JP3204299U - 電池用架台 - Google Patents
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Abstract
【課題】底枠に対して位置決め部材を好適に固定する電池用架台を提供する。【解決手段】電池用架台は、底枠と、底枠に対して電池モジュール1の水平方向の位置を位置決めする位置決め部材14と、底枠と位置決め部材14とを固定する締結部材とを備える。底枠の少なくとも一部は、長手方向に伸びる長尺状鋼材により構成されている。長尺状鋼材は、上面部と下面部22と側面部24を備えており、長手方向に直交する断面において、上面部と下面部22と側面部24の間には空間が形成されている。締結部材は、長尺状鋼材の上面部に形成された第1貫通孔20a及び位置決め部材14の第1貫通孔20aに対応する位置に形成された第2貫通孔22aを挿通する軸部を有するボルト18と、ボルト18の軸部18aに螺合されるナット19とを備える。長尺状鋼材の下面部22には、少なくとも第1貫通孔20aに対応する位置に開口30が形成されている。【選択図】図3
Description
本明細書に開示の技術は、電池用架台に関する。
NaS電池、Liイオン電池、Ni−H2電池などの集合電池は、多数本の単電池をケースの内部に密に配置して電池モジュールを構成している。特許文献1には、このような集合電池を収納するための電池用架台が開示されている。特許文献1に開示の電池用架台は、底枠を備えており、この底枠により電池モジュールを支持する。また、電池用架台には、輸送時や設置時に電池モジュールの位置ずれを防止するための位置決め部材が設けられることがある。位置決め部材は、電池モジュールが載置される底枠にボルトにより固定されている。
一般的に、電池用架台の底枠には、中空の長尺状鋼材が用いられることが多い。電池用架台を軽量化するためには、電池用架台の底枠に用いられる長尺状鋼材の板厚を薄くすることが考えられる。しかしながら、底枠に用いられる長尺状鋼材の板厚を薄くすると、位置決め部材を固定するためのボルトが螺合する十分な長さの雌ねじ溝を底枠に形成することができない。このため、従来のように、ボルトのみを用いて位置決め部材を底枠に対して強固に固定することができない。また、ボルトとナットを用いて両者を固定することも考えられるが、長尺状鋼材の内部にボルトの頭部又はナットを配置しなければならないため、ボルトを配置する場所が限定されてしまう。本明細書は、底枠に対して位置決め部材を好適に固定することができる電池用架台を開示する。
本明細書に開示する電池用架台には、電池モジュールが載置される。電池用架台は、平面視すると矩形状の底枠と、底枠の上面に配置されると共に電池モジュールの側面に当接し、底枠に対して電池モジュールの水平方向の位置を位置決めする位置決め部材と、底枠と位置決め部材とを固定する締結部材とを備えている。底枠の少なくとも一部は、長手方向に伸びる長尺状鋼材により構成されている。長尺状鋼材は、上面部と下面部と側面部を備えており、長手方向に直交する断面において、上面部と下面部と側面部の間には空間が形成されている。長尺状鋼材の上面部には、1又は複数の第1貫通孔が形成されている。位置決め部材には、第1貫通孔に対応する位置に1又は複数の第2貫通孔が形成されている。締結部材は、第1貫通孔及び第2貫通孔を挿通する軸部を有するボルトと、ボルトの軸部に螺合されるナットとを備えている。ボルトとナットによって位置決め部材を長尺状鋼材に固定すると、ボルトの頭部又はナットが上面部と下面部と側面部の間の空間に位置している。長尺状鋼材の下面部には、少なくとも第1貫通孔に対応する位置に開口が形成されている。
上記の電池用架台では、長尺状鋼材の下面部には、第1貫通孔に対応する位置に、開口が形成されている。このため、長尺状鋼材と位置決め部材とを固定するためにボルトの軸部を第1貫通孔及び第2貫通孔に挿通したときに、開口を介することで、ボルトの軸部に対してナットを螺合させることができる。したがって、長尺状鋼材の板厚を薄くした場合でも、ボルトとナットを用いて、底枠に対して位置決め部材を好適に固定することができる。
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載された組合せに限定されるものではない。
(特徴1) 本明細書に開示する電池用架台では、上面部には、複数の第1貫通孔が形成されていてもよい。開口は、長尺状鋼材の長手方向に伸びており、少なくとも2以上の第1貫通孔に対応していてもよい。このような構成によると、開口を長手方向に伸びる形状とすることで、その開口が形成された範囲内で位置的制限を受けることなく底枠に対して第1貫通孔を形成することができる。すなわち、締結部材を底枠に対して、開口が形成された範囲内において任意の位置に配置することができる。
(特徴2) 本明細書に開示する電池用架台では、長尺状鋼材は、リップ溝型鋼であってもよい。このような構成によると、底枠に対する位置決め部材の固定を容易としつつ、製造コストを低減することができる。
(特徴3) 本明細書に開示する電池用架台では、第1貫通孔は、平面視において、長尺状鋼材の長手方向に伸びる上面部の中心線を含まない範囲に位置していてもよい。このような構成によると、上面部と下面部と側面部の間の空間を有効に利用することができる。
(特徴4) 本明細書に開示する電池用架台では、底枠は、平面視において、第1方向に伸びる2つの第1フレームと、第1方向に直交する第2方向に伸びる2つの第2フレームとを備えており、2つの第1フレームは、第2フレームで連結されると共に第2方向に伸びる1又は複数の支持フレームにより連結されている一方、2つの第2フレームは、第1フレームでのみ連結されていてもよい。また、少なくとも第1フレーム及び第2フレームには、長尺状鋼材が用いられていてもよい。このような構成によると、電池用架台の強度を維持したまま、製造コストを低減することができる。
以下、図面を参照して、実施例1の電池用架台10について説明する。電池用架台10は、電池モジュール1を支持する。電池モジュール1は、例えば、NaS電池、Liイオン電池、Ni−H2電池等の集合電池である。電池モジュール1は、直方体形状のケースの内部に数百本の電池を収納している。図1及び図2に示すように、電池用架台10は、底枠12と、位置決め部材14と、締結部材16と、補強フレーム17を備えている。
底枠12には、電池モジュール1が載置される。図2に示すように、底枠12は、平面視すると、第1方向(図面X方向(以下、単にX方向という。))に伸びる2つの第1フレーム12aと、第2方向(図面Y方向(以下、単にY方向という。))に伸びる2つの第2フレーム12bとにより規定される矩形状である。2つの第1フレーム12aの一端は、一方の第2フレーム12bにより連結されており、2つの第1フレーム12aの他端は、他方の第2フレーム12bにより連結されている。同様に、2つの第2フレーム12bの一端は、一方の第1フレーム12aにより連結されており、2つの第2フレーム12bの他端は、他方の第1フレーム12aにより連結されている。
本実施例では、底枠12の2つの第1フレーム12a及び2つの第2フレーム12bは、例えば、角型鋼等の長尺状鋼材により構成されている。第1フレーム12aは、上面部20と、下面部22と、上面部20と下面部22を接続する2つの側面部24とを備えている。具体的には、第1フレーム12aは、その長手方向(すなわち、X方向)に直交する断面において、上面部20、下面部22及び側面部24により空間26が形成されている。第1フレーム12aの上面部20には、その上面から下面まで貫通する複数の第1貫通孔20aが形成されている。本実施例では、1つの第1フレーム12aに、その長手方向に沿って等間隔で、4個の第1貫通孔20aが形成されている。図示はしていないが、第2フレーム12bは、第1フレーム12aと同様に、上面部、下面部及び側面部を備えており、第2フレーム12bの上面部には、その上面から下面まで貫通する複数の貫通孔が形成されている。
補強フレーム17は、本実施例では、X方向に伸びる1つの第1補強フレーム17aと、Y方向に伸びる2つの第2補強フレーム17bにより構成されている。第1補強フレーム17aの一端は一方の第2フレーム12bに連結され、第1補強フレーム17aの他端は他方の第2フレーム12bに連結されている。また、第2補強フレーム17bの一端は一方の第1フレーム12aに連結され、第2補強フレーム17bの他端は他方の第1フレーム12aに連結されている。第1補強フレーム17aは、2つの第2補強フレーム17bのそれぞれの中央で、2つの第2補強フレーム17bと交差(連結)している。なお、補強フレーム17の本数や配置は、電池用架台10に載置する電池モジュール1の重量によって、適宜変更することができる。
図3に示すように、第1フレーム12aの下面部22には、第1貫通孔20aと対応する位置に複数の開口30が形成されている。開口30の径は、第1貫通孔20aの径より大きい。
位置決め部材14は、底枠12に対して電池モジュール1の水平方向(XY平面)の位置を決める。位置決め部材14は、底枠12に載置される電池モジュール1を一巡するように、底枠12の上面に配置されている。位置決め部材14は、第1部分14aと第2部分14bを有している。すなわち、位置決め部材14には、アングル材が用いられている。第1部分14aは、底枠12の上面に当接し、後述する締結部材16により、底枠12に固定されている。第2部分14bは、第1部分14aの内周縁から折れ曲がって図面Z方向に伸びている。第2部分14bは、電池モジュール1の側面に当接している。位置決め部材14には、第1フレーム12aの第1貫通孔20a及び第2フレーム12bの貫通孔に対応する位置に複数の第2貫通孔22aが形成されている。
締結部材16は、底枠12と位置決め部材14とを固定する。締結部材16は、複数のボルト18と、複数のナット19を備えている。ボルト18は、軸部18aと頭部18bとを有している。第1フレーム12aと位置決め部材14とを固定する際は、複数のボルト18の軸部18aは、複数の第1貫通孔20a及び複数の第2貫通孔22aそれぞれに挿通されている。ナット19は、ボルト18の軸部18aに螺合されている。ナット19は、第1フレーム12aによって形成される空間26に位置しており、第1フレーム12aの上面部20の下面に当接している。これにより、底枠12と位置決め部材14とが固定(締結)されている。なお、本実施例では、ボルト18を位置決め部材14の上面側から挿通しているが、ボルト18を第1フレーム12a側(上面部20の下面側)から挿通してもよい。この場合、ボルト18の頭部18bが第1フレーム12aの上面部20の下面に当接し、軸部18aに螺合されるナット19が位置決め部材14の上面に当接することで、底枠12と位置決め部材14とを固定する。第2フレーム12bと位置決め部材14との固定においては、ナット19は用いられていない。すなわち、複数のボルト18の軸部18aは、第2フレーム12bの複数の貫通孔及び複数の第2貫通孔22aのそれぞれに形成されたネジ溝に螺合している。第2フレーム12bと位置決め部材14との間には、ボルト18の軸部18aの嵌め合い長さを確保するための板材が配置されている。この板材にも、第2貫通孔22aに対応する位置に貫通孔が形成され、この貫通孔の内面に形成されたネジ溝にボルト18の軸部18aが螺合している。
実施例1の電池用架台10では、第1フレーム12aの下面部22には、第1貫通孔20aに対応する位置に、開口30が形成されている。このため、第1フレーム12aと位置決め部材14とを固定するためにボルト18を第1貫通孔20a及び第2貫通孔22aに挿通したときに、開口30を介することで、ボルト18の軸部18aに対してナット19を螺合させることができる。したがって、第1フレーム12aに板厚の薄い鋼材を用いた場合でも、ボルト18とナット19を用いて、第1フレーム12aに対して位置決め部材14を好適に固定することができる。
なお、上記の実施例では、第1フレーム12aの下面部22に複数の開口30が形成されていたが、これに限られない。開口30は、図4に示すように、第1フレーム12aの長手方向(図面X方向)に連続して伸びていてもよい。開口30のY方向の幅は、第1貫通孔20aの径よりも大きい。このような開口30を形成すると、第1フレーム12aに対して、第1貫通孔20aを開口30が形成された範囲内で任意の位置に形成することができる。
また、図5及び図6に示すように、第1フレーム12aの第1貫通孔20aは、長尺状鋼材の長手方向に伸びる上面部20の中心線(図6では、中心線の位置を点線Aで示している)を含まない範囲に形成されていてもよい。このような位置に第1貫通孔20aを形成すると、空間26を有効に利用することができる。例えば、輸送や設置のため、電池用架台10を持ち上げる際に、上面部20の下面側に位置するナット19に妨げられることなく、電池用架台10をジャッキ等の治具やスリングベルトを用いて持ち上げることができる。
また、第2フレーム12bの下面部に対しても、第1フレーム12aの下面部22と同様に、開口を形成してもよい。
次に、図面を参照して、実施例2の電池用架台について説明する。以下では、実施例1と相違する点についてのみ説明し、実施例1と同一の構成についてはその詳細な説明を省略する。
図6に示すように、実施例2の電池用架台は、実施例1の電池用架台10の補強フレーム17に代えて、Y方向に伸びる2つの支持フレーム27を備えている。また、本実施例では、第1フレーム12a及び第2フレーム12bには、リップ溝型鋼が用いられる。リップ溝型鋼は、図に示すように、上面部20と下面部22と側面部24を備えており、下面部22の短手方向の中央部分が除去された構成である。すなわち、長手方向の全域に亘って、下面部22が2つに分離されている。
支持フレーム27の一端は一方の第1フレーム12aに連結され、支持フレーム27の他端は他方の第1フレーム12aに連結されている。すなわち、2つの第1フレーム12aは、第2フレーム12bにより連結されると共に、支持フレーム27により連結されている。一方、2つの第2フレーム12bは、第1フレーム12aのみによって連結されている。
実施例2の電池用架台では、底枠12にリップ溝型鋼を用いている。リップ溝型鋼は、下面部22が2つに分離されており、その下方が開放されている。このため、ボルト18の頭部18bまたはナット19を上面部20の下面側に容易に配置することができる。したがって、底枠12と位置決め部材14との固定をボルト18とナット19とを用いて好適に行うことができる。また、リップ溝型鋼は、十分な強度を有している。このため、電池モジュール1を支持するために、2つの第2フレーム12bを連結するX方向に伸びるフレームを追加することなく、電池モジュール1を支持するための強度を確保することができる。したがって、従来の電池用架台と比較して、材料費や加工費等の製造コストを低減することができる。
なお、本実施例では、第1フレーム12aと第2フレーム12bにリップ溝型鋼が用いられていたが、これに限られず、支持フレーム27にもリップ溝型鋼を用いてもよい。
以上、本考案のいくつかの実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、実用新案登録請求の範囲を限定するものではない。実用新案登録請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1:電池モジュール
10:電池用架台
12:底枠
12a:第1フレーム
12b:第2フレーム
14:位置決め部材
16:締結部材
17:補強フレーム
18:ボルト
18a:軸部
18b:頭部
19:ナット
20:上面部
20a:第1貫通孔
22:下面部
22a:第2貫通孔
24:側面部
27:支持フレーム
30:開口
10:電池用架台
12:底枠
12a:第1フレーム
12b:第2フレーム
14:位置決め部材
16:締結部材
17:補強フレーム
18:ボルト
18a:軸部
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20a:第1貫通孔
22:下面部
22a:第2貫通孔
24:側面部
27:支持フレーム
30:開口
Claims (5)
- 電池モジュールが載置される電池用架台であって、
平面視すると矩形状の底枠と、
前記底枠の上面に配置されると共に前記電池モジュールの側面に当接し、前記底枠に対して前記電池モジュールの水平方向の位置を位置決めする位置決め部材と、
前記底枠と前記位置決め部材とを固定する締結部材と、を備えており、
前記底枠の少なくとも一部は、長手方向に伸びる長尺状鋼材により構成されており、
前記長尺状鋼材は、上面部と下面部と側面部を備えており、前記長手方向に直交する断面において、前記上面部と前記下面部と前記側面部の間には空間が形成されており、
前記長尺状鋼材の前記上面部には、1又は複数の第1貫通孔が形成されており、
前記位置決め部材には、前記第1貫通孔に対応する位置に1又は複数の第2貫通孔が形成されており、
前記締結部材は、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔を挿通する軸部を有するボルトと、前記ボルトの軸部に螺合されるナットと、を備えており、
前記ボルトと前記ナットによって前記位置決め部材を前記長尺状鋼材に固定すると、前記ボルトの頭部又は前記ナットが前記上面部と前記下面部と前記側面部の間の空間に位置しており、
前記長尺状鋼材の前記下面部には、少なくとも前記第1貫通孔に対応する位置に開口が形成されている、電池用架台。 - 前記上面部には、複数の第1貫通孔が形成されており、
前記開口は、前記長尺状鋼材の前記長手方向に伸びており、少なくとも2以上の前記第1貫通孔に対応している、請求項1に記載の電池用架台。 - 前記長尺状鋼材は、リップ溝型鋼である、請求項1に記載の電池用架台。
- 前記第1貫通孔は、平面視において、前記長尺状鋼材の長手方向に伸びる前記上面部の中心線を含まない範囲に位置している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電池用架台。
- 前記底枠は、平面視において、第1方向に伸びる2つの第1フレームと、前記第1方向に直交する第2方向に伸びる2つの第2フレームと、を備えており、
前記2つの第1フレームは、前記第2フレームで連結されると共に前記第2方向に伸びる1又は複数の支持フレームにより連結されている一方、前記2つの第2フレームは、前記第1フレームでのみ連結されており、
少なくとも前記第1フレーム及び前記第2フレームには、前記長尺状鋼材が用いられている、請求項3または4に記載の電池用架台。
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