JP3205345U - 空気調和機における吹出し風の拡散用補助具 - Google Patents
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Abstract
【課題】既存の風向調整板に取付けるだけで良好に空気調和機からの吹出し風を室内全体に拡散させることが可能で、しかも、結露の発生を防ぐことが可能な吹出し風の拡散用補助具を提供すること。【解決手段】空気調和機の吹出口から吹出す風の向きを調整するために、前記吹出口と対向する位置に配置された風向調整板200に対して取付けられる吹出し風の拡散用補助具1であって、前記風向調整板200の上面に空気調和機の吹出口と対向する状態で被着される風受体2と、前記風受体2の上面に長さ方向に沿って所定間隔で立設した複数のフィン3とを備えてなる。風受体2及び複数のフィン3は、薄板状の発泡樹脂を成形加工することにより一体的に形成されている。【選択図】図1
Description
本考案は、空気調和機の吹出口と対向する状態で配置される風向調整板に取付けられて、前記吹出口から吹出す風を室内全体に拡散させるための補助具に関する。
オフィスや店舗等においては、見栄えや取付スペース等の面から天井埋込カセット型の空気調和機が使用されることが多い。天井埋込カセット型の空気調和機は、天井に形成された開口に挿入・設置される室内機本体と、前記室内機本体の下面に天井と略面一となるように取付けられた矩形状のパネルとを備え、前記パネルの中央部に設けた吸込口から吸い込んだ空気を室内機本体において所定温度に調整し、冷風あるいは温風(以下、冷風等という)としてパネルの各辺に沿って形成された4箇所の細長な吹出口から吹出して室内を冷暖房するように構成されている。
然るに、前記冷風等は、パネルに形成した4箇所の吹出口から下向き若しくは斜め下向きに吹出すので、吹出し方向以外へは冷風等が行き渡り難く、室内全体が均等に冷暖房され難いという問題がある。一方、冷風等の吹出し方向に居る人には長時間にわたって直接冷風等が当たることになり、特に冷房中にあっては長時間冷風に当たり続けて体調を崩す等の健康被害を受けるという問題がある。
然るに、前記冷風等は、パネルに形成した4箇所の吹出口から下向き若しくは斜め下向きに吹出すので、吹出し方向以外へは冷風等が行き渡り難く、室内全体が均等に冷暖房され難いという問題がある。一方、冷風等の吹出し方向に居る人には長時間にわたって直接冷風等が当たることになり、特に冷房中にあっては長時間冷風に当たり続けて体調を崩す等の健康被害を受けるという問題がある。
上記の問題を解決するために、例えば、空気調和機の吹出口付近に傾斜角度を変更可能とした風向調整板を配設し、この風向調整板に吹出口からの吹出し風を当てることにより、吹出し風の流通方向を変更するようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1,2参照)。
即ち、特許文献1に記載されている風向調整板は、長さ方向における中間位置の2箇所が、天井面もしくは空気調和機の外面に取着された一対の取付具の下端部に対して回動自在に取着されており、前記風向調整板の角度を任意に変更することにより吹出し風の流通方向を変更するようにしている。
また、特許文献2に記載されている風向調整板は、長さ方向における両端部が、空気調和機の吹出口の縁部近傍に固定された一対の支持アームの先端部に対して回動自在に軸架されており、前記風向調整板の角度を任意に変更することにより吹出し風の流通方向を変更するようにしている。
即ち、特許文献1に記載されている風向調整板は、長さ方向における中間位置の2箇所が、天井面もしくは空気調和機の外面に取着された一対の取付具の下端部に対して回動自在に取着されており、前記風向調整板の角度を任意に変更することにより吹出し風の流通方向を変更するようにしている。
また、特許文献2に記載されている風向調整板は、長さ方向における両端部が、空気調和機の吹出口の縁部近傍に固定された一対の支持アームの先端部に対して回動自在に軸架されており、前記風向調整板の角度を任意に変更することにより吹出し風の流通方向を変更するようにしている。
以上のように、特許文献1,2に記載されている技術によれば、冷房時に冷風の吹出し方向に居る人に、冷風が直接当たるという問題を解決することが可能となる。
然るに、風向調整板に当たった吹出し風は、前記風向調整板に沿って吹出口の延長線上の方向に流通するものの、それ以外の方向へは流通し難いため、吹出し風が室内全体に均等に行き渡らないという問題が依然として残っている。
また、特許文献1,2に記載の風向調整板は、吹出口からの冷風が上面(表面)当たることで下面(裏面)に結露が発生しやすく、結露によって生じた水滴が風向調整板の下方に落下するという問題があった。
然るに、風向調整板に当たった吹出し風は、前記風向調整板に沿って吹出口の延長線上の方向に流通するものの、それ以外の方向へは流通し難いため、吹出し風が室内全体に均等に行き渡らないという問題が依然として残っている。
また、特許文献1,2に記載の風向調整板は、吹出口からの冷風が上面(表面)当たることで下面(裏面)に結露が発生しやすく、結露によって生じた水滴が風向調整板の下方に落下するという問題があった。
本考案は前記種々の問題点に鑑み、既存の風向調整板に取付けるだけで良好に空気調和機からの吹出し風を室内全体に拡散させることを可能とするとともに、結露の発生を防ぐことが可能な吹出し風の拡散用補助具の提供を目的とする。
前記の課題を解決するために、本考案に係る吹出し風の拡散用補助具は、空気調和機の吹出口から吹出す風の向きを調整するために、前記吹出口と対向する位置に配置された風向調整板の上面に被着される風受体と、前記風受体の上面に長さ方向に沿って所定間隔で立設した複数のフィンとを備えてなる。
また、前記風受体は、幅方向における後端部に立ち上がり部を設けて、後端部が前端部よりも高くなるように形成するとよい。
更に、前記複数のフィンは、所定間隔で交互に立設された大小のフィンとするとよい。
また、前記複数のフィンは、平面視形状を円弧状とするとよい。
更に、前記風受体及び複数のフィンは、薄板状の発泡樹脂を成形加工することにより一体的に形成するとよい。
また、前記風受体は、幅方向における後端部に立ち上がり部を設けて、後端部が前端部よりも高くなるように形成するとよい。
更に、前記複数のフィンは、所定間隔で交互に立設された大小のフィンとするとよい。
また、前記複数のフィンは、平面視形状を円弧状とするとよい。
更に、前記風受体及び複数のフィンは、薄板状の発泡樹脂を成形加工することにより一体的に形成するとよい。
本考案に係る吹出し風の拡散用補助具によれば、空気調和機の吹出口から吹出す風は、風向調整板の上面に前記吹出口と対向する状態で被着した風受体、及び当該風受体に立設した複数のフィンに沿って、吹出口から遠ざかる方向へ向かう渦巻状の旋回流を形成し、室内全体に拡散されるので、温度ムラの発生を解消することができるとともに、吹出し風が利用者の体に直接当たることがないので、特に冷房時に長時間冷風が当たることにより体調を崩す等といった健康被害の発生を良好に防ぐことができる。
また、風受体の幅方向における後端部に立ち上がり部を設けて、後端部が前端部よりも高くなるように形成すれば、例えば、天井埋込カセット型の空気調和機の近傍に配置される風向調整板に拡散用補助具を取付けた場合、空気調和機の吹出口からの吹出し風は、風受体後端の立ち上がり部によって空気調和機の吸込口側へ逆流するのを阻止され、前端側(空気調和機から遠ざかる方向)へ良好に流通させることができる。この結果、吹出し風が吸込口側へ逆流することによる空気調和機の誤作動を良好に防ぐことができるとともに、吹出し風を空気調和機から離れた位置まで良好に拡散させることができる。
更に、所定間隔で大小のフィンを交互に立設するようにすれば、例えば、風向調整板の取付具の位置に応じてフィンの間隔を広くしなければならない場合でも、空気調和機の吹出口からの吹出し風は大小いずれかのフィンと接触して流通するため、良好に旋回流を形成して室内全体に拡散させることができる。
しかも、複数のフィンは、平面視形状を円弧状に形成すれば、空気調和機の吹出口からの吹出し風はフィンと接触することにより、良好に旋回流を形成して室内全体に拡散させることができる。
その上、風受体及び複数のフィンを、薄板状の発泡樹脂を成形加工することにより一体的に形成するようにすれば、非常に軽量であるため、既存の風向調整板に拡散用補助具を後付しても、必要以上に風向調整板に重量が加わることがない。しかも、拡散用補助具を取付けることによって、風向調整板には冷風等の吹出し風が直接接触せず、かつ、拡散用補助具は断熱性を有するので、風向調整板に結露が生じるのを良好に防ぐことができる。
以下、本考案を実施するための形態について、図1ないし図10を参照しながら具体的に説明する。
まず、本考案の実施例1について、図1ないし図4を参照しながら説明する。図1は本考案の実施例1に係る吹出し風の拡散用補助具を風向調整板に取付けた状態を示す斜視図である。図2(a)は本考案の実施例1に係る拡散用補助具を示す平面図、同図(b)は実施例1に係る拡散用補助具を示す縦断側面図、同図(c)は同図(a)のA−A線における実施例1に係る拡散用補助具の断面図である。図3は空気調和機からの吹出し風の流れを概略的に示す説明図である。図4は本考案の実施例1に係る拡散用補助具による空気調和機からの吹出し風の拡散状態を概略的に示す説明図である。
図1に本考案の実施例1に係る吹出し風の拡散用補助具を風向調整板に取付けた状態を示す。また、図2に本考案の実施例1に係る吹出し風の拡散用補助具を示す。
本考案の実施例1に係る拡散用補助具1は、例えば、特許文献2に記載されているような風向調整板、即ち、図1に示すように、長さ方向における両端部を一対の支持アーム201,201によって軸架する形態の風向調整板200へ取付けるのに好適である。
図1,2に示すように、拡散用補助具1は、風向調整板200の上面に被着される風受体2と、前記風受体2の上面に所定間隔で立設した複数のフィン3とを備えている。
本考案の実施例1に係る拡散用補助具1は、例えば、特許文献2に記載されているような風向調整板、即ち、図1に示すように、長さ方向における両端部を一対の支持アーム201,201によって軸架する形態の風向調整板200へ取付けるのに好適である。
図1,2に示すように、拡散用補助具1は、風向調整板200の上面に被着される風受体2と、前記風受体2の上面に所定間隔で立設した複数のフィン3とを備えている。
風受体2は、図1及び図2(a)に示すように、平面視形状が風向調整板200と略同じ大きさの横長な矩形状となっている。図1及び図2(b)に示すように、風受体2の幅方向における後端部には立ち上がり部2aを設けて、前記後端部が前端部よりも高くなるように形成されている。風受体2の側面視形状は、前記立ち上がり部2aを設けた後端部から前端部へ向かうに従って緩やかに弧を描きながら高さが低くなる滑り台の如き形状となっている。なお、風受体2の立ち上がり部2a及び後端側は中空状となっている。
フィン3は、図2(a)に示すように、例えば、風受体2の長さ方向に沿って所定間隔で5箇所に設けられており、平面視形状は、風受体2の立ち上がり部2aと連接する基端部よりも先端側が右上がりとなる、即ち、反時計方向へ向かう緩やかな円弧状となっている。図2(b)に示すように、フィン3の高さは風受体2の立ち上がり部2aの高さよりもやや高く、側面視形状は風受体2とは逆向き(上向き)の円弧状となっている。図2(c)に示すように、フィン3の断面は鋭角な三角形状であり、内部は中空となっている。
各フィン3,3の間隔は、風受体2の長さ方向において、一方のフィン3の基端部と、他方の(図2(a)においては下側に位置する)フィン3の先端部とによって形成される隙間Sが、極力小さくなるような間隔としている。即ち、前記隙間Sが大きいと、前記フィン3と接触せずに流通する吹出し風の量が増え、本件拡散用補助具1による拡散作用が低下するため、これを防ぐ目的で前記のような間隔とするものである。
そして、本件拡散用補助具1が対向配置される空気調和機100(図3,4参照)の吹出口103の一般的な大きさや、前記各フィン3,3の間隔等を考慮した結果、前記フィン3は風受体2の長さ方向に沿って5箇所に設けるのが最適である。但し、吹出口103の大きさや風向調整板200の大きさに応じて、フィン3,3の間隔は変更せず、数のみを増減することは可能である。
各フィン3,3の間隔は、風受体2の長さ方向において、一方のフィン3の基端部と、他方の(図2(a)においては下側に位置する)フィン3の先端部とによって形成される隙間Sが、極力小さくなるような間隔としている。即ち、前記隙間Sが大きいと、前記フィン3と接触せずに流通する吹出し風の量が増え、本件拡散用補助具1による拡散作用が低下するため、これを防ぐ目的で前記のような間隔とするものである。
そして、本件拡散用補助具1が対向配置される空気調和機100(図3,4参照)の吹出口103の一般的な大きさや、前記各フィン3,3の間隔等を考慮した結果、前記フィン3は風受体2の長さ方向に沿って5箇所に設けるのが最適である。但し、吹出口103の大きさや風向調整板200の大きさに応じて、フィン3,3の間隔は変更せず、数のみを増減することは可能である。
なお、拡散用補助具1は、厚さ1mm程度の薄板状の発泡樹脂(例えば、発泡ポリエチレンシート等)からなり、これを例えば真空成形等の手段で成形加工することにより、風受体2と複数のフィン3とが前記のような形状で一体的に形成される。
そして、前記のように構成された拡散用補助具1は、図1に示すように、風向調整板200の上面に対し、粘着テープや接着剤等を用いて固定される。
そして、前記のように構成された拡散用補助具1は、図1に示すように、風向調整板200の上面に対し、粘着テープや接着剤等を用いて固定される。
つづいて、本考案の実施例1による作用について図3,4を参照しながら説明する。図3は吹出し風の流れを概略的に示す。また、図4は吹出し風の拡散状態を概略的に示す。なお、図3,4において、100は所謂天井埋込カセット型の空気調和機、101は天井と略面一となるように取付けられた矩形状のパネル、102は前記パネル101の中央部に設けた吸込口グリル、103はパネル101の各辺に沿って形成された4箇所の細長な冷風等の吹出口、104は吹出口103を開閉し、かつ、冷風等の吹出し方向を可変するルーバーをそれぞれ示す。
図3,4に示すように、空気調和機100のパネル101に設けた吹出口103から、当該吹出口103を開閉するルーバー104に沿って斜め下向きに吹出す冷風等は、前記吹出口103と対向する状態で配置した風向調整板200上面に取付けられている拡散用補助具1の風受体2及び当該風受体2に設けた複数のフィン3に沿って、吹出口103から遠ざかる方向へと向かう渦巻状の旋回流を形成する。従って、吹出口103からの吹出し風は、室内全体に拡散されることとなり、室内の温度ムラを解消できるとともに、冷風等が直接利用者に当たるのを防ぐことができる。
この際、風受体2は、幅方向の後端部(空気調和機100の吸込口グリル102側に位置する端部)に立ち上がり部2aを設けることで、後端部が前端部よりも高くなっており、また、側面視の形状が、後端部(立ち上がり部2a)から前端部へ向かうに従って緩やかに弧を描くようにして高さが低くなる滑り台の如き形状となっているので、吹出口103からの吹出し風は、吸込口グリル102側へ逆流することなく、風受体2の前端側へ向けて良好に流通させることができるとともに、吹出し風が吸込口グリル102側へ逆流することによる空気調和機100の誤作動を防ぐことができる。
また、風受体2に立設したフィン3,3の間隔は、風受体2の長さ方向において、一方のフィン3の基端部と他方のフィン3の先端部とによって形成される隙間Sが、極力小さくなるような間隔となっているので、空気調和機100からの吹出し風は、そのほとんどが平面視形状が円弧状であるフィン3に沿って流通することとなる結果、良好に渦巻状の旋回流を形成することができる。
更に、拡散用補助具1は、薄板状(厚さ約1mm程度)の発泡樹脂を成形加工することにより形成されているため非常に軽量であり、既存の風向調整板200に後付しても、必要以上に重量が加わらないので、拡散用補助具1を取付けることによって風向調整板200が落下するようなことはない。その上、拡散用補助具1を取付けることによって、風向調整板200には冷風等の吹出し風が直接接触せず、かつ、拡散用補助具1は断熱性を有するので、風向調整板200に結露が生じるのを良好に防ぐことができる。
この際、風受体2は、幅方向の後端部(空気調和機100の吸込口グリル102側に位置する端部)に立ち上がり部2aを設けることで、後端部が前端部よりも高くなっており、また、側面視の形状が、後端部(立ち上がり部2a)から前端部へ向かうに従って緩やかに弧を描くようにして高さが低くなる滑り台の如き形状となっているので、吹出口103からの吹出し風は、吸込口グリル102側へ逆流することなく、風受体2の前端側へ向けて良好に流通させることができるとともに、吹出し風が吸込口グリル102側へ逆流することによる空気調和機100の誤作動を防ぐことができる。
また、風受体2に立設したフィン3,3の間隔は、風受体2の長さ方向において、一方のフィン3の基端部と他方のフィン3の先端部とによって形成される隙間Sが、極力小さくなるような間隔となっているので、空気調和機100からの吹出し風は、そのほとんどが平面視形状が円弧状であるフィン3に沿って流通することとなる結果、良好に渦巻状の旋回流を形成することができる。
更に、拡散用補助具1は、薄板状(厚さ約1mm程度)の発泡樹脂を成形加工することにより形成されているため非常に軽量であり、既存の風向調整板200に後付しても、必要以上に重量が加わらないので、拡散用補助具1を取付けることによって風向調整板200が落下するようなことはない。その上、拡散用補助具1を取付けることによって、風向調整板200には冷風等の吹出し風が直接接触せず、かつ、拡散用補助具1は断熱性を有するので、風向調整板200に結露が生じるのを良好に防ぐことができる。
次に、本考案の実施例2について、図5ないし図8を参照しながら説明する。図5は本考案の実施例2に係る吹出し風の拡散用補助具を風向調整板に取付けた状態を示す斜視図である。図6(a)は本考案の実施例2に係る拡散用補助具を示す平面図、同図(b)は実施例2に係る拡散用補助具を示す縦断側面図、同図(c)は同図(a)のB−B線における実施例2に係る拡散用補助具の断面図である。図7は空気調和機からの吹出し風の流れを概略的に示す説明図である。図8は本考案の実施例2に係る拡散用補助具による空気調和機からの吹出し風の拡散状態を概略的に示す説明図である。
図5に本考案の実施例2に係る吹出し風の拡散用補助具を風向調整板に取付けた状態を示す。また、図6に本考案の実施例2に係る吹出し風の拡散用補助具を示す。
本考案の実施例2に係る拡散用補助具1Aは、例えば、特許文献1に記載されているような風向調整板、即ち、図5に示すように、一対の取付具201A,201Aの下端部に対し、長さ方向における中間位置の2箇所が回動自在に止着される形態の風向調整板200Aへ取付けるのに好適である。
なお、実施例2に係る拡散用補助具1Aの構成は、一部を除いて実施例1に係る拡散用補助具1と同様であるため、ここでは相違点についてのみ説明する。また、実施例1に係る拡散用補助具1と共通する部材については同一の符号を用いて説明する。
本考案の実施例2に係る拡散用補助具1Aは、例えば、特許文献1に記載されているような風向調整板、即ち、図5に示すように、一対の取付具201A,201Aの下端部に対し、長さ方向における中間位置の2箇所が回動自在に止着される形態の風向調整板200Aへ取付けるのに好適である。
なお、実施例2に係る拡散用補助具1Aの構成は、一部を除いて実施例1に係る拡散用補助具1と同様であるため、ここでは相違点についてのみ説明する。また、実施例1に係る拡散用補助具1と共通する部材については同一の符号を用いて説明する。
図5及び図6(a)に示すように、風受体2の長さ方向における所定位置、即ち、風向調整板200Aが止着される一対の取付具201A,201Aと合致する位置には、当該と取付具201A,201Aが挿通されるスリット2bが、幅方向における後端部(立ち上がり部2a)から前端側へ向けて設けられている。
図5及び図6(a)に示すように、風受体2の上面にはフィン3が、前記スリット2bの位置と干渉するのを避けるために、実施例1よりもやや広い間隔で、長さ方向に沿って4箇所に立設されている。この際、一方のフィン3の基端部と他方のフィン3の先端部との間の隙間Sも実施例1に比べて大きくなるので、前記フィン3と接触せずに流通する空気調和機100からの吹出し風の量が増えることが考えられる。このため、実施例2に係る拡散用補助具1Aにおいては、各フィン3,3の間に、これよりも小さな補助フィン3aを立設し、空気調和機100からの吹出し風が、フィン3もしくは補助フィン3aのいずれかと接触しながら流通するようにしている。
前記補助フィン3aは、図6(a)に示すように、平面視形状がフィン3の約半分の大きさであり、風受体2の幅方向における中央部を基端として、先端側が右上がりとなる、即ち、反時計方向へ向かう緩やかな円弧状となっている。また、図6(b)に示すように、高さはフィン3よりも低く(約半分)、側面視は上向きの円弧状となっている。更に、図6(c)に示すように、断面は鋭角な三角形状で、内部はフィン3と同様に中空となっている。
前記補助フィン3aは、図6(a)に示すように、平面視形状がフィン3の約半分の大きさであり、風受体2の幅方向における中央部を基端として、先端側が右上がりとなる、即ち、反時計方向へ向かう緩やかな円弧状となっている。また、図6(b)に示すように、高さはフィン3よりも低く(約半分)、側面視は上向きの円弧状となっている。更に、図6(c)に示すように、断面は鋭角な三角形状で、内部はフィン3と同様に中空となっている。
なお、実施例2に係る拡散用補助具1Aは、実施例1に係る拡散用補助具1と同様に、薄板状(厚さ約1mm程度)の発泡樹脂からなり、これを成形加工することにより、風受体2と複数のフィン3,3aとが前記のような形状で一体的に形成される。
そして、実施例2に係る拡散用補助具1Aは、図5に示すように、風受体2の長さ方向における2箇所に設けたスリット2b,2bに一対の取付具201A,201Aを挿通し、かつ、中空状の立ち上がり部2a内に後端側の立壁部202を収納した状態で(図7参照)、風向調整板200Aの上面に被着され、粘着テープや接着剤等を用いて固定する。
そして、実施例2に係る拡散用補助具1Aは、図5に示すように、風受体2の長さ方向における2箇所に設けたスリット2b,2bに一対の取付具201A,201Aを挿通し、かつ、中空状の立ち上がり部2a内に後端側の立壁部202を収納した状態で(図7参照)、風向調整板200Aの上面に被着され、粘着テープや接着剤等を用いて固定する。
つづいて、本考案の実施例2による作用について図7,8を参照しながら説明する。図7は吹出し風の流れを概略的に示す。また、図8は吹出し風の拡散状態を概略的に示す。なお、図7,8において、空気調和機100の構成は、実施例1と同様であるため詳細な説明は省略するとともに、符号については同一の符号を使用して説明する。
図7,8に示すように、空気調和機100のパネル101に設けた吹出口103から、当該吹出口103を開閉するルーバー104に沿って斜め下向きに吹出す冷風等は、前記吹出口103と対向する状態で配置した風向調整板200A上面に取付けられている拡散用補助具1Aの風受体2及び当該風受体2に設けた複数のフィン3,3aに沿って、吹出口103から遠ざかる方向へと向かう渦巻状の旋回流を形成する。従って、吹出口103からの吹出し風は、室内全体に拡散されることとなり、室内の温度ムラを解消できるとともに、冷風等が直接利用者に当たるのを防ぐことができる。
この際、風受体2は、幅方向の後端部(空気調和機100の吸込口グリル102側に位置する端部)に立ち上がり部2aを設けることで、後端部が前端部よりも高くなっており、また、側面視の形状が、後端部(立ち上がり部2a)から前端部へ向かうに従って緩やかに弧を描くようにして高さが低くなる滑り台の如き形状となっているので、吹出口103からの吹出し風は、吸込口グリル102側へ逆流することなく、風受体2の前端側へ向けて良好に流通させることができるとともに、吹出し風が吸込口グリル102側へ逆流することによる空気調和機100の誤作動を防ぐことができる。
また、風受体2に立設したフィン3,3の間隔は、一対の取付具201A,201Aを挿通するスリット2b,2bの位置と干渉するのを避けるために、実施例1における間隔よりも広くなっているが、フィン3,3の間には、当該フィン3よりも小さな補助フィン3aが立設されているので、空気調和機100の吹出口103からの吹出し風は、風受体2の前方へ直進することなく、平面視形状が円弧状であるフィン3及び補助フィン3aに沿って流通することとなる結果、良好に渦巻状の旋回流を形成することができる。
更に、拡散用補助具1Aは、薄板状(厚さ約1mm程度)の発泡樹脂を成形加工することにより形成されているため非常に軽量であり、既存の風向調整板200Aに後付しても、必要以上に重量が加わらないので、拡散用補助具1Aを取付けることによって風向調整板200Aが落下するようなことはない。その上、拡散用補助具1Aを取付けることによって、風向調整板200Aには冷風等の吹出し風が直接接触せず、かつ、拡散用補助具1Aは断熱性を有するので、風向調整板200Aに結露が生じるのを良好に防ぐことができる。
この際、風受体2は、幅方向の後端部(空気調和機100の吸込口グリル102側に位置する端部)に立ち上がり部2aを設けることで、後端部が前端部よりも高くなっており、また、側面視の形状が、後端部(立ち上がり部2a)から前端部へ向かうに従って緩やかに弧を描くようにして高さが低くなる滑り台の如き形状となっているので、吹出口103からの吹出し風は、吸込口グリル102側へ逆流することなく、風受体2の前端側へ向けて良好に流通させることができるとともに、吹出し風が吸込口グリル102側へ逆流することによる空気調和機100の誤作動を防ぐことができる。
また、風受体2に立設したフィン3,3の間隔は、一対の取付具201A,201Aを挿通するスリット2b,2bの位置と干渉するのを避けるために、実施例1における間隔よりも広くなっているが、フィン3,3の間には、当該フィン3よりも小さな補助フィン3aが立設されているので、空気調和機100の吹出口103からの吹出し風は、風受体2の前方へ直進することなく、平面視形状が円弧状であるフィン3及び補助フィン3aに沿って流通することとなる結果、良好に渦巻状の旋回流を形成することができる。
更に、拡散用補助具1Aは、薄板状(厚さ約1mm程度)の発泡樹脂を成形加工することにより形成されているため非常に軽量であり、既存の風向調整板200Aに後付しても、必要以上に重量が加わらないので、拡散用補助具1Aを取付けることによって風向調整板200Aが落下するようなことはない。その上、拡散用補助具1Aを取付けることによって、風向調整板200Aには冷風等の吹出し風が直接接触せず、かつ、拡散用補助具1Aは断熱性を有するので、風向調整板200Aに結露が生じるのを良好に防ぐことができる。
なお、本考案の実施例2に係る拡散用補助具1Aは、実施例1に係る拡散用補助具1に替えて、長さ方向の両端部を一対の支持アーム201,201に軸架する形態の風向調整板200に取付けるようにしてもよい(図9参照)。この場合、風受体2にスリット2bを設ける必要はない。
また、本考案においては、複数のフィン3及び補助フィン3aの平面視形状を、反時計方向へ向かう緩やかな円弧状とした場合を一例として説明しているが、時計方向へ向かう緩やかな円弧状としてもよいし(図10(a),(b)参照)、前記複数のフィン3及び補助フィン3aは、円弧状とする代わりに、所定角度傾斜した直線状としてもよい(図10(c)〜(f)参照)。この際、複数のフィン3及び補助フィン3aの側面視形状,断面形状,間隔等は、前記(段落0018,0025参照)と同様にすればよい。
更に、本考案においては、吹出し風の拡散用補助具を取付けた風向調整板を、天井埋込カセット型の空気調和機のパネルに設けた4箇所全ての吹出口と対向する状態で配置した場合を一例として説明しているが、1〜3箇所のいずれかの吹出口と対向する状態で配置するようにしてもよい。
また、本考案においては、吹出し風の拡散用補助具を、所謂天井埋込カセット型の空気調和機の近傍に配置される風向調整板に取付けるようにした場合を一例として説明しているが、これに限定されるものではなく、床置き型や壁掛け型等の空気調和機に配置される風向調整板に取付けるようにしてもよい。
更に、本考案においては、吹出し風の拡散用補助具を取付けた風向調整板を、吹出口を4箇所に設けた天井埋込カセット型の空気調和機の近傍に配置する場合を一例として説明しているが、吹出口を1箇所もしくは2箇所に設けた天井埋込カセット型の空気調和機の近傍に配置する場合にも適用可能である。
また、本考案においては、複数のフィン3及び補助フィン3aの平面視形状を、反時計方向へ向かう緩やかな円弧状とした場合を一例として説明しているが、時計方向へ向かう緩やかな円弧状としてもよいし(図10(a),(b)参照)、前記複数のフィン3及び補助フィン3aは、円弧状とする代わりに、所定角度傾斜した直線状としてもよい(図10(c)〜(f)参照)。この際、複数のフィン3及び補助フィン3aの側面視形状,断面形状,間隔等は、前記(段落0018,0025参照)と同様にすればよい。
更に、本考案においては、吹出し風の拡散用補助具を取付けた風向調整板を、天井埋込カセット型の空気調和機のパネルに設けた4箇所全ての吹出口と対向する状態で配置した場合を一例として説明しているが、1〜3箇所のいずれかの吹出口と対向する状態で配置するようにしてもよい。
また、本考案においては、吹出し風の拡散用補助具を、所謂天井埋込カセット型の空気調和機の近傍に配置される風向調整板に取付けるようにした場合を一例として説明しているが、これに限定されるものではなく、床置き型や壁掛け型等の空気調和機に配置される風向調整板に取付けるようにしてもよい。
更に、本考案においては、吹出し風の拡散用補助具を取付けた風向調整板を、吹出口を4箇所に設けた天井埋込カセット型の空気調和機の近傍に配置する場合を一例として説明しているが、吹出口を1箇所もしくは2箇所に設けた天井埋込カセット型の空気調和機の近傍に配置する場合にも適用可能である。
1,1A 吹出し風の拡散用補助具
2 風受体
2a 立ち上がり部
2b スリット
3 フィン
3a 補助フィン
100 空気調和機
101 パネル
102 吸込口グリル
103 吹出口
104 ルーバー
200,200A 風向調整板
201 支持アーム
201A 取付具
2 風受体
2a 立ち上がり部
2b スリット
3 フィン
3a 補助フィン
100 空気調和機
101 パネル
102 吸込口グリル
103 吹出口
104 ルーバー
200,200A 風向調整板
201 支持アーム
201A 取付具
Claims (5)
- 空気調和機の吹出口から吹出す風の向きを調整するために、前記吹出口と対向する位置に配置された風向調整板に対して取付けられる吹出し風の拡散用補助具であって、前記風向調整板の上面に空気調和機の吹出口と対向する状態で被着される風受体と、前記風受体の上面に長さ方向に沿って所定間隔で立設した複数のフィンとを備えてなることを特徴とする空気調和機における吹出し風の拡散用補助具。
- 前記風受体は、幅方向における後端部に立ち上がり部を設けて、後端部が前端部よりも高くなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機における吹出し風の拡散用補助具。
- 前記複数のフィンは、所定間隔で交互に立設された大小のフィンからなることを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機における吹出し風の拡散用補助具。
- 前記複数のフィンは、平面視形状が円弧状であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の空気調和機における吹出し風の拡散用補助具。
- 前記風受体及び複数のフィンが、薄板状の発泡樹脂を成形加工することにより一体的に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の空気調和機における吹出し風の拡散用補助具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016002077U JP3205345U (ja) | 2016-05-09 | 2016-05-09 | 空気調和機における吹出し風の拡散用補助具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016002077U JP3205345U (ja) | 2016-05-09 | 2016-05-09 | 空気調和機における吹出し風の拡散用補助具 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP3205345U (ja) |
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2016
- 2016-05-09 JP JP2016002077U patent/JP3205345U/ja not_active Expired - Fee Related
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