JP3205254U - 蛇篭に廃プラスチック栗石を詰めた構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】セシウムにより汚染された廃棄物を汎用の成型機を用いて処理して、固化した状態で、廃棄物からの放射線の漏洩を十分に防止する構造物を提供する。【解決手段】この構造物は、アンチモン化合物を触媒として製造されたポリエチレンテレフタレート(PET)とポリカーボネートとを含む溶融成形用廃プラスチック配合物に、セシウムから放出される放射性物質を含む焼却灰を加えて溶融成形した後に冷却固化した廃プラスチック栗石を蛇篭に詰めた構造物であって、アンチモン化合物がルイス塩基として機能してセシウムに対して反応して錯体を生成することによりセシウムを吸着し、ポリカーボネートがセシウムを包理することにより、廃プラスチック栗石からその外部へ漏洩する放射線量を低減させる。【選択図】図1
Description
本考案は、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う福島第一原子力発電所における事故によりこの発電所から放出されたセシウム134およびセシウム137により汚染された特定一般廃棄物、指定廃棄物、特別管理廃棄物の焼却灰を利用した、蛇篭に廃プラスチック栗石を詰めた構造物に関する。
平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う福島第一原子力発電所の事故によりこの発電所からセシウム134(半減期2.1年)およびセシウム137(半減期約30年)が放出され、放射性物質を災害廃棄物が大量に発生し、福島県を中心として、東北地方で広域的な放射性物質による汚染が生じることとなった。それにより、日常の生活環境からの被曝や食品を通じた被曝などが懸念されたが、一方では放射性物質を含む廃棄物などの処理の問題が深刻化することとなった。
これらの廃棄物は、放射性物質汚染対処特措法等により、以下のように分類されている。特定一般廃棄物(特定一般廃棄物、特定産業廃棄物)とは、福島第一原子力発電所近傍のエリアにおける廃棄物でセシウム134およびセシウム137の放射能濃度の合計が8,000Bq/kg以下の廃棄物であって、指定廃棄物とは、セシウム134およびセシウム137の放射能濃度の合計が8,000Bq/kgを越える廃棄物であって環境大臣が指定したものであって、特別管理廃棄物とは、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物、という。
特許第5187603号公報(特許文献1)は、地震被害による大量の廃棄物や、セシウムにより汚染された特定一般廃棄物や指定廃棄物の処理や保管容器に関する技術提供は少なく、特許関連の技術においても原子力発電所から発生する放射性廃棄物を処理する方法や廃プラスチック配合物の製造方法に解決の一端を見るにすぎないことに鑑みて発明された技術を開示する。この特許文献1に開示された発明は、複雑な手段や特殊な装置を用いず、既に普及している技術をベースに大量の廃棄物やセシウムにより汚染された廃棄物を汎用の成型機を用いて処理し、再生利用可能な形態の保管容器とすると共に、固化した状態での汚染物質の溶出を防止し、保管や管理が容易な廃棄物の処理と保管容器と保管方法を提供することを目的とする。
この特許文献1には、成形体による放射性物質を含む焼却灰の処理として、セシウム137から放出される放射線の透過を阻止する能力が高いプラスチック配合物に、放射性物質を含む焼却灰を30〜40重量%混入し、押出機を用いて溶融混練した後に金型に注入し、金型の中で直ちに冷却しながら円柱形状又は角柱形状に溶融成形することで遮蔽する。また、金型の中で急縮することによる化学反応を用いることで、体積を変化させ成形品を高密度にし、放射線の透過を阻止する能力を向上させている(特許文献1の請求項5)。
なお、この特許文献1には、以下に示す記載事項が開示されており、これらの記載事項に基づいて、上述した成形体による放射性物質を含む焼却灰の処理が発明されている。
セシウムは事故由来放射性物質で、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により当該原子力発電所から放出されたヨウ素131(半減期8日)及びセシウム134(半減期2.1年)及びセシウム137(半減期約30年)をいう(特許文献1の第0059段落)。セシウム137から放出される放射線は、ベータ線とガンマ線であり、放射線の透過を阻止する能力が高い物質を利用して遮蔽する(特許文献1の第0060段落)。ベータ線の実体である電子では1cmのプラスチック板で十分遮蔽できる。透過力は弱く、通常は数mmのアルミ板や1cm程度のプラスチック板で十分遮蔽できる。ただし、ベータ粒子が遮蔽物によって減速する際には制動放射によりX線が発生するため、その発生したX線についての遮蔽も必要となる。遮蔽物に使われる物質の原子番号が大きくなるほど制動放射が強くなることから、ベータ線の遮蔽にはプラスチックなどの低原子番号の物質を使い、そこで発生したX線を鉛などの高原子番号の
物質で遮蔽する、という二段構えの遮蔽を行う(特許文献1の第0061段落)。
セシウムは事故由来放射性物質で、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により当該原子力発電所から放出されたヨウ素131(半減期8日)及びセシウム134(半減期2.1年)及びセシウム137(半減期約30年)をいう(特許文献1の第0059段落)。セシウム137から放出される放射線は、ベータ線とガンマ線であり、放射線の透過を阻止する能力が高い物質を利用して遮蔽する(特許文献1の第0060段落)。ベータ線の実体である電子では1cmのプラスチック板で十分遮蔽できる。透過力は弱く、通常は数mmのアルミ板や1cm程度のプラスチック板で十分遮蔽できる。ただし、ベータ粒子が遮蔽物によって減速する際には制動放射によりX線が発生するため、その発生したX線についての遮蔽も必要となる。遮蔽物に使われる物質の原子番号が大きくなるほど制動放射が強くなることから、ベータ線の遮蔽にはプラスチックなどの低原子番号の物質を使い、そこで発生したX線を鉛などの高原子番号の
物質で遮蔽する、という二段構えの遮蔽を行う(特許文献1の第0061段落)。
上述した特許文献1においては、既に普及している技術をベースに大量の廃棄物やセシウムにより汚染された廃棄物を汎用の成型機を用いて処理することを目的としており、未硬化のプラスチック素材又は、混合割合がポリオレフィン系樹脂60〜80重量%、ポリエチレンテレフタレート40〜20重量%である溶融混練用廃プラスチック配合物に、洗濯用粉末合成洗剤と片栗粉との合成物を添加(その添加割合は洗濯用粉末合成洗剤10〜90重量%、片栗粉90〜10重量%の合成物をプラスチック配合物全量に対して5〜15重量%添加)することを必須としており、この添加により溶融混練性の向上と潤滑効果とを高めている。
しかしながら、このような物質を添加することにより、たとえ溶融混練性の向上と潤滑効果とを高めることができたとしても、特許文献1に開示された記載事項(特許文献1の第0059段落〜第0061段落)に基づく単なる二段構えでは、本来の目的である、成形体から漏洩する放射線を十分に低減することができていないという問題点が、本願出願人の鋭意研究の結果、明らかになった。
本考案は、従来技術の上述の問題点に鑑みて開発されたものであり、複雑な手段や特殊な装置を用いず、既に普及している技術をベースに大量の廃棄物やセシウムにより汚染された廃棄物を汎用の成型機を用いて処理して、固化した状態で放射線の漏洩を十分に防止することのできる、蛇篭に廃プラスチック栗石を詰めた構造物を提供することを目的とする。そして、このように廃プラスチック栗石を蛇篭の詰石(自然石)の代替として使用して、ダム等の設置に伴い河川より収得する丸石が少なくなっている昨今において河川の治水等に好適に利用することによりセシウムにより汚染された廃棄物を適切に処理することのできる構造物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本考案に係る構造物は、以下の技術的手段を講じている。
すなわち、この構造物は、アンチモン化合物を含む合成樹脂とポリカーボネートとを含む溶融成形用廃プラスチック配合物に、セシウムから放出される放射性物質を含む焼却灰を加えて溶融成形した廃プラスチック栗石を蛇篭に詰めた構造物であって、前記アンチモン化合物がルイス塩基として機能してセシウムに対して反応して錯体を生成することによりセシウムを吸着しているとともに、前記ポリカーボネートがセシウムを包理することにより、前記廃プラスチック栗石からその外部へ漏洩する放射線量を低減させることを特徴とする。
すなわち、この構造物は、アンチモン化合物を含む合成樹脂とポリカーボネートとを含む溶融成形用廃プラスチック配合物に、セシウムから放出される放射性物質を含む焼却灰を加えて溶融成形した廃プラスチック栗石を蛇篭に詰めた構造物であって、前記アンチモン化合物がルイス塩基として機能してセシウムに対して反応して錯体を生成することによりセシウムを吸着しているとともに、前記ポリカーボネートがセシウムを包理することにより、前記廃プラスチック栗石からその外部へ漏洩する放射線量を低減させることを特徴とする。
好ましくは、前記合成樹脂は、アンチモン化合物を触媒として製造されたポリエチレンテレフタレート(PET)であるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記溶融混練用廃プラスチック配合物における、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリカーボネートとの重量比率が、60:40〜80:20であるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記溶融混練用廃プラスチック配合物における、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリカーボネートとの重量比率が、60:40〜80:20であるように構成することができる。
本考案に係る蛇篭に廃プラスチック栗石を詰めた構造物によれば、複雑な手段や特殊な装置を用いず、既に普及している技術をベースに大量の廃棄物やセシウムにより汚染された廃棄物を汎用の成型機を用いて処理して、固化した状態で放射線の漏洩を十分に防止することができる。そして、このように廃プラスチック栗石を蛇篭の詰石(自然石)の代替として使用して、ダム等の設置に伴い河川より収得する丸石が少なくなっている昨今において河川の治水等に好適に利用することによりセシウムにより汚染された廃棄物を適切に処理することができる。
以下、本考案の実施の形態に係る廃プラスチック栗石(樹脂構造物)を蛇篭に詰めた構造物について、その製造方法を含めて説明する。なお、以下において、廃プラスチック栗石を樹脂構造物と記載する場合がある。
<樹脂構造物の概要>
この樹脂構造物は、アンチモン化合物を含む合成樹脂を含む溶融成形用廃プラスチック配合物に、セシウムから放出される放射性物質を含む焼却灰を加えて溶融成形した後に冷却固化した樹脂構造物であって、アンチモン化合物がルイス塩基として機能してセシウムに対して反応して錯体を生成することによりセシウムを吸着することを、最大の特徴とする。そして、このように錯体を生成することにより、樹脂構造物からその外部へ漏洩する放射線量を低減させることができる。
<樹脂構造物の概要>
この樹脂構造物は、アンチモン化合物を含む合成樹脂を含む溶融成形用廃プラスチック配合物に、セシウムから放出される放射性物質を含む焼却灰を加えて溶融成形した後に冷却固化した樹脂構造物であって、アンチモン化合物がルイス塩基として機能してセシウムに対して反応して錯体を生成することによりセシウムを吸着することを、最大の特徴とする。そして、このように錯体を生成することにより、樹脂構造物からその外部へ漏洩する放射線量を低減させることができる。
ここで、一例として、溶融成形用廃プラスチック配合物に含まれる合成樹脂は、アンチモン化合物を触媒として製造されたポリエチレンテレフタレート(以下においてPETと記載する場合がある)を挙げることができる。
この樹脂構造物に用いられる溶融成形用廃プラスチック配合物はポリカーボネートをさらに含むことができ、このポリカーボネートがセシウムを包理する。そして、このようにポリカーボネートがセシウムを包理することにより、樹脂構造物からその外部へ漏洩する放射線量を低減させることができるとともに、ポリカーボネートによりこの樹脂構造物の強度を向上させることができ、この樹脂構造物を安定的に保管することができる。
この樹脂構造物に用いられる溶融成形用廃プラスチック配合物はポリカーボネートをさらに含むことができ、このポリカーボネートがセシウムを包理する。そして、このようにポリカーボネートがセシウムを包理することにより、樹脂構造物からその外部へ漏洩する放射線量を低減させることができるとともに、ポリカーボネートによりこの樹脂構造物の強度を向上させることができ、この樹脂構造物を安定的に保管することができる。
なお、溶融混練用廃プラスチック配合物における、ポリエチレンテレフタレートとポリカーボネートとの重量比率は、60:40〜80:20であることが好ましい。この範囲の重量比率である場合に、ポリエチレンテレフタレートの製造時に触媒として用いられたアンチモン化合物がルイス塩基として機能してセシウムに対して反応して錯体を生成することによりセシウムを吸着し、かつ、ポリカーボネートがセシウムを包理することにより樹脂構造物からその外部へ漏洩する放射線量を低減させることができるとともに、ポリカーボネートによりこの樹脂構造物の強度を向上させることができ、この樹脂構造物を安定的に保管することができる。
ここで、この樹脂構造物は、ステアリン酸、または、クロロゲン酸をさらに含むことができる。本出願人による実験および研究を鋭意進める過程において、樹脂構造物がステアリン酸またはクロロゲン酸をさらに含むことにより、溶融混練性の向上と潤滑効果とを高めつつ、樹脂構造物からその外部へ漏洩する放射線量を低減させることができるとともに、この樹脂構造物を安定的に保管することができることを見出した。
さらに、この樹脂構造物は、飲料を抽出した後の廃棄物(飲料かす)をさらに含むことができる。本出願人による実験および研究を鋭意進める過程において、樹脂構造物が飲料を抽出した後の廃棄物(コーヒーかす、紅茶かす、緑茶等の日本茶かす等を含む飲料かす)をさらに含むことにより、(体に対する作用効果については類推を含むものの)これらの飲料かすに含まれる物質が備える抗酸化作用により、放射線による生成された活性酸素を消去したり、活性酸素の発生を防止したりすることができる。すなわち、放射線が備える電離作用により体に有害な活性酸素が生成されるとしても、この活性酸素を消去したり、活性酸素の生成を防止したりすることができることが、放射能対策に繋がるものと考え
られる。ここで、コーヒーかすについては、コーヒーの生豆にはポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が多く含まれており(当然コーヒーかすにも含まれることになる)、このポリフェノールの代表的な効果である抗酸化作用により、活性酸素を消去したり、活性酸素の生成を防止したりしている。
られる。ここで、コーヒーかすについては、コーヒーの生豆にはポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が多く含まれており(当然コーヒーかすにも含まれることになる)、このポリフェノールの代表的な効果である抗酸化作用により、活性酸素を消去したり、活性酸素の生成を防止したりしている。
なお、本考案の最大の特徴である、アンチモン化合物がルイス塩基として機能してセシウムに対して反応して錯体を生成することによりセシウムを吸着することができる範囲において(錯体の生成を阻害しない範囲において)、この溶融成形用廃プラスチック配合物には、上述したアンチモン化合物を含む合成樹脂(好ましくは製造時に触媒としてアンチモン化合物を使用するポリエチレンテレフタレート)を必須構成とするとともに、ポリカーボネートを含む他の溶融成形用廃プラスチック配合物を含んでいても構わないし、この樹脂構造物には、上述したステアリン酸、クロロゲン酸以外の他の成分を含んでいても構わない。
さらに、このような樹脂構造物の製造方法は、上述したようにアンチモン化合物を含む合成樹脂とポリカーボネートとを含む溶融成形用廃プラスチック配合物に、セシウムから放出される放射性物質を含む焼却灰を加えて溶融成形した後に冷却固化した樹脂構造物の製造方法であって、アンチモン化合物がルイス塩基として機能してセシウムに対して反応して錯体を生成することによりセシウムを吸着しているとともに、ポリカーボネートがセシウムを包理することにより、樹脂構造物からその外部へ漏洩する放射線量を低減させる、製造方法である。ここで、この製造方法は、複雑な手段や特殊な装置を用いず、既に普及している技術をベースに大量の廃棄物やセシウムにより汚染された廃棄物を汎用の成型機を用いて処理するものである。
以下において、さらに詳しく、本考案の実施の形態に係る廃プラスチック栗石(樹脂構造物)およびその製造方法について説明する。
<錯体の生成>
本考案の最大の特徴である、ポリエチレンテレフタレート製造時に触媒として用いられるアンチモン化合物がルイス塩基として機能してセシウムに対して反応して錯体を生成することによりセシウムを吸着する点について説明する。
<錯体の生成>
本考案の最大の特徴である、ポリエチレンテレフタレート製造時に触媒として用いられるアンチモン化合物がルイス塩基として機能してセシウムに対して反応して錯体を生成することによりセシウムを吸着する点について説明する。
セシウムは、元素周期表において第6周期第1族に位置する原子番号55の元素であって、軟らかく黄色がかった銀色をしたアルカリ金属である。融点は28℃で、常温付近で液体状態をとる5つの金属元素のうちの一つである。ウランの代表的な核分裂生成物として、ストロンチウム90とともにセシウム135、セシウム137が、また、原子炉内の反応によってセシウム134が生成される。この中でセシウム137は比較的多量に発生しベータ線を出し半減期も約30年と長く、放射性セシウム(放射性同位体)として、原発事故時の放射性降下物として環境中の存在や残留が問題となる。
ほとんどの全てのセシウム化合物は、セシウムをCs+カチオンとして持っており、これがさまざまなアニオンとイオン結合している。最も一般的かつ通常のセシウム酸化物(Cs2O)は黄色からオレンジ色をした六方晶であり、唯一の逆塩化カドミウム型構造を取る酸化物であって、250℃で蒸発し、400℃で金属セシウムと過酸化物Cs2O2とに分解する。
本出願人は、ポリエチレンテレフタレートを含む溶融成形用廃プラスチック配合物に、セシウムから放出される放射性物質を含む焼却灰を加えて、ポリエチレンテレフタレートの融点である260℃以上に溶融して成形したところ、樹脂構造物からその外部へ漏洩する放射線量を大幅に低減させることができたことに鑑みて、以下のような仮説を立てた。すなわち、ポリエチレンテレフタレートの融点である260℃以上にまで(セシウムから放出される放射性物質を含む)焼却灰が加熱される過程において、セシウム酸化物が250℃で蒸発して、他の重金属イオン(第15族、第16族)の一例であるアンチモン化合物(ポリエチレンテレフタレートの製造時に用いられる触媒)がルイス塩基として機能してセシウム(セシウム酸化物から蒸発したセシウム(セシウムイオン))に対して反応して錯体を生成しているとの仮説を立てた。
そして、この仮説に基づいて、ポリエチレンテレフタレートを含む溶融成形用廃プラス
チック配合物に、セシウムから放出される放射性物質を含む焼却灰を加えて溶融成形した後に冷却固化した樹脂構造物の顕微鏡写真を撮影した。このとき、ミクロトーム面出し方法を用いて、30万倍(図1)および50万倍(図2)で、PET樹脂の核(花模様)を検視した。図1および図2に示すように、通常は6角形であるPET樹脂の核が、アンチモン化合物(重金属イオン(第15族、第16族)の一例)がルイス塩基として機能してセシウム(セシウム酸化物から蒸発したセシウム(セシウムイオン))に対して反応した錯体状態であることとの見解に至った。
チック配合物に、セシウムから放出される放射性物質を含む焼却灰を加えて溶融成形した後に冷却固化した樹脂構造物の顕微鏡写真を撮影した。このとき、ミクロトーム面出し方法を用いて、30万倍(図1)および50万倍(図2)で、PET樹脂の核(花模様)を検視した。図1および図2に示すように、通常は6角形であるPET樹脂の核が、アンチモン化合物(重金属イオン(第15族、第16族)の一例)がルイス塩基として機能してセシウム(セシウム酸化物から蒸発したセシウム(セシウムイオン))に対して反応した錯体状態であることとの見解に至った。
すなわち、セシウムは重金属イオン第6周期第1族の元素であって、セシウム酸化物は250℃で蒸発し、他の重金属イオン(第15族、第16族)との錯体を形成している可能性が高い。この場合において、ポリエチレンテレフタレートは第15族のアンチモン化合物を多く含み、かつ、ポリエチレンテレフタレートの融点260℃とセシウム酸化物の蒸発温度250℃とが近接しアンチモン化合物がルイス塩基として機能してセシウムに対して反応して錯体を生成することによりセシウムを吸着する条件が成立していると考えられるので、樹脂構造物からその外部へ漏洩する放射線量を大幅に低減させることができたものと考えられる。
<樹脂構造物の製造方法>
以下において、顕微鏡写真の検視により上述した仮説が確認された樹脂構造物の製造方法について説明する。なお、以下に示す全ての工程は、現実的には、作業者への放射線被曝、放射能の飛散および外部への汚染等を十分に防止して行われるが、これらは本考案には直接関係がないのでここでは記載していない。
以下において、顕微鏡写真の検視により上述した仮説が確認された樹脂構造物の製造方法について説明する。なお、以下に示す全ての工程は、現実的には、作業者への放射線被曝、放射能の飛散および外部への汚染等を十分に防止して行われるが、これらは本考案には直接関係がないのでここでは記載していない。
・セシウムから放出される放射性物質を含む焼却灰の準備工程
セシウムにより汚染された牧草(汚染牧草)を焼却した焼却灰(汚染焼却灰)を準備するか、または、炭化処理された汚染牧草を準備する。なお、本考案は、汚染牧草を焼却した焼却灰に限定されるものではなく、セシウムから放出される放射性物質を含む廃棄物を焼却した焼却灰全般に好適に適用することができる点で好ましい。
セシウムにより汚染された牧草(汚染牧草)を焼却した焼却灰(汚染焼却灰)を準備するか、または、炭化処理された汚染牧草を準備する。なお、本考案は、汚染牧草を焼却した焼却灰に限定されるものではなく、セシウムから放出される放射性物質を含む廃棄物を焼却した焼却灰全般に好適に適用することができる点で好ましい。
・溶融成形用廃プラスチック配合物の溶融工程
溶融温度がそれぞれ200℃、200℃および260℃のポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂およびポリエチレンテレフタレート樹脂を含む溶融成形用廃プラスチック配合物(これらの配合は一例に過ぎない)を、設定温度300℃で加熱溶融する。なお、上述したように、アンチモン化合物がルイス塩基として機能してセシウムに対して反応して錯体を生成することによりセシウムを吸着することができる範囲において、この溶融成形用廃プラスチック配合物には他の溶融成形用廃プラスチック配合物(一例としてポリカーボネートが挙げられる)を含んでいても構わないし、この樹脂構造物にはステアリン酸およびクロロゲン酸以外の他の成分を含んでいても構わない。
溶融温度がそれぞれ200℃、200℃および260℃のポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂およびポリエチレンテレフタレート樹脂を含む溶融成形用廃プラスチック配合物(これらの配合は一例に過ぎない)を、設定温度300℃で加熱溶融する。なお、上述したように、アンチモン化合物がルイス塩基として機能してセシウムに対して反応して錯体を生成することによりセシウムを吸着することができる範囲において、この溶融成形用廃プラスチック配合物には他の溶融成形用廃プラスチック配合物(一例としてポリカーボネートが挙げられる)を含んでいても構わないし、この樹脂構造物にはステアリン酸およびクロロゲン酸以外の他の成分を含んでいても構わない。
・汚染焼却灰の混入工程
溶融状態の溶融成形用廃プラスチック配合物に汚染焼却灰を混入する。この工程において、上述したように、ポリエチレンテレフタレートの融点である260℃以上にまでセシウムから放出される放射性物質を含む焼却灰が加熱される過程において、セシウム酸化物が250℃で蒸発して、他の重金属イオン(第15族、第16族)の一例であるアンチモン化合物(ポリエチレンテレフタレートの製造時に用いられる触媒)がルイス塩基として機能してセシウム(セシウム酸化物から蒸発したセシウム(セシウムイオン))に対して反応して錯体を生成することによりセシウムを吸着していると考えられる。
溶融状態の溶融成形用廃プラスチック配合物に汚染焼却灰を混入する。この工程において、上述したように、ポリエチレンテレフタレートの融点である260℃以上にまでセシウムから放出される放射性物質を含む焼却灰が加熱される過程において、セシウム酸化物が250℃で蒸発して、他の重金属イオン(第15族、第16族)の一例であるアンチモン化合物(ポリエチレンテレフタレートの製造時に用いられる触媒)がルイス塩基として機能してセシウム(セシウム酸化物から蒸発したセシウム(セシウムイオン))に対して反応して錯体を生成することによりセシウムを吸着していると考えられる。
・製品型への流し込み工程および冷却工程
汚染焼却灰を混入された溶融状態の溶融成形用廃プラスチック配合物を製品型に流し込み、冷風空気冷却または自然冷却により固化させる。
・製品型からの取り出し工程
冷風空気冷却または自然冷却により固化させた溶融成形用廃プラスチック配合物を製品型から取り出して、樹脂構造物を完成させる。
汚染焼却灰を混入された溶融状態の溶融成形用廃プラスチック配合物を製品型に流し込み、冷風空気冷却または自然冷却により固化させる。
・製品型からの取り出し工程
冷風空気冷却または自然冷却により固化させた溶融成形用廃プラスチック配合物を製品型から取り出して、樹脂構造物を完成させる。
以上のようにして製造された樹脂構造物の放射能測定結果を図3に示す。図3に注記しているように、実施例1〜4は、実験プラントでの実施であったため、本生産プラントの
40%程度の作用効果と見込まれるとしても、処理前に比較して、樹脂構造物からその外部へ漏洩する放射線量を低減させることができている。図3におけるガイガカウンター値は、株式会社エフ・アール・シー社製NX−RD100型を用いて、10rは1秒に1回測定、20rは2秒に1回測定、60rは6秒に1回測定した値である。この場合における放射線量計算式は、図3に示すガイガカウンター値に24時間および365日を乗算して(24×365である8760を乗算して)ミリシーベルト単位の放射線量となる。本生産プラントにより製造された樹脂構造物においては、出願人による長年に亘る実験および研究から、0.01〜0.03(87.6ミリシーベルト〜262.8ミリシーベルト)に収まるものと推察している。
40%程度の作用効果と見込まれるとしても、処理前に比較して、樹脂構造物からその外部へ漏洩する放射線量を低減させることができている。図3におけるガイガカウンター値は、株式会社エフ・アール・シー社製NX−RD100型を用いて、10rは1秒に1回測定、20rは2秒に1回測定、60rは6秒に1回測定した値である。この場合における放射線量計算式は、図3に示すガイガカウンター値に24時間および365日を乗算して(24×365である8760を乗算して)ミリシーベルト単位の放射線量となる。本生産プラントにより製造された樹脂構造物においては、出願人による長年に亘る実験および研究から、0.01〜0.03(87.6ミリシーベルト〜262.8ミリシーベルト)に収まるものと推察している。
なお、本生産プラントは、複雑な手段や特殊な装置を用いるものではなく、既に普及している技術をベースにした汎用の成型機を用いて処理するものである。
<廃プラスチック栗石(樹脂構造物)を蛇篭に詰めた構造物>
以下において、上述した特徴を備え、上述した製造方法により製造された廃プラスチック栗石(樹脂構造物)を使用した構造物(廃プラスチック栗石を蛇篭に詰めた構造物)について説明する。
<廃プラスチック栗石(樹脂構造物)を蛇篭に詰めた構造物>
以下において、上述した特徴を備え、上述した製造方法により製造された廃プラスチック栗石(樹脂構造物)を使用した構造物(廃プラスチック栗石を蛇篭に詰めた構造物)について説明する。
なお、樹脂構造物として栗石(廃プラスチック栗石)を製造する場合には、上述した製造方法において、汚染焼却灰を混入された溶融状態の溶融成形用廃プラスチック配合物を栗石用の製品型に流し込み、冷風空気冷却または自然冷却により固化させ、固化させた溶融成形用廃プラスチック配合物を栗石用の製品型から取り出して、廃プラスチック栗石(樹脂構造物)を完成させることになる。
図4の斜視図に示すように、この構造物は、蛇篭100に廃プラスチック栗石200を多数収納したものである。ここで、この廃プラスチック栗石200の大きさは直径10〜20cm程度であって、その外観形状は丸い形状を備える。
このような構造物は、たとえば、河川の治水等を目的として、多数の構造物を河川中や河岸に並べて配置させる。通常であれば、蛇篭に詰石(自然石)を詰めていたが、昨今ではダム等の設置に伴い河川より収得する丸石が少なくなっている現状がある。ここで、丸石ではなく容易に人工的に製造可能な石(角が角張っている石)を用いると、蛇篭に収納された丸石と丸石との接点により発現する流水性による、(1)水の浄化、(2)水の淀みをなくすることによる川魚等の生態系に合う河川の造成、(3)平常時は通水し洪水発生が予見される等の非常時には堤としての機能、を実現することが困難となる。特に、昨今における河川より収得する丸石が少なくなっている現状では、平片岩石が使用されて本来求められる機能(1)〜(3)が果たせなくなっている。
このような構造物は、たとえば、河川の治水等を目的として、多数の構造物を河川中や河岸に並べて配置させる。通常であれば、蛇篭に詰石(自然石)を詰めていたが、昨今ではダム等の設置に伴い河川より収得する丸石が少なくなっている現状がある。ここで、丸石ではなく容易に人工的に製造可能な石(角が角張っている石)を用いると、蛇篭に収納された丸石と丸石との接点により発現する流水性による、(1)水の浄化、(2)水の淀みをなくすることによる川魚等の生態系に合う河川の造成、(3)平常時は通水し洪水発生が予見される等の非常時には堤としての機能、を実現することが困難となる。特に、昨今における河川より収得する丸石が少なくなっている現状では、平片岩石が使用されて本来求められる機能(1)〜(3)が果たせなくなっている。
一方、本考案に係る構造物は、上述した廃プラスチック栗石(樹脂構造物)を蛇篭に収納して使用することにより、本来求められる機能(1)〜(3)を実現できている。さらには、廃プラスチック栗石の方が、自然石(丸石)に比較して摩り減り・摩耗・不吸水性・剥離抵抗が好ましく(詳しくは図5およびその説明を参照)、かつ、平片岩石に比較して(丸石のため)流水性に利点が多い等の有利な点を備える。
さらには、このような機能を備えるために、河川等の堤防としての役目、河川等の水を浄化する役目(丸石のため)、河川に接続される排水路工事の簡略化する役目、河川の工事と人造との景観の向上する役目、生態系に合う河川の実現する役目、砂漠等の防砂を防止する役目(砂漠等における突風は砂塵を伴なうために塀等を必要として風圧などで被害がでるが廃プラスチック栗石では風が通流しつつ砂塵を止めることができる)、耕地が保護できる役目がある。
そして、この構造物は、上述した廃プラスチック栗石(樹脂構造物)を蛇篭に収納したものであって、廃プラスチック栗石は石油由来の廃プラスチック配合物を主たる成分としているので、栗石としての使用を終えた後は再リサイクルとして、この栗石を破砕することにより燃料化することが可能である。
このように蛇篭に廃プラスチック栗石(樹脂構造物)を詰めた本考案に係る構造物は、基本的には屋外に設置されるものであって、この廃プラスチック栗石(樹脂構造物)は、太陽光に対する耐性が強固、かつ、硬度も自然石(丸石)に対して好ましい。このような
特性を含めて、この廃プラスチック栗石(樹脂構造物、以下においてPETストーンと記載する場合がある)の特性について、図5に示す材料試験結果を参照して説明する。
このように蛇篭に廃プラスチック栗石(樹脂構造物)を詰めた本考案に係る構造物は、基本的には屋外に設置されるものであって、この廃プラスチック栗石(樹脂構造物)は、太陽光に対する耐性が強固、かつ、硬度も自然石(丸石)に対して好ましい。このような
特性を含めて、この廃プラスチック栗石(樹脂構造物、以下においてPETストーンと記載する場合がある)の特性について、図5に示す材料試験結果を参照して説明する。
図5に示すように、以下のような特性を備える。
(1)PETストーンの比重は天然骨材(6号骨石)の半分の軽さであり、そのためすりへり試験を行ったところ13.5%と天然骨材より良好な結果となったが、これは破砕したPETストーンが軽量で弾むため打撃力を吸収したものと考えられる。
(2)PETストーンとアスファルトとの馴染性を調べるため剥離抵抗試験を行ったところ、アスファルトの剥離はまったく見られずアスファルトとの相性は良好と考えられる。(3)PETストーンの溶融温度は260℃であるのでアスファルト混合物の混合温度(160℃〜180℃)では溶融することはない。
(4)PETストーンを5号砕石、6号砕石の粒径に分類し偏平率を求めた結果、砕石に比べ偏平な物が多く見られ、13mm〜5mmの範囲では規格値を上回る結果となった。(5)破砕試験を行った結果、13mm〜5mm以下の粒径については砕石に比べ良好な結果となったが、これについては破砕すると偏平な粒が多くなり骨材の噛み合わせが悪く、弾性的作用が働いたものと考えられる。
(1)PETストーンの比重は天然骨材(6号骨石)の半分の軽さであり、そのためすりへり試験を行ったところ13.5%と天然骨材より良好な結果となったが、これは破砕したPETストーンが軽量で弾むため打撃力を吸収したものと考えられる。
(2)PETストーンとアスファルトとの馴染性を調べるため剥離抵抗試験を行ったところ、アスファルトの剥離はまったく見られずアスファルトとの相性は良好と考えられる。(3)PETストーンの溶融温度は260℃であるのでアスファルト混合物の混合温度(160℃〜180℃)では溶融することはない。
(4)PETストーンを5号砕石、6号砕石の粒径に分類し偏平率を求めた結果、砕石に比べ偏平な物が多く見られ、13mm〜5mmの範囲では規格値を上回る結果となった。(5)破砕試験を行った結果、13mm〜5mm以下の粒径については砕石に比べ良好な結果となったが、これについては破砕すると偏平な粒が多くなり骨材の噛み合わせが悪く、弾性的作用が働いたものと考えられる。
以上のようにして、本実施の形態に係る廃プラスチック栗石(樹脂構造物)を蛇篭に詰めた構造物によると、アンチモン化合物を含む合成樹脂を含む溶融成形用廃プラスチック配合物に、セシウムから放出される放射性物質を含む焼却灰を加えて溶融成形した後に冷却固化して、アンチモン化合物がルイス塩基として機能してセシウムに対して反応して錯体を生成することによりセシウムを吸着させて、樹脂構造物からその外部へ漏洩する放射線量を低減させることができる。
そして、このように廃プラスチック栗石を蛇篭の詰石(自然石)の代替として使用して、ダム等の設置に伴い河川より収得する丸石が少なくなっている昨今において河川の治水等に好適に利用することによりセシウムにより汚染された廃棄物を適切に処理することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本考案の範囲は上記した説明ではなくて実用新案登録請求の範囲によって示され、実用新案登録請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本考案の範囲は上記した説明ではなくて実用新案登録請求の範囲によって示され、実用新案登録請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本考案は、複雑な手段や特殊な装置を用いず、既に普及している技術をベースに大量の廃棄物やセシウムにより汚染された廃棄物を汎用の成型機を用いた処理に好適であり、ポリエチレンテレフタレートの製造時に触媒として用いられたアンチモン化合物がルイス塩基として機能してセシウムに対して反応して錯体を生成することにより放射線の漏洩を十分に防止することができる点で特に好適である。そして、このように廃プラスチック栗石を蛇篭の詰石(自然石)の代替として使用して、ダム等の設置に伴い河川より収得する丸石が少なくなっている昨今において河川の治水等に好適に利用することによりセシウムにより汚染された廃棄物を適切に処理することができる点で特に好適である。
Claims (3)
- アンチモン化合物を含む合成樹脂とポリカーボネートとを含む溶融成形用廃プラスチック配合物に、セシウムから放出される放射性物質を含む焼却灰を加えて溶融成形した廃プラスチック栗石を蛇篭に詰めた構造物であって、
前記アンチモン化合物がルイス塩基として機能してセシウムに対して反応して錯体を生成することによりセシウムを吸着しているとともに、前記ポリカーボネートがセシウムを包理することにより、前記廃プラスチック栗石からその外部へ漏洩する放射線量を低減させる、構造物。 - 前記合成樹脂は、アンチモン化合物を触媒として製造されたポリエチレンテレフタレート(PET)である、請求項1に記載の構造物。
- 前記溶融混練用廃プラスチック配合物における、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリカーボネートとの重量比率が、60:40〜80:20である、請求項1または請求項2に記載の構造物。
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