JP3208929B2 - 遮熱エンジン - Google Patents

遮熱エンジン

Info

Publication number
JP3208929B2
JP3208929B2 JP14985693A JP14985693A JP3208929B2 JP 3208929 B2 JP3208929 B2 JP 3208929B2 JP 14985693 A JP14985693 A JP 14985693A JP 14985693 A JP14985693 A JP 14985693A JP 3208929 B2 JP3208929 B2 JP 3208929B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liner
head
cylinder
headliner
heat shield
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14985693A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06336950A (ja
Inventor
寛 松岡
晃 東野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP14985693A priority Critical patent/JP3208929B2/ja
Publication of JPH06336950A publication Critical patent/JPH06336950A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3208929B2 publication Critical patent/JP3208929B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,遮熱構造の燃焼
室を構成するヘッドライナを有する遮熱エンジンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】図3に示すように,遮熱エンジンは,シ
リンダブロック1に取り付けたシリンダヘッド2,シリ
ンダヘッド2に形成されたキャビティ29内に嵌入サレ
たシリンダ21の一部を形成するライナ上部5とヘッド
下面部6とを一体構造に構成したヘッドライナ4,ライ
ナ上部5の下面26に対向し且つシリンダブロック1の
孔部27に嵌合したシリンダ21を構成するシリンダラ
イナとしてのライナ下部3,及びシリンダ21内を往復
運動するピストン8を有している。シリンダヘッド2に
は吸排気ポート14が形成され,ヘッドライナ4のヘッ
ド下面部6には吸,排気ポート14に整合即ち連通する
ポート25が形成されている。
【0003】ヘッドライナ4は,燃焼室19を形成する
ものであり,耐熱性及び高強度の窒化ケイ素(Si3
4 )等のセラミックスで作製され,断熱ガスケット1
0,位置決めリング20を介してシリンダヘッド2のキ
ャビティ29に嵌合されている。即ち,燃焼室19は,
ヘッド下面部6の下面12とピストン8のピストン頂面
18との間のシリンダ21内に形成されている。また,
ヘッドライナ4のライナ上部5とライナ下部3及びシリ
ンダブロック1との間には,断熱とシールのため断熱シ
ール部材9が介在されている。ヘッドライナ4のヘッド
下面部6に形成されたポート25の周囲にはバルブシー
ト28が形成され,バルブシート28には所定のバルブ
タイミングで開閉する吸,排気弁13が配置されてい
る。また,シリンダヘッド2のキャビティ29の内面と
ヘッドライナ4の外面16との間には,遮熱空気層15
が形成され,遮熱空気層15によって燃焼室19は一層
遮熱度が向上している。
【0004】また,シリンダライナを構成するライナ下
部3は,摺動性,高強度及び耐熱性を有する窒化ケイ素
等のセラミックスから作製され,ピストン8の摺動を良
好にしている。シリンダ21内を往復運動するピストン
8は,例えば,セラミックス等で断熱構造に構成された
ピストンヘッド部22と,ピストンヘッド部22に固定
したピストンスカート部23とで構成されている。ピス
トンスカート部23にはピストンリング溝が形成され,
該ピストンリング溝にはピストンリング24が嵌入して
いる。
【0005】また,図4に示す遮熱エンジンは,図3の
ものと比較して,燃焼室19がペントルーフタイプに形
成されている以外は,同一の構成であるので,同一の部
品には同一の符号を付して,詳細な説明は省略する。即
ち,ヘッドライナ10のヘッド下面部6の燃焼室19側
の壁面34は傾斜した形状に形成されている。
【0006】上記のような遮熱エンジンと類似した断熱
エンジンは,例えば,実開昭61−12934号公報に
開示されたものがある。該公報に開示された断熱エンジ
ンは,ピストンの外径とほぼ同寸の内径を有するシリン
ダ部とシリンダヘッド部とがセラミックスから一体に形
成されるヘッドライナを有しており,金属から成るシリ
ンダヘッド本体とヘッドライナの外周に形成されたフラ
ンジ部との間に,熱伝導率の低い材料からなる円筒形の
爆発荷重支持部材を介装したものである。
【0007】また,実開昭54−85206号公報に
は,断熱シリンダを有する燃焼室構造が開示されてい
る。該燃焼室構造は,シリンダヘッドとピストン上面と
断熱シリンダによりほぼ円筒形の燃焼室を構成し,断熱
シリンダの下端は上死点時の第1ピストンリングより上
方に位置させるように構成されている。断熱シリンダは
シリンダヘッドとシリンダ本体との間にサンドイッチ状
に挟み込まれているか,又はシリンダブロックにドーナ
ツ状に嵌め込まれている。
【0008】また,実開昭63−48948号公報に
は,断熱エンジン構造が開示されている。該断熱エンジ
ン構造は,シリンダヘッドとシリンダライナとの間にシ
ール用プレートを介在させ,シリンダライナの端部内周
面に嵌合部を形成し,この嵌合部に断熱材で作られたシ
リンダライナの開口端面を閉塞する端部壁を有する筒状
体を嵌入したものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで,図3に示す
遮熱エンジンの構造では,ヘッドライナ4は,シリンダ
ヘッド2に形成されたキャビティ29に配置されてお
り,ヘッドライナ4のヘッド下面部6の上面とシリンダ
ヘッド2との取付穴壁面との間には断熱ガスケット10
が介在している。ヘッドライナ4のライナ上部5の下面
26とライナ下部3又はシリンダブロック1の上面との
間にはシール部材,断熱ガスケット等の部材9が配置さ
れている。
【0010】しかしながら,上記のような遮熱エンジン
の構造では,上部構造体であるヘッドライナ4は燃焼室
19を構成するものであり,運転状態即ち燃焼期間中の
熱放散を少なくするためセラミックスで遮熱構造に構成
して高温に保ち,また,ライナ下部3はピストン8の摺
動性を良好にするため,低温に保つことが好ましいもの
である。ところが,ヘッドライナ4を高温に耐えるよう
に耐熱性に富んだセラミックスで作製しているが,ヘッ
ドライナ4を囲んでいるシリンダヘッド2は,アルミニ
ウム合金,鋳鉄等の金属で鋳込み等で作製されているも
のである。そのため,シリンダヘッド2のキャビティ2
9にヘッドライナ4を嵌合するため,キャビティ29を
シリンダヘッド2に高精度に形成する必要があるが,そ
のような高精度の穴加工をシリンダヘッドに施すことは
極めて困難である。
【0011】また,遮熱エンジンの構造では,運転状態
ではヘッドライナ4が高温になり,ヘッドライナ4の外
周部のシリンダヘッド2が低温であるため,運転状態の
もとではシリンダヘッドとヘッドライナとの熱膨張差に
よってヘッドライナ4側に過大な熱応力が発生してヘッ
ドライナ4が破壊されたり,或いはシリンダヘッド2の
方が熱膨張量が大きくなって,ヘッドライナ4とキャビ
ティ29との間に隙間が発生し,シール性能の悪化,が
た等が発生し,好ましくない状態になる。
【0012】前掲実開昭54−85206号公報に開示
された燃焼室構造は,シリンダヘッドとシリンダブロッ
クとの間に断熱シリンダを介在させたものであり,断熱
シリンダはポートを備えていないシリンダライナ上部を
形成しているものである。
【0013】また,前掲実開昭63−48948号公報
に開示された断熱エンジン構造は,シリンダライナの中
に断熱材で作られた筒状体を嵌入したものであり,シリ
ンダライナを上下に二分割したものではなく,遮熱性能
はシリンダライナと筒状体との間で熱的遮熱を行うとい
う技術的思想を備えておらず,筒状体そのものの熱伝導
率で決まるものである。
【0014】この発明の目的は,上記の課題を解決する
ことであり,遮熱構造の燃焼室を形成するセラミックス
から成るヘッドライナを有し,セラミックスから成る遮
熱ポート等が鋳込まれているシリンダヘッドに精度を必
要とするキャビティを形成することなく,ポートを備え
たヘッドライナを配置する領域をシリンダブロック又は
ライナ支持体で形成し,ヘッドライナの外周面と嵌合孔
の壁面又はライナ支持体との間に遮熱空気層を形成して
遮熱リングで位置決めし,燃焼室を遮熱構造に形成する
と共に,シリンダヘッドの下面を平坦面にするだけの簡
単な機械加工で構成できる遮熱エンジンを提供すること
である。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明は,シリンダを
備えたシリンダブロックに取り付けられ且つポートが形
成されて下面が平坦面に形成されたシリンダヘッド,前
記シリンダブロックの上部に形成された嵌合孔に配置さ
れ且つ前記シリンダヘッドの下面にガスケットを介して
配置された遮熱構造の燃焼室を形成するヘッドライナ,
該ヘッドライナの外周面と前記シリンダブロックの前記
嵌合孔の内壁面との間に形成された遮熱空気層,及び前
記ヘッドライナの前記外周面と前記シリンダブロックの
前記嵌合孔の前記内壁面との間に配置され且つ前記ヘッ
ドライナの前記シリンダブロックに対する位置決めとシ
ールを行う遮熱リングから構成されていることから成る
遮熱エンジンに関する。
【0016】また,この発明は,ポートが形成され且つ
下面が平坦面に形成されたシリンダヘッド,該シリンダ
ヘッドの下面にガスケットを介して配置された遮熱構造
の燃焼室を形成するヘッドライナ,該ヘッドライナの下
方に配置されたシリンダを備えたシリンダブロック,前
記シリンダヘッドと前記シリンダブロックとの間で前記
ヘッドライナの外側に配置されたライナ支持体,前記ヘ
ッドライナの外周面と前記ライナ支持体の内壁面との間
に形成された遮熱空気層,及び前記ヘッドライナの前記
外周面と前記ライナ支持体の前記内壁面との間に配置さ
れ且つ前記ヘッドライナの前記ライナ支持体に対する位
置決めとシールを行う遮熱リングから構成されているこ
とから成る遮熱エンジンに関する。
【0017】また,この遮熱エンジンにおいて,前記ヘ
ッドライナは,ライナ上部とヘッド下面部とを耐熱性に
富むセラミックスで一体構造に構成されている。
【0018】また,この遮熱エンジンにおいて,前記ヘ
ッド下面部には前記シリンダヘッドに形成された前記ポ
ートに整合するポートが形成され,また,前記ライナ上
部は前記シリンダブロックに形成された孔部に嵌合され
且つ前記シリンダを構成するライナ下部に接続してい
る。
【0019】この遮熱エンジンは,上記のように,ポー
トを形成したシリンダヘッドの下面を平坦面に形成し,
遮熱構造の燃焼室を形成するヘッドライナをシリンダブ
ロックのシリンダヘッド側上部を大径に形成した嵌合孔
又はライナ支持体内に位置決めとシールを行う遮熱リン
グを配置し,該ヘッドライナの外周面と前記嵌合孔の内
壁面又はライナ支持体との間に遮熱空気層を形成したの
で,遮熱ポート等を形成しているシリンダヘッドにヘッ
ドライナを配置する精度を要求されるキャビティを形成
する必要がなくなり,前記シリンダヘッドはその下面を
平坦面に形成するだけでよく,機械加工が極めて容易に
なる。
【0020】また,この遮熱エンジンは,遮熱ポート等
の障害物の存在しないシリンダブロックの上部に前記ヘ
ッドライナを配置する嵌合孔を形成するか又はライナ支
持体を介在させるだけで,ヘッドライナの周囲が遮熱空
気層と遮熱リングとによって遮熱状態に高精度に位置決
めされ,しかも,前記シリンダブロックの上部に形成す
る前記嵌合孔の機械加工,又はライナ支持体の機械加工
は,容易に行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
による遮熱エンジンの実施例を説明する。図1はこの遮
熱エンジンの一実施例を示す断面図である。図1では,
図3に示す遮熱エンジンに比較してライナ支持体を有す
る点が相違する以外は同一の構成であるので,同一の部
品には同一の符号を付し,重複する説明は省略してい
る。
【0022】この遮熱エンジンは,図3でシリンダヘッ
ド2に形成したキャビティ29に相当する部分をシリン
ダブロック1側に形成したものであり,シリンダブロッ
ク1の上部31にヘッドライナ4が嵌合する嵌合孔11
が形成されている。従って,シリンダヘッド2の下面3
0は平坦面に形成されている。即ち,この遮熱エンジン
は,主として,シリンダブロック1に取り付けられたポ
ート14を形成すると共に下面30を平坦面に形成した
シリンダヘッド2,シリンダブロックのシリンダヘッド
側上部に形成した嵌合孔11に配置され且つシリンダヘ
ッド2の下面30にガスケット10を介して配置された
ヘッドライナ4,及びヘッドライナ4の外周面16と嵌
合孔11の内壁面との間に形成された遮熱層15から構
成されている。
【0023】ヘッドライナ4は,遮熱構造の燃焼室19
を形成するものであり,ライナ上部5とヘッド下面部6
とをSi3 4 等の耐熱性のセラミックスから一体構造
に構成されている。ヘッド下面部6には,シリンダヘッ
ド2に形成した吸,排気ポート14に整合する吸,排気
ポート25が形成されている。また,ライナ上部5の下
面26は,シリンダブロック1に形成された孔部27に
嵌合されたライナ下部3の上面に接続し,ライナ上部5
の内壁とライナ下部3の内壁でシリンダ21を構成して
いる。遮熱層15は,位置決めとシール機能を有する遮
熱リング20と遮熱空気層から構成されている。吸排気
ポート14には,遮熱ライナ17を施されている。ヘッ
ドライナ4のヘッド下面部6の上面32とシリンダヘッ
ド2の下面30との間には,遮熱と位置決めのための断
熱ガスケット10が配置されている。また,ヘッドライ
ナ4の下面26とシリンダブロック1の嵌合孔11の段
部との間には,遮熱とシールのためシール材9が配置さ
れている。また,ヘッドライナ4は,シリンダブロック
1の上部31の嵌合孔11内に遮熱層15を形成して収
容された状態であり,嵌合孔11のシリンダ軸方向長さ
は,ヘッドライナ4のシリンダ軸方向長さよりも断熱ガ
スケット10の厚さ分だけ少なくとも長く形成されてい
る。
【0024】この遮熱エンジンは,上記のように構成さ
れているので,吸排気ポート14に遮熱ライナ17を施
されているシリンダヘッド2に精度を要求されるキャビ
ティを形成する必要がなくなり,障害物の存在しないシ
リンダブロック1の上部31にヘッドライナ4を配置す
る嵌合孔11を形成するだけでよく,しかもヘッドライ
ナ4の外周面16と嵌合孔11の内壁面との間には遮熱
空気層を形成するため,シリンダブロック1の上部31
に形成する嵌合孔11の機械加工に高精度は要求されな
い。また,シリンダヘッド2の下面30は,平坦面に形
成するだけであるので,シリンダヘッド2の機械加工が
容易である。従って,シリンダブロック1に形成した嵌
合孔11にヘッドライナ4を配置する場合には,ヘッド
ライナ4に形成した吸排気ポート25とシリンダヘッド
2に形成した吸排気ポート14とが整合するように,嵌
合孔11とヘッドライナ4との間に遮熱リング20を介
在させ且つヘッドライナ4とシリンダヘッド2との間に
断熱ガスケット10を介在させてシリンダブロック1の
嵌合孔11にヘッドライナ4を設置すればよい。
【0025】次に,図2を参照して,この発明による遮
熱エンジンの別の実施例を説明する。図2はこの遮熱エ
ンジンの一実施例を示す断面図である。図2では,図1
に示す遮熱エンジンに比較してシリンダブロックに嵌合
孔を形成した上部を別体のライナ支持体に構成した以外
は,同一の構成であるので,同一の部品には同一の符号
を付し,重複する説明は省略している。
【0026】この遮熱エンジンは,主として,シリンダ
ブロック1にライナ支持体7を介してシリンダヘッド2
を取り付け,ライナ支持体7の貫通孔33内に耐熱性の
セラミックスから成るヘッドライナ4を配置したもので
ある。更に,シリンダヘッド2の下面に配置されたヘッ
ドライナ4は燃焼室19を形成しており,ヘッドライナ
4の燃焼室19の下方にはシリンダブロック1に設けた
シリンダ21が整合して配置されている。ヘッドライナ
4は,ライナ支持体7の貫通孔33内に遮熱層15を形
成して収容された状態であり,ライナ支持体7のシリン
ダ軸方向長さはヘッドライナ4のシリンダ軸方向長さよ
り少なくとも長く形成されている。
【0027】また,この遮熱エンジンは,シリンダヘッ
ド2とシリンダブロック1との間で且つヘッドライナ4
の外側に配置されたライナ支持体7を,運転状態におけ
る温度変化に対応してヘッドライナ4のシリンダ軸方向
の熱膨張量とほぼ同等の熱膨張量になる熱膨張係数を有
する材料で作製することができる。この遮熱エンジンで
は,運転状態のもとで遮熱構造のヘッドライナ4が高温
になって,その外側のライナ支持体7が低温であって
も,ヘッドライナ4とライナ支持体7との熱膨張量が等
しくなるので,ヘッドライナ4に両者の熱膨張差による
過大な熱応力が加わることがなく,セラミックスから成
るヘッドライナ4の破壊を避けることができ,それによ
って,耐久性に富んだ燃焼室19を提供できる。しか
も,ヘッドライナ4とシリンダヘッド2との間,及びヘ
ッドライナ4とシリンダブロック1又はライナ下部3と
の間に,ヘッドライナ4とライナ支持体7との熱膨張差
によって隙間等が発生することがなく,シール性能を確
保することができ,部材間にがた等が発生することもな
い。
【0028】この遮熱エンジンは,運転状態における各
部材の温度分布について,例えば,燃焼室19を構成す
るヘッドライナ4の温度が800℃程度になるが,ヘッ
ドライナ4の外周に位置するライナ支持体7の温度は1
00〜150℃になり,ヘッドライナ4の上方に位置す
るシリンダヘッド2の温度は100〜150℃になり,
また,ヘッドライナ4の下方に位置するシリンダブロッ
ク1の温度は100〜150℃になる。そこで,ヘッド
ライナ4を窒化ケイ素で作製し,また,ライナ支持体7
を鋳鉄(Fc)で所定の長さに作製した場合には,運転
状態ではヘッドライナ4は約800℃になった状態の熱
膨張量と,ライナ支持体7の温度は150℃になった状
態の熱膨張量を同一にして熱膨張差がないようにそれぞ
れの材料を選定する。それによって,ヘッドライナ4に
は熱応力は負荷されず,ライナ支持体7に荷重が負荷さ
れてヘッドライナ4が破損することがなく,また,ヘッ
ドライナ4に対するシール圧力が不足してシール性能を
悪化することがない。そのような材料としては,例え
ば,ヘッドライナ4を窒化ケイ素で作製している場合に
は,ライナ支持体7を作製する材料としてSUS等があ
る。
【0029】
【発明の効果】この発明による遮熱エンジンは,上記の
ように構成されているので,ヘッドライナの周囲が遮熱
空気層と遮熱リングとによって遮熱状態に高精度に位置
決めされ,遮熱ポート等を形成しているシリンダヘッド
にヘッドライナを配置するための精度を要求されるキャ
ビティを形成する必要がなくなり,前記シリンダヘッド
の下面を平坦面に形成するだけでよく,機械加工が極め
て容易になる。しかも,遮熱ポート等の障害物の存在し
ないシリンダブロックの上部に前記ヘッドライナを配置
する前記嵌合孔を形成するか又はライナ支持体を介在さ
せるだけでよく,しかも前記ヘッドライナの外周面と前
記嵌合孔の内壁面及び前記ライナ支持体との間に,遮熱
空気層と遮熱リングから成る遮熱層を形成して位置決め
されるため,前記シリンダブロックの上部に形成する前
記嵌合孔の機械加工に又はライナ支持体の機械加工に高
精度は要求されない。
【0030】また,この遮熱エンジンは,上記のよう
に,ライナ支持体に形成した孔部内にセラミックスから
作製したヘッドライナを配置することができ,前記ライ
ナ支持体を運転状態における温度変化に対応して前記ヘ
ッドライナのシリンダ軸方向の熱膨張量とほぼ同等の熱
膨張量となる熱膨張係数を有する材料を選定して作製し
た場合には,上記の効果に加えて,運転状態のもとで前
記ヘッドライナが高温になって,前記ライナ支持体が低
温であっても,前記ヘッドライナと前記ライナ支持体と
の熱膨張量が等しいので,前記ヘッドライナに過大な熱
応力が加わることがなく,ヘッドライナのセラミックス
に負荷される荷重を低減することができ,前記ヘッドラ
イナが破壊するようなことは避けることができ,しか
も,前記ヘッドライナの前記シリンダヘッド及び前記シ
リンダブロックに対するシール性能を低下させることが
ない。
【0031】更に,前記ヘッドライナと前記シリンダヘ
ッドとの間には断熱ガスケットが配置され,前記ヘッド
ライナと前記シリンダブロックとの間にはシール材が配
置されているので,前記ライナ支持体のシリンダ軸方向
長さは前記ヘッドライナのシリンダ軸方向長さより少な
くとも長く形成することが,熱応力で発生する荷重を前
記ライナ支持体で主として受けることになり,しかもシ
ール性能を低下させることがなく好ましいものである。
また,この遮熱エンジンは,ライナ支持体内にヘッドラ
イナを配置した場合には,シリンダヘッドにヘッドライ
ナの取付穴を形成する必要がなく,ライナ支持体をヘッ
ドライナの材質に応じて選定された材料で作製するだけ
で容易に作製することができ,シリンダヘッドの高精度
の穴加工が不要になり,製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による遮熱エンジンの一実施例を示す
断面図である。
【図2】この発明による遮熱エンジンの別の実施例を示
す断面図である。
【図3】従来の遮熱エンジンの一例を示す断面図であ
る。
【図4】従来の遮熱エンジンの別の例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 シリンダブロック 2 シリンダヘッド 3 ライナ下部 4 ヘッドライナ 5 ライナ上部 6 ヘッド下面部 7 ライナ支持体 10 断熱ガスケット 11 嵌合孔 13 吸,排気弁 14,25 吸,排気ポート 15 遮熱層 19 燃焼室 20 遮熱リング 21 シリンダ 30 シリンダヘッドの下面(平坦面) 31 上部 33 貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭61−12934(JP,U) 実開 昭62−69050(JP,U) 実開 昭54−85206(JP,U) 実開 昭63−48948(JP,U) 実開 平3−87846(JP,U) 特表 昭61−500860(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02F 1/00 - 11/00 F02B 23/00 - 23/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダを備えたシリンダブロックに取
    り付けられ且つポートが形成されて下面が平坦面に形成
    されたシリンダヘッド,前記シリンダブロックの上部に
    形成された嵌合孔に配置され且つ前記シリンダヘッドの
    下面にガスケットを介して配置された遮熱構造の燃焼室
    を形成するヘッドライナ,該ヘッドライナの外周面と
    記シリンダブロックの前記嵌合孔の内壁面との間に形成
    された遮熱空気層,及び前記ヘッドライナの前記外周面
    と前記シリンダブロックの前記嵌合孔の前記内壁面との
    間に配置され且つ前記ヘッドライナの前記シリンダブロ
    ックに対する位置決めとシールを行う遮熱リングから構
    成されていることから成る遮熱エンジン。
  2. 【請求項2】 ポートが形成され且つ下面が平坦面に形
    成されたシリンダヘッド,該シリンダヘッドの下面にガ
    スケットを介して配置された遮熱構造の燃焼室を形成す
    るヘッドライナ,該ヘッドライナの下方に配置されたシ
    リンダを備えたシリンダブロック,前記シリンダヘッド
    と前記シリンダブロックとの間で前記ヘッドライナの外
    側に配置されたライナ支持体,前記ヘッドライナの外周
    面と前記ライナ支持体の内壁面との間に形成された遮熱
    空気層,及び前記ヘッドライナの前記外周面と前記ライ
    ナ支持体の前記内壁面との間に配置され且つ前記ヘッド
    ライナの前記ライナ支持体に対する位置決めとシールを
    行う遮熱リングから構成されていることから成る遮熱エ
    ンジン。
  3. 【請求項3】 前記ヘッドライナはライナ上部とヘッ
    ド下面部とを耐熱性に富むセラミックスで一体構造に構
    されていることから成る請求項1又は2に記載の遮熱
    エンジン。
  4. 【請求項4】 前記ヘッド下面部には前記シリンダヘッ
    ドに形成された前記ポートに整合するポートが形成さ
    れ,また,前記ライナ上部は前記シリンダブロックに形
    成された孔部に嵌合され且つ前記シリンダを構成する
    イナ下部に接続していることから成る請求項3に記載の
    遮熱エンジン。
JP14985693A 1993-05-31 1993-05-31 遮熱エンジン Expired - Fee Related JP3208929B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14985693A JP3208929B2 (ja) 1993-05-31 1993-05-31 遮熱エンジン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14985693A JP3208929B2 (ja) 1993-05-31 1993-05-31 遮熱エンジン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06336950A JPH06336950A (ja) 1994-12-06
JP3208929B2 true JP3208929B2 (ja) 2001-09-17

Family

ID=15484147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14985693A Expired - Fee Related JP3208929B2 (ja) 1993-05-31 1993-05-31 遮熱エンジン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3208929B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06336950A (ja) 1994-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4495684A (en) Process of joining a ceramic insert which is adapted to be embedded in a light metal casting for use in internal combustion engines
US4524732A (en) Cylinder head of a piston engine
US4487175A (en) Cylinder head for internal combustion engine
JP3208929B2 (ja) 遮熱エンジン
US4344390A (en) Piston-cylinder assembly of an internal combustion engine
US5040504A (en) Heat-insulating engine swirl chamber
JP3257142B2 (ja) 遮熱エンジンの構造
JP3701239B2 (ja) 内燃機関
US4450800A (en) Light metal cylinder head for internal combustion engine
JP2870069B2 (ja) 断熱エンジンの構造
JP2670388B2 (ja) エンジン用ピストンの中空耐摩環
JPH05187309A (ja) 内燃機関のシリンダ構造
JP2550852Y2 (ja) 断熱ピストン
JPH089400Y2 (ja) シリンダライナの取付構造
JP2792301B2 (ja) 内燃機関のシリンダ構造
JP2598885Y2 (ja) 遮熱エンジンにおける遮熱構造
JPS60240855A (ja) エンジン用断熱ピストン
JPS6347639Y2 (ja)
JPH0524400B2 (ja)
JPH0319902B2 (ja)
JPS6346670Y2 (ja)
JP3091049B2 (ja) 遮熱ガスケット及びそれを用いたエンジンの燃焼室構造
JPH0510556B2 (ja)
JP3189512B2 (ja) 副室式エンジンにおける副室遮熱構造
JPH0218299Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees