JP3207834B2 - キャスク - Google Patents

キャスク

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JP3207834B2
JP3207834B2 JP29677599A JP29677599A JP3207834B2 JP 3207834 B2 JP3207834 B2 JP 3207834B2 JP 29677599 A JP29677599 A JP 29677599A JP 29677599 A JP29677599 A JP 29677599A JP 3207834 B2 JP3207834 B2 JP 3207834B2
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Warehouses Or Storage Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃焼を終えた使
用済み核燃料集合体を収容するキャスクに関するもので
あって、貯蔵時におけるキャスク固定構造の簡易化、ま
たはキャスクの軽量化等を図ることのできるキャスクに
関する。
【0002】
【従来の技術】核燃料サイクルの終期にあって燃焼を終
え使用できなくなった核燃料集合体を、使用済み核燃料
という。この使用済み核燃料は、核分裂性物質および核
分裂生成物などを含んで放射能および崩壊熱を発生する
ことから熱的に冷却する必要があり、原子力発電所の冷
却ピット内で所定期間(たとえば、1〜3年間)冷却さ
れる。その後、使用済み核燃料は、放射能の遮蔽容器で
あるキャスクに収容され、トラック等で保管施設等に搬
送されて、所定の貯蔵室内において長期に渡って貯蔵さ
れる。
【0003】図18は貯蔵状態における従来のキャスク
の正面図、図19は図18のL−L矢視断面図、図20
は図18のM部分の拡大図である。図18において、貯
蔵室の床面Gには貯蔵架台302が備えられており、こ
の貯蔵架台302の上面にキャスク300が載置されて
いる。この貯蔵状態においてキャスク300は、スペー
ス効率を高めるために縦置き姿勢で配置される。キャス
ク300は、筒形状のキャスク本体303と、その一端
の蓋部304、および他端の底部305とを備えて構成
されている。キャスク本体303の内部には(内部の図
示は省略)、中性子遮蔽体であるレジンおよびγ線遮蔽
体である炭素鋼にて覆われた収納空間が形成され、この
収納空間の内部に使用済み核燃料が収容されている。
【0004】キャスク本体303には、大径部331の
長手方向の両端にそれぞれ小径部332が形成されてお
り、各小径部332にはトラニオン333と呼ばれる吊
り金具が設けられている。このトラニオン333は、貯
蔵時において上側に位置する小径部332には2個、下
側に位置する小径部332には4個が均等間隔で設けら
れており、これらトラニオン333を用いて搬送時のキ
ャスク吊り上げおよび貯蔵時のキャスク固定が行われ
る。各トラニオン333は、図20に示すように、外側
および内側の2つの段部334、335を有する筒形に
形成されている。このうち、外側の段部334は、当該
段部334にワイヤ等の吊り上げ手段を連結してキャス
ク300を吊り上げることが可能な位置に設けられてい
る。
【0005】また、トラニオン333の内側の段部33
5には、トラニオン固定金具336が連結される。この
トラニオン固定金具336は、キャスク300を貯蔵架
台302に固定するもので、貯蔵時に下側に位置する4
つのトラニオン333のそれぞれに連結される。トラニ
オン固定金具336は、図20に示すように、トラニオ
ン挟持プレート337および架台固定プレート338を
備える。トラニオン挟持プレート337は、上部プレー
ト339と下部プレート340に分割可能であり、これ
らの間に段部335を挟持することによってトラニオン
333に連結される。また、架台固定プレート338
は、当該架台固定プレート338を貫通する複数の固定
ボルト341によって貯蔵架台302に固定される。こ
のように、従来のキャスク300はトラニオン333お
よびトラニオン固定金具336を介して貯蔵架台302
に固定され、地震等の際の転倒が防止されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上述のように
キャスク本体303の上側には2つのトラニオン333
が設けられているのに対し、下側には4つのトラニオン
333が設けられている。これは、キャスク300の吊
り上げ搬送の際には2つのトラニオン333で足りるの
に対し、貯蔵時には少なくとも4つのトラニオン333
を介して4点固定を行い、キャスク300の転倒や振動
発生等を確実に防止する必要があるためである。
【0007】このように、従来のキャスク300におい
てはトラニオン333を介して貯蔵時の固定を行ってい
たので、4点固定を行うためにトラニオン333を4つ
設ける必要があり、キャスク300の固定構造が複雑に
なったり、あるいはキャスク300の重量が増えるとい
う問題があった。
【0008】この発明は、上記に鑑みてなされたもので
あって、キャスク貯蔵時にトラニオンを介することなく
固定することを可能として、キャスクの構造簡易化や軽
量化、並びにキャスクの固縛構造の簡素化等を図ること
のできるキャスクを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1にかかるキャスクは、固定対象物に縦置
き状態で固定されるキャスクであって、長手方向の底部
外周面から内側に形成した溝部を備え、当該溝部により
形成した段部に上方から接触すると共に固定対象物に固
定される固定具を介して、固定対象物に固定されるよう
にしたものである。
【0010】キャスクの底部には段部が備えられ、この
段部には固定具が上方から接触する。この固定具は、固
定対象物である貯蔵架台等に固定される。したがって、
キャスクの段部は、貯蔵架台等に固定された固定具によ
ってその移動を規制される。たとえば、地震等の発生に
よってキャスクに外力が加えられた場合、キャスクの振
動等が固定具によって規制され、キャスクの転倒等が防
止される。
【0011】特に、固定具は段部に接触しており、キャ
スクの他の部分と接触することを要しない。このため、
トラニオンを用いることなくキャスクの固定を行うこと
ができる。したがって、従来は貯蔵時のキャスク固定の
ために使用していた下方側の4つのトラニオンを、吊り
上げに必要な2つのトラニオンに減らすことができ、2
つのトラニオンを削減することによってキャスクの構造
簡易化および軽量化を図ることができる。
【0012】また、請求項2にかかるキャスクは、上記
キャスクにおいて、固定具は、固定対象物上に配置され
る固定具本体と、段部に上方から接触する接触突部とを
備え、固定具本体を貫通して固定対象物に至る固定ボル
トにより固定対象物に固定されるようにしたものであ
る。キャスクに振動等が生じた際、キャスクの段部から
接触突部に対して上方等への力が加えられるが、固定具
本体が固定対象物に固定されていることから、当該力に
抗して接触突部の浮き上がり等を防止することができ
る。したがって、地震時等におけるキャスクの転倒等を
防止することができる。また、固定対象物に対する固定
具本体の固定は溶接等によっても行うことができるが、
固定ボルトによって固定した場合には、この固定ボルト
を取り外すことによって固定対象物に対する固定具の固
定を解除できる。したがって、キャスクの再移動等が容
易である。
【0013】また、請求項3にかかるキャスクは、固定
対象物に縦置き状態で固定されるキャスクであって、長
手方向の底部外周面から内側に形成した溝部を備え、当
該溝部により形成した段部が固定対象物に直接固定され
ることにより、固定対象物に固定されるようにしたもの
である。
【0014】キャスクの底部には段部が備えられ、この
段部が貯蔵架台等の固定対象物に直接的に固定されてい
る。このため、地震等の発生によってキャスクに外力が
加えらた際、上方や側方へのキャスクの振動等が抑制さ
れ、地震時等におけるキャスクの転倒等を防止すること
ができる。
【0015】特に、段部が固定対象物に直接固定されて
いるため、トラニオンを用いることなくキャスクの固定
を行うことができる。したがって、下方側の2つのトラ
ニオンを削減でき、キャスクの構造簡易化および軽量化
を図ることができる。しかも、上述のように固定具を用
いて段部を固定する場合と異なり、固定具等の固定手段
を一切用いることなく段部の固定を行うことができる。
このため、固定手段の製造および設置作業等を省略する
ことができ、固定作業が一層容易である。
【0016】また、請求項4にかかるキャスクは、上記
キャスクにおいて、段部を貫通して固定対象物に至る複
数の固定ボルトにより、段部が固定対象物に直接固定さ
れるようにしたものである。固定対象物に対する段部の
固定は溶接等によっても行うことができるが、固定ボル
トによって固定した場合には、この固定ボルトを取り外
すことによって固定対象物に対する段部の固定を解除で
きる。したがって、キャスクの再移動等が容易である。
【0017】また、請求項5にかかるキャスクは、上記
キャスクにおいて、段部を、キャスクの全周に渡って設
けたものである。段部は必要な箇所にのみ断続的に設け
ることもできるが、これをキャスクの全周に設けた場合
には、キャスクの全周のいずれの箇所においても、固定
具を介して、あるいは段部を貫通する固定ボルトによっ
て、段部を固定対象物に固定することができる。したが
って、固定対象物の設計に都合の良い部分に都合の良い
数だけ固定具および固定ボルトを設けることができ、段
部の取り付け位置の自由度が向上し、周囲の状況等に応
じた最適な位置で固定を行うことができる。例えば、固
定具の数を多くすることにより、1つの固定具に加わる
力を分散させることができるので、各固定具を小型化で
き、その取り扱いも容易になる。
【0018】また、請求項6にかかるキャスクは、固定
対象物に対して縦置き状態で固定されるキャスクであっ
て、固定対象物をキャスク底部と略同径とすると共に、
当該固定対象物の外周に段部を形成し、この段部を貫通
して前記底部に至る複数の固定ボルトを介して、固定対
象物に固定されるようにしたものである。この場合、キ
ャスクは、固定対象物を貫通する固定ボルトによって当
該固定対象物に直接的に固定されている。このため、地
震時等におけるキャスクの転倒等を防止することができ
る。
【0019】特に、トラニオンを用いることなくキャス
クの固定を行うことができ、下方側の2つのトラニオン
を削減できて、キャスクの構造簡易化および軽量化を図
ることができる。しかも、キャスクには溝部や段部等を
設ける必要がなく、ねじ溝のみを形成すればよいので、
従来とほぼ同様の構造にてキャスクを製造等することが
でき、キャスクの設計や製造が容易である。
【0020】また、請求項7にかかるキャスクは、上記
キャスクにおいて、複数の固定ボルトを相互に均等間隔
で配置したものである。複数の固定ボルトは必ずしも均
等間隔で配置する必要はないが、均等間隔で配置するこ
とによって、均等な締結力を得ることができる。すなわ
ち、キャスクの底部に対して前後左右にバランスよくほ
ぼ同じ締結力を加えて、固定対象物に固定することがで
き、地震時等におけるキャスクの転倒を効果的に防止す
ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかるキャスク
の実施の形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明す
る。なお、これら実施の形態によりこの発明が限定され
るものではない。
【0022】(実施の形態1) 図1はこの発明の実施の形態1にかかる、貯蔵状態にお
けるキャスクの正面図、図2は図1のA−A矢視断面
図、図3は図2のB部拡大図、図4は図1のC部拡大
図、図5は図1のD−D矢視断面図である。なお、説明
において「上」または「下」とは、図1におけるキャス
クの配置状態を基準とする。
【0023】図1に示すように、貯蔵室の床面Gにはキ
ャスク1とほぼ同じ外径の貯蔵架台(固定対象物)2が
備えられており、この貯蔵架台2の上面にキャスク1が
縦置き姿勢で載置されている。キャスク1は、筒形状の
キャスク本体3と、その上端の蓋部4、および下端の底
部5とを備えて構成されている。このキャスク本体3の
内部には(内部の図示は省略)、中性子遮蔽体であるレ
ジンおよびγ線遮蔽体である炭素鋼にて覆われた収納空
間が形成されており、この収納空間の内部には使用済み
核燃料集合体が収容されている。キャスク本体3と蓋部
4は、ステンレス製等のボルトにて固定されており、ま
た、キャスク本体3と底部5は、突き合わせ溶接にて結
合されている。
【0024】キャスク本体3は、図1に示すように、長
手方向中央に位置する大径部31と、この大径部31の
上下両端に設けた2つの小径部32を備えている。ここ
で、従来は、上側の小径部に4つのトラニオンが設けら
れると共に下側の小径部に4つのトラニオンが設けられ
ていたのに対し、本実施の形態においては上側の小径部
32に4つ、下側の小径部32に2つのトラニオン33
が設けられている。これら2つのトラニオン33は、小
径部32を挟んで相互対称位置に配置されている。
【0025】各トラニオン33は、キャスク本体3の大
径部31の外周よりも若干側方に突出するように形成さ
れ、この突出部分にワイヤ等を掛けてキャスク1を吊り
上げることが可能である。
【0026】ここで、キャスク1の底部5には、その外
周の一部を切削等することによって、底部5の全周に至
る溝部51が形成されている。この溝部51は、図4、
5に示すように、側方に開放するコ字状に形成されてお
り、その下側の一辺として段部52が形成されている。
この段部52は、後述する固定具6の接触突部62を上
方から接触させるものであり、その上方には少なくとも
接触突部62を挿入可能な大きさの空間部53が形成さ
れている。
【0027】一方、図11に示すように、貯蔵架台2の
上面には、4つの固定具6が相互にほぼ均等間隔で配置
されている。各固定具6は、図3〜5に示すように、略
方形に形成された固定具本体61と、この固定具本体6
1の一側面に突設された接触突部62とを一体に備えて
構成されている。この固定具6は、任意の材料および製
法にて製造されてよく、たとえばステンレス等の鋳造ま
たは削り出しにて製造することができる。
【0028】固定具本体61には、図3、5に示すよう
に、固定ボルト63を挿通するための4つのボルト孔6
4が相互にほぼ同一間隔で穿設されている。そして、各
ボルト孔64には、固定具本体61を貫通して貯蔵架台
2に至る固定ボルト63がねじ込まれており、この固定
ボルト63によって固定具6が貯蔵架台2に固定されて
いる。また、接触突部62は、図3〜5に示すように、
段部52の上方に配置され、その下面を段部52の上面
に接触させる。したがって、地震等にてキャスク1が振
動し、これが底部5に伝わった際、この振動が接触突部
62によって上方から規制され、転倒防止が図られる。
【0029】このような構造により、固定具6を介して
キャスク1を貯蔵架台2に固定することができ、地震時
等におけるキャスク1の挙動を固定具6を介して規制し
て、キャスク1の転倒等を防止することができる。特
に、トラニオン33を用いることなくキャスク1の固定
を行うことができるので、図1に示すように下方のトラ
ニオン33を、従来の4つから、キャスク搬送時の固定
等に必要な2つに減らすことができ、キャスク1の構造
簡易化および軽量化を図ることができる。
【0030】つぎに、固定具6の取り付け手順について
説明する。図6、7は固定具の取り付け手順を説明する
ための、図5に対応する部分の縦断面図である。まず、
図6に示すように、貯蔵架台2にキャスク1を載置す
る。また、これに先立って、あるいはキャスク1の載置
後に、固定ボルト63をねじ込むためのねじ溝21を貯
蔵架台2の上面の所定位置に形成する。そして、図7に
示すように、ねじ溝21とボルト孔64が対応するよう
に固定具6を貯蔵架台2に載置し、この固定具6の接触
突部62を溝部51に挿入して段部52に接触させる。
最後に、固定ボルト63を上方からボルト孔64に挿通
し、さらに、ねじ溝21にねじ込むことによって、キャ
スク1の固定が完了する。なお、固定ボルト63を固定
具本体61のボルト孔64内に予め配置した状態で、固
定具6を貯蔵架台2に載置してもよい。
【0031】これまで説明した他、本実施の形態は、種
々の異なる態様を取り得る。たとえば、本実施の形態に
おいては、キャスク1の固定対象物を貯蔵架台2として
説明したが、貯蔵室の床面G等の任意の物を固定対象物
とすることができる。また、本実施の形態においては4
つの固定具6を配置しているが、5つ以上の固定具6を
配置することも可能である。このように固定具6の数を
多くすることにより、1つの固定具6に加わる力を分散
させることができるので、各固定具6を小型化でき、そ
の取り扱いも容易になる。ただし、固定具6の数がいた
ずらに多くなると取り付け工数が増加する等の問題も発
生することから、3〜8個程度の固定具6を設けること
が好ましい。また、複数の固定具6は相互に均等間隔で
配置することが振動抑制および応力拡散等のために好ま
しいが、任意間隔で配置されてよい。
【0032】あるいは、固定具6を図示のものより幅広
に形成し、一つの固定具で広範囲の固定を行うようにし
てもよい。たとえば、固定具6を底部5の半周に至る幅
に形成し、この固定具6を2つ用いて段部52の固定を
行ってもよい。すなわち、実質的に4点固定を行い得る
ものであれば、固定具6の形状や数は任意に決定するこ
とができる。ただし、幅広の固定具6は搬送等が困難で
あることから、図示の如き固定具6を用いることが好ま
しい。
【0033】その他、段部52や固定具6の構造は図示
のものに限られない。すなわち、段部52は固定具6に
て上方から接触され得るものであればよく、また、固定
具6は、段部52に上方から接触し、かつ、固定対象物
に固定可能なものであればよい。たとえば、段部52
は、溝部51の一辺としてでなく、図8、9に示すよう
に、底部5の外周にフランジ状に設けてもよい。ただ
し、本実施の形態のように溝部51の一辺として段部5
2を設けることにより、底部5から固定具6が突出する
突出長さ(図4においてL2)を短くすることができ、
貯蔵スペースを有効に活用することができる。また、段
部52を底部5の全周に設けた場合には、固定対象物の
設計に都合の良い部分に都合の良い数だけ固定具6を設
けることができ、固定具6の取り付け位置の自由度が向
上する等の点で好ましいが、段部52は必要な箇所にの
み断続的に設けてもよい。さらに、図9に示すように、
固定具6を、固定具本体61および接触突部62に加
え、これらを連係する連係部65を備えて構成してもよ
い。
【0034】この他、固定ボルト63の数や配置は図示
のものに限られず、必要な固定強度を得ることのできる
範囲内において、任意の数や配置を採用することができ
る。たとえば図示のものより太径の固定ボルト63を2
本用いて固定を行うことも可能である。あるいは、固定
ボルト63は、ケミカルアンカーの如き化学固定にて貯
蔵架台2に固定されるものであってもよい。更には、固
定具6の固定は固定ボルト63以外の手段にて行われて
もよく、たとえば固定具6を貯蔵架台2に直接溶接して
もよい。ただし、固定ボルト63を介して固定を行う場
合には、固定具6の固定を容易に解除することができ、
キャスク1の再移動等が容易である。
【0035】(実施の形態2) 図10はこの発明の実施の形態2にかかる貯蔵状態にお
けるキャスクの正面図、図11は図10のF−F矢視断
面図、図12は図11のG部拡大図、図13は図10の
H部拡大図、図14は図10のI−I矢視断面図であ
る。なお、特に説明なき構成等については実施の形態1
と同じであり、また、同じ構成には同符号を付すことに
する。
【0036】これら各図に示すように、キャスク100
の底部101の外周には、側方に突出するフランジ状の
段部102が形成されている。この段部102は、底部
101の全周に渡って形成されており、図13、14に
示すように、底部101に対して一体に成形されてい
る。ただし、段部102は、底部101と別体に形成し
て突き合わせ溶接等にて結合してもよい。
【0037】この段部102は、当該段部102を貫通
する8つの固定ボルト63により、貯蔵架台2に固定さ
れている。すなわち、図14に示すように、段部102
には固定ボルト63を挿通するためのボルト孔103が
相互にほぼ同一間隔で穿設されると共に、貯蔵架台2の
ボルト孔103に対応する位置にはねじ溝21が形成さ
れており、各ボルト孔103に挿通した固定ボルト63
がねじ溝21にねじ込まれることによって、段部102
が貯蔵架台2に固定されている。なお、図12〜15に
示すように、固定ボルト63の頭部と段部102の間に
はワッシャー104が設けられ、固定ボルト63の緩み
が防止されている。
【0038】このような構造により、キャスク100を
貯蔵架台2に直接固定することができるので、上記と同
様の理由によりトラニオン33の個数を低減でき、キャ
スク100の構造簡易化および軽量化を図ることができ
る。特に、本実施の形態によれば、上述の固定具の如き
ものを用いることなくキャスク100の固定を行うこと
ができるので、固定作業が一層容易である。
【0039】つぎに、固定手順について説明する。ま
ず、固定ボルト63をねじ込むためのねじ溝21を貯蔵
架台2の上面の所定位置に形成する。そして、このねじ
溝21とボルト孔103が対応するように、キャスク1
00を貯蔵架台2に載置する。そして最後に、固定ボル
ト63を上方からボルト孔103に挿通し、さらに、ね
じ溝21にねじ込むことによって、キャスク100の固
定が完了する。
【0040】(実施の形態3) 図15はこの発明の実施の形態3にかかる貯蔵状態にお
けるキャスクの正面図、図16は図15のJ部拡大図、
図17は図15のK−K矢視断面図である。なお、特に
説明なき構成等については実施の形態2と同じであり、
また、同じ構成には同符号を付すことにする。
【0041】これら各図に示すように、貯蔵架台202
の上部には、キャスク200の底部201より小径の補
助架台203が設けられており、この補助架台203の
上方には、底部201とほぼ同じ外径の固定プレート2
04が設けられている。これら補助架台203および固
定プレート204は、貯蔵架台202と一体に設けても
よく、あるいは別体に形成して溶接等にて結合してもよ
い。
【0042】そして、固定プレート204は、当該固定
プレート204を下方から貫通する8つの固定ボルト6
3により、キャスク200の底部201に固定されてい
る。すなわち、図15〜17に示すように、固定プレー
ト204には固定ボルト63を挿通するための8つのボ
ルト孔205が相互にほぼ同一間隔で穿設されると共
に、底部201のボルト孔205に対応する位置にはね
じ溝206が形成されており、各ボルト孔205に挿通
した固定ボルト63がねじ溝206にねじ込まれること
によって、固定プレート204が底部201に固定され
ている。
【0043】このような構造により、キャスク200を
貯蔵架台202に固定することができ、他の実施の形態
と同様の理由により、キャスク200の構造簡易化およ
び軽量化を図ることができる。特に、キャスク200に
は溝部や段部等を設ける必要がなく、ねじ溝206を形
成するだけでよいため、従来とほぼ同様の構造にてキャ
スク200を製造等することができ、キャスクの設計や
製造が容易である。
【0044】つぎに、固定手順について説明する。ま
ず、固定ボルト63をねじ込むためのねじ溝206を底
部201の所定位置に形成する。そして、このねじ溝2
06とボルト孔205が対応するように、キャスク20
0を固定プレート204に載置する。そして最後に、固
定ボルト63を下方からボルト孔205に挿通し、さら
に、ねじ溝206にねじ込むことによってキャスク20
0の固定が完了する。
【0045】なお、実施の形態2、3においては、複数
の固定ボルト63を均等間隔に配置している。これは、
均等な締結力を得ることができる点において好ましい
が、キャスクの固定に必要な締結力を奏する限り、固定
ボルト63の位置は任意に決定することができる。ま
た、固定ボルト63の数についても、必要な締結力を奏
する限り、任意の数を採用することができる。また、実
施の形態3においては固定プレート204を介して固定
を行っているが、その形状は適宜変更することができ
る。少なくとも、固定対象物たる貯蔵架台202の一部
に固定ボルト63を貫通させ、これを底部201にねじ
込むことが可能であればよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
キャスク(請求項1)によれば、長手方向の底部外周に
当該溝部により形成した段部を備え、当該段部に上方か
ら接触する固定具を固定対象物に固定することにより、
固定対象物に固定されるようにしたので、地震等による
振動を固定具で抑制でき、キャスクの転倒等を防止する
ことができる。特に、トラニオンを用いることなくキャ
スク固定を行うことができ、トラニオンを削減してキャ
スクの構造簡易化および軽量化を図ることができる。
【0047】また、この発明にかかるキャスク(請求項
2)によれば、固定具は、固定対象物上に配置される固
定具本体と、段部に上方から接触する接触突部とを備
え、固定具本体を貫通して固定対象物に至る固定ボルト
により固定対象物に固定されるようにしたので、キャス
クの段部から接触突部に対して加えられるに抗して接触
突部の浮き上がり等を防止することができる。また、固
定ボルトを取り外すことによって固定対象物に対する固
定具の固定を解除できる。したがって、キャスクの再移
動が容易である。
【0048】また、この発明にかかるキャスク(請求項
3)によれば、長手方向の底部外周に溝部により形成し
た段部を備え、段部を固定対象物に直接固定されること
により、固定対象物に固定されるようにしたので、上方
や側方へのキャスクの振動等が抑制され、地震時等にお
けるキャスクの転倒等を防止することができる。特に、
トラニオンを用いることなくキャスクの固定を行うこと
ができるので、キャスクの構造簡易化および軽量化を図
ることができる。更に、固定具を用いることなく段部の
固定を行うことができ、固定作業が一層容易である。
【0049】また、この発明にかかるキャスク(請求項
4)によれば、段部を貫通して固定対象物に至る複数の
固定ボルトにより、当該段部を固定対象物に固定するよ
うにしたので、固定ボルトを取り外すことによって固定
対象物に対する段部の固定を解除できる。したがって、
キャスクの再移動が容易である。
【0050】また、この発明にかかるキャスク(請求項
5)によれば、段部を、キャスクの全周に渡って設けた
ので、キャスクの全周のいずれの箇所においても段部を
固定対象物に固定することができ、段部の取り付け位置
の自由度が向上し、状況に応じた最適な位置で固定を行
うことができる。
【0051】また、この発明にかかるキャスク(請求項
6)によれば、固定対象物をキャスク底部と略同径とす
ると共に、当該固定対象物の外周に段部を形成し、この
段部を貫通して前記底部に至る複数の固定ボルトを介し
て、固定対象物に固定されるようにしたので、上方や側
方へのキャスクの振動等が抑制され、地震時等における
キャスクの転倒等を防止することができる。特に、トラ
ニオンを用いることなくキャスクの固定を行うことがで
きるので、キャスクの構造簡易化および軽量化を図るこ
とができる。更に、キャスクにはねじ溝のみを形成すれ
ばよいので、従来とほぼ同様の構造にてキャスクを製造
等することができ、キャスクの設計や製造が容易であ
る。
【0052】また、この発明にかかるキャスク(請求項
7)によれば、キャスクにおいて複数の固定ボルトを相
互に均等間隔で配置したことにより、キャスクの底部に
対して前後左右にバランスよくほぼ同じ締結力を加えて
固定することができ、キャスクの振動発生等を効果的に
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる貯蔵状態にお
けるキャスクの構成を示す正面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】図2のB部拡大図である。
【図4】図1のC部拡大図である。
【図5】図1のD−D矢視断面図である。
【図6】固定具の取り付け手順を説明するための図5に
対応する部分を示す縦断面図である。
【図7】固定具の取り付け手順を説明するための図5に
対応する部分を示す縦断面図である。
【図8】段部の他の形態を説明するための図4に対応す
る部分を示す拡大図である。
【図9】段部および固定具の他の形態を説明するための
図4に対応する部分を示す拡大図である。
【図10】この発明の実施の形態2にかかる貯蔵状態に
おけるキャスクの構成を示す正面図である。
【図11】図10のF−F矢視断面図である。
【図12】図11のG部拡大図である。
【図13】図10のH部拡大図である。
【図14】図10のI−I矢視断面図である。
【図15】この発明の実施の形態3にかかる貯蔵状態に
おけるキャスクの構成を示す正面図である。
【図16】図15のJ部拡大図である。
【図17】図15のK−K矢視断面図である。
【図18】貯蔵状態における従来のキャスクの構成を示
す正面図である。
【図19】図18のL−L矢視断面図である。
【図20】図18のM部分の拡大図である。
【符号の説明】
G 床面 1、100、200、300 キャスク 2、202、302 貯蔵架台 3、303 キャスク本体 4、304 蓋部 5、101、201、305 底部 6 固定具 21、206 ねじ溝 31、331 大径部 32、332 小径部 33、333 トラニオン 51 溝部 52、102 段部 61 固定具本体 62 接触突部 63 固定ボルト 64、103、205 ボルト孔 204 固定プレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21F 5/008 G21C 19/06 G21C 19/32 G21C 19/40 G21F 9/36

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定対象物に縦置き状態で固定されるキ
    ャスクであって、 長手方向の底部外周面から内側に形成した溝部を備え、
    当該溝部により形成した段部に上方から接触すると共に
    固定対象物に固定される固定具を介して、固定対象物に
    固定されることを特徴とするキャスク。
  2. 【請求項2】 固定具は、固定対象物上に配置される固
    定具本体と、段部に上方から接触する接触突部とを備
    え、固定具本体を貫通して固定対象物に至る固定ボルト
    により固定対象物に固定されることを特徴とする請求項
    1に記載のキャスク。
  3. 【請求項3】 固定対象物に縦置き状態で固定されるキ
    ャスクであって、 長手方向の底部外周面から内側に形成した溝部を備え、
    当該溝部により形成した段部が固定対象物に直接固定さ
    れることにより、固定対象物に固定されることを特徴と
    するキャスク。
  4. 【請求項4】 段部を貫通して固定対象物に至る複数の
    固定ボルトにより、段部が固定対象物に直接固定される
    ことを特徴とする請求項3に記載のキャスク。
  5. 【請求項5】 段部を、キャスクの全周に渡って設けた
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の
    キャスク。
  6. 【請求項6】 固定対象物に対して縦置き状態で固定さ
    れるキャスクであって、 固定対象物をキャスク底部と略同径とすると共に、当該
    固定対象物の外周に段部を形成し、この段部を貫通して
    前記底部に至る複数の固定ボルトを介して、固定対象物
    に固定されることを特徴とするキャスク。
  7. 【請求項7】 複数の固定ボルトを相互に均等間隔で配
    置したことを特徴とする請求項4または6に記載のキャ
    スク。
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