JP3207404B2 - 発泡スチロールの溶解装置及びリサイクル装置 - Google Patents

発泡スチロールの溶解装置及びリサイクル装置

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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡スチロール
(発泡ポリスチレンともいう)を回収してリサイクルす
る技術に関し、特に発泡スチロールを溶剤を用いて溶解
して減容化する溶解装置およびこれを備えたリサイクル
装置並びにその溶解処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】発泡スチロールは、スチレン樹脂を主な
原材料として生成されるもので、価格が極めて安く、成
形が容易であるとともに、衝撃緩衝性に優れていること
から、家電製品やAV機器等の梱包材や食品用トレーの
成形材など様々な用途に現在もなお大量に使用されてい
る。
【0003】しかしながら、使用し終わった発泡スチロ
ールは大量のゴミとして発生し、環境問題やゴミ問題を
招く要因になっていた。つまり、発泡スチロールは、埋
立処分しようにも、土壌中ではなかなか分解が進まずに
半永久的に残されてしまう。また、焼却処分しように
も、多量の熱が発生してしまい、焼却炉を傷めるなどの
新たな別の問題が生じるのである。
【0004】そこで、最近、環境保護の観点から、発泡
スチロールを廃棄処分するのではなく、回収リサイクル
することが試みられている。その1つの方法として、発
泡スチロールを熱分解して低分子量の油状物とし燃料と
して用いる方法がある。しかし、この方法は、回収した
発泡スチロールを再び元の発泡スチロールとして再生す
るのではなく、燃料などの別の形態で再利用するのみに
止まり、発泡スチロールを元の状態に再生する技術では
なかった。
【0005】一方で、発泡スチロールを溶剤で溶かして
再び元の発泡スチロールとして再生リサイクルする技術
がある。この技術は、発泡スチロールを溶剤で溶解する
ことで、発泡スチロールを減容化し、原材料であるポリ
スチレンとして取り出す技術である。取り出したポリス
チレンは再び元の発泡スチロールとして再生することが
できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】発泡スチロールを溶解
する溶剤として、現在よく知られているものにリモネン
および塩化メチレンである。リモネンは、天然素材で環
境に優しく人体への影響も全くないという優れた性質を
有している。しかしながら、リモネンは、引火性があっ
て危険物に該当し、取り扱い難かった。また、塩化メチ
レンは、引火性がなく危険物に該当しないものの、毒性
が強く人体に対し少なからず害を与える問題点があっ
た。しかも、沸点が低く揮発し易いため、これが空気中
に放出されないようにするために、溶剤液面に水膜を形
成したりその他保管場所や装置の密閉性に気を配るなど
の注意が必要であった。
【0007】このような状況の中、最近、新たに登場し
たのがイソプロピルブロマイド(以下IPBともいう)
およびノルマルプロピルブロマイド(以下NPBともい
う)である(特開平11−302441号公報参照)。
これらIPBおよびNPBは、地球温暖化やオゾン層破
壊への影響がほとんどなく、また毒性も少なくクリーン
で安全な物質である。また、これらの溶剤は、引火性が
なく危険物にも該当しないという有用な性質をも有して
いる。このため、管理または使用の際に、非常に取り扱
いが容易であるという大きなメリットがある他、今まで
リモネンや塩化メチレンと比較しても見劣りしない優れ
た発泡スチロール溶解性能を備えている。このような溶
剤を使用すれば、今までにない優れた発泡スチロール溶
解装置や発泡スチロールリサイクル装置、発泡スチロー
ル溶解処理方法を実現できる。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、その目的は、イソプロピルブロマイドおよび
/またはノルマルプロピルブロマイドからなる発泡スチ
ロール溶解剤の特徴を活かした発泡スチロール溶解装
置、発泡スチロールリサイクル装置および発泡スチロー
ル溶解処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべく
本発明の発泡スチロール溶解装置にあっては、イソプロ
プルブロマイドおよび/またはノルマルプロピルブロマ
イドからなる発泡スチロール溶解剤を貯留する溶解槽
と、この溶解槽に貯留された前記溶解剤の貯留液を加熱
する加熱手段と、前記溶解槽内の前記貯留液上方に発泡
スチロールを保持しておくための網棚とを備え、前記加
熱手段により生成された前記溶解剤の蒸気が前記網棚の
網目を通じて前記発泡スチロールに下側から接触して発
泡スチロールを溶解処理するとともに、この処理により
生成されたポリスチレンと前記溶解液とを前記網棚の網
目を通じて下側に滴下させて前記貯留液に回収すること
を特徴とする。
【0010】この装置の最大の特徴は、発泡スチロール
溶解剤を加熱して蒸気を生成し、この蒸気を発泡スチロ
ールと接触させて溶解処理を行うことにある。発泡スチ
ロールを蒸気で溶解処理することは、不純物をほとんど
含まない純度の高い濃厚な状態で発泡スチロール溶解剤
を発泡スチロールと接触させることができ、非常に効率
よく溶解処理を進めることができる。しかも、溶解処理
が進行しても、回収した発泡スチロール溶解剤の中から
溶剤成分だけを蒸発させて再度同じ状態で発泡スチロー
ルと接触させることができるから、溶解処理が進んでも
溶解能力が低下することがない。
【0011】このように発泡スチロールを蒸気で溶解処
理できるようになった理由は、発泡スチロール溶解剤を
構成するイソプロピルブロマイド(別名:臭化イソプロ
ピル又は2−ブロモプロパン、以下IPBともいう)お
よび/またはノルマルプロピルブロマイド(別名:n−
臭化プロピル又は1−ブロモプロパン、以下NPBとも
いう)が、これに相応しい優れた特性を有しているから
である。すなわち、IPBおよびNPBは、引火性がな
く危険物に該当しないとともに毒性も少ないため、これ
らを蒸発させても人体に悪影響を与えたり、引火性で危
険な雰囲気が形成されることはない。しかも、これらI
PBおよびNPBは、沸点が比較的低い(IPBは沸点
約60℃,NPBは沸点約70℃)ため、低温で蒸気を
生成することができ、あまり大きな熱エネルギーを必要
しないとともに、溶解し生成されたポリスチレンをあま
り熱分解させずに済む。これらの条件をIPBおよびN
PBが満たすことで、蒸気による溶解が簡単に実現でき
るようになったのである。今までの発泡スチロール溶解
剤に使用される溶剤は、引火性があったり毒性があった
りして採用することには至らない。
【0012】さらに本発明にかかる発泡スチロールの溶
解装置では、この他に次のような利点がある。 (1)発泡スチロールを発泡スチロール溶解剤の貯留液
上方に保持することで、生成された前記溶解剤の蒸気と
発泡スチロールとを簡単に接触させることができる。 (2)溶解処理により生成されたポリスチレンを前記溶
解剤とともに前記貯留液に簡単に回収することができ
る。 (3)未処理の発泡スチロールと処理により生成された
ポリスチレンとの区別を図ることができる。また、これ
により、発泡スチロール溶解剤のポリスチレン溶解許容
濃度が限界に達するまで、溶解処理を継続することがで
きる。(4)上昇してきた溶解剤の蒸気を網棚の網目を透過さ
せて、発泡スチロールに下側から接触させることがで
き、発泡スチロールを効率よく溶解させることができ
る。さらに、この溶解により生成されたポリスチレンと
前記溶解剤を網棚の網目を通じて滴下させて効率よく回
収することができる。 (5)発泡スチロールに付着したガムテープやセロハン
テープ、ラベル等の異物は網棚の網目を通過せず網棚上
に残留させて、処理済みの発泡スチロールとの分離を図
ることができる。
【0013】また、この発泡スチロール溶解装置にあっ
ては、次の各事項(A)または(B)の構成を備えるの
が好ましい。 (A)前記網棚上方に、前記発泡スチロール溶解剤の蒸
気を冷却して液化する冷却手段を備える。この手段を備
えることで、上昇しようとする前記溶解剤の蒸気を液化
してくい止めることができる。液化した溶解剤について
は、溶解槽底部で回収することができる。 (B)前記貯留液の液中に不活性ガスを吹き込むガス吹
き込み手段を備える。貯留液液中に不活性ガスを吹き込
むことで、回収されたポリスチレンの酸化を防止するこ
とができる。発泡スチロールの再生品質の低下を阻止す
ることができる。
【0014】本発明にかかる発泡スチロールのリサイク
ル装置は、このような溶解装置の他に、前記発泡スチロ
ール溶解装置から前記貯留液を取得し、この貯留液を加
熱してこれに含まれる前記溶解剤の成分とポリスチレン
とを分離させる蒸発分離装置を備える。溶解装置から得
られた処理済み液からポリスチレンを取り出すことがで
きる。取り出したポリスチレンは、発泡スチロールの原
料として再び利用することができる。
【0015】ここでさらに、前記蒸発分離装置の加熱に
より前記溶解剤の成分が蒸発する空間部に不活性ガスを
吹き込むガス供給手段を設ければ、前述したようにポリ
スチレンの酸化を防止することができ、再生品質の低下
を阻止することができる。
【0016】
【0017】
【発明の実施の形態】===発泡スチロール溶解装置=
== 図1は、本発明にかかる発泡スチロール溶解装置の一実
施形態を示したものである。この発泡スチロール溶解装
置2は、イソプロピルブロマイド(IPB)および/ま
たはノルマルプロピルブロマイド(NPB)からなる発
泡スチロール溶解剤の貯留液4を底部に有する溶解槽6
と、この貯留液4を加熱する加熱装置8と、発泡スチロ
ール10を溶解槽6上方部で支持する受け部としての網
棚12とを備えている。
【0018】発泡スチロール溶解剤は、イソプロピルブ
ロマイド(IPB)およびノルマルプロピルブロマイド
(NPB)のうちの少なくとも一方の溶剤が配合され
る。もちろん、IPBおよびNPBの双方が配合されて
も差し支えはない。また、この溶解液には、これらIP
Bおよび/またはNPBと金属、特にアルミニウムやそ
の合金との反応を防止するために、ニトロアルカン類、
エーテル類、エポキシド類、アミン類の中から選ばれる
1種または2種以上の物質が添加されることがある。こ
の他、この溶解液には、これらの溶剤から発せられる不
快な臭いを和らげるためにd−リモネンなどの香料が添
加される他、他の溶剤が混合されることがある。なお、
以下の実施の形態では、発泡スチロール溶解剤がNPB
から構成されている場合について説明する。
【0019】溶解槽6は、上方部が開口された有底筒形
の密閉式容器で、その開口部には、投入された発泡スチ
ロールを破砕する破砕装置14が設けられている。この
破砕装置14は、発泡スチロールを溶解処理し易い適当
な大きさに小さく破砕するもので、破砕された発泡スチ
ロールは網棚12の上に落下される。
【0020】加熱装置8は、溶解槽6の下側部外側を囲
繞して設けられている。この加熱装置8は、溶解槽の下
側部外側を囲繞して画成した空間部8aに、外部から熱
媒として供給されたスチームを取り入れて、溶解槽6の
貯留液4を加熱する。その加熱温度は、発泡スチロール
溶解剤の沸点よりも若干高めに設定される。例えば、発
泡スチロール溶解剤がIPBからなる場合では70〜7
5℃ぐらい、NPBからなる場合には80℃〜85℃ぐ
らいに設定される。加熱された貯留液4は蒸発気化して
溶解剤の蒸気16となり、この蒸気16は溶解槽6内上
方部へと上昇する。
【0021】網棚12は、溶解槽6内上方部に網材を水
平に張り渡して設けられたもので、破砕装置14から落
下してきた発泡スチロールを受け止める。発泡スチロー
ル10は網棚12の上に載せられ、貯留液4の液面から
所定の距離を置いて空中に浮いた形になる。下から上昇
してきた溶解剤の蒸気16は網棚12の網目を透過して
その上の発泡スチロール10と接触する。蒸気16と接
触した発泡スチロール10はその外表面部から徐々に溶
解して、当該発泡スチロールの原材料であるポリスチレ
ンに変換される。変換されたポリスチレンは、発泡スチ
ロール溶解剤に溶解された状態で網棚12を透過して下
方に滴下する。ここで、発泡スチロール外面に付着した
ガムテープやセロハンテープ、ラベル等の異物は、網棚
12の網目を通過せずに網棚12の上に残留する。
【0022】網棚12から滴下してきたポリスチレン
は、発泡スチロール溶解剤とともに貯留液4に回収され
る。ここで、回収されたポリスチレンおよび発泡スチロ
ール溶解剤は、貯留液と混じり合って加熱される。発泡
スチロール溶解剤は再び蒸発として生成され、発泡スチ
ロール10の溶解処理に利用される。一方、ポリスチレ
ンは、貯留液4の液中に溶解されたまま残留し、溶解処
理の進行に従い、貯留液4の液中に逐次蓄積されてゆ
く。
【0023】ここで溶解槽底部には、貯留液液中のポリ
スチレンが熱分解して空気中の酸素と結合し酸化するの
を阻止するためにガス送給管17が設けられている。こ
のガス送給管17は、外部から供給された窒素ガス等の
不活性ガスを貯留液4液中にブローする。貯留液4の液
中には、不活性ガスの気泡が形成され、この気泡が貯留
液に含まれるポリスチレンの酸化を阻止し品質劣化を防
止する。また、この気泡には、貯留液4を撹拌するとと
もに貯留液4の揮発を促進させる効果もある。なお、本
実施形態では、溶解槽6内上方の空間部にも不活性ガス
を送り込んで、溶解処理中における発泡スチロール10
の酸化をも防止するために、当該溶解処理を不活性ガス
雰囲気中で行うようにしている。
【0024】さらに、溶解槽6底部には撹拌機18が設
けられている。この撹拌機18により、貯留液4の温度
の均一化とポリスチレンの分散とが図られている。
【0025】また、溶解槽6上方部には、溶解槽6の内
壁に沿って冷却装置の熱交換パイプ20が螺旋状に配設
され、溶解槽6上方部へと上昇してきた前記溶解剤の蒸
気を冷却して液化する。これにより、前記溶解剤の蒸気
が上方へ逃げないようにしている。液化された発泡スチ
ロール溶解剤は溶解槽6底部の貯留液4に滴下回収され
る。
【0026】また、冷却により熱交換パイプ20表面に
付着した水滴等が、溶解槽6底部の貯留液4に混合しな
いようにするために、溶解槽6の内壁に熱交換パイプ2
0の下側に沿って配設された受水溝22で回収する。回
収した水滴等は発泡スチロール溶解液の成分も含んでい
るため、水分離装置24で当該溶解剤成分と水とを分離
し、得られた溶解剤液分については、再び発泡スチロー
ルの溶解に利用する。
【0027】また、溶解槽6内上方部には、発泡スチロ
ール溶解液を撒布するシャワーノズル26が設置され、
発泡スチロール10に対し上方から発泡スチロール溶解
液を散布して発泡スチロール10の溶解処理を促進す
る。
【0028】溶解処理が進み、貯留液4中のポリスチレ
ン溶解濃度が高まると、貯留液4に若干の粘性が生じて
徐々に高まるとともに、貯留液4の温度も若干上昇す
る。これは、発泡スチロール溶解剤が蒸発し難くなった
のが原因と考えられる。このときのポリスチレンの溶解
濃度はだいたい40%〜50%ぐらいとなる。これ以
上、溶解処理を続けても、ポリスチレンを貯留液にあま
り溶解させることができなくなるとともに、作業もしに
くくなって作業効率が低下する。
【0029】そこで、溶解処理を一旦中断して、溶解槽
6の底部に設けられた排出弁28を開き、溶解槽6底部
に接続された排出系29を通じて溶解槽内部の貯留液4
を抜き取る。抜き取られた貯留液は処理済液として、次
のポリスチレンと発泡スチロール溶解剤とを分離する工
程に送られる。ここで処理済み液は70〜75℃ぐらい
に保温されながら送られる。処理済液が抜き取られた溶
解槽6内には再び新しい発泡スチロール溶解液が注入さ
れ、溶解処理が再開する。ここでは、未処理の発泡スチ
ロール10が処理済の貯留液4から分離されているた
め、未処理の発泡スチロール10が処理済の貯留液4と
ともに次の工程に送られる心配はない。
【0030】===発泡スチロールリサイクル装置==
= 図2は、このような発泡スチロール溶解装置を備えた発
泡スチロールリサイクル装置の一実施形態を示したもの
である。このリサイクル装置は、前述した発泡スチロー
ルの溶解装置2と、この装置2から抜き取られた処理済
液を貯留する貯留タンク30と、貯留タンク30から処
理済液を取得して、処理済液に含まれる発泡スチロール
溶解剤の成分とポリスチレンとを分離する蒸発分離装置
32とを備える。
【0031】溶解装置2から抜き取られた処理済液は、
排出系29に介設されたフィルターを介してポンプによ
り貯留タンク30に送られてくる。貯留タンク30で
は、送られてきた処理済液を70〜80℃ぐらいに保温
しつつ貯留する。処理済液の温度が低くなると処理済液
の粘性が高まり流動性が悪くなって送りにくくなるから
である。貯留タンク30内の処理済液は、当該タンク3
0から順次、蒸発分離装置32に供給される。
【0032】蒸発分離装置32は、中空円筒体状のジャ
ケット34内に前記処理済液を導入する。当該ジャケッ
ト34内部には、高速で回転する撹拌機35の回転翼3
6が設けられていて、この回転翼36の回転による遠心
力によって、導入された処理済液は、液滴化されて中心
から外側方向に向かって吹き飛ばれる。吹き飛ばされた
処理済液はジャケット34内面に付着する。ジャケット
34内面は、ジャケット外側の加熱装置38によって1
50〜170℃ぐらい(ポリスチレンが熱分解しない程
度の温度)に加熱され、その表面に付着した処理済液は
直ちに蒸発気化され、処理済液に含まれている発泡スチ
ロール溶解剤の溶剤成分、特にIPBまたはNPBが蒸
発除去される。ジャケット34内面にはポリスチレンの
固形物が残留する。残留したポリスチレンの固形物は撹
拌機35の回転翼36先端に形成された切削刃39によ
り削り取られ、小片ないし細片となってジャケット34
内底部へと落下する。ここで、ジャケット34内には、
外部からガス供給管40を通じて窒素ガス等の不活性ガ
スが吹き込まれているため、ジャケット34内部には不
活性ガス雰囲気が形成され、内面に付着したポリスチレ
ンはその酸化が阻止される。
【0033】一方、蒸発した発泡スチロール溶解剤の溶
剤成分は溶剤回収装置42により回収される。この溶剤
回収装置42は、ジャケット34内部から前記溶剤成分
を導出するための真空ポンプ43と、導出した溶剤成分
を冷却して液化させるコンデンサ(濃縮機)44と、液
化した溶剤成分が貯留される2つの回収槽46とからな
る。ジャケット34内部で蒸発した発泡スチロール溶解
剤の溶剤成分は、真空ポンプ43により例えば真空度3
0〜50トール程でジャケット34内からコンデンサ4
4へと導き出され、コンデンサ44で冷却液化されて回
収槽46に貯留される。ここに貯留した発泡スチロール
溶解剤の溶剤成分は再び発泡スチロール溶解剤として発
泡スチロールの溶解処理に利用される。
【0034】ジャケット34底部に落下したポリスチレ
ンの小片または細片は、当該ジャケット34底部に接続
されたポリスチレン貯留槽48内へと回収される。回収
されたポリスチレンの小片または細片49は、撹拌機5
0で撹拌されながら保管される。このとき、ポリスチレ
ンの小片または細片49は、ポリスチレン貯留槽48の
外側に設けた加熱装置51で温度150〜170℃くら
いで加温される。これは、ポリスチレン貯留槽48に蓄
積されたポリスチレンの小片または細片には、前記蒸発
分離装置で分離除去し切れなかった発泡スチロール溶解
剤の残留成分(5〜10%くらい)が含まれているた
め、ポリスチレンの小片または細片を前記温度で加温す
ることで、これを保管しながら残留溶剤の除去を図る。
さらに、ポリスチレン貯留槽48内には、ガス供給管4
7を通じて窒素ガス等の不活性ガスが供給され、ポリス
チレンの酸化防止が図られる。この加温により蒸発した
発泡スチロール溶解剤の溶剤成分は、ポリスチレン貯留
槽48の上方部から前記真空ポンプ43により抜き出
し、前述同様、コンデンサ44で冷却液化して回収槽4
6に回収する。
【0035】貯留槽48内に蓄積されたポリスチレン4
9は、貯留槽48底部から送出し装置51を通じてフレ
ーカー52に適宜送られる。フレーカー52では、送ら
れてきた小片状または細片状のポリスチレン49を2つ
のローラ53間に投入し、投入された小片状または細片
状のポリスチレン29を所定の形状、例えば粒状または
板状等に凝縮成形する。ローラ53表面には当該ポリス
チレン49を成形するための凹凸(図示外)が形成され
る。
【0036】さらにここでは、ローラ表面が温度150
〜170℃くらいに加熱されていて、ポリスチレン49
に含まれる発泡スチロール溶解剤の残留成分の除去を図
る。ここで成形されたポリスチレン成形体は、袋詰めに
されるなどして発泡スチロール再生工場等に出荷され
る。
【0037】===他の実施の形態1=== 図3は、前記蒸発分離装置の他の実施形態を示したもの
である。この蒸発分離装置32は、送給された処理済液
を螺旋状に成形された蛇管60内部に導入して、蛇管6
0内部で処理済液を加熱し、これに含まれる発泡スチロ
ール溶解剤の溶剤成分を蒸発させてポリスチレンと分離
する。処理済液の蛇管60内への導入量は、前記貯留タ
ンク30からの排出系29に介設された調節弁62で調
節される。この蒸発分離装置32の下部には、蒸発分離
装置32で生成されたポリスチレンを回収するポリスチ
レン貯留槽48が接続されている。ポリスチレン貯留槽
48には、蒸発した発泡スチロール溶解剤の溶剤成分を
吸い取るための前述したコンデンサや真空ポンプが接続
されている。真空ポンプは真空度30〜50トールで吸
引し、ポリスチレン貯留槽48の内部は負圧状態に設定
される。
【0038】調節弁を開放して処理済液を蛇管内に導入
すると、処理済液は、蛇管内を通って次々とポリスチレ
ン貯留槽48に吸い込まれる。蛇管60内面は、外側の
ヒータ(図示外)によって150℃〜170℃に加熱さ
れていて、これにより、処理済液は蛇管60の入口から
出口に到達するまでの間に、その中に含まれている発泡
スチロール溶解剤の溶剤成分が蒸発される。蛇管60出
口付近に到達するまでにはポリスチレンが固形化し、細
糸状、小片状または細片状になって蛇管出口から排出さ
れる。なお、処理済液の導入量は、処理済液が蛇管60
出口に到達するまでに固形のポリスチレンになるように
調節弁62で適宜調節される。また、このとき蛇管60
内には窒素ガス等の不活性ガスがガス供給管61を通じ
て吹き込まれ、蛇管60内でポリスチレンが加熱されて
酸化されてしまうのを阻止する。
【0039】形成されたポリスチレンはそのままポリス
チレン貯留槽48内に回収され蓄積され管理される。そ
して、ポリスチレン貯留槽48の底部から徐々にフレー
カーに送られる。一方、蒸発した発泡スチロール溶解剤
の溶剤成分については真空ポンプによって吸い出されて
コンデンサで冷却液化されて、前述したように回収槽に
回収される。
【0040】===他の実施の形態2=== 本発明にかかる発泡スチロールの溶解装置、リサイクル
装置および溶解処理方法は次のように実施されてもよ
い。 (1)前記溶解槽の加熱装置にあっては、前記実施の形
態のスチーム以外に、オイルなどの他の熱媒を利用した
ものでもよい。 (2)発泡スチロールのリサイクル装置で、処理済液を
貯留する貯留タンクは設けても設けなくてもどちらでも
かまわない。 (3)本発明の発泡スチロールのリサイクル装置にあっ
ては、前記実施の形態で説明した蒸発分離装置以外に、
他のタイプの蒸発分離装置を備えていてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上、本発明にかかる発泡スチロールの
溶解装置にあっては次のような作用効果を奏する。 (1)発泡スチロール溶解剤を加熱して生成した蒸気と
発泡スチロールとを接触させて発泡スチロールを溶解さ
せるから、不純物を含まずもっとも純度の高い状態で溶
解剤を発泡スチロールと接触させることができ、溶解処
理を効率よく実施することができる。しかも、溶解処理
が進んでも、蒸発するのは溶解剤成分のみであるから、
純度の低下が起こらず、浸漬処理する場合に比べて溶解
能力の低下が起きる心配はない。さらに、上昇してきた
溶解剤の蒸気を網棚の網目を透過させて、発泡スチロー
ルに下側から接触させることができ、発泡スチロールを
効率よく溶解させることができるとともに、溶解により
生成されたポリスチレンと前記溶解剤を網棚の網目を通
じて滴下させて効率よく回収することができる。また、
発泡スチロールに付着したガムテープやセロハンテー
プ、ラベル等の異物は網棚の網目を通過せず網棚上に残
留させて、処理済みの発泡スチロールとの分離を図るこ
とができる(請求項1)。 (前記網棚上方に、前記発泡スチロール溶解剤の蒸
気を冷却して液化する冷却手段を備えることで、前記溶
解剤の蒸気の上昇を液化してくい止めることができる。
液化した溶解剤については、落下させて回収することが
できる(請求項2)。 ()前記貯留液中に不活性ガスを吹き込むことで、回
収されたポリスチレンの酸化を防止することができ、発
泡スチロールの再生品質の低下を防ぐことができる(
求項3)。
【0042】また、本発明にかかる発泡スチロールのリ
サイクル装置にあっては次のような作用効果を奏する。(4) 蒸発分離装置により、前記発泡スチロール溶解装
置から取得した前記貯留液を加熱して、これに含まれる
前記溶解剤の成分とポリスチレンとを分離する蒸こと
で、発泡スチロールの出発原料であるポリスチレンとし
て最終的に取り出すことができる。取り出したポリスチ
レンについては、再び発泡スチロールの生成材料に利用
することができる(請求項4)。(5) さらに、前記蒸発分離装置の加熱により前記溶解
剤の成分が蒸発する空間部に不活性ガスを吹き込むこと
で、前述したようにポリスチレンの酸化を防止すること
ができ、再生品質の低下を阻止することができる(請求
項5)。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる発泡スチロールの溶解装置の一
実施形態を示した図である。
【図2】本発明にかかる発泡スチロールのリサイクル装
置の一実施形態を示した図である。
【図3】本発明にかかる発泡スチロールのリサイクル装
置の蒸発分離装置の他の実施の形態を示した図である。
【符号の説明】
2 発泡スチロール溶解装置 4 貯留液 6 溶解槽 8 加熱装置 10 発泡スチロール 12 網棚 14 破砕装置 16 蒸気 18 撹拌機 20 熱交換パイプ 22 受水溝 24 水分離装置 26 シャワーノズル 30 貯留タンク 32 蒸発分離装置 38 加熱装置 39 切削刃 44 コンデンサー 48 ポリスチレン貯留槽 51 加熱装置 52 フレーカー 53 ローラ 60 蛇管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 11/00 - 11/28 B29B 17/00 - 17/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソプロプルブロマイドおよび/または
    ノルマルプロピルブロマイドからなる発泡スチロール溶
    解剤を貯留する溶解槽と、この溶解槽に貯留された前記
    溶解剤の貯留液を加熱する加熱手段と、前記溶解槽内の
    前記貯留液上方に発泡スチロールを保持しておくための
    網棚とを備え、 前記加熱手段により生成された前記溶解剤の蒸気が前記
    網棚の網目を通じて前記発泡スチロールに下側から接触
    して発泡スチロールを溶解処理するとともに、この処理
    により生成されたポリスチレンと前記溶解液とを前記網
    棚の網目を通じて下側に滴下させて前記貯留液に回収す
    ことを特徴とする発泡スチロールの溶解処理装置。
  2. 【請求項2】 前記網棚上方に、前記発泡スチロール溶
    解剤の蒸気を冷却して液化する冷却手段を備えたことを
    特徴とする請求項1に記載の発泡スチロールの溶解装
    置。
  3. 【請求項3】 前記貯留液の液中に不活性ガスを吹き込
    むガス吹き込み手段を備えたことを特徴とする請求項1
    または2に記載の発泡スチロールの溶解装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の発泡ス
    チロール溶解装置を備えた発泡スチロールのリサイクル
    装置であって、前記発泡スチロール溶解装置から取得し
    た前記貯留液を加熱してこの貯留液に含まれる前記溶解
    剤の成分とポリスチレンとを分離する蒸発分離装置を備
    えたことを特徴とする発泡スチロールのリサイクル装
    置。
  5. 【請求項5】 前記蒸発分離装置の加熱により前記溶解
    剤の成分が蒸発する空間部に不活性ガスを吹き込むガス
    供給手段を設けたことを特徴とする請求項4に記載の発
    泡スチロールのリサイクル装置。
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