JP3203166U - 蛍光x線分析用試料保持具 - Google Patents

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Abstract

【課題】測定の障害となる不純線を発生させず、高精度分析ができ、かつ、試料室からスムーズに搬出できる蛍光X線分析用試料保持具を提供する。【解決手段】本考案の蛍光X線分析用試料保持具1は、筒状の外側側壁部10a、および、薄膜状試料Sを支持する輪状の支持部10bを有して、薄膜状試料Sを内部に収容する保持部材10と、筒状の内側側壁部20a、および、薄膜状試料Sの周縁部に上方から当接する輪状の当接部20bを有し、保持部材10の内部に収容される入れ子に形成されて、当接部20bが当接する薄膜状試料の周縁部を上方から押さえる押さえ部材と、を備え、内側側壁部20aの上端20cが平板状部材30に当接した場合に、平板状部材30、押さえ部材20および当接部20bが当接する薄膜状試料Sで囲まれる内部空間とその外側の外部空間とを連通させる逃がし流路20dを、内側側壁部20aが有する。【選択図】図1

Description

本考案は、蛍光X線分析に用いられる試料保持具に関する。
従来、大気粉塵捕集フィルタ、液体試料を透過させて液中の微量成分を採取したフィルタ、液体試料が滴下されて乾燥された滴下ろ紙、液体試料が滴下されて乾燥されたフィルムプレート、輪状の台座に保持された疏水性フィルムに貼付されたシート状の液体吸収材に液体試料が滴下されて乾燥されたシート状の試料保持具(特許文献1)などの薄膜状物に保持された試料、いわゆる薄膜状試料を蛍光X線分析するために、図7に示す蛍光X線分析用試料保持具5が用いられている。この蛍光X線分析用試料保持具5では、ステンレス鋼製の保持部材50が有する、薄膜状試料Sの周縁部を下方から支持する支持部51とアルミニウム製の押さえ部材60とで薄膜状試料Sの周縁部が挟持されて測定される。この蛍光X線分析用試料保持具5から発生する連続X線のバックグラウンドは低く、SN比のよい測定ができる。
従来のこの蛍光X線分析用試料保持具5では、薄膜状試料Sに照射される1次X線が、ステンレス鋼製の保持部材50およびアルミニウム製の押さえ部材60に含有される元素を励起して、測定の障害となる不純線を発生させる。特に、保持部材50の上部内壁52の一部が押さえ部材60によって覆われていないために、保持部材50の覆われていない部分から不純線が発生するという問題がある。
そこで、薄膜状試料を容易に保持できるとともに測定の障害となる不純線を発生させないで、高精度分析ができる蛍光X線分析用試料保持具7がある(特許文献2)。この蛍光X線分析用試料保持具7(図8)は、薄膜状試料Sの周縁部を下方から支持する支持部71を有して薄膜状試料Sを内部に収容する金属からなる筒状の保持部材70と、保持部材70の内部に収容される入れ子に形成されて、支持部71に支持された薄膜状試料Sの周縁部を上方から押さえるフッ素樹脂からなる筒状の押さえ部材80と、を備える。
国際公開第2005/012889号 登録実用新案第3199842号公報
しかし、特許文献2に記載の蛍光X線分析用試料保持具7(図8)では、下記の問題があった。コンパクトな密閉空間、例えば、真空排気される試料室で蛍光X線分析用試料保持具7が用いられる場合、測定後、蛍光X線分析用試料保持具7を試料室から搬出するために、真空状態から大気状態に試料室の雰囲気が切り換えられる。このとき、試料室に流入した空気によって蛍光X線分析用試料保持具7の押さえ部材80が持ち上げられて試料室の天井を形成する平板状部材30に密着して、その平板状部材30、押さえ部材80および薄膜状試料Sで囲まれる内部空間にその外側の外部空間から空気が流入できなくなり、内部空間が負圧のままとなる。そのため、肉厚の薄い押さえ部材80や薄膜状試料Sが内部空間に引き込まれて変形したり、押さえ部材80が平板状部材30に密着したままとなり、蛍光X線分析用試料保持具7を試料室からスムーズに搬出できないことがときたまあった。
本考案は前記従来の問題に鑑みてなされたもので、薄膜状試料を容易に確実に保持できるとともに測定の障害となる不純線を発生させないで、高精度分析ができ、かつ、押さえ部材の筒状の内側側壁部の上端が平板状部材に当接した場合でも試料室からスムーズに搬出できる蛍光X線分析用試料保持具を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本考案の蛍光X線分析用試料保持具は、筒状の外側側壁部、および、その外側側壁部に対応する底部として設けられ、薄膜状試料の周縁部を下方から支持する輪状の支持部を有して、薄膜状試料を内部に収容する金属からなる保持部材と、筒状の内側側壁部、および、その内側側壁部に対応する底部として設けられ、前記支持部に支持された薄膜状試料の周縁部に上方から当接する輪状の当接部を有し、前記保持部材の内部に上方から収容される入れ子に形成されて、前記当接部が当接する薄膜状試料の周縁部を上方から押さえるフッ素樹脂からなる押さえ部材と、を備え、前記内側側壁部の上端が平板状部材に当接した場合に、その平板状部材、前記押さえ部材および前記当接部が当接する薄膜状試料で囲まれる内部空間とその外側の外部空間とを連通させる逃がし流路を、前記内側側壁部が有する。
本考案の蛍光X線分析用試料保持具によれば、前記保持部材の輪状の支持部と前記フッ素樹脂からなる押さえ部材の輪状の当接部とで薄膜状試料の周縁部を幅広く挟持するとともに、当接部により押さえ部材の変形を防ぎ、前記内側側壁部の上端が平板状部材に当接した場合に、その平板状部材、前記押さえ部材および前記当接部が当接する薄膜状試料で囲まれる内部空間とその外側の外部空間とを連通させる逃がし流路を、前記内側側壁部が有するので、薄膜状試料を容易に確実に保持できるとともに測定の障害となる不純線を発生させないで、高精度分析ができ、かつ、押さえ部材の筒状の内側側壁部の上端が平板状部材に当接した場合でも蛍光X線分析用試料保持具を試料室からスムーズに搬出できる。
本考案の蛍光X線分析用試料保持具においては、前記当接部の断面形状がL字型でもよいが、内径が下方ほど小さくなっているのが好ましい。また、前記逃がし流路が、貫通孔、溝および凹部の少なくともいずれかであるのが好ましい。この場合には、前記逃がし流路を簡単な加工方法で形成することができる。
本考案の蛍光X線分析用試料保持具においては、前記内側側壁部の厚さが0.5mm以上2mm以下であるのが好ましい。この場合には、不純線を充分に遮断するとともに、連続X線のバックグラウンドを充分に低減することができる。
本考案の蛍光X線分析用試料保持具においては、前記押さえ部材の高さが、前記支持部の上面から前記外側側壁部の上端までの寸法以上であるのが好ましい。この場合には、前記外側側壁部の内壁の全体を前記内側側壁部で遮蔽するので、前記外側側壁部からの不純線が発生することがない。
本考案の蛍光X線分析用試料保持具においては、前記保持部材がステンレス鋼からなるのが好ましい。この場合には、薄膜状試料に照射された1次X線が蛍光X線分析用試料保持具から漏洩しないとともに、保持部材を安価に製作することができる。
本考案の蛍光X線分析用試料保持具においては、前記外側側壁部および前記内側側壁部が円筒状であり、前記当接部の内径が下方ほど小さくなっているのが好ましい。この場合には、薄膜状試料に斜め下方から照射される1次X線が前記当接部に照射されにくいように前記当接部が形成できるので、より高精度分析ができる。
薄膜状試料を保持した本考案の第1実施形態の蛍光X線分析用試料保持具の縦断面図である。 薄膜状試料を保持した本考案の第2実施形態の蛍光X線分析用試料保持具の縦断面図である。 内側側壁部の厚さと不純線の透過率との関係を示す図である。 内側側壁部の厚さの異なる第1実施形態の蛍光X線分析用試料保持具で測定したスペクトルを示す図である。 内側側壁部の厚さが1mmの押さえ部材を備える第1実施形態の蛍光X線分析用試料保持具で測定したスペクトルを示す図である。 特許文献1に記載の蛍光X線分析用試料保持具で測定したスペクトルを示す図である。 特許文献1に記載の蛍光X線分析用試料保持具の縦断面図である。 特許文献2に記載の蛍光X線分析用試料保持具の縦断面図である。 本考案の第1、2実施形態の変形例の蛍光X線分析用試料保持具の縦断面図である。
以下、本考案の第1実施形態の蛍光X線分析用試料保持具1について説明する。この蛍光X線分析用試料保持具1の縦断面を図1に示す。この蛍光X線分析用試料保持具1は、筒状(例えば、円筒状)の外側側壁部10a、および、その外側側壁部10aに対応する底部として設けられ、薄膜状試料Sの周縁部を下方から支持する輪状の支持部10bを有して、薄膜状試料Sを内部に収容する金属(例えば、ステンレス鋼)からなる保持部材10と、筒状(例えば、円筒状)の内側側壁部20a、および、その内側側壁部20aに対応する底部として設けられ、支持部10bに支持された薄膜状試料Sの周縁部に上方から当接する輪状の当接部20bを有し、保持部材10の内部に上方から収容される入れ子に形成されて、当接部20bが当接する薄膜状試料Sの周縁部を上方から押さえるフッ素樹脂からなる押さえ部材20と、を備え、内側側壁部20aの上端20cが平板状部材30に当接した場合に、その平板状部材30、押さえ部材20および当接部20bが当接する薄膜状試料Sで囲まれる内部空間とその外側の外部空間とを連通させる逃がし流路20dを、内側側壁部20aが有する。
薄膜状試料Sは、大気粉塵捕集フィルタ、液体試料を透過させて液中の微量成分を採取したフィルタ、液体試料が滴下されて乾燥された滴下ろ紙、液体試料が滴下されて乾燥されたフィルムプレート、輪状の台座に保持された疏水性フィルムに貼付されたシート状の液体吸収材に液体試料が滴下されて乾燥されたシート状の試料保持具などの薄膜状物に保持された試料などである。薄膜状試料Sの周縁部は、支持部10bと当接部20bで、押さえ部材20の自重により挟持される。この薄膜状試料Sの露出した下面に向けて、下方から1次X線が照射され、薄膜状試料Sから発生した蛍光X線が下方にて検出される。
押さえ部材20の高さHは、支持部10bの上面から外側側壁部10aの上端20cまでの寸法L以上である。この構造によって外側側壁部10aの内壁の全体を内側側壁部20aで遮蔽するので、外側側壁部10aから不純線が発生することがない。また、当接部20bの最大外径と最小内径との差は、例えば6mmであり、最小内径は測定径よりは多少大きい程度でなるべく小さいものが好ましい。薄膜状試料Sが支持部10bと、幅の広い当接部20bとで挟持されるので、薄膜状試料Sが歪むことなく平面状に確実に保持される。さらに、当接部20bの内径が下方ほど小さくなっているのが好ましい。例えば、輪状の当接部20bの上面が内径側から外径側に向かつて水平面に対して所定の角度αで傾斜している。この所定の角度αは、例えば28°であり、薄膜状試料Sに斜め下方から照射される1次X線の照射角度および蛍光X線等の取出角度よりも小さく設定されており、1次X線が当接部20bに照射されにくいように形成されている。
また、保持部材10がステンレス鋼からなるので、薄膜状試料Sに照射された1次X線が蛍光X線分析用試料保持具1から漏洩しないとともに、保持部材10を安価に製作することができる。
蛍光X線分析用試料保持具1の上記構造によって、保持部材10の内壁の全体が押さえ部材20によって覆われるとともに、当接部20bに1次X線が照射されることがないので、保持部材10および押さえ部材20から不純線が発生することがなく、より高精度分析ができる。
保持部材10を形成する金属はステンレス鋼に限ったものではなく、アルミニウム、チタニウムなど他の金属であってもよい。押さえ部材20を形成するフッ素樹脂は、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン(4フッ化))、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4.6フッ化))などである。
本考案に先だって、押さえ部材20(フッ素樹脂製)の内側側壁部20aの厚さと、保持部材10(ステンレス鋼製)から発生する不純線Ni−Kα、Fe−Kα、Cr−Kαの透過率(%)との関係を求める実験を行った。結果を図3(縦軸は不純線の透過率、横軸は内側側壁部20aの厚さ)に示す。図3によると、内側側壁部20aの厚さが増加するにしたがって不純線の透過率が減少し、厚さが1mmでは、透過率は1%未満になり、不純線が充分に遮断されていることが分かる。
また、内側側壁部20aの厚さがそれぞれ1.0mm、1.5mm、6.0mmの押さえ部材20の蛍光X線分析用試料保持具1にブランク薄膜状試料S(分析対象の元素を含んでいない薄膜状試料)を保持させ、そのブランク薄膜状試料Sに1次X線を照射して、それぞれの蛍光X線分析用試料保持具1についてのスペクトルを求める実験を行った。結果を図4(縦軸はX線強度、横軸は分光角度)に示す。図4において、Aは厚さ1.0mmの、Bは厚さ1.5mmの、Cは厚さ6.0mmの内側側壁部20aの押さえ部材20のスペクトルを示す。図4によると、内側側壁部20aの厚さが増加するにしたがって連続X線によるバックグラウンド強度が高くなり、内側側壁部20aの厚さが1mm程度であると、連続X線によるバックグラウンドが充分に低減されている。
図3および図4から理解されるように、内側側壁部20aの厚さは0.5mm以上2mm以下が好ましく、1mm程度がより好ましい。このような厚さの内側側壁部20aを有する押さえ部材20であれば、不純線を充分に遮断するとともに、連続X線のバックグラウンドを充分に低減することができる。
特許文献1に記載の蛍光X線分析用試料保持具5で測定したスペクトルを図6に示す。図6によると、特許文献1に記載の蛍光X線分析用試料保持具5では、Fe−Kβ、Cr−Kα、Mn−Kαなどの不純線が高強度で検出されている。内側側壁部20aの厚さが1mmの押さえ部材20を備える本考案の第1実施形態の蛍光X線分析用試料保持具1で測定したスペクトルを図5に示す。図5によると、本考案の第1実施形態の蛍光X線分析用試料保持具1では、低強度のFe−Kαが検出されているが、他の不純線は検出されていない。この低強度のFe−Kαの不純線は蛍光X線分析用試料保持具1から発生しているのではなく、他の原因と考えられる。
特許文献2に記載の蛍光X線分析用試料保持具7(図8)では、上述したように、真空排気される試料室で用いられる場合、蛍光X線分析用試料保持具7の搬出時に、押さえ部材80が持ち上げられて試料室の天井を形成する平板状部材30に密着したままとなり、蛍光X線分析用試料保持具7を試料室からスムーズに搬出できないことがときたまあった。
そこで、第1実施形態の蛍光X線分析用試料保持具1では、内側側壁部20aの上端20cが平板状部材30に当接した場合に、その平板状部材30、押さえ部材20および当接部20bが当接する薄膜状試料Sで囲まれる内部空間とその外側の外部空間とを連通させる逃がし流路20dを、内側側壁部20bが有する。図1に示すように、逃がし流路20dは、例えば縦断面が直径1mmの半円状の溝20dであり、内側側壁部20aの上端20cの4か所に設けられている。溝20dの縦断面は直径1mmの半円に限らず、直径0.5mm〜2mmの半円、U字形、V字形、矩形などであってもよい。形成される箇所は4か所に限らず、平板状部材30、押さえ部材20および当接部20bが当接する薄膜状試料Sで囲まれる内部空間が短時間で大気状態になるように適宜形成すればよい。
このように、第1実施形態の蛍光X線分析用試料保持具1では、押さえ部材20が、内側側壁部20aの上端20cに溝20dを有しているので、平板状部材30、押さえ部材20および当接部20bが当接する薄膜状試料Sで囲まれる内部空間が、短時間で溝20dを介して外部の外部空間と連通して大気状態になり、押さえ部材20が持ち上げられたままの状態になることがなく、蛍光X線分析用試料保持具1を試料室からスムーズに搬出できる。
次に、第2実施形態の蛍光X線分析用試料保持具3について説明する。この蛍光X線分析用試料保持具3の縦断面を図2に示す。この蛍光X線分析用試料保持具3は、押さえ部材20が内側側壁部20aの上端20cに溝20dを有さず、内側側壁部20aが逃がし流路である貫通孔20eを有する点が第1実施形態の蛍光X線分析用試料保持具1と異なり、他の構成は第1実施形態の蛍光X線分析用試料保持具1と同じである。
貫通孔20eは、例えば直径1mmの円形であり、内側側壁部20aの4か所に設けられている。保持部材10に対し押さえ部材20は入れ子に形成されているので、外側側壁部10aと内側側壁部20aとの間には間隙(図示なし)を有する。内側側壁部20aの上端20cが試料室の天井を形成する平板状部材30に当接した場合に、外側の外部空間の空気が、外側側壁部10aと内側側壁部20aとの間の間隙を通って、または貫通孔20eの位置によっては直接、貫通孔20eから平板状部材30、押さえ部材20および当接部20bが当接する薄膜状試料Sで囲まれる内部空間に入り、内部空間が大気状態にされる。
貫通孔20eは直径1mmの円形に限らず、直径0.5mm〜2mmの円形であっても、楕円形、三角形、矩形などであってもよく、形成される箇所は4か所に限らず、平板状部材30、押さえ部材20および当接部20bが当接する薄膜状試料Sで囲まれる内部空間が短時間で大気状態になるように適宜形成すればよい。
このように、第2実施形態の蛍光X線分析用試料保持具3では、押さえ部材20が内側側壁部20aに貫通孔20eを有しているので、平板状部材30、押さえ部材20および当接部20bが当接する薄膜状試料Sで囲まれる内部空間が、短時間で貫通孔20eを介して外部の外部空間と連通して大気状態になり、押さえ部材20が持ち上げられたままの状態になることがなく、蛍光X線分析用試料保持具3を試料室からスムーズに搬出できる。
逃がし流路は、溝20dや貫通孔20eに限らず、凹部であってもよく、貫通孔20e、溝20dおよび凹部の一種でもよく、それらを複数種類組み合わせてもよい。逃がし流路である、貫通孔20e、溝20dおよび凹部は簡単な加工方法で形成することができる。
以上のように、本考案の第1および第2実施形態の蛍光X線分析用試料保持具1、3によれば、保持部材10の輪状の支持部10bとフッ素樹脂からなる押さえ部材20の輪状の当接部20bとで薄膜状試料Sの周縁部を挟持するとともに、内側側壁部20aの上端20cが平板状部材30に当接した場合に、その平板状部材30、押さえ部材20および当接部20bが当接する薄膜状試料Sで囲まれる内部空間とその外側の外部空間とを連通させる逃がし流路20d、20eを、内側側壁部20aが有するので、薄膜状試料Sを容易に確実に保持できるとともに測定の障害となる不純線を発生させないで、高精度分析ができ、かつ、押さえ部材20の筒状の内側側壁部20aの上端20cが平板状部材30に当接した場合でも蛍光X線分析用試料保持具1、3を試料室からスムーズに搬出できる。
なお、例外的ではあるが、蛍光X線分析用試料保持具1、3の内部からの散乱線を防止するために、蛍光X線分析用試料保持具1,3の上部に、平板状部材30を含む散乱線防止用蓋を用いることがある。この散乱線防止用蓋を用いた場合、特許文献2に記載の蛍光X線分析用試料保持具7(図8)の押さえ部材80では、真空状態から大気状態に試料室の雰囲気が切り換えられると、試料室に流入した空気によってこの散乱線防止用蓋に押さえ部材80が密着し、薄膜状試料Sが押さえ部材80の内部にめり込んで破損するおそれがある。このような場合であっても、第1および第2実施形態の蛍光X線分析用試料保持具1、3の内側側壁部20aは、この散乱線防止用蓋、押さえ部材20および当接部20bが当接する薄膜状試料Sで囲まれる内部空間とその外側の外部空間とを連通させる逃がし流路である、溝20d、貫通孔20eおよび凹部の少なくともいずれかを有しているので、薄膜状試料Sを破損させることがない。
第1および第2実施形態の蛍光X線分析用試料保持具1、3の外側側壁部10aおよび内側側壁部20aは円筒状に限ったものではなく、矩形筒状、多角形筒状などの角筒状であってもよい。第1および第2実施形態の蛍光X線分析用試料保持具1、3は、内側側壁部20aが逃がし流路20d、20eを有し、当接部20bの内径が下方ほど小さくなっているものに限られず、図9に示すように、内側側壁部20aが逃がし流路20d、20eを有さず、当接部20bが輪状の平板である変形例の蛍光X線分析用試料保持具4であってもよい。
なお、本発明は、実施の態様として以下の内容を含む。
[態様1]
筒状の外側側壁部、および、その外側側壁部に対応する底部として設けられ、薄膜状試料の周縁部を下方から支持する輪状の支持部を有して、薄膜状試料を内部に収容する金属
からなる保持部材と、
前記保持部材の内部に上方から収容される入れ子に形成されて、前記当接部が当接する薄膜状試料の周縁部を上方から押さえるフッ素樹脂からなる筒状の押さえ部材と、
を備える蛍光X線分析用試料保持具。
[態様2]
態様1に記載の蛍光X線分析用試料保持具において、
前記押さえ部材の内側側壁部に対応する底部として設けられ、前記支持部に支持された
薄膜状試料の周縁部に上方から当接する輪状の当接部を有する蛍光X線分析用試料保持具。
[態様3]
態様2に記載の蛍光X線分析用拭料保持具において、
前記外側側壁部および前記内側側壁部が円筒状であり、
前記当接部の内径が下方ほど小さくなっている蛍光X線分析用試料保持具。
[態様4]
態様1から3のいずれか一態様に記載の蛍光X線分析用拭料保持具において、
前記内側側壁部の上端が平板状部材に当接した場合に、その平板状部材、前記押さえ部材および前記当接部が当接する薄膜状試料で囲まれる内部空間とその外側の外部空間とを連通させる逃がし流路を、前記内側側壁部が有する蛍光X線分析用試料保持具。
[態様5]
態様4に記載の蛍光X線分析用試料保持具において、
前記逃がし流路が、貫通孔、溝および凹部の少なくともいずれかである蛍光X線分析用試料保持具。
[態様6]
態様1から5のいずれか一態様に記載の蛍光X線分析用試料保持具において、
前記押さえ部材の厚さが0.5mm以上2mm以下である蛍光X線分析用試料保持具。
[態様7]
態様1から6のいずれか一態様に記載の蛍光X線分析用試料保持具において、
前記押さえ部材の高さが、前記支持部の上面から前記保持部材の上端までの寸法以上で
ある蛍光X線分析用試料保持具。
[態様8]
態様1から7のいずれか一態様に記載の蛍光X線分析用試料保持具において、
前記保持部材がステンレス鋼からなる蛍光X線分析用試料保持具。
1、3 蛍光X線分析用試料保持具
10 保持部材
10a 外側側壁部
10b 支持部
20 押さえ部材
20a 内側側壁部
20b 当接部
20c 内側側壁部の上端
20d、20e 逃がし流路(溝、貫通孔)
30 平板状部材
H 押さえ部材の高さ
L 支持部の上面から外側側壁部の上端までの寸法
S 薄膜状試料

Claims (8)

  1. 筒状の外側側壁部、および、その外側側壁部に対応する底部として設けられ、薄膜状試料の周縁部を下方から支持する輪状の支持部を有して、薄膜状試料を内部に収容する金属
    からなる保持部材と、
    前記保持部材の内部に上方から収容される入れ子に形成されて、前記当接部が当接する薄膜状試料の周縁部を上方から押さえるフッ素樹脂からなる筒状の押さえ部材と、
    を備える蛍光X線分析用試料保持具。
  2. 請求項1に記載の蛍光X線分析用試料保持具において、
    前記押さえ部材の内側側壁部に対応する底部として設けられ、前記支持部に支持された
    薄膜状試料の周縁部に上方から当接する輪状の当接部を有する蛍光X線分析用試料保持具。
  3. 請求項2に記載の蛍光X線分析用拭料保持具において、
    前記外側側壁部および前記内側側壁部が円筒状であり、
    前記当接部の内径が下方ほど小さくなっている蛍光X線分析用試料保持具。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の蛍光X線分析用拭料保持具において、
    前記内側側壁部の上端が平板状部材に当接した場合に、その平板状部材、前記押さえ部材および前記当接部が当接する薄膜状試料で囲まれる内部空間とその外側の外部空間とを連通させる逃がし流路を、前記内側側壁部が有する蛍光X線分析用試料保持具。
  5. 請求項4に記載の蛍光X線分析用試料保持具において、
    前記逃がし流路が、貫通孔、溝および凹部の少なくともいずれかである蛍光X線分析用試料保持具。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の蛍光X線分析用試料保持具において、
    前記押さえ部材の厚さが0.5mm以上2mm以下である蛍光X線分析用試料保持具。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の蛍光X線分析用試料保持具において、
    前記押さえ部材の高さが、前記支持部の上面から前記保持部材の上端までの寸法以上で
    ある蛍光X線分析用試料保持具。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の蛍光X線分析用試料保持具において、
    前記保持部材がステンレス鋼からなる蛍光X線分析用試料保持具。
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CN110082378A (zh) * 2019-05-14 2019-08-02 海城海鸣矿业有限责任公司 一种耐火材料检测进样模具

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