JP3202859B2 - そば粉およびそば - Google Patents
そば粉およびそばInfo
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Description
いたそばに関する。
を除去した種実(ヌキ)をロール、石臼、衝撃式粉砕機
等の粉砕機で粉砕し篩にかけ、粉区分と、未粉砕物、皮
部とを分離するという操作を繰り返し、製粉され易い内
層の粉から、製粉されにくい外層まで順次採り分けてい
くという方法で行われている。そして、日本そばの製造
に際しては、そのようにして製粉されたそば粉が通常そ
のまま使用されている。
食感を有し、しかも茹で後に多少時間がたってものびの
少ない麺類が求められており、これは日本そばにおいて
も例外ではない。腰の強い歯ごたえのある食感を持たせ
且つのびを少なくするために、日本そばでは、小麦粉、
卵、グルテン、山芋粉、じねんじょ粉等のいわゆるつな
ぎをそば粉に加えること、更にはガム類や乳化剤等の食
感改良剤を添加することが従来行われている。
粉自体の改良でないため、つなぎ等の他の添加成分を加
える手間が必要であり、また場合によってはそれらの添
加成分によりそば本来の風味や味が損なわれたり、添加
成分に基づく異味をそばに生ずるという欠点がある。
添加成分の改良ではなく、そば粉自体によって、腰が強
く、歯ごたえのある良好な食感を有し且つそば本来の風
味を有し、しかも茹で上げ後にのびの少ないそばを得る
ことを目的として、そば粉の研究および改良を続けてき
た。
る特定粒度以下の微粉の含有割合を低減させると、腰が
強く、歯ごたえのある良好な食感を有し且つ風味がよ
く、しかものびの少ない良好なそばが得られることを見
いだした。更に、本発明者らは、微粉の含有割合と共
に、特定粒度以上の粗粉の含有割合をも低減させたそば
粉からは、食感、風味およびのびの点で一層改良された
そばが得られることを見出した。
篩を通過する微粉(以後「25μmスルー微粉」とい
う)の含有率が10重量%(以後単に%という)以下で
あり、且つ目開き106μmの篩上に残留する粗粉(以
後「106μmオーバー粗粉」という)の含有率が2%
未満であることを特徴とするそば粉である。
製造されたそばを包含し、本発明でいう「そば」とは、
いわゆる「日本そば」をさし、生そば、茹そば、乾そ
ば、半乾燥そば、冷凍そば等の従来から知られているそ
ばのいずれをも包含する。
有率が10%を超えると、そばの腰の強さや歯ごたえが
低下して食感が劣ったものになり、またのび易くなる。
そして、106μmオーバー粗粉の含有率が2%以上に
なると、得られるそばはざらついた食感になり易い。
の含有率が一般に約14〜19%であり、また106μ
mオーバー粗粉の含有率が約4%以上である。これに対
して、本発明のそば粉は、通常のそば粉に比べて、25
μmスルー微粉の含有率が3割以上も少なく且つ106
μmオーバー粗粉の含有率が5割以上も少なく、粒度の
揃った均質なそば粉であるということができる。
率を10%以下にするには、ロール、石臼、衝撃式粉砕
機等の粉砕機を使用する通常の製粉法によって得られた
そば粉を、篩分け、空気分級等の適当な方法により分級
処理し、25μmスルー微粉を除去すればよく、それに
より、そば粉における該微粉の含有率を10%以下に低
減することができる。
ー粗粉の含有率を2%未満にするには、上記の方法によ
り25μmスルー微粉を除去する前後に、やはり篩分け
や空気分級等の適当な方法により分級処理して106μ
mオーバー粗粉を除去すればよく、それにより、該粗粉
の含有率を2%未満に低減することができる。
106μmオーバー粗粉の含有率を測定するに当たって
は、減圧吸引式の粒度測定装置を使用するのが便利であ
り、そのような測定装置として、例えばエアージェット
シーブ200LS型(西ドイツ;ALPINE社製)を
挙げることができる。
ば、茹そば、乾そば、半乾燥そば、冷凍そば等を製造す
る場合は、得ようとするそばの種類に応じて、それら各
種のそばに対して従来から知られている製造方法および
製造装置のいずれをも採用することができる。
粉を用いて通常の配合により製造することができる。腰
が強くて歯ごたえがあり、しかものびの少ないそばを得
るには、そば用原料粉の合計重量に基づいて、本発明の
そば粉を30〜70%の割合で含有する原料粉を使用す
るのが好ましい。
小麦粉を通常使用するが、その場合には、本発明のそば
粉と小麦粉とを3:7〜7:3の重量割合で使用してそ
ばを製造するのが、製麺性、得られるそばの食感、食
味、風味等の点から好ましい。小麦粉としては、薄力
粉、中力粉および強力粉のいずれも使用できるが、特に
強力粉が好ましい。
明のそば粉と小麦粉のみからでも、腰が強くて歯ごたえ
があり、且つのびの少ない、食感および風味の極めて良
好なそばを得ることができる。しかしながら、澱粉、食
塩、卵、山芋、じねんじょ、茶粉、布のり、縮合リン酸
塩等の保水剤、乳化剤、蛋白強化剤、栄養強化剤、保存
性向上剤等の他の成分の1種または2種以上を必要に応
じて適宜使用してもよい。
するが、本発明は、それにより限定されない。ここで、
以下の実施例および参考例におけるそば粉の粒度の測定
は、エアージェットシーブ200LS型にを使用して以
下の参考例1に示した方法で測定した。
ルー微粉と106μmオーバー粗粉の含有率の測定]図
1(縦断面図)に示した構造を有する西ドイツALPI
NE社製のエアージェットシーブ200LS型を用いて
目開き25μmの篩を通過する微粉の含有割合を測定し
た。この装置は、円筒形の固定した本体1の内側2に、
フタ4および篩網6を有する直径200mmの円筒形の
篩3が設置されている。本発明における粒度測定におい
ては、まず、篩3として目開き25μmの網篩を使用し
た。
と、バキュームクリーナーに連結された吸込口11から
吸引が行われる。それによって25μmよりも粒径の大
きい粉8が篩網6上に残留し、25μm未満の微粉9が
篩網6を通過して吸込口11より回収される。それと同
時に本体1内の下部には、その中心の回りに180rp
mで回転するノズル5が取り付けられており、ノズル5
は回転しながらジェットエアー10を図内矢印のように
供給して、篩網6の目詰まりを防止する。
に入れ、4500Paで篩網6の下方から吸引しながら
篩分けを行った。篩網6上に残存する粉8の重量が一定
になるまで(約5〜8分)篩分処理を行い、その時点で
篩網6上の粉8の重量を測定してA(g)とした。25
μmスルー微粉の含有率(%)は、次の数式1により求
められる。
A)/10}×100
は、篩3として目開き106μmの網篩6を使用して上
記と同じ操作を行い、網篩6上に残存する粗粉8の重量
を測定してB(g)としたときに、次の数式2により求
められる。
10)×100
って、通常の市販そば粉の粒度を測定したところ、以下
の表1に示すとおりであった。
は、上記したように25μmスルー微粉の含有率が一般
に約14〜19%であり、また106μmオーバー粗粉
の含有率が約4%以上であり、本発明のそば粉に比べて
25μmスルー微粉および106μmオーバー粗粉の含
有率がいずれも極めて多いことがわかる。
機(ターボクラシファイヤーTC15N;日清エンジニ
アリング社製)を用いて、供給量100g/分、吸気速
度2.8m3/分および分級機羽根回転数2000rp
mの条件下に分級処理して微粉を除去した。次いで、そ
の処理物を12NXX篩で篩って粗粉を除いて本発明の
そば粉を得た(回収率63.0%)。このそば粉の粒度
を上記参考例1に記載した方法で測定したところ、下記
の表2に示すとおりであった。
用の強力小麦粉(日清製粉株式会社製;オーション;水
分含量13.0%、粗タンパク質含量13.3%、灰分含
量0.5%)とを、各々30:70、50:50および
70:30の割合で混合した後、水を加えて8分間混合
してそば生地を製造した(生地の水分含量32.8%)。
次に、このそば生地を製麺ロールで整形して約1.45
mm厚の麺帯を製造した後、No.20の切り刃を用いて
生そばを製造した(発明区1〜3)。
(2)におけるのと同様にして生そばを製造した(対照
区1〜3)。
そば、および対照区1〜3の生そば100gずつを充分
量の沸騰水中で4分間茹でた後、速やかに冷水中で冷し
て水を切り、茹で後の重量を量ってその歩留りを測定し
た後、官能試験に供した。官能試験は、茹直後と茹後7
分経過後の麺について、下記の表3に示した評価基準に
したがって10名のパネラーにより行い、その平均値を
採った。なお、茹そばの官能試験では、対照区1〜3の
そばの官能試験の評点を標準点である3点とし、対照区
との比較のもとに各区の点数をつける2点比較方式を採
用した。
用して製造された発明区1〜3のそばは、市販のそば粉
を使用して製造された対照区1〜3のそばに比べて、茹
で直後の歯ごたえおよび歯切れが優れていることがわか
る。また、上記表4の結果から、発明区1〜3の本発明
のそばは、従来のそば粉を使用した対照区1〜3のそば
に比べて、茹後7分後においても、その歯ごたえおよび
歯切れが優れており、のびが少ないことがわかる。
機(ターボクラシファイヤーTC15N;日清エンジニ
アリング社製)を用いて、供給量100g/分、吸気速
度3.0m3/分および分級機羽根回転数1700rp
mの条件下に分級処理して微粉を除去した。次いで、そ
の処理物を12NXX篩で篩って粗粉を除いて本発明の
そば粉を得た(回収率61.0%)。このそば粉の粒度
を上記参考例1に記載した方法で測定したところ、下記
の表5に示すとおりであった。
用の強力小麦粉(日清製粉株式会社製;オーション)と
を、各々30:70、50:50および70:30の割合
で混合した後、実施例1におけるのと同様にして、生そ
ばを製造した(発明区4〜6)。
(2)におけるのと同様にして生そばを製造した(対照
区4〜6)。
そば、および対照区4〜6の生そば100gずつを充分
量の沸騰水中で4分間茹でた後、速やかに冷水中で冷し
て水を切り、茹で後の重量を量ってその歩留りを測定し
た後、官能試験に供した。官能試験は、茹直後と茹後7
分経過後の麺について、上記の表3に示した評価基準に
したがって、対照区のそばとの2点比較方式により、1
0名のパネラーに行ってもらい、その平均値を採った。
その結果を下記の表6に示す。
におけるのと同じ条件下で分級処理して微粉を除去して
そば粉(分級処理そば粉)を得た(回収率82.0
%)。この分級処理そば粉の粒度を上記参考例1に記載
した方法で測定したところ、下記の表7に示すとおりで
あった。
用の強力小麦粉(日清製粉株式会社製;オーション)と
を、50:50の割合で混合した後、実施例1における
のと同様にして、生そばを製造した(参考区)。
(2)におけるのと同様にして生そばを製造した(対照
区)。
よび対照区の生そば100gずつを充分量の沸騰水中で
4分間茹でた後、速やかに冷水中で冷して水を切り、茹
で後の重量を量ってその歩留りを測定した後、官能試験
に供した。官能試験は、茹直後と茹後7分経過後の麺に
ついて、上記の表3に示した評価基準にしたがって、対
照区のそばとの2点比較方式により、10名のパネラー
に行ってもらい、その平均値を採った。その結果を下記
の表8に示す。
粉の含有率が10%以下の分級処理そば粉(但し106
μmオーバー粗粉の含有率が2%以上)を使用して製造
された参考区のそばは、市販のそば粉を使用して製造さ
れた対照区のそばに比べて、茹で直後の歯ごたえおよび
歯切れが優れ、また茹後7分後においてもその歯ごたえ
および歯切れが優れており、のびが少ない。但し、上記
の表4および表6の結果と、この表8の結果の対比から
明らかなように、25μmスルー微粉の含有率が10%
以下で且つ106μmオーバー粗粉の含有率が2%未満
である本発明のそば粉を用いて得られるそばは、この参
考例3の分級処理そば粉を用いて得られるそばに比べ
て、食感、風味およびのびの点で一層優れている。
有率が10%以下で且つ目開き106μmの篩上に残留
する粗粉の含有率が2%未満である本発明のそば粉を使
用すると、そば本来の風味を保ちながら、腰が強く、歯
ごたえのあるそばを得ることができる。しかも、本発明
のそばはのびが少なく、茹で上げ後に多少時間が経過し
てもその良好な腰の強さおよび歯ごたえを保ちことがで
きる。本発明は、添加剤によらずにそば粉自体の改良に
よってそばの食感を向上したものであるため、添加剤に
伴う異味をそばに与えることがない。
そば粉の粒度を測定するのに使用したエアージェットシ
ーブ200LS型の縦断面を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 目開き25μmの篩を通過する微粉の含
有率が10重量%以下であり、且つ目開き106μmの
篩上に残留する粗粉の含有率が2重量%未満であること
を特徴とするそば粉。 - 【請求項2】 請求項1のそば粉を使用したそば。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34278193A JP3202859B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | そば粉およびそば |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34278193A JP3202859B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | そば粉およびそば |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07170929A JPH07170929A (ja) | 1995-07-11 |
JP3202859B2 true JP3202859B2 (ja) | 2001-08-27 |
Family
ID=18356453
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34278193A Expired - Lifetime JP3202859B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | そば粉およびそば |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3202859B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008099636A (ja) * | 2006-10-20 | 2008-05-01 | Nitsukoku Seifun Kk | ケーキ類用ソバ粉及びその製造方法 |
CN109363079A (zh) * | 2018-12-14 | 2019-02-22 | 想念食品股份有限公司 | 荞麦面条及其制作方法 |
-
1993
- 1993-12-16 JP JP34278193A patent/JP3202859B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH07170929A (ja) | 1995-07-11 |
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