JP3203553B2 - 回転または位置の検出装置 - Google Patents

回転または位置の検出装置

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JP3203553B2
JP3203553B2 JP21253297A JP21253297A JP3203553B2 JP 3203553 B2 JP3203553 B2 JP 3203553B2 JP 21253297 A JP21253297 A JP 21253297A JP 21253297 A JP21253297 A JP 21253297A JP 3203553 B2 JP3203553 B2 JP 3203553B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部磁界の変化を
電気信号に変換する磁界検出素子に関する。特に、回転
検出や位置検出に用いられる磁界センサ等で代表される
差動型の磁界検出素子に関する。
【0002】
【従来の技術】磁界検出素子は、外部磁界の変化を電気
信号に変換する素子であり、強磁性体や半導体薄膜をパ
ターニングし、そのパターンに電流を流し電圧変化とし
て外部磁界の変化を電気信号に変換する素子である。例
えば、磁気抵抗効果素子は、強磁性体金属の電気抵抗が
外部磁界により変化する現象(磁気抵抗効果、MR効
果)を利用して磁界強度を測定する素子である。単層の
磁性膜では古くから知られている強磁性体金属膜の磁気
異方性磁気抵抗効果を利用していたが、最近では多層膜
構造からなる巨大磁気抵抗効果素子の報告もある。例え
ば、ナショナルテクニカルレポート、42巻、4号、4
65ページには、(NiFeCo/Cu)多層膜を巨大
磁気抵抗効果素子として用いたVTRキャプスタンモー
タ回転検出センサが紹介されている。
【0003】また、磁界検出素子の先行技術として、特
開平7−77531号公報には巨大磁気抵抗効果を用い
た感磁パターンを、被検出体の磁界ピッチのλ/2また
はλ/4に配置してなる磁気式位置、回転検出用素子が
開示されている。
【0004】さらに、磁界検出素子の先行技術として、
特開平1−297508号公報には4個の感磁パターン
と、被検出体の磁界ピッチとが、一定の関係を有するよ
うに配置された磁気センサが開示されている。
【0005】このように複数の感磁パターンを、被検出
体の磁界ピッチとの関係において所定の関係を有するよ
うに配置・構成された差動型磁界検出素子は従来より広
く知られていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来より提案されている磁界検出素子100は、例えば、
図8に示されるように磁界検出のための2つの薄膜パタ
ーン(感磁パターン部)111,115を、ほぼ平坦な
同一の基体(例えば、ウエハー基板)110の面上に、
被検出体の磁界ピッチを考慮して所定の間隔Dを空けて
成膜した構成を採択している(符号120は電流印加の
ための電極パッドを示す)。
【0007】このような従来の構成では、磁界検出素子
100の多数個取りを目的として、一定面積のウエハー
基板上に複数の磁界検出素子100を一括成膜した場
合、ウエハー基板内に配置できる磁界検出素子100の
数を多くできない。
【0008】また、被検出体の磁界ピッチが複数種ある
場合には、磁界ピッチの種類に応じて異なる間隔を空け
て感磁パターン部を配置・形成する必要があり、磁界検
出素子100パターン形成のためのマスク等を磁界ピッ
チの種類に応じて予め準備しておかなければならない。
このため多くの被検出体毎に多種のマスク等が必要とな
っていた。
【0009】また、従来の磁界検出素子100は、以下
に示すような使用上からの問題があった。これを説明す
るために、図7には従来の磁界検出素子100の使用例
が示されており、軟磁性体からなる回転歯車160(被
検出体)の上に、磁界検出素子100が設置され、この
磁界検出素子100の上に永久磁石170が設置されて
いる。永久磁石170からの磁束は回転歯車160との
位置関係により変化し、この変化の状態が、所定の間隔
Dを空けて形成された感磁パターン部111,115に
より検出されるようになっている。この場合、磁界ピッ
チの変動方向、すなわち回転歯車160の回転する方向
であるx方向の感磁パターン部111,115のパター
ン線幅Pw は小さい程、好ましい。これは検出すべき磁
界の差が最も大きな点での差動動作が好ましいためであ
る。しかしながら、従来の磁界検出素子100は、図示
のごとくそのパターン線の複数回の折り返しにより実磁
界検出領域がx方向に分布しているため、被検出体の磁
界ピッチが狭い場合には、本来検出すべき磁界が検出で
きないこともあった。
【0010】このような実状のもとに本発明は創案され
たものであって、その目的は、検出すべき磁界ピッチが
狭くなっても高い検出感度を有し、かつ、製造面におい
て効率よい多数個取りが実現できる磁界検出素子を提供
することにある。また、検出すべき磁界ピッチの変更に
応じて感磁パターン部の間隔調整が容易にできる磁界検
出素子を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明は、磁界検出のための第1の感磁パタ
ーン部と第2の感磁パターン部を有する磁界検出素子で
あって、前記第1の感磁パターン部と第2の感磁パター
ン部は、それぞれ異なる平面上に対向する位置関係に配
置されてなるように構成される。
【0012】また、好適な態様として本発明の磁界検出
素子は、前記対向する位置関係に配置された前記第1の
感磁パターン部と第2の感磁パターン部の間隔が、検出
すべき被検出体の磁界ピッチをλとした場合に、λ/4
またはλ/2となるように構成される。
【0013】また、好適な態様として本発明の磁界検出
素子は、略平行の位置関係にある2つの面を有する基体
の一方側面に第1の感磁パターン部が形成されており、
他方側面に第2の感磁パターン部が形成されているよう
に構成される。
【0014】また、好適な態様として本発明の磁界検出
素子は、第1の感磁パターン部が形成された第1の基体
と、第2の感磁パターン部が形成された第2の基体とを
備え、前記第1の基体と前記第2の基体とを一体化させ
てなるように構成される。また、好適な態様として本発
明の磁界検出素子は、第1の感磁パターン部が形成され
た第1の基体と、第2の感磁パターン部が形成された第
2の基体と、第1の感磁パターン部と第2の感磁パター
ン部の間隔を調整するためのスペーサを備え、前記第1
の基体と前記第2の基体とを前記スペーサを介して一体
化させてなるように構成される。
【0015】また、好適な態様として本発明の磁界検出
素子は、第1の感磁パターン部が形成された第1の基体
と、この第1の感磁パターン部の上に設置されたスペー
サを備え、このスペーサの上に第2の感磁パターン部が
形成されてなるように構成される。
【0016】また、好適な態様として本発明の磁界検出
素子は、前記磁界検出のための第1の感磁パターン部と
第2の感磁パターン部は、巨大磁気抵抗効果を示す薄膜
であるように構成される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】図1には、本発明の磁界検出素子1の最も
基本的な構成が示されており、図1(a)が磁界検出素
子1の正面図、図1(b)が図1(a)の右側側面図、
図1(c)が図1(a)の左側側面図である。
【0019】これらの図面に示されるように、磁界検出
素子1は、第1の感磁パターン部11と第2の感磁パタ
ーン部15を有しており、これらの感磁パターン部1
1,15はそれぞれ、異なる平面上に対向する位置関係
に配置されている。すなわち、図1の例では、略平行な
位置関係にある2つの面2a,2bを有する基体2の一
方側面2aに第1の感磁パターン部11が形成されてお
り、他方側面2bに第2の感磁パターン部15が形成さ
れている。ここで『対向する位置関係にある』とは、本
発明の作用効果を逸脱しない範囲で、第1の感磁パター
ン部11と第2の感磁パターン部15による作動検出が
できるように互いにほぼ平行状態で向き合った略平行対
置の関係をいう。この定義中、『対向』という文言を用
いているが、これは図1に示される内容からも明らかな
ように、基体2を介しての対向をも含む広い概念であ
る。
【0020】第1の感磁パターン部11および第2の感
磁パターン部15は、図示のごとく通常、パターン線の
複数回の折り返しにより構成されており、さらに第1の
感磁パターン部11および第2の感磁パターン部15の
両端部にはそれぞれ、電流印加のための電極パッド8が
形成されている。なお、感磁パターン部11,15と電
極パッド8は同一材質、すなわち、電極パッド8を感磁
材料で作製することも可能である。
【0021】対向する位置関係に配置された前記第1の
感磁パターン部11と第2の感磁パターン部15の間隔
D(図1(a))は、検出すべき被検出体の磁界ピッチ
をλとした場合に、λ/4またはλ/2の長さとされ
る。これについては後に詳述する。
【0022】図2には、図1に示される本発明の磁界検
出素子1の使用の一例が示される。図2において、磁界
検出素子1は、被検出体である例えば軟磁性体からなる
回転歯車60(被検出体)の上にわずかな隙間(いわゆ
るエアーギャップ)を空けて設置され、この磁界検出素
子1の上に所定の間隔を空けて永久磁石70が設置され
る。永久磁石70からの磁束は、軟磁性体から構成され
る回転歯車60の位置関係、つまり回転歯車60の周縁
部に歯車として形成された凹凸部との位置関係により変
化し、この変化の状態が、所定の間隔Dを空けて形成さ
れた感磁パターン部11,15により検出されるように
なっている。図2において、3次元空間であるx,y,
zの方向関係は、回転歯車60の回転方向をx軸方向、
回転歯車60の上部方向をy軸方向、回転歯車60の奥
行き方向をz軸方向としている。
【0023】図2に示される使用態様において、永久磁
石70からの磁束は、回転歯車60との位置関係により
変化する。回転歯車60の歯車ピッチをλ(検出すべき
磁界ピッチλと同じである。歯車を構成する凹部、凸部
をそれぞれλ/2を占めるようにする場合もあるが、こ
れに限定されるものでなく、例えば、凸部をλ/3、凹
部を2λ/3とすることもできる)、前述したように歯
車60の回転方向をx軸、回転歯車60の上部方向をy
軸方向とした場合、磁石70の直下の場所において、回
転歯車60の回転による磁界変化は、図6に示されるよ
うになる。すなわち歯車の回転につれてx方向の磁界は
ゼロから最大磁界強度Hx 、そしてゼロ、反対方向の最
大磁界強度−Hx そして再びゼロと歯車の1周期、λの
間に変化する。これに対してy方向の磁界強度はλ/2
の間に最大磁界強度Hy1から最小磁界強度Hy2に減少
し、再びλ/2の間に最大磁界強度Hy1へと変化する。
すなわち、差動動作でこれらの磁界を有効に検出するに
は、(1)x軸方向検出ではλ/4、(2)y軸方向検
出ではλ/2の間隔で2つの感磁パターン部11,15
を配置すれば良い。つまり、(1)x軸方向検出ではD
=λ/4、(2)y軸方向検出ではD=λ/2とすれば
よい。そして、いずれの場合も感磁パターン部11,1
5のx方向への幅は小さいほど効率的に差動出力が得ら
れることが分かる。
【0024】本発明においては、図2に示されるように
x方向の感磁パターン部11,15の幅は実質的に、膜
の厚さ分だけであり、最大でも1μm以下である。これ
に対して図7や図8に示されるように従来より公知の配
置構成では、パターン線幅Pw がx方向の幅に当たり、
Pw の値は、感磁パターン部1本の線幅×折り返し回数
にスペース幅を加えたものであり、数十μmから100
μm以上となっていた。
【0025】図1および図2に示されるような本発明の
磁界検出素子1は、厚さDの基板(基体)2を準備し、
厚さ方向の両面に、それぞれ薄膜の感磁パターン部1
1,15を形成することにより得られる。この実施の形
態が感磁パターン部の間隔Dを確実に規制できる最もシ
ンプルな方法であるが、これに限定されることなく、さ
らに図3〜図5に示されるような好適な実施の形態が例
示できる。
【0026】図3に示される磁界検出素子1は、第1の
感磁パターン部11が形成された第1の基体21と、第
2の感磁パターン部15が形成された第2の基体25
と、第1の感磁パターン部11と第2の感磁パターン部
15の間隔を調整するためのスペーサ30を備えてお
り、第1の基体21と第2の基体25とがスペーサ30
を介して一体化された状態で構成されている。この実施
の形態では、介在させるスペーサの厚さを変えるだけ
で、被検出体の様々な値のλの仕様に容易に応じること
ができる。スペーサ30は、非磁性材料から構成するこ
とが一般的であるが、意図的に軟磁性体を用いることで
シールド効果を付与することも可能となる。
【0027】図4に示される磁界検出素子1は、第1の
感磁パターン部11が形成された第1の基体21と、第
2の感磁パターン部15が形成された第2の基体25と
を備えており、第1の基体21と第2の基体25とが一
体化された状態で構成されている。この実施の形態で
は、厚さの異なる種々の基板(基体)を準備しておき、
これらの中から適宜2枚選定して組み合わせることによ
り、様々な値のλの仕様に容易に応じることができる。
また、図4に示されるように感磁パターン部11,15
が形成される基体21,25の表面は、本発明の作用効
果を逸脱しない範囲での湾曲面としてもよい。湾曲面と
した場合には、特に、膜に応力を作用させることが可能
で、この応力による磁気弾性効果異方性により磁界感度
を調整することが可能である。
【0028】図5に示される磁界検出素子1は、第1の
感磁パターン部11が形成された第1の基体21と、こ
の第1の感磁パターン部11の上に設置されたスペーサ
30を備え、このスペーサ30の上に第2の感磁パター
ン部15が形成された構造をとっている。この場合に
は、特に、1枚の基板の片面のみに形成することから、
汎用の薄膜プロセス工程と相性が良い。
【0029】ところで、差動検出のために効果のある感
磁パターン部11,15間の距離Dは、前述したように
被検出体(例えば、回転歯車60)の検出ピッチλ(磁
界ピッチλ)に対して、λ/4またはλ/2に設定すれ
ば良いことが知られている。すなわち、検出ピッチλが
8mmの場合、一般に、上記Dの値は、4000μmま
たは2000μmに設定される。一般的な感磁パターン
部11,15のパターン線幅Pw は、5μmから100
μm、パターン線長さPL (図1,図8)は、100μ
mから5000μmである。また、電極パッド8の大き
さは、通常、5μm角から500μm角である。従っ
て、1つの感磁パターン部とその両側に配置される電極
パッドの占める面積を考えてみると、幅方向の最大の大
きさは、通常、電極パッドの大きさに支配され、5μm
から500μmとなる。また、一対の感磁パターン部を
備える1つの磁界検出素子の占める面積を考察するに、
距離Dの値が4000μmまたは1000μmと長いた
めに、図8に示されるような従来の配置では1つの磁界
検出素子として必要とされる面積(基体をも含めた面
積)が大きい。
【0030】これに対して本発明における磁界検出素子
では、図1に示されるように同一平面上でのDの間隔を
考慮しなくてもよいために、1つの磁界検出素子として
必要とされる面積(基体をも含めた面積)を大幅に小さ
くすることができる。よって1枚のウエハーから作製さ
れる磁界検出素子の数が多く、大幅なコストの低減が可
能となる。
【0031】また、感磁パターン部11,15間の距離
Dを極端に小さくしたい場合、本発明の構成によれば、
単に、基体2の厚さを薄くすることで正確に所望のD値
が設定できる。例えば、D=10μmの要求に対して
は、厚さ10μmのポリイミドフィルムの両面に感磁パ
ターン部11,15を形成すればよい。
【0032】本発明の感磁パターン部11,15は、前
述したように異なる平面に形成されているが、その平面
はほぼ平行であることが好ましい。しかしながら、磁界
検出素子の使用態様によっては、ポリイミドフィルム上
に形成された感磁パターン部に外部から応力を加えて、
フィルムごと感磁パターン部を曲面させることもある。
磁気弾性効果により磁界感度を制御するためである。こ
の場合、2つの感磁パターン部11,15が成膜されて
いるそれぞれの面は、完全には平行とはならないが、本
発明の作用効果を逸脱しない程度での略平行を保持でき
ればよい。
【0033】本発明に用いることの出来る感磁パターン
部11,15は、磁気抵抗効果を有する膜であり、単層
膜構造、多層膜構造のいずれであってもよい。磁気抵抗
効果とは、磁場の変化によって電気抵抗が変化する現象
をいう。感磁パターン部11,15は、異方性磁気抵抗
効果を示す強磁性体膜(異方性磁気抵抗効果膜)であっ
ても問題は無いが、特に検出感度が高くて検出する磁界
強度を大きく変化させることが可能な巨大磁気抵抗効果
膜(GMR膜)を用いることが好ましい。
【0034】巨大磁気抵抗効果膜は、金属人工格子(藤
森啓安、アグネ技術センター、1995年発行)347
ページに紹介されているように、強磁性体膜と非磁性体
膜との多層膜であり、その多層膜の界面散乱変化により
抵抗が変化することが知られている。
【0035】巨大磁気抵抗効果膜としては、(強磁性
体/非磁性導電体)構造のアンチフェロ(結合)型、
(高保磁力強磁性体/非磁性導電体/低保磁力強磁性
体)構造の誘導フェリ(非結合)型、(半強磁性体/
強磁性体/非磁性導電体/強磁性体)構造のスピンバル
ブ型、Co/Ag系統の非固溶系グラニュラー型に大
別される。
【0036】これらの各巨大磁気抵抗効果膜は、その構
造や組成により、検出可能な磁界強度、すなわち、磁気
抵抗効果の飽和磁界強度が大きく異なる。例えば、(F
e/Cr)系アンチフェロ型では10KOe以上、(C
oNiFe/Cu)系アンチフェロ型では、0.1Oe
から1KOe、(NiFe/Cu/Co/Cu)系誘導
フェリ型では、5Oeから20Oe程度、(FeMn/
NiFe/Cu/NiFe)系スピンバルブ型では、数
Oe、そして、グラニュラー型では100Oeから5K
Oe程度までの磁界検出が可能である。磁界感度は、最
大磁気抵抗変化率を飽和磁界強度で割り算したものであ
り、最大磁気抵抗変化率が大きくても、飽和磁界が大き
い場合には磁界感度は悪い。反対に、最大磁気抵抗変化
率が小さくても、飽和磁界が非常に小さい場合には磁界
感度は良い。このため、検出すべき磁界強度により最高
の磁界感度が得られるように、上記の各種の巨大磁気抵
抗効果膜から、基本系を選択し、さらに組成系の変更や
細かな構造を最適化して用いる。特に、巨大磁気抵抗効
果膜は、異方性磁気抵抗効果膜と異なり、面内磁界に対
して等方的に抵抗が変化する。このような理由もあり、
巨大磁気抵抗効果膜が、特に好ましく用いられる。
【0037】このような磁気抵抗効果膜(感磁パターン
部11,15)は、真空成膜法、例えば、蒸着法、スパ
ッタ法などにより成膜される。より具体的には、基体2
の全面に磁気抵抗効果膜を成膜した後、所望のパターン
形状にパターニングして例えば、磁界検出用の感磁パタ
ーン部11とし、さらに、この感磁パターン部11に接
合され電流を流すための電極パッド(導電体電極膜)8
を所定のパターンに形成する。電極パッド8は、磁気抵
抗効果膜である感磁パターン部に比べて小さな抵抗を有
することが重要である。このため電極パッド8は、導電
性の高い金属、例えば銅、金、アルミニウム等を用いて
比較的厚い仕様、例えば、0.3から5.0μm厚に成
膜される。電極パッドの形成には、真空成膜法に加えて
湿式成膜法も利用可能である。また、最初に、電極パッ
ド8を形成してから感磁パターン部(磁気抵抗効果膜)
を形成しても差し支えない。また、このように感磁パタ
ーン部11,15および電極パッド8を個別に異種の材
料から構成するのではなくて、これらをすべて同一材質
から一体的に形成(成膜)させてもよい。ただし、この
場合には感磁パターン部11,15および電極パッド8
の各々の機能が発揮できる範囲内での同一材質とするこ
とが必要である。感磁パターン部は感磁作用が必要とさ
れるが、電極パッドの部分は、感磁作用は必要とされな
い。そこで、感磁パターン部と電極パッドの電流密度を
変化させるために、電極パッドの幅は感磁パターン部の
幅よりも広く設計される。すなわち、同一材質で構成さ
れたパターンの両端部分の幅を広くすることで電極パッ
ド(導電体電極膜)としての機能を付与できる。同一材
質から構成することにより、1回のパターニング工程で
感磁部分である感磁パターン部と電極部である電極パッ
ド(導電体電極膜)が同時に形成でき、極めて高い生産
性を実現することができる。
【0038】また、感磁パターン部11,15は、一般
に、200nm以下の薄膜として形成されるために、使
用環境における耐食性が問題となることが多い。このた
め、少なくとも感磁パターン部の上層に保護膜を設け、
周囲の雰囲気から感磁パターン部を保護することが好ま
しい。保護膜の材質としては、特にポリイミド樹脂また
はノボラック樹脂を用いることが好ましい。さらに保護
膜として形成する樹脂層の下に、SiO2 やAl23
等の薄膜を設けて感磁パターン部(磁気抵抗効果膜)を
2重に保護することも可能である。これにより保護膜と
しての機能はさらに強固なものとなる。なお、前記ポリ
イミド樹脂やノボラック樹脂は、感磁パターン部の表面
に(例えば、スピンコート法を用いて)コーティングさ
れた後に熱硬化される。ノボラック樹脂は、熱処理によ
りベークライトに近い構造となり高い耐食性を保証す
る。
【0039】
【実施例】以下、具体的実施例を示し、本発明をさらに
詳細に説明する。
【0040】基体として、3インチ径、2mm厚のガラ
ス基板(コーニング社製、製品番号7059)および3
インチ径、50μm厚のポリイミドフィルムをそれぞれ
準備した。これらの基体上に、イオンビームスパッタ装
置にて200Å−Ti/(15Å−NiFeCo/20
Å−Cu)×30の多層構造からなる巨大磁気抵抗効果
膜を成膜した。上記膜構造は、最初に200ÅのTi,
次に15ÅのNiFeCo合金と20ÅのCuを順に各
々30層づつ積層した全厚1250Åの多層膜である。
巨大磁気抵抗効果膜の成膜に際して用いたターゲット
は、いずれも純度99.9%以上のターゲット組成と
し、到達圧力として4×10-7Torrまで真空引きし
た後にアルゴンガスを導入し、成膜中の真空度は1.4
×10-4Torrとした。いずれの膜の成膜も基板の水
冷を行った。
【0041】ガラス基板は、その両面にそれぞれ上記の
巨大磁気抵抗効果膜を成膜した。また、ポリイミドフィ
ルムは、片面にのみに上記の巨大磁気抵抗効果膜を成膜
した。その後、フォトリソグラフィ手法により感磁パタ
ーン部を形成した。感磁パターン部は、10μm幅、2
00μm長さの矩形を3回折り返した形とし、ライン間
は10μmとした。電極パッド部は50μm角とした。
1枚の基体の片面に形成可能な素子パターン数は最大8
00個であった。
【0042】その後、加工プロセスにより個々の素子に
分離したのち、(1)ガラス基板を用いたものについて
は、ガラス基板両面の素子にそれぞれ引き出し線を接続
した。この素子に対してSmCo永久磁石を所定の位置
に固定し、本発明の磁界検出素子サンプルを作製した
(実施例1サンプル)。(2)ポリイミド基板を用いた
ものについては、厚さ2mm、1.5mm、1mm、
0.3mmの4種類の異なる板厚のガラス基板の両面
に、それぞれポリイミド基板1枚の素子を接着し、引き
出し線を接続した。この素子に対してSmCo永久磁石
を所定の位置に固定し、本発明の磁界検出素子サンプル
を作製した(実施例2,3,4,5サンプル)。
【0043】なお、実施例1サンプルの作製に際し、1
枚の基板から得られた素子は800個で、実施例2〜5
サンプルの作製に際し、1枚の基板から得られた素子は
400個(1素子に2枚必要なため)であった。
【0044】比較のため、実施例1と同様のガラス基板
を用い、片側同一平面上に一対の上記巨大磁気抵抗効果
膜を、従来の差動型磁界検出素子として差動するように
D=2mmの間隔に設けた素子も作製した。1枚の基板
から得られた素子は50個であった。ガラス基板上の素
子にそれぞれ引き出し線を接続した。この素子に対して
SmCo永久磁石を所定の位置に固定し、比較例1の磁
界検出素子サンプルを作製した(比較例1サンプル)。
【0045】また、上記比較例1サンプルの作製で用い
たフォトリソ用マスクとは異なるフォトリソ用マスクを
用い、D=0.3mmとした以外は、上記比較例1サン
プルと同様な形態からなる従来型の磁界検出素子を作製
した(比較例2サンプル)。この場合、1枚の基板から
得られた素子は250個であった。
【0046】このようにして作製した磁界検出素子(実
施例1〜5サンプル,比較例1〜2サンプル)を用いて
実際に下記の要領で回転検出のテストを行った。
【0047】回転検出のテスト それぞれの磁界検出素子を構成する2つの感磁パターン
部を直列に接合し、その両端に5mAの定電流を印加し
た。そしてその中点での電位変化を検出した。2つの感
磁パターン部の抵抗変化の差が磁界検出素子の出力とな
る。
【0048】回転検出のために回転するシャフトにはS
US430製のギヤを取り付けた。具体的には直径61
mm,48歯からなるギヤ1;直径46mm,48歯か
らなるギヤ2;直径61mm,96歯からなるるギヤ
3;直径18mm,96歯からなるギヤ4;の4種類の
周期λの異なるギヤを用いた。
【0049】それぞれのλは、ギヤ1では4mm、ギヤ
2では3mm、ギヤ3では2mm、ギヤ4では0.6m
mとなる。
【0050】実施例1サンプル,実施例2サンプルおよ
び比較例1サンプルはギヤ1(λ=4mm)を用い、実
施例3サンプルはギヤ2(λ=3mm)を用い、実施例
4サンプルはギヤ3(λ=2mm)を用い、実施例5サ
ンプル,比較例2サンプルはギヤ4(λ=0.6mm)
を用い、回転検出を行ったところ表1に示す出力が得ら
れた。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】上記の結果より、本発明の効果は明らか
である。すなわち、本発明の磁界検出素子は、磁界検出
のための第1の感磁パターン部と第2の感磁パターン部
を有し、前記第1の感磁パターン部と第2の感磁パター
ン部は、それぞれ異なる平面上に対向する位置関係に配
置されてなるように構成されているので、検出すべき磁
界ピッチが狭くなっても高い検出感度を有する。また、
製造面において効率よい多数個取りが実現できる。ま
た、検出すべき磁界ピッチの変更に応じて感磁パターン
部の間隔調整も容易に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は磁界検出素子の正面図、図1
(b)は図1(a)の右側側面図、図1(c)は図1
(a)の左側側面図である。
【図2】本発明の磁界検出素子の使用の一例を示す斜視
図である。
【図3】本発明の磁界検出素子の他の好適な実施の形態
を示す正面図である(図1(a)に相当)。
【図4】本発明の磁界検出素子の他の好適な実施の形態
を示す正面図である(図1(a)に相当)。
【図5】本発明の磁界検出素子の他の好適な実施の形態
を説明するための概略断面図である。
【図6】回転歯車の回転による磁界変化を説明するため
の図である。
【図7】従来の磁界検出素子の使用の一例を示す斜視図
である。
【図8】従来の磁界検出素子の感磁パターン部の配置を
説明するための図面である。
【符号の説明】
1…磁界検出素子 8…電極パッド 11…第1の感磁パターン部 15…第2の感磁パターン部 D…第1の感磁パターン部と第2の感磁パターン部の間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−22668(JP,A) 特開 平8−271282(JP,A) 特開 平7−288347(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 33/00 - 33/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁界検出のための第1の感磁パターン部
    と第2の感磁パターン部を有する磁界検出素子と、検出
    すべき磁界ピッチがλの被検出体とを備える回転または
    位置の検出装置であって、 前記第1の感磁パターン部と第2の感磁パターン部は、
    その間隔がλ/4またはλ/2となるように配置されて
    おり、 かつ磁界ピッチの変動方向をXとする時、前記第1の感
    磁パターン部と第2の感磁パターン部が、YZ平面に平
    行な平面でかつそれぞれ異なる平面内に対向配置されて
    なることを特徴とする回転または位置の検出装置。
  2. 【請求項2】 略平行の位置関係にある2つの面を有す
    る基体の一方側面に第1の感磁パターン部が形成されて
    おり、他方側面に第2の感磁パターン部が形成されてい
    る請求項1に記載の回転または位置の検出装置。
  3. 【請求項3】 第1の感磁パターン部が形成された第1
    の基体と、第2の感磁パターン部が形成された第2の基
    体とを備え、 前記第1の基体と前記第2の基体とを一体化させてなる
    請求項1または請求項2に記載の回転または位置の検出
    装置。
  4. 【請求項4】 第1の感磁パターン部が形成された第1
    の基体と、第2の感磁パターン部が形成された第2の基
    体と、第1の感磁パターン部と第2の感磁パターン部の
    間隔を調整するためのスペーサを備え、 前記第1の基体と前記第2の基体とを前記スペーサを介
    して一体化させてなる請求項1または請求項2に記載の
    回転または位置の検出装置。
  5. 【請求項5】 第1の感磁パターン部が形成された第1
    の基体と、この第1の感磁パターン部の上に設置された
    スペーサを備え、このスペーサの上に第2の感磁パター
    ン部が形成されてなる請求項1または請求項2に記載の
    回転または位置の検出装置。
  6. 【請求項6】 前記磁界検出のための第1の感磁パター
    ン部と第2の感磁パターン部は、巨大磁気抵抗効果を示
    す薄膜である請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
    の回転または位置の検出装置。
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