JP3206207B2 - レーザートリミング方法 - Google Patents

レーザートリミング方法

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JP3206207B2
JP3206207B2 JP10529693A JP10529693A JP3206207B2 JP 3206207 B2 JP3206207 B2 JP 3206207B2 JP 10529693 A JP10529693 A JP 10529693A JP 10529693 A JP10529693 A JP 10529693A JP 3206207 B2 JP3206207 B2 JP 3206207B2
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    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/351Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring for trimming or tuning of electrical components

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  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オンチップ薄膜抵抗体
のレーザートリミングに関し、特にSOI(Silicon On
Insulator)層を有する半導体装置の薄膜抵抗体の抵抗
値調整に用いた場合に好適である。
【0002】
【従来技術】従来、抵抗体を半導体基板上に薄膜抵抗と
して搭載することで、半導体素子の小型化および低コス
ト化が可能となっている。この薄膜抵抗の抵抗値の調整
方法としては、レーザー光を照射して薄膜抵抗体を切断
し抵抗値を調整するレーザートリミング法が一般的であ
る。
【0003】また、半導体素子としては、より高速化と
高集積化の要求が高まっている。そして、この要求を満
たすべく考案されたものが、素子を酸化シリコン等で分
離したSOI層を有する半導体素子である。これは、酸
化シリコン等の絶縁膜により基板と素子部とが分離され
ているため、基板と素子間の容量が小さくなり高速化が
可能となることと、絶縁層により分離層を設けるように
して、素子を積層化することで三次元ICを実現できる
などの高集積化が可能となるといったものである。
【0004】そして、このSOI構造を有する半導体素
子上に上記薄膜抵抗の搭載が要求されることは必然的で
ある。ここで、SOI構造を有する半導体素子上の薄膜
抵抗をレーザートリミングする場合を考えてみる。図2
に示すような基板7,SiO2 埋込み層6,シリコン層
5,BPSG膜およびCox膜からなる下地酸化膜4,
薄膜抵抗3,Al配線2,プラズマシリコン窒化膜1a
およびTEOS酸化膜1bからなる保護膜1を順次形成
したSOI構造の素子において、薄膜抵抗3の抵抗値調
整に技術的に確立されたYAGレーザー光(波長106
4nm)を用いてレーザートリミングを施す。
【0005】この場合、YAGレーザー光が薄膜抵抗3
を透過し下地酸化膜4,シリコン層5,SiO2 埋込み
層6にまで達し各層の界面a,b,c,dにおいて反射
する。そしてこの反射光が薄膜抵抗3に達し入射光と干
渉を起こし、薄膜抵抗3でのレーザー光のエネルギー吸
収率が大きく変動してしまう。そして薄膜抵抗3での吸
収されるレーザー光エネルギーの最小値がトリミングに
必要なエネルギーよりも小さくなりトリミングができな
いといった問題が発生する。
【0006】そこで、この問題を解決する方法として特
開平3−242966号公報が挙げられる。これは、薄
膜抵抗3下の絶縁膜の膜厚を制御して反射光を抑え、薄
膜抵抗3でのレーザー光エネルギーの吸収率を安定化す
るものである。そしてこの方法を利用し、SOI層など
の各膜厚を制御することで、薄膜抵抗3でのレーザー光
エネルギーの吸収率を安定化することが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、SOI
構造では上述のようにSOI層を構成するシリコン膜5
をレーザー光が透過するため、薄膜抵抗3に達する反射
光は各界面からの反射光の複雑な干渉光となる。特にS
OI層を構成するシリコン膜5においては、その膜厚の
変動が約1.5μmあり、また、レーザー光に対する周
期膜厚が152nmと小さいため、シリコン膜5の膜厚
での反射光の制御は非常に困難となる。さらに、下地酸
化膜4およびSiO2 埋込み層6下からの反射光がシリ
コン膜5の膜厚変動の影響を受ける。従って、たとえ下
地酸化膜4およびSiO2 埋込み層6の膜厚を制御して
それらからの反射光を制御しても、工程バラツキを考慮
すると、シリコン層5の影響があるかぎり薄膜抵抗3へ
の反射光を完全に制御することはできない。そのため、
各層の膜厚を制御することで薄膜抵抗3でのレーザー光
エネルギーの吸収率の変動を抑えることはかなり困難な
ものとなってしまう。
【0008】従って本発明は上記問題点に鑑み、薄膜抵
抗体でのレーザー光エネルギーの吸収率の変動を抑えら
れるレーザートリミング方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記問題を解
決するためになされた本発明によるレーザートリミング
技術は、基板上に下層膜および薄膜抵抗体を順次形成す
るようにした半導体装置の該薄膜抵抗体の抵抗値を調整
するレーザートリミング方法であって、該レーザー光
は、前記薄膜抵抗体の下層膜の膜厚をd,屈折率をnと
し、また、前記レーザー光の中心波長をλとし、前記下
層膜が前記薄膜抵抗体の前記レーザー光エネルギーの吸
収率に与える影響の度合いによって決まる任意の数をK
として、Δλ≧λ2 /K・ndとなる前記中心波長λか
らの波長幅Δλを有することを特徴としている。
【0010】
【作用】本発明によると、薄膜抵抗体の抵抗値を調整す
るレーザー光に、薄膜抵抗体の下層膜の膜厚をd,およ
びその屈折率をnとし、前記レーザー光の中心波長をλ
とし、また前記下層膜が前記薄膜抵抗体の前記レーザー
光エネルギーの吸収率に与える影響の度合いによって決
まる任意の数をKとして、該中心波長λからΔλ≧λ2
/K・ndという波長幅を持たせるようにしているた
め、前記薄膜抵抗体を透過し、前記下層膜を透過したレ
ーザー光による該下層膜下の界面からの反射光エネルギ
ーの変動を抑えることができる。
【0011】
【実施例】まず、本発明におけるレーザー光の波長幅に
ついて説明する。平行平板に入射する入射光強度を
0 ,反射光強度をIR ,透過光強度をIT,吸収され
た光強度をIA とすると、反射度R1 =IR /I0 ,透
過度T1 =I T /I0 ,吸収度A1 =IA /I0 であ
り、またエネルギー保存則によって、
【0012】
【数1】R1 +T1 +A1 =1 という式が成り立つ。そして、平行平板に対してレーザ
ー光が垂直に入射され、透過光がある場合、反射度ある
いは透過度を表す式はその分子または分母に正弦関数を
含んでいる。そして、その正弦関数の位相には波長が含
まれている。もしレーザー光の波長が連続的に変えられ
るものであるならば、透過度も反射度も共に波状曲線を
描くことになる。
【0013】ここで、単色光である波長λのレーザー光
に波長幅を持たせるようにする。その幅を2Δλとす
る。λ±Δλ内で平行平板の屈折率をn一定と考えてよ
いが、透過度Tはθ(λ)=2πnd/λに依存するか
ら、λ±ΔλにおけるTの値は異なるようになる。Δλ
に対応するθの違いをΔθとすれば、波長幅2Δλを持
つ光が入射したときの透過度は、
【0014】
【数2】TAVE.=(1/2Δθ)∫Tdθ で与えられる。このときの積分範囲は0から2Δθであ
る。また、Δθは、θ(λ−Δλ)−θ(λ+Δλ)で
与えられ、Δθ=4πndΔλ/λ2 と表される。従っ
て積分範囲2Δθが2πよりも小さい場合、すなわち、
【0015】
【数3】2Δθ=2・4πndΔλ/λ2 <2π のとき、数2式で与えられるTAVE.は変動する。しかし
積分範囲2Δθが2πよりも大きい場合、すなわち、
【0016】
【数4】2Δθ=2・4πndΔλ/λ2 ≧2π のとき、数2式よりTAVE.は一定となる。すなわち、こ
の一定となった透過度T AVE.を有する透過光が反射され
たとすると、その反射光の反射度も一定となる。ここ
で、例えばSOI層に注目した場合を考えるとき、SO
I層の屈折率をn,膜厚をdとすると、数4より位相差
Δθに対応するΔλ≧λ2 /4πndという波長幅をト
リミングに使用するレーザー光に持たせるようにすれ
ば、平行平板と考えられるSOI構造を有する半導体素
子の薄膜抵抗に到達する各層からの反射光の反射度は、
SOI層の膜厚の影響を受けず、一定となる。
【0017】上記のような波長幅を有するレーザー光を
使用し、図1に示すSOI構造を有する半導体素子上に
配設された薄膜抵抗体に、レーザートリミングを行った
場合のシミュレーション結果を図2に示す。図2は、S
OI層5の膜厚を変動させた時のレーザー光の波長幅に
対する薄膜抵抗体でのレーザー光エネルギーの吸収率の
変動を表す図である。なお、レーザー光は中心波長が1
064nmのYAGレーザー光を仮定した。このとき、
図1における各層の膜厚を、シリコン窒化膜1aは1.
6μm,TEOS酸化膜1bは0.8μm,CrSiか
らなる薄膜抵抗3は15nm,下地酸化膜4は工程バラ
ツキを考えた場合(0.9+0.1μm)の限界値の1
つである1.0μm,SOI層5は18μm,埋込みS
iO2 層6は0.92μmとした。なお、図1の2はA
l配線,7はシリコン基板を表す。
【0018】図2には、レーザー光に波長幅Δλが全く
ない状態,すなわち波長幅に対応する位相差がゼロのと
きから、波長幅Δλがλ2 /4nd,すなわち位相差が
πのとき付近までを示し、薄膜抵抗4でのレーザー光エ
ネルギーの最大吸収率と最小吸収率とをそれぞれ
max ,Amin として示す。図より、位相差がπ付近に
なると薄膜抵抗4でのレーザー光エネルギーの吸収率は
約47%に安定することが分かる。
【0019】ここで、薄膜抵抗4におけるレーザー光エ
ネルギーの吸収率において問題になることは吸収率が低
くて薄膜抵抗3をトリミングできないことである。従っ
て、最小吸収率がどの程度であればトリミング可能かを
知る必要がある。そこで、本発明者らの実験によると薄
膜抵抗3でのレーザー光エネルギーのトリミングに必要
な最小エネルギー吸収率は、シリコン窒化膜1a,TE
OS酸化膜1bを破壊しない程度の大きなエネルギーの
場合で、およそ20%であればよいことが分かった。従
って、図2より位相差をπ/4以上とするようにする。
すなわち、数4式よりΔλ≧λ2 /16ndとする。こ
のときの最小吸収率は20%を上回る。このようにすれ
ば、レーザー光の波長幅をあまり広げなくてもよくな
る。
【0020】以上のように、本実施例によると薄膜抵抗
体のレーザートリミングに使用するレーザー光にSOI
層の膜厚および屈折率から決定される波長幅を持たせる
ようにしているため、SOI層を透過した透過光の透過
度、すなわち透過光エネルギーは一定となる。そのた
め、薄膜抵抗体でのレーザー光エネルギー吸収率に最も
影響を及ぼすSOI層とその下の絶縁膜との界面での反
射度の変動、すなわち反射光エネルギーの変動を抑える
ことができる。これにより薄膜抵抗体での入射光と反射
光との干渉光のエネルギーの変動を抑えることができ、
その結果、薄膜抵抗体でのレーザー光エネルギーの吸収
率の変動を抑えることができる。
【0021】上記に示されるレーザー光に波長幅を持た
せた薄膜抵抗体のレーザートリミング技術はどのような
構造の素子のものにも適用でき、これを用いることで、
例えば特開平3−242966に示されるような薄膜抵
抗体の下層酸化膜厚の制御によるエネルギー吸収率の安
定化を図る必要がなくなり、下層酸化膜厚形成工程を減
らすというように工程数を減らすことができるといった
効果が得られる。
【0022】また、上記のような単一レーザーを使用す
るほかに、複数のレーザー光を混合することにより、疑
似的に波長幅を広げても同等な効果が得られる。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明によると、薄膜抵抗
体の抵抗値を調整するためのレーザー光に該レーザー光
の中心波長λからΔλ≧λ2 /K・ndという波長幅を
持たせることにより、前記薄膜抵抗体の下層からの反射
光の反射エネルギーの変動を抑えるようにしているた
め、薄膜抵抗体での入射光と反射光との干渉による干渉
光のエネルギー変動を抑えることができる。その結果、
薄膜抵抗体でのレーザー光エネルギーの吸収率の変動を
抑えることができる。これにより、薄膜抵抗体でのレー
ザー光エネルギーの吸収率の変動を抑えられるレーザー
トリミング方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】SOI構造を有し、薄膜抵抗体を備える半導体
素子の断面図である。
【図2】薄膜抵抗体でのレーザー光エネルギー吸収率の
レーザー光波長幅依存性を表す図である。
【符号の説明】 1 保護膜 1aシリコン窒化膜 1bTEOS酸化膜 2 Al配線 3 薄膜抵抗 4 下地酸化膜 5 シリコン層 6 埋込みSiO2 7 基板 8 高濃度N+ 拡散部 9 高濃度N+ 拡散層 10 N- 型基板 11 TiW膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−155660(JP,A) 特開 昭63−226006(JP,A) 特開 昭63−226005(JP,A) 特開 昭64−48686(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/04 H01L 21/822

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に下層膜および薄膜抵抗体を順次
    形成するようにした半導体装置の該薄膜抵抗体の抵抗値
    を調整するレーザートリミング方法であって、該レーザ
    ー光は、 前記薄膜抵抗体の下層膜の膜厚をd,屈折率をnとし、
    また、前記レーザー光の中心波長をλとし、前記下層膜
    が前記薄膜抵抗体の前記レーザー光エネルギーの吸収率
    に与える影響の度合いによって決まる任意の数をKとし
    て、 Δλ≧λ2 /K・nd となる前記中心波長λからの波長幅Δλを有することを
    特徴とするレーザートリミング方法。
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JP2012079885A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Panasonic Electric Works Sunx Co Ltd レーザ光出射装置およびレーザ光の中心波長および波長帯域幅の変更方法

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