JP3203003B2 - 光波長変換素子 - Google Patents
光波長変換素子Info
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Description
青色発光素子等として用いられる光波長変換素子に関す
る。
ーモニック・ジェネレーション)素子とは、非線形光学
効果を有する光学結晶材料の非線形光学効果を利用し
て、波長λのレーザ光をλ/2の波長光に変換する素子
である。よって、出射光の波長が入射光の1/2とな
り、記録密度を4倍にできるため、光ディスクを始めと
して、CDプレーヤ、レーザプリンタ、フォトリソグラ
フィ等に応用されつつある。
型、直接変調等の要求に応えるため、入力光源として半
導体レーザが主流となりつつある。このような半導体レ
ーザを光源とする場合、高い変換効率を得る必要上、薄
膜導波路構造のSHG素子が用いられる。良質な光導波
路を形成できる非線形光学効果を持つ光学結晶材料とし
ては、一般にLiNbO3 が最適と考えられている。し
かし、LiNbO3 単結晶では、0.82〜0.84μ
mなる半導体レーザの光源波長では位相整合(位相整合
とは、入射レーザ光の光導波路中での屈折率=実効屈折
率と、第2高調波光の実効屈折率とが一致することをい
う)が不可能なことが報告されている。これは、LiN
bO3 の場合入射光の周波数ωでの常光屈折率がno
(ω) =2.253、出射光の周波数2ωでの異常光屈
折率がne(2ω) =2.282となり、位相整合のため
の必要条件、即ち、no(ω)=ne(2ω)を満たさないた
めである。
2135号公報によれば、波長0.82〜0.84μm
のレーザ光を基本光とし、LiTaO3 単結晶基板上に
3.7〜9.0μmのLiNbO3 導波層を形成した2
層構造とし、結晶軸に対し0〜35°の角度で入射させ
ることによりSHGの位相整合をとるようにしたものが
ある。
MW89−144の「LD光源を用いた導波型SHG素
子の出力特性」によれば、LiTaO3 単結晶基板上に
LiNbO3 薄膜を形成し、さらに、その上にMgOド
ープのLiNbO3 層を形成した3層構造とし、基本波
長0.83μmの半導体レーザ光をSHG変換するよう
にしたものが示されている。
ば、LiNbO3 導波層の膜厚を変えることにより導波
路の実効的屈折率を変えることができる。光の導波に際
しては、z軸(光学軸)に対して位相整合の可能な角度
で光を入射させることにより、位相整合条件を満足する
状態が存在し、SHGが実現される。ところが、厳しい
角度整合精度が要求されるものであり、位相整合条件を
満たすことの再現性、温度、入射光波長の変動に対する
許容幅が小さいものである。
プのLiNbO3 層は元々位相整合条件を満たすように
作製した導波路であり、SHG特性を有している。とこ
ろが、基板にLiNbO3 層と屈折率が大きく異なるL
iTaO3 を有している関係上、前者の場合と同様に、
温度、入射波長等の変動に対して弱いという欠点を持
つ。
は、非線形光学効果を有する光導波路を用いた光波長変
換素子において、LiTaXNb1-XO3単結晶基板(但
し、0≦x<1)による第1層上に、LiTaZNb1-Z
O3(但し、0≦z<1)によるバッファ層なる第2層
と、MgOをドープしたLiTayNb1-yO3(但し、
0≦y<1)による導波層なる第3層とを積層形成し、
第2層の屈折率を低くするよう組成zを調整し第3層に
はドーパントを行い、入射光の周波数ωでの常光屈折率
をno(ω)、出射光の周波数2ωでの異常光屈折率をn
e(2ω)としたとき、第2層、第3層の屈折率の関係
が、 0<(ne(2ω)−no(ω))(第2層) ≒(no(ω)−ne(2ω))(第3層)≦0.1 ne(2ω)(第2層)<ne(2ω)(第3層) なる条件を満たすように形成し た。
にLi,Be,Na,Ni,Ti,V,Nd,Cr,
K,Ca,Sr,Ce,Ba,Ge,Alの元素の内の
少なくとも一つの元素をドープさせた。
上に、バッファ層なる第2層と、MgOドープのLiT
ayNb1-yO3 による導波層なる第3層とを積層形成す
ると、第2高調波発生のための位相整合条件を容易に満
たし得るものとなる。特に第3層での屈折率が、入射光
の周波数ωでの常光屈折率をno(ω)、 出射光の周波数
2ωでの異常光屈折率をne(2ω) としたときに所定の
関係式を満足すると、位相整合条件を満たすことになる
が、そのための制御は容易なものである。また、第3層
に所定の元素をドープすることにより、この第3層の膜
厚方向の屈折率分布が第2高調波発生のための位相整合
条件を満たすことを容易に実現できる。このようにし
て、高変換効率を持つ温度等の変動に強い高信頼性の第
2高調波発生素子が実現でき、波長0.8μm程度なる
半導体レーザでの角度整合等の不要な直接的な第2高調
波発生が可能となる。
る。本実施例の光波長変換素子1は、基本的には、図1
(a)に示すようにLiTaXNb1-XO3 単結晶基板(但
し、0≦x<1)による第1層2上に、組成比の異なる
LiTazNb1-zO3 によるバッファ層なる第2層3
と、LiTayNb1-yO3 単結晶(但し、0≦y<1)
による導波層なる第3層4とを積層形成した3層構造か
らなる。特に、第3層4についてはMgOがドーピング
されており、屈折率ne,noの制御の容易化と光損傷の
低減化とが図られている。このような薄膜状導波層に周
波数ωの基本波を入射させたときに、入射光の周波数ω
での常光屈折率をno(ω)、 出射光の周波数2ωでの異
常光屈折率をne(2ω) と定義したとき、一般には、n
o(ω)<ne(2ω)であるので、位相整合条件no(ω)=
ne(2ω)は満たされない。
3層2〜4の各層の組成比x,z,yを変え、かつ、適
当な不純物(ドーパント)の導入と、各層の製法を制御
することで位相整合条件no(ω)=ne(2ω)を温度、波
長、膜厚に対して幅広い範囲で満足するようにしたもの
である。
結晶に対して、第2層3のバッファ層は、屈折率を低く
するためにLiTazNb1-zO3 における組成zをLi
TaO3 に近付ける方向にする。或いは、Li量を増や
す、又は、第2層3形成時にストレスをかけて膜形成す
る等の方法により、この第2層3の屈折率を低くすれば
よい。
件を逆転させてno(ω)>ne(2ω)なる条件を満足する
ようにドーパントの導入を行ない、位相整合条件を満た
し得るようにする。ただし、環境温度、半導体レーザ波
長及び導波層膜厚の変動等に対して安定な位相整合条件
を満たすために、第2層3、第3層4は、
−ne(2ω))(第3層)≦0.1なる関係式を満足する
ように形成されている。
合の様子を示すモード分散カーブ特性を図2(a)に示
す。ちなみに、同図(b)は従来方式によるモード分散カ
ーブ特性を示す。図から判るように、同図(b)の従来方
式では入射光であるTM(ω)ととSHG光であるTE
(2ω)との位相整合点が急峻に交わっているのに対し、
本実施例の特性を示す同図(a)によればゆるやかに交わ
っており、前述したような各変動に対して位相整合条件
が広いことを示している。
率分布は図1(b)に示すようになっている。
比率を高めることで容易に実現できる。このときには、
エピタキシャル法又はスパッタリング法或いはレーザア
ブレーション法が有効となるが、単にスパッタリング法
によりLiを相対的に多くしてエピタキシャル的に成膜
するようにしてもよい。さらには、第2層3は第1層2
の表面を改質しても本実施例による効果は損なわれない
ので、第1層2表面をドライエッチング或いはエキシマ
レーザによる光エッチング等によりストレスをかけた後
で第3層4を形成するようにしてもよい。即ち、第2層
3としては必ずしも推積形成しなくてもよい。
より大きくなるような元素、例えばNa(+),K(+),C
a(2+),Ba(2+)(+はイオンを示す)などがドーパン
トとして効果的である。これらのドーパントとしての導
入方法としては、液相エピタキシャル成長法及びスパッ
タリング法、イオン注入法、拡散法等の他、最近注目さ
れているエキシマレーザを用いたレーザアブレーション
法によれば精度よく成膜できる。特に、レーザアブレー
ション法によれば成膜速度が1μm/分と速いため量産
性に優れ、かつ、レーザの条件を変えることで所定の膜
厚に加工・エッチングすることが容易である利点を持
つ。また、全体としては伝搬損失等の緩和のために、各
層にMgOを全体的にドープしておくことも必要であ
る。MgOがno(ω)>ne(2ω)を満たすために重要で
あることはいうまでもない。さらに、その他のドーパン
トとしては、アルカリ系を中心として前述したもの以外
に、例えばTi,Ni,Be,Ge,Nd,Ce,S
r,Cr,V,Al等の元素が有望であり、これらを単
独又は複合体でドープすればno(ω)>ne(2ω)なる条
件を満足できる。
際的なSHG素子1の構成例について、具体例1、具体
例2として示す。
晶基板による第1層2上に、レーザアブレーション法に
よりLiTa0.1Nb0.9O3 を約1000Åエピタキ
シャル成長させて第2層3を形成した。レーザアブレー
ションの条件は、ArF(193nm)エキシマレーザ
をLiTa0.1Nb0.9O3 の組成を持ったターゲット
に照射させ、基板側にあるLiNbO3 上に成長させる
ものとした。基板温度は600℃、雰囲気は真空中とし
た。さらに、第3層4としてはMgOドープのLiNb
O3 を同じ条件でレーザアブレーション法により膜厚
3.5μmに形成して完成させた。
O3 基板による第1層2上に、液相エピタキシャル法に
よりLiTa0.3Nb0.7O3 バッファ層を第2層3と
して約0.5μmに形成後、同じく、液相エピタキシャ
ル法によりMgOドープのLiTa0.2Nb0.8O3 を
約5μmに形成し、その後、所定膜厚にするためにAr
F(193nm)エキシマレーザにより4μmにエッチ
ングすることで、導波路を完成させた。
Nb1-XO3単結晶基板による第1層上に、バッファ層な
る第2層と、MgOドープのLiTayNb1-yO3によ
る導波層なる第3層とを積層形成し、第2層の屈折率を
低くするよう組成zを調整し第3層にはドーパントを行
い、入射光の周波数ωでの常光屈折率をno(ω)、出射
光の周波数2ωでの異常光屈折率をne(2ω)としたと
き、第2層、第3層の屈折率の関係が、 0<(ne(2ω)−no(ω))(第2層) ≒(no(ω)−ne(2ω))(第3層)≦0.1 ne(2ω)(第2層)<ne(2ω)(第3層) なる条件を満たすように形成し たので、第2高調波発生
のための位相整合条件を容易に満たし得るものとするこ
とができ、第3層での屈折率が入射光の周波数ωでの常
光屈折率をno(ω)、出射光の周波数2ωでの異常光屈
折率をne(2ω)としたときに所定の関係式を満足する
ように形成したので、製造容易な3層構造にして高変換
効率を持つ温度等の変動に強い高信頼性の第2高調波発
生素子を実現でき、波長0.8μm程度なる半導体レー
ザでの角度整合等の不要な直接的な第2高調波発生も可
能となり、さらに、請求項2記載の発明によれば、所定
の元素をドープして第3層を形成したので、第3層の膜
厚方向の屈折率分布が第2高調波発生のための位相整合
条件を満たすような微妙な制御を容易に実現できるもの
である。
関係を示す説明図である。
対比して示す特性図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 非線形光学効果を有する光導波路を用い
た光波長変換素子において、LiTaXNb1-XO3単結
晶基板(但し、0≦x<1)による第1層上に、LiT
aZNb1-ZO3(但し、0≦z<1)によるバッファ層
なる第2層と、MgOをドープしたLiTayNb1-yO
3(但し、0≦y<1)による導波層なる第3層とを積
層形成し、第2層の屈折率を低くするよう組成zを調整
し第3層にはドーパントを行い、入射光の周波数ωでの
常光屈折率をno(ω)、出射光の周波数2ωでの異常光
屈折率をne(2ω)としたとき、第2層、第3層の屈折
率の関係が、 0<(ne(2ω)−no(ω))(第2層) ≒(no(ω)−ne(2ω))(第3層)≦0.1 ne(2ω)(第2層)<ne(2ω)(第3層) なる条件を満たすように形成し たことを特徴とする光波
長変換素子。 - 【請求項2】 第3層にLi,Be,Na,Ni,T
i,V,Nd,Cr,K,Ca,Sr,Ce,Ba,G
e,Alの元素の内の少なくとも一つの元素をドープさ
せたことを特徴とする請求項1記載の光波長変換素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02933891A JP3203003B2 (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | 光波長変換素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02933891A JP3203003B2 (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | 光波長変換素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04254836A JPH04254836A (ja) | 1992-09-10 |
JP3203003B2 true JP3203003B2 (ja) | 2001-08-27 |
Family
ID=12273454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02933891A Expired - Lifetime JP3203003B2 (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | 光波長変換素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3203003B2 (ja) |
-
1991
- 1991-01-30 JP JP02933891A patent/JP3203003B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04254836A (ja) | 1992-09-10 |
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