JP3205718U - 樹脂フィルム、多層フィルム、及びそれらを用いた意匠性部品 - Google Patents
樹脂フィルム、多層フィルム、及びそれらを用いた意匠性部品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3205718U JP3205718U JP2016002451U JP2016002451U JP3205718U JP 3205718 U JP3205718 U JP 3205718U JP 2016002451 U JP2016002451 U JP 2016002451U JP 2016002451 U JP2016002451 U JP 2016002451U JP 3205718 U JP3205718 U JP 3205718U
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin film
- ethylene
- film
- resin
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Abstract
Description
また、鹸化度の異なるポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とからなる乳白色合わせガラス中間膜を有する乳白色合わせガラスが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
本考案は、上記の実情に鑑みなされたものであり、目隠し性及び意匠性を有する樹脂フィルム及び多層フィルム、並びにそれらを用いた意匠性物品を提供することを目的とする。
<1> 互いに相溶しない2種以上の樹脂を含む少なくとも2枚の樹脂フィルム片の端部同士が、隣接する前記樹脂フィルム片のフィルム延伸方向が互いに交差するように接合してなり、かつ全光線透過率が60%以上90%以下である樹脂フィルム。
<5> フィルム上面から格子状模様が視認される<1>〜<4>のいずれか1つに記載の樹脂フィルム。
<7> ヘイズ値が80%以上99%以下である<6>に記載の多層フィルム。
<8> フィルム上面から格子状模様が視認される<6>又は<7>に記載の多層フィルム。
<10> 一対の透明基材間に、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の樹脂フィルム又は<6>〜<8>のいずれか1つに記載の多層フィルムである樹脂フィルム層を有し、全光線透過率が60%以上90%以下である意匠性物品。
<11> ヘイズ値が80%以上99%以下である<9>又は<10>に記載の意匠性物品。
<12> 建築用材料である<9>〜<11>のいずれか1つに記載の意匠性物品。
本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
本明細書における(メタ)アクリル酸は、アクリル酸(AA)及びメタクリル酸(MAA)の両方を包含することを意味する。
本考案の樹脂フィルムは、互いに相溶しない2種以上の樹脂を含む少なくとも2枚の樹脂フィルム片の端部同士が、隣接する樹脂フィルム片のフィルム延伸方向が互いに交差するように接合してなり、かつ全光線透過率が60%以上90%以下の樹脂フィルム(以下「A層」と称する場合がある。)である。
すなわち、本考案の樹脂フィルムは、互いに相溶しない2種以上の樹脂を含む構成(その好適な態様の一つとして、エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体から選ばれる少なくとも1種の共重合体と、エチレン系重合体(ただし、前記エチレン・ビニルエステル共重合体及び前記エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体を除く)と、を含む構成が含まれる。)とすることで、樹脂フィルム全体として、光透過性を維持したまま乳白色等の色調を有するものとなり、目隠し性を発現するものと考えられる。
詳細には、本考案における互いに相溶しない2種以上の樹脂は、いわゆる海島構造を形成しており、フィルム成膜時における延伸方向(流れ方向)への伸長により、この海島構造が引き伸ばされ、成膜されたフィルムにおいて異方性を有するものとなる(図1参照)。
ここで、図1は、本考案の一実施形態に係る樹脂フィルム(エチレン・酢酸ビニル共重合体及びエチレン・メタクリル酸共重合体を含む。)の断面を撮影した写真であり、(A)はMD方向(フィルム延伸方向)の断面、(B)はTD方向(フィルム延伸方向に直交する方向)の断面写真であり、フィルム延伸方向に引き伸ばされた海島構造が確認される。
そして、本考案の樹脂フィルムにおいては、上記のような海島構造を有する少なくとも2枚の樹脂フィルム片の端部同士を、隣接する樹脂フィルム片のフィルム延伸方向が互いに交差するように接合したことで、樹脂フィルム片同士の接合界面を境として変化する海島構造に起因して、樹脂フィルム片の接合界面及びその近傍において光の散乱性が変化する。これにより、樹脂フィルムに何らかの模様が視認されるものとなり、意匠性が発現するものと考えられる。
樹脂フィルムの全光線透過率が上記範囲であることによって、当該樹脂フィルムを適用した意匠性物品の全光線透過率を60%以上90%以下にすることができる。
樹脂フィルムのヘイズが上記範囲であることによって、当該樹脂フィルムを適用した意匠性物品のヘイズを50%以上99%以下で以下にすることができる。
樹脂フィルムのヘイズは、80%以上99%以下がより好ましく、85%以上99%以下が更に好ましく、90%以上99%以下が最も好ましい。
本考案における樹脂フィルムのヘイズは、厚み400μmの樹脂フィルムを3.2mm厚みのガラス枚でラミネートして作製したサンプルにおけるヘイズであり、JIS−K7136:2000に準じて測定された値である。
ヘイズの調整は、シートの構成、厚み、配合する樹脂の構成等により行える。
図2(A)中、樹脂フィルム片10A及び樹脂フィルム片10Bは、いずれも同じフィルム原反から裁断した樹脂フィルム片である。樹脂フィルム片10Aは、MD方向を長辺とし、TD方向を短辺とする長方形の樹脂フィルム片であり、樹脂フィルム片10Bは、MD方向を短辺とし、TD方向を長辺とする長方形の樹脂フィルム片である。
本実施形態では、樹脂フィルム片10A及び10BにおけるMD方向が直交するように、樹脂フィルム片10A及び10Bを配置し、樹脂フィルム片の端部を接合して、樹脂フィルム10としている。
図2(B)は、樹脂フィルム片を接合した後の樹脂フィルム10において視認される模様の一例(格子状模様)を模式的に示す図である。
図3(A)に示される9枚の樹脂フィルム片は、いずれも同じフィルム原反から同一形状に裁断した正方形の樹脂フィルム片20Aである。
本実施形態においては、樹脂フィルム片10AにおけるMD方向(フィルム延伸方向)が、隣接する樹脂フィルム片間において直交するように、9枚の樹脂フィルム片10Aを配置し、樹脂フィルム片の端部を接合して、樹脂フィルム20としている。
図3(B)は、樹脂フィルム片を接合した後の樹脂フィルム20において視認される模様(格子状模様の組み合わせ)の一例を模式的に示す図である。
樹脂フィルムは、互いに相溶しない2種以上の樹脂を含む。互いに相溶しない2種以上の樹脂としては、互いに相溶せず、かつ全光線透過率が60%以上90%以下のフィルムの成膜に適用しうる樹脂であれば特に制限されない。
ここで、樹脂フィルムが互いに相溶しない2種以上の樹脂を含むとは、樹脂フィルムを観察した際に分離した状態の樹脂の存在が確認できることを意味する。
エチレン・ビニルエステル共重合体は、少なくとも、エチレンに由来する構成単位と、ビニルエステルに由来する構成単位と、を含む。エチレン・ビニルエステル共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であっても、交互共重合体であってもよい。
ビニルエステルに由来する構成単位の含有量が上記範囲にあれば、樹脂フィルムのヘイズがより向上し、目隠し性と光透過性を好適に両立できる。
エチレン・ビニルエステル共重合体は、加工性及び機械強度の観点から、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(JIS−K7210(1999年))が、0.1g/10分〜150g/10分であることが好ましく、特に0.1g/10分〜50g/10分であることが好ましい。
エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体は、少なくとも、エチレンに由来する構成単位と、不飽和カルボン酸エステルに由来する構成単位と、を含む。エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であっても、交互共重合体であってもよい。
不飽和カルボン酸エステルに由来する構成単位における不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
不飽和カルボン酸アルキルエステルに由来する構成単位におけるアルキル部位としては、例えば、炭素数1〜12のアルキル基を挙げることができ、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、セカンダリーブチル、2−エチルヘキシル、及びイソオクチル等のアルキル基を例示できる。中でも、炭素数1〜8のアルキル基が好ましい。
不飽和カルボン酸エステルに由来する構成単位の含有量が上記範囲にあれば、樹脂フィルムのヘイズがより向上し、目隠し性と光透過性が好適に両立できる。
エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体は、加工性及び機械強度の観点から、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(JIS−K7210(1999年))が、0.1g/10分〜150g/10分であることが好ましく、特に0.1g/10分〜50g/10分であることが好ましい。
エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体の合計含有量が上記範囲であると、光透過性及び目隠し性により優れた樹脂フィルムとすることができる。
エチレン系重合体は、エチレンを重合した単独重合体でもよく、エチレンに由来する構成単位を含み、さらに他の構成単位(以下、コモノマーに由来する構成単位ともいう)とを含む共重合体でもよい。エチレン系重合体が共重合体の場合、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよく、交互共重合体であってもよい。
エチレン系重合体が共重合体である場合の例としては、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー、エチレン・αオレフィン共重合体等が挙げられる。
コモノマーに由来する構成単位の含有量が上記範囲内であると、エチレン系重合体の耐水性及び耐熱性がより向上し、かつ目隠し性と光透過性を両立できる。
カルボン酸基を中和する金属としては、リチウム及びナトリウムなどのアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム、亜鉛及びアルミニウムなどの多価金属などが挙げられる。
樹脂フィルムは、本考案の目的を損なわない範囲内においてその他の樹脂を含んでもよい。その他の樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等が挙げられる。
樹脂フィルムは、本考案の目的を損なわない範囲内において、各種添加剤を含んでもよい。かかる添加剤としては、例えば、架橋剤、架橋助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤及びシランカップリング剤が挙げられる。
樹脂フィルムにおける架橋剤の含有量は、エチレン系重合体100質量部に対し、0.1質量部〜5質量部が好ましく、0.5質量部〜3質量部がより好ましい。
樹脂フィルムにおける架橋助剤の含有量は、エチレン系重合体100質量部に対し、5質量部以下が好ましく、0.1質量部〜3質量部がより好ましい。
ヒンダードアミン系光安定剤として、例えば、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(o−クロロベンゾイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェノキシアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチル−2,4−ジオキソ−3−nオクチル−スピロ[4,5]デカン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−アセトキシプロパン−1,2,3−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリアジン−2,4,6−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)ホスファイト、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3−トリカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロパン−1,1,2,3−テトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレートが挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、3−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4−sec−ブチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、トコフェロール、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオ)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
また、ホスファイト系酸化防止剤の具体例としては、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファネートジメチルエステル、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファネートなどが挙げられる。
樹脂フィルムにおける酸化防止剤、光安定剤及び紫外線吸収剤の含有量は、樹脂フィルムの全質量を100質量部としたときに、各々5質量部以下が好ましく、0.1質量部〜3質量部がより好ましい。
シランカップリング剤の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプピルトリメトキシシラン及びN−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
樹脂フィルムにおけるシランカップリング剤の含有量は、樹脂フィルムの全質量を100質量部としたときに、5質量部以下が好ましく、0.02質量部〜3質量部がより好ましい。シランカップリング剤が上記範囲で含まれていると、後述するガラスシートと樹脂フィルムとの接着性を向上させることができる。
着色剤としては、顔料(無機顔料、有機顔料)、染料等が挙げられる。これらの着色剤は公知の種々のものから選択できる。
この他にも、有機蛍光顔料やパール顔料などが使用可能である。
ヒドラジド誘導体としては、デカメチレンジカルボキシル−ジサリチロイルヒドラジド、2’,3−ビス[3−[3,5−ジーtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]プロピオノヒドラジド、及びイソフタル酸ビス(2−フェノキシプロピオニル−ヒドラジド)が好適に挙げられる。
トリアゾール誘導体としては、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾールが好適に挙げられる。
ヒドラジド誘導体、及びトリアゾール誘導体以外にも、金属不活性剤として、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチル・ジフェニルメタン、トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三−ブチルフェニル)ブタン、2−メルカプトベンズイミダゾールとフェノール縮合物との混合物などが挙げられる。
フィルムの延伸は、例えば、成膜されたフィルムの搬送方向に設置した複数のローラの回転速度に差をつけて、フィルムを張架して搬送すること等により行なってもよい。
本考案の樹脂フィルムは、当該樹脂フィルムである樹脂層(A層)とその他の樹脂層(以下、「B層」と称する場合もある。)とを積層した多層フィルム(本考案の多層フィルム)とすることもできる。この場合、前記の樹脂フィルムである樹脂層(A層)がその他の樹脂層(B層)上に配置された多層フィルム、又は、一対のその他の樹脂層(B層)間に、前記の樹脂フィルムである樹脂層(A層)が配置された多層フィルムは、少なくとも前記の樹脂フィルム(A層)を含み、厚み400μmにおける、全光線透過率が50%以上90%以下であれば、樹脂フィルム(A層)に積層するその他の樹脂層(B層)の材質は特に制限されない。
また、B層は前記その他の樹脂及びその他の添加剤を含んでいてもよい。
B層は、ヘイズが40%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。
B層の一層当たりの厚みは、5μm〜1000μmが好ましく、10μm〜500μmがより好ましい。
多層フィルムのヘイズは、50%以上99%以下であることが好ましく、そのより好ましい範囲、測定方法、及びヘイズの調整方法等については、前記の樹脂フィルム(A層)と同様である。
本考案の樹脂フィルムは、目隠し性が所望される意匠性物品(本考案の意匠性物品)に好適に適用することができる。本考案の意匠性物品は、上述した本考案の樹脂フィルムを適用することにより、目隠し性と意匠性の双方を兼ね備えた物品とすることができる。
また、本考案の意匠性物品の他の実施形態としては、一対の透明基材間に、本考案の樹脂フィルム又は多層フィルムである樹脂フィルム層を有し、全光線透過率が60%以上90%以下である意匠性物品が挙げられる。
意匠性物品のヘイズ値は、80%以上99%以下であることが好ましい。
また、意匠性物品のヘイズが50%未満であると目隠し性に劣る傾向があり、99%を超えると光透過性に劣る傾向がある。ヘイズは、80%以上99%以下がより好ましく、85%以上99%以下がさらに好ましい。
透明基材の厚さは、その用途によっても異なるが、一般に0.05mm〜30mmの範囲とすることができる。
また、本考案の意匠性物品は、透明基材、樹脂フィルム層以外のその他の構成要素を、本考案の目的を損なわない範囲において有していてもよい。
本考案の意匠性物品の好適な形態の一つとして、合わせガラスが挙げられる。
本考案が適用される合わせガラスは、1対のガラス基材の間に配置される中間層が、本考案の樹脂フィルムを含んで構成される。
合わせガラスの構成例としては、例えば、シート状のガラス/樹脂フィルム(A層:中間層)/シート状のガラスの構成が挙げられる。
また、合わせガラスの他の構成例としては、例えば、シート状のガラス/多層フィルム(B層/A層/B層)/シート状のガラスの構成であってもよい。更に、これらの構成の中で、少なくとも1層に着色剤が配合されている構成なども挙げられる。
高透過ガラスは、鉄分の含有量の少ないソーダライムガラスであり、全光線透過率の高いガラスである。また、シート状のガラスとしては、表面にエンボス模様を施した型板ガラスも好適に使用される。また、シート状のガラスとしては、鉄分含有量の多いソーダライムガラス(いわゆる青板ガラス)、熱線反射ガラス、及び熱線吸収ガラスなども好ましく使用できる。
シート状のガラス(又はガラス板)の厚みは特に制限がないが、通常は4mm以下、好ましくは2.5mm以下である。シート状のガラスの厚みの下限は制限が無いものの、通常は0.1mm以上、好ましくは0.5mm以上である。
以下の樹脂原料を用意した。
1.エチレン・メタクリル酸共重合体(E−MAA)
メタクリル酸に由来する構成単位含有量=4質量%
エチレンに由来する構成単位含有量=96質量%
2.エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)
酢酸ビニルに由来する構成単位含有量=40質量%
エチレンに由来する構成単位含有量=60質量%
3.エチレン・メタクリル酸共重合体のZnアイオノマー
メタクリル酸に由来する構成単位含有量=9質量%
エチレンに由来する構成単位含有量=91質量%
中和イオン=Znイオン
中和度=17%
4.安定化マスターバッチ
エチレン・メタクリル酸共重合体のアイオノマーに、酸化防止剤:ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](BASF社製、Irganox1010)紫外線吸収剤:2−(2H−ベンゾトリアゾールー2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、及び光安定剤:ビス(2,2,6,6,−テトラメチルー4ピペリジル)セバケートを所定量で混合した混合物を、2軸押し出し機であらかじめ溶融混錬して、安定化剤マスターバッチを得た。
以下の透明基材を用意した。
厚み1.3mmの青板強化ガラス(旭硝子(株)製)
A層とする樹脂フィルム片を以下のように作製した。
上記のEVAを25部と、上記のE−MAAを70部と、上記の耐候MBを5部と、を混合し、いずれも、ダイ幅40mmのダイスを装着した40mmφコートハンガーダイ異形成形機(ナカタニ機械(株)製)を用いて成膜した後、搬送方向に延伸して、厚み266μmの単層シート(樹脂フィルム原反)を作製した。
次いで、得られた単層シートを裁断し、3cm×3cmの正方形の樹脂フィルム片を9枚作製した。
ガラス接着層(B層)とする樹脂膜を以下のように作製した。
上記のエチレン・メタクリル酸共重合体のZnアイオノマー95部と、上記の安定化剤マスターバッチ5部と、シランカップリング剤(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン:信越化学工業(株)製の「KBM602」)0.2部と、を混合し、B層形成用組成物を作製し、単層T−ダイ成形機により、樹脂温度160℃の条件にて、膜厚67μmとなるように樹脂膜を製膜した。
厚み1.3mmの青板強化ガラス(100mm×100mm)、上記で得られたB層とを積層し、B層の上に9枚の樹脂フィルム片を、図3(A)に示す構成に従って配置した。次いで、樹脂フィルム片の上に、上記で得られたB層、および厚み1.3mmの青板強化ガラス(100mm×100mm)をこの順に積層し、積層体とした。積層体を真空加熱貼合器(LM−50x50S、NPC社製の2重真空槽貼り合せ機)を用い、150℃、8分間の条件で貼り合わせ、青板強化ガラス/多層フィルム(B層/A層/B層)/青板強化ガラスからなる構成の合わせガラスを作製した。得られた合わせガラスを上面から撮影した写真を図4に示す。
合わせガラス試料を用い、ヘイズメーター(スガ試験機社製)にて、JIS−K7361に準じて全光線透過率(%)を、JIS−K7136に準じてヘイズ(%)を測定した結果、ヘイズ値は98.2%、全光線透過率は75.9%であった。
10A、10B、20A 樹脂フィルム片
MD MD方向
TD TD方向
Claims (12)
- 互いに相溶しない2種以上の樹脂を含む少なくとも2枚の樹脂フィルム片の端部同士が、隣接する前記樹脂フィルム片のフィルム延伸方向が互いに交差するように接合してなり、かつ全光線透過率が60%以上90%以下である樹脂フィルム。
- 前記互いに相溶しない2種以上の樹脂が、エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体から選ばれる少なくとも1種の共重合体と、エチレン系重合体(ただし、前記エチレン・ビニルエステル共重合体及び前記エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体を除く)と、を含む請求項1に記載の樹脂フィルム。
- 前記互いに相溶しない2種以上の樹脂が、エチレン・ビニルエステル共重合体及びエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体(A)と、エチレン・(メタ)アクリル酸系共重合体又はそのアイオノマー、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、及びエチレン・炭素数3以上のα−オレフィン共重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体(B)と、を含む請求項1又は請求項2に記載の樹脂フィルム。
- ヘイズ値が80%以上99%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂フィルム。
- フィルム上面から格子状模様が視認される請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂フィルム。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂フィルムである樹脂層と他の樹脂層とが積層され、かつ全光線透過率が60%以上90%以下である多層フィルム。
- ヘイズ値が80%以上99%以下である請求項6に記載の多層フィルム。
- フィルム上面から格子状模様が視認される請求項6又は請求項7に記載の多層フィルム。
- 透明基材の一方の面上に、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂フィルム又は請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の多層フィルムである樹脂フィルム層を有し、全光線透過率が60%以上90%以下である意匠性物品。
- 一対の透明基材間に、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂フィルム又は請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の多層フィルムである樹脂フィルム層を有し、全光線透過率が60%以上90%以下である意匠性物品。
- ヘイズ値が80%以上99%以下である請求項9又は請求項10に記載の意匠性物品。
- 建築用材料である請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の意匠性物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016002451U JP3205718U (ja) | 2016-05-30 | 2016-05-30 | 樹脂フィルム、多層フィルム、及びそれらを用いた意匠性部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016002451U JP3205718U (ja) | 2016-05-30 | 2016-05-30 | 樹脂フィルム、多層フィルム、及びそれらを用いた意匠性部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3205718U true JP3205718U (ja) | 2016-08-12 |
Family
ID=56684869
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016002451U Active JP3205718U (ja) | 2016-05-30 | 2016-05-30 | 樹脂フィルム、多層フィルム、及びそれらを用いた意匠性部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3205718U (ja) |
-
2016
- 2016-05-30 JP JP2016002451U patent/JP3205718U/ja active Active
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101319931B1 (ko) | 다층 재료, 태양 전지용 봉지재, 안전(접합) 유리용 중간막, 태양 전지 모듈 및 안전(접합) 유리 | |
TW201945190A (zh) | 多層元件 | |
JP6027829B2 (ja) | 合わせガラス用中間膜および合わせガラス | |
AU2008214177A1 (en) | Multi-layer screen composites | |
JP2002293973A (ja) | ポリプロピレン系多孔質フィルム及びその製造方法 | |
JP7414092B2 (ja) | 化粧シート及びこれを用いた化粧材 | |
JP2016188158A (ja) | 積層体及び合わせガラス | |
TWI423885B (zh) | 樹脂板 | |
JP6635933B2 (ja) | 合わせガラス及び合わせガラス用中間膜 | |
JP6364811B2 (ja) | 太陽電池モジュール | |
JP3205718U (ja) | 樹脂フィルム、多層フィルム、及びそれらを用いた意匠性部品 | |
JP6017962B2 (ja) | 反射シート | |
JP2014003055A (ja) | 太陽電池用封止材 | |
WO2020067469A1 (ja) | 化粧シート及びこれを用いた化粧材 | |
TW202045608A (zh) | 層合玻璃中間膜用樹脂組成物、層合玻璃中間膜及層合玻璃 | |
JP6542782B2 (ja) | 太陽電池用封止材及び太陽電池モジュール | |
JP2006176619A (ja) | キャリアテープ用カバーテープ | |
JP6913779B2 (ja) | 積層体及び合わせガラス | |
JP5952514B1 (ja) | 壁紙保護フィルム | |
JPH11152343A (ja) | 化粧シート用フィルム | |
JP2000246845A (ja) | アクリル系樹脂積層体とその製造方法、および積層構造体 | |
WO2024128277A1 (ja) | 合わせガラス中間膜用樹脂組成物、合わせガラス中間膜および合わせガラス | |
TW200819489A (en) | Resin composition for light diffusion and light diffusion plate | |
JP2019077733A (ja) | 樹脂シート、合わせガラスおよび太陽電池モジュール | |
JP2024086668A (ja) | 合わせガラス中間膜用樹脂組成物、合わせガラス中間膜および合わせガラス |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3205718 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R323533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R323531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |