JP3206598U - 脚立 - Google Patents

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Abstract

【課題】梯子の長さを延長可能としつつ、その立設安定性を高めた脚立を提供する。【解決手段】第一梯子1と、第一梯子1との間で開閉可能に連設された第二梯子2と、第一梯子1の下端に連設され、この下端を回動中心として回動することによって、第一梯子1の下端と連続して同一軸上の下向きに配置される開状態と、第一梯子1に沿うように収納される閉状態のいずれかの状態とすることが可能な第一延長梯子3と、を備えた脚立を構成する。【選択図】図1

Description

この考案は、脚立に関し、特に、傾斜地での使用に好適な脚立に関する。
植木の剪定作業や果樹園における収穫作業等の高所作業においては、脚立を用いることにより、その高所作業をスムーズに行うことができる。一般的に用いられる脚立は、複数の踏桟が設けられた一対の梯子を側面視三角形状に開くことによって地面に立設される。この脚立は、平地に立設したときに安定するように、一対の梯子は同じ長さとなっている。このため、山の斜面にある果樹園等のように地面が傾斜している場所では、この地面に立設された脚立もその傾斜に伴って傾斜し、安定性が損なわれる問題がある。
そこで、例えば、特許文献1においては、各脚(本願において支柱に相当)と同軸に下部脚部材を突出・収納自在に内挿した構成を採用し、地面の傾斜に合わせて各脚の長さを調節し得るようにしている。各脚にはロック機構が設けられており、下部脚部材は所定の長さで固定される(本文献の段落0008、図1等参照)。また、特許文献2においては、本体(脚部)にスライド溝を設け、このスライド溝にスライド可能にスライド部を設けた構成を採用している。本体にはストッパ爪、スライド部にはこのストッパ爪に噛み合うストッパがそれぞれ形成されており、スライド部の本体からの突出長さを所定の長さで固定し得るようになっている(本文献の段落0005、図1から図3参照)。
特開2005−61033号公報 特開2006−29053号公報
特許文献1、2に示す脚立においては、脚に対して下部脚部材(スライド部)を突出させて、傾斜地において脚立を安定的に立設させるものであるが、この立設の際に、下部脚部材(スライド部)を脚に収納する向きの力が作用する。下部脚部材(スライド部)はロック機構(ストッパ)によって不用意に脚に収納されないようになっているが、このロック機構(ストッパ)に不具合が生じた場合、脚立の立設安定性が損なわれる問題がある。
そこで、この考案は、梯子の長さを延長可能とした脚立において、その立設安定性を高めることを課題とする。
上記の課題を解決するため、この考案においては、第一梯子と、前記第一梯子と開閉可能に連設された第二梯子と、前記第一梯子の下端に連設され、この下端を回動中心として回動することによって、前記第一梯子の下端と連続して同一軸上の下向きに配置される開状態と、前記第一梯子に沿うように収納される閉状態のいずれかの状態とすることが可能な第一延長梯子と、を備えた脚立を構成した。
第一梯子に対して第一延長梯子を開状態として脚立を立設した場合、第一梯子と第二梯子との間の開き角の大きさにもよるが、脚立及びその使用者の自重は、主に第一延長梯子を介して第一梯子まで同軸に作用し、第一梯子に対して第一延長梯子を回動させる方向の自重成分は小さい。このため、この自重によって、第一梯子に対して第一連設部材が回動するのを防止して、脚立を安定的に立設することができる。
前記構成においては、前記開状態から前記閉状態とする際に、前記第一延長梯子が、前記第一梯子と前記第二梯子との間に収納される向きに回動するように構成するのが好ましい。上述したように、脚立及びその使用者の自重は、主に第一梯子及び第一延長梯子と同軸に作用するが、第一梯子と第二梯子との間の開き角の大きさに対応して、第一梯子に対して第一延長梯子を外向きに回動させる自重成分も生じる。この構成のように、第一延長梯子の収納時の回動方向を第二梯子に向かう方向に限定することによって、この第一延長梯子を外向きに回動させる自重成分が作用したとしても、この第一延長梯子の回動を阻止して、脚立の安定した立設状態を維持することができる。
前記各構成においては、前記開状態において前記第一梯子と前記第一延長梯子との間に介在して、前記第一延長梯子の回動を阻止する留め具をさらに備えた構成とするのが好ましい。このように、留め具を設けることにより、第一延長梯子の開状態を安定的に維持することができる。
前記各構成においては、前記第二梯子の下端に連設され、この下端を回動中心として回動することによって、前記第二梯子の下端と連続して同一軸上の下向きに配置される開状態と、前記第二梯子に沿うように収納される閉状態のいずれかの状態とすることが可能な第二延長梯子をさらに備えた構成とするのが好ましい。このように第一延長梯子とともに第二延長梯子を設けることにより、第一延長梯子及び第二延長梯子の両方を開状態とした場合、第一延長梯子又は第二延長梯子のいずれか一方を開状態かつ他方を閉状態とした場合、第一延長梯子及び第二延長梯子の両方を閉状態とした場合、の種々の形態を実現することができ、様々な傾斜状態の斜面に柔軟に対応することが可能となる。
この第二延長梯子を設けた構成においては、前記第一梯子と前記第二梯子の長さが同じであって、かつ、前記第一延長梯子と前記第二延長梯子の長さが異なる構成とするのが好ましい。このようにすれば、第一延長梯子又は第二延長梯子のいずれを開状態とするかによって、一対の梯子の長さの差を変更することができ、様々な傾斜状態の斜面への対応の柔軟性を一段と向上することができる。
この考案は、第一梯子の下端に、この下端を回動中心として回動する第一延長梯子を連設した構成を採用した。この構成によると、脚立の立設時において、第一梯子に対して第一連設部材が回動するのを防止して、脚立を安定的に立設することができる。
この考案に係る脚立の一実施形態を示す側面図 図1に示す脚立の斜視図 図1に示す脚立において、両延長梯子を閉じるとともに、両梯子を閉じた状態を示す側面図 図1に示す脚立において、第一延長梯子のみ開いた状態を示す側面図 図1に示す脚立において、第二延長梯子のみ開いた状態を示す側面図
この考案に係る脚立の一実施形態を図1から図5に示す。この脚立は、庭石が置かれて起伏のある庭や、山の斜面に位置する果樹園等のように傾斜がある地面Gでの使用に好適なものであって、第一梯子1、第二梯子2、第一延長梯子3、及び、第二延長梯子4を主要な構成要素としている。この実施形態においては、両梯子1、2及び両延長梯子3、4の素材として、比較的安価かつ入手が容易で加工しやすい木材を使用したが、これは一例であって、アルミニウム等の他の素材に適宜変更することもできる。
第一梯子1及び第二梯子2は、左右一対の支柱1a、2aの間に、使用者が足を掛ける複数の踏桟1b、2bを設けた形状をしている。両梯子1、2の上端には、それぞれ天板5a、5bが設けられている。この天板5a、5b同士を蝶番6で同一面状に連設することによって、両梯子1、2が側面視三角状に開いた状態(使用状態)(図1等参照)と、両梯子1、2が平行に沿うように閉じた状態(収納状態)(図3参照)との間で、自在に変更し得るようになっている。両梯子1、2は、ほぼ同じ長さである。両延長梯子3、4を閉じた状態で両梯子1、2を開いて、水平な地面Gに立設すると、側面視二等辺三角形状の安定した立設状態を維持することができる(図1参照)。
両梯子1、2の間には開き止め部材7が設けられている。この開き止め部材7の一端側は第一梯子1側に、他端側は第二梯子2側にそれぞれ接続されている。両梯子1、2を閉じた状態では、開き止め部材7は、くの字形に折り畳まれた状態となっている一方で、両梯子1、2を開くと、開き止め部材7が一直線状に開いた状態となって、所定の角度以上、両梯子1、2が開くのを防止することができる。この開き止め部材7の形状は例示に過ぎず、同様の開き止め作用を有する他の部材で代替することもできる。
第一延長梯子3は、第一梯子1と同様に、左右一対の支柱3aの間に踏桟3bを設けた形状をしている。第一梯子1を構成する支柱1aの内側面(第二梯子2に臨む面)の下端部と、第一延長梯子3を構成する支柱3aの内側面(この第一延長梯子3を開状態としたときに第二梯子2に臨む面)の上端部との間には、蝶番8が介在して設けられている。この蝶番8によって、第一梯子1の下端を回動中心として、第一延長梯子3を第一梯子1と第二梯子2との間に収納されるように回動することができる。
第二延長梯子4は、第一延長梯子3と同様に、左右一対の支柱4aの間に踏桟4bを設けた形状をしている。第二梯子2を構成する支柱2aの内側面(第一梯子1に臨む面)の下端部と、第二延長梯子4を構成する支柱4aの内側面(この第二延長梯子4を開状態としたときに第一梯子1に臨む面)の上端部との間には、蝶番9が介在して設けられている。この蝶番9によって、第二梯子2の下端を回動中心として、第二延長梯子4を第一梯子1と第二梯子2との間に収納されるように回動することができる。
第一梯子1及び第二梯子2には、第一延長梯子3及び第二延長梯子4を収納状態で固定するための固定治具10がそれぞれ設けられている。この固定治具10を、第一延長梯子3及び第二延長梯子4に設けられた係止治具11にそれぞれ係止することによって、両延長梯子3、4を確実に収納することができる。
また、第一梯子1及び第二梯子2には、これらの両梯子1、2に対して、第一延長梯子3及び第二延長梯子4を開いた状態で固定するための留め具12が設けられている。この留め具12は、コの字形の金属部材であって、両延長梯子3、4を開いた状態において、その一端側が第一梯子1及び第二梯子2に形成された挿し込み穴に挿し込まれる一方で、他端側が第一延長梯子3及び第二延長梯子4に形成された挿し込み穴に挿し込まれる。この挿し込み穴は、第一梯子1及び第二梯子2の外側面(連設された第一梯子1又は第二梯子2に臨む面とは反対側の面)、及び、第一延長梯子3及び第二延長梯子4の外側面(第一延長梯子3及び第二延長梯子4を開状態としたときに第一梯子1又は第二梯子2に臨む面とは反対側の面)に形成されている。このように、留め具12を設けることにより、第一延長梯子3及び第二延長梯子4を開いた状態で、脚立を安定的に地面Gに立設することができる。
この留め具12は、第一延長梯子3及び第二延長梯子4を閉じた状態とする際には、前記他端側を第一梯子1及び第二梯子2に形成された保持穴に挿し込んだ状態としておくのが好ましい。このようにすれば、第一延長梯子3及び第二延長梯子4の閉状態において、この留め具12がぶら下がった状態で脚立の持ち運びの邪魔となったり、留め具12を紛失したりするのを防止することができる。この留め具12の形状及び素材は例示に過ぎず、同様の作用を有する他の形状及び他の素材の部材で代替することができる。
上記において説明したように、第一延長梯子3を第一梯子1に、及び、第二延長梯子4を第二梯子2にそれぞれ連設して、第一延長梯子3及び第二延長梯子4を回動可能とすることにより、各延長梯子3、4を開状態として脚立を立設したときの十分な安定性を確保することができる。
すなわち、脚立及びその使用者の自重は、主に第一梯子1及び第一延長梯子3、並びに、第二梯子2及び第二延長梯子4と同軸に作用するが、第一梯子1と第二梯子2との間の開き角の大きさに対応して、第一梯子1に対して第一延長梯子3を外向きに、及び、第二梯子2に対して第二延長梯子4を外向きにそれぞれ回動させる自重成分も生じる。上記のように、蝶番8、9を第一梯子1及び第二梯子2の内側面に設けて、第一延長部材3及び第二延長部材4が回動可能な方向を内向きに限定する(外向きに回動しないようにする)ことによって、第一延長梯子3及び第二延長梯子4を外向きに回動させる自重成分が作用したとしても、この第一延長梯子3及び第二延長梯子4の回動を阻止して、脚立の安定した立設状態を維持することができる。
上述したように、第一梯子1と第二梯子2はほぼ同じ長さであるのに対し、第一延長梯子3は第二延長梯子4よりも長い。このように、両延長梯子3、4の長さを異ならせることにより、様々な傾斜状態の地面Gに柔軟に対応することが可能となる。
すなわち、図4に示すように、第一延長梯子3を開状態とする一方で、第二延長梯子4を閉状態とした場合、左右の梯子の長さの差(第一梯子1及び第一延長梯子3の長さの和と、第二梯子2の長さとの差)を最大にすることができる。このように、両延長梯子3、4を開閉することにより、地面Gに比較的大きい段差が生じているときでも、脚立を安定的に立設することができる。その一方で、図5に示すように、第一延長梯子3を閉状態とする一方で、第二延長梯子4を開状態とした場合、左右の梯子の長さの差(第一梯子1と、第二梯子2及び第二延長梯子4の長さの和の差)を図4の場合と比較して小さくすることができる。このように、両延長梯子3、4の開閉状態を適宜変更することによって、地面Gの段差が比較的小さいときでも、脚立を安定的に立設することができる。
上記の実施形態においては、第一梯子1及び第二梯子2を同じ長さとするとともに、第一延長梯子3と第二延長梯子4の長さを異ならせた構成について例示したが、第一梯子1と第二梯子2の長さを異ならせるとともに、第一延長梯子3及び第二延長梯子4を同じ長さとした構成とすることもできる。
さらに、第一梯子1と第二梯子2の長さを異ならせるとともに、第一延長梯子3と第二延長梯子4の長さも異ならせた構成とすることもできる。このとき、第一延長梯子3と第二延長梯子4をいずれも開状態としたときに、左右の梯子の長さが同じ(第一梯子1と第一延長梯子3の長さの和と、第二梯子2と第二延長梯子4の長さの和が同じ)構成とすることもできる。
あるいは、第一梯子1に第一延長梯子3を連設する一方で、第二梯子2には第二延長梯子4を設けない構成とすることもできる。このように、両梯子1、2及び両延長梯子3、4の長さを適宜変更したり、第一梯子1にのみ第一延長梯子3を設けたりすることによって、様々な傾斜状態の地面Gに柔軟に対応することが可能となる。
また、上記の実施形態においては、図1等に示すように短尺の天板5a、5bを採用して、立設したときに側面視三角形状となる脚立について示したが、長尺の天板5a、5bを採用することによって、立設したときに側面視台形状となる構成とすることもできる。このようにすれば、単なる脚立としてのみならず、踏み台として活用することもできる。
上記の実施形態は、あくまでも本願考案に係る脚立の例示に過ぎず、梯子の長さを延長可能とした脚立において、その立設安定性を高める、という本願考案の課題を解決し得る限りにおいて、各構成部材の形状に適宜変更を加えることもできる。
1 第一梯子
1a 支柱
1b 踏桟
2 第二梯子
2a 支柱
2b 踏桟
3 第一延長梯子
4 第二延長梯子
5a、5b 天板
6、8、9 蝶番
7 開き止め部材
10 固定治具
11 係止治具
12 留め具
G 地面

Claims (5)

  1. 第一梯子(1)と、
    前記第一梯子(1)と開閉可能に連設された第二梯子(2)と、
    前記第一梯子(1)の下端に連設され、この下端を回動中心として回動することによって、前記第一梯子(1)の下端と連続して同一軸上の下向きに配置される開状態と、前記第一梯子(1)に沿うように収納される閉状態のいずれかの状態とすることが可能な第一延長梯子(3)と、
    を備えた脚立。
  2. 前記開状態から前記閉状態とする際に、前記第一延長梯子(3)が、前記第一梯子(1)と前記第二梯子(2)との間に収納される向きに回動する請求項1に記載の脚立。
  3. 前記開状態において前記第一梯子(1)と前記第一延長梯子(3)との間に介在して、前記第一延長梯子(3)の回動を阻止する留め具(12)をさらに備えた請求項1又は2に記載の脚立。
  4. 前記第二梯子(2)の下端に連設され、この下端を回動中心として回動することによって、前記第二梯子(2)の下端と連続して同一軸上の下向きに配置される開状態と、前記第二梯子(2)に沿うように収納される閉状態のいずれかの状態とすることが可能な第二延長梯子(4)をさらに備えた請求項1から3のいずれか1項に記載の脚立。
  5. 前記第一梯子(1)と前記第二梯子(2)の長さが同じであって、かつ、前記第一延長梯子(3)と前記第二延長梯子(4)の長さが異なる請求項4に記載の脚立。
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