JP3207479B2 - カメラ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は背蓋付のカメラに係り、
特にパトローネ室に形成されるパトローネ装填用の空間
を有効に利用したカメラに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図４は従来のカメラを示しており、図４
の（ａ）はカメラを背蓋側から見た図、（ｂ）はその底
部を示している。図４において、１はカメラ本体で、フ
ァインダ接眼窓２、レリーズボタン３が設けられると共
に、アパーチャ４の両側にスプール室９とパトローネ室
１０が形成されている。スプール室９のスプール６内に
はフィルム給送用モータ７ａ、又は７ｂが駆動軸を上又
は下に出して配置され、パトローネ室１０内に突出する
フォーク５ａはフォークギア５により回転駆動されてフ
ィルムをパトローネ８内に巻戻す。

【０００３】フィルム給送用モータは、フィルムの巻上
げ、送戻しの動作を行うもので、例えばその回転方向に
よりこれら両動作の切換を行える切換機構を有する動力
伝達機構７ｃ又は７ｄによりフォークギア５と連結され
ている。

【０００４】パトローネ室１０の底部には、パトローネ
８を装填する際のクリアランスを確保するための切欠空
間１０ａが形成され、また不図示の背蓋には切欠空間１
０ａに対応してベロ部１２ａが一体に形成されており、
パトローネ装填後に背蓋を閉じると、ベロ部１２ａによ
り切欠空間１０ａが塞がれるようになっている。

【０００５】図５は従来の他のカメラを示し、図４の従
来例に対してスプール室９とパトローネ室１０とを左右
逆転して配置している。図５のカメラでは、スプール６
内に設けられているモータ７ｅは、駆動軸を下向きにし
て配置され、カメラ本体１の下部に配置される動力伝達
機構７ｆを介してフォークギア５を駆動する。

【０００６】パトローネ８の装填は、図６に示すよう
に、フォーク５ａに嵌合させてから装填することから、
図６の（ｂ）に示すように、斜めになったパトローネ８
をしゃくり込むようにパトローネ室１０へ装填する必要
があり、矢印８ａで示すパトローネ８の装填に伴う円弧
状の軌跡の障害とならないように空間１０ｂが余分に形
成されていた。装填されたパトローネ８は、パトローネ
押えバネ１３により押圧保持される。なお、１２は背蓋
を示している。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記した２つの従来例
のカメラにおいて、フィルム装填時のクリアランスを確
保するために、夫々空間１０ａと、空間１０ｂを形成し
ているが、図４の従来例では、フォークギア５がファイ
ンダ光学系およびストロボ光学系ユニット１１のすぐ真
下に位置するため、ズームファインダやズームストロボ
のような構造が複雑な機構の場合には、その分ユニット
部１１を上に高くする必要があり、空間１０ａが存在し
ながらカメラのコンパクト化に反していた。なお、背蓋
を閉じた状態において、空間１０ａは全てベロ部１２ａ
で満たされることはなく、不使用の空間は存在してい
た。

【０００８】一方、パトローネ室１０をグリップ側に配
置した図５に示す従来例では、パトローネ室１０の上部
にレリーズボタン３のような操作部材がある。この配置
ではフォークギア５および、このギア５を駆動する動力
伝達機構７ｆがカメラ本体１の底部にあり、ファインダ
光学系やストロボ光学系のユニット部１１は十分にスペ
ースをとれる反面、パトローネ室１０に設ける空間１０
ｂは、図４に示す従来例の場合に比べてより大きくとら
なければならず、カメラのコンパクト化の妨げとなって
いた。

【０００９】本発明の目的は、上記した課題を解決する
ことにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段および作用】本発明の目的
を実現するカメラの構成は、パトローネの交換に際して
開閉する背蓋を有するカメラにおいて、前記背蓋の形状
として、カメラ本体に対して背蓋を閉じた状態で、前記
背蓋がカメラのパトローネ室に対向する面を他の領域よ
りも縦長に構成するとともに、前記背蓋から突出した覆
体を設け、前記パトローネが前記パトローネ室に収納さ
れた状態で前記背蓋を閉じた際に、前記パトローネ室の
フォーク部材と対向する側で前記パトローネ、前記背
蓋、前記覆体および前記パトローネ室にて仕切られる空
間を形成するとともに、該空間に対応する前記背蓋の外
面にズームスイッチ操作部を配し、更に前記パトロー
ネ、前記背蓋、前記覆体および前記パトローネ室にて仕
切られる空間に対応する背蓋の内面に前記ズームスイッ
チ操作部の部品を取り付けたことを特徴とする。

【００１１】上記した構成によれば、パトローネの交換
に必要な空間がパトローネ室に確保され、背蓋を閉じる
とパトローネの交換のために供した空間にカメラの部品
が納まることになる。

【００１２】

【実施例】図１、図２、図３は本発明によるカメラの第
１実施例を示している。

【００１３】本実施例のカメラの基本的構成は、パトロ
ーネ室１０をカメラ本体１のグリップ側に配置した図５
に示す従来例と同様であるが、パトローネ室１０の上部
には切欠空間１０ｃが形成され、パトローネ８の装填を
許容している。

【００１４】一方、背蓋１２には、カメラ本体１の切欠
空間１０ｃに対応してベロ部１２ｂが一体に形成されて
おり、背蓋１２を閉じた状態において、ベロ部１２ｂは
該切欠空間１０ｃを塞ぐが、パトローネ８との間にある
程度の隙間が存在するようになっている。

【００１５】１４はベロ部１２ｂの内側で、該隙間を有
効利用してベロ部１２ｂに取り付けられた操作部材で、
本実施例ではレリーズボタン１４ｂと、鏡筒のテレ・ワ
イドボタン１４ａがベロ部１２ｂの外面側の上面と背面
に望むように取り付けられている。

【００１６】以上のように、本実施例では、パトローネ
の装填時には必要な空間ではあるが、パトローネの装填
が終われば不必要となる空間を有効に利用、すなわち背
蓋１２がパトローネの装填時には開放されていて、パト
ローネの装填後には閉じられるという機能を利用して、
該空間にスイッチ等の操作部材１４を配置することがで
き、カメラのコンパクト化を図れることとなる。

【００１７】図７は本発明によるカメラの第２実施例を
示すカメラをその背面側から見た斜視図である。

【００１８】本実施例は図４に示す従来例を改良したも
ので、パトローネ室の底部に形成された切欠空間を覆う
ベロ部１２ａに、上記の実施例と同様に操作部材を設け
ており、この操作部材は本実施例ではカメラのメインス
イッチ１２ａとしている。

【００１９】なお、上記した各実施例では、背蓋のベロ
部にスイッチ等の操作部材を設けたが、例えば電気回路
等の機能部品を設けてもよい。

【００２０】

【発明の効果】本発明によれば、パトローネの装填に際
しては必要となるが、装填後では不要となる空間を、フ
ィルムの交換時には開放するという背蓋の機能を利用し
て有効に利用することができ、カメラのコンパクト化を
より一層図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるカメラの第１実施例を示す斜視
図。

【図２】図１のカメラ上面、背面を示す図。

【図３】図１のカメラにパトローネを装填して背蓋を閉
じた状態を示す断面図。

【図４】従来のカメラの背面図、底面を示す図。

【図５】従来の他のカメラを示す背面図。

【図６】図５に示すカメラにパトローネを装填する状態
を示す図。

【図７】本発明によるカメラの第２実施例を示す斜視
図。

【符号の説明】

１…カメラ本体 ２…ファインダ
接眼窓 ３…レリーズボタン ４…アパーチャ ５…フォークギア ６…スプール ７…モータ ８…パトローネ ９…スプール室 １０…パトロー
ネ室 １２…背蓋 １２ａ…ベロ部

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−136022（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−93136（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−125837（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−57230（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−149726（ＪＰ，Ｕ)

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パトローネの交換に際して開閉する背蓋
   を有するカメラにおいて、 前記背蓋の形状として、カメラ本体に対して背蓋を閉じ
   た状態で、前記背蓋がカメラのパトローネ室に対向する
   面を他の領域よりも縦長に構成するとともに、前記背蓋
   から突出した覆体を設け、前記パトローネが前記パトロ
   ーネ室に収納された状態で前記背蓋を閉じた際に、前記
   パトローネ室のフォーク部材と対向する側で前記パトロ
   ーネ、前記背蓋、前記覆体および前記パトローネ室にて
   仕切られる空間を形成するとともに、該空間に対応する
   前記背蓋の外面にズームスイッチ操作部を配し、更に前
   記パトローネ、前記背蓋、前記覆体および前記パトロー
   ネ室にて仕切られる空間に対応する背蓋の内面に前記ズ
   ームスイッチ操作部の部品を取り付けたことを特徴とす
   るカメラ。
2. 【請求項２】 前記パトローネ室の前記フォーク部材
   は、前記カメラ本体の底部側に設けたことを特徴とする
   請求項１に記載のカメラ。
3. 【請求項３】 前記パトローネ室の前記フォーク部材
   は、前記カメラ本体の上部側に設けたことを特徴とする
   請求項１に記載のカメラ。