JP3203872B2 - 回転電機付ターボチャージャ制御装置 - Google Patents

回転電機付ターボチャージャ制御装置

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JP3203872B2 JP09667993A JP9667993A JP3203872B2 JP 3203872 B2 JP3203872 B2 JP 3203872B2 JP 09667993 A JP09667993 A JP 09667993A JP 9667993 A JP9667993 A JP 9667993A JP 3203872 B2 JP3203872 B2 JP 3203872B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転電機付ターボチャ
ージャを具えたエンジンを搭載した車両において、アク
セル踏み込み時にスモーク発生を防止する制御を行う回
転電機付ターボチャージャ制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ターボチャージャは、エンジンの排気エ
ネルギーを利用してタービンを駆動し、該駆動力により
コンプレッサを作動させてエンジンに過給気を圧送する
ものであるが(ターボ動作)、そのターボチャージャの
回転軸に回転電機を取り付け、それをエンジンの回転状
態に応じてモータ運転または発電機運転させるものが提
案されている(例えば、特開平1−117931号公報)。
【0003】他方、そのようなターボチャージャ付きの
ディーゼルエンジンを搭載した車両でも、通常のディー
ゼルエンジンを搭載した車両でも、アクセルペダルを踏
み込むと、それに比例して燃料流量が増大され、エンジ
ンの排気に応じて前記したようなターボ動作が行われ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
(問題点)しかしながら、前記のような通常のターボ動
作だけでは、シフトアップ(変速機のギア変更)等のた
めに、アクセルペダルを急に踏む操作を行った場合、ス
モークが多く発生するという問題点があった。
【0005】(問題点の説明)車両の運転時には、シフ
トアップ等のために、アクセルペダルを戻しては再度急
に踏み込むという操作をしばしば行う。しかし、アクセ
ルペダルを急に踏み込んでも、ブースト圧は急には上昇
してくれない。即ち、アクセルペダルの踏み込み操作に
対するブースト圧(吸気圧)の応答性は、あまりよくな
い。
【0006】図4は、アクセル操作に対する各種動作の
応答性を示す図であり、横軸は時間である。t0 は、踏
み込んでいたアクセルペダルを戻した時点であり、t1
は再度踏み込んだ時点である。アクセル開度は、図4
(イ)に示すようにt0 で0%に戻り、t1 で100%
となる。燃料流量は、図4(ロ)に示すようにアクセル
開度に忠実に応答する。
【0007】しかし、ブースト圧は、図4(ハ)に示す
ように、通常のターボ動作では徐々にしか上昇せず、t
1 より相当遅れた時点t2 になって漸く所期の圧力にな
る。そのため、ブースト圧が上昇途中の期間であるt1
からt2 までの期間にあっては、燃焼のための空気が不
足し、図4(ニ)に示すように、スモークが発生するこ
とになる。本発明は、以上のような問題点を解決するこ
とを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明では、ターボチャージャの回転軸にモータ運
転および発電機運転が可能な回転電機が取り付けられた
回転電機付ターボチャージャを搭載した車両における回
転電機付ターボチャージャ制御装置において、アクセル
開度を検出するアクセルセンサと、エンジン回転数セン
サと、大気圧センサと、アクセル開度がスモーク発生を
もたらすほどにブースト圧上昇が遅れる所定開度以上で
あり、且つエンジン回転数がスモーク発生をもたらすほ
どにブースト圧不足となる所定回転数以下である時、大
気圧に対応して予め定めた駆動電流で前記回転電機をモ
ータ運転する駆動手段を設けることとする。
【0009】
【作 用】アクセルペダル踏み込み操作を行った時、
通常のターボ動作ではブースト圧が燃焼に不充分と認め
られるかどうか調べ、認められた場合にのみ、ターボチ
ャージャに付設されている回転電機をモータ運転する。
これにより、回転電機を必要以上に運転してバッテリを
無駄に消耗することなく、スモークの発生を抑制するこ
とが出来る。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は、車両に搭載された本発明の回転電
機付ターボチャージャ制御装置を示す図である。図1に
おいて、1はエンジン、2はピストン、3はコンロッ
ド、4はシリンダ、5は弁、6はグロープラグ、7は吸
気経路、8は排気経路、9は吸気パイプ、10はターボ
チャージャ、11はコンプレッサ、12は回転電機、1
2−1は固定子、12−2は回転子、13は軸受、14
は回転軸、15はタービン、16は排気パイプ、17は
バッテリ、18は直交変換器、19はコントローラ、2
0は大気圧センサ、21はアクセルセンサ、22はエン
ジン回転センサである。
【0011】最初に、ターボチャージャに付設された回
転電機12の従来の動作について、説明しておく。エン
ジン1からの排気によってタービン15が回転される
と、その回転力はコンプレッサ11に伝えられ、吸気パ
イプ9からの吸気を促進する。その回転力だけでは足ら
ないと判断された時には、コントローラ19の指示によ
り、回転電機12の固定子12−1に給電され、回転電
機12がモータ運転される。給電は、バッテリ17より
直交変換器18を介して行われる。コンプレッサ11に
よる吸気の促進をそれほど必要としない場合には、回転
電機12を発電機運転して、バッテリ17に電力を回収
する。
【0012】本発明では、前記の従来の動作をさせるほ
か、アクセルペダル踏み込み時に回転電機12をモータ
運転することにより、吸気量を通常のターボ動作を行っ
ている場合よりも多くする。そうすると、シリンダ4内
での燃焼に充分な空気が供給されることになり、スモー
クの発生が減少する。ただし、アクセルペダルを踏み込
む度に、常にモータ運転したのでは、バッテリ17が消
耗してしまう恐れがあるので、次に述べるような2つの
条件を設定し、それが満たされた時にのみモータ運転す
る。
【0013】第1の条件は、アクセル開度が所定値より
大であるという条件である。アクセルペダルを少し踏み
込んだだけという場合は、ブースト圧の上昇遅れも短
く、燃焼すべき燃料の量も少ない。従って、スモークが
発生するとしても、その量は少ないから、わざわざバッ
テリ17を消耗させてまで回転電機12をモータ運転す
ることはしない。
【0014】第2の条件は、エンジン回転数が所定値よ
り小であるという条件である。ターボ付エンジンでは、
一般に高回転数領域においてエンジンの動作に適合する
よう設計されている。従って、高回転数領域では、通常
のターボ動作で充分なブースト圧となるよう運転され
る。従って、この時には回転電機12をモータ運転させ
る必要は、スモーク抑制の観点からはない。しかし、低
回転数領域においてはブースト圧が不足気味であり、ス
モークを発生し易い。そこで、アクセルペダル踏み込み
時に、エンジン回転数が、スモークを抑制する観点から
考えてブースト圧不足が目立ち始めるところの所定の低
回転数より小である場合にのみ、回転電機12をモータ
運転するという条件を付ける。
【0015】また、車両が高地を走行する場合には、気
圧が平地より低く空気が薄いから、スモークが発生し易
い。そこで、気圧も考慮して、回転電機12の運転の程
度を決めてやる必要がある。運転の程度は、モータ運転
のために流す駆動電流の大きさを決めることによって決
めることが出来る。
【0016】図2は、大気圧に対応して定めた回転電機
駆動電流の大きさを示す図である。大気圧が低いところ
(高地)では大きな駆動電流を流し、大気圧が高くなる
につれ(平地に近づくにつれ)駆動電流を小さくすると
いうように、両者の関係を予め定めておく。そして、ア
クセルペダル踏み込み操作を行って回転電機12をモー
タ運転する際に、例えば大気圧センサ20によって大気
圧がPと検出されたとするなら、図2で定める関係に従
い、Iの駆動電流を流す。
【0017】図3は、アクセルペダル踏み込み操作に関
連して行う、本発明の回転電機付ターボチャージャ制御
装置の動作を説明するフローチャートである。制御は、
図1のコントローラ19によって行われる。 ステップ1…アクセルペダル踏み込み操作をした時、そ
れが、回転電機12をモータ運転させるべき第1の条件
を満たしているかどうかチェックする。即ち、アクセル
開度が、所定値Aより大であるかどうかチェックする。
【0018】ステップ2…次に、前記した第2の条件を
満たしているかどうかチェックする。即ち、エンジン回
転数が所定値Fより低いかどうかチェックする。 ステップ3…アクセル開度が所定値Aより大であり、且
つエンジン回転数が所定値Fより小である場合には、回
転電機12をモータ運転するが、流す駆動電流の大きさ
は、大気圧を考慮して決定する(図2参照)。
【0019】ステップ4…コントローラ19から直交変
換器18へ指令を送り、回転電機12をモータ運転す
る。すると、ブースト圧は、図4(ハ)の点線Bに示す
ように、アクセル開度の変化に対して応答遅れすること
なく、上昇する。そのため、燃焼のための空気量は豊富
になり、スモークの発生は抑制される。
【0020】ステップ5,6…モータ運転している時間
が、所定時間Tより小であるかどうかチェックする。回
転電機12をモータ運転させることが必要なのは、図4
(ハ)で説明したように、ブースト圧が上昇して来るt
2 までである。それ以上運転する必要はないし、運転を
続ければ続けるほどバッテリ17を消耗してしまう。そ
こで、ブースト圧の応答遅れ時間(t1 〜t2 までの時
間)程度の時間Tを定めておき、それを超えたらモータ
運転を停止する。
【0021】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の回転電機付タ
ーボチャージャ制御装置によれば、アクセルペダル踏み
込み操作時に、通常のターボ動作ではブースト圧が燃焼
に不充分と認められる場合にのみ、回転電機をモータ運
転するので、バッテリを無駄に消耗することなくスモー
クの発生を抑制することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の回転電機付ターボチャージャ制御装
置を示す図
【図2】 大気圧に対応して定めた回転電機駆動電流の
大きさを示す図
【図3】 本発明の回転電機付ターボチャージャ制御装
置の動作を説明するフローチャート
【図4】 アクセル操作に対する各種動作の応答性を示
す図
【符号の説明】
1…エンジン、2…ピストン、3…コンロッド、4…シ
リンダ、5…弁、6…グロープラグ、7…吸気経路、8
…排気経路、9…吸気パイプ、10…ターボチャージ
ャ、11…コンプレッサ、12…回転電機、12−1…
固定子、12−2…回転子、13…軸受、14…回転
軸、15…タービン、16…排気パイプ、17…バッテ
リ、18…直交変換器、19…コントローラ、20…大
気圧センサ、21…アクセルセンサ、22…エンジン回
転センサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターボチャージャの回転軸にモータ運転
    および発電機運転が可能な回転電機が取り付けられた回
    転電機付ターボチャージャを搭載した車両における回転
    電機付ターボチャージャ制御装置において、アクセル開
    度を検出するアクセルセンサと、エンジン回転数センサ
    と、大気圧センサと、アクセル開度がスモーク発生をも
    たらすほどにブースト圧上昇が遅れる所定開度以上であ
    り、且つエンジン回転数がスモーク発生をもたらすほど
    にブースト圧不足となる所定回転数以下である時、大気
    圧に対応して予め定めた駆動電流で前記回転電機をモー
    タ運転する駆動手段を設けたことを特徴とする回転電機
    付ターボチャージャ制御装置。
JP09667993A 1993-03-31 1993-03-31 回転電機付ターボチャージャ制御装置 Expired - Fee Related JP3203872B2 (ja)

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