加工条件の選定
を誤ると加工速度の低下やワイヤ電極の断線を生じ、加
工能率を低下させるばかりでなく、所望の精度を得るこ
とができず被加工物を廃棄しなければならないという事
態を生じる。このような事態になるのを避けるため、作
業者は設定加工条件例が記載された加工技術データ集を
みて、その中から被加工物情報、ワイヤ電極情報、加工
精度情報および機械情報と対応させて加工条件を選定し
ていた。しかし、このような選定手段は面倒であるの
で、最近では、単に上記各情報を入力するだけで加工条
件を得ることができる加工条件決定装置が用いられてい
る。このような加工条件決定装置の機能を図により説明
する。
【0003】図7は従来の加工条件決定装置の処理手順
を示すフローチャートである。作業者は装置のデータ入
力部に、被加工物情報、ワイヤ電極情報、加工精度情報
および機械情報を順次入力する(図7に示す手順S1〜
S4)。加工条件決定装置は予めこれら各情報の組合わ
せに対する加工条件を記憶しており、入力された各情報
に基づいて加工条件の検索を行い、設定すべき加工条件
を決定し(手順S5)、その加工条件とこれに付随した
加工条件番号を表示又は印刷する。作業者はこの出力結
果を参照し、加工用のNCプログラム中に加工条件番号
を自動又は手動で登録し加工を行う。
【0004】図8はある被加工物について入力された各
情報に対して検索された加工条件の一例を示す。図示の
例では各加工段について複数の加工面粗さ(μmRma
x)が示され、これら各面粗さに対して、それぞれ、被
加工物とワイヤ電極間に印加される電圧に対応するノッ
チ、発生させるべきピーク電流値を決めるための「O
N」時間に対応するノッチ、各パルス間のオフタイムに
対応するノッチ、放電ギャップを決めるサーボ電圧
(V)、ワイヤ電極に与えるテンション(g)等が定め
られている。
【0005】面粗さを大きく選ぶと加工速度が速くなり
加工能率は向上するが、得られる精度は低下し、断線の
危険性が増大する。逆に、面粗さを小さく選ぶと加工速
度が遅くなり加工能率は低下するが、得られる精度は高
くなり、断線の危険性は少なくなる。図8に示すよう
に、各加工段について複数の検索がなされた場合、作業
者は加工に課された種々の要件を勘案しながら当該複数
の加工条件の中から最適の加工条件を選定することとな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記加工技
術データ集による加工条件の決定は面倒であるばかりで
なく相当の熟練を要し、未熟練者では最適の加工条件を
決定することは困難であり、当該加工技術データ集の使
用は多くの場合望ましくない。一方、上記加工条件決定
装置を用いた加工条件の決定では、加工形状が単純な形
状であれば決定された加工条件により被加工物を所望の
面粗さに仕上げることができる。しかし、加工部分に、
例えば図9に示す微小半径Rの鋭角なコーナーや、図1
0に示す微小幅wのスリットのような特殊な加工形状が
含まれる場合には問題が生じていた。即ち、このような
特殊形状の加工を行う場合には、一般に複数回の加工
(多段加工)が行われるが、初期の加工段で加工面粗さ
が過大であると、それ以降仕上げまでの加工段で面粗さ
の修正をすることができず、結果として目的の形状精度
を得ることができなくなる。ところが、上記従来の加工
条件決定装置に記憶された加工条件は、加工形状が比較
的単純な標準的加工形状に対するものであり、上記のよ
うな特殊形状の加工に対しては適切な加工条件を定める
ことが困難であるという問題があった。
【0007】本発明の目的は、上記従来技術における課
題を解決し、複雑な加工形状に対しても適切な加工条件
を得ることができるワイヤ放電の加工条件決定装置を提
供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、ワイヤ放電加工に関する情報に基づいて
加工条件を決定するワイヤ放電加工の加工条件決定装置
において、被加工物情報、ワイヤ電極情報、機械情報、
加工形状情報および加工精度情報を入力する入力部と、
加工形状および加工精度に基づく断線発生に関するプロ
ダクションルール、ならびに加工精度情報毎に高精度加
工難易度を導き出すメンバーシップ関数が格納されてい
る知識ベース記憶部と、前記断線発生に関する情報およ
び前記加工精度情報に基づいて第一段の面粗さを決定す
る第1のデータ、ならびに前記各高精度加工難易度毎に
加工段数および各段の面粗さを決定する第2のデータが
格納されたデータベース記憶部と、前記入力部に入力さ
れた情報のうちの所定の情報および前記プロダクション
ルールに基づいて断線発生度合いを推論する第1の推論
手段、この第1の推論手段で推論された断線発生度合い
および前記第1のデータに基づいて第一段の面粗さを決
定する第1の決定手段、前記加工精度情報および前記メ
ンバーシップ関数に基づいて総合高精度加工難易度を推
論する第2の推論手段、この第2の推論手段で推論され
た総合高精度難易度および前記第2のデータに基づいて
加工段数および各段の面粗さを決定する第2の決定手
段、ならびに、前記第1の決定手段および前記第2の決
定手段で決定された値に基づいて加工条件を決定する第
3の決定手段を備えた推論処理部とを設けたことを特徴
とする。
【0009】
【作用】被加工物情報、ワイヤ電極情報、加工精度情
報、機械情報および加工部分の各加工形状の情報が入力
されると、推論処理部では、所定の情報とプロダクショ
ンルールから、断線発生度合いを推論し、この断線発生
度合いに基づいて第1段の面粗さを決定する。又、推論
処理部は、加工精度情報とメンバーシップ関数から総合
高精度加工難易度を決定し、さきに決定された第1段の
面粗さ、総合高精度加工難易度および最終仕上げ面粗さ
に基づいて加工段数と各加工段の面粗さを決定する。こ
れら加工段数と各加工段の面粗さから、加工条件が決定
される。
【0010】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。図1は本発明の実施例に係るワイヤ放電加工の加
工条件決定装置のブロック図である。図で、1は被加工
物情報、ワイヤ電極情報、加工精度情報、機械情報、お
よび加工形状の情報を入力する入力部である。これら各
情報の入力部1への入力は、加工形状がCADシステム
で設計されている場合、加工の諸種情報が記憶されてい
る当該CADシステムから入力されるし、又CADシス
テムが使用されていない場合には、作業者により入力さ
れる。この際、同時に総加工経路長が、CADシステム
が用いられている場合は自動で、又、作業者による入力
の場合はその計算値又は概算値として、それぞれ入力さ
れる(ただし、当該総加工経路長は必ずしも入力されな
くてもよい。)2は図8に示すような加工条件や加工特
性等のデータを記憶したデータベース記憶部、3は知識
ベース記憶部である。この知識ベース記憶部3は、熟練
者等の経験に基づいて、「もし、〜ならば〜である。」
という形で作成されたプロダクションルールおよび後述
するメンバーシップ関数をデータとして記憶する。
【0011】4は推論処理部であり、入力部1に入力さ
れたデータに基づいて知識ベース3に記憶された知識か
ら後述する種々の推論を行うとともに、データベース記
憶部2に記憶されたデータから面粗さや加工段数を決定
し、かつ、最終的に加工条件を決定する。5は入力部1
に入力されたデータや推論処理部4で処理されたデータ
を一時記憶する一時記憶部、6は推論処理部4で処理し
て決定された加工条件を出力、表示する出力・表示部で
ある。この出力・表示部6は、CRTやプリンタ等で構
成されており、かつ、ワイヤ放電加工機のCNC装置7
にデータを出力するデータ出力手段も備えている。出力
・表示部6のCRTは前述の各種情報を作業者が入力す
る場合、対話形式による入力に使用され、入力項目の表
示や入力データが選択できるような表示を行う。
【0012】次に、本実施例の動作を、図2に示すフロ
ーチャートを参照しながら説明する。CADシステム又
は作業者により、被加工物情報、ワイヤ電極情報、加工
精度情報および機械情報が順次入力部1に入力される
(図2に示す手順S10、S11、S12、S13)。
次いで、被加工物における各加工部分の特殊加工形状
(例えば図9、図10に示す「コーナー」、「スリッ
ト」等)を選定し、その最小値データ(「コーナー」の
場合半径Rと最小角度θ、「スリット」の場合最小幅w
と長さL)が入力される(手順S14)。
【0013】推論処理部4は、手順S10〜14で入力
された各情報やデータと知識ベース記憶部3に記憶され
ているプロダクションルールに基づいて第1の断線発生
度合い(「第1」の意味については後述する)の推論を
行う(手順S15)。以下、当該断線発生度合いの推論
について説明する。入力情報と断線発生度合いに関する
プロダクションルールは、断線発生の原因を考慮して定
められている。図3は断線発生の原因を階層的に示した
図である。図では特殊形状として前述の「スリット」、
「コーナー」が例示されている。即ち、加工形状中に
「スリット」、「コーナー」が存在している場合、加工
経路間隔が必然的に小さくなり、加工液割れが生じる可
能性があり、この加工液割れが生じると断線発生につな
がることが示されている。又、図では、加工液循環不良
(被加工物の厚さが大きく加工液が加工部分に円滑に供
給されない)によっても断線発生が生じることが示され
ている。なお、断線発生には、図示されていないその他
の原因があり得るし、又、断線発生の度合いは加工液を
噴射するノズルの半径等によっても異なる。したがっ
て、断線発生を推論するためのプロダクションルール
は、それが多いほどシステムの完成度を高くすることが
できる。しかしながら、実際には、ノズル半径は通常一
定であり、又、断線発生原因も図3に示されるものがほ
とんどである。それ故、上記のように多くのプロダクシ
ョンルールを用いなくても、システムを作動させること
ができる。
【0014】今、一例として、ノズル半径が5mm、加
工形状として「スリット」が選択され、最小スリット幅
2mm、スリット長さ10mmが入力されているとす
る。ここで、知識ベース記憶部3に記憶されている多く
のプロダクションルールの中に、下記a〜cのプロダク
ションルールが存在しているとする。 a.「もし、加工形状がスリットで、その最小幅が最小
加工経路間隔未満ならば、最小加工経路間隔を更新す
る。」 b.「もし、最小加工経路間隔がノズル半径未満なら
ば、加工液割れが起こり、その度合いは大である。」 c.「もし、加工液割れのみが起こり、その度合いが大
ならば、断線発生度合いは大である。」 上記プロダクションルールaは、スリットが多数存在す
る場合の最小幅のものを選択するためのもの、プロダク
ションルールbは加工液割れの発生度合いの推論、プロ
ダクションルールcは加工液割れのみを考慮した場合の
断線発生度合いの推論である。上記プロダクションルー
ルを用いた推論結果は「断線発生度合いは大」となる。
【0015】上記例示したデータに加えて、さらに被加
工物の厚さとして80mmが入力されており、多数のプ
ロダクションルールの中に下記d、eのプロダクション
ルールが存在しているとする。 d.「もし、被加工物の厚さが70mm以上100mm
未満ならば、加工液循環不良で、その度合いは大であ
る。」 e.「もし、加工液割れが起こりその度合いが大以上、
かつ、加工液循環不良でその度合いが大以上ならば、断
線発生度合いは非常に大である。」 上記a〜eを用いた推論により、この被加工物の加工に
おける断線発生度合いの推論結果は、「断線発生度合い
は非常に大」となる。このようにして、手順S15で第
1の断線発生度合いが推論される。なお、この推論は基
準(標準)の推論であり、後述する手順S17では加工
速度を重視した断線発生度合いの推論を行うことから、
手順S15における断線発生度合いの推論を「第1」の
推論とし、手順S17における断線発生度合いの推論を
「第2」の推論とする。
【0016】手順S15の推論後、推論処理部4は、推
論結果およびデータベース記憶部2に記憶されているデ
ータに基づいて第1段の面粗さを決定する(手順S1
6)。図4は当該決定に使用されるデータを示す。図
で、LSは最小寸法公差、LBは最小形状精度、Rは面
粗さを表す。例えば、手順S15で断線発生度合いが
「小」と推論され、かつ、入力された加工精度情報が、
最小寸法公差LS3 、最小形状精度LB3 である場合、
推論処理部4は図4に示すデータベース記憶部2のデー
タから、第1段の面粗さをRj と決定する。この場合の
断線発生度合いは第1の断線発生度合いが用いられるの
で、決定された第1段面粗さRj は「第1の第1段面粗
さ」であり、基準の第1段面粗さとなる。
【0017】手順S16での第1の第1段面粗さが決定
されると、推論処理部4は、今度は加工速度重視の面か
ら、第2の断線発生度合いの決定を行う(手順S1
7)。この決定は、図4に示すデータにおいて、手順S
15で得られた断線発生度合いの推論結果のランクを変
更することにより行われる。即ち、加工速度を重視する
観点から、断線発生度合いを、それが小さくなる方に変
更する。例えば、第1の第1段面粗さ(基準の第1段面
粗さ)がさきの例のように「小」である場合、手順S1
7では、それより小さい断線発生度合い、例えば「非常
に小」を選択する。次いで、第1段面粗さが決定される
(手順S18)が、この場合、加工精度がさきの例と同
じくそれぞれ最小寸法公差LS3 、最小形状精度LB3
であれば、図4から、第1段面粗さR3 が決定される。
この第1段面粗さは加工速度を重視して決定された面粗
さであるから、「第2の第1段面粗さ」となる。
【0018】次に、推論処理部4は、入力された加工精
度情報および知識ベース記憶部3に記憶されたメンバー
シップ関数を用いて総合高精度加工難易度を決定する
(手順S19、S20)。手順S19では基準の総合高
精度加工難易度(第1の総合高精度加工難易度)が、手
順S20では加工精度を重視した総合高精度加工難易度
(第2の総合高精度加工難易度)がそれぞれ決定され
る。以下、第1の総合高精度加工難易度の推論について
説明する。
【0019】上記メンバーシップ関数は、各加工精度毎
に用意されている。図5は最小寸法公差に対する高精度
加工難易度を示すメンバーシップ関数をグラフで示した
ものである。図示のように、高精度加工難易度は最小寸
法公差に対して「困難」、「やや困難」、「普通」、
「やや容易」、「容易」に分類されている。
【0020】一方、知識ベース記憶部3には、次のよう
な高精度加工難易度用プロダクションルールが記憶され
ている。 a.「もし、加工精度が最小寸法公差ならば最小寸法公
差の重み係数α1 を0.6とする。」 b.「もし、加工精度が最小形状精度ならば最小形状精
度の重み係数α2 を0.9とする。」 なお、上記係数α1 は最小寸法公差の関数であり、又、
係数α2は最小形状精度の関数である。上記メンバーシ
ップ関数およびプロダクションルールa、bを用いた推
論により、総合高精度加工難易度LVAは、各加工精度
毎の重み係数をαi 、各加工精度における高精度加工難
易度の各分類(「困難」〜「容易」)毎の数値をLVと
すると次式で表される。
【0021】
【数1】
【0022】次に、第1の総合高精度加工難易度の算出
の具体例を説明する。例えば、最小寸法公差としてLS
1 が入力されているとき、その最小寸法公差に対する高
精度加工難易度LVは、図5に示すように、「困難」の
分類では0.5、「やや困難」の分類では0.5、「普
通」、「やや容易」、「容易」の分類では0となる。
又、最小形状精度としてLB1 が入力されているとき、
その最小形状精度に対する高精度加工難易度LVは、図
示されていないメンバーシップ関数により、「困難」の
分類では0.2、「やや困難」の分類では0.8、「普
通」の分類では0.1、「やや容易」、「容易」の分類
では0であるとする。上記重み係数に関するプロダクシ
ョンルールより、最小寸法公差の重み係数は0.6、最
小形状精度の重み係数は0.9である。そこで、高精度
加工が困難である度合いを、「LV(困難)」のような
形で表すと、各高精度加工難易度は次式のように計算さ
れる。
【0023】
【数2】
【0024】同様な計算により、LV(やや困難)=
1.02、LV(普通)=0.09、LV(やや容易)
=0、LV(容易)=0となる。ここで、(1)式によ
り総合高精度加工難易度LVAは、各分類の高精度加工
難易度のうちの最大値(max)を示す分類であるか
ら、「やや困難」に決定される。
【0025】以上、手順S19における第1の総合高精
度加工難易度の推論について説明した。次の手順S20
における第2の総合高精度加工難易度の決定は、手順S
19で推論された第1の総合高精度加工難易度の1つ上
位の分類を選定することによりなされる。上記例の場
合、第2の総合高精度加工難易度は「やや困難」の1つ
上位の分類「困難」に決定される。
【0026】次に、推論処理部4は、加工段と各加工段
の面粗さを決定する(手順S21、S22、手順S2
3)が、この決定は、入力された加工精度情報(最終仕
上げ面粗さ)、手順S16、18で決定される第1、第
2の第1段面粗さ、および手順S19、S20で推論又
は決定される第1、第2の総合高精度加工難易度を用い
て作成されるとともに、データベース記憶部2に記憶さ
れたデータを参照して行われる。手順S21では基準の
加工段数と各段面粗さ(第1の加工段数と各段面粗さ)
が、手順S22では加工精度を重視した加工段数と各段
面粗さ(第2の加工段数と各段面粗さ)が、手順S23
では加工速度を重視した加工段数と各段面粗さ(第3の
加工段数と各段面粗さ)がそれぞれ決定される。
【0027】図6は加工段と各段の面粗さを決定するた
めの上記データを示す図である。この図の場合、当該デ
ータは総合高精度加工難易度が「やや困難」の場合のデ
ータである。手順S21における「第1の加工段数と各
段面粗さ」は、手順S19で推論された「第1の総合高
精度加工難易度」により図6に示すようなデータが選択
され、手順S16で決定された「第1の第1段面粗さ」
が上記データから選択され、最後に、当該「第1の第1
段面粗さ」の欄から最終仕上げ面粗さを見出すことによ
り加工段数が決定される。
【0028】手順S22における「第2の加工段数と各
段面粗さ」は、加工精度を重視する観点から、手順S2
0で推論された「第2の総合高精度加工難易度」に基づ
いてデータが選択され、手順S16で決定された「第1
の第1段面粗さ」が上記データから選択され、当該「第
1の第1段面粗さ」の欄から最終仕上げ面粗さを見出す
ことにより加工段数が決定される。手順S22における
「第3の加工段数と各段面粗さ」は、手順S19で推論
された「第1の総合高精度加工難易度」に基づいてデー
タが選択され、加工速度を重視する観点から、手順S1
8で決定された「第2の第1段面粗さ」が上記データか
ら選択され、当該「第2の第1段面粗さ」の欄から最終
仕上げ面粗さを見出すことにより加工段数が決定され
る。
【0029】推論処理部4は、決定された第1、第2、
第3の加工段数と各段面粗さのそれぞれについて、設定
すべき加工条件を決定する(手順S24)。この決定
は、第1段面粗さ、各段の面粗さ、最終仕上げ面粗さ
と、予めデータベース記憶部2に記憶されている面粗さ
・加工条件用データベースとに基づいて行われる。この
ようにして得られた3種の加工条件は、それぞれ条件番
号により一旦、一時記憶部5に記憶される。
【0030】次に、推論処理部4は、入力部1で入力さ
れた総加工経路長(mm)を、決定された各加工条件の
単位時間当たりの加工長(mm/分)で割り算し、それ
により得られた各加工段数の加工時間(分)を、決定さ
れた加工条件毎にすべて積算して総加工時間を算出する
(手順S25)。ここで、単位時間当たりの加工長は、
予めデータベース記憶部2に記憶されている加工条件用
データベースから抽出する。一方、入力部1で総加工経
路長が入力されていなかった場合は、データベース記憶
部2の加工条件用データベースから抽出した各加工段数
の単位時間当たりの加工長(mm/分)の逆数である単
位長さ当たりの加工時間(mm/分)を算出し、それら
全てを各加工条件毎に積算して単位長さ当たりの総加工
時間を算出する。
【0031】最後に、出力・表示部6により、3種の加
工条件(基準の加工条件、加工精度重視の加工条件およ
び加工速度重視の加工条件)と総加工時間(総加工経路
長が入力されていない場合は単位長さ当たりの総加工時
間)および加工条件選定支援情報(基準の加工条件に対
しては「精度・速度とも標準的」、加工精度重視の加工
条件に対しては「加工精度を重視」、加工速度重視の加
工条件に対しては「加工速度を重視」)が表示又はプリ
ントされる(手順S26)。作業者は、これらの内容を
確認して、熟練者でも特に要求や要望がない場合や、初
心者の場合には基準の加工条件を、一方、加工精度を重
視する場合は加工精度重視の加工条件を、又、加工精度
より加工時間を重視する場合には加工速度重視の加工条
件をそれぞれ選択し、CNC装置にその加工条件のデー
タを転送し、又は手動で入力し、あるいは磁気記憶媒体
やテープ等を介して入力する。
【0032】このように、本実施例では、被加工物情
報、ワイヤ電極情報、機械情報、加工精度情報以外に、
特殊加工形状の情報を入力し、かつ、これら情報から断
線発生度合いと高精度加工難易度を知識ベースを用いて
推論し、これら推論結果に基づいて加工条件を決定する
ようにしたので、複雑な加工形状に対しても適切な加工
条件を得ることができる。又、基準の加工条件、加工精
度重視の加工条件および加工速度重視の加工条件を決定
するようにしたので、作業者は作業の態様に応じて最適
の加工条件を選択することができる。
【0033】なお、加工条件は複数決定する必要はな
く、1つであってもよいのは明らかである。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では、被加工
物情報、ワイヤ電極情報、機械情報、加工精度情報以外
に、特殊加工形状の情報を入力し、かつ、これら情報か
ら断線発生度合いと高精度加工難易度を知識ベースを用
いて推論し、これら推論結果に基づいて加工条件を決定
するようにしたので、複雑な加工形状に対しても適切な
加工条件を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るワイヤ放電加工の加工条
件決定装置のブロック図である。
【図2】図1に示す装置の動作を説明するフローチャー
トである。
【図3】断線発生の原因を説明する説明図である。
【図4】図1に示すデータベース記憶部に記憶されたデ
ータを示す図である。
【図5】図1に示す知識ベース記憶部に記憶されたメン
バーシップ関数を示す図である。
【図6】図1に示すデータベース記憶部に記憶されたデ
ータを示す図である。
【図7】従来の加工条件決定装置の動作を説明するフロ
ーチャートである。
【図8】加工条件のデータの例を示す図である。
【図9】特殊加工形状の例を示す図である。
【図10】特殊加工形状の例を示す図である。
【符号の説明】
1 入力部 2 データベース記憶部 3 知識ベース記憶部 4 推論処理部 5 一時記憶部 6 出力・表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−131824(JP,A) 特開 平4−189422(JP,A) 特開 平4−122524(JP,A) 特開 平5−16025(JP,A) 特開 平5−38631(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23H 7/02 B23H 7/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤ放電加工に関する情報に基づいて
    加工条件を決定するワイヤ放電加工の加工条件決定装置
    において、被加工物情報、ワイヤ電極情報、機械情報、
    加工形状情報および加工精度情報を入力する入力部と、
    加工形状および加工精度に基づく断線発生に関するプロ
    ダクションルール、ならびに加工精度情報毎に高精度加
    工難易度を導き出すメンバーシップ関数が格納されてい
    る知識ベース記憶部と、前記断線発生に関する情報およ
    び前記加工精度情報に基づいて第一段の面粗さを決定す
    る第1のデータ、ならびに前記各高精度加工難易度毎に
    加工段数および各段の面粗さを決定する第2のデータが
    格納されたデータベース記憶部と、前記入力部に入力さ
    れた情報のうちの所定の情報および前記プロダクション
    ルールに基づいて断線発生度合いを推論する第1の推論
    手段、この第1の推論手段で推論された断線発生度合い
    および前記第1のデータに基づいて第一段の面粗さを決
    定する第1の決定手段、前記加工精度情報および前記メ
    ンバーシップ関数に基づいて総合高精度加工難易度を推
    論する第2の推論手段、この第2の推論手段で推論され
    た総合高精度難易度および前記第2のデータに基づいて
    加工段数および各段の面粗さを決定する第2の決定手
    段、ならびに、前記第1の決定手段および前記第2の決
    定手段で決定された値に基づいて加工条件を決定する第
    3の決定手段を備えた推論処理部とを設けたことを特徴
    とするワイヤ放電加工の加工条件決定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記推論処理部の前
    記第1の推論手段は、基準の断線発生度合いおよび加工
    速度重視の断線発生度合いのうちの少なくとも1つを定
    める手段であることを特徴とするワイヤ放電加工の加工
    条件決定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記推論処理部の前
    記第2の推論手段は、基準の総合高精度加工難易度およ
    び加工精度重視の総合高精度加工難易度のうちの少なく
    とも1つを定める手段であることを特徴とするワイヤ放
    電加工の加工条件決定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記推論処理部の前
    記第2の決定手段は、基準の加工段数と各段面粗さ、加
    工速度重視の加工段数と各段面粗さ、および加工精度重
    視の加工段数と各段面粗さのうちの少なくとも1つを決
    定する手段であることを特徴とするワイヤ放電加工の加
    工条件決定装置。
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