JP3208923U - アンチサージの巻線抵抗器 - Google Patents

Abstract

【課題】アンチサージ溶接スポットの失敗率を低減するとともにアンチサージの信頼性を向上する信頼性の高い巻線抵抗器を提供する。【解決手段】アンチサージの巻線抵抗器２０に関し、巻線抵抗器２０の両端キャップの電気溶接箇所が金属めっき層でめっき被覆されることで、溶接スポットの信頼性を大幅に向上している。巻線抵抗器２０は、セラミック心棒２１と、一つ以上の金属巻線２３と、第１のキャップ２２１及び第２のキャップ２２２と、第１のリード線及び第２のリード線とを備えており、このうち、第１のキャップ２２１及び第２のキャップ２２２上には、第１のキャップめっき層２２１１及び第２のキャップめっき層２２２１がそれぞれめっき処理されている。【選択図】図３Ａ

Description

本考案は、アンチサージの巻線抵抗器に関し、とりわけ両端キャップの電気溶接箇所が金属めっき層でめっき被覆されることで、溶接スポットの信頼性を大幅に向上している。

従来の巻線抵抗器の構造は、図１及び図２に示す通りであるが、図２において、巻線抵抗器１０はセラミック心棒１１を備えており、セラミック心棒１１の左右両端には右端に位置する第１のキャップ１２１と、左端に位置する第２のキャップ１２２とが各々取付けられており、金属巻線１３はセラミック心棒１１の周囲に沿って第１のキャップ１２１上の先端１３１から第２のキャップ１２２上の末端１３２に向けてセラミック心棒１１に螺旋巻回させた後、電気溶接機にて前記金属巻線１３の先端１３１を前記第１のキャップ１２１上の先端溶接箇所１３１１に溶接固定し、かつ前記金属巻線１３の末端１３２を前記第２のキャップ１２２上の末端溶接箇所１３２１に溶接固定し、続いて、前記第１のキャップ１２１及び前記第２のキャップ１２２の左右から第１のリード線１４１及び第２のリード線１４２を引き出すことで、従来の巻線抵抗器が完成している。

従来のアンチサージ抵抗器で主流となる製品は、巻線抵抗器ではない。なぜならば、この種の従来の巻線抵抗器ではサージ瞬間エネルギーが１００ワット以上の時、前記サージにより電気溶接箇所の緩みが一定割合で発生して、アンチサージ特性に影響する、つまり従来にて製造された巻線抵抗器では線の先端又は末端をキャップに電気溶接（ｗｅｌｄｉｎｇ）する時、溶接が深すぎる、浅すぎる又は歪んでしまい（図１に示すように、セラミック心棒９１上にある第２のキャップ９２２上での溶接箇所９３２１の位置から分かる通り、巻線９３の末端９３２の溶接が歪んでいる）、溶接箇所の溶接不良（例えば電気溶接機）により溶接スポットとキャップとの間の接触抵抗値が高くなってしまうため、サージにより溶接スポットに緩みが生じて、巻線抵抗器の溶接スポットの失敗率が一定割合で発生するものであることから、従来の巻線抵抗器でのアンチサージ溶接スポットの失敗率は約１０ｐｐｍとなっている。上記アンチサージ溶接スポットの失敗率がなおも高いため、巻線抵抗器分野において、アンチサージ溶接スポットの信頼性が高いアンチサージの巻線抵抗器が急ぎ必要となっている。

上記従来技術における欠点に対して、本考案では、アンチサージ溶接スポットの失敗率を低減するとともにアンチサージの信頼性を向上する信頼性の高い巻線抵抗器を提供している。

本考案の第１の具体的な実施例によれば、本考案の主な目的は、
第１端と第２端とを有するセラミック心棒と、
先端と末端とを有し、前記セラミック心棒に前記第１端から前記第２端まで螺旋状に巻回する一つ以上の金属巻線と、
前記セラミック心棒の軸線に配置して前記第１端及び前記第２端から外向きにそれぞれ延在し、前記先端と前記末端とをそれぞれの表面上に溶接し、第１のキャップめっき層と、第２のキャップめっき層と、をそれぞれめっき処理する、第１のキャップ及び第２のキャップと、
前記セラミック心棒の表面に設けられるとともに前記セラミック心棒及び前記金属巻線の表面上を被覆する第１の絶縁層と、を備えるアンチサージの巻線抵抗器を提供している。

本考案の第２の具体的な実施例によれば、本考案に係るアンチサージの巻線抵抗器は、前記セラミック心棒の軸線に配置して前記第１のキャップ及び前記第２のキャップから外向きにそれぞれ延在する第１のリード線及び第２のリード線を更に備えている。

本考案の第２の具体的な実施例によれば、本考案に係るアンチサージの巻線抵抗器は、前記第１の絶縁層の表面、前記第１のキャップめっき層及び前記第２のキャップめっき層の表面を被覆して配置する第２の絶縁層を更に備えている。

本考案によれば、好ましくは、前記第１のキャップめっき層は、スズ、銅、鉄、銀、ニッケル及びその合金からなる群のいずれかであるが、上記金属に限定しない。

本考案によれば、好ましくは、前記第１のキャップめっき層の厚さは、１〜１０マイクロメートルの間である。

本考案によれば、好ましくは、前記第２のキャップめっき層は、スズ、銅、鉄、銀、ニッケル及びその合金からなる群のいずれかであるが、上記金属に限定しない。

本考案によれば、好ましくは、前記第２のキャップめっき層の厚さは、１〜１０マイクロメートルの間である。

本考案によれば、好ましくは、前記第１の絶縁層の材質は、エポキシ樹脂である。

本考案によれば、好ましくは、前記第２の絶縁層の材質は、エポキシ樹脂、シリコーン不燃性塗料又はエナメル塗料である。

本考案の第１の具体的な実施例によれば、本考案のもう一つの目的は、
セラミック心棒を提供するステップと、
前記セラミック心棒の第１端及び第２端の箇所に第１のキャップ及び第２のキャップを装着するステップと、
前記セラミック心棒の周囲に金属巻線を巻回するステップと、
前記金属巻線の両端を前記第１のキャップ及び前記第２のキャップ上に電気溶接するステップと、
前記セラミック心棒の外に第１の絶縁層を塗布するステップと、
前記第１のキャップ及び前記第２のキャップの表面上に、キャップめっき層をそれぞれめっき処理するステップと、を含む。

本考案の第２の具体的な実施例によれば、第１のリード線及び第２のリード線を前記セラミック心棒の軸心延在線にて且つ前記第１のキャップ及び前記第２のキャップから外向きに延在するようにそれぞれ接続するステップを更に含む。
本考案の第２の具体的な実施例によれば、前記第１の絶縁層及び前記キャップめっき層の表面に第２の絶縁層を塗布するステップを更に含む、アンチサージの巻線抵抗器の製造方法を提供している。

従来技術の巻線抵抗器における溶接歪みを示す模式図である。 従来技術の巻線抵抗器を示す側面図である。 本考案に係る第１の具体的な実施例の巻線抵抗器を示す側面図である。 本考案に係る第２の具体的な実施例の巻線抵抗器を示す側面図である。 本考案に係る第１の具体的な実施例の巻線抵抗器を示す断面図である。 本考案に係る第２の具体的な実施例の巻線抵抗器を示す断面図である。 本考案に係る巻線抵抗器の溶接箇所を示す模式図である。

図３Ａ及び図３Ｂ、図４Ａ及び図４Ｂを参照されたい。本考案に係る第１の具体的な実施例（ＭＥＬＦ型巻線抵抗器）によれば、本考案は、
第１端２１１と第２端２１２とを有するセラミック心棒２１と、
先端２３１と末端２３２とを有し、前記セラミック心棒２１に前記第１端２１１から前記第２端２１２まで螺旋状に巻回する一つ以上の金属巻線２３と、
前記セラミック心棒２１の軸線に配置して前記第１端２１１及び前記第２端２１２から外向きにそれぞれ延在し、前記先端２３１と前記末端２３２とをそれぞれの表面上に溶接固定し、第１のキャップめっき層２２１１と、第２のキャップめっき層２２２１と、をそれぞれの上方にめっき処理する、第１のキャップ２２１及び第２のキャップ２２２と、
前記セラミック心棒２１の表面に設けられるとともに前記セラミック心棒２１及び前記金属巻線２３の表面上を被覆する第１の絶縁層２１１１と、を備えるアンチサージの巻線抵抗器２０を提供している。

本考案に係る第２の具体的な実施例（リード線型巻線抵抗器）によれば、本考案は、
第１端４２１１と第２端４２１２とを有するセラミック心棒４２１と、
先端４２３１と末端４２３２とを有し、前記セラミック心棒４２１に前記第１端４２１１から前記第２端４２１２まで螺旋状に巻回する一つ以上の金属巻線４２３と、
前記セラミック心棒４２１の軸線に配置して前記第１端４２１１及び前記第２端４２１２から外向きにそれぞれ延在し、前記先端４２３１と前記末端４２３２とをそれぞれの表面上に溶接固定し、第１のキャップめっき層４２２１１と、第２のキャップめっき層４２２２１と、をそれぞれの上方にめっき処理する、第１のキャップ２２１及び第２のキャップ２２２と、
前記セラミック心棒４２１の表面に設けられるとともに前記セラミック心棒４２１及び前記金属巻線４２３の表面上を被覆する第１の絶縁層４２１１１と、
前記セラミック心棒４２１の軸心４２１３延在線に配置して前記第１のキャップ４２２１及び前記第２のキャップ４２２２から外向きにそれぞれ延在する第１のリード線４２４１及び第２のリード線４２４２と、
前記第１の絶縁層４２１１１の表面、前記第１のキャップ４２２１及び前記第２のキャップ４２２２の表面を被覆して配置する第２の絶縁層４２１１２と、を備えるアンチサージの巻線抵抗器４２０を提供している。

本考案のセラミック心棒２１、４２１は、絶縁性質を有する材料から成るが、セラミック心棒は、セラミック絶縁材料に限定することなく、例えば白磁心棒、又はガラス繊維といった本考案の目的を達成できる円柱体であれば使用することができる。

第１のキャップ２２１、４２２１及び第２のキャップ２２２、４２２２は、前記セラミック心棒２１、４２１の両端に嵌着されており、第１のキャップ２２１、４２２１及び第２のキャップ２２２、４２２２の材質は、鉄、鋼、アルミニウム、銅等の金属又はその他合金、或いはグラファイト材料とすることができる。なお、キャップ機能を達成できる材料であればいずれも使用することができ、上記材料に限定しない。

図３Ａ及び図３Ｂを参照されたい。先端２３１、４２３１は、先端溶接箇所２３１１、４２３１１にて第１のキャップ２２１、４２２１に電気溶接されており、末端２３２、４２３２は、末端溶接箇所２３２１、４２３２１にて第２のキャップ２２２、４２２２に電気溶接されている。

図４Ａ及び図４Ｂを参照されたい。本考案の第１のキャップめっき層２２１１、４２２１１及び第２のキャップめっき層２２２１、４２２２１は、それぞれ工業用電気めっき方法で、第１のキャップ２２１、４２２１及び第２のキャップ２２２、４２２２上にそれぞれめっき処理して形成されており、第１のキャップめっき層２２１１、４２２１１及び第２のキャップめっき層２２２１、４２２２１のめっき層は、スズ、銅、鉄、銀、ニッケル及びその合金からなる群のいずれかであるが、これに限定しない。

図５を参照されたい。本考案の巻線抵抗器について、セラミック心棒３１に巻回される金属巻線３３は、その先端３３２がキャップ３２２の表面上に電気溶接され、溶接箇所３３２１にてキャップめっき層３２２１を形成している。

図３Ａ及び図４Ａを参照されたい。本考案の第１の具体的な実施例によれば、本考案は、
セラミック心棒２１を提供するステップと、
前記セラミック心棒２１の第１端２１１及び第２端２１２の箇所に第１のキャップ２２１及び第２のキャップ２２２を装着するステップと、
前記セラミック心棒２１の周囲に金属巻線２３を巻回するステップと、
前記金属巻線２３の両端を前記第１のキャップ２２１及び前記第２のキャップ２２２上に電気溶接するステップと、
前記セラミック心棒の外に第１の絶縁層２１１１を塗布するステップと、
前記第１のキャップ２２１及び前記第２のキャップ２２２の表面上に、キャップめっき層２２１１、２２２１をそれぞれめっき処理するステップと、を含むアンチサージの巻線抵抗器の製造方法を提供している。

図３Ｂ及び図４Ｂを参照されたい。本考案の第２の具体的な実施例によれば、本考案は、
セラミック心棒４２１を提供するステップと、
前記セラミック心棒４２１の周囲に金属巻線４２３を巻回するステップと、
前記セラミック心棒４２１の第１端４２１１及び第２端４２１２の箇所に第１のキャップ４２２１及び第２のキャップ４２２２を装着するステップと、
前記金属巻線４２３の両端を前記第１のキャップ４２２１及び前記第２のキャップ４２２２上に電気溶接するステップと、
前記セラミック心棒の外に第１の絶縁層４２１１１を塗布するステップと、
前記第１のキャップ４２２１及び前記第２のキャップ４２２２の表面上に、キャップめっき層４２２１１、４２２２１をそれぞれめっき処理するステップと、
第１のリード線４２４１及び第２のリード線４２４２を前記セラミック心棒４２１の軸心延在線に接続して前記第１のキャップ４２２１及び前記第２のキャップ４２２２から外向きにそれぞれ延在するステップと、
前記第１の絶縁層４２１１１及び前記キャップめっき層４２２２１、４２２２１の表面に第２の絶縁層４２１１２を塗布するステップと、を含むアンチサージの巻線抵抗器の製造方法を提供している。

本考案は、第１のキャップ及び第２のキャップ上にキャップめっき層をそれぞれめっき処理しているため、電気溶接箇所の堅牢性が向上する上、失敗率が低減し、更には溶接スポットの信頼性が向上することができることから、本考案の巻線抵抗器におけるアンチサージの溶接スポット失敗率を０.１ｐｐｍ未満に抑えることができる。

本考案の巻線抵抗器の用途は、アンチサージ回路に用いる以外に、二輪、四輪自動車産業の点火プラグキャップや点火系統中にも使用することができる。

上記構造の設計及び実施例により、当業者であれば本考案中から認知することで、考案の標的を実行し、目標を達成するとともに、本考案にて言及及び潜在的な長所を得ることができる。当業者であれば修正又はその他応用を行うことができるものであって、これらはすでに本考案の技術思想中に含まれるとともにクレーム中にて定義されている。

１０ 巻線抵抗器
１１ セラミック心棒
１２１ 第１のキャップ
１２２ 第２のキャップ
１３ 金属巻線
１３１ 先端
１３２ 末端
１４１ 第１のリード線
１４２ 第２のリード線
２０ 巻線抵抗器
２１ セラミック心棒
２１１ 第１端
２１１１ 絶縁層
２１２ 第２端
２１３ 軸心
２２１ 第１のキャップ
２２１１ 第１のキャップめっき層
２２２ 第２のキャップ
２２２１ 第２のキャップめっき層
２３ 金属巻線
２３１ 先端
２３１１ 先端溶接箇所
２３２ 末端
２３２１ 末端溶接箇所
４２０ 巻線抵抗器
４２１ セラミック心棒
４２１１ 第１端
４２１１１ 第１の絶縁層
４２１１２ 第２の絶縁層
４２１２ 第２端
４２１３ 軸心
４２２１ 第１のキャップ
４２２１１ 第１のキャップめっき層
４２２２ 第２のキャップ
４２２２１ 第２のキャップめっき層
４２３ 金属巻線
４２３１ 先端
４２３１１ 先端溶接箇所
４２３２ 末端
４２３２１ 末端溶接箇所
４２４１ 第１のリード線
４２４２ 第２のリード線
３１ セラミック心棒
３１１１ 絶縁層
３２２ キャップ
３２２１ キャップめっき層
３３ 金属巻線
３３２ 末端
３３２１ 溶接箇所
９１ セラミック心棒
９２２ 第２のキャップ
９３ 金属巻線
９３２ 末端
９３２１ 末端溶接箇所

Claims (9)

1. 第１端と第２端とを有するセラミック心棒と、
   先端と末端とを有し、前記セラミック心棒に前記第１端から前記第２端まで螺旋状に巻回する一つ以上の金属巻線と、
   前記セラミック心棒の軸線に配置して前記第１端及び前記第２端から外向きにそれぞれ延在し、前記先端と前記末端とをそれぞれの表面上に溶接し、第１のキャップめっき層と、第２のキャップめっき層と、をそれぞれめっき処理する、第１のキャップ及び第２のキャップと、
   前記セラミック心棒の表面に設けられるとともに前記セラミック心棒及び前記金属巻線の表面上を被覆する第１の絶縁層と、を備えることを特徴とするアンチサージの巻線抵抗器。
2. 前記セラミック心棒の軸心延在線に配置して前記第１のキャップ及び前記第２のキャップから外向きにそれぞれ延在する第１のリード線及び第２のリード線を更に備えることを特徴とする請求項１に記載のアンチサージの巻線抵抗器。
3. 前記第１の絶縁層の表面、前記第１のキャップめっき層及び前記第２のキャップめっき層の表面を被覆して配置する第２の絶縁層を更に備えることを特徴とする請求項２に記載のアンチサージの巻線抵抗器。
4. 前記第１のキャップめっき層は、スズ、銅、鉄、銀、ニッケル及びその合金からなる群のいずれかであることを特徴とする請求項１に記載のアンチサージの巻線抵抗器。
5. 前記第１のキャップめっき層の厚さは、１〜１０マイクロメートルの間であることを特徴とする請求項４に記載のアンチサージの巻線抵抗器。
6. 前記第２のキャップめっき層は、スズ、銅、鉄、銀、ニッケル及びその合金からなる群のいずれかであることを特徴とする請求項１に記載のアンチサージの巻線抵抗器。
7. 前記第２のキャップめっき層の厚さは、１〜１０マイクロメートルの間であることを特徴とする請求項６に記載のアンチサージの巻線抵抗器。
8. 前記第１の絶縁層の材質は、エポキシ樹脂、シリコーン不燃性塗料又はエナメル塗料であることを特徴とする請求項１に記載のアンチサージの巻線抵抗器。
9. 前記第２の絶縁層の材質は、エポキシ樹脂、シリコーン不燃性塗料又はエナメル塗料であることを特徴とする請求項３に記載のアンチサージの巻線抵抗器。