JP3208598B2 - 着色ポリエチレンテレフタレートフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

着色ポリエチレンテレフタレートフィルムおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、着色ポリエチレンテレ
フタレート(以下PETと略記する)フィルムおよびそ
の製造方法に関する。
【0002】こうした着色フィルムは、ラベル、ステッ
カー、写真製版などに用いられる粘着テープや、光カラ
ーフィルター、印刷・表示・装飾用途の材料として利用
される。
【0003】
【従来の技術】一般に、着色PETフィルムの製造は、
マスターバッチ製膜着色法、コーティング着色法、染色
着色法などによって行われている。
【0004】マスターバッチ製膜着色法は、染料、顔
料、着色剤等を練込んだ樹脂配合を製膜して着色フィル
ムを得る方法であり、たとえばPETに特定のポリスチ
レンと特定の不活性無機化合物とを所定量添加した配合
物を用いて、白色PETフィルムを製膜する方法が知ら
れている(特公昭54−29550号公報参照)。この
方法による着色PETは、白色または黒色のものであっ
て、その他の色調の着色フイルムは、需要量が少なくて
採算が合わず、生産されていない。
【0005】コーティング着色法は、染料、顔料、着色
剤等を添加した樹脂配合物をフィルム上に塗工して着色
フィルムを得る方法である。この方法では、グラビアコ
ーティング、ロールコーティング、スクリーン印刷など
により着色がなされている。染色着色法は、染料を用い
て透明フィルムを染色して着色フィルムを得る方法であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法にはそれぞれつぎのような問題がある。マスターバ
ッチ製膜法では、1)顔料を使用するため透明性が落ち
る、2)少量生産の着色フィルムはコスト高になる、
3)製造ロット間の色目合せが難しい、4)機械が汚れ
るために色替えが難しい、といった問題がある。
【0007】また、コーティング着色法では、1)ご
み、異物、発泡などによりピンホールや筋が部分的に生
じる、2)膜厚差、グラビア、スクリーン版目による色
ムラ、ピンホールなどが部分的に起る、3)コーティン
グ膜でフィルムにカールが起る、4)フィルム全厚が厚
くなる、5)コーティング膜表面の損傷が起りやすい、
といった難点がある。
【0008】染色着色法では、1)加圧高温染色ではフ
ィルムが高温で浸漬処理されるため変形しやすい、2)
加圧高温染色は設備面、エネルギー面で経済的に劣る、
3)溶剤染色は溶剤によるフィルム変形、安全面、作業
環境などの点で多くの問題を有する、といった欠点があ
る。
【0009】本発明は、上記従来技術の諸問題をすべて
克服した着色PETフィルムを提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による着色PET
フィルムは、上記目的を達成すべく工夫されたもので、
白色系無機化合物を含有するPETフィルムであり、白
色系無機化合物はPET樹脂100重量部に対して0.
01〜10重量部含有されており、前記フィルムは分散
染料により染色されており、染色された該フィルムの光
波長領域300から580nmにおける分光光線透過率
が0.3%以下であることを特徴とするものである。
発明によるもう一つの着色PETフィルムは、白色系無
機化合物を含有するPETフィルムであり、白色系無機
化合物はPET樹脂100重量部に対して0.01〜1
0重量部含有されており、前記フィルムは分散染料によ
り染色された0.2〜2.0μmの無数の微細空泡を有
するフィルムであり、染色された該フィルムの光波長領
域300から580nmにおける分光光線透過率が0.
3%以下であることを特徴とするものである。
【0011】また、本発明による着色PETフィルムの
製造方法は、白色系無機化合物を含有し、光波長領域4
00〜700nmにおける分光光線透過率が0.1〜1
5.0%である延伸PETフィルムを、分散染料を染料
とする染色浴に常圧環境下で浸漬することを特徴とする
方法である。この方法において、染色浴の浴温は好まし
くは80〜100℃である。
【0012】本発明方法でフィルム材料として用いられ
るPET樹脂は、主としてエチレンテレフタレート繰り
返し単位から構成されたものであり、融点が260℃以
上のものである。
【0013】こうしたPET樹脂の極限粘度は、溶媒テ
トラクロルエタン−フエノール系で測定して通常0.5
5〜0.70である。
【0014】使用する無機化合物はPET樹脂に対して
不活性な白色系無機化合物であり、その例としては、チ
タン、カルシウム、硅素、バリウムなどの元素を含む化
合物が例示される。白色系無機化合物の代表例として
は、二酸化チタン、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、硫
酸カルシウムなどが挙げられる。白色系無機化合物の含
有量は、PET樹脂100重量部に対し好ましくは0.
01〜10重量部、より好ましくは0.1〜8.0重量
部である。白色系無機化合物の平均粒径は好ましくは
0.1〜20μm、より好ましくは0.1〜10μmで
ある。
【0015】本発明の好適な実施態様においては、白色
系無機化合物と共に空泡助剤が用いられる。空泡助剤と
しては、ポリスチレンなどが例示される。空泡助剤の併
用により、好ましくは0.1〜数十μm、より好ましく
は0.2〜2.0μmの無数の空泡を有するフィルムが
得られる。
【0016】また、PET樹脂組成物には他の重合体、
帯電防止剤、滑剤、防曇剤、染料、顔料などを含有させ
ることもある。
【0017】このようにして混合された組成物は、通常
PETフィルムを製造するのに使用するTダイ法あるい
はインフレーション法により無延伸フィルムに成形さ
れ、白色系無機化合物は無延伸フィルム中に均一に分散
される。続いて該無延伸フィルムは1軸或いは2軸方向
に延伸される。延伸温度はPETの2次転移点温度に従
って設定される。延伸倍率は、好ましくは2〜6倍、よ
り好ましくは3〜5倍である。
【0018】延伸PETフィルムとしては、400〜7
00nm光波長領域で0.1〜15.0%の分光光線透
過率を有するものが好ましい。
【0019】本発明で用いられる染料は、分散染料であ
る。染料には直接染料、酸性染料、塩基性染料、建染染
料、分散染料など種々のものがあるが、PETフィルム
を染色するには分散染料が好適である。
【0020】特に好ましい分散染料としては、ヘキスト
社製のSamaron Golden Yellow HGL 、Samaron Orange H
BR、BASF社製のCelliton Fast Yellow 4RL、Cellit
on Orange R 、Palanil Brown 3REL, palanil Red FRL
、ICI社製のDispersol Red D-B 、バイエル社製のR
esolin Orange 3GL、サンド社製のForon Red SE-B、な
どが例示される。
【0021】加圧高温染色では温度が120〜130℃
程度と高いため、アゾ系、アントラキノン系、ジフェニ
ールアミン系などの分散染料の中から高温に耐える染料
が選ばれる。常圧染色では温度は100℃以下であるた
め、加圧高温染色で使えない染料も使用でき、分散染料
の使用範囲が大幅に拡大される。また、分散染料は単品
で用いても2以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】分散染料を含む染色浴の媒質としては水が
一般的であるが、有機溶媒を用いた溶剤染色も可能であ
る。染色浴における染料の濃度は、好ましくは3〜15
g/リットル、より好ましくは3〜10g/リットルで
ある。染色浴には必要に応じて均染剤、促染剤、紫外線
吸収剤などが添加されることがある。均染剤としてはB
ASF社製のユニペロールW、三菱化成工業社製のダイ
アサーバーDP-Pリキッドなどが例示される。促染剤とし
ては日華化学社製のCL-511、バイエル社製のレベガール
PEW などが例示される。紫外線吸収剤としては日華化学
社製のLP-200、住友化学工業社製のスミポンULなどが例
示される。
【0023】染色浴の温度は好ましくは80〜130
℃、より好ましくは95〜99℃である。染色操作につ
いては、PETフィルムを染色浴に繰り返し通過させ、
累積時間で好ましくは10〜120分間、より好ましく
は10〜30分間染色浴中に浸漬する。こうして、PE
Tフィルムを高濃度に染色して、光波長領域300〜5
80nmの光線を実質的に遮断する着色PETフィルム
を得る。着色PETフィルムの光波長領域300〜58
0nmにおける分光光線透過率は好ましくは0.3%以
下、より好ましくは0.1%以下である。
【0024】
【実施例】
実施例1 PET樹脂100重量部に対し2.0重量部の二酸化チ
タンを加え、樹脂を溶融混練して二酸化チタンを樹脂中
に均一に分散させた。得られた混練物をT型ダイを備え
た溶融押出機を用いて押出成形した。得られた無延伸フ
ィルムを異周速ロール間に通して長さ方向に、さらにテ
ンターを用いて幅方向に延伸した。こうして、厚み25
μm、幅1000mmの延伸フィルムを製し、これを一
旦ロール状に巻き取った。このフィルム色は白色系であ
り、光波長領域550nmにおける分光光線透過率は
3.8%であった。
【0025】つぎに、この延伸フィルム(ダイヤホイル
社製のW100#25)をロールから繰り出しながら、
2g/リットルの非イオン界面活性剤を含む温度60℃
の温水中に1分間浸漬して、フィルムの両面を予備洗浄
した。その後、付着した水分を乾燥してフィルムをロー
ル状に巻き取った。
【0026】分散染料(ヘキスト社製のSamaron Golden
Yellow HGL 2g/リットル、BASF社製のCelliton
Orange R 1g/リットル、およびICI社製のDisper
sol Red D-B 1.5g/リットルの混合染料)に均染剤
(BASF社製のユニペロールW、1g/リットル)お
よび促染剤(日華化学社製製のCL-511、5g/リット
ル)を加え、得られた水溶液を温度98℃に加熱し、均
一濃度の定温染色浴を調製した。
【0027】つぎに、この染色浴に上記予備洗浄フィル
ムをロール架台から繰り出して染色浴中の累積時間で3
0分間浸漬した、その後、フィルム両面に付着した染料
液を拭き取り、染色フィルムを再びロール状に巻き取っ
た。
【0028】最後に、染色フィルムをロールから繰り出
して温度60℃の温水中に1分間浸漬し、染色フィルム
の表面に付着した過剰の染料、均染剤、促染剤などを洗
い流した。ついで、このフィルムを130℃で1分間熱
風乾燥し、その後ロール状に巻き取った。
【0029】得られた染色フィルムは、光波長領域30
0〜520nmの分光光線透過率が0.1%以下のもの
であり、写真製版の感光マスキング材としての性能を有
していると共に、このマスキング材を原図原稿に載せて
も同原稿を透視でき、写真製版作業が容易にできるもの
であった。
【0030】なお、分光光線透過率は日立ダブルビーム
200−10型分光光度計で測定した。
【0031】実施例2 定温染色浴における予備洗浄フィルムの浸漬条件を温度
98℃で染色浴中の累積時間60分間とした以外は実施
例1と同様にして染色フィルムを製した。
【0032】実施例3 実施例1と同様にして製膜した厚み50μm、光波長領
域550nmにおける分光光線透過率0.8%の延伸P
ETフィルム(ダイヤホイル社製のW100#50)を
用い、それ点以外は実施例1と同様にして染色フィルム
を製した。
【0033】実施例4 ポリエチレンテレフタレート樹脂100重量部に対し、
4.0重量部の二酸化チタンと8.0重量部の空泡助剤
(電気化学工業社製、Type HRM、2次転移点温度95
℃)とを添加し、樹脂を溶融混練して二酸化チタンと空
泡助剤を樹脂中に均一に分散させた。得られた混練物を
実施例1と同じ操作でフィルム状に押出成形し、さらに
無延伸フィルムを2軸方向に延伸した。こうして、厚み
25μm、幅1000nm、微細空泡0.2〜2.0μ
m、密度1.1g/cm3 の延伸フィルム(東洋紡績社
製、G1111#25)を製し、これを一旦ロール状に
巻き取った。このフィルム色は白色系であり、光波長領
域550nmにおける分光光線透過率は0.5%であっ
た。
【0034】つぎに、この延伸フィルムを予備洗浄した
後、実施例1と同じ条件で染色した。
【0035】得られた染色フィルムは、光波長領域30
0〜560nmの分光光線透過率が0.1%以下のもの
であり、写真製版の感光マスキング材としての性能を十
分に有していると共に、このマスキング材を原図原稿に
載せて同原稿を透視できる透視性は、実施例1および実
施例2の微細空泡を有していない白色PETに比べやや
劣るものの、写真製版作業を行うに十分なものであっ
た。
【0036】比較例1 染色すべき延伸フィルムとして、二酸化チタンを含まな
いPET樹脂から実施例1と同じ手法で得られた、光波
長領域550nmにおける分光光線透過率88%の透明
PETフィルム(ダイヤホイル社製のT100#25)
を用い、それ以外は実施例1と同様にして染色フィルム
を製した。
【0037】比較例2 比較例1で用いた透明PETフィルムを実施例2と同じ
操作で染色処理して、染色フィルムを製した。
【0038】比較例3 加圧下で温度120℃に加熱した定温染色浴を調製し、
比較例1で用いたのと同じ透明PETフィルムを実施例
2と同様の操作で上記染色浴に浸漬した。その後、フィ
ルム表面の水分を拭き取り、フィルムをメチルエチルケ
トン常温槽で瞬間洗浄し、生じたオリゴマーなどの熱分
解不溶解物を除去した。ついで、溶剤を揮発させ、さら
に水溶性付着物を除くために水洗をして、温度130℃
で1分間フィルムを熱風乾燥させ、ロール状の染色フィ
ルムを得た。
【0039】得られた染色フィルムは光波長領域が30
0〜550nmの分光光線透過率が0.1%以下のもの
であり、写真製版の感光マスキング材としての性能を有
していると共に、このマスキング材を原図に載せても良
く透視でき写真製版作業できるものであった。
【0040】しかし、このような加圧高温染色において
は加圧定温染色浴槽に多大な設備費がかかる。また、上
述の如くPETフィルムからオリゴマーなどの熱分解不
溶解物が多量に生じ、これが染料や助剤と結合してフィ
ルム表面に付着する。そのため、この不溶解物を落とす
のに、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチルなど
の有機溶剤による洗浄が必要となり、洗浄工程が煩雑に
なると共に、火気に対する危険性、作業環境の改善のた
めの設備が必要となり、経済性が著しく低下するという
欠点があった。
【0041】また、オリゴマーなどの熱分解物は染色浴
槽にも付着し、浴槽を洗うための経費が増大し、生産性
を著しく低下させる原因となった。
【0042】性能評価 実施例および比較例で得られた各染色フィルムについ
て、分光光線透過率の測定結果、遮光性、経済性、作業
性の評価を表1に纏めて示す。
【0043】
【表1】 表中、◎は優、○は良、△は可、×は不可をそれぞれ意
味する。
【0044】
【発明の効果】本発明による着色PETフィルムは上述
の如く構成されているので、つぎのような顕著な効果が
期待される。
【0045】・PETフィルムの染料着色は分散染料の
温水溶液により可能である。
【0046】・白色系無機化合物を含有しているPET
フィルムは、常圧低温で短時間にかつ高濃度に着色でき
る。
【0047】・白色PETフィルムに微細空泡を含有せ
しめた場合には、染着効果がより一層高められる。
【0048】・白色PETフィルムを染色した着色フィ
ルムおよび、微細空泡を含む白色PETフィルムを染色
した着色フィルムは、いずれも透明PETフィルムと同
じ光波長領域を光遮断し、かつ、同色濃度に染着する生
産性、経済性などの点で下記の利点を有する: 1) トータル染色加工時間が大幅に短縮できるため、エ
ネルギー節減と生産スピードが向上し、人件費などのコ
ストが節減できる。
【0049】2) 低温染着が可能であるので、染色加工
時のフィルムの熱変形が少なく、また、エネルギー節減
ができる。
【0050】3) 白色系無機化合物の添加量により同一
染色条件でも光遮光性や着色濃度の違う染色フィルムの
生産ができる。
【0051】4) 染料の染色浴槽が常圧加温設備で構成
できるので、設備が安くて安全性の高い染色加工ができ
る。
【0052】5) 透明フィルムを用いる従来の加圧高温
染色においては、比較例3で述べた如く、PETフィル
ムからオリゴマーなどの熱分解不溶解物が多量に生じ、
これが染料や助剤と結合してフィルム表面に付着する。
そのため、この不溶解物を落とすのに、メチルエチルケ
トン、トルエン、酢酸エチルなどの有機溶剤による洗浄
が必要となり、洗浄工程が煩雑になると共に、火気に対
する危険性、作業環境の改善のための設備が必要とな
り、経済性が著しく低下するという欠点があった。
【0053】また、オリゴマーなどの熱分解物は染色浴
槽にも付着し、浴槽を洗うための経費が増大し、生産性
を著しく低下させる原因となった。
【0054】これに対し、本発明ではPETフィルムの
高濃度染色が常圧染色で行えるため、上記のような熱分
解不溶解物の発生が少なく、また、分散染料も安定に維
持できる。その結果、実施例1で示す如く、簡単な洗浄
で仕上げを行うことができ、上記のような火気に対する
危険性や、作業環境の改善の配慮の必要もなく、安全
性、経済性を著しく増大することができる。また、染色
浴槽には熱分解物の付着はなく、染浴槽を洗う必要がな
い。
【0055】6) 透明PETフィルムの加圧高温染色で
は温度が温度120℃と高いためアゾ系、アントラキノ
ン系、ジフェニールアミン系などの分散染料の中から高
温に耐える染料を選定することが必要であった。これに
対し、本発明ではPETフィルムの高濃度染色が常圧染
色で行えるため、染料の選定範囲を大幅に拡大すること
ができる。
【0056】・かくして、本発明によれば、白色系無機
化合物を含有したポリエチレンテレフタレートフィルム
を分散染料により染色することにより、ラベル、ステッ
カー、写真製版などに用いられる粘着テープや、光カラ
ーフィルター、印刷・表示・装飾用途の材料として利用
されるカラフルな着色フィルムを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // G03F 1/06 G03F 1/06 H (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 D06P 1/673 D06P 3/00 D06P 3/54 D06P 5/00 G03F 1/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】白色系無機化合物を含有するポリエチレン
    テレフタレートフィルムであり、白色系無機化合物はポ
    リエチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して
    0.01〜10重量部含有されており、前記フィルムは
    分散染料により染色されており、染色された該フィルム
    の光波長領域300から580nmにおける分光光線透
    過率が0.3%以下であることを特徴とする、着色ポリ
    エチレンテレフタレートフィルム。
  2. 【請求項2】白色系無機化合物を含有するポリエチレン
    テレフタレートフィルムであり、白色系無機化合物はポ
    リエチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して
    0.01〜10重量部含有されており、前記フィルムは
    分散染料により染色された0.2〜2.0μmの無数の
    微細空泡を有するフィルムであり、染色された該フィル
    ムの光波長領域300から580nmにおける分光光線
    透過率が0.3%以下であることを特徴とする、着色ポ
    リエチレンテレフタレートフィルム
  3. 【請求項3】白色系無機化合物を含有し、光波長領域4
    00〜700nmにおける分光光線透過率が0.1〜1
    5.0%である延伸ポリエチレンテレフタレートフィル
    ムを、分散染料を染料とする染色浴に常圧環境下で浸漬
    することを特徴とする、分散染料により染色された着色
    ポリエチレンテレフタレートフィルムの製造方法
  4. 【請求項4】染色浴の浴温が80〜100℃であること
    を特徴とする、請求項3記載の分散染料により染色され
    着色ポリエチレンテレフタレートフィルムの製造方
    法。
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