JP3205718U - 樹脂フィルム、多層フィルム、及びそれらを用いた意匠性部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】目隠し性及び意匠性を有する樹脂フィルム及び多層フィルム、並びにそれらを用いた意匠性部品を提供する。【解決手段】互いに相溶しない2種以上の樹脂を含む少なくとも2枚の樹脂フィルム片10A、10Bの端部同士が、隣接するフィルム延伸方向が互いに交差するように接合してなり、かつ全光線透過率が60%以上90%以下である樹脂フィルム10及び多層フィルム、であって、目隠し性及び意匠性を有する意匠性物品に適用することができる。【選択図】図2

Description

本考案は、樹脂フィルム、多層フィルム、及びそれらを用いた意匠性部品に関する。
採光窓、間仕切り、浴室ドア等の建築用材料などの各種物品には、光は透過させるが、当該物品を通して人や物体は視認できない性能(即ち、目隠し性)が要求されることがある。このような性能を有する物品としては、例えば、表面に微細な凹凸が付与されたガラス(すりガラス)や2枚の透明ガラスの間に乳白色の樹脂フィルム(中間膜)等を有するスモーク調の合わせガラスなどが挙げられる。
スモーク調の合わせガラスとして、熱可塑性樹脂に透光性乳白剤を分散させ中間層とするもの(例えば、特許文献1参照)やエチレン−ビニルエステル共重合体及びその変性体と非相溶性の熱可塑性ポリマーからなる組成物に二酸化チタンを添加して中間膜とするもの(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
また、鹸化度の異なるポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とからなる乳白色合わせガラス中間膜を有する乳白色合わせガラスが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
一方、物品自体に模様等の意匠性を備えさせる技術としては、例えば、地となるオレフィン系樹脂組成物と模様となるオレフィン系樹脂組成物を所定の態様で用い、カレンダー成形により不均一な分散模様を生じさせてなるマーブル調オレフィン系樹脂シート(特許文献4参照)、互いに異色の細長い熱可塑性樹脂模様単位が隣接した模様シートを圧延して得られたコールドマーク模様を表面に露出してなる装飾材(特許文献5参照)などが提案されている。
特開昭59−64550号公報 特開平7−157341号公報 特開平6−263489号公報 特開平11−277560号公報 特開平9−193334号公報
しかしながら、目隠し性及び意匠性の双方を兼ね備えた樹脂フィルム及び多層フィルム、並びにそれらを用いた物品は未だ提供されていないのが実情である。
本考案は、上記の実情に鑑みなされたものであり、目隠し性及び意匠性を有する樹脂フィルム及び多層フィルム、並びにそれらを用いた意匠性物品を提供することを目的とする。
ここで、本考案において、目隠し性を有するとは、樹脂フィルム又はこれを用いた物品を視認した際において、視認側とは反対側に存在する人や物体を、視認側からははっきりと視認できない性能を意味する。また、本考案において、意匠性を有するとは、樹脂フィルム、多層フィルム、又はこれらを用いた物品の表面を目視した際において、当該物品の表面に何らかの模様が視認されることを意味する。
前記課題を達成するための具体的手段は、以下の態様を含む。
<1> 互いに相溶しない2種以上の樹脂を含む少なくとも2枚の樹脂フィルム片の端部同士が、隣接する前記樹脂フィルム片のフィルム延伸方向が互いに交差するように接合してなり、かつ全光線透過率が60%以上90%以下である樹脂フィルム。
<2> 前記互いに相溶しない2種以上の樹脂が、エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体から選ばれる少なくとも1種の共重合体と、エチレン系重合体(ただし、前記エチレン・ビニルエステル共重合体及び前記エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体を除く)と、を含む<1>に記載の樹脂フィルム。
<3> 前記互いに相溶しない2種以上の樹脂が、エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体(A)と、エチレン・(メタ)アクリル酸系共重合体又はそのアイオノマー、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、及びエチレン・炭素数3以上のα−オレフィン共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体(B)と、を含む<1>又は<2>に記載の樹脂フィルム。
<4> ヘイズ値が80%以上99%以下である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の樹脂フィルム。
<5> フィルム上面から格子状模様が視認される<1>〜<4>のいずれか1つに記載の樹脂フィルム。
<6> <1>〜<5>のいずれか1項に記載の樹脂フィルムである樹脂層と他の樹脂層とが積層され、かつ全光線透過率が60%以上90%以下である多層フィルム。
<7> ヘイズ値が80%以上99%以下である<6>に記載の多層フィルム。
<8> フィルム上面から格子状模様が視認される<6>又は<7>に記載の多層フィルム。
<9> 透明基材の一方の面上に、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の樹脂フィルム又は<6>〜<8>のいずれか1つに記載の多層フィルムである樹脂フィルム層を有し、全光線透過率が60%以上90%以下である意匠性物品。
<10> 一対の透明基材間に、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の樹脂フィルム又は<6>〜<8>のいずれか1つに記載の多層フィルムである樹脂フィルム層を有し、全光線透過率が60%以上90%以下である意匠性物品。
<11> ヘイズ値が80%以上99%以下である<9>又は<10>に記載の意匠性物品。
<12> 建築用材料である<9>〜<11>のいずれか1つに記載の意匠性物品。
本考案によれば、目隠し性及び意匠性を有する樹脂フィルム及び多層フィルム、並びにそれらを用いた意匠性物品が提供される。
本考案の一実施形態に係る樹脂フィルムの断面を撮影した写真であり、(A)はMD方向(Machine Direction:フィルム延伸方向)の断面写真、(B)はTD方向(Transverse Direction、フィルム延伸方向と直交する方向)の断面写真である。 (A)は、樹脂フィルムを構成する樹脂フィルム片の接合態様の一実施形態を示す図であり、(B)は、樹脂フィルム片を接合した後の樹脂フィルムにおいて視認される模様の一例を模式的に示す図である。 (A)は、樹脂フィルムを構成する樹脂フィルム片の接合態様の一実施形態を示す図であり、(B)は、樹脂フィルム片を接合した後の樹脂フィルムにおいて視認される模様の一例を模式的に示す図である。 実施例で作製した意匠性物品(合わせガラス)を上面から撮影した写真である。
以下、本考案の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本考案は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本考案の目的の範囲内において、適宜、変更を加えて実施することができる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
本明細書における(メタ)アクリル酸は、アクリル酸(AA)及びメタクリル酸(MAA)の両方を包含することを意味する。
<樹脂フィルム>
本考案の樹脂フィルムは、互いに相溶しない2種以上の樹脂を含む少なくとも2枚の樹脂フィルム片の端部同士が、隣接する樹脂フィルム片のフィルム延伸方向が互いに交差するように接合してなり、かつ全光線透過率が60%以上90%以下の樹脂フィルム(以下「A層」と称する場合がある。)である。
本考案の樹脂フィルムは、上記の構成を有することにより、目隠し性及び意匠性を有する樹脂フィルムとなる。また、本考案の樹脂フィルムは、目隠し性及び意匠性を有する意匠性部品に適用することができる。
本考案の効果が現れる理由は明確ではないが、以下のように推定される。
すなわち、本考案の樹脂フィルムは、互いに相溶しない2種以上の樹脂を含む構成(その好適な態様の一つとして、エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体から選ばれる少なくとも1種の共重合体と、エチレン系重合体(ただし、前記エチレン・ビニルエステル共重合体及び前記エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体を除く)と、を含む構成が含まれる。)とすることで、樹脂フィルム全体として、光透過性を維持したまま乳白色等の色調を有するものとなり、目隠し性を発現するものと考えられる。
また、本考案の樹脂フィルムが有する意匠性は、互いに相溶しない2種以上の樹脂を含む少なくとも2枚の樹脂フィルム片の端部同士が、隣接する樹脂フィルム片のフィルム延伸方向が互いに交差するように接合されていることで、樹脂フィルム片同士の接合部の界面を境にして、樹脂フィルムの面方向における樹脂成分の微細構造(モルフォロジー)が変化することより発現するものと考えられる。
詳細には、本考案における互いに相溶しない2種以上の樹脂は、いわゆる海島構造を形成しており、フィルム成膜時における延伸方向(流れ方向)への伸長により、この海島構造が引き伸ばされ、成膜されたフィルムにおいて異方性を有するものとなる(図1参照)。
ここで、図1は、本考案の一実施形態に係る樹脂フィルム(エチレン・酢酸ビニル共重合体及びエチレン・メタクリル酸共重合体を含む。)の断面を撮影した写真であり、(A)はMD方向(フィルム延伸方向)の断面、(B)はTD方向(フィルム延伸方向に直交する方向)の断面写真であり、フィルム延伸方向に引き伸ばされた海島構造が確認される。
そして、本考案の樹脂フィルムにおいては、上記のような海島構造を有する少なくとも2枚の樹脂フィルム片の端部同士を、隣接する樹脂フィルム片のフィルム延伸方向が互いに交差するように接合したことで、樹脂フィルム片同士の接合界面を境として変化する海島構造に起因して、樹脂フィルム片の接合界面及びその近傍において光の散乱性が変化する。これにより、樹脂フィルムに何らかの模様が視認されるものとなり、意匠性が発現するものと考えられる。
以下、本考案の樹脂フィルム(以下、単に樹脂フィルムとも称する。)について、詳細に説明する。
樹脂フィルムは、互いに相溶しない2種以上の樹脂を含む少なくとも2枚の樹脂フィルム片の端部同士が、隣接する樹脂フィルム片のフィルム延伸方向が互いに交差するように接合した構成を有する。
本考案において、樹脂フィルム片の端部同士の接合とは、樹脂フィルムを構成する樹脂フィルム片の端部が、隣接する樹脂フィルム片同士において少なくとも互いに接触して繋がっていることを意味する。接合される樹脂フィルム片の端部同士は、単に接触させて繋がった状態であってもよいし、圧着又は融着して固定化した状態であってもよい。
また、樹脂フィルムは、2枚以上の樹脂フィルム片のみでフィルム状に構成してもよいし、2枚以上の樹脂フィルム片を支持体となる基材又はその他の樹脂層上に配置してフィルム状に構成してもよい。2枚以上の樹脂フィルム片を支持体となる基材又はその他の樹脂層上に配置する場合は、樹脂フィルム片同士が完全に接合していなくてもよく、本考案の目的を損なわない範囲で樹脂フィルム片同士に隙間がある態様も本考案に含まれる。
また、樹脂フィルム片同士の接合は、その端部同士を突き合わせた接合であってもよいし、樹脂フィルム片の端部の同士の一部を重ね合わせた接合であってもよい。
樹脂フィルム片の形状は、2枚以上の樹脂フィルム片を接合できる形状であれは特に制限はない。樹脂フィルム片の形状の例としては、正方形、長方形等の方形、三角形、その他の多角形、円形、楕円形、不定形などが挙げられる。接合される樹脂フィルム片は、同一の形状ものであってもよいし、異なる形状のものの組み合わせであってもよい。
接合される樹脂フィルム片の枚数は、少なくとも2枚であればよく、その枚数に制限はない。
接合させる樹脂フィルム片の大きさは、樹脂フィルム片同士の端部を接合できる大きさであれば特に制限はない。樹脂フィルム片の大きさは、樹脂フィルムの適用対象、樹脂フィルムにおいて視認される模様などの意匠性等を考慮して、適宜設定することができる。
樹脂フィルム片は、隣接する樹脂フィルム片のフィルム延伸方向が互いに交差するように接合されている。フィルム延伸方向が互いに交差するように樹脂フィルム片同士が接合されることで、樹脂フィルムに模様が視認できるようになり、意匠性を有する樹脂フィルムとなる。
隣接する樹脂フィルム片におけるフィルム延伸方向の交差角度は、適宜設定すればよい。フィルム延伸方向の交差角度を変化させることで、樹脂フィルムにおいて視認される模様を変化させることができる。なお、多角形以外の形状を有する樹脂フィルム片を適用する場合には、隣接する樹脂フィルム片の間においてフィルム延伸方向が平行となる部分が一部に存在してもよい。
樹脂フィルムにおいて視認される模様は、フィルム延伸方向の交差角度の調整の他、フィルムに含まれる樹脂の種類及び/又は含有量の調整、フィルムの膜厚、フィルムの加工条件、透明フィルムや調色フィルム等の他のフィルムとの組み合わせ等によっても変化させることができる。
樹脂フィルム片の接合方法の例としては、2枚以上の樹脂フィルム片の端部が接触した状態で基材となる部材上に接着して固定する方法、2枚以上の樹脂フィルム片の端部を接触させた状態で加熱圧着する方法などが挙げられる。
樹脂フィルム片の接合方法としては、2枚以上の樹脂フィルム片の端部を接触させた状態で加熱圧着する方法が好適である。具体的には、例えば、ニップロール、真空バック、熱プレス、真空ラミネーター等を用いて加熱溶融させる方法などが挙げられる。
樹脂フィルムの全光線透過率は、60%以上90%以下である。
樹脂フィルムの全光線透過率が上記範囲であることによって、当該樹脂フィルムを適用した意匠性物品の全光線透過率を60%以上90%以下にすることができる。
全光線透過率が50%以上であると樹脂フィルムは光透過性に優れ、90%を以下であると樹脂フィルムは目隠し性に優れる。樹脂フィルムの全光線透過率は、60%以上90%以下がより好ましく、70%以上90%以下が更に好ましく、75%以上85%以下が最も好ましい。
本考案の樹脂フィルムの全光線透過率は、厚み400μmの樹脂フィルムにおける全光線透過率であり、JIS−K7361:1997に準じて測定された値である。
樹脂フィルムのヘイズは50%以上99%以下であることが好ましい。
樹脂フィルムのヘイズが上記範囲であることによって、当該樹脂フィルムを適用した意匠性物品のヘイズを50%以上99%以下で以下にすることができる。
ヘイズが50%以上であると樹脂フィルムは目隠し性により優れ、99%以下であると合わせ樹脂フィルムは光透過性により優れる。
樹脂フィルムのヘイズは、80%以上99%以下がより好ましく、85%以上99%以下が更に好ましく、90%以上99%以下が最も好ましい。
ヘイズは、JIS−K7136:2000、全光線透過率は、JIS−K7361:1
本考案における樹脂フィルムのヘイズは、厚み400μmの樹脂フィルムを3.2mm厚みのガラス枚でラミネートして作製したサンプルにおけるヘイズであり、JIS−K7136:2000に準じて測定された値である。
ヘイズの調整は、シートの構成、厚み、配合する樹脂の構成等により行える。
樹脂フィルムにおいて視認される模様には、格子状模様(市松模様等の格子状模様の組み合わせを含む。)、グラデーション模様、モアレ模様、マーブル模様、アラベスク模様、カモフラージュ模様、ノルディック模様、バティック模様、ハワイアン模様、モザイク模様等が含まれ、特に制限はない。製造適性、使用者のニーズ等の観点からは、格子状模様が視認される樹脂フィルムは好適な形態の一つである。
図2(A)に、本考案の樹脂フィルムを構成する樹脂フィルム片の接合態様の一実施形態を示す。
図2(A)中、樹脂フィルム片10A及び樹脂フィルム片10Bは、いずれも同じフィルム原反から裁断した樹脂フィルム片である。樹脂フィルム片10Aは、MD方向を長辺とし、TD方向を短辺とする長方形の樹脂フィルム片であり、樹脂フィルム片10Bは、MD方向を短辺とし、TD方向を長辺とする長方形の樹脂フィルム片である。
本実施形態では、樹脂フィルム片10A及び10BにおけるMD方向が直交するように、樹脂フィルム片10A及び10Bを配置し、樹脂フィルム片の端部を接合して、樹脂フィルム10としている。
図2(B)は、樹脂フィルム片を接合した後の樹脂フィルム10において視認される模様の一例(格子状模様)を模式的に示す図である。
図3(A)に、本考案の樹脂フィルムを構成する樹脂フィルム片の接合態様の他の実施形態を示す。
図3(A)に示される9枚の樹脂フィルム片は、いずれも同じフィルム原反から同一形状に裁断した正方形の樹脂フィルム片20Aである。
本実施形態においては、樹脂フィルム片10AにおけるMD方向(フィルム延伸方向)が、隣接する樹脂フィルム片間において直交するように、9枚の樹脂フィルム片10Aを配置し、樹脂フィルム片の端部を接合して、樹脂フィルム20としている。
図3(B)は、樹脂フィルム片を接合した後の樹脂フィルム20において視認される模様(格子状模様の組み合わせ)の一例を模式的に示す図である。
なお、図2(B)及び図3(B)では、模様の色調を便宜上グレースケールにて表示しているが、本考案において視認される模様はこれに限られず、乳白色調の濃淡などの色調とすることができる。
以下、本考案の樹脂フィルムに含まれる樹脂成分について、詳細に説明する。
樹脂フィルムは、互いに相溶しない2種以上の樹脂を含む。互いに相溶しない2種以上の樹脂としては、互いに相溶せず、かつ全光線透過率が60%以上90%以下のフィルムの成膜に適用しうる樹脂であれば特に制限されない。
ここで、樹脂フィルムが互いに相溶しない2種以上の樹脂を含むとは、樹脂フィルムを観察した際に分離した状態の樹脂の存在が確認できることを意味する。
樹脂フィルムは、互いに相溶しない2種以上の樹脂の一方を、目隠し性及び意匠性の観点から、樹脂フィルムの全質量に対して、70質量%以上95質量%以下含むことが好ましく、70質量%以上80質量%以下含むことがより好ましい。
互いに相溶しない2種以上の樹脂の好適な態様の一つとしては、エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体から選ばれる少なくとも1種の共重合体と、エチレン系重合体(ただし、前記エチレン・ビニルエステル共重合体及び前記エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体を除く)との組み合わせが挙げられる。
樹脂フィルムが、エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体から選ばれる少なくとも1種の共重合体と、エチレン系重合体(ただし、前記エチレン・ビニルエステル共重合体及び前記エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体を除く)と、を含有する態様であることで、樹脂フィルム全体として、光透過性及び目隠し性に優れたものとなる。また、この態様の樹脂フィルムは、耐水性にも優れたものとなる。
樹脂フィルムが、エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体から選ばれる少なくとも1種の共重合体と、エチレン系重合体(ただし、前記エチレン・ビニルエステル共重合体及び前記エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体を除く)とを含む場合、必要に応じて、これらの樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。
本考案の樹脂フィルムは、互いに相溶しない2種以上の樹脂として、以下に詳述する樹脂の中でも、エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体(A)と、エチレン・(メタ)アクリル酸系共重合体又はそのアイオノマー、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、及びエチレン・炭素数3以上のα−オレフィン共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体(B)との組み合わせを含むことが、目隠し性及び意匠性により優れた樹脂フィルムとできる観点からより好ましい。
[エチレン・ビニルエステル共重合体]
エチレン・ビニルエステル共重合体は、少なくとも、エチレンに由来する構成単位と、ビニルエステルに由来する構成単位と、を含む。エチレン・ビニルエステル共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であっても、交互共重合体であってもよい。
エチレン・ビニルエステル共重合体としては、エチレン・酪酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・プロピオン酸ビニル共重合体、及びエチレン・ステアリン酸ビニル共重合体が例示され、エチレン・酢酸ビニル共重合体が好ましい。
エチレンに由来する構成単位の含有量は、エチレン・ビニルエステル共重合体の全質量に対して40質量%〜80質量%であることが好ましく、50質量%〜70質量%であることがより好ましい。
ビニルエステルに由来する構成単位の含有量は、共重合体全質量に対して20質量%〜60質量%であることが好ましく、30質量%〜50質量%であることがより好ましい。
ビニルエステルに由来する構成単位の含有量が上記範囲にあれば、樹脂フィルムのヘイズがより向上し、目隠し性と光透過性を好適に両立できる。
エチレン・ビニルエステル共重合体は、ビニルエステル及びエチレン以外の他のモノマーに由来する構成単位を、本考案の一実施形態に係る特性を損なわない範囲で更に含んでいてもよい。ただし、その他のモノマーに由来する構成単位の含有量はビニルエステルに由来する構成単位の含有量を超えないことが好ましい。
エチレン・ビニルエステル共重合体は従来公知の方法で製造してもよいし、市販されているものを用いてもよい。
エチレン・ビニルエステル共重合体は、加工性及び機械強度の観点から、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(JIS−K7210(1999年))が、0.1g/10分〜150g/10分であることが好ましく、特に0.1g/10分〜50g/10分であることが好ましい。
[エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体]
エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体は、少なくとも、エチレンに由来する構成単位と、不飽和カルボン酸エステルに由来する構成単位と、を含む。エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であっても、交互共重合体であってもよい。
不飽和カルボン酸エステルに由来する構成単位としては、例えば、不飽和カルボン酸アルキルエステルに由来する構成単位が挙げられる。
不飽和カルボン酸エステルに由来する構成単位における不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
不飽和カルボン酸アルキルエステルに由来する構成単位におけるアルキル部位としては、例えば、炭素数1〜12のアルキル基を挙げることができ、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、セカンダリーブチル、2−エチルヘキシル、及びイソオクチル等のアルキル基を例示できる。中でも、炭素数1〜8のアルキル基が好ましい。
エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体が特に好ましい。中でも(メタ)アクリル酸エステルとして1種類の化合物に由来する構成単位を含む共重合体が好ましい。エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体の例としては、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸n−ブチル共重合体、エチレン・アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体、エチレン・メタクリル酸n−ブチル共重合体、及びエチレン・メタクリル酸イソブチル共重合体が挙げられる。
エチレンに由来する構成単位の含有量は、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体の全質量に対して40質量%〜80質量%であることが好ましく、50質量%〜70質量%であることがより好ましい。
不飽和カルボン酸エステルに由来する構成単位の含有量は、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体全質量に対して20質量%〜60質量%であることが好ましく、30質量%〜50質量%であることがより好ましい。
不飽和カルボン酸エステルに由来する構成単位の含有量が上記範囲にあれば、樹脂フィルムのヘイズがより向上し、目隠し性と光透過性が好適に両立できる。
エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体は、不飽和カルボン酸エステル及びエチレン以外の他のモノマーに由来する構成単位を、本考案の一実施態様に係る特性を損なわない範囲で更に含んでいてもよい。ただし、その他のモノマーに由来する構成単位の含有量は不飽和カルボン酸エステルに由来する構成単位の含有量を超えないことが好ましい。
エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体は、従来公知の方法で製造してもよく、市販されているものを用いてもよい。
エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体は、加工性及び機械強度の観点から、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(JIS−K7210(1999年))が、0.1g/10分〜150g/10分であることが好ましく、特に0.1g/10分〜50g/10分であることが好ましい。
樹脂フィルムが、エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体を含む場合、樹脂フィルムにおけるエチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体の合計含有量は、エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体、並びに後述のエチレン系重合体(ただし、前記エチレン・ビニルエステル共重合体及び前記エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体を除く)の合計質量に対して50質量%以下が好ましく、5質量%以上45質量%未満がより好ましく、15質量%以上35質量%以下がさらに好ましく、20質量%以上30質量%以下が最も好ましい。
エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体の合計含有量が上記範囲であると、光透過性及び目隠し性により優れた樹脂フィルムとすることができる。
[エチレン系重合体]
エチレン系重合体は、エチレンを重合した単独重合体でもよく、エチレンに由来する構成単位を含み、さらに他の構成単位(以下、コモノマーに由来する構成単位ともいう)とを含む共重合体でもよい。エチレン系重合体が共重合体の場合、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよく、交互共重合体であってもよい。
エチレン系重合体が単独重合体である場合の例としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン、及びポリブテン等が挙げられる。
エチレン系重合体が共重合体である場合の例としては、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー、エチレン・αオレフィン共重合体等が挙げられる。
エチレン系重合体が共重合体の場合、コモノマーに由来する構成単位としては、例えば、プロピレン、ブテン、及びオクテン等の炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、及び無水マレイン酸モノエステル等の不飽和カルボン酸に由来する構成単位が挙げられる。中でも(メタ)アクリル酸に由来する構成単位が好ましく、メタクリル酸に由来する構成単位がより好ましい。
エチレン系重合体が共重合体の場合、エチレンに由来する構成単位の含有量は、エチレン系重合体の全質量に対して75質量%〜99質量%が好ましく、80質量%〜99質量%がより好ましく、90質量%〜99質量%がさらに好ましい。
エチレン系重合体が共重合体の場合、コモノマーに由来する構成単位の含有量は、エチレン系重合体の全質量に対して1質量%〜25質量%が好ましく、1質量%〜20質量%がより好ましく、1質量%〜10質量%がさらに好ましい。
コモノマーに由来する構成単位の含有量が上記範囲内であると、エチレン系重合体の耐水性及び耐熱性がより向上し、かつ目隠し性と光透過性を両立できる。
エチレン系重合体がエチレン・不飽和カルボン酸共重合体である場合、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンに由来する構成単位及び不飽和カルボン酸に由来する構成単位の合計100質量%に対し、0質量%を超えて30質量%以下の範囲(好ましくは0質量%を超えて25質量%以下の範囲)で、その他の共重合性モノマーに由来する構成単位を含んでもよい。ただし、その他の共重合性モノマーに由来する構成単位の含有量は不飽和カルボン酸に由来する構成単位の含有量を超えないことが好ましい。
その他の共重合性モノマーとしては、不飽和エステル、例えば、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸イソブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。その他の共重合体モノマーに由来する構成単位を上記範囲で含むことにより、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の柔軟性が向上するため好ましい。
エチレン系重合体としては、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーを用いることができる。アイオノマーは、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体中のカルボン酸基を金属で中和したものである。
カルボン酸基を中和する金属としては、リチウム及びナトリウムなどのアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム、亜鉛及びアルミニウムなどの多価金属などが挙げられる。
アイオノマーにおけるエチレンに由来する構成単位及び不飽和カルボン酸単量体に由来する構成単位の含有量の好ましい範囲は、上記のエチレン系重合体におけるエチレンに由来する構成単位の含有量及びコモノマーに由来する構成単位の含有量と同じである。
アイオノマーの中和度は、通常80%以下が好ましい。中和度が80%以下であると、光透過性と目隠し性とが両立した中間膜を得ることができる。一般的に、中和度は60%以下がより好ましく、30%以下が更に好ましい。中和度の下限は、10%が好ましい。
エチレン系重合体の中でも、エチレン・(メタ)アクリル酸系共重合体又はそのアイオノマー、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、及びエチレン・炭素数3以上のα−オレフィン共重合体から選ばれる少なくとも1種が好ましく、エチレン・(メタ)アクリル酸系共重合体及びエチレン・(メタ)アクリル酸系共重合体のアイオノマーがより好ましい。
上記のエチレン系重合体は、各重合成分を高温及び高圧下でラジカル共重合することで得ることができる。また、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーは、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体と金属化合物を反応させることによって得ることができる。
エチレン系重合体は、加工性及び機械強度の観点から、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR)(JIS−K7210(1999年))が、0.1g/10分〜150g/10分であることが好ましく、特に0.1g/10分〜50g/10分であることが好ましい。
樹脂フィルムにおけるエチレン系重合体の含有量は、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体及びエチレン・ビニルエステル共重合体、並びにエチレン系重合体の合計質量に対して50質量%以上が好ましく、55質量%を超え95質量%以下がより好ましく、65質量%以上85質量%以下がさらに好ましく、70質量%以上80質量%以下が最も好ましい。
[その他の樹脂]
樹脂フィルムは、本考案の目的を損なわない範囲内においてその他の樹脂を含んでもよい。その他の樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等が挙げられる。
[その他の添加剤]
樹脂フィルムは、本考案の目的を損なわない範囲内において、各種添加剤を含んでもよい。かかる添加剤としては、例えば、架橋剤、架橋助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤及びシランカップリング剤が挙げられる。
架橋剤としては、半減期1時間の分解温度が通常90℃〜180℃、好ましくは100℃〜150℃の有機過酸化物を用いることが好ましい。このような有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ヒドロキシヘプチルパーオキサイド及びジクロヘキサノンパーオキサイドなどが挙げられる。
樹脂フィルムにおける架橋剤の含有量は、エチレン系重合体100質量部に対し、0.1質量部〜5質量部が好ましく、0.5質量部〜3質量部がより好ましい。
架橋助剤としては、例えば、多不飽和化合物が挙げられる。多不飽和化合物としては、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート及びジアリルマレエートなどのポリアリル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート及びトリメチロールプロパントリメタクリレートなどのポリ(メタ)アクリロキシ化合物;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
樹脂フィルムにおける架橋助剤の含有量は、エチレン系重合体100質量部に対し、5質量部以下が好ましく、0.1質量部〜3質量部がより好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−カルボキシベンゾフェノン及び2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジt−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2−(2’−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;フェニルサリチレート及びp−オクチルフェニルサリチレートなどのサリチル酸エステル系紫外線吸収剤が挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤として、例えば、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(o−クロロベンゾイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェノキシアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチル−2,4−ジオキソ−3−nオクチル−スピロ[4,5]デカン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−アセトキシプロパン−1,2,3−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリアジン−2,4,6−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)ホスファイト、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3−トリカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロパン−1,1,2,3−テトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレートが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、各種ヒンダードフェノール系酸化防止剤及びホスファイト系酸化防止剤が挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、3−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4−sec−ブチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、トコフェロール、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオ)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
また、ホスファイト系酸化防止剤の具体例としては、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファネートジメチルエステル、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファネートなどが挙げられる。
樹脂フィルムにおける酸化防止剤、光安定剤及び紫外線吸収剤の含有量は、樹脂フィルムの全質量を100質量部としたときに、各々5質量部以下が好ましく、0.1質量部〜3質量部がより好ましい。
シランカップリング剤としては、ビニル基、アミノ基又はエポキシ基と、アルコキシ基などの加水分解基と、を有するシランカップリング剤、並びにチタネート系カップリング剤が挙げられる。
シランカップリング剤の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプピルトリメトキシシラン及びN−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
樹脂フィルムにおけるシランカップリング剤の含有量は、樹脂フィルムの全質量を100質量部としたときに、5質量部以下が好ましく、0.02質量部〜3質量部がより好ましい。シランカップリング剤が上記範囲で含まれていると、後述するガラスシートと樹脂フィルムとの接着性を向上させることができる。
また、樹脂フィルムには、上述した添加剤以外に、必要に応じて、着色剤、光拡散剤、難燃剤及び金属不活性剤などの添加剤を含有させることができる。
着色剤としては、顔料(無機顔料、有機顔料)、染料等が挙げられる。これらの着色剤は公知の種々のものから選択できる。
無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、鉛白、リトポン、バライト、沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシウム、せっこう、沈降性シリカ等の白色無機顔料、カーボンブラック、ランプブラック、チタンブラック、合成鉄黒等の黒色無機顔料、亜鉛末、亜酸化鉛、スレート粉等の灰色無機顔料、カドミウム赤、カドミウム水銀赤、銀朱、べんがら、モリブテン赤、鉛丹等の赤色無機顔料、アンバー、酸化鉄茶等の褐色無機顔料、カドミウム黄、亜鉛黄、オーカ、シエナ、合成オーカ、黄鉛、チタン黄等の黄色無機顔料、酸化クロム緑、コバルト緑、クロム緑等の緑色無機顔料、群青、紺青、鉄青、コバルト青等の青色無機顔料、金属粉無機顔料が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、パーマネント・レッド4R、パラ・レッド、ファースト・エローG、ファースト・エロー10G、ジスアゾ・エローG、ジスアゾ・エローGR、ジスアゾ・オレンジ、ピラゾロン・オレンジ、ブリリアント・カーミン3B、ブリリアント・カーミン6B、ブリリアント・スカーレットG、ブリリアント・ボルドー10B、ボルドー5B、パーマネント・レッドF5R、パーマネント・カーミンFB、リソール・レッドR、リソール・レッドB、レーキ・レッドC、レーキ・レッドD、ブリリアント・ファスト・スカーレット、ピラゾロン・レッド、ボン・マルーン・ライト、ボン・マルーン・メジアム、ファイア・レッド等のアゾ顔料、ナフトール・グリーンB等のニトロソ顔料、ナフトール・エローS等のニトロ顔料、ローダミンBレーキ、ローダミン6Gレーキ等の塩基性染料系レーキ、アリザリン・レーキ等の媒染染料系レーキ、インダンスレン・ブルー等の建染染料系顔料、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、ファスト・スカイ・ブルー等のフタロシアニン顔料、ジオキサジンバイオレット等のジオキサジン系顔料が挙げられる。
この他にも、有機蛍光顔料やパール顔料などが使用可能である。
光拡散剤としては、無機系球状物質及び有機系球状物質が挙げられる。無機系球状物質としては、例えば、ガラスビーズ、シリカビーズ、シリコンアルコキシドビーズ、中空ガラスビーズが挙げられる。有機系球状物質としては、例えば、アクリル系ビーズ及びビニルベンゼン系ビーズなどのプラスチックビーズが挙げられる。
難燃剤としては、臭素化物などのハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤、並びに水酸化マグネシウム、及び水酸化アルミニウムなどの金属水和物などが挙げられる。
金属不活性剤としては、熱可塑性樹脂の金属害を抑制する化合物として周知のものから選択できる。金属不活性剤は、二種以上を併用してもよい。金属不活性剤の好ましい例としては、ヒドラジド誘導体、及びトリアゾール誘導体を挙げることができる。
ヒドラジド誘導体としては、デカメチレンジカルボキシル−ジサリチロイルヒドラジド、2’,3−ビス[3−[3,5−ジーtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]プロピオノヒドラジド、及びイソフタル酸ビス(2−フェノキシプロピオニル−ヒドラジド)が好適に挙げられる。
トリアゾール誘導体としては、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾールが好適に挙げられる。
ヒドラジド誘導体、及びトリアゾール誘導体以外にも、金属不活性剤として、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチル・ジフェニルメタン、トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三−ブチルフェニル)ブタン、2−メルカプトベンズイミダゾールとフェノール縮合物との混合物などが挙げられる。
樹脂フィルムを構成する樹脂フィルム片は、互いに相溶しない2種以上の樹脂を含むフィルム原反を裁断して得ることができる。フィルム原反は、例えば、単層T−ダイ押出機、多層T−ダイ押出機、カレンダー成形機、単層インフレーション成形機、多層インフレーション成形機などを用いた公知の方法によってフィルムの成膜したのち、成膜されたフィルムを延伸し得ることができる。フィルムの延伸は一軸延伸である。
フィルムの成膜は、例えば、互いに相溶しない2種以上の樹脂として、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体及びエチレン・ビニルエステル共重合体から選ばれる少なくとも1種の共重合体、並びにエチレン系重合体を原料樹脂として適用する場合であれば、フィルム原反は、原料樹脂に、必要に応じ、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤及びシランカップリング剤等の添加剤を添加してドライブレンドし、T−ダイ押出機のホッパーから供給し、シート状に押出成形することにより行なうことができる。
フィルムの延伸は、例えば、成膜されたフィルムの搬送方向に設置した複数のローラの回転速度に差をつけて、フィルムを張架して搬送すること等により行なってもよい。
樹脂フィルムの厚みは、10μm〜5000μmが好ましく、50μm〜2000μmがより好ましい。
<多層フィルム>
本考案の樹脂フィルムは、当該樹脂フィルムである樹脂層(A層)とその他の樹脂層(以下、「B層」と称する場合もある。)とを積層した多層フィルム(本考案の多層フィルム)とすることもできる。この場合、前記の樹脂フィルムである樹脂層(A層)がその他の樹脂層(B層)上に配置された多層フィルム、又は、一対のその他の樹脂層(B層)間に、前記の樹脂フィルムである樹脂層(A層)が配置された多層フィルムは、少なくとも前記の樹脂フィルム(A層)を含み、厚み400μmにおける、全光線透過率が50%以上90%以下であれば、樹脂フィルム(A層)に積層するその他の樹脂層(B層)の材質は特に制限されない。
多層フィルムに含まれるその他の樹脂層(B層)としては、透明基材と接着させる場合などにおける接着性、耐水性等の観点から、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーから選ばれる少なくとも1種の共重合体を含有する層であることが好ましい。
多層フィルムのより好ましい態様としては、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーから選ばれる少なくとも1種の共重合体を含有する2つのB層と、2つのB層間に配置されたA層とを含む少なくとも3つの膜が積層された態様が挙げられる。
B層に含まれるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーとしては、本考案の樹脂フィルムの項において説明したエチレン・不飽和カルボン酸共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーが挙げられる。
また、B層は前記その他の樹脂及びその他の添加剤を含んでいてもよい。
B層は、ヘイズが40%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。
多層フィルムの成膜は、単層T−ダイ押出機、多層T−ダイ押出機、カレンダー成形機、単層インフレーション成形機、多層インフレーション成形機などを用いた公知の方法によって行なうことができる。
その他の樹脂層(B層)は、樹脂フィルム(A層)の成膜として前述した方法と同様の方法で成膜することができる。その他の層は、成膜したのち真空加熱貼合器等を用いて樹脂フィルムと貼り合わせて多層構造体としてもよい。また、その他の層は、多層押出機を用いて樹脂フィルム(A層)と一体に成膜して多層のフィルムとしてもよい。
B層の一層当たりの厚みは、5μm〜1000μmが好ましく、10μm〜500μmがより好ましい。
多層フィルムが、2つのB層と、2つのB層間に配置されたA層と、を含む少なくとも3つの層が積層されたフィルムである場合、各B層の厚みが10μm〜200μmであり、樹脂フィルム(A層)の厚みが40μm〜1800μmであることが好ましい。
多層フィルムの全光線透過率は、60%以上90%以下であり、その好ましい範囲、測定方法等については、前記の樹脂フィルム(A層)と同様である。
多層フィルムのヘイズは、50%以上99%以下であることが好ましく、そのより好ましい範囲、測定方法、及びヘイズの調整方法等については、前記の樹脂フィルム(A層)と同様である。
<意匠性物品>
本考案の樹脂フィルムは、目隠し性が所望される意匠性物品(本考案の意匠性物品)に好適に適用することができる。本考案の意匠性物品は、上述した本考案の樹脂フィルムを適用することにより、目隠し性と意匠性の双方を兼ね備えた物品とすることができる。
意匠性物品としては、建築用材料、家具用材料、装飾用材料、美術工芸用材料、玩具、トイレタリー用品等として適用される各種の物品が挙げられる。本考案の意匠性物品は、建築用材料(例えば、採光窓、間仕切り、浴室ドア等。)として好適に適用することができる。
本考案の意匠性物品の一実施形態としては、透明基材の一方の面上に、本考案の樹脂フィルム又は多層フィルムである樹脂フィルム層を有し、全光線透過率が60%以上90%以下である意匠性物品が挙げられる。
また、本考案の意匠性物品の他の実施形態としては、一対の透明基材間に、本考案の樹脂フィルム又は多層フィルムである樹脂フィルム層を有し、全光線透過率が60%以上90%以下である意匠性物品が挙げられる。
意匠性物品のヘイズ値は、80%以上99%以下であることが好ましい。
意匠性物品の全光線透過率が50%未満であると光透過性に劣り、90%を超えると目隠し性に劣る。全光線透過率は、60%以上90%以下が好ましく、70%以上90%以下がより好ましく、75%以上85%以下が最も好ましい。
また、意匠性物品のヘイズが50%未満であると目隠し性に劣る傾向があり、99%を超えると光透過性に劣る傾向がある。ヘイズは、80%以上99%以下がより好ましく、85%以上99%以下がさらに好ましい。
意匠性物品において、ヘイズは、JIS−K7136:2000、全光線透過率は、JIS−K7361:1997に準じて測定された値である。
意匠性物品における透明基材としては、樹脂フィルム層との組み合わせにおいて、本考案に係る全光線透過率及びヘイズ値を確保できるものであればよく、ガラス板、ポリエチレンテレフタレートのような透明プラスティックフィルム、等を用いることができる。
透明基材の厚さは、その用途によっても異なるが、一般に0.05mm〜30mmの範囲とすることができる。
本考案の意匠性物品における樹脂フィルム層は、本考案の樹脂フィルム(A層)である場合の他、本考案の樹脂フィルムである樹脂層(A層)と、該樹脂層以外の他の樹脂層(B層)とを積層した多層フィルム(本考案の樹脂フィルム)であってもよい。他の樹脂層(B層)層としては、透明基材との接着に寄与する接着層、等が挙げられる。
本考案の意匠性物品において樹脂フィルム層を構成する樹脂フィルム又は多層フィルムに関する事項の詳細は、本考案の樹脂フィルム又は多層フィルムとして前述したものと同様であり、ここでは説明を省略する。
また、本考案の意匠性物品は、透明基材、樹脂フィルム層以外のその他の構成要素を、本考案の目的を損なわない範囲において有していてもよい。
本考案の意匠性物品において、透明基材の一方の面上又は一対の透明基材間に樹脂フィルム層を配置する方法としては、透明基材上又は一対の透明基材間に樹脂フィルム層を固定できる方法であればよく、接着、圧着、融着、等の任意の方法を採りうる。
<<合わせガラス>>
本考案の意匠性物品の好適な形態の一つとして、合わせガラスが挙げられる。
本考案が適用される合わせガラスは、1対のガラス基材の間に配置される中間層が、本考案の樹脂フィルムを含んで構成される。
合わせガラスの構成例としては、例えば、シート状のガラス/樹脂フィルム(A層:中間層)/シート状のガラスの構成が挙げられる。
また、合わせガラスの他の構成例としては、例えば、シート状のガラス/多層フィルム(B層/A層/B層)/シート状のガラスの構成であってもよい。更に、これらの構成の中で、少なくとも1層に着色剤が配合されている構成なども挙げられる。
上記の如き合わせガラスは、樹脂フィルム(A層)を有することで、目隠し性を有しながらも、樹脂フィルム(A層)の構成に応じた任意の模様が視認できることから、意匠性にも優れた合わせガラスとなる。
シート状のガラスの材質は特に限定されず、ソーダライムガラスが好適であり、中でも高透過ガラス(いわゆる白板ガラス)が好ましく使用される。
高透過ガラスは、鉄分の含有量の少ないソーダライムガラスであり、全光線透過率の高いガラスである。また、シート状のガラスとしては、表面にエンボス模様を施した型板ガラスも好適に使用される。また、シート状のガラスとしては、鉄分含有量の多いソーダライムガラス(いわゆる青板ガラス)、熱線反射ガラス、及び熱線吸収ガラスなども好ましく使用できる。
シート状のガラス(又はガラス板)の厚みは特に制限がないが、通常は4mm以下、好ましくは2.5mm以下である。シート状のガラスの厚みの下限は制限が無いものの、通常は0.1mm以上、好ましくは0.5mm以上である。
合わせガラスの製造は、例えば、2枚のシート状のガラスの間に、本考案の樹脂フィルム(A層単層)又は多層フィルム(A層及びB層が積層された多層フィルム)を配置し、加熱及び加圧下で熱圧着することで行うことができる。加熱温度は、例えば、100℃〜250℃程度が好ましく、圧力は、例えば、0.1kg/cm〜30kg/cm程度が好ましい。
以下、本考案の樹脂フィルムを適用してなる意匠性物品の実施例として合わせガラスを作製し、本考案を更に具体的に説明するが、本考案の実施形態はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
−(1)樹脂−
以下の樹脂原料を用意した。
1.エチレン・メタクリル酸共重合体(E−MAA)
メタクリル酸に由来する構成単位含有量=4質量%
エチレンに由来する構成単位含有量=96質量%
2.エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)
酢酸ビニルに由来する構成単位含有量=40質量%
エチレンに由来する構成単位含有量=60質量%
3.エチレン・メタクリル酸共重合体のZnアイオノマー
メタクリル酸に由来する構成単位含有量=9質量%
エチレンに由来する構成単位含有量=91質量%
中和イオン=Znイオン
中和度=17%
4.安定化マスターバッチ
エチレン・メタクリル酸共重合体のアイオノマーに、酸化防止剤:ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](BASF社製、Irganox1010)紫外線吸収剤:2−(2H−ベンゾトリアゾールー2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、及び光安定剤:ビス(2,2,6,6,−テトラメチルー4ピペリジル)セバケートを所定量で混合した混合物を、2軸押し出し機であらかじめ溶融混錬して、安定化剤マスターバッチを得た。
−(2)透明基材−
以下の透明基材を用意した。
厚み1.3mmの青板強化ガラス(旭硝子(株)製)
−(3)樹脂フィルム片(A層を構成する樹脂フィルム片)の作製−
A層とする樹脂フィルム片を以下のように作製した。
上記のEVAを25部と、上記のE−MAAを70部と、上記の耐候MBを5部と、を混合し、いずれも、ダイ幅40mmのダイスを装着した40mmφコートハンガーダイ異形成形機(ナカタニ機械(株)製)を用いて成膜した後、搬送方向に延伸して、厚み266μmの単層シート(樹脂フィルム原反)を作製した。
次いで、得られた単層シートを裁断し、3cm×3cmの正方形の樹脂フィルム片を9枚作製した。
−(4)ガラス接着層(B層)の作製−
ガラス接着層(B層)とする樹脂膜を以下のように作製した。
上記のエチレン・メタクリル酸共重合体のZnアイオノマー95部と、上記の安定化剤マスターバッチ5部と、シランカップリング剤(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン:信越化学工業(株)製の「KBM602」)0.2部と、を混合し、B層形成用組成物を作製し、単層T−ダイ成形機により、樹脂温度160℃の条件にて、膜厚67μmとなるように樹脂膜を製膜した。
−(5)合わせガラスの作製−
厚み1.3mmの青板強化ガラス(100mm×100mm)、上記で得られたB層とを積層し、B層の上に9枚の樹脂フィルム片を、図3(A)に示す構成に従って配置した。次いで、樹脂フィルム片の上に、上記で得られたB層、および厚み1.3mmの青板強化ガラス(100mm×100mm)をこの順に積層し、積層体とした。積層体を真空加熱貼合器(LM−50x50S、NPC社製の2重真空槽貼り合せ機)を用い、150℃、8分間の条件で貼り合わせ、青板強化ガラス/多層フィルム(B層/A層/B層)/青板強化ガラスからなる構成の合わせガラスを作製した。得られた合わせガラスを上面から撮影した写真を図4に示す。
(ヘイズ値及び全光線透過率)
合わせガラス試料を用い、ヘイズメーター(スガ試験機社製)にて、JIS−K7361に準じて全光線透過率(%)を、JIS−K7136に準じてヘイズ(%)を測定した結果、ヘイズ値は98.2%、全光線透過率は75.9%であった。
10、20 樹脂フィルム
10A、10B、20A 樹脂フィルム片
MD MD方向
TD TD方向

Claims (12)

  1. 互いに相溶しない2種以上の樹脂を含む少なくとも2枚の樹脂フィルム片の端部同士が、隣接する前記樹脂フィルム片のフィルム延伸方向が互いに交差するように接合してなり、かつ全光線透過率が60%以上90%以下である樹脂フィルム。
  2. 前記互いに相溶しない2種以上の樹脂が、エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体から選ばれる少なくとも1種の共重合体と、エチレン系重合体(ただし、前記エチレン・ビニルエステル共重合体及び前記エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体を除く)と、を含む請求項1に記載の樹脂フィルム。
  3. 前記互いに相溶しない2種以上の樹脂が、エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体(A)と、エチレン・(メタ)アクリル酸系共重合体又はそのアイオノマー、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、及びエチレン・炭素数3以上のα−オレフィン共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体(B)と、を含む請求項1又は請求項2に記載の樹脂フィルム。
  4. ヘイズ値が80%以上99%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂フィルム。
  5. フィルム上面から格子状模様が視認される請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂フィルム。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂フィルムである樹脂層と他の樹脂層とが積層され、かつ全光線透過率が60%以上90%以下である多層フィルム。
  7. ヘイズ値が80%以上99%以下である請求項6に記載の多層フィルム。
  8. フィルム上面から格子状模様が視認される請求項6又は請求項7に記載の多層フィルム。
  9. 透明基材の一方の面上に、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂フィルム又は請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の多層フィルムである樹脂フィルム層を有し、全光線透過率が60%以上90%以下である意匠性物品。
  10. 一対の透明基材間に、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂フィルム又は請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の多層フィルムである樹脂フィルム層を有し、全光線透過率が60%以上90%以下である意匠性物品。
  11. ヘイズ値が80%以上99%以下である請求項9又は請求項10に記載の意匠性物品。
  12. 建築用材料である請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の意匠性物品。
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