JP3207970U - ホログラムを施されたシート状物及びホログラムを施されたシート状物を用いた装身物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホログラムを背景とした鮮明な昇華転写による図柄が表面に施されているシート状物を提供する。【解決手段】ホログラム層を構成する合成樹脂製フィルム1の表面に、直接に昇華転写により図柄が表現され、外面からホログラム模様が呈されるように、合成樹脂製フィルムの裏面には金属蒸着層2が被着形成されている。金属蒸着層2の裏面には布3が、ホットメルト接着剤4を介して金属蒸着層に一体的に取り付けられている。【選択図】図1
Description
本考案はホログラムを背景にした鮮明な図柄を表現可能なホログラムを施されたシート状物及びホログラムを施されたシート状物を用いた装身物に関する。
ホログラム模様を施した物は、ホログラム層を具備するホログラム転写シートを用いて紙等の被転写物に転写し、被転写物にホログラム模様を施すことが一般的であった(例えば、特許文献1、2又は4参照)。このホログラム転写シートを用いる方法であると、離型紙を必要としていた。
又、ホログラム模様を呈する布として、模様を有する布の表面にホログラム形成層を具備する転写シートで転写し、ホログラム形成層の下方から布に施された模様が見えるようにしたリバーシブル布地が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特許文献3には、金属蒸着層を有するホログラム形成層を具備した転写シートを用い、布の表面にホログラム形成層を転写しようとするものであり、模様は予め最下層に位置する布地表面にプリント等により施しておく必要性がある。そのため、鮮明な図柄が後に付加表現できないという問題点があった。又、布に施した柄がホログラム形成層を介して視認できるようにしているので、図柄がホログラム模様に遮蔽され布に表現した柄がそのまま表出できなず、図柄が不鮮明になるという問題点があった。
熱転写受像シートとしては、裏面層上に基材層を設け、基材層の上にアルミニウム蒸着層を具備するホログラムフィルム層を、その上にウレタン樹脂等からなる中間層を、更に最上層には飽和ポリエステルと塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体との混合樹脂等よりなる受容層を順次接着積層し、最下層の裏面層上面に絵柄を施したり、中間層に染料を加えて全体を有彩色にすることが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特許文献4に開示の発明であると、上記特許文献1に開示の発明と同様に、最下層の裏面層に予め表現しておく必要性があり、後に付加することが出来ず、中間層や上層により裏面層に施した柄が遮蔽され、裏面層の柄が鮮明に表出されないという問題点があった。
ホログラム層上に印刷を施し、印刷インクの濃淡によってホログラム面から表出される視覚性を変化させるようにした印刷物が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
特許文献5に開示の発明であると、ホログラム面に予め直接的にインクジェット印刷等の印刷により柄を表現し、更に上面に保護フィルムを積層するようにしている。通常、印刷には基材に紙を使用するため、洗濯等に耐久性がなく、又、ホログラム層に直接印刷をするため、例えば雨模様状のホログラム面であると印刷面が雨模様に変化するというように、印刷された絵柄がホログラムの視覚性変化を直接的に影響を受けるという問題点があった。
又、ホログラム模様を呈する布として、模様を有する布の表面にホログラム形成層を具備する転写シートで転写し、ホログラム形成層の下方から布に施された模様が見えるようにしたリバーシブル布地が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特許文献3には、金属蒸着層を有するホログラム形成層を具備した転写シートを用い、布の表面にホログラム形成層を転写しようとするものであり、模様は予め最下層に位置する布地表面にプリント等により施しておく必要性がある。そのため、鮮明な図柄が後に付加表現できないという問題点があった。又、布に施した柄がホログラム形成層を介して視認できるようにしているので、図柄がホログラム模様に遮蔽され布に表現した柄がそのまま表出できなず、図柄が不鮮明になるという問題点があった。
熱転写受像シートとしては、裏面層上に基材層を設け、基材層の上にアルミニウム蒸着層を具備するホログラムフィルム層を、その上にウレタン樹脂等からなる中間層を、更に最上層には飽和ポリエステルと塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体との混合樹脂等よりなる受容層を順次接着積層し、最下層の裏面層上面に絵柄を施したり、中間層に染料を加えて全体を有彩色にすることが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特許文献4に開示の発明であると、上記特許文献1に開示の発明と同様に、最下層の裏面層に予め表現しておく必要性があり、後に付加することが出来ず、中間層や上層により裏面層に施した柄が遮蔽され、裏面層の柄が鮮明に表出されないという問題点があった。
ホログラム層上に印刷を施し、印刷インクの濃淡によってホログラム面から表出される視覚性を変化させるようにした印刷物が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
特許文献5に開示の発明であると、ホログラム面に予め直接的にインクジェット印刷等の印刷により柄を表現し、更に上面に保護フィルムを積層するようにしている。通常、印刷には基材に紙を使用するため、洗濯等に耐久性がなく、又、ホログラム層に直接印刷をするため、例えば雨模様状のホログラム面であると印刷面が雨模様に変化するというように、印刷された絵柄がホログラムの視覚性変化を直接的に影響を受けるという問題点があった。
本考案は上記従来技術の問題点を解決するために布を基材の一部に用いること、及び、ホログラム転写シートを用いることなく、ホログラム層の構成要素の一部である金属蒸着層が被着された合成樹脂製フィルムの外面に直接に昇華転写により図柄を転写して表現することでホログラム模様を背景にし表面に昇華転写による鮮明な図柄を表出した多目的に使用できる用途の広いホログラムを施されたシート状物及びホログラムを施されたシート状物を用いた装身物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願の請求項1に係る考案は表面に昇華転写による図柄を表現されるホログラムを施されたシート状物であって、合成樹脂製フィルムの裏面に金属蒸着層が被着されてホログラム層が形成され、金属蒸着層の裏面には接着剤を介在させて布が重合接着され、合成樹脂製フィルムの表面に昇華転写により図柄が施されてなることを特徴とする。
請求項2に記載の考案は、表面に昇華転写による図柄を表現されたホログラムを施されたシート状物であって、合成樹脂製フィルムの裏面に金属蒸着層が被着されたホログラム層が形成され、前記金属蒸着層の裏面には接着剤を介在させて裏面側合成樹脂製フィルムを接着積層し、該裏面側合成樹脂製フィルムの裏面には接着剤を用いないで布を重合接着して積層し、前記表面側合成樹脂製フィルムの表面に昇華転写により絵柄が施されてなることを特徴とする。
請求項3に記載の考案は、表面及び裏面の両面に昇華転写による図柄を表現されたホログラムを施されたシート状物であって、合成樹脂製フィルムの内側面に金属蒸着層が被着されてなるホログラム層、接着剤、合成樹脂製フィルム、布、合成樹脂製フィルム、接着剤、合成樹脂製フィルムの内側面に金属蒸着層が被着形成されてなるホログラム層を順次積層して一体的に形成し、前記ホログラム層の合成樹脂製フィルムの外側面に昇華転写により図柄が施されてなることを特徴とする。
請求項4に記載の考案は、表面及び裏面の両面に昇華転写による図柄を表現されたホログラムを施されたシート状物であって、合成樹脂製フィルムの内側面に金属蒸着層が被着されてなるホログラム層と別の合成樹脂製フィルムの内側面に金属蒸着層が被着されてなるホログラム層との間に接着剤を介在させて重合接着し、前記合成樹脂製フィルムの外側面に昇華転写により図柄が施されてなることを特徴とする。
請求項5に記載の考案は、請求項1、2、3又は4の何れかに記載のホログラムを施されたシート状物を構成する合成樹脂製フィルムが、ポリエステル系樹脂製フィルムであることを特徴とする。
請求項6に記載の考案は、請求項1、2、3、4又は5の何れかに記載のホログラムを施されたシート状物の接着剤がホットメルト接着剤であることを特徴とする。
請求項7に記載の考案は、上記請求項1、2、3、4、5又は6の何れかに記載のホログラムを施されたシート状物を用いた装身物であって、シート状物を所望形状に切断し、且つ周縁を縁かがりをし、縫製或は貼着により鞄や衣服に取り付けたことを特徴とする。
請求項2に記載の考案は、表面に昇華転写による図柄を表現されたホログラムを施されたシート状物であって、合成樹脂製フィルムの裏面に金属蒸着層が被着されたホログラム層が形成され、前記金属蒸着層の裏面には接着剤を介在させて裏面側合成樹脂製フィルムを接着積層し、該裏面側合成樹脂製フィルムの裏面には接着剤を用いないで布を重合接着して積層し、前記表面側合成樹脂製フィルムの表面に昇華転写により絵柄が施されてなることを特徴とする。
請求項3に記載の考案は、表面及び裏面の両面に昇華転写による図柄を表現されたホログラムを施されたシート状物であって、合成樹脂製フィルムの内側面に金属蒸着層が被着されてなるホログラム層、接着剤、合成樹脂製フィルム、布、合成樹脂製フィルム、接着剤、合成樹脂製フィルムの内側面に金属蒸着層が被着形成されてなるホログラム層を順次積層して一体的に形成し、前記ホログラム層の合成樹脂製フィルムの外側面に昇華転写により図柄が施されてなることを特徴とする。
請求項4に記載の考案は、表面及び裏面の両面に昇華転写による図柄を表現されたホログラムを施されたシート状物であって、合成樹脂製フィルムの内側面に金属蒸着層が被着されてなるホログラム層と別の合成樹脂製フィルムの内側面に金属蒸着層が被着されてなるホログラム層との間に接着剤を介在させて重合接着し、前記合成樹脂製フィルムの外側面に昇華転写により図柄が施されてなることを特徴とする。
請求項5に記載の考案は、請求項1、2、3又は4の何れかに記載のホログラムを施されたシート状物を構成する合成樹脂製フィルムが、ポリエステル系樹脂製フィルムであることを特徴とする。
請求項6に記載の考案は、請求項1、2、3、4又は5の何れかに記載のホログラムを施されたシート状物の接着剤がホットメルト接着剤であることを特徴とする。
請求項7に記載の考案は、上記請求項1、2、3、4、5又は6の何れかに記載のホログラムを施されたシート状物を用いた装身物であって、シート状物を所望形状に切断し、且つ周縁を縁かがりをし、縫製或は貼着により鞄や衣服に取り付けたことを特徴とする。
ホログラム転写シートにより転写した物品に昇華転写をするのではなく、直接、鮮明な昇華転写が可能なポリエステル系樹脂よりなるフィルムに昇華転写をすることで、鮮明な図柄が表現できるという効果がある。
直接、ホログラム層の金属蒸着層とは反対面に昇華転写をするため、離型紙等が不要であり、作業性が向上するという効果がある。
基材に布を使用しているため、好みの形状に切断してバッグや衣服等に直接縫着することが可能で、耐洗濯性に優れ、例えば衣服への装飾部品等、用途が拡大するという効果がある。
直接、ホログラム層の金属蒸着層とは反対面に昇華転写をするため、離型紙等が不要であり、作業性が向上するという効果がある。
基材に布を使用しているため、好みの形状に切断してバッグや衣服等に直接縫着することが可能で、耐洗濯性に優れ、例えば衣服への装飾部品等、用途が拡大するという効果がある。
合成樹脂製フィルムと布とは熱溶着で重合接着し、金属蒸着層と合成樹脂製フィルムとはホットメルト接着剤層を介在させることで過熱加圧作業で一体的に積層し、ホログラム層のホログラムを表出する合成樹脂製フィルムの表面に図柄を直接昇華転写することでホログラムを背景にした鮮明な図柄の表現を実現した。
図1及び図2に基いてホログラムを施されたシート状物の実施例を説明する。合成樹脂製フィルム1としてポリエチレンテレフタレートフィルム(以下「PETフィルム」という)等のポリエステル系合成樹脂製フィルムを用いる。合成樹脂製フィルム1の裏面にはアルミニウム等よりなる金属蒸着層2を被着形成している。合成樹脂製フィルム1の外面からはホログラム模様が呈されている。ホログラム模様は、金属蒸着層2の構造よりレインボー状模様、3cmレンズ状模様、7色レンズ状模様、10cmレンズ状模様、クリスタル模様、ハイパー模様、ダスト状模様、筋状(雨状)模様、モザイク模様等の如何なる模様を呈するものであってもよい。金属蒸着層2の裏面には布3が、接着剤4を介して金属蒸着層2に一体的に取り付けられている。布3はポリエステル繊維等の合成繊維よりなる不織布を用いることが好適であるが、綿、麻、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、合成繊維と天然繊維との混紡、或は獣毛繊維の何れであってもよく、又、織物であってもよい。接着剤4はホットメルト接着剤であり、具体的にはポリアミド系接着剤を用いることが好適である。ポリエステル系樹脂製フィルム1の表面には昇華転写により絵柄が施されている。
図2に示すホログラムを施されたシート状物を用いた装身物は、布3、接着剤4、金属蒸着層2及び合成樹脂製フィルム1が一体的に積層されてなる積層体を所望形状に切断し、周縁を縁かがりの目的でメロー仕上げ5をして形成されている。布3を被取着物である布製バッグや衣服等の表面に当接させ、メロー仕上げ5の部分に沿って縫い目を設けて縫着するか、不織布3の外面に接着剤を塗着して被取着物である皮革製若しくは合成樹脂製バッグや衣服等の表面に接着して取り付けて装飾目的に使用することができる。
次に、図3〜図7を参照にして実施例1のホログラムを施されたシート状物の製造方法について説明する。先ずは、図3に示すように、PETフィルムよりなる合成樹脂製フィルム1の裏面に金属蒸着層2を被着形成して2層よりなる積層体を製造する。次に、図4に示すように、ポリエステル繊維製不織布よりなる布3の表面にホットメルト接着剤4を均一に塗着し布3と接着剤4よりなる2層の積層体を製造する。図5に示すように、布3と接着剤4よりなる2層の積層体の表面に裏面に金属蒸着層2を具備する合成樹脂製フィルム1の裏面を重合し熱圧着し、布3、接着剤4、金属蒸着層2及び合成樹脂製フィルム1よりなる4層積層体を得る。図6に示すように、4層積層体のポリエステル系樹脂製フィルム1の表面に昇華転写シート6を重ね合わせ、転写する図柄により加熱温度は異なるが約180℃程度の温度で加熱し加圧する。図7に示すように、昇華転写シート6を1の合成樹脂製フィルム1の表面から剥離して、合成樹脂製フィルム1の表面に絵柄を転写してホログラムを施されたシート状物を得る。得られた製品は、合成樹脂製フィルム1の表面に昇華転写により鮮明な図柄が表現でき、裏面に布3が一体的に取り付けられているので、洗濯等の物理的刺激に対し耐久性を有し、製品を所望形状に切断し、周囲にメロー仕上げを施すことで片面にホログラム模様を背景にし、表面には鮮明な図柄が表出しているワッペン等としてバッグや衣服等に直接縫着或は接着剤を用いて貼着できる。最も裏面側に配設される布3に接着剤を介在させて別の不織布を重合接着し、基布の硬度を高めることも本願考案に包含される。
実施例1は、ポリエステル系樹脂製フィルムである合成樹脂製フィルム1、つまり高分子フィルムの表面に直接的に昇華転写を行うため、ホログラム模様を背景にした鮮明な画像が転写されたシート状物を得ることができる。従来のように、ホログラム層を具備する転写シートで布にホログラム層を転写する必要性がないため、作業性が向上する。
実施例1は、ポリエステル系樹脂製フィルムである合成樹脂製フィルム1、つまり高分子フィルムの表面に直接的に昇華転写を行うため、ホログラム模様を背景にした鮮明な画像が転写されたシート状物を得ることができる。従来のように、ホログラム層を具備する転写シートで布にホログラム層を転写する必要性がないため、作業性が向上する。
図8に示されるホログラムを施されたシート状物の実施例2を説明する。合成樹脂製フィルム7の裏面に金属蒸着層8が被着されてホログラム層を形成している。合成樹脂製フィルム7には、ポリエステル系樹脂製フィルムを使用する。金属蒸着層8の裏面には、ホットメルト接着剤9を介在してポリエステル系の合成樹脂製フィルム10が一体的に積層されている。合成樹脂製フィルム10の裏面にはポリエステル繊維からなる不織布11が接着剤を用いることなく加熱による溶着で一体的に被着積層されている。つまり、布11、合成樹脂製フィルム10、接着剤9、金属蒸着層8及び合成樹脂製フィルム7が下から順に積層された5層積層体に形成され、合成樹脂製フィルム7の外面に昇華転写による図柄が施されている。不織布よりなる布11には、接着剤を用いて別の不織布よりなる布を接着し、布11の強度を高めることも本願考案に包含され。合成樹脂製フィルム7の表面には、昇華転写により図柄が施されている。
図9〜図12を参照にして実施例2のホログラムを施されたシート状物の製造方法について説明する。先ず、図9に示すように、合成樹脂製フィルム7の裏面に金属蒸着法により金属蒸着層8を被着形成する。金属蒸着層8の裏面にはホットメルト接着剤9を介在させて合成樹脂製フィルム10を接着している。図10に示すように、合成樹脂製フィルム10の裏面にポリエステル繊維よりなる不織布の布11を重合し、加熱加圧により合成樹脂製フィルム10の裏面にポリエステル繊維よりなる不織布製の布11を溶着して、布11、合成樹脂製フィルム10、接着剤9、金属蒸着層8、及び合成樹脂製フィルム7よりなる5層の積層体を得る。この5層の積層体の合成樹脂製フィルム7の表面に昇華転写シート6を載置した状態で加熱及び加圧をし、図12に示すように昇華転写シート6を合成樹脂製フィルム7の表面から剥離する。得られた製品は、合成樹脂製フィルム7の表面に鮮明な図柄が施され、背景にはホログラム模様を有する装飾性の高い製品であった。
図13に示されるホログラムを施されたシート状物の実施例3を説明する。ポリエステル系樹脂製フィルムよりなる合成樹脂製フィルム12、金属蒸着層13、ホットメルト接着剤14、ポリエステル系樹脂製フィルムよりなる合成樹脂製フィルム15、布16、ポリエステル系樹脂製フィルムよりなる合成樹脂製フィルム17、接着剤18、金属蒸着層19、ポリエステル系樹脂製フィルムよりなる合成樹脂製フィルム20が順に重合積層されて一体化し9層積層体を形成している。ポリエステル系樹脂製フィルムよりなる合成樹脂製フィルム12及びポリエステル系樹脂製フィルムよりなる合成樹脂製フィルム20の外面には夫々昇華転写により鮮明な図柄が表現されている。
このシート状物は所望形状に切断して周囲をメロー仕上げ等の縁かがり加工をすることで、より装飾性が高まる。断面中心部にポリエステル繊維よりなる不織布の布16が配設されていることで縫製することが可能である。ポリエステル系樹脂製フィルムよりなる合成樹脂製フィルム12とポリエステル系樹脂製フィルムよりなる合成樹脂製フィルム20から表出されるホログラム模様を異ならしめることや、昇華転写する図柄を表裏面で異ならしめることで、表裏面からは異なる視覚性を訴えるホログラムを背景とした絵柄が表現でき、リバーシブルのホログラムを施されたシート状物を提供することができる。
このシート状物は所望形状に切断して周囲をメロー仕上げ等の縁かがり加工をすることで、より装飾性が高まる。断面中心部にポリエステル繊維よりなる不織布の布16が配設されていることで縫製することが可能である。ポリエステル系樹脂製フィルムよりなる合成樹脂製フィルム12とポリエステル系樹脂製フィルムよりなる合成樹脂製フィルム20から表出されるホログラム模様を異ならしめることや、昇華転写する図柄を表裏面で異ならしめることで、表裏面からは異なる視覚性を訴えるホログラムを背景とした絵柄が表現でき、リバーシブルのホログラムを施されたシート状物を提供することができる。
図14を参照にして実施例13のホログラムを施されたシート状物の製造方法について説明する。先ずは、合成樹脂製フィルム12の片面にアルミニウムの金属蒸着層13を被着形成する。金属蒸着層13の合成樹脂製フィルム12が被着されていない面には接着剤14を介在して合成樹脂製フィルム15を接着し、4層の積層体21を製造する。合成樹脂製フィルム20の片面には金属蒸着層19を被着形成する。金属蒸着層19の合成樹脂製フィルム20が被着されていない面には接着剤18を介在して合成樹脂製フィルム17を接着し4層の積層体22を製造する。積層体22と積層体21との間には不織布よりなる布16を介在して熱加圧により布16をポリエステル系樹脂製フィルムよりなる合成樹脂製フィルム15、17に溶着する。得られた9層の積層体のポリエステル系樹脂製フィルムよりなる合成樹脂製フィルム12、20の外面に昇華転写シート(図示省略)を当接し、加熱加圧して両面に昇華転写による図柄が施されたシートを得る。
図15に示されるホログラムを施されたシート状物の実施例4を説明する。ポリエステル系樹脂製フィルム23、アルミニウムの金属蒸着層24、接着剤25、アルミニウムの金属蒸着層26、ポリエステル系樹脂製フィルム27が順に層状に一体的に重合されている。ポリエステル系樹脂製フィルム23、26からはホログラム模様が表出されている。ポリエステル系樹脂製フィルム23、26には昇華転写により図柄が施されている。ポリエステル系樹脂製フィルム23とポリエステル系樹脂製フィルム26に形成されているホログラム模様を表面と裏面とで異ならしめ、且つ昇華転写された図柄も異ならしめることで表裏面で異なるホログラム模様の背景を具備した図柄を表現できる。
図16を参照にして実施例4のホログラムを施されたシート状物の製造方法について説明する。ポリエステル系樹脂製フィルムよりなる合成樹脂製フィルム23の片面にアルミニウムの金属蒸着層24を被着形成する。ポリエステル系樹脂製フィルムよりなる合成樹脂製フィルム27の片面にアルミニウムの金属蒸着層26を被着形成する。金属蒸着層26にホットメルト接着剤25を塗着し、ホットメルト接着剤25の塗着面に金属蒸着層24を重合し、加熱加圧接着する。得られたポリエステル系樹脂製フィルムよりなる合成樹脂製フィルム23、金属蒸着層24、接着剤25、金属蒸着層26、ポリエステル系樹脂製フィルムよりなる合成樹脂製フィルム27よりなる5層の積層体のポリエステル系樹脂製フィルムよりなる合成樹脂製フィルム23、27の外面に昇華転写シートを重合した状態で加熱加圧し、ポリエステル系樹脂製フィルムよりなる合成樹脂製フィルム23、27の表面からホログラムを背景にした鮮明な図柄が施された模様が呈される。
1、7、10、12、15、17、23、27 合成樹脂製フィルム
2、8、13、19、24 金属蒸着層
3、11、16 布
4、9、14、18、25 接着剤
5 縁かがり
6 昇華転写シート
2、8、13、19、24 金属蒸着層
3、11、16 布
4、9、14、18、25 接着剤
5 縁かがり
6 昇華転写シート
Claims (7)
- 合成樹脂製フィルムの表面に昇華転写による図柄が表現されたホログラムを施されたシート状物であって、
前記合成樹脂製フィルムの裏面に金属蒸着層が被着されてホログラム層が形成され、
前記金属蒸着層の裏面には接着剤を介在させて布が重合接着され、
前記合成樹脂製フィルムの表面に昇華転写により図柄が施されてなることを特徴とするホログラムを施されたシート状物。 - 表面に昇華転写による図柄を表現されたホログラムを施されたシート状物であって、
合成樹脂製フィルムの裏面に金属蒸着層が被着されたホログラム層が形成され、
前記金属蒸着層の裏面には接着剤を介在させて裏面側合成樹脂製フィルムを接着積層し、
該裏面側合成樹脂製フィルムの裏面には接着剤を用いないで布を重合接着して積層し、
前記表面側合成樹脂製フィルムの表面に昇華転写により絵柄が施されてなることを特徴とするホログラムを施されたシート状物。 - 表面及び裏面の両面に昇華転写による図柄を表現されたホログラムを施されたシート状物であって、
合成樹脂製フィルムの内側面に金属蒸着層が被着されてなるホログラム層、接着剤、合成樹脂製フィルム、布、合成樹脂製フィルム、接着剤、合成樹脂製フィルムの内側面に金属蒸着層が被着形成されてなるホログラム層を順次積層して一体的に形成し、
前記ホログラム層の合成樹脂製フィルムの外側面に昇華転写により図柄が施されてなることを特徴とするホログラムを施されたシート状物。 - 表面及び裏面の両面に昇華転写による図柄を表現されたホログラムを施されたシート状物であって、
合成樹脂製フィルムの内側面に金属蒸着層が被着されてなるホログラム層と別の合成樹脂製フィルムの内側面に金属蒸着層が被着されてなるホログラム層との間に接着剤を介在させて重合接着し、
前記合成樹脂製フィルムの外側面に昇華転写により図柄が施されてなることを特徴とするホログラムを施されたシート状物。 - 上記合成樹脂製フィルムが、ポリエステル系樹脂製フィルムであることを特徴とする請求項1、2、3又は4の何れかに記載のホログラムを施されたシート状物。
- 上記接着剤がホットメルト接着剤であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5の何れかに記載のホログラムを施されたシート状物。
- 上記請求項1、2、3、4、5又は6の何れかに記載のホログラムを施されたシート状物を所望形状に切断し、且つ周縁を縁かがりをし、縫製或は貼着により鞄や衣服に取り付けたことを特徴とするホログラムを施されたシート状物を用いた装身物。
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