JP3208668B2 - チロシン燐酸化及び脱燐酸化活性を測定するための方法及びキツト - Google Patents
チロシン燐酸化及び脱燐酸化活性を測定するための方法及びキツトInfo
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Description
ン又はホスホチロシンを含むポリペプチド、及び夫々燐
酸塩源又は燐酸受容体と接触させ、次いで燐酸化ポリペ
プチドを分析することにより、該物質のチロシン燐酸化
又はホスホチロシン脱燐酸化活性を測定するための方法
に関する。
シンの脱燐酸化活性の測定は、診断及び予防の目的に、
更に研究の目的に極めて重要である。即ちチロシンの燐
酸化は成長因子及び腫瘍遺伝子の作用のような多数の生
物学的過程に対する重要な応答機構である[Y.ヤーデン
(Yarden)Ann.Rev.Biochem.57、443−478(1988);T.
ハンター(Hunter)、J.A.クーパー(Cooper)、The En
zxyme(P.D.ボイヤー(Boyer)及びE.G.クレーブス(Ke
rbs)編、17巻、191−246頁、アカデミック・プレス(A
cademic Press、オーランド(Orlando)、Fl.(1986)
所載]。例えば乳癌細胞及び又他の固形腫瘍において
は、腫瘍遺伝子及び成長因子受容体の発現は著しくチロ
シンキナーゼ活性の増大をもたらすようにみえるが、良
性の腫瘍ではそれ程顕著な増大は認められない[H.ヘニ
プマン(Hennipman)等、Cancer Research、49、516−5
21(1989)]。白血病性貧血の場合にはチロシンホスフ
ァターゼ活性の減退、即ち、ホスホチロシンの脱燐酸化
の減退が報告されている[D.A.フランク(Frank)及び
A.C.サルトレリ(Sartorelli)、Cancer Res.48、52−5
8(1988)]。実験された系において特異的なチロシン
ホスファターゼ阻害剤の添加は細胞の悪性の退化を起こ
すことができることも示された[J.K.クラーランド(Kl
arlund)、Cell 41、707−717(1985)]。
定するために、チロシンキナーゼ活性又はチロシンホス
ファターゼ活性の測定のための信頼性のある、且つ有効
な方法の必要性が存在する。
−ATP)で標識されたアデノシン三燐酸と反応させ、次
いでポリペプチド中に取り込まれた放射性標識を測定す
ることにより乳房組織画分のチロシンキナーゼ活性の測
定は既知である[H.ヘニプマン、Cancer Research、4
9、516−512(1989)]。
を有する、即ち放射能分析は面倒であり、安全に対する
注意が必要であり、且つ大量に連続して行うことは容易
ではない。更に放射性標識されたATPの使用は測定媒体
中のATPの濃度を最適状態に選択できないという欠点を
有している。更に蛋白質中のセリン残基のように、試料
中に存在し、及び測定には不適当である他の物質の燐酸
化により形成されるかなりなバックグラウンド信号が認
められ、そしてこのため結果が変動し易く、且つしばし
ば不適切な検出限界をもたらす。
見出された。この方法は簡単に及び安全上の危険を冒す
ことなく実行でき、著しくノイズ及びバックグラウンド
信号が少なく、従ってそれに対する補正も殆ど必要とせ
ず、既知の方法と全く同じ感度及び活性、又はそれ以上
の感度及び活性を有している。
チロシンの脱燐酸化を測定する方法は、ホスホチロシン
含有ポリペプチドに対する抗体を使用することによる燐
酸化されたポリペプチドを測定することを特徴としてい
る。
ポリペプチドに対する抗体は、単クローン性又は多クロ
ーン性であることができる。単クローン性又は多クロー
ン性抗体は記載されている[J.Y.J.ワング(Wang)、An
al.Biochem.172、1−7(1988)の綜説を参照のこ
と]。既知のように多クローン性抗体は特異性が小さく
再現性に乏しいという欠点を有する。しかし例えばチラ
ミンカラムによるクロマトグラフィーを用いて多クロー
ン性ホスホチロシン抗体を精製することは可能であり、
そのためその作用上単クローン性抗体の性質に近い特異
的な抗体が得られる。使用される抗体は単一特異性であ
ることが好ましい。例えばマウス中で増殖されたホスホ
チロシンに対する単クローン性抗体、例えば1G2[ハー
ン(Huhn)等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、84、4408−44
12(1987)]が記載されており、こうした抗体は商業的
に入手することができる。少なくとも5種の異なった型
の免疫原がこれまで単クローン性及び多クローン性抗体
を誘発するのに使用された。これらの型の3種はキャリ
ヤアー蛋白質に結合したホスホチロシンの同族体、即
ち、p−アゾベンジルホスフェート、ブロモアセチル−
O−ホスホチラミン及びホスホチロシンそれ自身であ
る。四番目の型の免疫原はホスホチロシンを含む合成ポ
リペプチドを含んでおり、及び五番目の型はチロシン残
基に燐酸化された天然源の蛋白質により形成されてい
る。得られる抗体は例えば固定化されたホスホチラミン
による免疫アフィニティクロマトグラフィーにより精製
され、そしていずれの場合も活性及び特異性に関しては
同等である[J.Y.J.ワング、Anal.Biochem.172、1−7
(1988)]。
免疫反応を行う方法はそれ自身既知である[J.Y.J.ワン
グ、Anal.Biochem.172、1−7(1988)]。免疫複合体
は抗体が例えば125Iのような放射性同位元素(RIA)、
例えばセイヨウカラシペルオキシダーゼのような酵素
(ELIZA)、発光物質、金粒子、ビオチン等のような標
識を備えている場合に測定できる。免疫複合体を検出す
る他の好適な方法は免疫原、即ちチロシン残基を含むポ
リペプチドに、抗体を標識する代わりに、上記のような
標識、好適には酵素を含む免疫原を与えることである。
他方、免疫複合体は第一の抗体に対する第二の抗体を用
いて測定できる。第一の抗体がマウスの抗ホスホチロシ
ンの場合は、第二の抗体は例えば、山羊により産生され
た抗マウス抗体である。該第二の抗体は類似の標識が付
与されていることが好ましい。
チン、プロテインA等のような既知の標識物質は総て原
理的に標識として適当である。金で標識された抗体はそ
の検出が極めて高感度であるから、本発明による方法に
おいて都合良く使用できることが見出された。更に銀で
信号を増強することにより一層の感度の増大が達成でき
る。免疫金(immunogold)測定方法及び銀増強方法の使
用はM.モアマンズ(Moeremans)等、J.Immuno.Meth.7
4、353−360(1984)に記載されている。適当な金標識
抗体は商業的に入手することができ、増強に適当な銀試
薬も同様である。(銀)金信号はデンシトメトリーによ
って定量することができる。
系内のチロシンキナーゼの燐酸化活性を測定するのに都
合良く使用することができる。特に、本方法は蛋白質チ
ロシンキナーゼ(PTK)、即ち、蛋白質基質内のチロシ
ンの燐酸化を触媒する酵素の活性の測定に関する。
ノシン三燐酸塩(ATP)又はグアノシン三燐酸塩(GTP)
が必要である。これらの燐酸塩、特にATPは又本発明に
よる方法に好適に使用される。ATPの量及び濃度は実際
的な必要量に適応することができ、32P−ATPを用いる既
知の測定法で得られる量よりもかなり高い(例えば1m
M)。
に対して燐酸化された形態で抗体が誘発される任意のポ
リペプチドであることができる。ポリペプチドは又チロ
シン以外のアミノ酸残基、例えばグルタミン酸、アスパ
ラギン酸、アラニン等の残基を含むことが好ましい。ラ
ンダムなアミノ酸配列を有し、そしてチロシン残基以外
にグルタミン酸残基を含むポリペプチドが容易に燐酸化
され、及び従って抗体により複合体化する(認識され
る)ことが見出された。使用し易いポリペプチドは例え
ばランダム構造を有するポリGluNa/Tyr(4:1)(PGT)
である。
の不規則性の発生に関連している可能性がある、チロシ
ンホスァターゼの脱燐酸化活性を測定するためにも使用
できる。ホスホチロシンの脱燐酸化のための燐酸塩受容
体は例えばアデノシン二燐酸塩(ADP)又はグアノシン
二燐酸塩(GDP)であってもよいが、水又は他の物質も
通常測定媒体中に存在する。燐酸化の場合に環境を維持
する際に、ホスファターゼ反応の基質はそれに対して抗
体を誘発できる任意のホスホチロシンを含むポリペプチ
ドであってもよい。この目的のためには、キナーゼ測定
に使用できるチロシンを含むポリペプチドで、そのチロ
シン残基の少なくとも幾分かが燐酸化されているポリペ
プチド、例えばグルタミン酸及びホスホチロシンを含む
合成ポリペプチドが使用できる。キナーゼ又はホスファ
ターゼの測定は標準的な媒体中で、及びこうした分析に
は標準的な条件下で行うことができる。燐酸化反応は試
料、基質及び培地成分の混合物にATPを添加することに
より開始できる。反応はエチレンジアミン四酢酸(EDT
A)及び/又はエチレングリコールビス−(2−アミノ
エチルエーテル)N,N,N′,N′−四酢酸(EGTA)のよう
な阻害剤を添加することにより停止することができる。
ャリヤーに付着させることができ、そして抗体と接触さ
せることができ、その後で免疫複合体が定性的に又は定
量的に測定される。その代わりに、酵素反応が行われる
前にポリペプチド基質を固体キャリヤーに付着させ、そ
の後で更に上記のような方法に従って測定が行われる。
燐酸化されたポリペプチドを含む混合物は固体化された
抗体と接触させることができ、次いで第二の抗体で処理
され、そして分析される。前述のように抗体の代わりに
ポリペプチドを標識して、固定化された抗体と反応させ
ることも可能である。
を組み込んでいるポリペプチドを利用することもでき
る。前記の追加抗原に対する追加抗体を使用することに
より、免疫複合体のための他の固定法の可能性が得られ
る。
る酵素を用いて得られる結果から、又はホスホチロシン
含量が既知であるホスホチロシン含有ポリペプチドを標
準として校正曲線を描くことができる。
合わせ(“キット”)に関する。本発明によるキットは
少なくとも一種のチロシン含有ポリペプチド又はホスホ
チロシン含有ポリペプチド及びホスホチロシン抗体を含
む蛋白質を含んでいる。該抗体は好適には単一特異性で
あり、そして例えば単クローン性のマウスの抗ホスホチ
ロシンである。抗体は例えば金標識により標識すること
もできる。キットは又第一の抗体に対する第二の抗体、
及びでき得れば更に金標識の増強剤としての銀等のよう
な免疫複合体を測定するための試薬を含んでいてもよ
い。
体及び燐酸化(脱燐酸化)反応の阻害剤をも含むことが
好都合である。更にキットはポリペプチドを固定化する
ためのキャリヤー、例えばポリ弗化ビニリデン膜を含む
こともできる。
あり、チロシン含有ポリペプチド及び又ATPのような燐
酸塩供与体を含んでいる。キットは又ホスファターゼ活
性の測定を目的としていてもよく、その場合はホスホチ
ロシン含有ポリペプチドを含んでいる。
説明書も含んでいる。
(Immobilon)]はミリポア(Millipore)[ベッドフォ
ード(Bedford)、MA、USA]から購入した;牛血清アル
ブミン(BSA)及び28,500の平均分子量を有するポリグ
ルタメート−チロシン(PGT)はシグマ(Sigma)[セン
トルイス(St.Louis)、MO、USA]から入手した。[γ
−32P]ATP(10−40Ci/mモル)はニューイングランド・
ニュクレア(New England Nuclear][バークレー(Bar
keley)、CA、USA]製であり、未標識のATPはベーリン
ガー(Boehringer)[マンハイム(Mannheim)、FRG]
製であった。銀増強法を用いる免疫金染色法の試薬はジ
ャンセン(Janssen)[ベールス(Beerse)、ベルギ
ー]製であった。ホスホチロシン残基に対する単クーロ
ン性抗体(モノクロナール1G2)はオンコジーン・サイ
エンス(Oncogene Science)[マンハセット(Manhasse
t)、NY、USA]製であった。総ての他の試薬は分析用の
純度のものであった。
癌の細胞質ゾル抽出物をPTK活性の原料として使用し
た。肥大を有する若い患者からの乳房組織試料は、乳房
縮小形成術を行う際に得られた。組織学的検査によれ
ば、これらの組織は何等の異常を呈さず、従って正常の
乳房細胞と見なされた。手術後に得られた生検材料は直
ちに−80℃に冷却され、使用されるまで貯蔵された。細
胞質ゾル抽出物は0.25Mスクロース、10mM MgCl2、1mM E
DTA、1mMジイソロピルフルオロホスフェート、1mMフェ
ニルメタンスルホニルフルオライド、1mMジチオトレイ
トール及び0.5mg/mlアプロチニンを含むpH7.4の10mMト
リス−HCl中で、腫瘍細胞をホモゲナイズすることによ
り製造された。破片及び核は4℃で10分間800gで遠心す
ることにより除去された。細胞質ゾルは超遠心(150,00
0g、30分間4℃)により単離されて、分析の際にPTK活
性の原料として使用された。
の測定: 合成基質のチロシン燐酸化はブラウン(Braun)等
[J.Biol.Chem.259、2051−2054(1984)]の方法の変
形法を用いて測定された。PTK活性は50mMトリス/HCl、p
H7.5、20mM酢酸Mg、5mM NaF、0.2mM EDTA、0.8mMエチレ
ンジオキシ−ビス(エチレンニトリロ)四酢酸(EGT
A)、30μm Na3VO4、1mMジチオトレイトール、167μmPG
T(5mMチロシン残基に相当)及び3μgの試料蛋白質を
含む合計64μlの容積中で20℃で測定された。反応は0.
75Ci/mモルの比放射能を有する50μMの[32P]ATPを添
加することにより開始された。12分後に17.5mM AtP及び
70mM EDTAを含む25μlの溶液を添加することにより反
応を停止させた。反応の停止後、混合物のアリコートを
ワットマン(Whatmann)3MM濾紙上に置き、TCAで沈澱さ
せ、10%のTCA及び100mM PP1で徹底的に洗浄した。濾紙
円板をエタノール/エーテル(1:1)、及び次いでエー
テル中で洗浄し、空気中で乾燥した。標識の取り込みは
液体シチレーション計数により定量的に測定された。チ
ロシンキナーゼ活性は、PGT基質の不存在の時に上記の
ようにして測定された内因性(endogenous)蛋白質のバ
ックグラウンド燐酸化を差し引くことにより計算され
た。PTK活性はpモルATP/分/mg蛋白質として表示され
た。蛋白質含量はローリー(Lowry)等[J.Biol.Chem.1
39、265−275(1951)]に従って測定された。
含む乳癌から得られた細胞質ゾル蛋白質200μgを、1.2
mlの容積のチロシンキナーゼ緩衝液(上記参照)中で4
℃で22時間インキュベートすることにより製造された。
燐酸化は25mMのETDA/EGTA(最終濃度)を添加すること
により停止させた。混合物を小さいアリコートに分割
し、標準物として使用される時まで−70℃で貯蔵され
た。
(上記参照)に従って取り込まれた燐酸塩を定量的に測
定するために、同一条件下で平行して行われた。取り込
みは1モルのチロシ化残基当たり3.5mモルとして計算さ
れた。
t)分析: PTK活性は、50mMトリス/HCl、pH7.5、20mM酢酸Mg、5m
M NaF、0.2mM EDTA、0.8mM EGTA、30μm Na3VO4、300μ
M ATP、50μmPGT(1.8mM Tyr残基に相当)及び3μgの
試料蛋白質を含む30μlの混合物中で測定された。37℃
で1時間インキュベート後、175mM EDTA及び175mM EGTA
の溶液を5μl添加して反応を停止させた。混合物を14
0μlの水で希釈し、その後25μlの量の混合物を斑点
ブロット装置(バイオ−ドット(Bio−Dot)装置、バイ
オラド(Biorad)、リッチモンド、CA、USA]を利用し
てPVDF膜上に置いた。次いでホスホチロシン残基が免疫
金−銀染色法を用いて検出された。占有されなかった膜
の結合部位をブロックし、第一抗体(1G2抗ホスホチロ
シン、2μg/ml)で精査し、夫々の試薬の製造者(ジャ
ンセン、ベルギー)の説明書に従って金標識第二抗体
(山羊抗マウスIgG)の銀増強が行われた。膜を空気中
で乾燥し、ベックマン(Beckman)CDS200デンシトメー
ター中で520nmで斑点を走査することにより、免疫金−
銀信号を定量的に測定した。PTK活性は燐酸化されたPGT
の標準校正曲線から計算された。活性はpモルATP/分/m
g蛋白質として表示された。
PGT及び燐酸化されたPGTを種々の比率で混合することに
よって得られた。合計で5.7μgの(P)−PGTを含む5
μlの量がPVDF膜上に置かれるが、これらの量はPKT測
定に使用された量と対応するものである。免疫金標識の
銀染色及びデンシトメトリーによる定量的測定は、少な
くとも20pモルのホスホチロシンまでは直線的な対応を
与えている(図1)。燐酸化されていないPGTのバック
グラウンド信号は認められなかった。本方法の感度は1.
0pモル以下のホスホチロシンの定量的測定が可能な程度
である。
として乳癌の細胞質ゾル画分のPTK活性を定量的に測定
するために使用された。図2は反応が2.5時間までは直
線的な変化を有することを示している。対照試験では、
EDTA/EGTA(各々25mM)の存在において試験が行われ
た。実際に何等の信号も得られず、燐酸化反応がこれら
の試薬の添加によって完全に遮断されることを示した。
gの試料蛋白質までは酵素活性と直線的な変化を有する
ことを示した(図3)。試料の量がそれより多いと、信
号は横ばい状態になり始める。信号が添加されたPGTの
燐酸化から発するものか、又はチロシンが燐酸化された
内因性蛋白質から出るものか、又は免疫金−銀染色中の
非特異的吸着によるかを決定するために、PGTの不存在
において平行して対照試験が行われた。大量の試料蛋白
質を用いた場合(一回の分析当たり>10μg)のみ顕著
なバックグラウンド染色が認められており、これは信号
における内因性蛋白質の燐酸化及び非特異的吸着の双方
の寄与が定量的に無視できることを示している。
最適な基質濃度が測定された。Kmを測定するために、PD
K校正曲線が:未燐酸化PGTと共に合計の(P)−PGT量
を調節することなく燐酸化されたPGT標準物の量のみを
変える:という他の方式で描かれた。この方法で得られ
た校正曲線は本質的に図1に示された曲線と同一であ
り、このことから基質に対する膜の結合的性質はこれら
の試験において決定的な影響を与えるものではないこと
が明らかである。酵素はATP及びPGTの両者に対して、AT
Pの場合Km=75±13μm及びPGTの場合Km=175±39μm
(チロシル残基の濃度として表示)を有し、通常のミカ
エリス−メンテン(Michaelis−Menten)動力学を示し
た。従って分析の場合、300μM ATP及び1.8mM Tyr(50
μMのPTGに相当)が最適な濃度として選択された。
の「トリクロロ酢酸(TCA)を用いる濾紙分析によりPTK
活性の測定」参照)を本発明による新斑点ブロット分析
と比較した。細胞質ゾル画分を正常な乳房組織(n=
2)、良性の乳房腫瘍(n=3)及び悪性の乳癌(n=
5)から調製し、PTK活性について研究した。二種の測
定方法の比較は図6に示されている。0.98の相関係数を
有する直線的相関が得られた。本発明の方法により測定
された活性は濾紙分析の場合よりも約4倍高かった。こ
の差は主としてインキュベーション温度の差によるもの
であり、基質濃度の差には僅かしかよらない(結果は示
されていない)、実際的な理由として[32P]ATPを用い
るインキュベーションは20℃で行われ、一方本発明の方
法によるインキュベーションは37℃で行われた。両分析
法の低濃度検出限界は同程度である。しかし濾紙分析法
の感度は内因性蛋白質の(恐らく主としてセリン残基に
よる)バックグラウンド燐酸化の程度に大きく依存し
た。上記のように、本発明による測定においてはバック
グラウンド信号は認められなかった。
質を0.5mgのPGT及び0.5mMのATPと共に1.2mlの容積のチ
ロシンキナーゼ緩衝液(実施例1参照)中で20℃で22時
間インキュベートした。110μlの6M TCAを添加するこ
とにより燐酸化を停止させた。4℃で1時間後、生成し
た蛋白質の沈澱を遠心して(5分間、12,000×g)除去
した。ペレットを更に0.6M TCAで三回洗浄した。最終的
なペレットを100μlの1N NaOH中に溶解し、その後25mM
のβ−メルカプトエタノールを含む50mMのヘペス(Hepe
s)、pH7.0、で2mlとした。取り込まれた燐酸塩を測定
するために、[32P]ATPを用いる燐酸化反応がTCA濾紙
法(実施例1参照)に従って同一の条件下で平行して行
われた。取り込みはチロシル残基1モル当たり0.8mモル
と計算された。
胞の全体的な細胞抽出物)は50mMのヘペス、pH7.0、25m
Mβ−メルカプトエタノール、及び15μgの燐酸化され
たPGT(20pモル ホスホチロシル残基に相当)を含む30
μlの混合物中で測定された。反応は37℃で30分間内に
利用可能なホスホチロシル残基の量の3/4以内を脱燐酸
化できる量の試料蛋白質を添加することによって開始さ
れた。37℃で30分間インキュベーション後、0.25mMのNa
3VO4の溶液5μlを添加することによって反応を停止さ
せた。5μlの量の混合物をPVDF膜に移し、実施例1に
よるPTK測定法に記載されたようにしてホスホチロシン
残基の量を定量した。
Claims (9)
- 【請求項1】生物学的物質を夫々チロシン又はホスホチ
ロシンを含むポリペプチド及び夫々放射性未標識の燐酸
塩源又は燐酸塩受容体と接触させ、次いで燐酸化された
ポリペプチドを分析することによる生物学的物質のチロ
シン燐酸化又はホスホチロシン脱燐酸化酵素活性を測定
する方法において、燐酸化されたポリペプチドが、ホス
ホチロシンを含むポリペプチドに対する抗体を使用する
ことにより測定されること及び前記チロシン又はホスホ
チロシンを含むポリペプチド或いは燐酸化されたポリペ
プチドが、前記接触による酵素反応が行われる前又はそ
の後に固体キヤリヤーに付着されることを特徴とする方
法。 - 【請求項2】抗体が標識されていることを特徴とする請
求項1に記載の方法。 - 【請求項3】燐酸化されたポリペプチドを分析するため
に、第二の標識された抗体も使用されることを特徴とす
る請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】チロシン又はホスホチロシンを含むポリペ
プチドが標識されていることを特徴とする請求項1に記
載の方法。 - 【請求項5】一種又は多種の蛋白質のチロシンキナーゼ
の燐酸化活性が測定されることを特徴とする請求項1−
4のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】チロシン含有ポリペプチドが合成ポリペプ
チドであることを特徴とする請求項5に記載の方法。 - 【請求項7】一種又は多種のチロシンホスファターゼの
脱燐酸化活性が測定されることを特徴とする請求項1−
4のいずれかに記載の方法。 - 【請求項8】少なくとも一つのチロシン含有ポリペプチ
ド及び/又はホスホチロシン含有ポリペプチドであっ
て、固体キヤリヤーに付着されていてもよいポリペプチ
ド、放射性未標識の燐酸塩源及び/又は燐酸塩受容体、
ホスホチロシンを含むポリペプチドに対する抗体、並び
にポリペプチドが付着されうる固体キヤリヤーを含む、
生物学的物質のチロシン燐酸化及び/又はホスホチロシ
ン脱燐酸化酵素活性を測定するためのキット。 - 【請求項9】測定を行うのに適当な媒体及び阻害剤のよ
うな他の成分をも含んでいることを特徴とする請求項8
に記載のキット。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
NL8900529A NL8900529A (nl) | 1989-03-03 | 1989-03-03 | Werkwijze en kit voor het bepalen van tyrosine fosforylerende en defosforylerende activiteit. |
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