JP3203687B2 - 楽音変調装置および楽音変調装置を用いた電子楽器 - Google Patents

楽音変調装置および楽音変調装置を用いた電子楽器

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JP3203687B2
JP3203687B2 JP15492291A JP15492291A JP3203687B2 JP 3203687 B2 JP3203687 B2 JP 3203687B2 JP 15492291 A JP15492291 A JP 15492291A JP 15492291 A JP15492291 A JP 15492291A JP 3203687 B2 JP3203687 B2 JP 3203687B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子楽器等の楽音発生
装置から発生される楽音を音声で変調することにより、
発生される楽音が音声に対応して変化する効果を付加す
ることのできる楽音変調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子楽器の普及に伴い、演奏者が自分の
演奏意志をより簡単かつ効果的に楽音に反映させること
のできる電子楽器が求められている。
【0003】そのような電子楽器の一形態として、演奏
者の発声などによって得られる音声信号により、楽音信
号に変調をかけることのできるいわゆるボコーダがあ
る。図28は、本願出願人により出願(特願平1−24
3676号)された、上述のような機能を有する電子楽
器の従来例の構成図である。
【0004】同図においては、機能SW(スイッチ)1
は、鍵盤や音色切り換えスイッチを含んでおり、演奏者
が鍵盤を弾くとその鍵盤のオン/オフ、ベロシティ等の
演奏情報が機能SW信号2としてCPU3に取り込まれ
る。CPU3は、その演奏情報をもとに、音色ROM4
から楽音波形データ5とエンベロープデータ6を読み込
み、音源8を制御するための制御信号7を発生する。こ
れに基づいて音源8から発せられるディジタル楽音信号
9は、D/A変換器10においてアナログ楽音信号11
に変換され、複数の帯域別変調回路12t(t =1,2,・・
・,N) に入力する。
【0005】一方、演奏者がマイク13に向かって発声
すると、それがマイクアンプ14で増幅され、音声信号
15として複数の帯域別変調回路12t(t =1,2,・・
・,N)に入力する。
【0006】帯域別変調回路12t(t =1,2,・・・,N)
のそれぞれは、帯域通過フィルタ(BPF)16および
17によって、アナログ楽音信号11および音声信号1
5を、複数の周波数帯域の各帯域に分割する。
【0007】この場合、1つの帯域別変調回路のBPF
16および17は、アナログ楽音信号11および音声信
号15を同一の周波数帯域の各成分のみを通過させるよ
うに機能する。
【0008】さらに、各帯域別変調回路12t(t =1,2,
・・・,N) において、エンベロープ抽出回路18は、B
PF17から出力される帯域制限された音声信号から振
幅包絡(エンベロープ)成分を抽出し、エンベロープ信
号19として出力する。そして、電圧制御増幅器20
(VCA)は、上記エンベロープ信号19に基づいて、
BPF16から出力される帯域制限されたアナログ楽音
信号に対して振幅変調をかける。
【0009】このようにして、各帯域別変調回路12t
(t =1,2,・・・,N) において各周波数帯域成分毎に振
幅変調されたアナログ楽音信号はミキサー21によって
累算され、全周波数帯域の出力楽音信号22として、ア
ンプ23で増幅された後、スピーカ24から放音され
る。
【0010】以上のような構成の従来例により、人間の
声のスペクトルが複数帯域に分割して分析され、そこか
ら取り出された各帯域毎のエンベロープ信号に基づい
て、VCA20において楽音信号に振幅変調がかけられ
ることにより、楽器音の倍音成分に人間の声のニュアン
スを付加することが可能となる。
【0011】すなわち、演奏者は、演奏操作子を操作し
ながら声を発することにより、演奏操作子で与えた音高
(ピッチ)を有する楽音を、自ら発する声のニュアンス
で変調して発声させることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のボコー
ダのBPFでは、例えば図29に示されるように、10
個の帯域に分割された楽音信号のそれぞれは、各楽音信
号の帯域と同じ帯域の音声信号によって振幅変調され
る。
【0013】そのため、図30に示されるように、帯域
別変調回路に入力される楽音信号と音声信号のそれぞれ
の倍音成分によって定まるスペクトル・エンベロープの
周波数軸上の位置が大きく異なる場合には、ボコーダ本
来の効果が発揮されず、出力される楽音の音量も小さく
なってしまうという問題点を有する。
【0014】そのほか、従来のボコーダは、楽器の音色
を人の音声に似せることは可能であったが、それ以上
の、より多彩な音色変化を期待することはできなかっ
た。本発明の課題は、単に楽音を音声に似せるのみでな
く、楽音の特性をより複雑多彩に変化させ、かつ楽音信
号と音声信号の各スペクトル・エンベロープが大きく異
なる場合でも、その効果が薄められないような音声制御
電子楽器を実現することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、まず、ディジ
タル楽音信号をそのディジタル楽音信号の周波数特性に
対応した複数の異なる周波数帯域内に帯域制限された各
ディジタル楽音信号に分割する第1のディジタルフィル
タリング手段を有する。同手段は、例えば複数組のフィ
ルタ係数を記憶する係数記憶手段と、ディジタル楽音信
号の特性に対応したフィルタ係数の組を係数記憶手段か
ら読み出し、そのフィルタ係数の組を使用してディジタ
ル楽音信号を上記フィルタ係数で定まる複数の異なる周
波数帯域内に帯域制限された各ディジタル楽音信号に分
割する演算を実行するフィルタ演算手段とから構成され
る。そして、第1のディジタルフィルタリング手段は、
例えばハイパスフィルタリング処理とローパスフィルタ
リング処理とからなるバンドパスフィルタリング処理を
実行する。
【0016】つぎに、ディジタル音声信号を所定の複数
の異なる周波数帯域内に帯域制限された各ディジタル音
声信号に分割する第2のディジタルフィルタリング手段
を有する。同手段も、例えば第1のディジタルフィルタ
リング手段と同様のバンドパスフィルタリング処理を実
行する。
【0017】また、第2のディジタルフィルタリング手
段からの各ディジタル楽音信号から各ディジタルエンベ
ロープ信号を抽出するエンベロープ抽出手段を有する。
同手段は、例えば直流近傍の周波数成分のみを通過させ
るローパスフィルタリング処理を行う。
【0018】つづいて、第1のディジタルフィルタリン
グ手段からの各ディジタル楽音信号とエンベロープ抽出
手段からの各ディジタルエンベロープ信号とをそれぞれ
対応させて割り当てる割り当て手段を有する。同手段
は、例えば第1のディジタルフィルタリング手段上の中
心周波数が若い周波数帯域に対応するディジタル楽音信
号から順に、第2のディジタルフィルタリング手段上の
中心周波数が若い周波数帯域に対応するディジタルエン
ベロープ信号割り当てる手段である。そして、この
り当て手段における割当て状態を使用者等が外部から
意に変更する変更手段を有する。
【0019】さらに、第1のディジタルフィルタリング
手段からの各ディジタル楽音信号の特性を割当て手段で
割り当てられた各ディジタルエンベロープ信号で変調す
る変調手段を有する。同手段は、例えば第1のディジタ
ルフィルタリング手段からの各ディジタル楽音信号に割
当て手段で割り当てられた各ディジタルエンベロープ信
号を乗算する処理を実行する。
【0020】そして、変調手段からの各出力を累算しデ
ィジタル出力楽音信号として出力する累算手段を有す
る。以上の構成において、各手段の処理は時分割処理と
して実行されるように構成することができる。
【0021】なお、以上の構成は、アナログ回路によっ
て構成されてもよい。そして、以上のような構成を有す
る楽音変調装置は、独立したモジュールとして構成され
てもよいし、電子楽器に内蔵された形で構成されてもよ
い。内蔵される場合には、例えば、第1のディジタルフ
ィルタリング手段がディジタル楽音信号の分割を行う複
数の異なる周波数帯域は、現在発音中のディジタル楽音
信号の音色に対応して決定される、
【0022】
【作用】楽音信号と音声信号は、それぞれ異なる周波数
エンベロープ特性を有する。そこで、本発明では、楽音
信号と音声信号がそれぞれ複数の異なる周波数帯域内に
帯域制限された各楽音信号と各音声信号に分割される。
そして、各楽音信号が各音声信号から得られる各エンベ
ロープ信号によって変調される。この結果、演奏者の音
声あるいは歌声などのニュアンスを有する楽音の発音が
実現される。
【0023】ここで、楽音信号が複数の異なる周波数帯
域内に帯域制限された楽音信号に分割される場合、各周
波数帯域の周波数軸上での位置が楽音の周波数特性によ
って制御される。例えばフルートのような音色を有する
楽音の場合には、上記各周波数帯域は周波数軸上で高音
よりに配置される。また、トロンボーンのような音色を
有する楽音の場合には、上記各周波数帯域は周波数軸上
で中音域に配置される。さらに、シンセベースのような
音色を有する楽音の場合には、上記各周波数帯域は周波
数軸上で低音よりに配置される。
【0024】この結果、有効な信号成分を有する各楽音
信号を、各音声信号に基づいて変調することができ、ボ
コーダとしての効果を有効に働かせることができる。さ
らに本発明では、割当て手段における各楽音信号と各エ
ンベロープ信号(各音声信号)との対応関係を、使用者
等が任意に設定できるように構成されることにより、発
音される楽音の特性をより複雑多彩に変化させることが
できる。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
つき説明する。第1の実施例 <構成>図1は本発明による第1の実施例の全体構成を
示すブロック図である。
【0026】同図において、機能SW(スイッチ)1
は、鍵盤や音色切り換えスイッチを含んでおり、演奏者
が鍵盤を弾くと、その鍵盤のオン/オフ、ベロシティ等
の演奏情報が機能SW信号2としてCPU3に取り込ま
れる。CPU3は、その演奏情報をもとに、音色ROM
4から楽音波形データ5とエンベロープデータ6を読み
込み、音源8を制御するための制御信号7を発生する。
これに基づいて音源8から発せられるディジタル楽音信
号9は、D/A変換器10においてアナログ楽音信号1
1に変換される。
【0027】その後、複数の帯域別変調回路12t (t=
1,2,・・・,N) の各々において、3種類の異なる特性の
バンドパスフィルタ(以後、BPFと略称する)、BP
F(A)、BPF(B)、BPF(C)を有するBPF
群16′に入力される。
【0028】この3種類のBPF(後述する)から出力
される各楽音信号のいずれかは、帯域別変調回路12t
(t=1,2,・・・,N) のそれぞれにおいて、CPU3から
のBPF切り換え信号に基づいて動作するBPF切り換
え回路72によって選択的に出力される。なお、このB
PF切り換え信号は、演奏者が機能スイッチ1内の特に
は図示しない音色切り換えスイッチを操作するのに対応
して、CPU3から出力される。
【0029】つぎに、上記3種類のバンドパスフィルタ
BPF(A)、BPF(B)、BPF(C)の各周波数
帯域を図2に示す。同図において、フルート型音色に対
応するBPF(A)は、フルートのように高音域に比較
的レベルの強い周波数成分を有する楽音信号に対応する
BPFであり、つぎのトロンボーン型音色に対応するB
PF(B)は、トロンボーンのように中音域に比較的レ
ベルの強い周波数成分を有する楽音信号に対応するBP
Fである。またシンセベース型音色に対応するBPF
(C)は、シンセベースのように低音域に比較的レベル
の強い周波数成分を有する楽音信号に対応するBPFで
ある。ここで、1〜10の帯域番号は、それぞれ図1の
帯域別変調回路12t の各々に対応している。すなわ
ち、図2の場合、図1において、N=10であり、tの
値は1から10までの値をとる。従って、図1のディジ
タル楽音信号9が例えばフルート型の音色を有するなら
ば、各帯域別変調回路12t において、CPU3からの
BPF切り換え信号に基づいて動作するBPF切り換え
回路72によってBPF(A)の出力が選択され、各帯
域別変調回路12t に対応する帯域番号の帯域制限(図
2のBPF(A)の欄の各範囲で示される)がなされた
楽音信号が選択される。
【0030】一方、演奏者がマイク13に向かって発声
すると、マイクアンプ14を介して得られる音声信号1
5が、上述の帯域別変調回路12t(t =1,2,・・・,N)
に入力され、各帯域別変調回路12t のBPF17によ
って、図2のBPF17の各帯域番号に対応する帯域制
限がなされる。
【0031】以上のようにして、BPF切り換えスイッ
チ20によって切り換えられたバンドパスフィルタBP
F(A)、BPF(B)、BPF(C)から出力された
楽音信号、およびBPF17から出力される音声信号
は、ともに図2に示されるように、それぞれ10個の同
じ帯域番号毎に組み合わされて、つぎに述べる振幅変調
動作が行われる。
【0032】すなわち、各帯域別変調回路12t(t =1,
2,・・・,N) において、エンベロープ抽出回路18は、
BPF17によって帯域制限された音声信号から、振幅
包絡(エンベロープ)成分を抽出しそれをエンベロープ
信号19として出力する。
【0033】そして、前述したようにBPF群16′の
内のいずれかのBPFで帯域制限された楽音信号は、B
PF切り換え回路72を介してVCA(Voltage Control
ledAmplifier)20に入力される。そのあと、同楽音信
号はVCA20において、上記エンベロープ信号19に
基づいて、その楽音信号と同じ帯域番号の帯域の音声信
号によって振幅変調される。
【0034】例えばBPF切り換え回路72でフルート
型音色に対応するBPF(A)が選択された場合、図2
に示されるように、帯域番号1の300 〜450Hz の帯域の
楽音信号成分は、同じ帯域番号1の音声信号の帯域130
〜200Hz の音声信号成分によって振幅変調される。
【0035】このようにして、各帯域別変調回路12t
(t =1,2,・・・,N) において各周波数帯域毎に振幅変
調されVCA20から出力されたアナログ楽音信号は、
ミキサー21によって累算され、全周波数帯域の出力楽
音信号22として、アンプ23で増幅された後、スピー
カ24から放音される。
【0036】以上のように第1の実施例では、複数の周
波数帯域に分割された楽音信号は、その分割された周波
数帯域と異なる周波数帯域に分割された音声信号により
振幅変調されることが可能となる。第2の実施例 以上説明した第1の実施例では、CPU3、音色ROM
4、音源8以外は、すべてアナログ回路で構成されてい
るが、つぎに、発音回路以外をすべてディジタル回路で
構成した、本発明による第2の実施例を説明する。 <構成>図3は、本発明を鍵盤楽器に適用した第2の実
施例の全体の構成を示すブロック図である。
【0037】同図において、演奏者がキーボード33で
鍵盤操作を行ったり、あるいは機能スイッチ34によっ
て音色設定や各種の効果設定等のスイッチ操作を行う
と、それらの演奏情報がバス41を介してCPU(中央
演算制御装置)25に送られる。
【0038】CPU25は、ROM(Read Only Memory)
26に記憶されたプログラムを実行し、RAM(Random
AccessMemory)27をワークメモリとして演奏情報の処
理を行う。このようにして処理された演奏情報、例えば
ノートオン/オフ、ベロシティ、音色設定データなど
は、バス41を介して楽音発生回路31に送られる。同
回路31は、上記演奏情報にしたがって楽音の生成を行
う。なお、楽音発生回路31の楽音発生方式としては、
例えばPCM方式、変調方式、倍音加算方式などが用い
られる。
【0039】つぎに、楽音発生回路31にて生成された
ディジタル楽音信号(以後、単に楽音信号と呼ぶ)x
(n) は、楽音信号専用のバス42を介してDSP28に
入力される。
【0040】一方、演奏者がマイク35に向かって歌を
歌うと、マイクアンプ36を介して得られるアナログ音
声信号がローパスフィルタ37を介してA/D変換器3
8に入力され、ディジタル音声信号(以後、単に音声信
号と呼ぶ)p(n) に変換されてDSP28に入力され
る。なお、アナログ音声信号はマイクロフォンからでな
く、ライン入力端子LINE IN から入力されるようにして
もよい。
【0041】DSP28は、楽音発生回路31から入力
される楽音信号x(n) 、およびA/D変換器38から入
力される音声信号p(n) に基づいて、後述するディジタ
ルフィルタ演算のための各種係数を記憶したフィルタ係
数ROM29、あるいはディジタルフィルタ演算のため
のデータを記憶するワークRAM30を用いて、後述す
る振幅変調処理を行う。
【0042】DSP28での振幅変調処理により得られ
たディジタル出力楽音信号z(n)は、専用のバス43
を介してD/A変換器32へ送られ、ここでアナログ出
力楽音信号に変換され、アンプ39を介しスピーカ40
から放音される。
【0043】つぎに、DSPの構成および機能について
説明する。 <DSPの構成>図4は、DSP28の全体構成図であ
る。
【0044】同図において、まず、インタフェース28
1は、CPU25に接続されるバス41、楽音発生回路
31に接続されるバス42、A/D変換38に接続され
るバス、およびD/A変換器32に接続されるバス43
を収容し、各バスとDSP内部の回路とを接続する。
【0045】オペレーションROM282は、DSP2
8全体の動作を規定するマイクロプログラムを格納した
ROMであり、アドレスカウンタ283からの指定アド
レスに基づいて対応するプログラム命令が読み出され
る。図3のCPU25は、アドレスカウンタ283にデ
ータをセットすることにより、オペレーションROM2
82から如何なるプログラムを読み出して後述の変調処
理を実行するかを、アドレスカウンタ283に指示す
る。
【0046】オペレーションROM282の出力は、デ
コーダ284にも与えられ、DSP28内の各回路に各
種の制御信号を出力し、所望の動作を行わせる。一方、
DSP28の内部バスには、図3のフィルタ係数ROM
29およびワークRAM30が接続されて、オペレーシ
ョンROM282のプログラム命令にしたがってフィル
タ係数、楽音信号x(n) 、音声信号p(n) などがDSP
28に対して供給され、あるいはワークRAM30に入
出力される。
【0047】レジスタ群287は、演算中のデータを一
時記憶する複数のレジスタからなり、乗算器285また
は加減算器286の各入出力端子に、内部バスを介して
接続されている。そして、加減算器286からの演算結
果(比較結果等)に基づいたジャッジ処理を実現するた
め、フラグレジスタ288を介してアドレスカウンタ2
83へ、ジャッジ結果を示すフラグ信号が送出される。
【0048】このフラグレジスタ288の出力に応じて
アドレスカウンタ283のアドレスが変更され、そのア
ドレスに応じてオペレーションROM282からプログ
ラム命令が読み出される。このようにして、ジャッジ処
理が実現される。 <DSPの機能>つぎに、DSP28の動作機能を図5
の機能ブロック図を用いて説明する。同図において、帯
域別変調部44t(t =1 、2 、・・・、N)は、図1の第
1の実施例における帯域別変調回路12t(t =1,2,3.・
・・N)と同様の機能を有し、DSP28上のソフトウエ
アの時分割処理により実現される。そして、各サンプリ
ング周期毎に動作し、各サンプリング周期の最後で各変
調部からの出力が、DSP28のソフトウエア処理によ
り実現される累算部49で累算され、ディジタル出力楽
音信号z(n)として図3のD/A変換器32に出力さ
れる。
【0049】各帯域別変調部44t は、バンドパスフィ
ルタ部(BPF部)45と46、エンベロープ抽出部4
7、および乗算部48から構成される。BPF部45と
46は、それぞれ後述するように、各帯域共通のソフト
ウエア処理によるハイパスフィルタと、各帯域別のソフ
トウエア処理によるローパスフィルタの組み合わせで実
現される。乗算部48は、累算部49と組み合わせられ
て、後述のように積和演算処理により実現される。
【0050】つぎに、図5のBPF部45、46と、エ
ンベロープ抽出部47の部分の詳細な基本的構成につい
て説明する。図3の楽音発生回路31、およびA/D変
換器38から、それぞれ入力される各サンプリング・タ
イミングn毎の楽音信号x(n) と音声信号p(n) は、D
SP28の時分割処理によって、それぞれN個のBPF
部45と46でフィルタ処理される。
【0051】各帯域別変調部44-tのBPF部45、4
6はともに同じ伝達関数Ht(z)を有する。本実施例で
は、このBPF部は図6に示されるように、各帯域共通
のハイパスフィルタ部と、各帯域別のローパスフィルタ
部のカスケード接続により実現される。この場合、ハイ
パスフィルタ部と、ローパスフィルタ部の伝達関数を、
それぞれH1(z)、H2t(z) とすると、上記BPF部4
5、46の伝達関数Ht(z)は図6に示すように、H1(z)
とH2t(z) の積で表される。
【0052】図5のBPF45の場合、楽音信号 x(n)
は、伝達関数H1(z)のハイパスフィルタ部でフィルタ処
理された後、伝達関数H2t(z) のローパスフィルタ部で
フィルタ処理され、帯域制限された楽音信号Yi(n)(た
だし、i =t)として出力される。
【0053】また、BPF46の場合は、音声信号 p
(n) は、伝達関数H1(z)のハイパスフィルタ部でフィル
タ処理された後、伝達関数H2t(z) のローパスフィルタ
部でフィルタ処理され、帯域制限された音声信号Qj(n)
(ただし、j =t)として出力される。
【0054】さらに、この帯域制限された音声信号Qj
(n)は、図5のエンベロープ抽出部47での処理にかけ
られるが、この部分は図6のように、伝達関数HEj(z)
を有するカットオフ周波数の低いローパスフィルタ部に
より実現される。このようなローパスフィルタ部によ
り、帯域制限された音声信号Qj(n)からエンベロープ信
号Rj(n)が得られる。
【0055】つぎに、伝達関数H1(z)のハイパスフィル
タ部、伝達関数H2t(z) とHEj(z)の各ローパスフィル
タ部の特性について、以下に詳細に説明する。 <伝達関数H1(z)のハイパスフィルタ部>図7は、図6
のハイパスフィルタH1(z)をハードウエアのイメージで
示した構成図である。これは、2次のFIRディジタル
フィルタであって、その伝達関数は、
【0056】
【数1】
【0057】で示される。図7において、50、51の
-1はサンプリング・クロック1周期分の遅延を与える
遅延素子を表し、55、56は加算器である。また5
2、53、54は乗算器であり、×2 、×1 、×1/4 の
係数は、それぞれ乗算器に乗算される乗算器係数であ
る。図3および図4のDSP28においては、図7に示
すハイパスフィルタと等価なフィルタ演算処理が、BP
F45(図5)の場合は、
【0058】
【数2】
【0059】BPF46(図5)の場合は、
【0060】
【数3】
【0061】なる離散演算処理により実現される。な
お、この場合、フィルタ係数は2の倍数であるので、係
数と信号の乗算は、単なるビットシフト処理で実現され
る。
【0062】このハイパスフィルタの周波数特性は、
【0063】
【数4】
【0064】となり、Ω=0 (0Hz)でゲインが最小、
Ω=π(fs /2 Hz)でゲインが最大になる特性を有す
る。ここでfs は楽音信号x(n) 、および音声信号p
(n) の共通のサンプリング周波数である。図8にこのハ
イパスフィルタの特性を示す。同図で、意味のある周波
数は0 〜fs /2 Hzまでである。 <伝達関数H2t(Z) のローパスフィルタ部>つづいて、
図9は、図6のローパスフィルタH2t(Z) をハードウエ
アのイメージで示した構成図である。これは、2次のI
IRディジタルフィルタであって、その伝達関数は、
【0065】
【数5】
【0066】で示される。そして、この式のθとCY
は、後述のように図5の各帯域別変調部44t の添え字
tの値に応じて変化し、またrがレゾナンスの強さ、つ
まりピークの大きさを示すパラメータである。
【0067】図9において、57、58は、サンプリン
グ・クロック1周期分の遅延を与える遅延素子を表し、
59、60、61は乗算器で、それぞれに同図に示され
る係数−2rcosθ、r2 、CYが乗算される。また、6
2、63は加算器である。DSP28(図3、図4)に
おいては、図9に示す構成のローパスフィルタと等価な
フィルタ演算処理が、
【0068】
【数6】
【0069】
【数7】
【0070】なる離散演算処理により実現される。ここ
で、伝達関数の極は、“**”をべき乗演算として、z1
=re**(jθ)、z2 =re**(-jθ)に存在し、z=
0に二重の零点がある。この極と零点の配置と、
【0071】
【数8】
【0072】としたときの極ベクトルと零点ベクトルと
の関係を図10に示す。同図から理解されるとおり、単
位円に沿って移動する点Pと零点0を結ぶ線分が実軸と
なす角度をΩとすると、Ω=0〜πにおいて、極ベクト
ルZ1 と零点ベクトルV1 との差であるベクトルV2
長さは、初めは減少し、その後に増加する。ベクトルV
2 の最小の長さは、P点が極Z1 に最接近したとき、す
なわち、θ=Ωのときである。
【0073】ここで、このローパスフィルタの周波数Ω
における周波数応答の大きさ(振幅特性)は、零点ベク
トルV1 とベクトルV2 のそれぞれの長さの比で定ま
る。そして、この零点ベクトルV1 の値は常に1である
から、周波数応答の大きさは、ベクトルV2 の大きさの
逆数に比例し、上述のようにθ=Ωで最大となる。また
周波数応答の大きさのピークは、rの値により定まり、
rの値が1に近づくほど大きくなる。図11は、Ω=−
π〜πにおけるこの周波数応答の大きさを表している。
【0074】一方、周波数応答の位相は、実軸と零点ベ
クトルV1 とのなす角Ωから、実軸とベクトルV2 との
なす角を引いた値になる。以上の説明から明らかなよう
に、図5の各帯域別変調部44t(t =1,2,・・・, N )
毎に、帯域の中心周波数ft とサンプリング周波数fs
を用い、θ=2πfs /ftで求まるθの値を決めれ
ば、図12に示されるように、各帯域の中心周波数ft
でピークを有するローパスフィルタが実現される。
【0075】この場合、ピークの大きさは、前述のよう
にrの値により変化するが、このrの値を選択してピー
クが隣の帯域に影響するのを防ぎ、また前述のCYの値
を選択して各帯域の出力Wt(n)のレベルがほぼ等しくな
るように設定することができる。
【0076】上記rとCYの値は、例えばつぎのように
して求めることができる。今、各帯域の中心周波数ft
とΔf離れた隣の帯域の中心周波数ft+1(=ft +Δ
f)との周波数応答の大きさの比をmとすると、
【0077】
【数9】
【0078】というrについての4次方程式を解き、そ
の結果、得られたrのうち、0<r<1のrを選び、各
係数−2rcosθ、r2 を求めることができる。数値計算
の結果、例えばf=440Hz、fs =5KHzで、m
=4とすると、
【0079】
【数10】
【0080】となる。その他の帯域についても同じよう
にして求めることができる。以上のような伝達関数H1
(z)を有するハイパスフィルタと、伝達関数H
2t(z)を有するローパスフィルタが、図6に示される
ようにカスケードに接続されることにより、各伝達関数
の積として表される全体の伝達関数によって、図13に
示されるように、t=1〜Nの各帯域毎に中心周波数f
1 〜fN 、隣接帯域間の周波数差Δfを有する擬似的な
バンドパスフィルタが実現される。 <伝達関数HEj(z)のローパスフィルタ部>つぎに、
図14は、図5のエンベロープ抽出部47に対応する図
6のローパスフィルタHEj(z)をハードウエアのイメ
ージで示した構成図である。
【0081】これは、前述したローパスフィルタH
2t(z)と同じ形の2次のIIRディジタルフィルタ
で、その伝達関数は、
【0082】
【数11】
【0083】である。これは前述のローパスフィルタH
2t(z)の伝達関数で、r=0.9、θ=0としたもの
である。図14において、絶対値回路64は、図6のロ
ーパスフィルタH2t(z)の出力Wt (n)に対応する
図5のBPF部46の出力Qj (n)の絶対値を出力
し、つぎのディジタルフィルタ部に送る。65、66
は、サンプリング・クロック1周期分の遅延を与える遅
延素子、67、68、69は乗算器で、それぞれに同図
に示される係数が乗算される。また、70、71は加算
器である。
【0084】DSP28(図3、図4)においては、図
14に示す構成のローパスフィルタと等価なフィルタ演
算処理が、
【0085】
【数12】
【0086】なる離散演算処理により実現される。この
ローパスフィルタの周波数特性は、図15に示されるよ
うに、最大値を示すレゾナンスをΩ=0に有する。この
ローパスフィルタのカットオフ周波数は、エンベロープ
抽出という目的から、先の最低帯域のローパスフィルタ
2t(z)のカットオフ周波数よりも、はるかに低い周
波数に設定される。
【0087】ここで、係数CEは、各帯域ごとのそれぞ
れの出力レベルを合わせるためのものである。図16
は、図14のローパスフィルタによって得られたエンベ
ロープ信号Rj (n)を、入力信号の絶対値|Q
j (n)|と対比させて模式的に示した図である。図1
4の絶対値回路64に相当する演算によって、入力信号
の負の波高値(図16の破線)が正の波高値に変換され
た上で、ローパスフィルタ処理が行われるため、各周波
数帯域毎の音声信号Qj (n)のエンベロープを求める
動作を、図5のエンベロープ抽出部47が実行すること
になる。
【0088】以上、図5〜図16で示されたフィルタ機
能が図3、または図4のDSP28でソフトウエア処理
として実行される。つぎに、その動作について説明す
る。 <第2の実施例の動作>図17は、第2の実施例におい
て、演奏者が鍵盤を演奏操作して楽音が発生される際
の、CPU25を中心とする一連の動作に関する動作フ
ローチャートである。この動作フローチャートは、CP
U25がROM26内に記憶されたプログラムを実行す
る処理として実現される。
【0089】まず、電源投入後、初期設定が行われる
(ステップS1701)。つぎに、機能スイッチ34内の音色
スイッチが走査されて(ステップS1702)、同スイッチの
オン/ オフに関するデータがCPU25内のレジスタA
に格納され(ステップS1703)、さらに、鍵盤が走査され
る(ステップS1704)。そして、鍵盤の状態に変化が生じ
るまで、以上のステップS1702 〜S1704 の処理が繰り返
される(ステップS1705)。
【0090】変化が生じた場合に、それがノートオフ
(離鍵)によるときは、オフデータが楽音発生回路31
へ出力され、同回路で楽音の発生が停止され、ステップ
S1702に戻る(ステップS1708)。また、ノートオン(押
鍵)によるときは、ステップS1703 でCPU25内のレ
ジスタAに格納された音色スイッチデータに基づいてR
OM26から対応する音色データが読み出される(ステ
ップS1706)。そしてこの音色データと演奏操作された鍵
盤からの音高データ、およびオンデータが楽音発生回路
31へ出力される(ステップS1707)。楽音発生回路31
はこのオンデータによって楽音信号を作成する。
【0091】そのあと、ステップS1702 に戻り、上記動
作が繰り返される。ここで、図3のDSP28から後述
するA/D変換終了信号が出力されると、CPU25に
おける割り込み処理として図18のA/D変換終了イン
タラプト処理が実行され、CPU25内のレジスタAに
格納された音色スイッチデータがDSP28に送出され
(ステップS1801)、図17のメインルーチンに戻る。D
SP28においては、この音色スイッチデータは、後に
詳述するように、図5のBPF部45に相当するフィル
タ処理が実行されるときのフィルタ係数を決定するため
に用いられる。
【0092】つぎに、図19と図20は、図4のDSP
28において、オペレーションROM282に記憶され
たマイクロプログラムに従って実行されるDSPボコー
ダ処理に関する動作フローチャートであり、バンドパス
フィルタ処理、およびエンベロープ抽出のためのローパ
スフィルタ処理を含む。
【0093】この動作フローチャートに従った処理によ
り、楽音信号x(n)および音声信号p(n) に共通なサン
プリング周期毎に、図5の各帯域毎の帯域別変調部44
t(t=1,2,・・・,N) でのBPF部45と46、エンベ
ロープ抽出部47、および乗算部48に相当する処理、
ならびに累算部49に相当する処理が、時分割処理で実
行されることによって、サンプリング周期毎に出力楽音
信号z(n)が得られ、図3のD/A変換器32に出力
される。
【0094】まず、図3のワークRAM30、および図
4のDSP内のレジスタ群287などが初期設定とし
て、リセットされる(ステップS1901) つぎに、図3の
A/D変換器38でサンプリング周波数fs に対応する
周期ごとに行われるA/D変換の終了を待ち(ステップ
S1902)、変換終了と同時にDSP28からA/D変換終
了信号がCPU25に出力される(ステップS1903)。
【0095】その後、CPU25が図18の割り込み処
理に基づいて出力した音色スイッチデータを受け取った
か否かが判定され(ステップS1904)、受け取ったなら
ば、その音色スイッチデータがインタフェース281
(図4)から取り込まれ、ワークRAM30に格納され
る。また、A/D変換された音声信号p(n) もインタフ
ェース281(図4)から取り込まれ、ワークRAM3
0の同じ名前の変数p(n)へ順次格納される。同時に楽
音発生回路31(図3)から入力される楽音信号x(n)
もインタフェース281から取り込まれ、同じくワーク
RAM30の同じ名前の変数x(n) に順次格納される
(以上、ステップS1905)。なお、ワークRAM30のそ
れぞれ3つずつの各変数p(n) 、p(n−1)、p(n−2)、
およびx(n) 、x(n−1)、x(n−2)には、現在のサンプ
ルと過去の2サンプルずつの連続する各音声信号及び楽
音信号が記憶されるものとする。
【0096】つぎに、ステップS1906 (図19)〜S191
0 (図20)の処理は、図5の帯域変調部44t(t =1,
2,・・・,N) の各BPF部46、およびエンベロープ抽
出部47における音声信号p(n)の処理に相当する。
【0097】まず、ワークRAM30からの各変数p
(n) 、p(n−1)、p(n−2)から図4のレジスタ群287
内のレジスタに、現在のサンプルと過去2サンプル分の
音声信号が読み出され、図6の伝達関数H1 (z)で示
されるハイパスフィルタ処理が実行される(ステップS1
906)。この処理は、図5のBPF部46に対応する処理
の一部であり、前述の数2式で表される演算処理で、図
4の乗算器285および加減算器286を使って実行さ
れる。このとき数2式の演算に用いられる各フィルタ係
数は、フィルタ係数ROM29(図3、図4)から読み
出される。この結果得られた出力は、ワークRAM30
内の変数S(n) に格納される。
【0098】以上のハイパスフィルタ処理は、各帯域で
共通な処理であるため、1回のみ実行される。つぎに、
図5のBPF部46に対応する処理の残りであるH
2t(z)=H2j(z)で示されるローパスフィルタ処理
と、同じくエンベロープ抽出部47に対応する処理であ
る図6の伝達関数HEt(z)=HEj(z)で示されるロ
ーパスフィルタ処理がつづけて実行される。
【0099】これらの処理は、図5の帯域別変調部44
-1〜44-Nに対応して、N帯域分の時分割処理として繰
り返される。そのために、図4のレジスタ群287内
に、N帯域の時分割処理を行うための繰り返し制御用の
レジスタjが設けられ、ステップS1907 で値1に初期設
定される。そして、ステップS1908 〜 S1910で、1帯域
分のローパスフィルタ処理が終了する毎に、ステップS1
911 でレジスタjの内容がNに達したか否かが判定さ
れ、達していなければ、ステップS1912 においてレジス
タjの内容がインクリメントされ、ステップS1908 以後
の処理が繰り返される。
【0100】この処理は、図4の加減算器286とフラ
グレジスタ288によって実行され、アドレスカウンタ
283によって、ステップS1909 、およびS1910 に対応
するプログラム命令がオペレーションROM282から
繰り返し読み出される。
【0101】まず、フィルタ係数ROM29から、音声
用で、かつレジスタjで示される番号に対応する帯域の
フィルタ係数CY,2rcosθ,r2 が読み出される(ステ
ップS1908)。そして、このフィルタ係数を用いて前述の
ハイパスフィルタ処理の出力である変数S(n) の内容に
対して、図6の伝達関数H2t(z)=H2j(z)で示さ
れるローパスフィルタ処理が実行される(ステップS190
9)。この処理は、前述の数6式でWt(n)=Qj(n)として
表される演算処理であり(図6参照)、図4の乗算器2
85および加減算器286を用いて実行される。
【0102】また、ワークRAM30内には、過去の2
サンプル分の自分自身のフィルタ出力を格納する変数Q
j(n-1)およびQj(n-2)が設けられており、レジスタ群2
87はこれらの内容を随時取り込んで上記演算に用い
る。この結果得られた出力はワークRAM30内の変数
Qj(n)に格納される。なお、各変数Qj(n)、Qj(n-1)、
およびQj(n-2)は、添え字jが変化させられてN帯域分
設けられている。
【0103】つぎに、上述のローパスフィルタ処理の出
力である変数Qj(n)の内容に対して、図6の伝達関数H
2t(z)=H2j(z)で示されるローパスフィルタ処理
が実行される(ステップS1910)。この処理は、前述の数
12式で表される演算処理であり、図4の乗算器285
および加減算器286を用いて実行される。この場合
も、数12式の演算処理に用いられる各フィルタ係数
は、フィルタ係数ROM74から読み出さる。
【0104】また、ワークRAM30内には、過去の2
サンプル分の自分自身のフィルタ出力を格納する変数R
j(n-1)およびRj(n-2)が設けられており、レジスタ群2
87はこれらの内容を随時取り込んで上記演算に用い
る。この結果得られた出力はワークRAM30内の変数
Rj(n)に格納される。なお、各変数Rj(n)、Rj(n-1)、
およびRj(n-2)は、添え字jが変化させられてN帯域分
設けられている。
【0105】以上、ステップS1907 〜S1912 の処理によ
り、図5のN帯域の帯域別変調部44t(t =1,2,・・・
N)の各BPF部46、およびエンベロープ抽出部47に
相当する処理が行われる。
【0106】つづいて、ステップS1913 〜S1917 の処理
は、図5のN帯域の帯域別変調部44-1〜44-Nの各B
PF部45における楽音信号x(n)に対する処理に相
当する。
【0107】まず、ワークRAM30からの各変数x
(n) 、x(n−1)、x(n−2)から、図4のレジスタ群28
7内のレジスタに、現在のサンプルと過去2サンプル分
の楽音信号が読み出され、図5のBPF部45に対応す
る処理の一部である、図6の伝達関数H1(z)で示される
ハイパスフィルタ処理が実行される(ステップS1913
)。この処理は、前述の数3式で表される演算処理で
あり、図4の乗算器285および加減算器286を用い
て実行される。このとき、数3式の演算に用いられる各
フィルタ係数は、フィルタ係数ROM29から読み出さ
れる。この結果得られた出力は、ワークRAM30内の
変数S(n) に格納される。
【0108】以上のハイパスフィルタ処理は、各帯域で
共通な処理であるため、1回のみ実行される。つぎに、
図5のBPF部45に対応する処理の残りである図6の
伝達関数H2t(z)=H2j(z)で示されるローパスフ
ィルタ処理が実行される。この処理は、図5の帯域別変
調部44-1〜44-Nに対応して、N帯域分の時分割処理
として繰り返し行われる。
【0109】そのために、図4のレジスタ群287内
に、N帯域の時分割処理を行うための繰り返し制御用の
レジスタiが設けられ、ステップS1914 で値1に初期設
定され、ステップS1916 の1帯域分のローパスフィルタ
処理が終了する毎に、ステップS1917 でレジスタiの内
容がNに達したか否かが判定され、達していなければス
テップS17 においてレジスタiの内容がインクリメント
され、ステップS1915 以降の処理が繰り返される。
【0110】この場合も、前述のレジスタjの場合と同
様に図4の各回路が動作する。まず、ワークRAM30
から、前述したステップS1905 でCPU25から受け取
られた音色スイッチデータが読み出され、この音色デー
タに対応し、かつレジスタiで示される番号に対応する
帯域のフィルタ係数CY,2rcosθ,r2 が係数ROM2
9から読み出される(ステップS1915)。
【0111】このように、楽音用のフィルタ係数は、図
3の機能スイッチ34において選択された楽音の音色に
従って決定され、例えば、フルート型の音色が選択され
たならば、第1の実施例で説明した図2のBPF(A)
の各帯域に対応するようなフィルタ係数が読み出され
る。これが、第2の実施例の大きな特徴である。
【0112】上述のようにして読み出されたフィルタ係
数を用いて、前述のステップS1909とほぼ同様の処理が
行われる(ステップS1916)。すなわち、ハイパスフィル
タの出力である変数S(n) の内容に対して、前述の数6
式でWt(n)=Yi(n)として表される演算処理が実行され
る(図6参照)。このときに、ワークRAM30内に
は、過去の2サンプル分の自分自身のフィルタ出力を格
納する変数Yi(n-1)、およびYi(n-2)が設けられてお
り、レジスタ群287はこれらの内容を随時取り込んで
上記演算に用いる。この結果得られた出力は、ワークR
AM30の変数Yi(n)に格納される。なお、各変数Yi
(n) 、Yi(n-1)、およびYi(n-2)は、添え字iが変化
させられてN帯域分設けられている。
【0113】以上、ステップS1913 〜S1917 の処理によ
り、図5のN帯域分の帯域別変調部44t(t =1,2,・・
・,NのBPF部45に相当する処理が実行される。ここ
まで説明したステップS1916 〜 S1918の処理により、図
5のエンベロープ抽出部47、およびBPF部45と4
6の各出力に対応する変数Rj(n)とYi(n)の内容が確定
する。
【0114】これらの内容を用いることにより、図5の
N帯域分の帯域別変調部44-1〜44-Nの各乗算部48
と同じく、図5の累算部49の処理に対応する以下の処
理が実行される。
【0115】すなわち、ステップS1919 において、レジ
スタi=jの内容が1〜Nまで変化させられながら、R
j(n)×Yi(n)のそれぞれの乗算が、図4の乗算器285
において行われる。そして、これらの各乗算結果が図4
の加減算器286を用いて累算される。
【0116】このように得られた累算結果は、図4のワ
ークRAM30内の変数z(n)に格納され、つづくス
テップS1920 において、サンプリングクロックに同期し
たタイミングで、図4のインタフェース281から図3
のD/A変換器32へ出力される。
【0117】以上、詳述したように、楽音信号および人
間の音声信号を複数周波数帯域に分割する図5のBPF
部45と46の処理、帯域制限された音声信号からエン
ベロープを抽出する図5のエンベロープ抽出部47の処
理、エンベロープ信号によって帯域制限された楽音信号
に振幅変調をかける図5の乗算部48の処理、そして各
帯域の変調出力を累算して、出力楽音信号を得る図5の
累算部49の処理が、ソフトウエアの時分割処理による
ディジタルフィルタ処理として実現される。
【0118】これにより、楽器音の倍音成分に人間の声
のニュアンスを付加するという効果付加処理を、1チッ
プのDSPにより簡単かつ安定して行うことができる。
しかも、楽音信号を各周波数帯域別にフィルタリング処
理するためのフィルタ係数は、入力される楽音信号の音
色に対応したスペクトル・エンベロープに合わせて選択
できるので、楽音信号の周波数成分の無い帯域をフィル
タリング処理するようなことがない。そのため、変調が
かからず出力音量が低下するような従来の問題点をなく
すことが可能となる。第3の実施例 いままで説明した第1及び第2の実施例では、楽音信号
とそれを変調するための音声信号のBPFの各帯域の組
み合わせは、図2に示されるように、周波数の低い方か
ら同じ帯域番号毎に組み合わされていた。
【0119】以下に説明する第3の実施例では、これと
異なり、図21のように、楽音信号と音声信号の各帯域
は任意に組み合わされる点が特徴となっている。すなわ
ち、例えば図21で、楽音信号の帯域1および2の周波
数成分は、音声信号の帯域hおよびfに含まれる周波数
成分により、それぞれ振幅変調される。すなわち、複数
の帯域に分割された楽音信号のそれぞれの信号成分は、
複数の帯域に分割された音声信号の任意の帯域の信号成
分によって振幅変調される。
【0120】このような楽音信号と音声信号のそれぞれ
の帯域の組み合わせは、後述のように予め演奏者によっ
て自由に設定される。第3の実施例の構成は、図3〜図
16の第2の実施例と同じであるので、それらの構成に
ついての説明は省略し、第3の実施例の動作のみを説明
する。
【0121】図22は、第3の実施例において、演奏者
が鍵盤を演奏操作して楽音が発生される際の、CPU2
5を中心とする一連の動作に関する動作フローチャート
である。この動作フローチャートは、第2の実施例の場
合と同様、CPU25がROM26内に記憶されたプロ
グラムを実行する処理として実現される。
【0122】まず、第2の実施例と同様、電源投入後、
初期設定が行われる(ステップS2201)。つぎに、図3の
機能スイッチ34内の特には図示しないモードスイッチ
が走査される(ステップS2202)。このモードスイッチは
ノーマルモードか、あるいはつぎに説明する楽音帯域を
設定したり、音声帯域を指定する設定モードのいずれか
を選択するためのものである。このモードスイッチを走
査した結果、設定モードが選択されているか否か判定さ
れる(ステップS2202)。
【0123】この判別の結果、設定モードが選択されて
いなければ、つぎのステップS2204に進むが、ステップS
2204 〜S2210 の楽音発生のための処理は、第2の実施
例に関する図17のステップS1702〜S1708 の処理と全
く同じであるため、その説明は省略する。
【0124】ステップS2203 の判別の結果、設定モード
が選択されていれば、ステップS2211 に進み、機能スイ
ッチ34内の特には図示しない楽音帯域設定スイッチが
操作されたか否かが判定される。その結果、操作されて
いなければステップS2202 に戻り、操作されていれば、
その操作に基づいて得られる操作データjをアドレスと
するワークRAM30上の音声帯域記憶領域が指定され
る(ステップS2212)。この操作データiは、図21で示
されるような楽音信号に対するフィルタリングの帯域番
号を示している。図21の例では、この操作データiと
して、1から10までのうちの任意の値が、演奏者によ
って指定される。
【0125】つづいて、機能スイッチ34内の特には図
示しない音声帯域指定スイッチがオンされているか否か
が判定される(ステップS2213)。その結果、操作されて
いなければステップS2202 へ戻り、操作されていれば、
その操作に基づいて得られる音声帯域指定データkが、
ステップS2212 で指定されたワークRAM30上の音声
帯域記憶領域に書き込まれる。この音声帯域指定データ
kは、図21で示されるような音声信号に対するフィル
タリングの帯域番号を示している。図21の例では、
a,b,c,・・・,jのうちの任意の値が、演奏者に
よって指定される。
【0126】このあと、ステップS2202 に戻り上述の動
作が繰り返され、ワークRAM27の音声帯域記憶領域
内に、例えば図25に示されるように、楽音信号の周波
数帯域i( =1,2,3,・・・) と組み合わされて、楽音信
号を変調する音声信号の帯域指定データk(h,f,a,c,b,
・・・) のすべてが記憶される。
【0127】ここで、図3のDSP28から後述するA
/D変換終了信号が出力されると、CPU25における
割り込み処理として図24のA/D変換終了インタラプ
ト処理が実行され、ワークRAM27内の音声帯域記憶
領域内の図25で示されるデータj、kの組がDSP2
8に送出され(ステップS2401)、図22又は図23のメ
インルーチンに戻る。
【0128】図26、図27は、図4のDSP28にお
いて、オペレーションROM282に記憶されたマイク
ロプログラムに従って実行されるDSPボコーダ処理に
関する動作フローチャートであり、バンドパスフィルタ
処理、およびエンベロープ抽出のためのローパスフィル
タ処理を含む。
【0129】同図において、ステップS2601 〜S2607
は、第2の実施例に関する図19のステップS1901 〜S1
907 の動作と全く同じであるので、その説明は省略す
る。つぎに、ステップS2608 〜S2611 の音声信号に対す
る各帯域毎のフィルタリング処理において、帯域番号に
対応するjをアドレスとして、ワークRAM30から音
声帯域指定データkが読み出される(ステップS2608)。
そして、この音声帯域指定データkに対応する音声信号
の第k帯域のフィルタ係数CY、2rcosθ、r2 がフィ
ルタ係数ROM29から読み出される(ステップS260
9)。
【0130】このように読み出されたフィルタ係数を用
いて、ステップS2606 のハイパスフィルタ処理の出力で
ある変数S(n)の内容に対して、第2の実施例に関す
る図19のステップS1909 の場合と同様に、図6の伝達
関数H2t(z)=H2j(z)で示される第k帯域のロー
パスフィルタ処理が実行される(ステップS2610)。
【0131】つぎに、音声信号の第k帯域のエンベロー
プを検出するためのフィルタリング処理が、第2の実施
例に関する図20のステップS1910 の場合と同様に行わ
れる(ステップS2611)。
【0132】その後のステップS2612 〜S2615 までの処
理は、第2の実施例に関する図20のステップS1910 〜
S1914 の処理と同様である。そのあとフィルタ係数RO
M34から、楽音信号の第i帯域に対応する、フィルタ
係数CY, 2rcosθ,r2 が読み出される(ステップS2
616)。そしてこの係数に基づいて第i帯域の伝達関数H
2i(z)で示されるローパスフィルタリング処理が、第
2の実施例に関する図20のステップS1916 の場合と同
様に実行される(ステップS2617)。
【0133】以上の動作の後に、テップS2620 におい
て、レジスタi=jの内容が1〜Nまで変化させられな
がら、Rj(n)×Yi(n)のそれぞれの乗算が、図4の乗算
器285において行われ、各算結果が図4の加減算器2
86を用いて累算されることにより、音声信号に基づい
て楽音信号に振幅変調がかけられる。
【0134】この場合特に、第j番目のエンベロープ信
号Rj(n)は、図25のように対応付けられた第k帯域の
音声信号に対応する信号であるため、この信号が第j帯
域すなわち第i帯域の楽音信号Yi(n)に乗算される結
果、図21で示したような楽音信号と音声信号のそれぞ
れの任意の帯域の組み合わせによる楽音信号の振幅変調
処理が実現される。
【0135】なお、図19、図20および図26、図2
7の動作フローチャートにおいて、音声信号と楽音信号
のサンプリング周波数は同一であるが、サンプリング周
波数が異なる場合には、各信号を割り込み処理によりメ
モリに取り込み、それらの信号に対して一定間隔で処理
を行うようにすれば、上述の実施例と同じ効果を容易に
実現できる。この場合、各バンドパスフィルタの帯域
は、それぞれ適切に設定される。
【0136】また、DSPの処理に余裕があれば、バン
ドパスフィルタの演算処理を、上述の実施例のようにハ
イパスフィルタとローパスフィルタの組み合わせの演算
処理としてではなく、バンドパスフィルタの伝達関数を
直接設計した結果に基づいて構成した演算処理によって
実現してもよい。
【0137】さらに、以上説明した実施例において、楽
音信号は、演奏者の楽器演奏による演奏情報に基づいた
が、この楽音信号はこれに限らず、自動演奏曲データに
基づいて生成されたものであっても差し支えない。
【0138】
【発明の効果】本発明によれば、演奏される楽器の楽音
信号を、例えば歌などの音声信号によって変調する場
合、楽音信号が複数の異なる周波数帯域内に帯域制限さ
れた楽音信号に分割される場合に、各周波数帯域の周波
数軸上での位置が楽音の周波数特性によって制御される
ことにより、有効な信号成分を有する各楽音信号を各音
声信号に基づいて変調することが可能となり、ボコーダ
としての効果を有効に働かせることが可能となる。この
結果、人の音声では普通発声不可能な音域を有する楽器
音、例えばピアノやフルート、あるいはシンセベース音
等を、音声信号で変調することが可能となる。
【0139】また、割当て手段における各楽音信号と各
エンベロープ信号(各音声信号)とを、使用者等が任意
に組み合わせることにより、各帯域の楽音信号を任意の
帯域の音声信号で変調することが可能となり、発音され
る楽音の特性をより複雑多彩に変化させることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施例の全体構成図であ
る。
【図2】楽音信号と音声信号のBPFの周波数帯域例を
示す図である。
【図3】本発明による第2の実施例の全体構成図であ
る。
【図4】DSPの構成図である。
【図5】DSPの機能ブロック図である。
【図6】BPF部とエンベロープ抽出部のフィルタ構成
図である。
【図7】ハイパスフィルタH1(z)の構成図である。
【図8】ハイパスフィルタH1(z)の特性図である。
【図9】ローパスフィルタH2t(z) の構成図である。
【図10】ローパスフィルタH2t(z) の極と零点及び極
ベクトルと零ベクトルの関係図である。
【図11】ローパスフィルタH2t(z) の振幅特性図であ
る。ある。
【図12】ローパスフィルタH2t(z) の特性図である。
ある。
【図13】バンドパスフィルタH1(z)・H2t(z) の特性
図である。ある。
【図14】ローパスフィルタHE(z)の構成図である。
【図15】ローパスフィルタHE(z)の特性図である。
【図16】│Qj(n)│とRj(n)の関係図である。
【図17】第2の実施例におけるCPUに関する動作フ
ローチャートである。
【図18】第2の実施例におけるAD変換終了インタラ
プトに関するフローチャートである。
【図19】第2の実施例におけるDSPボコーダ処理に
関する動作フローチャート(その1)である。
【図20】第2の実施例におけるDSPボコーダ処理に
関する動作フローチャート(その2)である。
【図21】第3の実施例における、楽音信号と音声信号
のそれぞれのフィルタリングの対応図である。
【図22】第3の実施例におけるCPUに関する動作フ
ローチャート(その1)である。
【図23】第3の実施例におけるCPUに関する動作フ
ローチャート(その2)である。
【図24】第3の実施例におけるA/D変換完了インタ
ラプトに関するフローチャートである。
【図25】ワークRAMの音声帯域指定データ記憶領域
の記憶内容の1例を示す図である。
【図26】第3の実施例におけるDSPボコーダ処理に
関する動作フローチャート(その1)である。
【図27】第3の実施例におけるDSPボコーダ処理に
関する動作フローチャート(その2)である。
【図28】従来例の全体構成図である。
【図29】BPFの周波数帯域の1例を示す図である。
【図30】シンセベース音と人声のそれぞれのスペクト
ル・エンベロープを示す図である。
【符号の説明】
1 機能スイッチ 2 機能SW信号 3 CPU 4 音色ROM 5 楽音波形データ 6 エンベロープデータ 7 制御信号 8 音源 9 ディジタル楽音信号 10 D/A変換器 11 アナログ楽音信号 12t 帯域別変調回路 13 マイク 14 マイクアンプ 15 音声信号 16、17 BPF 16′BPF群 18 エンベロープ抽出回路 19 エンベロープ信号 20 VCA 21 ミキサー 22 出力楽音信号 23 アンプ 24 スピーカ 25 CPU 26 ROM 27 RAM 28 DSP 29 フィルタ係数ROM 30 ワークRAM 31 楽音発生回路 32 D/A変換器 33 キーボード 34 機能スイッチ 35 マイクアンプ 36 アンプ 37 ローパスフィルタ 38 A/D変換器 39 アンプ 40 スピーカ 41、42、43 バス 44t 帯域別変調部 45、46 BPF部 47 エンベロープ抽出部 48 乗算部 49 累算部 50、51、57、58、65、66 遅延素子 52、53、54、59、60、61、67、68、6
9 乗算器 55、56、62、63、70、71 加算器 64 絶対値回路 72 BPF切り換え回路

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 楽音信号を該楽音信号の周波数特性に対
    応した複数の異なる周波数帯域内に帯域制限された各楽
    音信号に分割する第1の周波数帯域分割手段と、 音声信号を所定の複数の異なる周波数帯域内に帯域制限
    された各音声信号に分割する第2の周波数帯域分割手段
    と、 該第2の周波数帯域分割手段からの各音声信号から各エ
    ンベロープ信号を抽出するエンベロープ抽出手段と、前記エンベロープ抽出手段からの各エンベロープ信号を
    前記第1の周波数帯域分割手段からの任意の楽音信号
    それぞれ対応させて割り当てる割当て手段と、該割り当て手段の割り当て状態を外部から変更する変更
    手段と、 前記第1の周波数帯域分割手段からの各楽音信号の特性
    を前記割当て手段で割り当てられた各エンベロープ信
    号のレベルに対応した電圧で可変させる電圧制御可変手
    段と、 該電圧制御可変手段からの各出力を累算し出力楽音信号
    として出力する累算手段と、 を有することを特徴とする楽音変調装置。
  2. 【請求項2】 ディジタル楽音信号を該ディジタル楽音
    信号の周波数特性に対応した複数の異なる周波数帯域内
    に帯域制限された各ディジタル楽音信号に分割する第1
    のディジタルフィルタリング手段と、 ディジタル音声信号を所定の複数の異なる周波数帯域内
    に帯域制限された各ディジタル音声信号に分割する第2
    のディジタルフィルタリング手段と、 該第2のディジタルフィルタリング手段からの各ディジ
    タル楽音信号から各ディジタルエンベロープ信号を抽出
    するエンベロープ抽出手段と、前記エンベロープ抽出手段からの各ディジタルエンベロ
    ープ信号を 前記第1のディジタルフィルタリング手段か
    らの任意のディジタル楽音信号にそれぞれ対応させて割
    当てる割り当て手段と、該割り当て手段の割り当て状態を外部から変更する変更
    手段と、 前記第1のディジタルフィルタリング手段からの各ディ
    ジタル楽音信号の特性を前記割当て手段で割り当てら
    れた各ディジタルエンベロープ信号で変調する変調手段
    と、 該変調手段からの各出力を累算しディジタル出力楽音信
    号として出力する累算手段と、 を有することを特徴とする楽音変調装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のディジタルフィルタリング手
    段は、 複数組のフィルタ係数を記憶する係数記憶手段と、 前記ディジタル楽音信号の特性に対応したフィルタ係数
    の組を前記係数記憶手段から読み出し、該フィルタ係数
    の組を使用して前記ディジタル楽音信号を該フィルタ係
    数で定まる複数の異なる周波数帯域内に帯域制限された
    各ディジタル楽音信号に分割する演算を実行するフィル
    タ演算手段と、 ことを特徴とする請求項に記載の楽音変調装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2のディジタルフィルタ
    リング手段は、それぞれバンドパスフィルタリング処理
    を実行する、 ことを特徴とする請求項2又は3のいずれか1項に記載
    の楽音変調装置。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2のディジタルフィルタ
    リング手段は、それぞれハイパスフィルタリング処理と
    前記各周波数帯域の中心周波数でピークを有する共振特
    性が付加されたローパスフィルタリング処理を順次時分
    割処理として実行する、 ことを特徴とする請求項に記載の楽音変調装置。
  6. 【請求項6】 前記エンベロープ抽出手段は、直流近傍
    の周波数成分のみを通過させるローパスフィルタリング
    処理を行う、 ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載
    の楽音変調装置。
  7. 【請求項7】 前記変調手段は、前記第1のディジタル
    フィルタリング手段からの各ディジタル楽音信号に前記
    割当て手段で割り当てられた各ディジタルエンベロープ
    信号を乗算する処理を実行する、 ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載
    の楽音変調装置。
  8. 【請求項8】 前記第1のディジタルフィルタリング手
    段、前記第2のディ ジタルフィルタリング手段、前記エ
    ンベロープ抽出手段、前記変調手段および前記累算手段
    における前記各処理は時分割処理として実行される、 ことを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載
    の楽音変調装置。
  9. 【請求項9】 楽音信号を供給する楽音信号発生手段
    と、 該楽音信号発生手段からの楽音信号を当該楽音信号の周
    波数特性に対応した複数の異なる周波数帯域内に帯域制
    限された各楽音信号に分割する第1の周波数帯域分割手
    段と、 音声信号を所定の複数の異なる周波数帯域内に帯域制限
    された各音声信号に分割する第2の周波数帯域分割手段
    と、 該第2の周波数分割帯域手段からの各音声信号から各エ
    ンベロープ信号を抽出するエンベロープ抽出手段と、 前記エンベロープ抽出手段からの各エンベロープ信号を
    前記第1の周波数帯域分割手段からの任意の各楽音信号
    にそれぞれ対応させて割り当てる割当て手段と、 該割り当て手段の割り当て状態を外部から変更する変更
    手段と、 前記第1の周波数帯域分割手段からの各楽音信号の特性
    を前記割当て手段で割り当てられた各エンベロープ信号
    のレベルに対応した電圧で可変させる電圧制御可変手段
    と、 該電圧制御可変手段からの各出力を累算し出力楽音信号
    として出力する累算手段と、 を有することを特徴とする電子楽器。
  10. 【請求項10】 ディジタル楽音信号を供給する楽音信
    号発生手段と、 該楽音信号発生手段からのディジタル楽音信号を該ディ
    ジタル楽音信号の周波数特性に対応した複数の異なる周
    波数帯域内に帯域制限された各ディジタル楽音信号に分
    割する第1のディジタルフィルタリング手段と、 ディジタル音声信号を所定の複数の異なる周波数帯域内
    に帯域制限された各ディジタル音声信号に分割する第2
    のディジタルフィルタリング手段と、 該第2のディジタルフィルタリング手段からの各ディジ
    タル楽音信号から各ディジタルエンベロープ信号を抽出
    するエンベロープ抽出手段と、 前記エンベロープ抽出手段からの各ディジタルエンベロ
    ープ信号を前記第1のディジタルフィルタリング手段か
    らの任意のディジタル楽音信号に夫々対応させて割り当
    てる割当て手段と、 該割り当て手段の割り当て状態を外部から変更する変更
    手段と、 前記第1のディジタルフィルタリング手段からの各ディ
    ジタル楽音信号の特性を前記割当て手段で割り当てられ
    た各ディジタルエンベロープ信号で変調する変調手段
    と、 該変調手段からの各出力を累算しディジタル出力楽音信
    号として出力する累算手段と、 を有することを特徴とする電子楽器。
  11. 【請求項11】 発生すべき楽音の音色を指定する音色
    指定手段と、 該音色指定手段で指定された音色の楽音信号を発生する
    楽音信号発生手段と、 該楽音信号発生手段からの楽音信号を前記音色指定手段
    で指定された音色に対応した複数の異なる周波数帯域内
    に帯域制限された各楽音信号に分割する第1の周波数帯
    域分割手段と、 音声信号を所定の複数の異なる周波数帯域内に帯域制限
    された各音声信号に分割する第2の周波数帯域分割手段
    と、 該第2の周波数分割帯域手段からの各音声信号から各エ
    ンベロープ信号を抽出するエンベロープ抽出手段と、 前記エンベロープ抽出手段からの各エンベロープを前記
    第1の周波数帯域分割手段からの任意の各楽音信号にそ
    れぞれ対応させて割り当てる割当て手段と、 該割り当て手段の割り当て状態を外部から変更する変更
    手段と、 前記第1の周波数帯域分割手段からの各楽音信号の特性
    を前記割当て手段で割り当てられた各エンベロープ信号
    のレベルに対応した電圧で可変させる電圧制御可変手段
    と、 該電圧制御可変手段からの各出力を累算し出力楽音信号
    として出力する累算手段と、 を有することを特徴とする電子楽器。
  12. 【請求項12】 発生すべき楽音の音色を指定する音色
    指定手段と、 該音色指定手段で指定された音色のディジタル楽音信号
    を供給する楽音信号発生手段と、 該楽音信号発生手段からのディジタル楽音信号を前記音
    色指定手段で指定された音色に対応した複数の異なる周
    波数帯域内に帯域制限された各ディジタル楽音信号に分
    割する第1のディジタルフィルタリング手段と、 ディジタル音声信号を所定の複数の異なる周波数帯域内
    に帯域制限された各ディジタル音声信号に分割する第2
    のディジタルフィルタリング手段と、 該第2のディジタルフィルタリング手段からの各ディジ
    タル楽音信号から各ディジタルエンベロープ信号を抽出
    するエンベロープ抽出手段と、 前記エンベロープ抽出手段からの各ディジタルエンベロ
    ープ信号を前記第1のディジタルフィルタリング手段か
    らの任意のディジタル楽音信号とを夫々対応させて割り
    当てる割当て手段と、 該割り当て手段の割り当て状態を外部から変更する変更
    手段と、 前記第1のディジタルフィルタリング手段からの各ディ
    ジタル楽音信号の特性を前記割当て手段で割り当てられ
    た各ディジタルエンベロープ信号で変調する変調手段
    と、 該変調手段からの各出力を累算しディジタル出力楽音信
    号として出力する累算手段と、 を有することを特徴とする電子楽器。
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