JP3205481U - 什器移動用キャスター - Google Patents
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Abstract
【課題】商品を陳列した状態の什器に対して着脱が容易で、かつ耐荷重性に富んだ什器移動用キャスターを提供する。【解決手段】商品が陳列された什器を載置する本体部と、本体部に取り付けられたキャスター2とを備え、本体部の一端から他端に渡って、什器の足を挿入する凹溝部3が床から近接する高さに設けられている。本体部は、屈曲加工されて中央部分が凹んだ土台プレート11と、屈曲加工されて略垂直に折れたL字状プレート12とで構成され、土台プレートは、平坦部11aと、平坦部の内側の端部と連接している傾斜部11bと、平坦部より低い位置で傾斜部の内側の端部と連接している凹溝底部11cとを有し、L字状プレートの各々は、短板部12aと、短板部より水平長が大きい長板部12bとを有し、土台プレートの凹溝底部とL字状プレートの各々の短板部とで凹溝部3を形成している。【選択図】図1
Description
本考案は、例えばスーパーマーケットやドラッグストアーで採用されている商品陳列用の什器移動用キャスターに関し、さらに詳しくは、商品を陳列したまま什器を安全に移動する什器移動用キャスターに関するものである。
従来から、スーパーマーケットやドラッグストアー等においては、什器に商品を陳列して販売している。一般的に、大型の什器には耐荷重性を考慮して移動用のキャスターがなく、商品の陳列後に什器を移動することは稀だった。また、移動前には、什器から商品を撤去していた。
一方、商品陳列用の什器に限らず、重量物の移動は容易でないため、たとえキャスターが付いていたとしても、手間がかかっていた。例えば、グランドピアノは高価なため、外装に疵が付かないよう慎重に移動しなければならず、時間がかかっていた。そこで、グランドピアノの脚の各々を補助キャスターに載置して移動する発想が提案されている(例えば特許文献1参照。)。詳細には、補助キャスターは、裏面に4つのキャスターを設けた板状の台座と、台座の上にグランドピアノのキャスターが入る凹所を有する受け部とで構成されている。
しかしながら、上述した従来技術では、台座の上に受け部が設けてあり、さらに受け部の側壁を越えなければ、グランドピアノのキャスターを凹所に入れることはできなかった。すなわち、従来技術の補助キャスターを用いるには、キャスター、台座及び受け部の合計の高さ以上にグランドピアノを持ち上げなくてはならず危険であり、手間もかかってしまう。
商品陳列用の什器においては、店内の内装を構成する大きな要素であり、来店者の購買意欲を向上させるには、商品の陳列のみならず、什器の配列も考慮すべきである。このため、キャスター無しの大型什器であっても、柔軟に配列を変更したいというニーズが高まってきている。
このようなニーズに鑑みると、従来技術の発想は、店舗の什器に採用するのは困難である。なぜなら、什器には商品が陳列されているため、必要以上に持ち上げたり傾けたりすると、商品の落下や什器の破損の恐れがあるからである。したがって、什器の移動用に適したキャスターとは、什器そのものを持ち上げる負担が極めて少ない上、陳列された商品を加えた什器全体の総重量に耐え得る強度が要求される。
そこで本考案の目的は、商品を陳列した状態の什器に対して着脱が容易で、かつ耐荷重性に富んだ什器移動用キャスターを提供することにある。
上記課題を解決するために、本考案による什器移動用キャスターは、商品が陳列された什器を載置する本体部と、上記本体部に取り付けられたキャスターとを備え、上記本体部の一端から他端に渡って、上記什器の足を挿入する凹溝部が床から近接する高さに設けられていることを特徴とする。
また、上記本体部は、屈曲加工されて中央部分が凹んだ土台プレートと、屈曲加工されて略垂直に折れた一対のL字状プレートとで構成され、上記土台プレートは、上記中央部分の両脇に位置する平坦部と、上記平坦部の内側の端部と連接している傾斜部と、上記平坦部より低い位置で上記傾斜部の内側の端部と連接している凹溝底部とを有し、上記L字状プレートの各々は、短板部と、上記短板部より水平長が大きい長板部とを有し、上記土台プレートの凹溝底部と上記L字状プレートの各々の短板部とで上記凹溝部を形成していることが望ましい。
また、上記L字状プレートは、上記土台プレートより薄肉であることが望ましい。これにより、所望の強度(剛性)を満たす1枚の鉄板では困難だった小さめの曲げ半径による屈曲加工も可能となり、本体部の小型化も実現する。
また、上記土台プレートの上記傾斜部の角度は、120〜150°であることが望ましい。これにより、所望の強度(剛性)を満たす大きめの曲率半径であっても、上記L字状プレートとの組み合わせにより所望の凹溝部を形成することができる。
また、上記土台プレートの上記凹溝底部の高さは、床から15〜20mmであることが望ましい。これにより、什器を持ち上げる高さが低く、又は什器を傾ける角度が小さくても、什器の足を凹溝部に容易に挿入することができる。さらに、什器の足に付属の高さ調整用アジャスター等が床に接触することを回避することができる。
ここで、「商品が陳列された」とは、例えば、スーパーマーケット、ドラッグストアー、ホームセンター、又はコンビニエスストア内で商品が陳列されている状態が該当する。「什器」とは、例えば、商品陳列用のゴンドラや棚で、少なくとも自立用の足を備えているものでもよい。「本体部」は、1枚の鉄板でも2枚以上の鉄板を組み立てたものでもよい。
「屈曲加工」とは、例えば、プレス機による曲げ加工でもよい。「傾斜部」は、「平坦部」を基準にすると下方に傾斜しており、「凹溝底部」を基準にすると上方に傾斜しているものを示してもよい。
土台プレートの傾斜部の角度が「120〜150°」としたのは、120°未満だと屈曲部分の曲面積が大き過ぎて凹溝底部の幅が狭くなり所望の凹溝部を形成できず、150°を超えると土台プレートが平坦過ぎてL字状プレートの短板部の水平長が短くなり所望の凹溝部を形成できないからである。
土台プレートの凹溝底部の高さが床から「15〜20mm」としたのは、15mm未満だと什器の足に付属の高さ調整用アジャスターが床に接してしまう恐れがあり、20mmを超えると本体部の位置が高すぎて什器を載置しにくいからである。
本考案による什器移動用キャスターは、本体部の凹溝部が床に近接しているため、この本体部の一端から他端に渡って什器の足を挿入し易く、商品を陳列したまま移動することができる。さらに、本体部が屈曲加工された土台プレートと一対のL字状プレートとで構成され、この土台プレートの凹溝底部とL字状プレートの各々の短板部とで凹溝部を形成することにより、各プレートの屈曲部分の曲面積が大きくなり過ぎず小型で、かつ陳列中の商品を含む什器の総重量に耐え得る強度を有する什器移動用キャスターが実現する。これにより、商品が陳列されたまま柔軟に什器の配列を変更することができる。
まず、図1及び図2を参照しつつ、本考案の一実施形態における什器移動用キャスターの概要を説明する。
図1及び図2に示すとおり、本実施形態における什器移動用キャスターは、商品が陳列された什器Gを載置する本体部1と、この本体部に取り付けられたキャスター2とを備え、この本体部の一端から他端に渡って、この什器の足を挿入する凹溝部3が床から近接する高さに設けられていてもよい。
また、本体部1は、屈曲加工されて中央部分が凹んだ土台プレート11と、屈曲加工されて略垂直に折れたL字状プレート12,12とで構成され、この土台プレートは、中央部分の両脇に位置する平坦部11a,11aと、この平坦部の内側の端部と連接している傾斜部11b,11bと、この平坦部より低い位置でこの傾斜部の内側の端部と連接している凹溝底部11cとを有し、このL字状プレートの各々は、短板部12aと、この短板部より水平長が大きい長板部12bとを有し、この土台プレートの凹溝底部とL字状プレートの各々の短板部とで凹溝部3を形成してもよい。
また、L字状プレート12は、土台プレート11より薄肉であってもよい。
また、土台プレート11の傾斜部11bの角度Dは、120〜150°であってもよい。
また、土台プレート11の凹溝底部11cの高さHは、床Fから15〜20mmであってもよい。
次に、図1及び図2を参照しつつ、本実施形態における什器移動用キャスターの詳細を説明する。
本体部1は、平面視で略正方形状(一辺の長さが185mm程度)であり、裏面の四隅にそれぞれ一つずつキャスター2が取り付けられていてもよい。キャスター2は、所定の金具を介して本体部1と連結しており、この金具は、本体部1とネジで固定してあってもよい。凹溝部3は、本体部1の略中心に設けられてあり、この凹溝部を中心として対向するキャスター2の各々は等距離に設けてあってもよい。凹溝部3の幅は32mm程度、深さは32mm程度であってもよい。
なお、本体部1は、平面視で円形状でも長方形状でもよい。キャスター2の車輪(直径36mm程度)は、所定の金具に対して360°回転可能であってもよい。凹溝部3の幅と深さは、什器Gとして最大のサイズにおける足が挿入自在であれば、いずれでもよい。
なお、本体部1は、平面視で円形状でも長方形状でもよい。キャスター2の車輪(直径36mm程度)は、所定の金具に対して360°回転可能であってもよい。凹溝部3の幅と深さは、什器Gとして最大のサイズにおける足が挿入自在であれば、いずれでもよい。
土台プレート11は、平面視で長方形状の鉄板(厚み3mm程度)を、プレス機で曲げ加工したものであってもよい。平坦部11aの内側の端部と傾斜部11bとが連接している部分、この傾斜部の内側の端部と凹溝底部11cとが連接している部分は、所定の曲率半径にて屈曲加工されていてもよい。平坦部11a又は凹溝底部11cに対する傾斜部11bの傾斜角Dは、135°程度でもよく、キャスター2の車輪が土台プレート11の裏面に接しない角度があればいずれでもよい。床Fから凹溝底部11cの裏面までの距離は、18mm程度でもよい。平坦部11aの裏面から凹溝底部11cの裏面までの距離は、32mm程度でもよい。
なお、上述した各種寸法や角度は、これらに限定されることはない。
なお、上述した各種寸法や角度は、これらに限定されることはない。
L字状プレート12,12は、平面視で長方形状の鉄板(厚み5mm程度)を、プレス機で曲げ加工したものであってもよい。長板部12bに対する短板部12aの角度は、略90°でもよい。短板部12aの水平長は、32mm程度でもよい。
なお、上述した各種寸法や角度は、これらに限定されることはない。
なお、上述した各種寸法や角度は、これらに限定されることはない。
L字状プレート12の各々は、土台プレート11の平坦部11aの各々に、長板部12bを面して固定してあってもよい。このとき、双方の短板部12aは互いに向き合い、傾斜部11bと凹溝底部11cとが連接している部分付近の上方に位置してもよい。双方の短板部12aと凹溝底部11cとで凹溝部3が形成されていてもよく、この双方の短板部の間隔が32mmでもよい。
なお、上述した各部材の位置関係や各種寸法は、これらに限定されることはない。
なお、上述した各部材の位置関係や各種寸法は、これらに限定されることはない。
次に、図2を参照しつつ、本実施形態における什器移動用キャスターの使用状況を説明する。
まず、商品が陳列されている什器Gの足の先端を、土台プレート11の凹溝底部11cの高さ程度まで持ち上がる。次に、什器Gの足が本体部1の凹溝部3に載置するよう、この足の先端がこの凹溝部から突き出る状態までキャスター2でこの本体部をスライドさせる。什器Gの足の後端も同様に行う。そして、什器Gの足の本数に応じて同様に行うと、この什器が複数の什器移動用キャスターに載置された状態となる。
このとき、什器Gの足に付属の高さ調整用アジャスターは、凹溝底部11cにも床Fにも接触しておらず、この什器の移動に問題はない。また、什器Gの足が細く凹溝部3との間に隙間が生じても、複数の什器移動用キャスターに安定して載置されているため、この什器の移動に問題はない。
移動が完了したら、什器移動用キャスターを外して、什器Gを床に載置する。
このように、本実施形態による什器移動用キャスターは、本体部1の凹溝部3が床Fに近接しているため、この本体部の一端から他端に渡って什器Gの足を挿入し易く、商品を陳列したまま移動することができる。さらに、本体部1が屈曲加工された土台プレート11とL字状プレート12,12とで構成され、この土台プレートの凹溝底部11cとL字状プレートの各々の短板部12aとで凹溝部3を形成することにより、各プレートの屈曲部分の曲面積が大きくなり過ぎず小型で、かつ陳列中の商品を含む什器の総重量に耐え得る強度を有する什器移動用キャスターが実現する。これにより、商品が陳列されたまま柔軟に什器Gの配列を変更することができる。
本考案における什器移動用キャスターは、小売業に限らず、例えば運送業における重量物の運搬、製造業における部品棚の移動等に関する産業に広く利用可能である。
1 本体部
11 土台プレート
11a 平坦部
11b 傾斜部
11c 凹溝底部
12 L字状プレート
12a 短板部
12b 長板部
2 キャスター
3 凹溝部
11 土台プレート
11a 平坦部
11b 傾斜部
11c 凹溝底部
12 L字状プレート
12a 短板部
12b 長板部
2 キャスター
3 凹溝部
Claims (5)
- 商品が陳列された什器を載置する本体部と、当該本体部に取り付けられたキャスターとを備え、
前記本体部の一端から他端に渡って、前記什器の足を挿入する凹溝部が床から近接する高さに設けられている
ことを特徴とする什器移動用キャスター。 - 前記本体部は、屈曲加工されて中央部分が凹んだ土台プレートと、屈曲加工されて略垂直に折れた一対のL字状プレートとで構成され、
前記土台プレートは、上記中央部分の両脇に位置する平坦部と、当該平坦部の内側の端部と連接している傾斜部と、当該平坦部より低い位置で当該傾斜部の内側の端部と連接している凹溝底部とを有し、
前記L字状プレートの各々は、短板部と、当該短板部より水平長が大きい長板部とを有し、
前記土台プレートの凹溝底部と前記L字状プレートの各々の短板部とで前記凹溝部を形成している
ことを特徴とする請求項1に記載の什器移動用キャスター。 - 前記L字状プレートは、前記土台プレートより薄肉である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の什器移動用キャスター。 - 前記土台プレートの前記傾斜部の角度は、120〜150°である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の什器移動用キャスター。 - 前記土台プレートの前記凹溝底部の高さは、床から15〜20mmである
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の什器移動用キャスター。
Priority Applications (1)
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JP2016002218U JP3205481U (ja) | 2016-05-16 | 2016-05-16 | 什器移動用キャスター |
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JP2016002218U JP3205481U (ja) | 2016-05-16 | 2016-05-16 | 什器移動用キャスター |
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Family Applications (1)
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- 2016-05-16 JP JP2016002218U patent/JP3205481U/ja not_active Expired - Fee Related
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