JP3206756U - 鉄道用避難装置 - Google Patents

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満也 寺田
満也 寺田
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Abstract

【課題】避難する人に不安を感じさせることなく迅速かつ安全に避難することができ、収納スペースも小さくできる鉄道用避難装置を提供することを目的とする。【解決手段】鉄道の車両Sから避難する際に使用される鉄道用避難装置1であって、鉄道の車両Sのドア部Dと軌道Rとの間に設置される一対の支持紐2,2と、一対の支持紐2,2の間に張られたシート部材3と、を備えており、シート部材3は、滑りにくい素材によって形成されていることを特徴とする。一対の支持紐2,2を鉄道の車両Sのドア部Dと軌道Rとの間に設置して、その一対の支持紐2,2間にシート部材3を設置すれば、シート部材3を滑り台のように使用することができる。しかも、シート部材3は滑りにくい素材によって形成されており、移動速度を遅くできるので、高齢者の方などでも、安全かつ安心して迅速に車両Sから避難することができる。【選択図】図1

Description

本考案は、鉄道用避難装置に関する。さらに詳しくは、災害などの緊急時において、車内から線路上に乗客を避難させるために使用される鉄道用避難装置に関する。
鉄道の車両において、火災や地震等の非常事態が発生した場合には、車内から乗客を線路上に避難させる必要がある。鉄道車両は、路面から床面まで高低差がかなりあるため、床面から直接路面に避難することは難しく、避難のために避難用の器具が必要となる。
従来、鉄道の車両から非難する場合、通常の車両の昇降口、つまり、車両の側面に設けられている昇降口から避難することが想定されているので、この昇降口から避難するための避難用の器具が開発されている。例えば、特許文献1には、タラップを設けた梯子が開示されており、ある程度の幅を有するタラップを設けることによって、比較的安全に車内から降りることができるように構成されている。また、手すりも設けているので、その手すりを持って降りれば、より安全に車内から降りることができる。
しかし、特許文献1のような梯子状の避難器具は、健常者や比較的体力のある人にとっては容易に降りることができるが、足の不自由な方や高齢の方にとっては自力で降りることが困難となる場合がある。また、自力で降りることができても時間を要する場合があり、迅速に避難することが難しい場合がある。
一方、高所から避難する器具として、滑り台のような形状をしたシューターが開発されており(例えば、特許文献2、3参照)、高層住宅や航空機等の避難器具として採用されている。かかるシューターは、通常時は折り畳んで収納しておき、災害時などにはエアを吹き込んで膨らませて滑り台のような形状となる。したがって、災害時などにおいて避難が必要な場合には、シューターを膨らませれば、シューター上を滑り降りることによって、高所からでも安全かつ迅速に避難ができる。しかも、シューター上を滑り降りるだけであるから、足の不自由な方や高齢の方でも、健常者や若い人と比べても、避難時間はそれほど変わらない。したがって、特許文献2、3のようなシューターは、高所などから迅速な避難を実施する上では有効である。
特開2010−59758号公報 特開平11−28253号公報 特開2013−212470号公報
しかるに、特許文献2、3のようなシューターの場合、シューター上を滑り降りることにより迅速な避難ができる一方で、滑り降りることに不安を感じる方がいる場合がある。つまり、シューター上に座れば重力で自然に滑っていくので、自分で移動速度を制御できず、その速度に不安を感じる場合がある。
また、特許文献2、3のようなシューターの場合、エアが入っていない状態では、折り畳んで保管しておくことができるので、使用状態の大きさに比べて小さい収容スペースに収納できる点では好ましい。しかし、シューター内には、吹き込まれたエアを収容するエア室が必要になるので、折り畳んでもそれほどコンパクトにはできず、ある程度の大きさの保管場所は必要になる。高層住宅や航空機等のように、保管用の空間を確保できる容積があれば、折り畳んだシューターを保管しておくことができる。しかし、一般的な鉄道車両では、折り畳んだシューターを保管しておくだけの十分なスペースを確保できないものの方が多い。しかも、シューターを膨らませるためのコンプレッサーなどの設備も必要となるので、かかる設備を保管する場所も必要となるが、上述したように、鉄道車両では、かかる設備を保管するスペースを確保できない可能性がある。
本考案は上記事情に鑑み、避難する人に不安を感じさせることなく迅速かつ安全に避難することができ、収納スペースも小さくできる鉄道用避難装置を提供する。
第1考案の鉄道用避難装置は、鉄道の車両から避難する際に使用される鉄道用避難装置であって、鉄道の車両のドア部と軌道との間に設置される一対の支持紐と、該一対の支持紐間に張られたシート部材と、を備えており、該シート部材は、滑りにくい素材によって形成されていることを特徴とする。
第2考案の鉄道用避難装置は、第1考案において、前記シート部材の素材が、テント用生地であることを特徴とする。
第3考案の鉄道用避難装置は、第1または第2考案において、各支持紐は、一端部が前記シート部材に連結されており、他端部が車両に連結される連結部を備えており、前記シート部材は、車両側に配置される車両側端部において前記一対の支持紐の連結部が連結されている部分よりも軌道側端部側に、前記一対の支持紐がそれぞれ挿通される一対のリング部材が設けられており、各支持紐は、前記連結部と前記リング部材の間で、該支持紐に沿って移動可能に設けられた吊上連結部を備えていることを特徴とする。
第4考案の鉄道用避難装置は、第1、第2または第3考案において、前記シート部材は、車両側端部を車両のドア部近傍に配置した際に、軌道側端部と軌道面と距離が30〜50cm程度となる長さであることを特徴とする。
第5考案の鉄道用避難装置は、第1、第2、第3または第4考案において、各支持紐は、前記軌道側端部に、軌道に連結される軌道連結部を備えており、該軌道連結部は、各支持紐の張力を調整する張力調整器具を備えていることを特徴とする。
第1考案によれば、一対の支持紐を鉄道の車両のドア部と軌道との間に設置して、その支持紐間にシート部材を設置すれば、シート部材を滑り台のように使用することができる。しかも、シート部材は滑りにくい素材によって形成されているので、シート部材上を移動する際に、移動速度を遅くできるし、移動する人が移動速度を調整しやすくなる。したがって、高齢者の方などでも、安全かつ安心して迅速に車両から避難することができる。そして、一対の支持紐とシート部材で構成されているので、シート部材を巻いて一対の支持紐によって束ねておけばコンパクトにできるから、収納スペースも小さくできる。
第2考案によれば、シート部材が丈夫かつ滑りにくい素材であるから、避難する人がシート部材上を安定して移動することができる。
第3考案によれば、連結部を車両に取り付けて、吊上連結部を、連結部を取り付けた位置よりも上方の位置に取り付ければ、シート部材の車両側の端部に略水平な部分を形成することができる。すると、避難する人は略水平な部分に載ってから傾斜している部分に移動することになるので、シート部材に載る際の不安感を軽減することができる。また、略水平な部分の側方には、一対の支持紐によって持ち手のような部分を形成できるので、避難する人がシート部材に載りやすくなる。
第4考案によれば、軌道側端部まで下りれば足が軌道等に着いた状態にすることができる。しかも、足が軌道等に着いたときには、椅子から立ち上がる途中のような姿勢になるので、シート部材から容易に降りることができる。
第5考案によれば、一対の支持紐をしっかりと張った状態とできるし、使用している途中で張力が弱くなってもすぐに元の張力に戻すことができる。
本実施形態の鉄道用避難装置1を設置した状態の概略斜視図である。 本実施形態の鉄道用避難装置1を設置した状態の概略側面図である。 本実施形態の鉄道用避難装置1によって避難している状態の概略説明図である。 本実施形態の鉄道用避難装置1の概略平面図である。 本実施形態の鉄道用避難装置1を収納しておく状態の概略説明図である。
本考案の鉄道用避難装置は、地震や車両火災などの災害時において、車両から乗客を避難させるための装置であって、乗客を安全かつ安心して避難させることができるようにしたことに特徴を有している。
(本実施形態の鉄道用避難装置1について)
本実施形態の鉄道用避難装置1を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態の鉄道用避難装置1は、鉄道の車両Sと軌道Rとの間に設置されて、鉄道の車両Sから乗客を避難させるために使用されるものである。本実施形態の鉄道用避難装置1は、一対の支持紐2,2と、シート部材3と、一対の支持紐2,2を車両Sや軌道RのレールRLに固定する連結機構10と、を備えている。
(シート部材3)
まず、シート部材3は、その幅方向に比べて長手方向が長くなったシートである。このシート部材3は、その長手方向が一対の支持紐2,2の軸方向に沿って伸びた状態となるように、一対の支持紐2,2に取り付けられている(図4参照)。このシート部材3は、人がシート部材3の上に載った際に、一対の支持紐2,2の間に一対の支持紐2,2に沿った断面U字状の溝状が形成され、しかも、その溝が人の足と腰を収容できる程度の大きさ(直径600〜700mm程度の断面弧状)となるように形成されている(図3参照)。例えば、シート部材3は、その幅が600〜1000mm程度かつその長さが2000〜5000mm程度、好ましくは、その幅が800〜900mmかつその長さが2000〜4000mm程度となるように形成されている。
このシート部材3は、テントなどに使用される丈夫なテント生地によってシート状に形成された部材である。具体的には、シート部材3は、人がその上に載っても破れない程度の強度を有している。
しかも、シート部材3は、その表面が滑りにくくなっている。滑りにくくなっているとは、シート部材3を適切な角度で斜めに設置した際に(図1〜図3参照)、自重では人は滑りにくいが、移動したい方向に力を加えればシート部材3の表面を比較的容易に滑って移動できる程度の滑りにくさを意味している。つまり、滑りにくくなっているとは、本実施形態の鉄道用避難装置1を設置してその上に人が座っても(図3参照)、自重だけでは加速しながら滑り落ちることはない程度の滑りにくさを意味している。
(一対の支持紐2,2)
図1に示すように、シート部材3の幅方向の両端部には、その長手方向に沿って伸びた貫通孔である一対の紐挿通部2g,2gが設けられている。この一対の紐挿通部2g,2gには、それぞれ一対の支持紐2,2が挿通されている。この一対の支持紐2,2は、例えば、一般的な繊維を撚り合わせて形成された綱等であり、一対の支持紐2,2を車両Sと軌道Rとの間に本実施形態の鉄道用避難装置1を設置した状態でシート部材3上に人がのっても切れない程度の強度を有するものである。
この一対の支持紐2,2は、一対の紐挿通部2g,2gの一方の端部(図1〜図3では車両S側の端部、以下車両側端部という)からその一端が突出しており、この一端(車両側端部)に、連結機構10の連結部11が設けられている。この連結部11は、各支持紐2を車両Sに連結するためのものである。例えば、連結部11として、一端に車両Sの孔や溝等に係合できるフックを有する部材などを使用することができる。
なお、連結部11はシート部材3の車両側端部にも連結されており、各支持紐2に対しては移動可能であるが、連結部11はシート部材3の車両側端部に対しては移動できないように設けられている。もちろん、連結部11は各支持紐2に対しても移動できないように設けてもよい。
一方、一対の支持紐2,2は、一対の紐挿通部2g,2gの他方の端部(図1〜図3では軌道R側の端部、以下軌道側端部という)近傍で折り返されており、車両側端部(つまり連結部11近傍)で両端部が連結されている。つまり、一対の支持紐2,2は、輪状になっており、その一部がシート部材3の一対の紐挿通部2g,2gに挿通された状態となっている。なお、各支持紐2の両端部を連結する位置は、車両側端部でなくてもよく、軌道側端部でもよいし、他の位置でもよい。また、各支持紐2の両端部を連結する方法はとくに限定されず、両端部を結んで連結してもよいし、各支持紐2とは別に設けられた連結部材等によって(または連結部材等を介して)連結してもよい。
なお、以下では、便宜上、一対の支持紐2,2において、車両側端部や軌道側端部において折り返されている部分に対して、シート部材3の一対の紐挿通部2g,2gに挿通されている側を挿通紐2aといい、シート部材3の一対の紐挿通部2g,2gに挿通されていない側を露出紐2bという(図4参照)。
そして、一対の支持紐2,2において、一対の紐挿通部2g,2gの軌道側端部に位置する部分には、軌道連結部13が設けられている。この軌道連結部13は、一対の支持紐2,2を軌道RのレールRLに連結するものである。例えば、ワイヤー等を一対の支持紐2,2と着脱可能に設ければ、このワイヤー等を軌道連結部13として使用することができる。この場合、ワイヤーを、一旦、一対の支持紐2,2から外してレールRLに引っ掛けて、その後、ワイヤーを一対の支持紐2,2に連結すれば、一対の支持紐2,2とレールRLを連結することができる。
さらに、一対の支持紐2,2の露出紐2bは、シート部材3の車両側端部近傍に設けられた係合リング3r(特許請求の範囲にいうリング部材に相当する)に挿通されている。
そして、一対の支持紐2,2の露出紐2bには、吊上連結部12が設けられている。この吊上連結部12は、よりも軌道側端部側には吊上連結部12を備えている。この吊上連結部12は、係合リング3rと連結部11との間において、露出紐2bに沿って移動可能に設けられている。具体的には、吊上連結部12は、露出紐2bが挿通された輪状部を一端に有しており、他端部に車両Sに設けられているブラケットや貫通孔等に係合できるフックを有する部材を使用することができる(図4参照)。
(本実施形態の鉄道用避難装置1の使用例)
本実施形態の鉄道用避難装置1は以上のような構造を有しているので、以下のように設置すれば、車両Sから乗客が避難する際に避難装置として使用することができる。
以下の例では、車両Sの貫通戸D(車両Sの先端や後端に設けられている開口)に本実施形態の鉄道用避難装置1を設置した例を説明する。
まず、本実施形態の鉄道用避難装置1を設置する場合には、一対の支持紐2,2の一端に連結されている一対の連結部11,11を、車両Sの貫通戸Dに連結する。例えば、一対の連結部11,11がフック金具であれば、その鈎状の部分を貫通戸Dに設けられているブラケットや貫通孔等に係合する。このとき、一対の連結部11,11は、互いの高さがほぼ同じになり、しかも、両者間の距離がシート部材3の幅よりも広くなるように設置する。
また、一対の支持紐2,2の露出紐2bに設けられている一対の吊上連結部12、12を、貫通戸Dにおいて一対の連結部11,11が設けられている位置よりよりも上方に取り付ける。例えば、一対の吊上連結部12、12がフック金具であれば、その鈎状の部分を貫通戸Dに設けられているブラケットや貫通孔等に係合する。このとき、一対の吊上連結部12、12も、互いの高さがほぼ同じになり、しかも、両者間の距離がシート部材3の幅よりも広くなるように設置する。
ついで、一対の支持紐2,2に連結されている一対の軌道連結部13,13を、車両Sの貫通戸Dよりも前方に位置する軌道Rの一対のレールRLに連結する。このとき、一対の軌道連結部13,13は、一対の支持紐2,2に一定以上の張力が発生するように、一対のレールRL,RLに連結される。すると、一対の支持紐2,2には張力が加わった状態になり、本実施形態の鉄道用避難装置1の設置が完了する。
設置された鉄道用避難装置1では、一対のレールRL,RLの間隔がシート部材3の幅よりも広くなっている。このため、シート部材3は、その表面がある程度張った状態かつ車両Sの貫通戸Dから軌道Rに向かって下傾した傾斜面に形成される(図1、図2参照)。したがって、このシート部材3の上面に乗客などがのれば、乗客などは、シート部材3の表面を滑りながら降りることができる。つまり、シート部材3を滑り台のように使用して、車両Sからスムースかつ迅速に乗客などが降りることができる。
なお、上述した「シート部材3の表面がある程度張った状態」とは、シート部材3の表面に人がのった際に、一対の支持紐2,2の撓み等によってシート部材3が下方に凹んで断面U字状の溝状(図3参照)が形成される程度にシート部材3の表面が張っている状態を意味している。
しかも、シート部材3は滑りにくい素材によって形成されているので、乗客などがシート部材3上移動する際の抵抗が大きくなる。このため、シート部材3上を移動する乗客の移動速度をある程度遅くできる。また、一対の支持紐2,2を握れば、乗客が自分で移動速度を速くしたり遅くしたりすることができる。つまり、乗客が移動速度を調整できるので、高齢者の方などでも、安全かつ安心して迅速に車両Sから避難することができる。
ここで、一対の支持紐2,2は、一対の吊上連結部12、12が一対の連結部11,11が設けられている位置よりよりも上方に取り付けられており、しかも、一対の吊上連結部12、12が取り付けられている露出紐2bは、シート部材3の車両側端部近傍に設けられた係合リング3rに挿通されている。このため、シート部材3において係合リング3rよりも車両S側の部分(シート部材3の車両側端部3a)は、露出紐2bによって吊り下げられた状態になり、その部分(水平部)は、その表面が略水平になる。
すると、乗客は、車両Sからシート部材3に載る際に、傾斜している部分には直接載らず、略水平な部分に載ってから傾斜している部分に移動することになる。したがって、乗客がシート部材に載る際の不安感を軽減することができる。
また、略水平な部分の側方には、一対の支持紐2,2の露出紐2bによって、略三角形の部分が形成される。すると、その部分をシート部材3に載る際の持ち手として使用できるので、乗客がシート部材3に載りやすくなる。
(収納について)
本実施形態の鉄道用避難装置1は、上述したように、シート状のシート部材3と、シート部材3の側端に沿って配置された一対の支持紐2,2と、一対の支持紐2,2の端部に設けられた連結機構10だけで構成されているので、収納が容易であり、かつ、収納スペースも小さくできる。
例えば、シート部材3をロール状に巻くだけで、本実施形態の鉄道用避難装置1を収納できる状態にできる(図5参照)。このように収納しておけば、ロール状のシート部材3を巻き戻すだけで本実施形態の鉄道用避難装置1が使用できる状態になるので、本実施形態の鉄道用避難装置1の設置を迅速に行うことができる。
なお、本実施形態の鉄道用避難装置1は、シート状のシート部材3と一対の支持紐2,2が主な構成部品となるので、収納形態をある程度自由に変えることができる。したがって、シート部材3をロール状に巻いて収納することもできるし、シート部材3を折り畳んで収納することもできる。つまり、本実施形態の鉄道用避難装置1は、収納する場所などに合わせて収納形態を変更できるので、特別な収納スペースを設けなくてもよく、鉄道の車両Sにも設置しておくことができる。
また、収納状態となった本実施形態の鉄道用避難装置1を専用の袋などに入れておけば、本実施形態の鉄道用避難装置1を自由に持ち運びできるという利点も得られる。
(連結機構10)
連結機構10の連結部11や吊下連結部12は、車両Sに連結できる構成を有していればよく、とくに限定されない。例えば、車両Sの貫通戸Dの近傍に貫通孔等が設けられている部分があるような場合であれば、フック金具等を連結部11や吊下連結部12として使用することができる。つまり、フック金具等を貫通孔等に引っ掛けて、一対の支持紐2,2を車両Sの貫通戸D等に連結することができる。
なお、上述した例では、連結部11はシート部材3に固定されている。しかし、一対の支持紐2,2とシート部材3が固定されている部分(シート部材3が一対の支持紐2,2に対して移動できないようになっている部分)があれば、必ずしも連結部11はシート部材3に固定されていなくてもよい。
また、連結部11は、一対の支持紐2,2に固定されていてもよいし、一対の支持紐2,2に対しては移動可能になっていてもよい。
連結機構10の軌道連結部13も、一対の支持紐2,2と軌道RのレールRLとの間を連結でき、一対の支持紐2,2にある程度の張力を発生させることができるものであれば、その構成はとくに限定されない。
例えば、基端が一対の支持紐2,2に連結され、先端にフック金具等が設けられたロープやワイヤーを軌道連結部13として使用することができる。この場合には、レールRLにフック金具等を引っ掛けて、一対の支持紐2,2とレールRLを連結することができる。
また、単なるワイヤーを軌道連結部13として使用することもできる。この場合には、ワイヤーを、一対の支持紐2,2の折り返した部分とレールRLとに引っ掛けて輪状に形成すれば、レールRLと一対の支持紐2,2を連結することができる。
(張力調整器具15を設けた例)
一方、軌道連結部13として、張力調整器具を有するものを使用すれば、一対の支持紐2,2を、車両SとレールRLとの間でしっかりと張った状態にしやすくなる。しかも、使用している途中で一対の支持紐2,2の張力が弱くなっても、迅速かつ容易に元の張力に戻すことができる。
かかる張力調整器具15を有する軌道連結部13の構成はとくに限定されないが、例えば、以下のような構成を採用することができる。
図1〜図3に示すように、軌道連結部13は、レールRLに係合する係合部14と、係合部14と一対の支持紐2,2を連結して両者間の距離を調整すると張力調整器具15と、を備えた構造とすることができる。この場合、係合部14としてワイヤーを使用し、張力調整器具15として荷締機を備えたベルト(いわゆるラッシングベルト)を使用することができる。かかる構成の場合には、荷締機15aを一対の支持紐2,2に連結しておき、ワイヤーをレールRLに引っ掛けてワイヤーの両端を張力調整器具15のベルト15bに連結する。その状態で荷締機15aとワイヤーの両端の間に位置するベルト15bの長さが短くなるように荷締機15aを操作すれば、一対の支持紐2,2に張力を発生させることができる。そして、荷締機15aは、通常、レバー等を操作するだけでベルト15bの長さ(つまり一対の支持紐2,2に発生する張力)を調整できるので、簡単かつ確実に一対の支持紐2,2を適切な張力に調整することができる。
(シート部材3について)
シート部材3はテント生地によって形成されているが、このテント生地は上述したような機能を有するものであればよく、その素材等はとくに限定されない。例えば、塩ビ系のテント生地やコットン調(布調)のテント生地等を使用することができる。
また、シート部材3は、必ずしもテント生地によって形成しなくてもよく、通常のビニールシートや一般的な織物等によって形成してもよい。ビニールシートのように表面が滑りやすいものの場合には、その表面に滑りにくい素材(例えば布等)を貼り付けたものを使用してもよい。
さらに、シート部材3は、その長さが2000〜5000mm程度(好ましくは2000〜4000mm程度)となるように形成されているので、本実施形態の鉄道用避難装置1を、一般的な鉄道の車両Sの貫通戸Dに適切に設置すれば、シート部材3の軌道側端部と軌道面と距離が30〜50cm程度となるように設置することができる。すると、シート部材3の軌道側端部まで乗客が下りれば、乗客は、その足が軌道Rに着いた状態にすることができる。しかも、足が軌道Rに着いたときには、椅子から立ち上がる途中のような姿勢になるので、シート部材3から容易に降りることができる。
(支持紐2について)
各支持紐2は、本実施形態の鉄道用避難装置1を設置した状態で、シート部材3上に人を載せても切れない程度の強度を有するものであればよく、その素材や紐の構造等はとくに限定されない。例えば、支持紐2として、繊維を撚り合わせて形成された一般的な綱等を使用できる。また、支持紐2の繊維として、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの合成繊維や、綿、絹などの天然繊維を使用することができる。
また、上記例では、各支持紐2が折り返されて輪状になっている場合を説明したが、各支持紐2は、必ずしも輪状に形成しなくてもよい。つまり、各支持紐2の一端および他端をシート部材3の紐挿通部2g,2gの両端から突出させて、その両端にそれぞれ連結部11と軌道連結部13を設けた構成としてもよい。
(本実施形態の鉄道用避難装置1を設置する戸について)
上述したように、本実施形態の鉄道用避難装置1は車両Sの貫通戸Dに設置してもよいし、車両Sの貫通戸D以外の開口に設置することも可能である。しかし、貫通戸Dに設置すれば、一対のレールRL,RLに一対の支持紐2,2をそれぞれ連結できるので、本実施形態の鉄道用避難装置1を安定した状態に設置できる。また、一対のレールRL,RL間にシート部材3が配置されるので、軌道Rにおいて一対のレールRL,RL間のスペースに乗客を降ろすことができる。すると、軌道Rにおける他の部分に乗客を降ろすよりも安全に乗客を避難させることができる。
(本考案の鉄道用避難装置の他の用途について)
本考案の鉄道用避難装置は、上述したように、鉄道の車両などから乗客を軌道等に避難させる器具として適しているが、その他の場所において人が避難するための器具として使用することもできる。
例えば、車高の高いバスなどの窓等から避難する場合等のように地面や床面からある程度離れた場所から地面等に移動する避難器具として使用することも可能である。上記のような場合でも、バスなどの窓枠等に連結部や吊上連結部を連結し、地面等に軌道連結部を固定すれば、上述した鉄道の車両に設置した場合と同様の構造となるように本考案の鉄道用避難装置を設置できる。
本考案の鉄道用避難装置は、もちろん、鉄道の車両やバス等から避難する場合に限られず、ある程度の高さの有る場所から避難する場合にも使用することができる。つまり、上述したように、シート部材3の上面を傾斜面として形成できるような場所からの避難に使用することができる。建物の窓などから避難する場合でも、窓などがある程度の高さ(1〜2m程度)になっている場合に使用してもよい。例えば、地震などで建物の1階が潰れて2階の窓だったところから避難するような場合にも使用できる。この場合には、倒壊した構造物の上を歩かずに避難できるので、足が弱い高齢者などでも安全に避難することができる。また、建物の玄関ドアが開かなくなり1階の窓から避難しなければならなくなったような場合にも使用することができる。
なお、バスなどの窓等から避難する用途に使用する場合には、連結機構の連結部や吊上連結部、軌道連結部は、各用途に適した構造とすればよい。
本考案の鉄道用避難装置は、鉄道の車両のドアやバスの窓等のように地面や床面からある程度離れた場所から床面に移動する避難器具に適している。
1 鉄道用避難装置
2 支持紐
3 シート部材
10 連結機構
11 連結部
12 吊上連結部
13 軌道連結部
15 張力調整器具
S 車両
D 貫通戸
R 軌道
RS 軌道面
RL レール

第1考案の鉄道用避難装置は、鉄道の車両から避難する際に使用される鉄道用避難装置であって、鉄道の車両のドア部と軌道との間に設置される一対の支持紐と、該一対の支持紐間に張られたシート部材と、を備えており、該シート部材は、滑りにくい素材によって形成されていることを特徴とする。
第2考案の鉄道用避難装置は、第1考案において、前記シート部材の素材が、テント用生地であることを特徴とする。
第3考案の鉄道用避難装置は、第1または第2考案において、各支持紐は、一端部が前記シート部材に連結されており、他端部が車両に連結される連結部を備えており、前記シート部材は、車両側に配置される車両側端部において前記一対の支持紐の連結部が連結されている部分よりも軌道側端部側に、前記一対の支持紐がそれぞれ挿通される一対のリング部材が設けられており、各支持紐は、前記連結部と前記リング部材の間で、該支持紐に沿って移動可能に設けられた吊上連結部を備えていることを特徴とする。
第4考案の鉄道用避難装置は、第1、第2または第3考案において、前記シート部材は、車両側端部を車両のドア部近傍に配置した際に、軌道側端部と軌道面と距離が30〜50cm程度となる長さであることを特徴とする。
第5考案の鉄道用避難装置は、第1、第2、第3または第4考案において、各支持紐は、各支持紐の軌道側端部に、軌道に連結される軌道連結部を備えており、該軌道連結部は、各支持紐の張力を調整する張力調整器具を備えていることを特徴とする。

Claims (5)

  1. 鉄道の車両から避難する際に使用される鉄道用避難装置であって、
    鉄道の車両のドア部と軌道との間に設置される一対の支持紐と、
    該一対の支持紐間に張られたシート部材と、を備えており、
    該シート部材は、
    滑りにくい素材によって形成されている
    ことを特徴とする鉄道用避難装置。
  2. 前記シート部材の素材が、テント用生地である
    ことを特徴とする請求項1記載の鉄道用避難装置。
  3. 各支持紐は、
    一端部が前記シート部材に連結されており、他端部が車両に連結される連結部を備えており、
    前記シート部材は、
    車両側に配置される車両側端部において前記一対の支持紐の連結部が連結されている部分よりも軌道側端部側に、前記一対の支持紐がそれぞれ挿通される一対のリング部材が設けられており、
    各支持紐は、
    前記連結部と前記リング部材の間で、該支持紐に沿って移動可能に設けられた吊上連結部を備えている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の鉄道用避難装置。
  4. 前記シート部材は、
    車両側端部を車両のドア部近傍に配置した際に、軌道側端部と軌道面と距離が300〜500mm程度となる長さである
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の鉄道用避難装置。
  5. 各支持紐は、
    前記軌道側端部に、軌道に連結される軌道連結部を備えており、
    該軌道連結部は、
    各支持紐の張力を調整する張力調整器具を備えている
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の鉄道用避難装置。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017018596A (ja) * 2015-07-14 2017-01-26 竹内 健詞 非常用脱出装置

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