JP3201986B2 - 防水施工法 - Google Patents
防水施工法Info
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Description
へ防水シートによる防水工事を行う際に適用して好適な
防水施工法に関する。
に、コンクリートスラブ等のコンクリート系の下地の上
に防水シートを張り付ける防水施工法が公知である。ま
た、コンクリートスラブ等の下地面に既設された旧防水
層の改修のために、この旧防水層を撤去することなく、
その上に、つまり旧防水層を下地として新しい防水シー
トを張り付ける防水施工法も公知である。このうち、旧
防水層の上に新しい防水シートを張り付ける防水施工法
として、防水シートの全面を下地に張り付けることな
く、釘やアンカーボルト等を座金を介して打ち込んで固
定し、その相隣接する防水シート同士の重ね合わせ部の
みを接着して防水層を形成する防水施工法が知られてい
る。
脂などの合成樹脂を主成分とした合成樹脂製の防水シー
トを使用する工法があるが、この合成樹脂製の防水シー
トを使用した工法は、該防水シートが収縮したり、或は
防水シートと座金との接着に高度の熟練を要する等の短
所があり、とくに塩化ビニル樹脂製の防水シートの場合
は、経年により可塑剤が逸散することで防水シートが脆
弱化すると共に、防水シート全体が収縮するため、相隣
接する防水シート同士を重ね合わせて接着した部分が剥
離し易く、さらに釘などの貫通孔が拡大することによ
り、これらの部分から漏水する危険性があった。
設されたアスファルト系の旧防水層を改修するために、
この旧防水層を撤去しないで、その上に重ねて防水施工
する際に、合成樹脂製の防水シートを用いると、経年的
に、該合成樹脂製の防水シートに含有される可塑剤がア
スファルト側に移行するために、アスファルトが軟化、
流動化し、スラブの亀裂部分へ流出することがあった。
これを防止するため、ポリエチレン発泡シート等の絶縁
シートを必ず介在させる必要があり、施工作業におい
て、所要時間と労力が増大し、施工コストが高くつくと
いう問題があった。
時にダイオキシン等の有害なガスを発生することが知ら
れており、コンクリートスラブ等の下地面に既設された
旧防水層に合成樹脂製の防水シートを用いてあると、旧
防水層を撤去し、新たに防水工事を施す必要に迫られた
際に、撤去した旧防水層である合成樹脂製の防水シート
などの処分に苦慮するという問題もあった。
た場合の上記した諸問題点を解消するために、アスファ
ルト系防水シートを使用した防水施工法が公知である。
例えば特開平9−32214号に係る特許公開公報によ
り公知となっているこのアスファルト系防水シートを使
用した工法は、ラミネートされた不織布とメッシュによ
り構成される単位面積当りの質量が100〜200g/
m2であるところのラミネート基材に、2800〜35
00g/m2のアスファルト系防水材を塗覆して形成さ
れた、JIS A 6013に規定される試験法による
引張強度が20〜30kgf/cm、寸法安定性が0〜
0.5%であるアスファルト系防水シートを多数枚使用
する。施工に当っては先ず防水シートの割り付け、墨だ
しを行い、図9と図10に示したように、防水シートの
裏面の中央部が接する部分に該当するコンクリートスラ
ブ等の下地1に(尚これはコンクリートスラブ等の下地
の上面に既設された旧防水層から成る下地であっても良
い)取付穴1aをハンマードリルなどを用いて穿設し、
この取付穴1aへ直径80mm程度の平面円形状の金属
製の座金2を該座金2の固定用孔2aを介してアンカー
ボルト等の固定具3を打ち込んで一定間隔ごとに機械式
に固定しておき、この座金2に防水シート4の裏面をト
ーチバーナで加熱溶融し接着させながら張り付ける。次
いで、この防水シート4の一側縁の重ね代4bの上面に
該重ね代4bより小幅の平面略矩形状の座金5を当て、
該座金5に少なくとも一個設けた固定用孔5aを介して
アンカーボルト等の固定具3をコンクリートスラブ等の
下地1に設けた取付穴1aへ打ち込んで所定間隔ごとに
機械式に固定させた後、その隣接する防水シート1の他
側縁の重ね代4aを、その裏面をトーチバーナーを用い
て溶融し、前記の固定された重ね代4bの上面に押圧し
貼り付けることを特徴とする工法である。
点) 上述した従来技術は、円形状や矩形状の金属製の座金を
下地へ固定させるために、コンクリートスラブ等の下
地、又は、該コンクリートスラブ等の下地の上面に既設
された旧防水層から成る下地を介してコンクリートスラ
ブ等の下地へ、ハンマードリル等を用いてアンカーボル
ト用の取付穴を穿設し、円形状や矩形状の金属製の座金
をそこに設けた固定用孔を通してアンカーボルトから成
る固定具の打込玉をハンマーでたたき込む必要がある。
この場合、ハンマードリルでの取付穴の穿設時、及びア
ンカーボルトの打込玉の叩き込み時の騒音が激しく、作
業上の大きな欠点となっていた。このことは釘を用いる
場合も同じであり、とくに人の居住している建築物の場
合にその騒音防止上の対策が必要とされていた。また、
防水シートの中央部において釘やアンカーボルトを用い
て座金を下地上へ固定し、この座金にトーチバーナーを
用いてアスファルト系防水シートの裏面を適確に溶着さ
せる従来の工法は、騒音の問題の他に高度の熟練と手間
を要し、施工コストが高くつくという問題があった。
に較べて、騒音を低減でき、かつ施工コストを大幅に下
げることのできる防水施工法を提供せんとするにある。
ためにこの発明は、建築物の屋上等のコンクリート系の
下地、又はコンクリート系の下地の上面に施されている
被改修防水層から成る下地に、アスファルト系防水シー
トを張り付けするに当り、前記下地上に敷設した前記ア
スファルト系防水シートの一側縁の重ね代の部分を適宜
間隔を空けて座金を介してアンカーボルト又は釘を用い
て機械式に前記下地に固定する工程と、前記防水シート
の略中央部を全面的に、或は適宜間隔を空けて部分的に
接着剤を用いて貼着する工程と、前記防水シートの他側
縁の重ね代を先に上述してあるように機械式に下地へ固
定してある防水シートの重ね代の部分に重ね合わせ、ト
ーチバーナーを用いて前記防水シートの重ね合わせた部
分を互いに溶着する工程を、組み合わせることを特徴と
する。
クリート系の下地、又はコンクリート系の下地の上面に
施されている被改修防水層から成る下地に、アスファル
ト系防水シートを張り付けするに当り、前記下地上に敷
設した前記アスファルト系防水シートの一側縁の重ね代
の部分を適宜間隔を空けて座金を介してアンカーボルト
又は釘を用いて機械式に前記下地に固定する工程と、前
記防水シートの略中央部を全面的に、或は適宜間隔を空
けて部分的に接着剤を用いて貼着する工程と、前記防水
シートの他側縁の重ね代を先に上述してあるように機械
式に下地へ固定してある防水シートの重ね代の部分に重
ね合わせ、トーチバーナーを用いて前記防水シートの重
ね合わせた部分を互いに溶着する工程を、組み合わせる
ことを特徴とする。
系クロロプレンラテックスとセメントと骨材の混合物を
主成分とするポリマーセメントモルタルから構成するこ
とを特徴とする。
トモルタルをカチオン系クロロプレンラテックスの含有
量がセメントに対し、固形分換算で2〜20重量%とな
るようにすることができる。
用するセメントを、普通ポルトランドセメント、早強セ
メント、フライアッシュセメント、またはアルミナセメ
ント等とすることができる。
添付図面に基づいて説明する。
スファルト系防水シート11の特徴とするラミネート基
材を示す。該ラミネート基材10は、不織布10aとメ
ッシュ10bとを積層し一体に接着または抄き合わせし
て成る。不織布10aは、ポリエステル繊維などの公知
の任意の材料の合成繊維、ガラス繊維又はこれらの混合
繊維を材料とし、これを湿式又は乾式で抄造したもので
ある。メッシュ10bは、合成繊維、ガラス繊維又はこ
れらの混合繊維から成る紡糸(ヤーン)フィラメント糸
などを縦横に交叉させて格子状とし、その各交差点を接
着剤で接着したもの、寒冷紗のように織ったものである
が、いずれの場合でも、メッシュ10bは、ラミネート
基材の強度を補う程度のものとし、寸法安定性を損なわ
ないことが必要であり、1乃至5本/cm間の粗目から
成ることが好ましい。この場合、糸の太さは、250デ
ニールから1000デニールとすることが好ましく一般
である。ラミネート基材10は不織布10aとメッシュ
10bを重ね合わせ、接着剤で互いに結着して製造する
か、あるいは不織布10aを湿式又は乾式で抄造する際
に、メッシュ10bを抄き合わせて製造するか、いずれ
でも良い。図1に示したラミネート基材10は、ポリエ
ステル繊維とビニロン繊維との混合繊維から成る肉薄の
不織布10aに、倉敷紡績株式会社製のポリエステル繊
維から成る例えば商品名「クレネット」の1品種E22
00(番手100デニールの糸2×2本/cm間)のメ
ッシュ10bを、該不織布10aの湿式抄造する際に抄
き込んで成るものであり、因みに、このラミネート基材
10の単位面積当たりの質量は177g/m 2 、引張強
度22kgf/cm程度であった。勿論、市販のその他
の品種のクレネットが使用できる。例えば、ポリエステ
ル製E3950(3本/cm間)、同E4523(4.
5本/cm間)、ビニロン製VF3250(3×3.5
本/間)、ガラス製GW1100(1本/cm間)など
の各種の目粗のメッシュが使用できる。
マー改質アスファルト、例えば、ゴムアスファルト11
a,11aを含浸、塗覆されることによりアスファルト
系防水シート11が形成される。図示の例では、アスフ
ァルト系防水シート11の厚さは約4mm、そのうち、
ラミネート基材10の厚さは約0.6mm、その両面の
各塗覆アスファルト11a,11aの厚さは約1.6m
mで、引張強度は30kgf/cm近くであった。尚、
アスファルト系防水シートに用いる塗覆アスファルトと
しては、JIS K2207(石油アスファルト)に規
定する針入度10乃至30のブローンアスファルト、防
水工事用アスファルト3種及び4種又は必要に応じて、
これらにタルクなどの充填剤を加えて成るものが挙げら
れるが、塗覆量を厚くすることを容易にするためには、
針入度60乃至100のストレートアスファルトに、ス
チレン・ブタジエン・スチレンゴム、スチレン・イソプ
レン・スチレンゴムなどのブロックコポリマーを、アス
ファルトに対し5乃至20重量%混合して成るものが挙
げられる。尚、図示しないが、図1に示したアスファル
ト系防水シート11は、その塗覆したゴムアスファルト
11a,11aの一方の面には、その全面に通常鉱物質
微粉粒を散布するか、又は合成樹脂フィルムを貼着し、
その他方の面には、砂を散着した砂付きアスファルト系
防水シートとして製造されることは言うまでもない。こ
の場合、コンクリートスラブ等の下地に座金を介する打
込玉で固定されるアスファルト系防水シートとして使用
されるものは、該防水シート表面の長さ方向の一側縁に
沿い使用する座金より広幅に、例えば、座金の幅が40
mmのときは、150mmの幅の砂を散着せずに、鉱物
質微粉粒を散布したもの、または合成樹脂フィルムを貼
着したものに構成する。
/m2)を変えた場合の引張強度とかかる単位面積当り
の質量を変えた不織布の夫々とのJIS A 6013
に規定する引張強度を比較試験した結果を示す。この比
較グラフから明らかなように、上述したラミネート基材
は、従来の不織布単独の基材に比し、同じ単位面積当り
の質量において著しく引張強度が向上することが分か
る。また、同図には、これらのラミネート基材にアスフ
ァルトを含浸塗覆して製造した本発明に用いるアスファ
ルト系防水シートの引張強度とこれらの不織布単独の基
材にアスファルトを含浸塗覆して製造した従来のアスフ
ァルト系防水シートの引張強度を示したが、当然のこと
乍ら、この発明に用いるアスファルト系防水シートは、
従来のアスファルト系防水シートと比較し、その不織布
10aの単位面積当りの質量、即ち、目付量が小さく、
軽量で且つ肉薄であるにも拘らず、著しく引張強度を有
することが分かる。また、図2から明らかなように、か
かる引張強度の大きいラミネート基材10を用いアスフ
ァルト系防水シートを製造するときは、僅か、少なくと
も100g/m2の目付量(g/m2)で、24kgf
/cmと言う大きい引張強度をもつアスファルト系防水
シートが得られることが解る。
ルト系防水シート11を用いて、コンクリートスラブ等
を下地とし、或は該下地に既に防水施工されている旧防
水層を下地とし、その上面に接着剤による貼着と、固定
具と座金による重ね代の部分の下地への固定とトーチバ
ーナーによる適切な溶融接合を行い、容易にかつ高能率
に且つ水密性の良い安定良好な而も強風に耐える引張強
度の大きいアスファルト防水施工を行うことができるも
のである。
いる防水工事用接着剤としてのポリマーセメントモルタ
ルは、カチオン系クロロプレンラテックス、セメント、
骨材等を主成分として成ることを特徴としており、さら
に増粘剤、沈降防止剤等の添加剤を加えて使用しても差
し支えない。該ポリマーセメントモルタルはカチオン系
クロロプレンラテックスとセメント及び骨材を防水工事
施工現場にてハンドミキサー等により混合撹拌して作製
されるが、セメントと骨材はこれを工場等において予め
調合しておいたものを使用しても差し支えない。
用するカチオン系クロロプレンラテックスは45%前後
の固形分が最も望ましく、これに防腐剤、増粘剤、湿潤
剤等の添加剤を加えても差し支えない。またカチオン系
クロロプレンラテックスの含有量はセメントに対し固形
分換算で2〜20重量%であり、使用量が20重量%未
満であれば防水下地及びアスファルト系防水シートとの
接着性が低下し実用的な接着強度が得られないので好ま
しくない。一方、使用量が20重量%を超えても、接着
性にほとんど変化が表われないため、かえってコスト的
に高価なものとなる。
ンラテックスの他にアニオン系の乳化剤により合成され
る、アニオン系クロロプレンラテックスが、該ポリマー
セメントモルタルの構成材料として利用できるか否かに
ついての、実験を行ったが、アスファルト系防水シート
との接着性において難があり、実用的な接着強さを得ら
れないことがわかった。また、さらに本発明者らは、エ
チレン酢酸ビニル系ラテックス、アクリルゴムラテック
ス、スチレン−ブタジエンゴムラテックスについても実
験を行ったが、やはり、実用的な接着力が得られなかっ
た。 (試験例1) 厚さ60mmで30cm角のコンクリート板を用意し、
該コンクリート板を水中浸漬して、表面含水率を10%
程度の湿潤状態に保つようにした後、カチオン系クロロ
プレンラテックス及びセメント及び骨材とから成るポリ
マーセメントモルタルを表1の配合により混練、生成
し、このポリマーセメントモルタルを下地に塗り付け
た。
プ 日新工業株式会社製)を張り付けた、該防水シート
の上面に4cm角金属製の接着試験用金具を、エポキシ
系接着剤にて貼り付け、該接着試験用金具の周辺部にカ
ッターにより切り込みを入れ、接着強度試験用の試料を
作成し、JIS A 6909に規定に準じ、単軸接着
強度を測定した。この単軸接着強度は、自動記録式万能
試験機を用いて測定し、測定温度20℃、引張速度は2
0mm/分で行った。測定結果を表2に示す。
トは、普通ポルトランドセメント、早強セメント、フラ
イアッシュセメント、アルミナセメント等が挙げられ、
これらは何れも好適に使用することができる。このセメ
ントに珪砂、川砂、炭酸カルシウム、クレー等の骨材を
添加し、セメントに対する骨材の添加量は100〜30
0重量%であることが望ましい。 (試験例2) ポリマーセメントモルタルを構成するラテックスを、カ
チオン系クロロプレンラテックス以外の、エチレン酢酸
ビニル系ラテックス(製品名:リカボンドBE中央理化
工業株式会社製)、アクリルゴムラテックス(製品名:
リカボンドET 中央理化工業株式会社製)、スチレン
−ブタジエンゴムラテックス(製品名:NIPOL 日
本ゼオン株式会社製)らのカチオン系ラテックスに置き
換え、試験例1と同様にして作成し、防水層の接着性を
試験した結果を表3に示す。
ロロプレンラテックス(製品名:NEOPRENE 昭
和ネオプレン製)に置き換え、試験例1と同様にして作
製し、防水層の接着性を試験した結果を表4に示す。
セメント及び骨材を主成分とするポリマーセメントモル
タルはアスファルト系防水シートに対して優れた接着性
を示すことが解った。
に示した座金12は、厚さは好ましくは1.2mm以
下、一般には0.6〜1.0mm程度の肉薄とし、その
中心に1個の固定用孔12aを有する。該座金12は、
ステンレス鋼板、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム板など
が挙げられるが、耐腐食性に優れたステンレス鋼板を用
いるのが好ましい。その形状は、四隅部分に丸みをもた
せた矩形状にしたものが好ましく、その幅は、アスファ
ルト系防水シートの重ね代よりは小さい幅とする。例え
ば、その重ね代を150mmとするときは、そのほぼ3
分の1程度の幅、即ち、40〜50mmとし、その長さ
は90〜100mm程度の矩形状とする。尚、図示のよ
うなリブ加工板としてその強度を増大することが一般的
であり、好ましい。
したものの倍の長さ、即ち、180〜200mmを有
し、その中央部には長さ方向に150mmの間隔に2個
の固定用孔13a,13aを有する他は、図3の座金1
2と同じ構成を持つ。
定用孔12a,13aに通されるアンカーボルト15の
代表的な例を示す。この発明に使用するアンカーボルト
15としては、コンクリート下地に打ち込んだものは、
その引抜強度が300kgf程度のものが好ましい。こ
のものは、コンクリートスラブ等の下地にドリルで取付
穴を開けた後、これに金属製又はプラスチック製のアン
カーボルト15を挿入し、打込玉15aを打ち込んで開
脚させるもの、或は金属製又はプラスチック製のカール
プラグを併用するものなどが好適に使用できるが、前者
の方が引抜強度が大きく作業性にも優れているので、図
5には、この前者のもの、即ち打込玉15aを打ち込む
ことによりアンカーボルト15の下端が開脚する式のも
のを示している。アンカーボルト1本当りの引抜強度が
300kgf程度未満であると、それだけ、座金の使用
数が増大、即ち座金の占める面積を増大しなければなら
ないので、該アンカーボルト15でアスファルト系防水
シートの重ね代を座金を介して下地に固定した後に、そ
の重ね代の上に隣接するアスファルト系防水シートの重
ね代の裏面をトーチバーナーで溶融し、これを該座金の
上面に押圧貼着しなければならないので、該座金の占め
る面積が大きくなる分、その重ね代相互の水密性が低下
するので好ましくない。この点により、アンカーボルト
15による引抜強度を高めて出来る限り座金の表面積は
小さくすることが好ましく、検討の結果300kgf/
本程度以上が好ましいことが解った。また、座金の長さ
を極端に2〜3mの長尺板とした場合は、トーチバーナ
ーで高温となったアスファルト系防水シートの重ね代の
溶融面が該座金の上面に接合されるので、座金はその高
温で急激な体積膨張を起こして、固定されているアンカ
ーボルトの固定力を低下させる恐れがあるので、本発明
の座金の長さは、通常200mm程度とすることが好ま
しく、これによりアンカーボルトに横方向の応力の影響
による固定力の低下を予防することができる。
ァルト系防水シート及び座金と固定具を用いて、建造物
の屋上のコンクリートスラブ等の下地の上に防水施工を
行った例を示す。コンクリートスラブ等の下地17の表
面含水率を10%程度の湿潤状態に保ち、防水下地とし
た。先ず、下地17上にアスファルト系防水シート11
の割り付け、墨出しを行い、該アスファルト系防水シー
ト11の裏面の中央部が面接する部分に当たる下地17
の上に、直系300mm程度の円形状に上述したポリマ
ーセメントモルタルから成る接着剤16を2.0kg/
m2の割合で、1m間隔に、柄杓にてスポット状に塗布
した。カチオン系クロロプレンラテックスは、昭和電工
株式会社製のタイトメントラテックスを使用し、表1に
示した配合にて、ポリマーセメントモルタルを混練し接
着剤16を作製した。
品名:メカトップ 日新工業株式会社製)を、先に施し
た割り付けに従い、その中央部を既にスポット状に塗布
したポリマーセメントモルタルの接着剤16面に接着さ
せながら敷設した。さらに、このアスファルト系防水シ
ートの一側縁部の重ね代11bの上面に該重ね代11b
より小幅の座金13(商品名:メカディスクA 日新工
業株式会社製)を当て、該座金13に2個設けた固定用
孔13a,13aを介して長さ40mmのアンカーボル
ト15から成る固定具を予め設けてある取付穴17aを
介してコンクリートスラブ等の下地17に1m間隔で順
次打ち込み、その隣接するアスファルト系防水シート1
1の他側縁の重ね代11aを、その裏面をトーチバーナ
ーを用いて溶融し、前記の固定された重ね代11bの上
面に押圧し溶着した。
系防水シート11において、上記の接着剤16による貼
着と、重ね代11bに対する座金と固定具による固定
と、この重ね代11bに重ねられる隣接するアスファル
ト系防水シート11の重ね代11aと前述の重ね代11
bとの間におけるトーチバーナーによる溶着を繰り返し
て長さ方向の防水施工を終了する。
示した座金12,13のように、1.2mm以下の肉薄
の板を使用するときは、該座金12,13はトーチバー
ナーの火焔により加熱されても体積膨張が殆どなく、従
って、アンカーボルト15の固定力に悪影響を及ぼさな
い。また、固定具として図示のようなアンカーボルト1
5を使用するときは、その引抜強度は1本当り少なくと
も300kgfが得られて好ましい。
では、コンクリートスラブ等の下地の上に、アスファル
ト系防水シートを単層張りする場合について説明した
が、下地としては改修さるべき既設の単層張りした防水
シート或は積層張りした防水層をそのまま用いることが
できる。この発明では単層張りした既設の防水シート或
は積層張りした既設の防水層の両者を含めて被改修防水
層或は既設の防水層と定義している。また、この発明は
単層張りしたアスファルト系防水シートの上面にさらに
防水層を形成させることができ、さらには防水層の上に
アスファルト系防水シートを張り付ける場合にも適用で
きる。固定具はアンカーボルトに限定されず、コンクリ
ート用の釘、その他の固定具を用いることができる。そ
して、接着剤による下地への防水シートの貼着は、スポ
ット的であっても良いが、全面的であっても良い。
に張り付ける防水シートの少なくとも中央部に沿って設
ける座金やアンカーボルトを省略でき、そのためにドリ
ルを用いて取付穴を穿設する作業、アンカーボルトを打
ち込む作業、トーチバーナーを用いて座金に防水シート
の裏面を溶着させる作業を省略できるので、施工コスト
を下げることができた上で、ドリルを用いての取付穴の
穿設時及びアンカーボルトを打ち込む際の騒音を低減で
きるという効果を奏した上で、下地が濡れていても乾燥
していてもその条件に拘ることなく、下地が濡れている
場合にはスポット的に接着剤を使用し、乾燥している時
には全面的に接着剤を貼着させるなどして対応できるも
のであり、とくに下地へ接着剤を用いてアスファルト系
防水シートの縁部の座金と釘やアンカーボルトのような
固定具を用いて機械式に固定する部分を除いて全面的に
貼着する施工法は、防水シートの張り付け状態がより強
固となるという効果を奏することができる。
ファルト系防水シートに対する接着効果が高く、且つ下
地が濡れていても当該下地やアスファルト系防水シート
の両方に良く接着させることができるという効果を奏し
得る。
ファルト系防水シートに対する接着効果が最適となると
いう効果を奏し得る。
成するポリマーセメントモルタルに使用するセメントの
種類に幅ができる結果、工事現場での接着剤の作製が容
易となる上に、各セメントの特性を生かした使用を行う
ことができるという効果を奏し得る。
ファルト系防水シートに対する接着効果が最適となると
いう効果を奏し得る。
成するポリマーセメントモルタルに使用するセメントの
種類に幅ができる結果、工事現場での接着剤の作製が容
易となる上に、各セメントの特性を生かした使用を行う
ことができるという効果を奏し得る。
水シートの一部を削除した斜視図である。
と従来の不織布基材とアスファルト系防水シートの不織
布の単位面積当りの質量と引張強度との関係を示す比較
グラフである。
面図である。
ある。
平面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 建築物の屋上等のコンクリート系の下
地、又はコンクリート系の下地の上面に施されている被
改修防水層から成る下地に、アスファルト系防水シート
を張り付けするに当り、前記下地上に敷設した前記アス
ファルト系防水シートの一側縁の重ね代の部分を適宜間
隔を空けて座金を介してアンカーボルト又は釘等の固定
具を用いて機械式に前記下地に固定する工程と、前記防
水シートの略中央部を全面的に、或は適宜間隔を空けて
部分的に接着剤を用いて貼着する工程と、前記防水シー
トの他側縁の重ね代を先に上述してあるように機械式に
下地へ固定してある防水シートの重ね代の部分に重ね合
わせ、トーチバーナーを用いて前記防水シートの重ね合
わせた部分を互いに溶着する工程を、組み合わせること
を特徴とする、防水施工法。 - 【請求項2】 接着剤がカチオン系クロロプレンラテッ
クスとセメントと骨材の混合物を主成分とするポリマー
セメントモルタルから成ることを特徴とする、請求項1
に記載の防水施工法。 - 【請求項3】 前記ポリマーセメントモルタルはカチオ
ン系クロロプレンラテックスの含有量がセメントに対
し、固形分換算で2〜20重量%であることを特徴とす
る、請求項2に記載の防水施工法。 - 【請求項4】 前記ポリマーセメントモルタルに使用す
るセメントが、普通ポルトランドセメント、早強セメン
ト、フライアッシュセメント、またはアルミナセメント
等であることを特徴とする、請求項2又は請求項3のい
ずれかに記載の防水施工法。
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