JP3203785B2 - 液相炭化水素中の溶存ガス吸着剤 - Google Patents
液相炭化水素中の溶存ガス吸着剤Info
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Description
硫化カルボニル(以下、溶存COSと略す。)及び/又
は溶存砒化水素(以下、溶存AsH3 と略す。)を除去
する吸着剤に関する。従来、液相炭化水素中の微量に存
在する溶存COS及び溶存AsH3 の除去については、
蒸留等による分離が困難なために各種の吸着剤による吸
着除去が実施されている。しかし、液化プロピレンの場
合などはその許容濃度を0.1ppm 以下とする必要があ
り、必ずしも従来の吸着剤は効率的でないといった欠点
を有する。本発明は、液相炭化水素中の溶存COS、溶
存AsH3 を除去する吸着剤を提供するものであり、溶
存COS、及び溶存AsH3 の除去効率が高く、且つそ
の吸着量も多く、液相中でも十分な圧壊強度をもち、経
済的にも有利であるなどの特徴をもつ、産業上極めて有
効な吸着剤である。
ついては、次の吸着剤が知られている。 特公昭63−22183 銅族及びクロム族化合物
−活性炭 特公平03−64167 銅及びマンガン酸化物 特開平01−139536 金属ニッケル及び酸化ニ
ッケル 特開平03−16642 亜鉛及び銅酸化物 又溶存COSの除去については次の吸着剤が開示されて
いる。 特公昭50−17202 変性ゼオライトA 特公昭56−35645 アルミナ−シリカ 特公昭61−21698 焼成したボーキサイト残
渣(赤泥) 特公平01−47448 銅及び亜鉛酸化物−活性
炭 特開昭62−29535 亜鉛及びカルシウム酸化
物−アルミナ又はシリカ−アルミナ 特開昭61−76425 金属ニッケル及び酸化ニ
ッケル−シリカ又はアルミナ 特開昭63−60945 酸化亜鉛 特開平03−213115 銅酸化物−アルミナ このように従来種々の吸着剤が開示されているが、微量
の溶存COS及び溶存AsH3 の吸着速度及び吸着量は
必ずしも満足できるものではなく、液相の吸着剤として
は不十分であり、溶存COS及び溶存AsH3 の吸着量
が多く且つ液相での使用に耐える高性能の改良型吸着剤
の開発が所望されている。
問題がなく、液相炭化水素中の微量溶存COS及び溶存
AsH3 を液相下に効率的に吸着除去する高性能且つ経
済的な吸着剤を提供することを目的とする。
水素中の溶存硫化カルボニル及び/又は溶存砒化水素を
除去するに際して、吸着剤としてラネー銅を用いること
を特徴とする液相炭化水素中の溶存ガス吸着剤」によっ
て達成される。
フィン製造用の配位アニオン重合触媒は遷移金属化合
物、例えば、四塩化チタン、三塩化チタン、オキシ塩化
バナジウムなどと有機金属化合物例えば、トリエチルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルア
ルミニウムなどのアルキルアルミニウム化合物からなる
二元系触媒であったが、最近は、種々の第三成分を添加
した複雑な触媒系や前述の遷移金属化合物を担持した担
持型触媒も開発されている。とくにポリプロピレン用の
触媒は、四塩化チタンをアルミニウムで還元して得られ
る三塩化チタンとジエチルアルミニウムクロライドの組
合せが主に使用されてきたが、その後、立体規則性改良
剤を添加した第三成分触媒や四塩化チタンを錯化剤とと
もにアルキルアルミニウムで還元して得られる三塩化チ
タンのような高立体規則性触媒や塩化マグネシウムに担
持した三塩化チタンとトリエチルアルミニウムおよび電
子供与体の組合せによる高活性触媒系が使用されるよう
になってきている。
性能化されるにつれて、原料オレフィン中に含有される
重合触媒の被毒物質、例えば溶存COS、溶存AsH3
についてもその許容量は極めて厳しく管理されるように
なってきた。特に、流動床式接触分解装置(FCC)で
ガソリンを製造するさいに副生するLPG留分(C3 及
びC4 留分)も石油化学原料として使用されているが、
この留分よりえられるプロピレンについては、溶存CO
S又は溶存AsH3 が1〜数百ppm のオーダーで存在す
るものがあり、重合用のオレフィンとするためには、溶
存COS又は溶存AsH3 の濃度を100ppb 以下、望
ましくは50ppb 以下とすることが望ましいとされてい
る。本発明は特に、炭素数3〜6の液相炭化水素中の微
量溶存COS及び溶存AsH3 を吸着除去するのに用い
ることができる。炭化水素としては特に限定されない
が、パラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水素、脂
環式炭化水素等いずれであってもよい。また、単独化合
物であってもよいし、各種炭化水素の混合物であっても
よい。特に、プロピレン、ブテン、ブタジエン、C3 留
分、C4 留分、ヘキセンなどのオレフィン系炭化水素中
の微量溶存COS及び溶存AsH3 の吸着除去に好適に
用いることができる。原料炭化水素中の溶存COS及び
溶存AsH3 濃度は50ppm 以下であることが好まし
く、さらには10ppm 以下であることが望ましい。も
し、原料中に50ppm 以上の溶存COS及び溶存AsH
3 が含有される場合には、あらかじめ別の方法でその濃
度を50ppm 以下に下げておくことが望ましい。
後、R−Cuと略す。)は公知文献に基づき、次のよう
に定義される。即ち、アルミニウム(Al)、シリコン
(Si)、亜鉛(Zn)のようなアルカリ又は酸に可溶
な金属とアルカリ又は酸に不溶な金属との合金を製造し
た後、この合金を展開して得られる金属吸着剤と定義さ
れるもので、R−Cuのうち、アルカリ又は酸に可溶な
金属としては通常Alが用いられる。R−Cuの調製法
としては、例えばアルカリ又は酸に可溶な金属がAlの
場合、45〜60重量%の AlにCu又はCu及び他の
金属を溶融して、主としてAlとCuの合金(ラネー銅
合金)を製造し、次いで合金を適当な粒度に破砕した
後、アルカリ又は酸を用いて展開する方法、又は、溶融
ラネー銅合金を水アトマイズ、回転水アトマイズ又はガ
スアトマイズ法等を用いて急冷凝固して合金粒子を製造
した後展開する方法などが使用されている。この際、使
用される展開方法としては、アルカリ、酸又は水蒸気に
より展開する方法が使用される。アルカリとしては水酸
化ナトリウムが効率的且つ経済的であるために多用され
ている。
粒径としては10〜200μm、金属Cu中のAl濃度
が0.5〜5重量%程度のものが使用されるが、本発明
で用いる吸着剤としては、このような微粒子且つ低Al
濃度のR−Cuを用いることもできるが、粒径として
0.5mm以上で且つ、Al濃度が20〜40重量%と
高いものが好適である。その理由は、本発明の吸着剤の
使用形態としては、吸着剤を懸濁床で使用するよりも固
定床が好ましいと考えているためである。このような粒
径及び組成を持った実用R−Cuは例を示すと次のよう
な工程を経て製造される。
を製造し、この溶融合金を不活性ガス雰囲気下、固定円
板法又は水中滴下法により急冷凝固して塊状ラネーCu
合金を製造する。製造条件を選択することで、収率よく
0.5〜6mmの塊状ラネーCu合金が得られる。
槽内に所定の塊状ラネーCu合金を投入して、展開温度
30〜60℃の範囲内で展開を行う。展開は水素の発生
を伴い、且つ発熱反応であるため温度をコントロールす
ることが重要である。
は洗液のpHが10〜11程度迄行う。〜の工程を経
て、水に浸漬された状態のR−Cuが得られる。R−C
uは酸素又は酸素含有ガスに接触すると表面が酸化され
やすいため各工程は不活性ガス雰囲気下で行い、可及的
に空気との接触を断って実施するのが好ましい。
開工程での展開条件をマイルドにして、金属Cu中のA
l濃度を20〜40重量%の範囲としたものを好適に使
用することができる。R−Cu用のラネーCu合金とし
ては、Cu/Al重量比53/47〜40/60の範
囲、特に好ましくはCu/Al重量比50/50のもの
を好適に使用することができる。R−Cu用のラネーC
u合金としては、粉末X線回折で固定される結晶相Cu
/Al2 (Al/Cu原子比が2である。)を形成する
ものを使用するのが好ましく、この結晶相をアルカリ水
溶液で展開してAlを溶出させることにより多孔質で活
性なCuが生成するとされている。即ち、結晶相Cu/
Al2 を成形させるためには原子比でAl過剰側、即ち
Al/Cu原子比が2以上で合金を製造することが好ま
しく、前記Cu/Al重量比が有利となる。R−Cuの
機械的強度はAl濃度依存性が高く、低Al濃度になる
程強度は低下していく。Al濃度を20%以下とした場
合、液相固定床式での使用が困難となり、Al濃度を4
0%以上とした場合、強度は十分であるが、有効な金属
Cuが減少するため性能的に実用性を失ってしまう。
は温度、時間、アルカリ濃度、合金に対するアルカリモ
ル比等で支配されるが、他のNi−Al、Co−Alな
どのラネー合金に比し、ラネーCu合金は速度がかなり
早いため、金属Cu中のAl濃度をコントロールするに
は展開条件を厳しく管理する必要がある。
l重量比50/50の合金インゴットを製造した後、こ
れを機械的に破砕した後、篩別して0.3〜6mmの塊
状品を回収する方法もあるが、破砕の歩留まりが低く、
生成する微粒子を廃棄する必要があるなど塊状ラネーC
u合金の製法としては経済的にも極めて不利である。塊
状ラネーCu合金の製法としては、回転円板法又は水中
滴下法が有利である。通常、液相下で吸着剤を用いる場
合、炭化水素中の溶存COS及び溶存AsH3 の吸着に
当たっては吸着剤表面の拡散が無視できないため吸着剤
の粒径はできるだけ小さくすることが望ましい。但し、
吸着剤の圧壊強度と粒径は反比例するため、液相下で十
分な強度を維持して吸着剤を使用するには、粒径として
0.5〜4mm程度の範囲が好適である。
の微量溶存COS及び溶存AsH3を除去する作用はR
−Cu合金のアルカリ水溶液の展開によって得られる金
属Cuが多孔質となり、金属としての有効表面積が増大
するため、発現されると考えられる。
0℃の範囲であり、好ましくは5〜50℃である。即
ち、炭化水素が液相を維持できる範囲で任意に選択する
ことができる。但し、処理温度が低過ぎると除去効率が
悪くなり、高過ぎると高圧となり、設備上及び操作上不
利である。接触時間は原料炭化水素中の溶存COS及び
溶存AsH3 の濃度、処理温度等にもよるが、液基準の
空間速度、即ちLHSVで0.2〜30hr-1の範囲が好
ましい。処理時の圧力は常圧〜60気圧の範囲が好まし
い。炭化水素と吸着剤の接触方法は任意の方法をとるこ
とができ、回分方式、例えば、炭化水素中に吸着剤を添
加し撹拌した後、濾別することもできる。又、流通方
式、即ち、吸着剤を充填した塔状体、又は槽状体に炭化
水素を通すことによっても処理できる。工業的には吸着
剤を固定床としてその充填層に炭化水素を上昇流又は下
降流で流す方式が有利である。又、吸着塔は二塔式とし
て、切り換え式により連続方式とすることが好ましい。
する。
uはCu/Al重量比50/50の合金(粒径1〜7m
m)を不活性ガス雰囲気下に回転円板法により製造した
後、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、温度30
〜50℃で展開したものである。展開後の組成はCu6
3−Al37%である。R−Cuの形状は球状又は偏平
状のものが入り混っている。さらに、空気との接触を避
けるため水に浸漬した状態で保管してある。又、R−C
uの使用に際しては、水切りを行ってから、アセトンで
十分に洗浄を行った後、アセトンを真空化で除去した。
このR−Cuを用いて、次の回分方式によりC4 留分中
の溶存COS、溶存AsH3 の除去テストを行った。 吸着条件 温度:常温 圧力:自圧 C4 留分組成(重量%):1,3−ブタジエン 42.
5 イソブテン 26.8 ブテン 28.2 を主成分とする。 溶存COS濃度:100重量ppm 溶存AsH3 濃度:100重量ppm C4 留分液量:120g 吸着剤使用量:0.25g 吸着剤粒径:1〜2mmφ(前記粒径のものを篩別し
た。) 吸着時間:50時間 テストは300mlの耐圧容器に吸着剤及びC4 留分を
仕込み、撹拌を行いながら、溶存COS、溶存AsH3
を吸着させた。分析は溶存COSについてはガスクロマ
トグラフィー(検出器:FPD)、溶存AsH3 につい
てはガスクロマトグラフィー(検出器:FID)にて行
った。吸着後のC4 留分中の溶存COS、溶存AsH3
の濃度は夫々、37.5、58.3重量ppm であり、溶
存COS、溶存AsH3 の吸着量は吸着剤g当り、3
0、20mgであった。
OS、溶存AsH3 の吸着テストを実施例1と同様にし
て行った。吸着条件の異なる点を次に示す。 圧力:10atm プロピレン組成(重量%):プロピレン 95.8 プロパン 4.0 メタン 60重量ppm 溶存COS、溶存AsH3 の吸着量は吸着剤g当り、2
8mg、18mgであった。
%、平均粒径70μmの微粒子品を用いた。このラネー
Cuも、水封状態で保管してあるため使用前に水切り
後、アセトンで十分に洗浄を行い、アセトンを真空下で
脱着させた後、使用した。吸着テストは実施例1と同様
にして行った。溶存COS、溶存AsH3 の吸着量は吸
着剤g当り、40mg、30mgであった。
条件で液化プロピレン中の溶存COS、溶存AsH3 の
流通除去テストを行った。吸着剤は水切り後、アセトン
洗浄を行って、アセトンを真空下除去したものを用い
た。 i)液化プロピレン組成(重量%) プロピレン 95.8 プロパン 4.0 メタン 0.007 その他 0.193 ii)溶存成分濃度 溶存COS 1.0重量ppm 溶存AsH3 0.2重量ppm iii )吸着条件 吸着剤2リットルを内径120mm、高さ300mmの
SUS製容器に充填し、下方より上昇流で液化プロピレ
ンを流通させた。 温度:40℃ 圧力:41atm LHSV:2hr-1 プロピレン流量:4リットル/hr この条件で20日間液化プロピレンを流通させて、吸着
テストを行ったが、出口プロピレン中の溶存COSは
0.1ppm 以下、溶存AsH3 は0.06ppm 以下であ
った。
化水素中の微量溶存COS及び/又は溶存AsH3 の吸
着除去を効率的に行うことができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 液相炭化水素中の溶存硫化カルボニル及
び/又は溶存砒化水素の除去を行う吸着剤において、該
吸着剤がラネー銅からなることを特徴とする溶存硫化カ
ルボニル及び/又は溶存砒化水素用吸着剤。 - 【請求項2】 液相炭化水素中の溶存硫化カルボニル及
び/又は溶存砒化水素の除去方法において、該除去方法
が請求項1に記載の溶存硫化カルボニル及び/又は溶存
砒化水素用吸着剤を用いることを特徴とする溶存硫化カ
ルボニル及び/又は溶存砒化水素の除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20810692A JP3203785B2 (ja) | 1992-08-04 | 1992-08-04 | 液相炭化水素中の溶存ガス吸着剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20810692A JP3203785B2 (ja) | 1992-08-04 | 1992-08-04 | 液相炭化水素中の溶存ガス吸着剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0655065A JPH0655065A (ja) | 1994-03-01 |
JP3203785B2 true JP3203785B2 (ja) | 2001-08-27 |
Family
ID=16550738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20810692A Expired - Lifetime JP3203785B2 (ja) | 1992-08-04 | 1992-08-04 | 液相炭化水素中の溶存ガス吸着剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3203785B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11022294B2 (en) | 2016-12-09 | 2021-06-01 | Signify Holding B.V. | Lighting module and a luminaire comprising the lighting modulespe |
-
1992
- 1992-08-04 JP JP20810692A patent/JP3203785B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11022294B2 (en) | 2016-12-09 | 2021-06-01 | Signify Holding B.V. | Lighting module and a luminaire comprising the lighting modulespe |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0655065A (ja) | 1994-03-01 |
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