JP3202574B2 - 光書込み型液晶素子 - Google Patents
光書込み型液晶素子Info
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Description
子に関するものであって、特に投射型の液晶表示装置に
用いられる光書込み型液晶素子に関するものである。
は、例えば特開昭56−43681号公報に開示されて
いる。上記光書込み型液晶素子は、図78に示すよう
に、対向する一対のガラス基板101a・101bが絶
縁性のスペーサシール107・107を介して対向配置
され、その間に、ハイブリッド電界効果モードを用いた
45°にねじったネマティック液晶からなる液晶層10
8を挟持した構造となっている。
(Indium Tin Oxide)膜からなる透明電極102a、C
dS(硫化カドミウム)からなる光導電層103、Cd
Te(テルル化カドミウム)からなる遮光層104、多
層誘導体ミラー層105、SiO2 (二酸化ケイ素)か
らなる不活性絶縁膜106aが順に積層されており、ま
た、他方のガラス基板101b上には、ITO膜からな
る透明電極102b、SiO2 からなる不活性絶縁膜1
06bが順に積層されている。尚、上記不活性絶縁膜1
06a・106bは、液晶層108内の液晶分子を所定
の方向に配向させる配向膜であり、液晶材料と化学的電
気的相互作用がないものとする。また、上記の透明電極
102a・102b間には、光書込み型液晶素子を駆動
するための交流電源109が接続されている。
は、例えば図79に示すように、プロジェクションシス
テムのライトバルブ(LV)112として使用される。
を図78および図79を用いて説明する。先ず、画像形
成手段としてのCRT113から照射された光が、レン
ズ114を通って書込み光110となり、ライトバルブ
112の光書込み側に結像される。
側では、光導電層103に任意の画像の書き込み光11
0が入射されると、光が入射された領域(明状態)では
光電導層103のインピーダンスが減少し、交流電源1
09によって印加されている電圧のバランスがくずれ、
液晶層108の方に電圧がシフトし、この領域の液晶層
108の液晶は電気光学効果を引き起こし偏向する。一
方、光が入射されていない領域(暗状態)では、光導電
層103のインピーダンスは変化せず液晶層108の液
晶の電気光学効果を引き起こすには不十分な電圧とな
る。このように、光の照射の有無に応じた光電導層10
3のインピーダンスの変化を利用して、部分的に液晶に
電気光学効果を生じさせ、液晶層108の液晶を空間的
に偏向させる。
は、読出光源115から照射される読出し光111aが
偏光ビームスプリッタ116を通る際、読出し光111
aが偏光されS偏光成分の読出し光111bだけが偏光
ビームスプリッタ116で反射されライトバルブ112
の読み出し側に入射される。このS偏光成分の読出し光
111bは、液晶層108が電気光学効果を起こしてい
ない領域に入射されても液晶層108で変調されないた
めS偏光のままとなるので、多層誘電体ミラー層105
によって反射されて偏光ビームスプリッタ116に再び
入射される。偏光ビームスプリッタ116に再入射され
た読出し光111bはS偏光であるため偏光ビームスプ
リッタ116により反射され読出光源115に戻され、
スクリーン117上では黒を表示する。液晶層108が
電気光学効果を起こしている領域に入射されると、読出
し光111bは偏光ビームスプリッタ116を透過し、
スクリーン117上に、書込み光110の画像パターン
に合致したパターンが投影される。
電層103に使用されているCdSは、光の入射により
キャリアが発生して電流が流れる速度、即ち光応答速度
が数ミリ秒から数十ミリ秒と遅いため、例えばテレビジ
ョンのような、高速な像の切り替えを必要とする装置に
は不向きであるという問題が生じた。また、CdSは、
暗導電率が大きいためキャリアの横方向拡散が大きくな
り高い解像度を得ることが困難であるという問題が生じ
た。
は、光導電層103と遮光層104と多層誘電体ミラー
層105とが異種の物質であるので、それぞれの層の製
造方法が異なり、各層の格子定数の不整合や熱膨張係数
の違いにより、各層の密着性の低下が起こり、層剥離が
起こり易いという問題があり、光書込み型液晶素子の信
頼性が低下した。また、CdSを使用する場合、それに
含まれる硫黄成分によって真空装置の寿命が低下すると
いう問題も生じた。
度が数十マイクロ秒と早く、且つ素子の再現性に優れて
いる水素化非晶質シリコン膜を採用することが提案され
た。水素化非晶質シリコンは、CdSと同じ可視光波長
領域に最大感度を持ち、また、暗導電率はCdSよりも
小さく10-9Ω-1cm-1以下であるので、光書込み型液晶
素子のコントラストを大幅に改善することができ、解像
度を高くすることができると共に、再現性を向上させる
ことができる。
コンを用いれば、光書込み型液晶素子の性能が大幅に改
善されるが、水素化非晶質シリコンの光感度の不足のた
めに実用化が困難とされていた。光感度は、明時のイン
ピーダンス(Zphoto )と暗時のインピーダンス(Zda
rk)との比(Zdark/Zphoto )として関係づけられ、
この比が大きいほど良い。
リコン(i型)を用いた光導電層では、図80に示すよ
うに、ITO膜に正バイアスを印加したときと負バイア
スを印加したときとでは、暗電流および光電流とも、電
圧−電流密度特性が非対称になっている。
る電流密度の絶対値は、負バイアス時の方が正バイアス
時に比べて大きいことが分かる。これは、負バイアス時
にITO膜からの電子の注入(キャリアインジェクショ
ン)が起こるためだと考えられる。一方、光電流の両バ
イアス時の電流密度は、負バイアス時の方が正バイアス
時に比べて小さいことが分かる。これは、ITO膜の界
面付近に正孔が蓄積され易くなり、光励起された電子と
正孔との再結合(リコンビネーション)が、正バイアス
時よりも負バイアス時の方が起こり易くなり、水素化非
晶質シリコン中のキャリアが減少するためだと考えられ
る。
シリコンを用いた光導電層では、暗時のインピーダンス
が本来の導電率から算出されるインピーダンスよりも小
さくなり、一方、明時のインピーダンスは本来の導電率
から算出されるインピーダンスより大きくなり、この結
果、明暗時のインピーダンス比が小さくなる。これによ
り、光導電層の光感度が不足し、良好な画像を得ること
ができないという問題が生じた。
導電層における光感度の向上を図った素子構造が以下の
各公報に開示されている。
は、光導電層における光感度の向上を図る種々の素子構
造が開示されている。即ち、上記公報には、図81
(a)に示すように、透明電極膜121、金属薄膜12
2、水素化非晶質シリコン膜(i型)123b、水素化
非晶質シリコン膜(n型)123c、遮光層124が順
に積層された素子構造が開示されている。また、上記公
報には、図81(b)に示すように、透明電極膜12
1、水素化非晶質シリコン膜(p型)123a、水素化
非晶質シリコン膜(i型)123b、水素化非晶質シリ
コン膜(n型)123c、遮光層124が順に積層され
た素子構造が開示されている。また、上記公報には、図
81(c)に示すように、透明電極膜121、透明性絶
縁層125、水素化非晶質シリコン膜(i型)123
b、水素化非晶質シリコン膜(n型)123c、遮光層
124が順に積層された素子構造が開示されている。
は、金属薄膜122と水素化非晶質シリコン層(i型)
123bとの接合によりショットキーバリアを形成し、
図81(b)の素子構造では、水素化非晶質シリコン層
はpin構造となり、図81(c)の素子構造では、透
明性絶縁層(I)125と水素化非晶質シリコン層(i
n型)の積層となりIin構造となる。
暗電流密度と明電流密度との関係を図82に示す。これ
ら各素子構造、即ちショットキーバリア構造、pin構
造、Iin構造全てに共通して、透明電極からのキャリ
アインジェクションが阻止できるので、逆バイアスの電
圧を印加したとき、即ち透明電極にマイナス電圧を印加
したときでは、暗電流の電流密度が非常に小さくなって
いる。このことから、逆バイアスに電圧を印加した場合
の暗時のインピーダンスが大きくなっていることが分か
る。また、上述の素子構造では広義な意味でダイオード
になっているので、光電流の絶対値の対称性は良いが、
光が照射されると光導電層内に内部電位が発生し、光電
流のゼロ点が正バイアス方向に数百mV〜1V程度シフ
トしている。
したとき、明時のインピーダンスは、図82に示すよう
に、単にi型の水素化非晶質シリコン膜を用いたときよ
りも小さくなる。また、暗時のインピーダンスは、負バ
イアス時では高抵抗状態となっているが、正バイアス時
では単にi型の水素化非晶質シリコンを用いたときより
も低抵抗状態となる。このため、結局、暗時のインピー
ダンスはi型の水素化非晶質シリコン膜よりも小さくな
る。しかしながら、明時のインピーダンスの減少が大き
く寄与しているので、明暗時のインピーダンス比は、単
にi型の水素化非晶質シリコン膜を用いたときよりも、
上記した素子構造、即ち広義な意味でのダイオード構造
の方が大きくなる。よって、これらの素子構造を用いた
光書込み型液晶素子は、従来のものよりも光感度、コン
トラストを改善することができる。
は、別の“液晶表示素子”が開示されている。上記の液
晶表示素子は、図83に示すように、透明導電性膜13
2aと配向膜133aが積層されたガラス基板131a
と、透明導電性膜132b、無機絶縁膜136bと水素
化非晶質珪素膜137と無機絶縁膜136a、遮光層と
しての読出光反射膜135、配向膜133bが積層され
たガラス基板131bとの間に、液晶層134を挟持し
た構造となっている。
37が無機絶縁膜136bと無機絶縁膜136aとによ
って挟持された構造となっているので、透明導電性膜1
32bからの水素化非晶質珪素膜137へのキャリアイ
ンジェクションを阻止すると共に、読出光反射膜135
からの水素化非晶質珪素膜137へのキャリアインジェ
クションを阻止することができる。これにより、暗時の
両バイアスでのインピーダンスを大きくすることがで
き、この結果、光感度を向上させることができる。
公報に開示されている光導電層の素子構造としての広義
な意味でのダイオードは、ダイオードの整流性と内部電
位の発生により液晶層に常時直流成分がかかることにな
る。このため、液晶層が劣化し表示特性が悪くなるとい
う問題が生じる。
20号公報の素子構造の光導電層によれば、エネルギー
構造が対称型となっているので、書込み光を照射した場
合に生じる内部電位を小さくすることができ、この結
果、液晶層134の劣化を防止することができる。
に、水素化非晶質珪素膜137が無機絶縁膜136bと
無機絶縁膜136aとによって挟持された構造となった
光導電層では、全体のインピーダンスが大きくなってい
るので、整流素子に比べると光導電層側の透明電極13
2bに正バイアスを印加したときの光電流が小さくな
る。したがって、上記の素子構造では、明時のインピー
ダンスを整流素子のように小さくすることができないと
いう問題が生じている。これにより、明時のインピーダ
ンス(Zphoto )と暗時のインピーダンス(Zdark)と
の比(Zdark/Zphoto )が小さくなり、光感度を良好
なものとすることができないとう問題が生じる。
特開平3−223814号公報(特公平7−10452
2号公報)には、半導体の接合界面近傍の半導体の組成
を連続的に変化させることで、接合界面での電荷移動度
の低下を防止し得る光導電層が開示されている。
接合界面での電荷移動度の低下を防止することを目的と
して、半導体の接合界面近傍の半導体の組成を連続的に
変化させており、光の屈折率を考慮して組成を連続的に
変化させていないので、組成変化した部分と透明電極と
の接合界面で光の反射が生じ、このため、光導電層に入
射される光の量が低減し、光導電層の光感度が低下する
という問題が生じる。
のであって、その目的は、高光感度、高解像度、高コン
トラストの光書込み型液晶素子を提供することにある。
晶素子は、対向配置された一対の透明電極基板間に光導
電層と液晶層とが形成された光書込み型液晶素子におい
て、上記光導電層の書込み光の入射側および液晶層側に
は、光導電層の内外へのキャリアの侵入および流出を防
止または抑制すると共に、光導電層に電圧が印加された
とき、光導電層の書込み光入射側領域に液晶層側領域よ
りも多くの電圧を印加させるキャリアブロッキング層が
形成されており、上記キャリアブロッキング層となる空
乏層あるいは最大空乏層が、書込み光入射側領域に形成
される空乏層あるいは最大空乏層の幅をW Ii 、液晶層側
領域に形成される空乏層あるいは最大空乏層の幅をW
BIi としたとき、以下の関係式、W Ii >W BIi を満たす
ことを特徴としている。
の入射側および液晶層側に形成されているキャリアブロ
ッキング層によって、暗時には、電圧印加時に透明電極
および液晶層側からのキャリアの侵入(キャリアインジ
ェクション)や光導電層からのキャリアの流出が阻止ま
たは抑制されるので、光導電層は非常に高抵抗となり、
暗電流が流れにくく高インピーダンスとなる。また、明
時には、キャリアブロッキング層によって、電圧印加時
に光導電層の書込み光入射側領域に多くの電圧を印加さ
せるようになっているので、キャリア発生有効領域に効
率良く電界が印加され、光導電層は低抵抗となり、光電
流が流れやすく低インピーダンスとなる。
い。つまり、光入射側の光導電層では内部電位が発生し
ているが、液晶層側でのキャリア侵入防止層による光感
度を低下させない程度の電圧ロスもあるのでpin型素
子のように内部電位は大きくならない。したがって、内
部電位による液晶層にかかる直流成分を抑制することが
できるので、液晶層の延命化を図ることができ、この結
果、光書込み型液晶素子の長寿命化が可能になる。
時のインピーダンス(Zphoto )と暗時のインピーダン
ス(Zdark)との比(Zdark/Zphoto )が大きくなる
ので、従来のように暗時のインピーダンスを大きくした
場合に比べて光導電層の光感度を向上させることがで
き、この結果、解像度も向上させることができる。ま
た、光導電層のインピーダンス比(Zdark/Zphoto )
が大きくなることで、明時の液晶層にかかる電圧を大き
くすることができ、コントラストを向上させることがで
きる。
コントラストを向上させることができるので、高光感
度、高解像度、高コントラスト、長寿命の光書込み型液
晶素子を提供することができる。さらに、キャリアブロ
ッキング層により形成される空乏層あるいは最大空乏層
が、光導電層の書込み光入射側領域に形成される空乏層
あるいは最大空乏層の幅が、液晶層側領域に形成される
空乏層あるいは最大空乏層の幅よりも大きくなるように
形成されているので、光導電層の書込み入射側領域を液
晶層側領域よりも高抵抗にすることができる。これによ
り、電圧印加時に、光導電層の書込み光入射側に多くの
電圧が印加され、光電流が良く流れるようになり、明時
のインピーダンスを小さくすることができる。したがっ
て、光導電層の明時のインピーダンス(Zphoto )と暗
時のインピーダンス(Zdark)との比(Zdark/Zphot
o )が大きくなるので、従来のように暗時のインピーダ
ンスを大きくした場合に比べて光導電層の光感度を向上
させることができ、この結果、解像度も向上させること
ができる。
置された一対の透明電極基板間に光導電層と液晶層とが
形成された光書込み型液晶素子において、上記光導電層
の書込み光の入射側および液晶層側には、光導電層の内
外へのキャリアの侵入および流出を防止または抑制する
と共に、光導電層に電圧が印加されたとき、光導電層の
書込み光入射側領域に液晶層側領域よりも多くの電圧を
印加させるキャリアブロッキング層が形成されており、
上記キャリアブロッキング層と上記光導電層との接合に
よって形成される空乏層あるいは最大空乏層が、書込み
光入射側領域に形成される空乏層あるいは最大空乏層の
幅をWIi、液晶層側領域に形成される空乏層あるいは最
大空乏層の幅をWBIi としたとき、次の関係式、“WIi
>WBIi”を満たすことを特徴としている。
グ層により形成される空乏層あるいは最大空乏層が、光
導電層の書込み光入射側領域に形成される空乏層あるい
は最大空乏層の幅が、液晶層側領域に形成される空乏層
あるいは最大空乏層の幅よりも大きくなるように形成さ
れているので、光導電層の書込み入射側領域を液晶層側
領域よりも高抵抗にすることができる。
込み光入射側に多くの電圧が印加され、光電流が良く流
れるようになり、明時のインピーダンスを小さくするこ
とができる。したがって、光導電層の明時のインピーダ
ンス(Zphoto )と暗時のインピーダンス(Zdark)と
の比(Zdark/Zphoto )が大きくなるので、従来のよ
うに暗時のインピーダンスを大きくした場合に比べて光
導電層の光感度を向上させることができ、この結果、解
像度も向上させることができる。
2記載の光書込み型液晶素子において、光導電層の少な
くとも書込み光の入射側領域に形成されるキャリアブロ
ッキング層が、絶縁層で構成されていることを特徴とし
ている。
も書込み光の入射側領域に形成されるキャリアブロッキ
ング層が、絶縁層で構成されていることで、電子のトン
ネル現象を除くキャリアの輸送がなくなる。これによ
り、透明電極からのキャリアインジェクションや透明電
極へのキャリアの流出をほぼ完全に阻止することができ
る。
との界面の屈折率の差を小さくすることができるので、
書込み光の界面反射を小さくすることができ、この結
果、書込み光を光導電層に有効に導入することができ
る。
入射側領域に形成されるキャリアブロッキング層が、絶
縁層で構成されていることで、光導電層全体の膜の密着
強度が向上する。
1の光書込み型液晶素子において、上記光導電層の書込
み光の入射側に形成されるキャリアブロッキング層が、
超格子構造で構成されていることを特徴としている。
の入射側に超格子構造を有することによって、従来の光
導電層よりも光吸収係数が増加し、光伝導キャリアが増
大する結果、明時のインピーダンスが従来の光導電層よ
りも小さくなり、明暗時のインピーダンス比が従来より
も大きくなる。さらに、超格子構造では、光導電層(a
−Si:H等)よりもワイドギャップの半導体材料(a
−SiC:H等)を使用するので、その分絶縁性が高く
なることより、光導電層に電圧が印加されたとき、書込
み光入射側領域に液晶層側領域よりも多くの電圧が印加
されるようになる。これらの結果、光書込み型液晶素子
の高感度化、高コントラスト化、高解像度化が可能にな
る。
1の光書込み型液晶素子において、上記光導電層の少な
くとも書込み光の入射側に形成されるキャリアブロッキ
ング層が、p型半導体とn型半導体との積層構造で構成
されていることを特徴としている。
導体との積層構造からなるキャリアブロッキング層を構
成するp型半導体により、光導電層の内外への電子の侵
入および流出が抑制されると共に、このp型半導体に積
層されたn型半導体により、光導電層の内外へのホール
の侵入および流出が抑制される。これにより、暗時には
キャリアの移動がほとんど無くなるので、暗時に非常に
高抵抗にすることができ、したがって明暗時のインピー
ダンス比を従来の光導電層に比べて大きくできる。この
結果、光書込み型液晶素子の高感度化、高コントラスト
化、高解像度化が可能になる。
1、4または5の光書込み型液晶素子において、上記光
導電層の少なくとも液晶層側に形成されるキャリアブロ
ッキング層が、当該光導電層と同じエネルギーギャップ
のp型の半導体で構成されていることを特徴としてい
る。
請求項1、4または5の光書込み型液晶素子において、
上記光導電層の少なくとも液晶層側に形成されるキャリ
アブロッキング層が、当該光導電層よりエネルギーギャ
ップが大きいワイドギャップのi型もしくはp型の半導
体で構成されていることを特徴としている。
れば、光導電層の少なくとも液晶層側に形成されるキャ
リアブロッキング層が、この光導電層よりエネルギーギ
ャップが大きいワイドギャップのi型もしくはp型の半
導体、あるいは光導電層と同じエネルギーギャップのp
型の半導体で構成されていることで、キャリアブロッキ
ング層を光導電層の形成装置において連続成膜すること
ができるので、製造工程の簡略化を図ることができる。
ップの半導体(i型あるいはp型)材料を用いることよ
り、同じエネルギーギャップのp型の半導体を用いた場
合よりも薄膜にすることができる。これにより、駆動時
(電圧印加時)における余分な電圧ロスを無くすことが
でき、光電流を良く流すことが可能である。
1、2、3、6または7の光書込み型液晶素子におい
て、上記光導電層が、書込み光の入射側の透明電極側に
形成された、当該光導電層よりエネルギーギャップが大
きいワイドギャップのi型もしくはp型の半導体とヘテ
ロ接合されている、あるいは当該光導電層と同じエネル
ギーギャップのp型の半導体とホモ接合されていること
を特徴としている。
グ層が光導電層よりエネルギーギャップが大きいワイド
ギャップのi型もしくはp型の半導体、または光導電層
と同じエネルギーギャップのp型の半導体にて構成され
ているので、絶縁層の有無に依らず透明電極からのキャ
リアインジェクションを阻止することができる。この構
成では、光導電層と半導体との接合部に空乏層が形成さ
れ、電圧印加時には液晶層側よりも高い電圧がかかる。
また、キャリアブロッキング層を光導電層の形成装置で
連続的成膜することができるので、光書込み型液晶素子
の製造工程を簡素なものとし、製造に係る費用を低減す
ることができる。
発生層(光導電層)が透明電極と直接接触していないの
で、透明電極との接触によって形成される界面準位の発
生による光電流の低減を無くすことができる。
1、6または7の光書込み型液晶素子において、上記光
導電層の書込み光の入射側に形成されるキャリアブロッ
キング層が、液晶層側に向かってエネルギーギャップが
小さくなるチャープ構造のi型またはp型の半導体であ
ることを特徴としている。
キャリアブロッキング層を上記のようなチャープ構造と
することで、透明電極あるいは絶縁層と接する界面にホ
ールが蓄積される部分を無くすことができる。これによ
り、光導電層で発生した電子がホールと再結合するのを
抑制することができ、光電流を良く流すことができる。
したがって、光導電層の光感度を向上させることができ
るので、光書込み型液晶素子の光感度およびコントラス
トを向上させることができる。
も光導電層に向かって変化させることができるので、書
込み光の反射を抑えることができ、この結果、書込み光
の有効利用ができるようになり、光感度を向上させるこ
とができる。
項1、2、3、4、5、6、7、8または9の光書込み
型液晶素子において、上記光導電層の書込み光の入射側
領域のドナー密度をNDI、液晶層側領域でのドナー密度
をNDLC としたとき、次の関係式、“NDI<NDLC ”を
満たしていることを特徴としている。
の入射側領域のドナー密度を、液晶側領域でのドナー密
度より小さくすることで、光導電層の透明電極側領域に
形成される空乏層幅あるいは最大空乏層幅が、光導電層
の液晶層側領域に形成される空乏層幅あるいは最大空乏
層幅よりも大きくなる。これにより、光導電層の書込み
光の入射側領域の方が、液晶層側領域よりも高抵抗とな
り、電圧が多く印加される。したがって、光導電層は、
光電流が多く流れるので、光導電層の光感度を向上させ
ることができる。
配置された一対の透明電極基板間に光導電層と液晶層と
が形成された光書込み型液晶素子において、上記光導電
層の書込み光の入射側および液晶層側には、光導電層の
内外へのキャリアの侵入および流出を防止または抑制す
るキャリアブロッキング層が設けられており、当該キャ
リアブロッキング層がp型半導体とn型半導体との積層
構造で構成されていることを特徴としている。
の入射側および液晶層側に形成された両方のキャリアブ
ロッキング層が、p型半導体とn型半導体との積層構造
である。上記のp型半導体によって光導電層の内外への
電子の侵入および流出が抑制されると共に、このp型半
導体に積層されたn型半導体によって光導電層の内外へ
のホールの侵入および流出が抑制される。これにより、
暗時にはキャリアの移動がほとんど無くなるので、暗時
に非常に高抵抗にすることができ、したがって明暗時の
インピーダンス比を従来の光導電層に比べて大きくでき
る。この結果、光書込み型液晶素子の高感度化、高コン
トラスト化、高解像度化が可能になる。
いし図16、図71および図72に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。尚、本実施の形態を説明する前
に、透明電極間に、光導電層と液晶層とを挟持した構造
の光書込み型液晶素子に使用されるキャリアブロッキン
グ層の設計等の一般的な説明を行なう。
られていたが、本願では、CdSよりも光応答速度が速
い等の理由から、CdSの代わりに水素化非晶質シリコ
ン膜(a−Si:H膜)を使用する。
が大きい程コントラストが高くなり画像の表示品位を向
上させることができる。この光感度は、明時のインピー
ダンス(Zphoto )と暗時のインピーダンス(Zdark)
との比(Zdark/Zphoto )と関係づけられ、この比が
大きいほど良いことが分かっている。
電層として使用した場合、光感度の不足によるコントラ
ストの低下等の問題が生じる。これは、前述の通り、伝
導型が真性の水素化非晶質シリコン膜を用いた光導電層
では、透明電極に正バイアス電圧を印加したときと負バ
イアス電圧を印加したときとでは、暗電流および光電流
とも、電圧−電流密度特性が非対称になるためである。
いた光導電層では、暗時のインピーダンスが本来の導電
率から算出されるインピーダンスよりも小さくなり、明
時のインピーダンスは本来の導電率から算出されるイン
ピーダンスより大きくなり、この結果、明暗時のインピ
ーダンス比が小さくなる。このため、光導電層の明暗時
のインピーダンス比が小さくなるので、光感度が不足
し、良好な画像を得ることができないという問題が生じ
る。
大きくするには、透明電極側からのキャリアインジェク
ションと、光導電層と液晶層との間に形成された遮光層
からのキャリアインジェクションとを阻止し、暗時にお
いても明時においても両バイアス時における電圧−電流
密度特性の対称性を得ることが必要となる。
クションの阻止は、透明電極と光導電層との間に、絶縁
物を介在させる、光導電層よりもエネルギーギャップが
大きいヘテロ系の半導体で高抵抗のn型かi型のものを
介在させる、或いはホモやワイドヘテロ系の半導体でp
型のものを介在させることで行なうことができる。
ョンの阻止は、遮光層と光導電層との間に絶縁層を入れ
るか、光導電層よりもエネルギーギャップが大きいヘテ
ロ系の半導体で低抵抗過ぎないn型、i型またはp型の
ものを入れることで行なうことができる。また、光導電
層と同じ材料を用いる場合には、p型半導体を入れるこ
とによって遮光層からのキャリアインジェクションを阻
止することができる。
ェクションと遮光層からのキャリアインジェクションと
を阻止するためには、それぞれ特有のブロッキング膜を
用いるが、一般に、キャリアインジェクションの絶対値
は透明電極側からと遮光層側からとでは異なり、遮光層
側からのキャリアインジェクションの方が大きい。この
ため、遮光層からのキャリアインジェクションを阻止す
るためには、ブロッキング膜と光導電層のエネルギーバ
ンド構造が対称である場合では遮光層側のブロッキング
膜を強く、即ちキャリアインジェクションを強固に阻止
する必要がある。
遮光層側との両方向からのキャリアインジェクションを
阻止することで、暗時のインピーダンスが大きくなり、
光書込み型液晶素子としては好ましいが、反面、明時の
インピーダンスは広義な意味でのダイオード素子のもの
に比べて光電流が減少(特に正バイアス時の光電流の減
少が著しい)するため大きくなる。このため、上記の方
法では、結局、明暗時のインピーダンス比は広義な意味
でのダイオード素子と比べて変わらないかやや小さくな
る。
ェクションを阻止するだけでなく、明時には広義な意味
でのダイオード素子と同程度の光電流を発生させる必要
がある。
導電層を実現させるためには、次に示す(a)〜(d)
の何れかの構成を採用する等によって、遮光層側の高抵
抗領域よりも透明電極側の高抵抗領域の方が広範囲とな
るようにし、透明電極側に形成される高抵抗領域の方に
遮光層側よりも電圧が多く加わるようにすれば良い。
もさらに強調(不純物ドープ量の増加、膜厚を厚くする
等)されたp層を作成し、これとi型光導電層との接合
によりデプレッションレイヤー(非常に高抵抗な領域:
空乏層領域)を透明電極側に形成する。
合、絶縁層の膜厚を従来の膜厚よりも厚くし、これと光
導電層との接合により非常に高抵抗な領域を形成する。
ギャップよりも大きいヘテロ系の材料を用いる場合に
は、高抵抗なn型層かi型層(いずれも従来のものより
も膜厚は厚くする)を用い、これと光導電層との接合を
利用し高抵抗な領域を形成する。
ギャップよりも大きいヘテロ系の材料としてp層を用い
る場合、従来よりも強調されたp層を用い、これとi型
の光導電層とを接合してデプレッションレイヤーを形成
する。
る電圧に偏りを生じさせる、即ち、透明電極側に形成さ
れる高抵抗領域の方に遮光層側よりも電圧が多く加わる
ようにすれば、明時には広義な意味でのダイオード素子
の特性に極めて近い特性を示し、明時のインピーダンス
は小さくなる。且つ、暗時にはキャリアインジェクショ
ンを阻止することができるので、暗時のインピーダンス
は従来の素子よりも大きくなる。したがって、明暗時の
インピーダンス比は、従来のどの素子よりも大きくなり
理想的な光導電層を作成することができる。
方法は、次の通りである。
用いるか、光導電層のエネルギーギャップよりも大きい
ヘテロ系の材料(高抵抗なn型層かi型層またはp型
層)を用いるか、光導電層と同じエネルギーギャップの
材料ならば高抵抗過ぎない抵抗値のp型層を用いるかに
よって、キャリアブロッキング層を設ける。
遮光層との間に設けていたキャリアブロッキング層(例
えば絶縁層か光導電層のエネルギーギャップよりも大き
いヘテロ系の材料を用いる場合には高抵抗なn型層かi
型層またはp型層、あるいは光導電層と同じエネルギー
ギャップの材料を用いる場合にはp型層)を、光導電層
の内部に設ける。
る。上記の構成では、光導電層側のキャリアインジェク
ションは透明電極側のキャリアブロッキング層により阻
止でき、遮光層側からのキャリアインジェクションは光
導電層内のキャリアブロッキング層により阻止できるの
で、両バイアス時で高抵抗状態となる。したがって、こ
の素子の暗電流は、ほとんど流れない。また、光導電層
では、透明電極側から書込み光が入射されると、当該光
が光導電層内で指数関数的に吸収されるので、透明電極
に近い程、多くのフォトキャリアが生成される。従っ
て、光導電層内におけるフォトキャリアの生成量が多く
ない遮光層寄りの領域にキャリアブロッキング層を設け
ても、光導電層のフォトキャリア生成の点では特に問題
にならない。
アブロッキング層を設けても、キャリアブロッキング層
が遮光層と光導電層との間に入っているものと同様、両
バイアス時とも光電流はよく流れる。
射による内部電位の大きさが従来の素子に比べて非常に
小さくなり、明時に液晶層に直流成分(DCバイアス)
がほとんど残らず、信頼性の高い光書込み型液晶素子が
実現できる。
のキャリアブロッキング層の設計について、図16を参
照しながら以下に説明する。尚、以下の説明において、
透明電極201はITO膜とSnO2 膜からなる積層膜
とし、光導電層202は透明電極201側からp型a−
Si:H膜203a、i型a−Si:H膜204、p型
a−Si:H膜203bを順に積層した積層膜とし、遮
光層205としてはa−SiGe:H膜とする。また、
外部印加電圧に関して、先ずは直流電圧の場合について
説明し、次に交流電圧の場合について説明する。
て光導電層202と同じ材料を用いた場合について説明
する。この場合、光導電層202内の透明電極201側
と遮光層205側とに形成される空乏層をブロッキング
層とするものである。
01とp型a−Si:H膜203aとの接合によって形
成されるa−Si:H膜203a側の空乏層が、透明電
極201側のキャリアブロッキング層としての役割を果
たすためには、以下の(1)式によって与えられる空乏
層幅の膜厚が最低必要になる。
Si:H膜の誘電率、ND は透明電極201中のドナー
密度、NA はp型a−Si:H膜203a中のアクセプ
ター密度、Vbiは透明電極201とp型a−Si:H膜
203aとの接合によって形成される拡散電位、Vは外
部印加電圧、qは素電荷である。また、Vbiは、以下の
(2)式によって与えられる。
真性キャリア密度である。したがって、(1)式で与え
られるWpは外部印加電圧Vに依存することが分かる。
特に、SnO2 側を負のバイアスに印加したとき空乏層
幅が減少する。このように、空乏層幅が減少すると透明
電極201から光導電層202へのキャリアインジェク
ションが起こり易くなる。このことを防ぐために、透明
電極201側に、負のバイアスが印加されているときの
空乏層幅を加えることによってキャリアインジェクショ
ンを抑制する。このとき加えられる透明電極201側の
空乏層幅は、上記(1)式によって求められる。
物性パラメータによる項を一つにまとめてαとし、以下
の(3)式に示す。
v=0 と、外部印加電圧がある場合の空乏層幅:Wp
v=Vappの差:ΔWpは、上記(3)式を用いて、以下の
(4)式に示す。
クションを阻止するためのp型a−Si:H膜203a
の厚さは、WpとΔWpを加えた厚さになる。
i:H膜203aは、i型a−Si:H膜(実際は若干
n型)204との接合、即ちpi接合によって空乏層を
形成させ、この空乏層に電圧を掛ける目的もある。ここ
では、p型a−Si:H膜203a(p層)とi型a−
Si:H膜204(i層)の接合により形成されるp層
側の空乏層幅とi層側に形成される空乏層幅について説
明する。pi接合によるp層側の空乏層幅:Dpは、以
下の(5)式の理論式によって与えられる。
度、Vbiはp型a−Si:H膜203aとi型a−S
i:H膜204との接合によって形成される拡散電位で
ある。上記の(5)式から分かるように、p層側の空乏
層幅Dpは、外部印加電圧に依存する。しかし、透明電
極201とp型a−Si:H膜203aとの接合の場合
とは異なり透明電極201側に負のバイアスを印加した
ときにはDpが増加するようになっているので、特に意
図的にp型a−Si:H膜203aの膜厚を増やすよう
なことはしなくても良い。
される空乏層幅Dnは、以下の(6)式によって与えら
れる。
乏層について説明する。
ェクションを阻止するために、i型a−Si:H膜20
4と遮光層205(a−SiGe:H膜)との間に設け
るp型a−Si:H膜203bの膜厚について説明す
る。a−SiGe:H膜とp型a−Si:H膜203b
との接合によりp型a−Si:H膜203b側に形成さ
れる空乏層幅:WBSi は、以下の(7)式の理論式によ
り与えられる。
a−SiGe:H膜中のドナー密度である。このよう
に、上記(7)式により算出される空乏層幅WBS i は、
遮光層205側からのキャリアインジェクションを阻止
するために最低必要な膜厚となる。
a−Si:H膜204との接合部近傍においても空乏層
が発生するので、この空乏層の幅も考慮する必要があ
る。そこで、p型a−Si:H膜203bとi型a−S
i:H膜2 04との接合によって形成されるp型a−S
i:H膜203bの空乏層幅:DB p は、以下の(8)
式の理論式によって与えられる。
幅:DB i は、以下の(9)式の理論式によって与えら
れる。
BSi に、上記(8)式および(9)式で求められる空乏
層幅DB p およびDB i を加えた膜厚が光導電層202
の遮光層205側に形成されるキャリアブロッキング層
の膜厚となる。
実際に駆動されるとき、光導電層202に印加される電
圧が、空乏層の領域にかかるようになっている。また、
書込み光の照射によって光導電層202において形成さ
れるキャリアは、透明電極201側から遮光層205側
に向かって指数関数的に減少するので、効率良く光電流
を得るには、透明電極201側に印加される電圧を遮光
層205側のそれよりも大きくする必要がある。このよ
うに光導電層202の透明電極201側に印加する電圧
をより大きくするには、光導電層202の透明電極20
1側に形成される空乏層幅を、光導電層202の遮光層
205側に形成される空乏層幅よりも大きくする必要が
ある。以下に、光導電層202の透明電極201側の空
乏層幅を遮光層205側のそれよりも大きくする方法を
示す。
膜203a中のアクセプター密度を大きくし、pi接合
によって生じる拡散電位を大きくする。尚、透明電極2
01側のp型a−Si:H膜203a中のアクセプター
密度を小さくする場合には、p型a−Si:H膜203
aの膜厚を厚くすれば良い。
膜204中のドナー密度を小さくし、pi接合によって
形成される空乏層幅を大きくする。
膜203aの膜厚を、透明電極201に外部電圧が印加
されないときの空乏層幅の理論値よりも大きくする。こ
れにより、特にpi接合に逆バイアスの電圧が印加され
て減少する空乏層幅が考慮される。
透明電極201側に設けられたp型a−Si:H膜20
3aは、透明電極201側からのキャリアインジェクシ
ョンを阻止するだけでなく、透明電極201側の空乏層
を大きくすることで光導電層202の透明電極201側
の領域に重点的に電圧を印加することができる。
側の領域に重点的に電圧を印加させるためには、光導電
層202の遮光層205側に設けられたp型a−Si:
H膜203bと遮光層205との接合によって形成され
る空乏層幅とp型a−Si:H膜203bとi型a−S
i:H膜204との接合によって形成される空乏層幅を
できるだけ小さくして余分な電圧ロスを防止することに
よっても可能となる。以下に、電圧ロスを最小に抑える
方法を示す。
膜203b中のアクセプター密度を、透明電極201側
のp型a−Si:H膜203a中のアクセプター密度よ
りも小さくし、pi接合によって生じる拡散電位を透明
電極201側のpi接合によって生じる拡散電位よりも
小さくする。
膜203bの膜厚を、遮光層205との接合によって形
成されるp型a−Si:H膜203bの空乏層幅とpi
接合によって形成されるp型a−Si:H膜203bの
空乏層幅とを加えたものとする。尚、上記の各空乏層
は、外部印加電圧が無い場合の理論値とする。
205側でのドナー密度を、透明電極201側でのドナ
ー密度よりも大きくし、pi接合によって形成される空
乏層幅を、透明電極201側のpi接合によって形成さ
れる空乏層幅よりも小さくする。
て遮光層205側のキャリアブロッキング層は、単に遮
光層205からのキャリアインジェクションを阻止する
だけでなく、遮光層205側でのキャリアブロッキング
層としての空乏層幅をできるだけ小さくして、余分な電
圧ロスを抑制している。これにより、光導電層202の
透明電極201側の領域に重点的に電圧を印加すること
ができる。
あるが、上記理論を交流電圧に適用しても同様の効果を
得ることができる。これは、一般に空乏層が静電容量を
有することに起因し、単に静電容量の直列接続の場合な
らば静電容量が小さい方が電圧の印加が大きくなるため
である。この空乏層の静電容量:Cは、以下の(10)
式の基礎理論式によって与えられる。
た、コンデンサーのインピーダンス:Zは、以下の(1
1)式の交流の基礎理論式によって与えられる。
は交流の駆動周波数である。上記(11)式に(10)
式を代入すると、以下の(12)式となる。
は比例関係となっていることが分かる。したがって、透
明電極201側のpi接合によって形成される空乏層幅
を、遮光層205側に形成される空乏層幅よりも大きく
するという意味は、ここにある。
て説明する。光導電層202の透明電極201側のpi
接合による空乏層の静電容量:CWPi と、遮光層205
側のpi接合による空乏層の静電容量:CDBpiとは、以
下の(13)式および(14)式の理論式によって与え
られる。
度であるが、(13)式中のND と(14)式中のND
とでは、その絶対値は異なる。即ち、i型a−Si:H
膜204中のドナー密度は、透明電極201側と遮光層
205側とで異なっており、(13)式中のND <(1
4)式中のND の関係が常に成り立つようになってい
る。また、p型a−Si:H膜203a・203b中の
アクセプター密度NA は、ND や空乏層幅との関係によ
ってある程度自由に選択できるようになっている。さら
に、上記CWPi とCDBpiとの大小関係は、常に、CWPi
<CDBpiを満足させる必要がある。
る場合、厳密には、透明電極201とp型a−Si:H
膜203aとの接合による空乏層(Wp)の静電容量
と、遮光層205とp型a−Si:H膜203bとの接
合による空乏層(WBSi )の静電容量とを考慮する必要
がある。しかしながら、これらの空乏層の幅は、上記し
た光導電層202の透明電極201側のpi接合による
空乏層および遮光層205側のpi接合による空乏層の
幅と比較して、非常に小さいので、分配される電圧も極
めて小さくなることから無視しても差し支えない。
i:H膜203aの代わりにp型のワイドギャップ半導
体を用いた場合の空乏層幅と、この空乏層の静電容量に
ついて説明する。
の膜厚は、このワイドギャップ半導体とi型a−Si:
H膜204との接合によって形成される空乏層幅によっ
て決まるものであり、ワイドギャップ半導体に形成され
る空乏層幅分の膜厚が必要となる。
iC:H膜を用いた場合について説明する。このa−S
iC:H膜を用いたときのワイドギャップ半導体に形成
される空乏層幅:WpSiC は、以下の(15)式の理論
式によって与えられる。
Siは、以下の(16)式の理論式によって与えられる。
が印加される領域は、上記(15)式および(16)式
によって求められる空乏層幅の領域となる。この空乏層
幅の静電容量:Cwpiは、以下の(17)式によって
与えられる。
層としてのp型a−Si:H膜203aの代わりにワイ
ドギャップ半導体を用いた場合、上記(15)式、(1
6)式および(17)式によって求められる空乏層幅お
よび静電容量に基づいて、ワイドギャップ半導体の膜厚
の設計ができる。このワイドギャップ半導体の膜厚の設
計にあたっては、上記と同様、光導電層202の透明電
極201側により高い電圧を印加させるため、透明電極
201側の静電容量Cwpiを遮光層205側の静電容
量よりも小さくすることが必要である。
電層202の透明電極201側および遮光層205側に
絶縁膜(図示せず)を用いた場合について説明する。
ネル現象を除けばキャリアの輸送は無いと考えられる。
これにより、絶縁膜と半導体との接合によって形成され
る空乏層幅(WISi )や静電容量(CISi )は、以下の
(18)式および(19)式によって与えられる。
ある。また、φS は表面ポテンシャルであり、下記の
(20)式にて示される。
光層205側より高い電圧を印加させるためには、光導
電層202の透明電極201側の空乏層幅を、遮光層2
05側の空乏層幅よりも大きくする必要がある。そこ
で、以下にその方法を示す。
するa−Si:H膜203aのドナー密度を、遮光層2
05側の絶縁膜と接合するa−Si:H膜203bのド
ナー密度よりも小さくする。
の厚みを、遮光層205側に設ける絶縁膜の厚みよりも
大きくする。
の誘電率を、遮光層205側に設ける絶縁膜の誘電率よ
りも小さくする。
いれば、透明電極201側の空乏層幅を大きくすること
や静電容量を小さくすることができ、遮光層205側で
の余分な電圧ロスを防ぐことができる。これにより、光
導電層202の透明電極201側に遮光層205側より
高い電圧を印加することができる。
絶縁膜をキャリアブロッキング層として設けた場合、遮
光層205側にワイドギャップ半導体や伝導型の異なる
同じ材料の半導体をキャリアブロッキング層として設け
た場合、あるいは透明電極201側にワイドギャップ半
導体や絶縁膜とワイドギャップ半導体との積層膜をキャ
リアブロッキング層として設けた場合であっても、光導
電層202の透明電極201側に形成される空乏層幅を
遮光層205側に形成される空乏層幅よりも大きくする
か、あるいは光導電層202の透明電極201側に形成
される空乏層の静電容量を遮光層205側に形成される
空乏層の静電容量よりも小さくすることで、光導電層2
02の透明電極201側に高い電圧が印加されるように
なっている。
層202は、明時には広義な意味でのダイオード素子の
特性に極めて近い特性を有し、明時のインピーダンスは
小さくなる。また、透明電極201および遮光層205
からのキャリアインジェクションを阻止することができ
るので、暗時のインピーダンスは、従来の素子よりも大
きくなる。この結果、明暗時のインピーダンス比は、従
来のどの素子よりも大きくすることができるので、理想
的な光導電層202を得ることができ、この光導電層2
02を使用した光書込み型液晶素子の性能を大幅にアッ
プすることができる。
導電層202であっても、光照射による内部電位の大き
さは従来の素子に比べて非常に小さくなり、明時に液晶
層に直流成分(DCバイアス)が余りかからない。した
がって、この光導電層202を使用すれば、信頼性の高
い光書込み型液晶素子が得られる。
ング層を有する光導電層を備えた光書込み型液晶素子と
しては、次の2種類の構造が考えられる。即ち、一つ
は、キャリアブロッキング層を光導電層の両側に設けた
ものである。もう一つは、透明電極側のキャリアブロッ
キング層を光導電層の端部に設ける一方、遮光層側のキ
ャリアブロッキング層を光導電層の内部に設けたもので
ある。この2つの構造の光書込み型液晶素子におけるエ
ネルギーバンドダイヤグラムを、図4(a)ないし図4
(c)、図5(a)ないし図5(c)、図71および図
72に示す。
73の両側にキャリアブロッキング層72・74が設け
られた素子構造のエネルギーバンドダイヤグラムを示
す。尚、図71は、成膜時におけるエネルギーバンドダ
イヤグラムであり、これが熱平衡状態に達すると図4
(a)に示すエネルギーバンドダイヤグラムになる。ま
た、図5(a)ないし図5(c)は、一方のキャリアブ
ロッキング層74が光導電層73a・73b間に設けら
れた素子構造のエネルギーバンドダイヤグラムを示す。
尚、図72は、成膜時におけるエネルギーバンドダイヤ
グラムであり、これが熱平衡状態に達すると図5(a)
に示すエネルギーバンドダイヤグラムになる。
造では、図4(a)に示す熱平衡状態、図4(b)に示
す正バイアス印加状態、図4(c)に示す負バイアス印
加状態から、暗時の場合には、正バイアス時も負バイア
ス時もキャリアブロッキング層72・74によって透明
電極71および遮光層75からのキャリアインジェクシ
ョンが阻止されていることが分かる。これによって、光
導電層73の暗状態の部分は、非常に高抵抗となり暗電
流が流れにくいハイインピーダンスの状態となる。一
方、明時の場合には、光導電層73の透明電極71側に
遮光層75側よりも広い空乏層が形成されているので、
光導電層73の透明電極71側に多く電圧が印加され、
光電流を効率良く得ることができ、しかも内部電位の大
きさも小さくなっている。これによって、光導電層73
の明状態の部分は、インピーダンスが従来の素子構造の
ものに比べて小さくなっている。また、図5(a)ない
し図5(c)に示す素子構造においても、同様の効果を
得ることができる。
のインピーダンス比は従来開発されたもの(広義な意味
でのダイオード素子も含めて)よりも大きくなり、光感
度を大幅に改善することができる。この結果、光書込み
型液晶素子に本発明の素子を適用すると光導電層の光感
度の向上に伴い光書込み型液晶素子としても光感度が改
善できる。
比が大きくなることで特に明時の液晶層にかかる電圧が
大きくなりコントラストが従来のものよりも大きくな
る。さらに、従来の素子に比べて内部電位の発生が小さ
くなるため液晶層にかかる直流成分を抑制することがで
き光書込み型液晶素子の長寿命化が可能になる。
って、光導電層の光感度が良くなるので、低い駆動電圧
によっても光書込み型液晶素子の動作が可能になり、光
書込み型液晶素子の駆動電圧の低電圧化を可能にし、こ
の結果、省電力化を可能にする。また、この光導電層は
温度依存性の大きい整流性の素子ではないので、温度に
対しての性能のブレが非常に小さく、この結果、温度依
存性も小さくなる。
ャリアブロッキング層として絶縁膜を用いた素子構造を
有する光書込み型液晶素子についての説明を行ない、他
の素子構造については、実施の形態2以下に示す。
は、図3に示すように、液晶ライトバルブ(光書込み型
液晶素子)1を備えている。この液晶ライトバルブ1
は、光の入射によりインピーダンスが変化する光導電
層、前面側から入射してくる光(読出し光R)を反射す
る光反射層、および液晶層を有しており、背面側から書
込み光Wを受けると、その領域が、光導電層のインピー
ダンスの変化により液晶層部分においてその配向状態、
つまり光学的特性を変えるという機能を有している。即
ち、液晶ライトバルブ1は、CRT等の画像形成デバイ
スからの書込み光Wが入射されると、書込み画像に応じ
て液晶が変調される。尚、上記液晶ライトバルブ1の光
導電層についての詳細は後述する。
としてハイブリッドフィールドエフェクトモード(以
下、HFEモードと略記)によって駆動される。このた
め、液晶ライトバルブ1の前面には、偏光ビームスプリ
ッタ2が配されている。そして、読出し光源5から発せ
られ、レンズ6にて集光される読出し光Rを、偏光ビー
ムスプリッタ2で直接偏光して液晶ライトバルブ1に入
射させるようになっている。
ライトバルブ1との対向位置には、レンズ3が配され、
さらにこのレンズ3の前方には、スクリーン4が配され
ている。
装置では、CRT等の画像形成デバイスからの書込み光
Wが、液晶ライトバルブ1の背面側に入射され、液晶ラ
イトバルブ1に画像が形成される。一方、読出し光源5
から照射される光は、レンズ6で集光された後、偏光ビ
ームスプリッタ2で直接偏光されて読出し光Rとして、
液晶ライトバルブ1の前面側に入射される。入射された
読出し光Rは、液晶ライトバルブ1内の光反射層によっ
て前面側に再び反射される。このとき、液晶ライトバル
ブ1の液晶層のうち、書込み光Wを受けた画素に対応す
る液晶層部分では、液晶の配向状態が変化している。し
たがって、この画素部分に入射された読出し光Rは、光
反射層により反射された後、入射時と偏光方向が変わっ
ており、偏光ビームスプリッタ2を透過することができ
る。この透過光は、レンズ3で拡大され、スクリーン4
に照射される。
晶ライトバルブ1がHFEモードによって駆動されてい
るので、液晶層内では、正の誘電異方性をもつネマティ
ック液晶が45°にねじられた配向状態となっており、
液晶層に電圧が印加されている場合、液晶分子は電界応
答し基板法線方向にティルトして行き、入射した光は液
晶分子のティルトとツイストからくる複屈折効果と反射
により偏光方向が回転する。この回転を受けた光が偏光
ビームスプリッタ2を透過しスクリーン4は明状態にな
る。一方、電圧が印加されない場合、液晶の旋光性によ
って、液晶層に入射された光は、反射されても入射時の
偏光方向が保持されるため偏光ビームスプリッタ2を透
過できないので、画像が投射されずにスクリーン4上は
暗状態となる。以上のことから、液晶ライトバルブ1に
形成された画像が、レンズ3を介してスクリーン4に拡
大投影されるようになっている。
ついて以下に説明する。
に、絶縁性透明基板としてのガラス基板11a・11b
を、絶縁性の樹脂等からなるスペーサシール20・20
を介して対向配置し、その間に液晶層22を挟持した構
造となっている。
W)の入射面側に光の反射を防止する反射防止膜12a
が形成されている。また、ガラス基板11aの反射防止
膜12aの形成面と反対面側には、ITO膜13aとS
nO2 膜14とからなる透明電極31、キャリアブロッ
キング層15、光導電層16、キャリアブロッキング層
17、遮光層18、多層膜誘電体ミラー層19、配向膜
21aが順に積層されている。
1aと同様に光(読出し光R)の入射面側に光の反射を
防止する反射防止膜12bが形成されている。また、ガ
ラス基板11bの反射防止膜12bの形成面と反対面側
には、ITO膜13b、配向膜21bが順に積層されて
いる。
ラス基板11bのITO膜13bとには、図示しない電
源が接続されており、液晶ライトバルブ1を駆動するよ
うになっている。
により透明電極31およびITO膜13bに電圧が印加
された状態で、書込み光Wがガラス基板11a側から入
射されると、入射された書込み光Wの光の強度に応じ
て、光導電層16内にキャリアが発生する。これによっ
て、キャリアの発生した部位に対応した液晶層22の液
晶の配向状態が変わる、即ち変調される。この状態で、
読出し光Rがガラス基板11b側から入射されると、液
晶層22内で電界が印加された部位で読出し光Rが偏光
される。そして、偏光された読出し光Rは、多層膜誘電
体ミラー層19にて反射され、再びガラス基板11bか
ら出射される。
法について、以下に説明する。
ニング社製7059研磨ガラスからなるガラス基板11
a上に、スパッタリング法により、In2 (Sn)O3
からなるITO膜13aを1000Å、SnO2 (アン
チモン(sb)ドープ)膜14を300Å積層して透明
電極31を形成し、この上に電子ビーム(EB)蒸着法
によりTiO2 からなる無機絶縁膜としてのキャリアブ
ロッキング層15を850Åの厚さに蒸着した。
法)により水素化非晶質シリコン層からなる光導電層1
6を次のようにして厚さ10μm堆積した。即ち、光導
電層16は、SiH4 ガスを反応炉に導入し、高周波電
力(13.56MHz)を印加してグロー放電分解し、
a−Si:H膜を堆積した。このようにして得られたa
−Si:H膜は、優れた光導電性を示し、電気測定した
場合、σdark(暗導電率)=2.0×10-12 Ω-1cm
-1、σphoto (明導電率、250μW/cm2照射下)
=2.4×10-7Ω-1cm-1である。
法によりTiO2 からなる無機絶縁膜としてのキャリア
ブロッキング層17を前記のキャリアブロッキング層1
5の蒸着と同条件で300Åの厚さに蒸着した。
8をプラズマCVD法により5000Å堆積した。即
ち、遮光層18は、SiH4 ガスとGeH4 ガスとを反
応炉に導入し、グロー放電分解し、a−SiGe:H膜
を堆積した。こうして得られたa−SiGe:H膜は優
れた遮光性を示す。即ち、a−SiGe:H膜は、光波
長650nmに対してα(光吸収係数)=1.9×10
5 cm-1を示す。
膜と高屈折率材料の膜とを光学条件λ/4=(nd)で
交互に積層してなる多層膜誘電体ミラー層19を形成し
た。ここでは、EB蒸着法により、低屈折率材料の膜と
してSiO2 (二酸化ケイ素)膜と高屈折率材料の膜と
してTiO2 (二酸化チタン)膜とを交互に積層して1
2層に堆積した。SiO2 膜の膜厚およびTiO2 膜の
膜厚は、読出し光Rの中心波長によって決定される。例
えば、読出し光Rの中心波長が550nmの場合(緑領
域の波長の光)では、SiO2 膜の膜厚が940Å、T
iO2 膜の膜厚が590Åとなる。
ポリイミド膜からなる配向膜21aを印刷法により70
0Å形成する。このようにして形成された配向膜21a
は、ラビング工程を通じて配向処理が施される。
ス基板11b上に、スパッタリング法により、透明電極
31としてのIn2 (Sn)O3 からなるITO膜13
bを1000Å積層する。この上に、配向膜21bを配
向膜21aと同様の方法で700Å形成し、ラビング工
程を通じ配向処理を施す。尚、上記のガラス基板11b
は、ガラス基板11aと同様のコーニング社製7059
研磨ガラスを使用する。
のラビング方向は、一方に対して45°回転させたアン
チパラレル方向とする。
即ちガラス基板11a側にスペーサを散布し、ガラス基
板11aとガラス基板11bとをスペーサシール20・
20を介して貼り合わせる。こうして基板を貼り合わせ
て得られる3μmのセル厚領域に、正の屈折率異方性を
もつ液晶を真空注入して、光書込み型液晶素子としての
液晶ライトバルブ1を得る。
光導電層16近傍のエネルギーバンドダイヤグラムは、
図1に示すように、光導電層16の両側に設けられたキ
ャリアブロッキング層15およびキャリアブロッキング
層17で伝導帯の下端のエネルギー準位が高くなってい
る。この場合、上記したように、キャリアブロッキング
層15の厚みは850Å、キャリアブロッキング層17
の厚みは300Åとなっている。これは、遮光層18側
のキャリアブロッキング層17は、遮光層18からのキ
ャリアインジェクションを阻止するだけの膜厚にしてい
るのに対し、透明電極31側のキャリアブロッキング層
15は、透明電極31からのキャリアインジェクション
を阻止するだけでなく光導電層16の透明電極31側に
高抵抗領域を形成させるための膜厚を必要としているた
めである。
素子の光書込み側の光導電層と遮光層18との積層膜の
明暗時のインピーダンスと、光書込み型液晶素子をプロ
ジェクションとして用いた場合の読み出し光の反射特性
について、図6ないし図9に基づいて以下に説明する。
ピーダンスと交流電圧との関係を図6に示す。尚、光書
込み型液晶素子に対して、駆動周波数560Hzの交流
電圧を0.2V〜8.0Vまで変化させて印加するもの
とする。
圧には関わらず7×106 Ωの一定値をとり、明時のイ
ンピーダンスは印加電圧が大きくなるに伴い大きくなっ
ていることが分かる。実際に、光書込み型液晶素子とし
て、この積層膜に印加される電圧は暗時でおよそ3.0
V、明時でおよそ1.5V程度である。従って、Zphot
o (書込み光強度:250μW/cm2 )=8×10
5 Ω、Zdark=7×106Ωとなるので、明暗時のイン
ピーダンス比は8.75となり、従来のもの(後述の表
2に示す比較例参照)よりもインピーダンス比が大きく
なっている。
での電流密度を明暗時について測定した結果を、図7お
よび図8に示す。尚、図7は、光導電層16のみの電流
密度を示し、図8は、光導電層16と遮光層18とを積
層した状態での電流密度を示すものとする。
場合と、光導電層16と遮光層18とを積層した場合と
も、暗時では、両バイアスで高抵抗を示し、しかも対称
的な状態となっていることが分かる。
なり、内部電位I、I’の発生も0.4Vと小さくなっ
ていることが分かる。これにより、内部電位による液晶
層22にかかる直流成分を抑制することができるので、
液晶層22の延命化を図ることができ、この結果、光書
込み型液晶素子の長寿命化が可能になる。
反射率との関係、即ち反射特性で示されるように、矩形
波の印加電圧5V時の暗時における反射率は最低(ボト
ム)になり、一方、明時(書込み光強度:250μW/
cm2 )の反射率は最高(ピーク)になる。光導電層の光
感度が大幅に改善されたことで、このようにある印加電
圧で暗時のボトムと明時のピークが一致する反射率特性
を示すようになり、これによって、コントラストが向上
する。実際に、上記構成の光書込み型液晶素子では、コ
ントラスト200を実現した。
従来のものよりも大きく、且つ明時のインピーダンスが
従来のものよりも小さいため、生成されたキャリアの横
方向の拡散が抑制され、この結果、解像度は向上する。
解像度測定では100lp/mmが得られた。
電極31としてIn2 (Sn)O3とSnO2 :Sbの
積層膜を用いたが、これに限定するものではなく、この
他にZnO:AlやZnO:BやCdO:AlやCd
O:B等をスパッタリング法で成膜しても良い。このと
きの成膜法としては、EB法を用いても良い。更に、こ
れらの膜は、単膜でも積層膜でも良い。
に絶縁膜を形成する場合にTiO2を870Å堆積した
が、材料も膜厚もこれに限定するものではなく、例えば
材料にCeO2 等を用いても良く、また、膜厚も34n
m〜136nm程度の範囲であれば良い。
料の屈折率に注目する)とその膜厚との組み合わせによ
って、書込み光の反射を抑制することができ、この結
果、書込み光を有効に光導電層に導くことができること
が分かっている。したがって、光書込み型液晶素子の光
感度を良くするためには、本実施の形態における素子構
造の光書込み型液晶素子では、上記のように書込み光を
有効に利用することができる絶縁膜を使用している。
性を満足すると共に、書込み光を有効利用できる絶縁膜
の構造、素材、膜厚等の具体的な例を表1に示す。
pin型素子用い、表1に示された絶縁膜を用いない場
合、書込み光が光導電層に何%透過しているか調べた。
但し、書込み光のガラス基板との反射分のおよそ4%は
測定に含まない。このガラス基板の書込み光の反射を小
さくするには、書込み光側のガラス基板表面に空気(屈
折率1)とガラス(屈折率1.52)の屈折率の間の材
料をλ/4条件で蒸着することで実現している。一方、
読み出し光の反射も、上記した書込み光側の反射を抑制
する光学条件を用いて小さくしている。
を図11に示す。ここでは、上記実施の形態に従い透明
電極31の膜厚は、同条件で1300Åとした。図11
から分かるように、比較例のpin素子を用いた光導電
層では波長600〜700nmの書込み光の平均透過率
は88.5%となり、10%以上の書込み光をロスして
いることが分かる。一方、上記の表1に示した絶縁膜を
使用した場合の光導電層の書込み光の透過率を図10に
示す。この図10から分かるように、表1に示す絶縁膜
を用いた光導電層では波長600〜700nmの書込み
光のロスは1%以下に抑えられ、書込み光が有効に光導
電層に導かれていることが分かる。
子の比較例として光導電層にa−Si:Hからなるpi
n型の素子を用いた場合の光書込み型液晶素子の反射率
特性および光導電層のインピーダンスについて、図12
および図13に基づいて説明する。
り、i層の膜厚は上記実施の形態と同じ10μmとし、
p層の膜厚は200Å、n層は1000Å堆積してい
る。その他の製造に関する条件は本願の実施の形態に示
したように同じとした。
暗時のインピーダンスを本発明の素子と比較すると、p
in型素子では暗時のインピーダンスが本発明の素子の
インピーダンス(図6)よりも小さくなっていることが
分かる。さらに、pin型素子では、印加電圧依存性
(印加電圧に逆比例しインピーダンスが小さくなる現
象)が観測される。一方、明時のインピーダンスは本発
明の素子と同程度となっていることが分かる。
光導電層(図9)と比較した結果、以下のことが分かっ
た。
幅のマージンが小さい。
ボトムと同一電圧値になっていない。
型液晶素子は、必要な書込み光の強度(読み出し光がお
おむね最大となるような書込み光の強度)が“450μ
W/cm2 ”と光感度が低く、また、コントラストも“1
50”と低く、また、内部電位(0.7V)も発生す
る。
子の他の比較例として、光導電層にエネルギーバンドダ
イヤグラムのエネルギー構造が対称型となるキャリアブ
ロッキング層を用いた場合の光書込み型液晶素子の反射
率特性および光導電層のインピーダンスについて、図1
4および図15に基づいて説明する。
縁膜としての酸化ケイ素を使用し、その膜厚を300Å
とした。光導電層のi層は、a−Si:H膜を使用し、
その膜厚を10μmとした。その他の製造に関する条件
は実施の形態1に示したように同じとした。
フから、この光導電層の明暗時のインピーダンスは、本
願の光導電層と較べて、暗時のインピーダンスはpin
型素子のように印加電圧依存性は無いものの、本願の光
導電層(図6)のようなインピーダンスとはならず、ま
た、明時のインピーダンスは、本願の光導電層あるいは
pin型素子のように低インピーダンスとはならないこ
とが分かる。
明時の反射率のピークが暗時の反射率のボトムと同一電
圧値になっていないことが分かる。このため、対称型素
子を用いた光書込み型液晶素子は、必要な書込み光の光
強度が“600μW/cm2 ”と光感度が低く、また、コ
ントラストも“150”と低い。
る。
造の光導電層と本願の素子構造の光導電層の明暗時のイ
ンピーダンス比を較べた場合、本願の素子構造の光導電
層の方が大きくなることが分かる。このことにより、本
願の光導電層を光書込み型液晶素子に用いれば、光感度
を大幅に改善することができ、この結果、コントラスト
や解像度も向上させることができる。また、本願の素子
構造の光導電層では、キャリアインジェクションが起こ
らないように設計されているため比較例のpin型素子
構造の光導電層に示されるような整流性は無いので、温
度依存性と寿命も著しい改善を実現することが可能とな
る。
型のa−Si:H膜を用いたが、これに限定するもので
はなく、例えばP−CVD成膜中に少量のB2 H6 を導
入して成膜したa−Si:H膜やa−Si:F:H膜で
あっても良い。さらに、a−Si:H膜やa−Si:
F:H膜に少量のBを添加したものであっても良い。
膜を用いる場合、そのP−CVD法による成膜法として
は、SiH4 とSiF4 を導入し成膜する方法やSiH
4 とSiF4 とH2 を導入し成膜する方法あるいはSi
F4 とH2 を導入し成膜する方法がある。このa−S
i:F:H膜は、本実施の形態に示したa−Si:H膜
よりも書込み光の波長600〜700nmでの吸収係数
が少し大きいことが分かっている。吸収係数が大きけれ
ば、光導電膜に入射された書込み光が実施の形態で示し
たものよりも高抵抗領域での生成キャリアが増加し電界
によるエネルギー利得を受けるキャリア数が増えるの
で、光導電率が増加する。また、a−Si:F:H膜
は、a−Si:H膜に較べて光劣化(Staebler
Wronski効果:光を照射すると明導電率、暗導
電率共に低下する現象)が抑制できる効果がある。さら
に、このa−Si:F:H膜は、成膜速度を上げても光
導電特性が劣化しない効果があるので、光導電層が膜厚
(数μm〜20μm)となっても高速成膜が可能にな
る。
プタを少量添加した場合もa−Si:H膜に少量のB等
を添加した場合と同様の効果がある。
B等を添加したa−Si:F:H膜を光導電層として用
いた光書込み型液晶素子は、光感度やコントラストや解
像度が向上するだけでなく高品質な状態で長寿命化が可
能となる。
あるので、光吸収層(キャリア発生層)として書込み光
のほとんどを吸収する膜、即ち透明電極31側の絶縁層
上の光導電層に少量B添加のa−Si:H膜やa−S
i:F:H膜や少量B添加のa−Si:F:H膜を用い
ても良く、また、キャリア輸送層としては実施の形態に
示したa−Si:H膜を用いても良く、これらのいずれ
の組み合わせであっても良い。
Hに限定するものではなく、例えば有機材料やサーメッ
トでも良い。
インピーダンスの遮光材料を使用する必要がある。しか
しながら、高インピーダンスの遮光材料を使用すれば、
光導電層に電圧が印加されにくくなる。このため、従来
では、解像度を犠牲にして、遮光層には低インピーダン
スの材料を使用し、光導電層に電圧が印加され易くし、
光感度を向上させるようになっていった。ところが、本
実施の形態の光導電層の素子構造によれば、光感度が向
上しているので、遮光層18に高インピーダンスの材料
を使用しても良いようになり、遮光層18に、従来より
も高インピーダンスの材料を使用できるようになり、こ
の点からも高解像度が実現できるようになった。
層19は、読み出し光が可視光の緑領域で設計している
が、これに限定するものではなく、例えば、青領域や赤
領域でも同じようにλ/4条件で設計しても良く、光学
膜厚に従って堆積する。上記多層膜誘電体ミラー層19
は、低屈折率材料の膜としてSiO2 膜を用い、また、
高屈折率材料の膜としてTiO2 膜を用いているが、こ
れに限定するものではない。したがって、低屈折率材料
としては、例えばBaF2 、NaF、MgF2、AlF
3 、CaF3 、SrF2 、LiF、Na3 AlF6 、N
a5 Al3 F14を用いることができる。また、高屈折率
材料としては、例えばLaF3 、Y2 O3 、WO3 、S
c2 O3 、PbF2 、NdF3 、Sm2 O3 、Pr6 O
11、MoO3 、La2 O3 、Eu2 O3 、Bi2 O3 、
ZnS、ZnO、NdO3 、CeF3 、Al2 O3 、M
gO、HfO2 、Si3 N4 、ZrO2 、Sb2 O3 、
Ta2 O5 、CeO2 を用いることができる。
膜誘電体ミラー層19は、吸湿によるインピーダンス低
下や反射率低下や反射波長が変化する等問題があるの
で、膜の充填率を高くする成膜条件を用いて堆積した
り、EB蒸着時にイオンビームおよび中和用電子ビーム
を同時に照射し膜の充填率を高くできるイオンアシスト
蒸着法(IAD)を用いる必要がある。
示モードはHFEモードであるが、これに限定するもの
でなく、例えば垂直配向性のECB(電界制御型複屈
折)モード、PDLC(ポリマー分散型液晶)モード、
FLC(強誘電性液晶)モード、FC(相転移型液晶)
モード、DS(動的散乱型液晶)モード、あるいはGH
(ゲスト・ホスト)モードを用いても良い。
子を駆動するために500Hzの矩形波を用いたが、交
流周波数であれば、120Hz〜30kHz程度の範囲
であれば良い。また、駆動波形も矩形に限定するもので
はなく、例えば周期を持つ関数で定義できる交流の駆動
波形であれば良い。
に、光導電層16の両側にキャリアブロッキング層15
・17を設けた構造により、透明電極31および遮光層
18からの光導電層へのキャリアインジェクションを防
止することを特徴としており、このため、光導電層16
は、i型のa−Si:H膜によって構成されており、こ
のi型のa−Si:H膜中のドナー密度はほぼ均一とな
るように形成されている。
ナー密度を、透明電極31側よりも遮光層18側の方が
大きくなるように形成することで、光導電層の透明電極
31側に設けられている絶縁層と光導電層との接合によ
る最大空乏層幅が、遮光層18側に設けられている絶縁
層と光導電層との接合による最大空乏層幅よりも大きく
なり、したがって、透明電極31側の静電容量が、遮光
層18側の静電容量よりも小さくなり、これによって光
導電層の透明電極31側に高い電圧が印加される。この
ような効果を奏する素子構造について以下の実施の形態
2にて説明する。
について図17(a)ないし図19に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。尚、説明の便宜上、上記実施の
形態1と同一機能を有する部材には、同一番号を付記
し、その説明は省略する。以下の各実施の形態において
も同様とする。
は、i型のa−Si:H膜のドナー密度を、透明電極3
1側よりも遮光層18側の方が大きくなるように形成さ
れており、その光導電層16のエネルギーバンドダイヤ
グラムは、図17(b)および図17(c)に示すよう
になる。尚、図17(a)は、上記実施の形態1の光導
電層16のエネルギーバンドダイヤグラムを示すもので
ある。
アグラムは、光導電層のドナー密度が、透明電極31側
から遮光層18側に向かって連続して増加するようにし
た構造の光導電層16’を備えた素子構造のものであ
り、また、図17(c)に示すエネルギーバンドダイア
グラムは、光導電層のドナー密度が、透明電極31側か
ら遮光層18側に向かって段階的に増加するようにした
構造の光導電層16’’を備えた素子構造のものであ
る。
電層の製造方法について説明する。このように、光導電
層16’のドナー密度を、透明電極31側から遮光層1
8側に連続的に増加させるための、光導電層16’の製
造方法には、少なくとも以下に示す3つの製造方法があ
る。
けてドナー添加量を順に増加させる方法。
けて補償用のアクセプターを添加し、その後ドナーを添
加する方法。このとき、光導電層の所定位置までアクセ
プターの添加量を減少させて、その後、遮光層18側に
向かってドナーの添加量を増加させる。
けて補償用のアクセプターの添加量を減少させる方法。
このとき、透明電極31側の絶縁層と接合する光導電層
は、非常に高抵抗な伝導型がn型とする。
の製造法について説明する。a−Si:H膜は、プラズ
マCVD法(化学気相成長法)により成膜され、堆積し
た膜厚が10μmとなった。この場合、反応炉に、Si
H4 ガスを一貫して1000sccmを導入した状態
で、ドナー添加のためにPH3 ガス(H2 で1%に希釈
されたもの)を供給する。このとき、透明電極31側の
キャリアブロッキング層15上の成膜開始時にはPH3
ガスの供給量をゼロとし、成膜開始後、a−Si:Hの
成膜と共にPH3 ガスの供給量を増加させ、最終的に
は、遮光層18のキャリアブロッキング層17との接合
する時点でPH3 ガスの供給量を10sccmとする。
のドナー密度は、透明電極31側のキャリアブロッキン
グ層15に接合する領域ではおよそ1016cm-3とな
り、遮光層18のキャリアブロッキング層17に接合す
る領域ではおよそ1018cm-3程度となった。
の製造法について説明する。反応炉に、SiH4 ガスを
一貫して1000sccmを導入した状態で、補償用の
アクセプター添加のためのB2 H6 ガスを添加し、その
後、ドナー添加のためのPH3 ガスを添加する。このと
き、透明電極31側のキャリアブロッキング層15上の
成膜開始時にはアクセプター供給量を10sccmと
し、成膜時間とともに減少させ、光導電層16の中程で
供給量をゼロとし、この地点からドナー添加のためのP
H3 ガス(H2 で1%に希釈されたもの)の供給を開始
し、徐々に増やして、最終的に遮光層18側のキャリア
ブロッキング層17に接合するところでPH3 ガスの供
給量を10sccmとする。
のドナー密度は、透明電極31側のキャリアブロッキン
グ層15に接合する領域ではおよそ1015cm-3とな
り、遮光層18のキャリアブロッキング層17に接合す
領域ではおよそ1018cm-3程度となった。
膜の製造法について説明する。反応炉に、SiH4 ガス
を一貫して1000sccmを導入した状態で、補償用
のアクセプター添加のためのB2 H6 ガスを添加する。
このとき透明電極31側のキャリアブロッキング層15
上の成膜開始時にはアクセプター供給量を10sccm
とし、成膜時間とともに減少させ、最終的に遮光層18
側のキャリアブロッキング層17に接合するところでB
2 H6 ガスの供給量をゼロとする。
のドナー密度は、透明電極31側のキャリアブロッキン
グ層15に接合する領域ではおよそ1015cm-3とな
り、遮光層18のキャリアブロッキング層17に接合す
領域ではおよそ1016cm-3程度となった。
16’の何れのa−Si:H膜中のドナー密度も、透明
電極31側より遮光層18側の方が大きくなっており、
これによって、絶縁膜からなるキャリアブロッキング層
15・17との接合によって形成される最大空乏層幅を
透明電極31側の方を大きくすることができ、この結
果、光導電層の透明電極31側に高い電圧を印加するこ
とができる。
ドを有する素子構造の光導電層の製造方法について説明
する。
は、a−Si:H膜中のドナー密度が、透明電極31側
から遮光層18側に向かって段階的に増加するように構
成されたものである。つまり、a−Si:H膜は、透明
電極31側の絶縁膜との接合によって形成される最大空
乏層幅よりも大きい領域では、一定のドナー密度で成膜
し、遮光層18に近い領域では、遮光層18側の最大空
乏層にかからないような膜厚の領域でドナー密度を徐々
に大きくし、遮光層18側の最大空乏層の領域では、一
定のドナー密度となるように形成されている。即ち、本
実施の形態では、a−Si:H膜のドナー密度が一段階
で変化する構成となっている。
ナー密度を有する光導電層16’’の製造方法について
以下に説明する。尚、a−Si:Hの膜厚は10μmと
する。
1000sccmを導入した状態で、a−Si:H膜を
7μm成膜する。そして、a−Si:H膜が7μmから
9μmの2μm間に、PH3 ガス(H2 で1%に希釈さ
れたもの)をドナー添加に用い、その供給量を10sc
cmまで徐々に増加させる。その後、膜厚が9μmのと
ころでドナー密度を1018cm-3とし、膜厚10μmま
での1μmをこのドナー添加量のまま成膜する。
くしたい場合には、上記したように補償用のアクセプタ
ー添加を行なえば良い。また、本実施の形態では、a−
Si:H膜中のドナー密度が1段階で変化するようにな
っているが、2段階、3段階等の多段階の変化となって
も同様の効果を得ることができる。
明電極31側のドナー密度(NDI)を遮光層18側のド
ナー密度(NDL)より小さくすることで、透明電極31
側に形成される空乏層幅あるいは最大空乏層幅が遮光層
18側に形成される空乏層幅あるいは最大空乏層幅より
も大きくなる。
方が遮光層18側よりも高電圧が印加されるようになる
ので、図18に示すように、a−Si:H膜の一定のド
ナー密度(ND )よりも光電流が多く流れる。但し、暗
電流は、ドナー密度の差に関わらず同じとなっている。
ドナー密度(NDI)を遮光層18側のドナー密度
(NDL)より小さくした場合(NDI<NDL)、即ちドナ
ー密度を連続的に変化させる場合またはドナー密度を段
階的に変化させる場合と、ドナ密度が一定(ND )の場
合との、必要な書込み光の光強度(光感度)および解像
度の関係を図19に示す。
た。
した場合の方が、ドナー密度一定の場合よりも光感度が
高く(必要な書込み光の光強度が低く)、弱い書込み光
でも良好に画像情報を書込むことができ、解像度も良好
であることが分かる。
のドナー密度が1016cm-3程度であると、絶縁層との
接合によって形成される最大空乏層幅はおよそ1000
0Åとなる。したがって、光導電層の透明電極31側の
ドナー密度を1016cm-3程度とするならば、ドナー密
度を増やすとその分だけ空乏層幅が狭くなるので、透明
電極31側のキャリアブロッキング層15との接合部よ
り膜厚1μmまでの領域では、a−Si:H膜中のドナ
ー密度を増やさない方が望ましい。
のドナー密度が1018cm-3程度であると、絶縁層との
接合によって形成される最大空乏層幅はおよそ1000
Åとなる。したがって、光導電層の透明電極31側のド
ナー密度を1018cm-3程度とするならば、遮光層18
側のキャリアブロッキング層17との接合部より膜厚1
000Åの領域では、a−Si:H膜中のドナー密度を
減少させない方が望ましい。
1側に遮光層18よりも多く電圧が印加されるように、
光導電層内のドナー密度を変化させている。以下の実施
の形態3では、光導電層の透明電極31側に遮光層18
よりも多く電圧を印加させるために、光導電層として、
i型の半導体とこのi型の半導体よりも大きいエネルギ
ーギャップを有するワイドエネルギーギャップの半導体
(以下、ワイドギャップ半導体と称する)とを接合した
もの、i型の半導体とこのi型の半導体と同じエネルギ
ーギャップを有し、その伝導型が異なる半導体とを接合
したもの、あるいはi型の半導体とエネルギーギャップ
が遮光層18側に向かって連続的に小さくなるチャープ
素子構造の半導体とを接合したものを使用した場合につ
いて説明する。
の形態について図20(a)ないし図27(c)および
図70に基づいて説明すれば、以下の通りである。
使用される光導電層に、ワイドギャップ半導体、同じエ
ネルギーギャップを有し、その伝導型が異なる半導体、
エネルギーギャップが遮光層18側に向かって連続的に
小さくなるチャープ素子構造の半導体を使用し、それぞ
れがドナー密度(ND ) の均一なi型の半導体26と接
合した場合のエネルギーバンドを以下に説明する。
の半導体を接合したものを光導電層に使用した場合につ
いて説明する。図20(a)に示すように、ワイドギャ
ップ半導体27は、透明電極31側のキャリアブロッキ
ング層15に接合するようにして設け、透明電極31か
らのキャリアインジェクションを防止し得るエネルギー
構造となっている。このワイドギャップ半導体27によ
って、キャリアブロッキング層15と光導電層との接合
部分に発生する界面準位が、i型の半導体26中に形成
されるキャリア発生有効領域に影響を及ぼさなくなる。
したがって、i型の半導体26内で発生したキャリアが
界面の欠陥にトラップされることがなくなるので、多く
の光電流を流すことができる。
体27にi型の半導体26を接合した光導電層の製造方
法について、以下に説明する。
−SiX C1-X :H(i層で組成x=0.6)を用い、
膜厚は100Åとする。尚、i型のワイドギャップ半導
体27の組成や膜厚は、上記した条件に限定するもので
はなく、多くの光電流を流すための範囲内で他の材料を
用いても良い。代表的なP−CVD成膜条件として、S
iH4 =50sccm、CH 4=20sccm、H2 =
200sccmを反応炉に導入し、グロー放電分解して
堆積した。この条件で堆積したi型a−SiXC1-X :
H膜のドナー密度は1016cm-3であった。
おいては、キャリアブロッキング層15と光導電層との
接合によって形成される最大空乏層幅を考慮して、即ち
空乏層幅を拡げるためドナー密度をできるだけ小さくす
る必要がある。このときのドナー密度は、光導電層のi
型の半導体26であるa−Si:H膜と同程度の1015
cm-3〜1017cm-3の範囲内として、i型のワイドギ
ャップ半導体27を成膜すれば良い。さらに、このi型
のワイドギャップ半導体27の膜厚は、キャリア発生領
域に空乏層を形成させるため、キャリアブロッキング層
15との接合によって形成される最大空乏層幅または空
乏層幅よりも薄くする必要がある。
均一なi型の半導体26を用いているので、エネルギー
準位は、図20(a)に示すように、i型の半導体26
部分においてエネルギー準位が平衡となっている。この
ため、i型の半導体26中で発生したキャリアの移動速
度が均一となり、光電流の流れに限界がある。
Si:H膜中のドナー密度(ND )が透明電極31側か
ら遮光層18側に向かって増加するようにして形成され
たi型の半導体を使用することが考えられる。a−S
i:H膜中のドナー密度(ND)を透明電極31側と遮
光層18側とで異ならせるには、上記実施の形態2で述
べたように、ドナー密度(ND )を連続的に増加させる
方法と、段階的に増加させる方法とがある。
8側に連続的に増加させた場合、そのエネルギー準位
は、図20(b)に示すように、i型の半導体26’部
分が遮光層18に向かって連続的に低下するようになっ
ている。また、ドナー密度を透明電極31側から遮光層
18側に段階的に増加させた場合、そのエネルギー準位
は、図20(c)に示すように、i型の半導体26’’
部分が遮光層18に向かって段階的に低下するようにな
っている。
よりも遮光層18側の方を多くすることで、i型の半導
体26’・26’’中で発生したキャリアの移動速度が
遮光層18側で大きくなるので、光電流を良く流すこと
ができる。
型の半導体とi型の半導体との接合したものを光導電層
に使用した場合について説明する。図21(a)に示す
ように、i型の半導体26とp型の半導体26aとが接
合することで、接合部近傍に空乏層が形成される。これ
により、光導電層の透明電極31側に高い電圧が印加さ
れるようになり、光電流が多く流れる。
の半導体26のドナー密度を変化させることによって達
成される。ドナー密度を透明電極31側から遮光層18
側に連続的に増加させた場合、そのエネルギー準位は、
図21(b)に示すように、i型の半導体26’部分が
遮光層18に向かって連続的に低下するようになってい
る。また、ドナー密度を透明電極31側から遮光層18
側に段階的に増加させた場合、そのエネルギー準位は、
図21(c)に示すように、i型の半導体26’’部分
が遮光層18に向かって段階的に低下するようになって
いる。
よりも遮光層18側の方を多くすることで、i型の半導
体26’・26’’中で発生したキャリアの移動速度が
遮光層18側で大きくなるので、光電流を良く流すこと
ができる。
の半導体を接合したものを光導電層に使用した場合につ
いて説明する。図22(a)に示すように、ワイドギャ
ップ半導体28は、透明電極31側のキャリアブロッキ
ング層15に接合するようにして設け、透明電極31か
らのキャリアインジェクションを防止し得るエネルギー
構造となっている。このワイドギャップ半導体28によ
っても、図22(a)のワイドギャップ半導体27と同
様に、i型の半導体26内で発生したキャリアが界面の
欠陥にトラップされることがなくなるので、高い光電流
を流すことができる。
の半導体26のドナー密度を変化させることによって達
成される。ドナー密度を透明電極31側から遮光層18
側に連続的に増加させた場合、そのエネルギー準位は、
図22(b)に示すように、i型の半導体26’部分が
遮光層18に向かって連続的に低下するようになってい
る。また、ドナー密度を透明電極31側から遮光層18
側に段階的に増加させた場合、そのエネルギー準位は、
図22(c)に示すように、i型の半導体26’’部分
が遮光層18に向かって段階的に低下するようになって
いる。
体28にi型の半導体26を接合した光導電層の製造方
法について、以下に説明する。
iX C1-X :H(組成x=0.6)を用い、膜厚は10
0Åとする。尚、p型のワイドギャップ半導体の組成や
膜厚は、上記した条件に限定するものではなく、多くの
光電流を流すための範囲内で他の材料を用いても良い。
上記のp型のワイドギャップ半導体28としてのp型a
−SiX C1-X :H膜のアクセプター密度は1017cm
-3であった。その上に、i型のa−Si:H膜を実施の
形態2と同様にして成膜し、光導電層とした。
膜厚は、キャリアブロッキング層15とi型の半導体2
6との接合によって形成される最大空乏層幅よりも、p
型のワイドギャップ半導体28に形成される空乏層幅は
できるだけ小さくし、i型の半導体26中に空乏層を薄
く形成する必要がある。また、p型のワイドギャップ半
導体28中のアクセプター密度は、1018cm-3程度が
望ましく、1016cm-3〜1020cm-3の範囲内であれ
ば良い。
23に示すように、光導電層に、i型の半導体のみを使
用した場合、およびi型のワイドギャップ半導体とi型
の半導体とを接合した場合に比べて、光電流の電流密度
が大きくなっている。これは、p型のワイドギャップ半
導体28とi型の半導体26との接合により、空乏層が
形成されるので、光導電層の透明電極31側に高い電圧
が印加されるようになることと、発生したキャリアが界
面準位にトラップされない理由からである。
を、キャリアブロッキング層15の代わりに使用しても
良い。このことについては、後述の実施の形態にて詳細
に述べる。
下、i型チャープ半導体と称する)にi型の半導体を接
合したものを光導電層に使用した場合について説明す
る。図24(a)に示すように、i型チャープ半導体2
9は、一方がi型の半導体26に接合されると共に、他
方が透明電極31側のキャリアブロッキング層15に接
合されており、透明電極31からのキャリアインジェク
ションを防止し得るエネルギー構造となっている。
いることで、書込み光によって生成されるキャリアが光
導電層内から発生し、絶縁層との接合界面において再結
合されなくなる。さらに、生成されたキャリアは、バン
ドの傾斜によりエネルギーを得て透明電極31側に移動
し易くなるので、このことからもキャリアの再結合の確
率を低下させている。
み光が、透明電極31から光導電層の屈折率のそれぞれ
異なる膜で反射し、光導電層への書込み光の入射量が少
なくなる。ところが、チャープ半導体では、光の屈折率
が連続的に、光導電層と同じ屈折率まで変化するので、
書込み光の反射は、少なくなる。つまり、チャープ半導
体では、その組成比が順次変化しているので、界面反射
が小さくなる。このため、書込み光のロスを小さくし
て、光導電層に効率良く導入することができる。
体を用いることで、上記したワイドギャップ半導体を用
いた場合よりも、明時におけるインピーダンスを若干低
くすることができる。このときの書込み光の光強度は2
00μW/cm2 となった。ここで、書込み光強度と読
み出し光の反射率との関係を図70に示す。図70か
ら、チャープ半導体は、従来の対称型およびpin型の
半導体に比べて、書込み光強度が弱くても高反射率とな
っていることが分かる。これにより、チャープ半導体を
用いることにより弱い書込み光であっても有効に利用す
ることができることが分かる。
にi型の半導体26を接合した光導電層の製造方法につ
いて、以下に説明する。
−SiX C1-X :H(i層で組成x=0.6〜1)膜を
用い、膜厚は1000Åとする。但し、i型のチャープ
半導体29の組成や膜厚は、上記した条件に限定するも
のではなく、多くの光電流を流すための範囲内で他の材
料を用いても良い。代表的なP−CVD成膜条件とし
て、成膜開始直後には、SiH4 =50sccmを反応
炉に供給し、膜厚の増加と共に、SiH4 ガスの供給量
を増やし、最終的に供給量を100sccmとする。C
H 4ガスの供給量は、成膜開始直後には20sccmと
し、最終的にはゼロにする。また、H2 ガスの供給量
も、成膜開始直後には200sccmとし、最終的には
ゼロにする。これらのガスを反応炉にてグロー放電分解
して、ベースプレッシャー(PB )=0.92Tor
r、RFパワー=50W、基板温度(Tsub )=300
℃で堆積させた。この条件で堆積したi型のチャープ半
導体としてのi型a−SiX C1-X :H膜(組成x=
0.6〜1)のドナー密度は1016cm-3であった。そ
の上に、i型のa−Si:H膜を実施の形態2と同様に
して成膜し、光導電層とした。
ブロッキング層15と光導電層との接合によって形成さ
れる最大空乏層幅よりも薄く形成する必要がある。ま
た、i型のチャープ半導体29中のドナー密度は、i型
a−Si:H膜と同程度の1015cm-3〜1017cm-3
の範囲内にする必要がある。
i:H膜中のドナー密度(ND )が透明電極31側から
遮光層18側に向かって増加するようにして形成された
i型の半導体26’・26’’を使用することが考えら
れる。a−Si:H膜中のドナー密度(ND )を透明電
極31側と遮光層18側とで異ならせるには、上記実施
の形態2で述べたように、ドナー密度(ND )を連続的
に増加させる方法と、段階的に増加させる方法とがあ
る。
8側に連続的に増加させた場合、そのエネルギー準位
は、図24(b)に示すように、i型の半導体26’部
分が遮光層18に向かって連続的に低下するようになっ
ている。また、ドナー密度を透明電極31側から遮光層
18側に段階的に増加させた場合、そのエネルギー準位
は、図24(c)に示すように、i型の半導体26’’
部分が遮光層18に向かって段階的に低下するようにな
っている。
使用しているが、B等のアクセプタを少量添加したp型
のチャープ半導体を使用しても良い。このときのチャー
プ半導体へのBの添加量は、透明電極31との界面から
i型の半導体26との界面に向かって連続的に減少させ
ても良い。
下、p型チャープ半導体と称する)にi型の半導体を接
合したものを光導電層に使用した場合について説明す
る。図25(a)に示すように、p型チャープ半導体3
0は、一方がi型の半導体26に接合されると共に、他
方が透明電極31側のキャリアブロッキング層15に接
合されており、透明電極31からのキャリアインジェク
ションを防止し得るエネルギー構造となっている。
にi型の半導体26を接合した光導電層の製造方法につ
いて、以下に説明する。
のa−SiX C1-X :H(i層で組成x=0.6〜1)
膜を用い、膜厚は300Åとする。但し、p型のチャー
プ半導体30の組成や膜厚は、上記した条件に限定する
ものではなく、多くの光電流を流すための範囲内で他の
材料を用いても良い。代表的なP−CVD成膜条件とし
て、成膜開始直後には、SiH4 =50sccmを反応
炉に供給し、膜厚の増加と共に、SiH4 ガスの供給量
を増やし、最終的に供給量を100sccmとする。C
H 4ガスの供給量は、成膜開始直後には20sccmと
し、最終的にはゼロにする。また、H2 ガスの供給量
も、成膜開始直後には200sccmとし、最終的には
ゼロにする。アクセプター添加用のPH3 ガスの供給量
は、一貫して50sccmとした。これらのガスを反応
炉にてグロー放電分解して、PB =0.92Torr、
RFパワー=50W、Tsub =300℃で堆積させた。
この条件で堆積したp型のチャープ半導体としてのi型
a−SiX C1-X :H膜(組成x=0.6〜1)のアク
セプター密度は1017cm-3であった。その上に、i型
のa−Si:H膜を実施の形態2と同様にして成膜し、
光導電層とした。
リアブロッキング層15とi型の半導体26との接合に
よって形成される最大空乏層幅よりも薄く形成する必要
がある。また、p型のチャープ半導体30中のアクセプ
ター密度は、1018cm-3程度が望ましく、1016cm
-3〜1020cm-3の範囲内であれば良い。
i:H膜中のドナー密度(ND )が透明電極31側から
遮光層18側に向かって増加するようにして形成された
i型の半導体を使用することが考えられる。a−Si:
H膜中のドナー密度(ND )を透明電極31側と遮光層
18側とで異ならせるには、上記実施の形態2で述べた
ように、ドナー密度(ND )を連続的に増加させる方法
と、段階的に増加させる方法とがある。
8側に連続的に増加させた場合、そのエネルギー準位
は、図25(b)に示すように、i型の半導体26’部
分が遮光層18に向かって連続的に低下するようになっ
ている。また、ドナー密度を透明電極31側から遮光層
18側に段階的に増加させた場合、そのエネルギー準位
は、図25(c)に示すように、i型の半導体26’’
部分が遮光層18に向かって段階的に低下するようにな
っている。
に向かって連続的にエネルギーギャップが減少している
が、例えば遮光層18に向かって段階的にエネルギーギ
ャップが減少するチャープ半導体を使用しても良い。以
下に、段階的にエネルギーギャップが減少するチャープ
半導体(以下、多段階チャープ半導体と称する)につい
て説明する。
の半導体に接合したものを光導電層に使用した場合につ
いて説明する。
チャープ半導体32は、一方がi型の半導体26に接合
されると共に、他方が透明電極31側のキャリアブロッ
キング層15に接合されており、透明電極31からのキ
ャリアインジェクションを防止するエネルギー構造とな
っている。
体32にi型の半導体26を接合した光導電層の製造方
法について、以下に説明する。
てi型のa−SiX C1-X :H(i層で組成x=0.
6、0.8、1)膜を用い、膜厚は1000Åとする。
但し、i型の多段階チャープ半導体32の組成や膜厚
は、上記した条件に限定するものではなく、多くの光電
流を流すための範囲内で他の材料を用いても良い。代表
的なP−CVD成膜条件として、成膜開始直後には、S
iH4 ガスの供給量を50sccmとし、次のステップ
では75sccmとし、最終ステップでは100scc
mとする。CH 4ガスの供給量も多段階としている。即
ち、成膜開始直後にはCH 4ガスの供給量を20scc
mとし、次のステップでは10sccmとし、最終ステ
ップではゼロとする。また、H2 ガスの供給量も多段階
としている。即ち、成膜開始直後にはH2 ガスの供給量
を200sccmとし、次のステップでは100scc
mとし、最終ステップではゼロにする。これらのガスを
反応炉にてグロー放電分解して、PB =0.92Tor
r、RFパワー=50W、Tsub =300℃で堆積させ
た。この条件で堆積したi型の多段階チャープ半導体と
してのi型多段階a−SiX C1-X :H膜(組成x=
0.6、0.8、1)のドナー密度は1016cm-3であ
った。その上に、i型のa−Si:H膜を実施の形態2
と同様にして成膜し、光導電層とした。
は、キャリアブロッキング層15とi型の半導体26と
の接合によって形成される最大空乏層幅よりも薄く形成
する必要がある。また、i型の多段階チャープ半導体3
2中のドナー密度は、i型a−Si:H膜と同程度の1
014cm-3〜1016cm-3の範囲内であれば良い。
i:H膜中のドナー密度(ND )が透明電極31側から
遮光層18側に向かって増加するようにして形成された
i型の半導体28を使用することが考えられる。a−S
i:H膜中のドナー密度(ND )を透明電極31側と遮
光層18側とで異ならせるには、上記実施の形態2で述
べたように、ドナー密度(ND )を連続的に増加させる
方法と、段階的に増加させる方法とがある。
8側に連続的に増加させた場合、そのエネルギー準位
は、図26(b)に示すように、i型の半導体26’部
分が遮光層18に向かって連続的に低下するようになっ
ている。また、ドナー密度を透明電極31側から遮光層
18側に段階的に増加させた場合、そのエネルギー準位
は、図26(c)に示すように、i型の半導体26’’
部分が遮光層18に向かって段階的に低下するようにな
っている。
の半導体に接合したものを光導電層に使用した場合につ
いて説明する。
チャープ半導体33は、一方がi型の半導体26に接合
されると共に、他方が透明電極31側のキャリアブロッ
キング層15に接合されており、透明電極31からのキ
ャリアインジェクションを防止し得るエネルギー構造と
なっている。
体33にi型の半導体26を接合した光導電層の製造方
法について、以下に説明する。
てp型のa−SiX C1-X :H(i層で組成x=0.
6、0.8、1)膜を用い、膜厚は300Åとする。但
し、p型の多段階チャープ半導体33の組成や膜厚は、
上記した条件に限定するものではなく、多くの光電流を
流すための範囲内で他の材料を用いても良い。代表的な
P−CVD成膜条件として、成膜開始直後には、SiH
4 ガスの供給量を50sccmとし、次のステップでは
75sccmとし、最終ステップでは100sccmと
する。CH 4ガスの供給量も多段階としている。即ち、
成膜開始直後にはCH 4ガスの供給量を20sccmと
し、次のステップでは10sccmとし、最終ステップ
ではゼロとする。また、H2 ガスの供給量も多段階とし
ている。即ち、成膜開始直後にはH2 ガスの供給量を2
00sccmとし、次のステップでは100sccmと
し、最終ステップではゼロにする。アクセプター添加用
のB2 H6 ガスの供給量は、一貫して50sccmとす
る。これらのガスを反応炉にて、PB =0.92Tor
r、RFパワー=50W、Tsub =280℃で堆積させ
た。この条件で堆積したp型の多段階チャープ半導体と
してのi型多段階a−SiX C1-X :H膜(組成x=
0.6、0.8、1)のアクセプター密度は1017cm
-3であった。その上に、i型のa−Si:H膜を実施の
形態2と同様にして成膜し、光導電層とした。
は、キャリアブロッキング層15とi型の半導体26と
の接合によって形成される最大空乏層幅よりも薄く形成
する必要がある。また、p型の多段階チャープ半導体3
3中のアクセプター密度は、1018cm-3程度が望まし
く、1016cm-3〜1020cm-3の範囲内であれば良
い。
i:H膜中のドナー密度(ND )が透明電極31側から
遮光層18側に向かって増加するようにして形成された
i型の半導体を使用することが考えられる。a−Si:
H膜中のドナー密度(ND )を透明電極31側と遮光層
18側とで異ならせるには、上記実施の形態2で述べた
ように、ドナー密度(ND )を連続的に増加させる方法
と、段階的に増加させる方法とがある。
8側に連続的に増加させた場合、そのエネルギー準位
は、図27(b)に示すように、i型の半導体26’部
分が遮光層18に向かって連続的に低下するようになっ
ている。また、ドナー密度を透明電極31側から遮光層
18側に段階的に増加させた場合、そのエネルギー準位
は、図27(c)に示すように、i型の半導体26’’
部分が遮光層18に向かって段階的に低下するようにな
っている。
に製造パラメータ、例えば屈折率など最適値を設定しな
がら成膜されているので、エネルギーレベルが連続して
減少するチャープ半導体に比べて、緻密で良質な膜を作
製することができる。また、多段階チャープ半導体で
は、膜厚に比べてエネルギーレベルの変化量が大きくて
も対応できるが、連続チャープ半導体では、対応しきれ
ない場合がある。以下の表4に、これら、多段階チャー
プ半導体と連続チャープ半導体との機能比較を示す。
は、対応しきれないエネルギーレベルの変化量に対して
も多段階チャープ半導体では、対応することができるこ
とが分かる。
導電層では、接合界面において電荷移動度が低下し、こ
れによって、光導電層の応答速度が低下するという問題
が生じる。これに対して、本実施の形態では、半導体同
士の接合界面近傍の半導体の組成を連続的に、しかも光
の屈折率を考慮して組成を変化させている、即ち接合さ
れる半導体(i型の半導体)と同じ屈折になるように組
成を変化させているので、光導電層の応答速度の低下を
防止すると共に、組成変化した部分で光の反射を小さく
し、光導電層に入射される光のロスの低減を図ってい
る。
では、何れも光導電層と透明電極31との間、および光
導電層と遮光層18との間に絶縁膜(キャリアブロッキ
ング層15、キャリアブロッキング層17)が形成され
ている。このように光導電層の両側に絶縁膜を設けるこ
とによって、キャリアインジェクションを阻止すると共
に、書込み光の光導電層での界面反射を小さくするよう
になっている。
るいはキャリアブロッキング層17を設ける代わりに、
i型の半導体と同じエネルギーギャップを有するp型の
半導体又はワイドギャップのp型半導体をキャリアブロ
ッキングのために用いても同様の効果を得ることができ
る。光導電層の製造を考えた場合、キャリアブロッキン
グ層としてp型の半導体を用いる方が、絶縁膜を用いる
よりも望ましい。すなわち、キャリアブロッキング層と
して絶縁膜を形成する場合はEB蒸着を行なうので、光
導電層の製造プロセスが繁雑なものとなるが、キャリア
ブロッキング層としてp型の半導体を用いれば、i型の
半導体と同工程により製造することができる。
アブロッキング層としてp型の半導体を使用した場合に
ついて説明する。
いし図35(c)に基づいて説明すれば、以下の通りで
ある。尚、本実施の形態では、実施の形態1、2、3に
示した各素子構造において、遮光層18側のキャリアブ
ロッキング層17として光導電層を形成するi型の半導
体と同じエネルギーギャップを有するp型の半導体を使
用した光書込み型液晶素子と、遮光層18側のキャリア
ブロッキング層17として光導電層を形成するi型の半
導体よりも大きなエネルギーギャップを有するp型の半
導体を使用した光書込み型液晶素子とについて説明す
る。
同じエネルギーギャップを有するp型の半導体を使用し
た光書込み型液晶素子について説明する。この光書込み
型液晶素子に備えられた光導電層は、図28(a)に示
すように、i型の半導体26が、一方がキャリアブロッ
キング層15を介して透明電極31に接合され、他方が
p型の半導体34を介して遮光層18に接合されてい
る。これにより、透明電極31からのキャリアインジェ
クションは、キャリアブロッキング層15にて阻止する
ことができ、また、遮光層18からのキャリアインジェ
クションは、i型の半導体26とp型の半導体34とで
形成される空乏層によって阻止することができる。
半導体34には、a−Si:Hを用い、その成膜方法に
ついて以下に説明する。膜厚は、150Åとする。尚、
上記のp型の半導体34は、キャリアブロッキング層1
5上にi型の半導体26を成膜した後行なわれるものと
する。このきのi型の半導体26の成膜は、実施の形態
1に記載の方法により成膜するものとする。尚、このp
型の半導体の組成や膜厚は、上記した条件に限定するも
のではなく、多くの光電流を流すための範囲内で他の材
料を用いても良い。代表的なP−CVD成膜条件とし
て、SiH4 =50sccm、H2 =200sccm、
アクセプター添加用のB2 H6 (H2 希釈100pp
m)=50sccmを供給するものとする。これらのガ
スを反応炉に導入し、PB =0.92Torr、RFパ
ワー=50W、Tsub =280℃で堆積した。この条件
で堆積したp型の半導体34としてのp型a−Si:H
膜のアクセプター密度は1017cm-3であった。
i:H膜中のドナー密度(ND )が透明電極31側から
遮光層18側に向かって増加するようにして形成された
i型の半導体を使用することが考えられる。a−Si:
H膜中のドナー密度(ND )を透明電極31側と遮光層
18側とで異ならせるには、上記実施の形態2で述べた
ように、ドナー密度(ND )を連続的に増加させる方法
と、段階的に増加させる方法とがある。
8側に連続的に増加させた場合、そのエネルギー準位
は、図28(b)に示すように、i型の半導体26’部
分が遮光層18に向かって連続的に低下するようになっ
ている。また、ドナー密度を透明電極31側から遮光層
18側に段階的に増加させた場合、そのエネルギー準位
は、図28(c)に示すように、i型の半導体26’’
部分が遮光層18に向かって段階的に低下するようにな
っている。
リアブロッキング層として光導電層を形成するi型の半
導体と同じエネルギーギャップを有するp型の半導体を
使用した光書込み型液晶素子として、図28(a)ない
し図28(c)に示すものの他に、以下の図29(a)
ないし図35(c)に示す素子構造の光書込み型液晶素
子を使用しても良い。尚、これらの素子構造は、上記し
た実施の形態3で説明した図20(a)ないし図22
(c)および図24(a)ないし図27(c)に対応す
るものであって、それぞれのキャリアブロッキング層1
7の代わりにp型の半導体34を使用したものである。
造の遮光層18側のキャリアブロッキング層として光導
電層を形成するi型の半導体よりも大きなエネルギーギ
ャップを有するp型の半導体を用いた絶縁物/i/ワイ
ドp型素子構造(図示せず)の成膜方法について以下に
説明する。尚、上記p型のワイドギャップ半導体とし
て、実施の形態3で使用したp型のワイドギャップ半導
体28を使用するものする。
(組成x=0.8)半導体を用い、膜厚は120Åとす
る。尚、この半導体の組成や膜厚は、上記した条件に限
定するものではなく、多くの光電流を流すための範囲内
で他の材料を用いても良い。代表的なP−CVD成膜条
件として、SiH4 =75sccm、CH4 =10sc
cm、H2 =100sccm、アクセプター添加用のB
2 H6 (H2 希釈100ppm)=50sccmを供給
するものとする。これらのガスを反応炉に導入し、PB
=0.92Torr、RFパワー=50W、Tsub =2
80℃で堆積した。この条件で堆積したp型の半導体3
4としてのp型a−SiX C1-X :H(組成x=0.
8)膜のアクセプター密度は1017cm-3であった。
キャリアブロッキング層として絶縁膜を形成する代わり
にp型の半導体を形成することにより、光導電層の遮光
層18側にキャリアブロッキング層として絶縁膜を形成
した場合と同様の効果を得ることができる。
いた場合は、後述の実施の形態6にて説明する。この場
合、光導電層の薄膜効果(150Å→120Å)があ
り、余分な電圧ロスを無くすことができる。
透明電極31側のキャリアブロッキング層に絶縁物、遮
光層18側のキャリアブロッキング層にp型半導体を用
いた素子では、以下の効果がある。即ち、透明電極31
と光導電層との間には大きな屈折率の差がある。これを
チャープ半導体で対応しようとしても組成比に限界があ
る。したがって、そのワンクッションとして、透明電極
31と光導電層との中間の屈折率を有する絶縁層を介在
させることで、書込み光の界面反射を小さくすることが
できる。さらに、光導電層が膜厚となって、残留熱歪や
残留応力を緩和させるので、膜の密着強度が向上する効
果も有する。
型の半導体を形成する方法と同様の方法で良いので、製
造プロセスも簡略化される。
の形態について図36(a)ないし図39(c)に基づ
いて説明すれば、以下の通りである。
よび実施の形態2、実施の形態3で示される素子構造の
透明電極31側の絶縁膜からなるキャリアブロッキング
層15の代わりに、p型の半導体を使用した光書込み型
液晶素子について説明する。
子構造は、上記実施の形態3の図21(a)ないし図2
1(c)、図22(a)ないし図22(c)、図25
(a)ないし図25(c)、図27(a)ないし図27
(c)に示されるキャリアブロッキング層としてのp型
の半導体、即ち光導電層を形成するi型の半導体と同じ
エネルギーギャップあるいはそれよりも大きなエネルギ
ーギャップを有する半導体を備えている。尚、これらの
素子の製造方法は、上記各実施の形態に記載の方法と
し、また、膜厚やアクセプター密度も各実施の形態に記
載した範囲内であれば良いものとする。
らなるキャリアブロッキング層の代わりにp型の半導体
を使用することで、光導電層の透明電極31側にp型の
半導体とi型の半導体との接合により空乏層が形成され
る。この空乏層によって、光導電層の透明電極31側が
遮光層18側より高抵抗領域となるので、光導電層の遮
光層18側の領域よりも高電圧が印加される。一方、遮
光層18側では、絶縁膜からなるキャリアブロッキング
層17により暗時のキャリアインジェクションを阻止す
ることができる。さらに、遮光層18側のキャリアブロ
ッキング層17によっても光導電層に存在する歪成分を
緩和することができる。したがって、光導電層における
光電流が増加する一方で暗電流が減少し光感度が向上す
ると共に、膜の密着強度も向上する。
の形態について図40(a)ないし図45(c)、図4
6および図69に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
素子構造は、図40(a)に示すように、上記実施の形
態5(図36(a))に示した素子構造の遮光層18側
のキャリアブロッキング層17の代わりにp型の半導体
34を使用した構造となっている。尚、上記の素子構造
の光書込み型液晶素子の製造方法は、上記の各実施の形
態に示す通りであり、反応条件等の製造条件に関しては
各実施の形態中に示された範囲内であれば特に問題とし
ない。
6と同じエネルギーギャップを有するものである。ま
た、遮光層18側のキャリアブロッキング層として、i
型の半導体26よりも大きなエネルギーギャップを有す
るp型の半導体を使用しても良い。
プを有するp型の半導体34を遮光層18側のキャリア
ブロッキング層として使用した場合、その膜厚は、光導
電層のi型の半導体26のドナー密度が1018cm-3、
p型の半導体34のアクセプター密度が1019cm-3の
とき、85Åと設定される。
ルギーギャップを有するp型の半導体(a−SiX C
1-X :H、組成x=0.8)を遮光層18側のキャリア
ブロッキング層として使用した場合、その膜厚は、光導
電層のi型の半導体26のドナー密度が1018cm-3、
p型の半導体34のアクセプター密度が1019cm-3の
とき、65Åと設定される。
遮光層18からのキャリアインジェクションを阻止し得
るエネルギー構造をとり得るための理論値である。この
ことは、理論値は、実施の形態1の理論式によって導か
れたものである。
してp型の半導体を使用する場合には、その膜厚は、光
導電層を構成する半導体のドナー密度およびアクセプタ
ー密度によって左右される。つまり、ドナー密度が大き
くなれば、p型の半導体の膜厚を大きくしなければなら
ないが、アクセプター密度が大きくなればp型の半導体
の膜厚を小さくすることができる。
ギーギャップと同じp型の半導体をキャリアブロッキン
グ層として使用した場合、PーCVD法による成膜にお
いてドーパントガスだけの増加だけで成膜することがで
きるので、ワイドギャップ半導体を用いた場合に比べて
製造方法を簡略化できる。また、遮光層18側に絶縁膜
をキャリアブロッキング層として用いる場合に比べて
も、p型の半導体であれば、i型の半導体の成膜から連
続してキャリアブロッキング層を成膜することができる
ので、製造時間を短縮することができる。
ング層の膜厚と光感度と解像度との関係を図46に示
す。尚、ここでは、キャリアブロッキング層としてp型
の半導体を用いた一般的な例として、図40(a)に示
す素子構造の透明電極31側のキャリアブロッキング層
としてのp型の半導体の膜厚を300Åに設定した時、
遮光層18側のキャリアブロッキング層の膜厚と、光感
度(必要な書込み光の光強度)および解像度との関係を
示す。
ャリアブロッキング層が85Åよりも大きくなると急激
に低下していることが分かる。これは、前述した光導電
層の設計法から導かれる理論値と一致しており、理論値
以上の膜厚では、遮光層18側に余分な空乏層が形成さ
れ、この空乏層により電圧をロスするためである。
ブロッキング層が85Åの時最高になっていることが分
かる。このことも、設計法から導かれる結果と一致して
おり、理論値以下の膜厚では、遮光層18側からのキャ
リアインジェクションが起こり易くなり、キャリアが横
方向に拡散するためである。また、理論値以上の膜厚で
は、遮光層18側に余分な空乏層が形成されることによ
る電圧ロスによって、透明電極31側の書込み光によっ
てキャリアが生成される光導電層に十分な電圧が印加さ
れないからである。
層18側のキャリアブロッキング層の膜厚を上記のよう
に設計することで、遮光層18からのキャリア流入防止
と、光導電層の書込み光入射領域に、液晶層側よりも高
い電圧がかかるようにすることができる。即ち、最適理
論値においては、キャリア流入による横方向拡散が防止
される。そして、遮光層18側に発生する空乏層による
電圧ロスを最低限に抑え、書込み光入射領域に発生する
空乏層に効率良く電圧がかかって、光電流を増大させる
ことができる。
は、図40(a)に示したように、i型の半導体26の
ドナー密度が均一な場合について説明したが、光電流の
流れを良くするために、i型の半導体26のドナー密度
が透明電極31側よりも遮光層18側に大きくなるよう
に構成しても良い。
i:H膜中のドナー密度を透明電極31側と遮光層18
側とで異ならせるには、上記実施の形態2で述べたよう
に、ドナー密度を連続的に増加させる方法と、段階的に
増加させる方法とがある。
8側に連続的に増加させた場合、そのエネルギーバンド
ダイヤグラムは、図40(b)に示すように、i型の半
導体26’部分が遮光層18に向かって連続的に低下す
るようになっている。また、ドナー密度を透明電極31
側から遮光層18側に段階的に増加させた場合、そのエ
ネルギーバンドダイヤグラムは、図40(c)に示すよ
うに、i型の半導体26’’部分が遮光層18に向かっ
て段階的に低下するようになっている。
うに、光導電層として、透明電極31側からp型の半導
体26a、i型の半導体26、p型の半導体28と積層
された素子構造、即ちpip型の素子構造となっている
が、この他の図41(a)ないし図45(c)に示す素
子構造であっても良い。
は、p型の半導体26a、i型の半導体26、p型のワ
イドギャップ半導体28が積層されたp/i/ワイドp
型の素子構造を示し、また、図42(a)ないし図42
(c)には、p型のワイドギャップ半導体28、i型の
半導体26、p型の半導体26aが積層れたワイドp/
i/p型の素子構造を示す。また、図43(a)ないし
図43(c)には、p型のワイドギャップ半導体28、
i型の半導体26、p型のワイドギャップ半導体28が
積層されたワイドp/i/ワイドp型の素子構造を示
し、また、図44(a)ないし図44(c)には、p型
のチャープ半導体30、i型の半導体26、p型の半導
体26aが積層されたチャープp/i/p型の素子構造
を示し、さらに、図45(a)ないし図45(c)に
は、p型のチャープ半導体30、i型の半導体26、p
型のワイドギャップ半導体28が積層されたチャープp
/i/ワイドp型の素子構造を示す。
5(a)には、i型の半導体26のドナー密度が均一な
状態を示し、図41(b)、図42(b)、…図45
(b)には、i型の半導体26のドナー密度を透明電極
31側から遮光層18側に連続的に増加させた状態を示
し、図41(c)、図42(c)、…図45(c)に
は、i型の半導体26のドナー密度を透明電極31側か
ら遮光層18側に段階的に増加させた状態を示すもので
ある。
ング層として、p型のワイドギャップ半導体とp型の半
導体とを使用した場合の遮光層18側のキャリアブロッ
キング層の膜厚と光感度との関係を図69に示す。
を遮光層18側のキャリアブロッキング層として用いた
場合の方が、p型の半導体を遮光層18側のキャリアブ
ロッキング層として用いた場合よりもキャリアブロッキ
ング層の膜厚を薄くすることができる(85Åから65
Å)。これにより、遮光層18側のキャリアブロッキン
グ層によって形成される空乏層をさらに狭くすることが
できるので、電圧ロスが低減し、光感度および解像度を
向上させることができる。
子構造では、一つの製造装置でガス系を変化させるだけ
で成膜できるので、製造方法における簡略化の効果が大
きい。
換えて、p型の多段階チャープ半導体、ワイドギャップ
のp型の連続チャープ半導体、またはワイドギャップの
p型の多段階チャープ半導体を使用した場合について
も、上記した図40(a)ないし図45(c)の素子構
造における効果と全く同一の効果を得ることができる。
は、キャリアブロッキング層として絶縁膜あるいはp型
の半導体の何れかを使用する場合に、キャリアブロッキ
ング層をi型の半導体の両端側に設けた素子構造につい
て説明しているが、以下の実施の形態7ないし実施の形
態10では、遮光層側のキャリアブロッキング層を光導
電層中に設けた素子構造の光書込み型液晶素子について
説明する。
の形態について図47(a)ないし図52(c)に基づ
いて説明すれば、以下の通りである。
電層の素子構造は、図47(a)に示すように、実施の
形態1の図1に示した素子構造の遮光層18側のキャリ
アブロッキング層17が、光導電層16の途中に形成さ
れた構造となっている。
素子の製造方法について以下に説明する。
上に、スパッタリング法により、In2 (Sn)O3 膜
を1000Å、SnO2 :Sb膜を300Å順に積層し
て透明電極51を形成し、この上にEB蒸着法によりT
iO2 膜からなるキャリアブロッキング層52をベース
プレッシャー(PB )=1×10-6Torr、蒸着レイ
ト(R)=5Å/s、基板温度(TS )=300℃で8
50Åの厚さに蒸着した。
法)により水素化非晶質シリコン層からなるa−Si:
H膜53を次のようにして厚さ6.0μm堆積した。即
ち、a−Si:H膜53は、SiH4 ガスを反応炉に導
入し、グロー放電分解し、a−Si:H層を6.0μm
堆積した。
蒸着法によりTiO2 膜からなるキャリアブロッキング
層54を前記のキャリアブロッキング層52の蒸着と同
条件で350Åの厚さに蒸着した。
上に、プラズマCVD法(化学気相成長法)により水素
化非晶質シリコン層からなるa−Si:H膜55を上記
のa−Si:H膜53と同様にして厚さ4.0μm堆積
した。
光層(a−SiGe:H膜)56をプラズマCVD法に
より5000Å堆積した。この遮光層56の成膜方法
は、実施の形態1と同様とする。
6側のキャリアブロッキング層54が光導電層を構成す
るa−Si:H膜中に形成された素子構造となり、上記
した各実施の形態と同様に、暗時の遮光層56からのキ
ャリアインジェクションを阻止し得るエネルギー構造と
なっている。
54は、a−Si:H膜中の透明電極51側に形成され
る空乏層にかかることなく、且つ、透明電極51側から
入射された書込み光により生成されるキャリアの量が十
分に小さくなる位置に設ける必要がある。
する領域のa−Si:H膜中のドナー密度は、透明電極
51側に形成される空乏層領域のドナー密度よりも大き
くすることが望ましい。これにより、電圧ロスが少なく
なるので、光感度が良好なものとなり、光電流が良く流
れる。
は、図47(a)に示したように、i型の半導体53お
よびi型の半導体55のドナー密度が均一な状態につい
て説明したが、光電流の流れを良くするために、i型の
半導体53およびi型の半導体55のドナー密度が透明
電極51側よりも遮光層56側に大きくなるように構成
しても良い。
の半導体55としてのa−Si:H膜中のドナー密度を
透明電極51側と遮光層56側とで異ならせるには、上
記実施の形態2で述べたように、ドナー密度を連続的に
増加させる方法と、段階的に増加させる方法とがある。
6側に連続的に増加させた場合、そのエネルギー準位
は、図47(b)に示すように、i型の半導体53’・
55’部分が遮光層56に向かって連続的に低下するよ
うになっている。また、ドナー密度を透明電極51側か
ら遮光層56側に段階的に増加させた場合、そのエネル
ギー準位は、図47(c)に示すように、i型の半導体
53’’・55’’部分が遮光層56に向かって段階的
に低下するようになっている。
うに、光導電層として、透明電極51側から絶縁膜から
キャリアブロッキング層(I)52、i型の半導体5
3、キャリアブロッキング層(I)54、i型の半導体
55と積層された素子構造、即ちI/i/中間I/i型
の素子構造となっているが、この他の図48(a)ない
し図52(c)に示す素子構造であっても良い。
は、キャリアブロッキング層(I)52、i型のワイド
ギャップ半導体57、i型の半導体53、キャリアブロ
ッキング層(I)54、i型の半導体55が順に積層さ
れたI/ワイドi/i/中間I/i型の素子構造を示
し、また、図49(a)なしい図49(c)には、キャ
リアブロッキング層(I)52、p型の半導体58、i
型の半導体53、キャリアブロッキング層(I)54、
i型の半導体55が順に積層されたI/p/i/中間I
/i型の素子構造を示している。また、図50(a)な
しい図50(c)には、キャリアブロッキング層(I)
52、p型のワイドギャップ半導体59、i型の半導体
53、キャリアブロッキング層(I)54、i型の半導
体55が順に積層されたI/ワイドp/i/中間I/i
型の素子構造を示し、また、図51(a)なしい図51
(c)には、キャリアブロッキング層(I)52、i型
のチャープ半導体60、i型の半導体53、キャリアブ
ロッキング層(I)54、i型の半導体55が順に積層
されたI/チャープi/i/I/i型の素子構造を示
し、さらに、図52(a)なしい図52(c)には、キ
ャリアブロッキング層(I)52、p型のチャープ半導
体61、i型の半導体53、キャリアブロッキング層
(I)54、i型の半導体55が順に積層されたI/チ
ャープp/i/I/i型の素子構造を示している。
2(a)は、i型の半導体53およびi型の半導体55
のドナー密度が均一な状態のエネルギー構造を示し、図
48(b)、図49(b)、…図52(b)は、i型の
半導体53およびi型の半導体55のドナー密度を透明
電極51側から遮光層56側に連続的に増加させた状態
のエネルギー構造を示し、図48(c)、図49
(c)、…図52(c)は、i型の半導体53およびi
型の半導体55のドナー密度を透明電極51側から遮光
層56側に段階的に増加させた状態のエネルギー構造を
示すものである。
に接合されるチャープ半導体の代わりに、段階的にエネ
ルギー準位を低下させる多段階チャープ半導体を使用し
ても良い。
の形態について図53(a)ないし図58(c)に基づ
いて説明すれば、以下の通りである。尚、説明の便宜
上、上記の実施の形態7と同一の機能を有する部材に
は、同一の番号を付記し、その説明は省略する。
電層の素子構造は、図53(a)に示すように、実施の
形態7に示した素子構造の遮光層56側のキャリアブロ
ッキング層54に換えて光導電層と同じエネルギーギャ
ップを有するp型の半導体62が、光導電層の途中に形
成された構造となっている。これにより、上記素子構造
は、光導電層の遮光層56側に空乏層が形成されるの
で、遮光層56側からのキャリアインジェクションを阻
止し得るエネルギー構造となっている。
層の周辺ドナー密度が1018cm-3、p型の半導体62の
アクセプター密度が1019cm-3のとき、170Åとな
る。上記p型の半導体62が、暗時の遮光層56からの
キャリアインジェクションを阻止し得るエネルギー構造
をとり得るための理論値である。この理論値は、実施の
形態1の理論式によって導かれたものである。
の半導体62の膜厚は、光導電層を構成する半導体のド
ナー密度およびアクセプター密度によって左右される。
つまり、ドナー密度が大きくなれば、p型の半導体の膜
厚を大きくしなければならないが、アクセプター密度が
大きくなればp型の半導体の膜厚を小さくできる。
素子の製造方法について以下に説明する。
上に、スパッタリング法により、In2 (Sn)O3 膜
を1000Å、SnO2 :Sb膜を300Å順に積層し
て透明電極51を形成し、この上にEB蒸着法によりT
iO2 膜からなるキャリアブロッキング層52をベース
プレッシャー(PB )=1×10-6Torr、蒸着レイ
ト(R)=5Å/s、基板温度(TS )=300℃で8
50Åの厚さに蒸着した。
法)により水素化非晶質シリコン層からなるa−Si:
H膜53を次のようにして厚さ6.0μm堆積した。即
ち、a−Si:H膜53は、SiH4 ガスを反応炉に導
入し、放電分解し、a−Si:H層を6.0μm堆積し
た。
の半導体62としてa−Si:H半導体を用い、代表的
なP−CVD成膜条件として、SiH4 、H2 、アクセ
プター添加用のB2 H6 を供給するものとする。これら
のガスを反応炉に導入し、堆積した。この条件で堆積し
たp型の半導体62としてのp型のa−Si:H膜のア
クセプター密度は1017cm-3であった。尚、このp型
の半導体の組成や膜厚は、上記した条件に限定するもの
ではなく、多くの光電流を流すための範囲内で他の材料
を用いても良い。
ズマCVD法(化学気相成長法)により水素化非晶質シ
リコン層からなるa−Si:H膜55を上記のa−S
i:H膜53と同様にして厚さ4.0μm堆積した。
光層(a−SiGe:H膜)56をプラズマCVD法に
より5000Å堆積した。この遮光層56の成膜方法
は、実施の形態1と同様とする。
6側のキャリアブロッキング層(p型の半導体62)が
光導電層を構成するa−Si:H膜中に形成された素子
構造となり、上記した各実施の形態と同様に、暗時の遮
光層56からのキャリアインジェクションを阻止し得る
エネルギー構造となっている。
(p型の半導体62)は、a−Si:H膜中の透明電極
51側に形成される空乏層にかかることなく、且つ、透
明電極51側から入射された書込み光により生成される
キャリアの量が十分に小さくなる位置に設ける必要があ
る。
導体62)を形成する領域のa−Si:H膜中のドナー
密度は、透明電極51側に形成される空乏層領域のドナ
ー密度よりも大きくすることが望ましい。これにより、
電圧ロスが少なくなるので、光感度が良好なものとな
り、光電流が良く流れる。
は、図53(a)に示したように、i型の半導体53お
よびi型の半導体55のドナー密度が均一な状態につい
て説明したが、光電流の流れを良くするために、i型の
半導体53およびi型の半導体55のドナー密度が透明
電極51側よりも遮光層56側に大きくなるように構成
する必要がある。
導体55としてのa−Si:H膜中のドナー密度を透明
電極51側と遮光層56側とで異ならせるには、上記実
施の形態2で述べたように、ドナー密度を連続的に増加
させる方法と、段階的に増加させる方法とがある。
6側に連続的に増加させた場合、そのエネルギー準位
は、図53(b)に示すように、i型の半導体53’・
55’部分が遮光層56に向かって連続的に低下するよ
うになっている。また、ドナー密度を透明電極51側か
ら遮光層56側に段階的に増加させた場合、そのエネル
ギー準位は、図53(c)に示すように、i型の半導体
53’’・55’’部分が遮光層56に向かって段階的
に低下するようになっている。
しい図53(c)に示すように、光導電層として、透明
電極51側から絶縁膜からキャリアブロッキング層
(I)52、i型の半導体53、p型の半導体62、i
型の半導体55と積層された素子構造、即ちI/i/中
間p/i型の素子構造となっているが、この他の図54
(a)ないし図58(c)に示す素子構造であっても良
い。
は、キャリアブロッキング層(I)52、i型のワイド
ギャップ半導体57、i型の半導体53、p型の半導体
62、i型の半導体55が順に積層されたI/ワイドi
/i/中間p/i型の素子構造を示し、また、図55
(a)ないし図55(c)には、キャリアブロッキング
層(I)52、p型の半導体58、i型の半導体53、
p型の半導体62、i型の半導体55が順に積層された
I/p/i/中間p/i型の素子構造を示している。ま
た、図56(a)ないし図56(c)には、キャリアブ
ロッキング層(I)52、p型のワイドギャップ半導体
59、i型の半導体53、p型の半導体62、i型の半
導体55が順に積層されたI/ワイドp/i/中間p/
i型の素子構造を示し、また、図57(a)ないし図5
7(c)には、キャリアブロッキング層(I)52、i
型のチャープ半導体60、i型の半導体53、p型の半
導体62、i型の半導体55が順に積層されたI/チャ
ープi/i/中間p/i型の素子構造を示し、さらに、
図58(a)ないし図58(c)には、キャリアブロッ
キング層(I)52、p型のチャープ半導体61、i型
の半導体53、p型の半導体62、i型の半導体55が
順に積層されたI/チャープp/i/中間p/i型の素
子構造を示している。
8(a)は、i型の半導体53およびi型の半導体55
のドナー密度が均一な状態のエネルギー構造を示し、図
54(b)、図55(b)、…図58(b)は、i型の
半導体53およびi型の半導体55のドナー密度を透明
電極51側から遮光層56側に連続的に増加させた状態
のエネルギー構造を示し、図54(c)、図55
(c)、…図58(c)は、i型の半導体53およびi
型の半導体55のドナー密度を透明電極51側から遮光
層56側に段階的に増加させた状態のエネルギー構造を
示すものである。
に接合されるチャープ半導体の代わりに、段階的にエネ
ルギー準位を低下させる多段階チャープ半導体を使用し
ても良い。
の形態について図59(a)ないし図64(c)に基づ
いて説明すれば、以下の通りである。尚、説明の便宜
上、上記の各実施の形態と同一の機能を有する部材に
は、同一の番号を付記し、その説明は省略する。
電層の素子構造は、図59(a)ないし図64(c)に
示すように、実施の形態8の図53(a)ないし図58
(c)に示した各素子構造において、p型の半導体62
の代わりにi型の半導体53よりもエネルギーギャップ
の大きいp型のワイドギャップ半導体63を使用したも
のである。これにより、各素子構造は、光導電層の遮光
層56側に空乏層が形成されるので、遮光層56側から
のキャリアインジェクションを阻止し得るエネルギー構
造となっている。
は、a−SiX C1-X :H(組成x=0.8)を用い、
その膜厚は、光導電層の周辺ドナー密度が1018cm-3、
p型のワイドギャップ半導体63のアクセプター密度が
1019cm-3のとき、130Åとなる。この膜厚は、上記
p型のワイドギャップ半導体63が、暗時の遮光層56
からのキャリアインジェクションを阻止し得るエネルギ
ー構造をとり得るための理論値である。
の半導体62の膜厚は、光導電層を構成する半導体のド
ナー密度およびアクセプター密度によって左右される。
つまり、ドナー密度が大きくなれば、p型の半導体の膜
厚を大きくしなければならないが、アクセプター密度が
大きくなればp型の半導体の膜厚を小さくすることがで
きる。
素子の製造方法について以下に説明する。
上に、スパッタリング法により、In2 (Sn)O3 膜
を1000Å、SnO2 :Sb膜を300Å順に積層し
て透明電極51を形成し、この上にEB蒸着法によりT
iO2 膜からなるキャリアブロッキング層52をベース
プレッシャー(PB )=1×10-6Torr、蒸着レイ
ト(R)=5Å/s、基板温度(TS )=300℃で8
50Åの厚さに蒸着した。
法)により水素化非晶質シリコン層からなるa−Si:
H膜53を次のようにして厚さ6.0μm堆積した。即
ち、a−Si:H膜53は、SiH4 ガスを反応炉に導
入し、グロー放電分解し、a−Si:H層を6.0μm
堆積した。
のワイドギャップ半導体63としてa−SiX C1-X :
H(組成x=0.8)半導体を用い、代表的なP−CV
D成膜条件として、SiH4 、CH4 、H2 、アクセプ
ター添加用のB2 H6 を供給するものとする。これらの
ガスを反応炉に導入し、グロー放電分解し、350Å堆
積した。この条件で堆積したp型のワイドギャップ半導
体63としてのp型のa−SiX C1-X :H(組成x=
0.8)のアクセプター密度は1016cm-3であった。
尚、このp型の半導体の組成や膜厚は、上記した条件に
限定するものではなく、多くの光電流を流すための範囲
内で他の材料を用いても良い。
63上に、プラズマCVD法(化学気相成長法)により
水素化非晶質シリコン層からなるa−Si:H膜55を
上記のa−Si:H膜53と同様にして厚さ4.0μm
堆積した。
光層(a−SiGe:H膜)56をプラズマCVD法に
より5000Å堆積した。この遮光層56の成膜方法
は、実施の形態1と同様とする。
6側のキャリアブロッキング層としてp型のワイドギャ
ップ半導体63が光導電層を構成するa−Si:H膜中
に形成された素子構造となり、上記した各実施の形態と
同様に、暗時の遮光層56からのキャリアインジェクシ
ョンを阻止し得るエネルギー構造となっている。
は、図59(a)に示したように、i型の半導体53お
よびi型の半導体55のドナー密度が均一な状態につい
て説明したが、光電流の流れを良くするために、i型の
半導体53およびi型の半導体55のドナー密度が透明
電極51側よりも遮光層56側に大きくなるように構成
することが望ましい。
導体55としてのa−Si:H膜中のドナー密度を透明
電極51側と遮光層56側とで異ならせるには、上記実
施の形態2で述べたように、ドナー密度を連続的に増加
させる方法と、段階的に増加させる方法とがある。
6側に連続的に増加させた場合、そのエネルギー準位
は、図59(b)に示すように、i型の半導体53’・
55’部分が遮光層56に向かって連続的に低下するよ
うになっている。また、ドナー密度を透明電極51側か
ら遮光層56側に段階的に増加させた場合、そのエネル
ギー準位は、図59(c)に示すように、i型の半導体
53’’・55’’部分が遮光層56に向かって段階的
に低下するようになっている。
いし図59(c)に示すように、光導電層として、透明
電極51側から絶縁膜からなるキャリアブロッキング層
(I)52、i型の半導体53、p型のワイドギャップ
半導体63、i型の半導体55と積層された素子構造、
即ちI/i/(中間)ワイドp/i型の素子構造となっ
ているが、この他の図60(a)ないし図64(c)に
示す素子構造であっても良い。
は、キャリアブロッキング層(I)52、i型のワイド
ギャップ半導体57、i型の半導体53、p型のワイド
ギャップ半導体63、i型の半導体55が順に積層され
たI/ワイドi/i/(中間)ワイドp/i型の素子構
造を示し、また、図61(a)ないし図61(c)に
は、キャリアブロッキング層(I)52、p型の半導体
58、i型の半導体53、p型のワイドギャップ半導体
63、i型の半導体55が順に積層されたI/p/i/
(中間)ワイドp/i型の素子構造を示している。ま
た、図62(a)ないし図62(c)には、キャリアブ
ロッキング層(I)52、p型のワイドギャップ半導体
59、i型の半導体53、p型のワイドギャップ半導体
63、i型の半導体55が順に積層されたI/ワイドp
/i/(中間)ワイドp/i型の素子構造を示し、ま
た、図63(a)ないし図63(c)には、キャリアブ
ロッキング層(I)52、i型のチャープ半導体60、
i型の半導体53、p型のワイドギャップ半導体63、
i型の半導体55が順に積層されたI/チャープi/i
/(中間)ワイドp/i型の素子構造を示し、さらに、
図64(a)ないし図64(c)には、キャリアブロッ
キング層(I)52、p型のチャープ半導体61、i型
の半導体53、p型のワイドギャップ半導体63、i型
の半導体55が順に積層されたI/チャープp/i/
(中間)ワイドp/i型の素子構造を示している。
4(a)は、i型の半導体53およびi型の半導体55
のドナー密度が均一な状態のエネルギー構造を示し、図
60(b)、図61(b)、…図64(b)は、i型の
半導体53およびi型の半導体55のドナー密度を透明
電極51側から遮光層56側に連続的に増加させた状態
のエネルギー構造を示し、図60(c)、図61
(c)、…図64(c)は、i型の半導体53およびi
型の半導体55のドナー密度を透明電極51側から遮光
層56側に段階的に増加させた状態のエネルギー構造を
示すものである。
に接合されるチャープ半導体の代わりに、段階的にエネ
ルギー準位を低下させる多段階チャープ半導体を使用し
ても良い。
施の形態について図65(a)ないし図68(c)に基
づいて説明すれば、以下の通りである。尚、説明の便宜
上、上記の各実施の形態と同一の機能を有する部材に
は、同一の番号を付記し、その説明は省略する。
素子構造は、図65(a)ないし図68(c)に示すよ
うに、上記の実施の形態8および実施の形態9に示した
素子構造の透明電極51側に設けられた絶縁膜からなる
キャリアブロッキング層(I)52を無くして、キャリ
アブロッキング層としてp型の半導体58、あるいはp
型のワイドギャップ半導体59を使用した構成となって
いる。
子構造は、上記実施の形態8の図55(a)ないし図5
6(c)に示される透明電極51側に設けられたキャリ
アブロッキング層(I)52を無くし、p型の半導体6
2を遮光層56側のキャリアブロッキング層とする構成
である。また、このp型の半導体62は、光導電層を形
成するi型の半導体53と同じエネルギーギャップを有
するものとなっている。尚、これらの素子の製造方法
は、上記各実施の形態に記載の方法とし、また、膜厚や
アクセプター密度も各実施の形態に記載した範囲内であ
れば良いものとする。
示す素子構造は、上記実施の形態9の図61(a)ない
し図62(c)に示される透明電極51側に設けられた
キャリアブロッキング層(I)52を無くし、p型のワ
イドギャップ半導体63を遮光層56側のキャリアブロ
ッキング層とする構成である。また、このp型のワイド
ギャップ半導体63は、光導電層を形成するi型の半導
体53よりもエネルギーギャップが大きいものとする。
らなるキャリアブロッキング層の代わりにp型の半導体
あるいはp型のワイドギャップ半導体を使用すること
で、光導電層の透明電極51側にp型の半導体とi型の
半導体との接合により空乏層が形成される。この空乏層
によって、光導電層の透明電極51側が高抵抗領域とな
るので、光導電層の遮光層56側の領域よりも高電圧が
印加される。一方、遮光層56側では、絶縁膜からなる
キャリアブロッキング層の代わりに、p型の半導体62
あるいはp型のワイドギャップ半導体63がキャリアブ
ロッキング層として設けられているので、暗時のキャリ
アインジェクションを阻止することができる。したがっ
て、光導電層に光電流が多く、暗電流は少なくなり、光
感度が向上する。
8(a)は、i型の半導体53およびi型の半導体55
のドナー密度が均一な状態のエネルギー構造を示し、図
65(b)、図66(b)、…図68(b)は、i型の
半導体53およびi型の半導体55のドナー密度を透明
電極51側から遮光層56側に連続的に増加させた状態
のエネルギー構造を示し、図65(c)、図66
(c)、…図68(c)は、i型の半導体53およびi
型の半導体55のドナー密度を透明電極51側から遮光
層56側に段階的に増加させた状態のエネルギー構造を
示すものである。
が、p型の半導体/i型の半導体/キャリアブロッキン
グ層(I)/i型の半導体(所謂p/i/中間I/i型
の素子構造)、p型のワイドギャップ半導体/i型の半
導体/キャリアブロッキング層(I)/i型の半導体
(所謂ワイドp/i/中間I/i型の素子構造)、p型
のチャープ半導体/i型の半導体/キャリアブロッキン
グ層(I)/i型の半導体(所謂チャープp/i/中間
I/i型の素子構造)、p型の多段階チャープ半導体/
i型の半導体/キャリアブロッキング層(I)/i型の
半導体(所謂多段階p/i/中間I/i型の素子構
造)、p型のチャープ半導体/i型の半導体/p型の半
導体/i型の半導体(所謂チャープp/i/中間p/i
型の素子構造)、p型のチャープ半導体/i型の半導体
/p型のワイドギャップ半導体/i型の半導体(所謂チ
ャープp/i/ワイド(中間)p/i型の素子構造)、
またはp型の多段階チャープ半導体/i型の半導体/p
型のワイドギャップ半導体/i型の半導体(所謂多段階
p/i/ワイド(中間)p/i型の素子構造)であって
も良い。これらの製造方法は、上記の各実施の形態に記
載された方法を採用するものとする。
た絶縁膜からなるキャリアブロッキング層15を設けな
い素子構造では、半導体の接合によって空乏層を形成
し、キャリアブロッキング層として使用するようになっ
ているので、光書込み型液晶素子の製造工程において、
絶縁膜を形成する工程を無くす(または少なくする)こ
とができ、この結果、製造工程を簡略化でき、製造時間
を短縮することができる。
の形態について、図73および図74に基づいて説明す
る。
使用される光導電層の書込み光の入射側に形成されるキ
ャリアブロッキング層は、超格子構造を有する。図73
には、この光書込み型液晶素子における透明電極31か
ら遮光層18までのエネルギーバンドダイヤグラムを示
す。
態で記述したように、キャリア密度が透明電極31側か
ら遮光層18側に向かって連続的または段階的に変化す
る構成(図17(b)、図17(c)等参照)を、本実
施の形態にも適用することができる。
構造のキャリアブロッキング層76の一構成例を説明す
る。この超格子構造は、a−SiC:Hとa−Si:H
の極薄膜の周期的積層膜からなっている。周期的積層膜
の組成と膜厚は次のようにした。ワイドエネルギーギャ
ップのa−SiC:Hは、a−Si0.5 C0.5 :Hと
し、その膜厚は200Åとした。また、上記a−Si:
Hの膜厚は100Åとした。そして、これらの極薄膜を
100周期積層し、超格子構造の膜厚を約3μmとし
た。
ッキング層76の上に、光導電層26としてa−Si:
Hを7μm積層し、さらに遮光層18側のキャリアブロ
ッキング層77としてワイドエネルギーギャップのa−
SiC:Hを150Å積層した。また、上記のキャリア
ブロッキング層77の上に、遮光層18としてa−Si
Ge:Hを積層した。
層(以下、超格子光導電層と称する)と従来の光導電層
との光吸収係数を測定した結果を示す。この図から超格
子光導電層の方が、書込み光領域(波長6000〜70
00Å)における光吸収係数が大きいことが分かる。
法について説明する。
に、ITO膜をスパッタリング法で1000Å積層し、
その上にSnO2 膜を300Å積層することによって透
明電極31を形成した。さらにその上に、a−SiC:
Hとa−Si:Hとの周期的積層膜からなる上記の超格
子構造のキャリアブロッキング層76を、a−SiC:
Hから成膜を始めて100周期、膜厚にして約3μm積
層した。次に、その上に光導電層26としてa−Si:
Hを7μm積層した。次に、その上にキャリアブロッキ
ング層77としてa−SiC:Hを150Å積層し、さ
らにその上に遮光層18としてa−SiGe:Hを1μ
m積層した。そして、その上に多層誘電体反射膜を積層
し、さらにその上に液晶配向膜を塗布し配向処理をし
た。
てITO膜を1000Å積層し、その上に液晶配向膜を
塗布し配向処理をした。
層基板を、両基板の液晶配向膜同士が向かい合うように
対向配置し、両基板間にスペーサーおよびシール部材を
介在させて液晶層の注入スペースを確保し、両基板間に
ツイストネマティック液晶を注入封止した。
を用いた光書込み型液晶素子の駆動は、両基板上に形成
された透明電極間に交流電圧を印加することによって行
った。
晶素子を従来の光書込み型液晶素子と同じ駆動条件で評
価したところ、400μW/cm2 (従来値)から20
0μW/cm2 へと光感度が大幅に向上した。さらに本
光書込み型液晶素子のコントラストは200を達成し、
高コントラストを実現できた。また、超格子構造によっ
てキャリアブロッキングされているため、信頼性の高い
長寿命光書込み型液晶素子を実現できた。
a−SiC:Hに限らず、超格子構造にしたときに光導
電層よりも光吸収係数が大きくなるようなワイドギャッ
プの性質を有するものであれば、上記と同様の効果が得
られる。
(液晶層側)のキャリアブロッキング層77としてワイ
ドエネルギーギャップの半導体を用いたが、これに限定
されるものではなく、前述の各実施の形態に示した構成
のキャリアブロッキング層を液晶層側に設けることがで
きる。
み型液晶素子は、光導電層26の書込み光の入射側に形
成されるキャリアブロッキング層76が超格子構造であ
るため、従来の光導電層よりも光吸収係数が増加し、光
伝導キャリアが増大する結果、明時のインピーダンスが
従来の光導電層よりも小さくなり、明暗時のインピーダ
ンス比が従来よりも大きくなる。さらに、a−Si:H
などの光導電層26よりもワイドギャップの材料(上記
ではa−SiC:H)を使用しているので、a−Si:
Hなどよりも絶縁性が高くなることより、光導電層に電
圧が印加されたとき、書込み光入射側領域に液晶層側領
域よりも多くの電圧が印加されるようになる。これらの
結果、光書込み型液晶素子の高感度化、高コントラスト
化、高解像度化が可能になる。
導体の中に人工的に1次元の周期ポテンシャル(格子定
数a(=数Å)の数十倍の周期を持つ)を導入した構造
であり、異なったエネルギーギャップの半導体が周期的
に積層されたものである。本発明に適用される超格子構
造には、このような一般的な構成のものは勿論のこと、
異なったエネルギーギャップの半導体の積層膜厚が場所
によって相対的に薄くなったり厚くなったりするような
超格子構造、或いはエネルギーギャップが大きい方の半
導体のエネルギーギャップが透明電極31から遮光層1
8へ向かうに連れて段々小さくなるような超格子構造も
含まれる。
の形態について、図75ないし図77に基づいて説明す
る。
使用されるキャリアブロッキング層は、p型半導体とn
型半導体との積層構造を有する。図75および図76に
は、この光書込み型液晶素子における透明電極31から
遮光層18までのエネルギーバンドダイヤグラムを示
す。図75は成膜時におけるエネルギーバンドダイヤグ
ラムであり、これが熱平衡状態に達すると図76に示す
エネルギーバンドダイヤグラムになる。
態で記述したように、キャリア密度が透明電極31側か
ら遮光層18側に向かって連続的または段階的に変化す
る構成(図17(b)、図17(c)等参照)を、本実
施の形態にも適用することができる。
照して説明すると、光導電層26から透明電極31への
ホールの流出を抑制するために、透明電極31上に膜厚
100Åのn型半導体78a(n型a−Si:H膜)を
積層する。さらに、光導電層26から透明電極31へ電
子が流出するのを抑制するために、n型半導体78a上
に膜厚100Åのp型半導体78b(p型a−Si:H
膜)を積層する。書込み光の入射側に形成されるキャリ
アブロッキング層78は、上記のn型半導体78aとp
型半導体78bとの積層構造である。
の上に、光導電層26としてa−Si:Hを10μm積
層する。この光導電層26は、通常のP−CVD製膜を
行うとややn型の伝導になるので、ドナー性のキャリア
を補償するためにジボラン等のP型ドーピングガスを用
いることにより、真性半導体にするとよい。この場合の
ドーピングの目安としては、電子の流出抑制膜(上記p
型半導体78b)に用いたアクセプター濃度よりも小さ
いことが望まれる。
るために、光導電層26上に膜厚100Åのp型半導体
79b(p型a−Si:H膜)を積層する。さらに、ホ
ールの遮光層18への流出を抑制するために、上記のp
型半導体79b上に、膜厚100Åのn型半導体79a
(n型a−Si:H膜)を積層する。遮光層18側のキ
ャリアブロッキング層79は、上記のn型半導体79a
とp型半導体79bとの積層構造である。
の上に、遮光層18としてa−SiGe:H膜を1μm
積層する。
層の特徴は、キャリアブロッキング層78・79にホモ
材料(a−Si:H等)を用い、その伝導型を巧みにコ
ントロールすることでキャリアの流出を抑制したことで
ある。このようにすることでコストの削減や製膜条件管
理項目の削減が可能である。
電層を用いると、透明電極31や遮光層18へのキャリ
アの移動がほとんど無いので暗時に非常に高抵抗にする
ことができる。即ち、p型半導体とn型半導体との積層
構造によるキャリアブロッキング層78・79には、電
子およびホールの何れの動きも抑制する作用があり、光
導電層26からはキャリア再結合を除いては外部にキャ
リアが流出しない。したがって明暗時のインピーダンス
比を従来の光導電層に比べて大きくできる。
層の光書込み型液晶素子を、従来の光書込み型液晶素子
と同じ駆動条件でし評価したところ、400μW/cm
2 (従来値)から200μW/cm2 へと光感度が大幅
に向上した。さらに本光書込み型液晶素子のコントラス
トは200を達成し、高コントラストを実現できた。ま
た、キャリアブロッキング層78・79によりキャリア
ブロッキングされているため、信頼性の高い光書込み型
液晶素子を実現できた。
が透明電極31側または遮光層18側に、p型半導体7
8b・79bが光導電層26側に設けられているが、こ
れに限定されるものではなく、n型とp型とを逆に配置
した構成でも上記と同様の効果を奏する。
アブロッキング層78と、遮光層18側のキャリアブロ
ッキング層79との膜厚を略同じに設定しているが、こ
れに限定されるものではない。むしろ、図77(成膜時
におけるエネルギーバンドダイヤグラム)に示すよう
に、キャリアブロッキング層78の膜厚をキャリアブロ
ッキング層79の膜厚よりも厚くしてエネルギー構造を
非対称とすることが望ましい。
ブロッキング層78・79の膜厚を略同じにした構成
(光導電層のエネルギー構造が非対称でない)の場合で
も、上記のように明暗時のインピーダンス比を従来より
も大きくすることが可能である。しかしながら、図77
に示すような非対称のエネルギー構造とすることによ
り、上述のように光導電層の書込み光入射側領域に遮光
層18側よりも高い電圧が印加されるので、書込み光を
より有効利用することができ、光書込み型液晶素子の性
能がより向上する。
光層18側よりも高い電圧が印加されるような非対称の
エネルギー構造において、n型半導体とp型半導体との
積層構造のキャリアブロッキング層を、書込み光の入射
側と液晶層側の何れか一方に設けてもよい。特に、書込
み光入射側のキャリアブロッキング層をn型半導体とp
型半導体との積層構造にすることが望ましい。
体およびp型半導体の各膜厚を100Åとしたが、これ
に限定されるものではない。これらの膜厚の好ましい範
囲は50Å〜2000Å、より好ましくは100Å〜1
000Åである。これらの膜厚が極端に薄い場合(50
Åよりも薄い場合)、薄膜として形成されず島状になる
ためにリークが発生し、キャリアブロッキング層として
機能しないという不都合が生じる。逆にこれらの膜厚が
厚すぎる場合(2000Åよりも厚い場合)では、ドー
ピング層が低抵抗であるため、面方向への電荷の広がり
が発生し、解像度が低下する原因ともなる。
は、不純物ドープしていないa−Si:H膜でも通常n
型を示すのでこれを使用してもよいし、リン(P)等の
V属の不純物を添加したa−Si:H膜を使用してもよ
い。また、pn積層構造のp型半導体としては、ボロン
(B)等のIII 属の不純物を添加したa−Si:H膜を
使用することができる。
の素子構造は、それぞれ、光導電層へのキャリアの侵入
および光導電層からのキャリアの流出を、阻止または抑
制する構造となっている。
は、前述のように光導電層の両端に絶縁膜を配置し、ト
ンネル電流を無くすことによって実現可能である。
ールしたキャリアブロッキング層を用いた場合は、キャ
リアのドリフト電流を無くすことができるので(再結合
電流を完全に無くすことはできないが、これはドリフト
電流に比べると非常に少ない)、キャリアの侵入・流出
を、おおむね阻止(厳密な表現は抑制)できる。
は、透明電極側の光導電層に重点的に電圧が印加できる
構造としている。即ち、各実施の形態の光書込み型液晶
素子は、対向配置された一対の透明電極基板間に光導電
層と液晶層とが形成された光書込み型液晶素子におい
て、上記光導電層の書込み光の入射側および液晶層側に
は、光導電層内へのキャリアの侵入を防止すると共に、
光導電層に電圧が印加されたとき、光導電層の書込み光
入射側領域に液晶層側領域よりも高い電圧を印加させる
キャリア侵入防止層が形成されている構成である。
時のインピーダンス比が大きく取れるようになり、この
光導電層を光書込み型液晶素子に用いることにより表2
に示すように、従来の光書込み型液晶素子に較べて光感
度が良くなり、コントラストおよび解像度が高くなり、
温度依存性が小さくなり、寿命は長くなるという性能の
大幅な改善を可能としている。したがって、光書込み型
液晶素子を用いた超大型で超高輝度で超高精細の特徴を
もつ液晶プロジェクションの実使用が可能となる。
は、以上のように、光導電層の書込み光の入射側および
液晶層側には、光導電層の内外へのキャリアの侵入およ
び流出を防止または抑制すると共に、光導電層に電圧が
印加されたとき、光導電層の書込み光入射側領域に液晶
層側領域よりも多くの電圧を印加させるキャリアブロッ
キング層が形成されており、上記キャリアブロッキング
層となる空乏層あるいは最大空乏層が、書込み光入射側
領域に形成される空乏層あるいは最大空乏層の幅を
W Ii 、液晶層側領域に形成される空乏層あるいは最大空
乏層の幅をW BIi としたとき、以下の関係式、W Ii >W
BIi を満たす構成である。
ンス(Zphoto )と暗時のインピーダンス(Zdark)と
の比(Zdark/Zphoto )が大きくなるので、従来のよ
うに暗時のインピーダンスを大きくした場合に比べて光
導電層の光感度を向上させることができ、この結果、解
像度も向上させることができる。また、光導電層のイン
ピーダンス比(Zdark/Zphoto )が大きくなること
で、明時の液晶層にかかる電圧を大きくすることがで
き、コントラストを向上させることができる。
い。つまり、光入射側の光導電層では内部電位が発生し
ているが、液晶層側でのキャリアブロッキング層による
光感度を低下させない程度の電圧ロスもあるのでpin
型素子のように内部電位は大きくならない。また、内部
電位による液晶層にかかる直流成分を抑制することがで
きるので、液晶層の延命化を図ることができ、この結
果、光書込み型液晶素子の長寿命化が可能になる。
コントラストを向上させることができるので、高光感
度、高解像度、高コントラスト、長寿命の光書込み型液
晶素子を提供することができるという効果を奏する。さ
らに、電圧印加時に、光導電層の書込み光入射側に多く
の電圧が印加され、光電流が良く流れるようになり、明
時のインピーダンスを小さくすることができる。したが
って、光導電層の明時のインピーダンス(Zphoto )と
暗時のインピーダンス(Zdark)との比(Zdark/Zph
oto )が大きくなるので、従来のように暗時のインピー
ダンスを大きくした場合に比べて光導電層の光感度を向
上させることができ、この結果、解像度も向上させるこ
とができるという効果を奏する。
以上のように、光導電層の書込み光の入射側および液晶
層側には、光導電層の内外へのキャリアの侵入および流
出を防止または抑制すると共に、光導電層に電圧が印加
されたとき、光導電層の書込み光入射側領域に液晶層側
領域よりも多くの電圧を印加させるキャリアブロッキン
グ層が形成されており、上記キャリアブロッキング層と
上記光導電層との接合によって形成される空乏層あるい
は最大空乏層が、書込み光入射側領域に形成される空乏
層あるいは最大空乏層の幅をWIi、液晶層側領域に形成
される空乏層あるいは最大空乏層の幅をWBIi としたと
き、次の関係式、“WIi>WBIi ”を満たしている構成
である。
込み光入射側に多くの電圧が印加され、光電流が良く流
れるようになり、明時のインピーダンスを小さくするこ
とができる。したがって、光導電層の明時のインピーダ
ンス(Zphoto )と暗時のインピーダンス(Zdark)と
の比(Zdark/Zphoto )が大きくなるので、従来のよ
うに暗時のインピーダンスを大きくした場合に比べて光
導電層の光感度を向上させることができ、この結果、解
像度も向上させることができるという効果を奏する。
以上のように、請求項2の構成において、光導電層の少
なくとも書込み光の入射側領域に形成されるキャリアブ
ロッキング層が、絶縁層で構成されているものである。
て、書込み光の界面反射を小さくすることができ、この
結果、書込み光を光導電層に有効に導入することができ
ると共に、光導電層とキャリアブロッキング層との密着
強度を向上させることができるという効果を併せて奏す
る。
以上のように、請求項1の構成において、上記光導電層
の書込み光の入射側に形成されるキャリアブロッキング
層が、超格子構造で構成されているものである。
て、従来の光導電層よりも光吸収係数が増加し、光伝導
キャリアが増大する結果、明時のインピーダンスが従来
の光導電層よりも小さくなり、明暗時のインピーダンス
比が従来よりも大きくなり、光書込み型液晶素子の感
度、コントラスト、解像度がより向上するという効果を
奏する。
以上のように、請求項1の構成において、上記光導電層
の少なくとも書込み光の入射側に形成されるキャリアブ
ロッキング層が、p型半導体とn型半導体との積層構造
で構成されているものである。
て、暗時にはキャリアの移動がほとんど無くなるので、
暗時に非常に高抵抗にすることができ、したがって明暗
時のインピーダンス比を従来の光導電層に比べて大きく
できる。この結果、光書込み型液晶素子の感度、コント
ラスト、解像度がより向上するという効果を奏する。
以上のように、請求項1、4または5の構成において、
上記光導電層の少なくとも液晶層側に形成されるキャリ
アブロッキング層が、当該光導電層と同じエネルギーギ
ャップのp型の半導体で構成されているものである。
に加えて、キャリアブロッキング層を光導電層の形成装
置において連続成膜することができるので、製造工程の
簡略化を図ることができるという効果を併せて奏する。
以上のように、請求項1、4または5の構成において、
上記光導電層の少なくとも液晶層側に形成されるキャリ
アブロッキング層が、当該光導電層よりエネルギーギャ
ップが大きいワイドギャップのi型もしくはp型の半導
体で構成されているものである。
の効果に加えて、キャリアブロッキング層を光導電層の
形成装置において連続成膜することができるので、製造
工程の簡略化を図ることができるという効果を併せて奏
する。さらに、同じエネルギーギャップのp型の半導体
を用いた場合よりも薄膜にすることができるので、余分
な電圧ロスを無くすことができ、この結果、光電流を良
く流すことができるという効果も併せて奏する。
以上のように、請求項1、2、3、6または7の構成に
おいて、上記光導電層が、書込み光の入射側の透明電極
側に形成された、当該光導電層よりエネルギーギャップ
が大きいワイドギャップのi型もしくはp型の半導体と
ヘテロ接合されている、あるいは当該光導電層と同じエ
ネルギーギャップのp型の半導体とホモ接合されている
構成である。
電極からのキャリアインジェクションや光導電層からの
キャリアの流出を阻止または抑制することができる。そ
して、光導電層の形成装置でキャリアブロッキング層を
連続的に成膜することができる。したがって、請求項
1、2、3、4または5の発明の効果に加えて、光書込
み型液晶素子の製造工程を簡素なものとし、製造に係る
費用を低減することができるという効果を併せて奏す
る。
以上のように、請求項1、6または7の構成において、
上記光導電層の書込み光の入射側に形成されるキャリア
ブロッキング層が、液晶層側に向かってエネルギーギャ
ップが小さくなるチャープ構造のi型またはp型の半導
体である構成となっている。
の効果に加えて、光導電層で発生した電子のホールとの
再結合を抑制することができ、光電流を良く流すことが
できる。したがって、光導電層の光感度を向上させるこ
とができるので、光書込み型液晶素子の光感度およびコ
ントラストを向上させることができるという効果を奏す
る。
は、以上のように、請求項1、2、3、4、5、6、
7、8または9の構成において、上記光導電層の書込み
光の入射側領域のドナー密度をNDI、液晶層側領域での
ドナー密度をNDLC としたとき、次の関係式、“NDI<
NDLC ”を満たしている構成である。
6、7、8または9の発明の効果に加えて、光導電層の
書込み光の入射側領域の方が、液晶層側領域よりも高抵
抗となり、電圧が多く印加されるので、光導電層に光電
流が多く流れるようになり、光導電層の光感度をより向
上させることができるという効果を併せて奏する。
は、以上のように、光導電層の書込み光の入射側および
液晶層側には、光導電層の内外へのキャリアの侵入およ
び流出を防止または抑制するキャリアブロッキング層が
設けられており、当該キャリアブロッキング層がp型半
導体とn型半導体との積層構造で構成されているもので
ある。
ホールの侵入および流出が抑制され、暗時にはキャリア
の移動がほとんど無くなるので、暗時に非常に高抵抗に
することができ、したがって明暗時のインピーダンス比
を従来の光導電層に比べて大きくできる。この結果、光
書込み型液晶素子の高感度化、高コントラスト化、高解
像度化が可能になるという効果を奏する。
エネルギーバンドダイヤグラムである。
る。
の液晶表示装置の概略構成図である。
説明図である。
説明図である。
導電層の印加電圧とインピーダンスとの関係を示すグラ
フである。
導電層の印加電圧と電流密度との関係を示すグラフであ
る。
導電層の印加電圧と電流密度との関係を示すグラフであ
る。
導電層の印加電圧と反射率との関係を示すグラフであ
る。
光導電層の書込み波長と書込み透過率との関係を示すグ
ラフである。
導電層の書込み波長と書込み透過率との関係を示すグラ
フである。
導電層の印加電圧と反射率との関係を示すグラフであ
る。
の印加電圧とインピーダンスとの関係を示すグラフであ
る。
導電層の印加電圧と反射率との関係を示すグラフであ
る。
の印加電圧とインピーダンスとの関係を示すグラフであ
る。
ャリアブロッキング層の設計についての説明図である。
子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
た光導電層の印加電圧と電流密度との関係を示すグラフ
である。
た光導電層の書込み光側のドナー密度と光感度との関係
を示すグラフである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
子に備えられた光導電層の印加電圧と電流密度との関係
を示すグラフである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
た光導電層の遮光層側のキャリアブロッキング層の膜厚
と光感度との関係を示すグラフである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
液晶素子のエネルギーバンドダイヤグラムである。
示す光書込み型液晶素子とに備えられた光導電層の遮光
層側のキャリアブロッキング層の膜厚と光感度との関係
を示すグラフである。
体を用いた光導電層の書込み光強度と反射率との関係を
示すグラフである。
ムである。
ムである。
あり、超格子構造のキャリアブロッキング層を有する光
書込み型液晶素子のバンドダイヤグラムである。
れについて、光子エネルギーと光吸収係数との関係を示
したグラフである。
あり、p型半導体とn型半導体との積層構造のキャリア
ブロッキング層を有する光書込み型液晶素子の成膜時に
おけるバンドダイヤグラムである。
イヤグラムである。
イヤグラムである。
る。
射型の液晶表示装置の概略構成図である。
合の光導電層の印加電圧と電流密度との関係を示すグラ
フである。
ドダイヤグラムである。
た光導電層の印加電圧と電流密度との関係を示すグラフ
である。
る。
Claims (11)
- 【請求項1】対向配置された一対の透明電極基板間に光
導電層と液晶層とが形成された光書込み型液晶素子にお
いて、 上記光導電層の書込み光の入射側および液晶層側には、
光導電層の内外へのキャリアの侵入および流出を防止ま
たは抑制すると共に、光導電層に電圧が印加されたと
き、光導電層の書込み光入射側領域に液晶層側領域より
も多くの電圧を印加させるキャリアブロッキング層が形
成されており、 上記キャリアブロッキング層となる空乏層あるいは最大
空乏層が、書込み光入射側領域に形成される空乏層ある
いは最大空乏層の幅をW Ii 、液晶層側領域に形成される
空乏層あるいは最大空乏層の幅をW BIi としたとき、以
下の関係式、 W Ii >W BIi を満たすことを特徴とする光書込み型液晶素子。 - 【請求項2】対向配置された一対の透明電極基板間に光
導電層と液晶層とが形成された光書込み型液晶素子にお
いて、 上記光導電層の書込み光の入射側および液晶層側には、
光導電層の内外へのキャリアの侵入および流出を防止ま
たは抑制すると共に、光導電層に電圧が印加されたと
き、光導電層の書込み光入射側領域に液晶層側領域より
も多くの電圧を印加させるキャリアブロッキング層が形
成されており、 上記キャリアブロッキング層と上記光導電層との接合に
よって形成される空乏層あるいは最大空乏層が、書込み
光入射側領域に形成される空乏層あるいは最大空乏層の
幅をWIi、液晶層側領域に形成される空乏層あるいは最
大空乏層の幅をWBIi としたとき、以下の関係式、 WIi>WBIi を満たすことを特徴とする光書込み型液晶素子。 - 【請求項3】上記光導電層の少なくとも書込み光の入射
側に形成されるキャリアブロッキング層が、絶縁層で構
成されていることを特徴とする請求項2記載の光書込み
型液晶素子。 - 【請求項4】上記光導電層の書込み光の入射側に形成さ
れるキャリアブロッキング層が、超格子構造で構成され
ていることを特徴とする請求項1記載の光書込み型液晶
素子。 - 【請求項5】上記光導電層の少なくとも書込み光の入射
側に形成されるキャリアブロッキング層が、p型半導体
とn型半導体との積層構造で構成されていることを特徴
とする請求項1記載の光書込み型液晶素子。 - 【請求項6】上記光導電層の少なくとも液晶層側に形成
されるキャリアブロッキング層が、当該光導電層と同じ
エネルギーギャップのp型の半導体で構成されているこ
とを特徴とする請求項1、4または5記載の光書込み型
液晶素子。 - 【請求項7】上記光導電層の少なくとも液晶層側に形成
されるキャリアブロッキング層が、当該光導電層よりエ
ネルギーギャップが大きいワイドギャップのi型もしく
はp型の半導体で構成されていることを特徴とする請求
項1、4または5記載の光書込み型液晶素子。 - 【請求項8】上記光導電層が、書込み光の入射側の透明
電極側に形成された、当該光導電層よりエネルギーギャ
ップが大きいワイドギャップのi型もしくはp型の半導
体とヘテロ接合されている、あるいは当該光導電層と同
じエネルギーギャップのp型の半導体とホモ接合されて
いることを特徴とする請求項1、2、3、6または7記
載の光書込み型液晶素子。 - 【請求項9】上記光導電層の書込み光の入射側に形成さ
れるキャリアブロッキング層が、液晶層側に向かってエ
ネルギーギャップが小さくなるチャープ構造のi型また
はp型の半導体であることを特徴とする請求項1、6ま
たは7記載の光書込み型液晶素子。 - 【請求項10】上記光導電層の書込み光の入射側領域の
ドナー密度をNDI、液晶層側領域でのドナー密度をN
DLC としたとき、以下の関係式、 NDI<NDLC を満たしていることを特徴とする請求項1、2、3、
4、5、6、7、8または9記載の光書込み型液晶素
子。 - 【請求項11】対向配置された一対の透明電極基板間に
光導電層と液晶層とが形成された光書込み型液晶素子に
おいて、 上記光導電層の書込み光の入射側および液晶層側には、
光導電層の内外へのキャリアの侵入および流出を防止ま
たは抑制するキャリアブロッキング層が設けられてお
り、当該キャリアブロッキング層がp型半導体とn型半
導体との積層構造で構成されていることを特徴とする光
書込み型液晶素子。
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