JP3201621U - 隙間を有する歯ブラシ - Google Patents
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Abstract
【課題】歯の形状に応じて、適切に歯磨きを行うことのできる歯ブラシを提供する。【解決手段】隙間14を有する歯ブラシであって、第1の毛束群12bと、第1の毛束群よりも全長が長い第2の毛束群12aと、を有するヘッド部11と、ヘッド部に接続された把持部とを備える。ヘッド部には、長手方向の一方の辺から他方の辺に渡って第1の毛束群を隔てて複数の第2の毛束群が配置され、第1の毛束群を挟む2つの第2の毛束群は、少なくとも先端部分において隙間を有する。【選択図】図10
Description
本考案は、隙間を有する歯ブラシに関する。
虫歯の予防には、歯間の掃除が肝要である。また、歯周病を予防するためには、歯の周囲にある歯周ポケットを掃除する必要がある。
特許文献1には、「複数束の毛束が埋設される植毛部と、把持部と、前記植毛部と前記把持部とを連結する首部とを備える歯ブラシであって、前記植毛部の外側に位置するよう略U字状に埋設される外側毛束と、前記外側毛束の内側に位置するよう埋設される内側毛束とを備え、前記内側毛束が前記外側毛束より短くなるよう段差が設けられ、前記内側毛束におけるそれぞれの毛束の先端部が前記外側毛束の一端側から他端側に向けて傾斜部を形成してなることを特徴とする」歯ブラシが開示されている。
従来の歯ブラシは、長さの揃ったブラシがヘッド部の長手方向に沿って列をなしているため、歯間にブラシの先端を到達させるためには、先に歯の表面に到達したブラシがしなるほどの力を加える必要がある。そのため、ブラシの先端が広がりやすく、歯ブラシの交換サイクルの短期化の原因となる。
また、歯周ポケットなど特定の箇所を磨きたい場合に、当該箇所以外の部分にブラシが当たってしまい、所望の箇所の歯磨きを充分に行うことができない。
本考案は、歯の形状に応じて、適切に歯磨きを行うことのできる歯ブラシを提供するものである。
上記課題を解決するために、本考案の一態様に係る歯ブラシは、隙間を有する歯ブラシであって、第1の毛束群と、前記第1の毛束群よりも全長が長い第2の毛束群と、を有するヘッド部と、前記ヘッド部に接続された把持部とを備え、前記ヘッド部には、長手方向の一方の辺から他方の辺に渡った前記第1の毛束群を隔てて複数の前記第2の毛束群が配置され、前記第1の毛束群を挟む2つの前記第2の毛束群は、少なくとも先端部分において隙間を有する。
また、本考案の前記隙間は、前記第2の毛束群を構成する複数の毛束の間隔よりも広いものであってもよい。
また、本考案の前記第2の毛束群は、前記ヘッド部上の略楕円形の領域に収まるよう植毛されていてもよい。
また、本考案の前記第2の毛束群は、第1のブラシ毛と、前記第1のブラシ毛よりも長い第2のブラシ毛と、を含み、前記第2のブラシ毛は、前記第1のブラシ毛よりも先端が尖っていてもよい。
また、本考案の前記第2の毛束群がなす歯との接触面は、前記ヘッド部の植毛面に対して凹方向に湾曲していてもよい。
また、本考案の前記第2の毛束群がなす歯との接触面は、前記ヘッド部の植毛面に対して凸方向に湾曲していてもよい。
また、本考案の前記隙間は、1mm以上3.5mm以下であってもよい。
また、本考案の前記把持部は、指を通すための貫通孔が設けられたリング状の第1指掛け部と、前記第1指掛け部に延設して形成され、最大幅が前記第1指掛け部の外縁の最大幅より広い第2指掛け部と、前記第2指掛け部に延設して形成された握り部と、を含むものであってもよい。
本考案によれば、歯の形状に応じて、適切に歯磨きを行うことのできる歯ブラシを提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、図面に基づいて本考案の実施の形態を説明する。図1は、第1の実施形態における歯ブラシ1の外観を示す図である。
以下、図面に基づいて本考案の実施の形態を説明する。図1は、第1の実施形態における歯ブラシ1の外観を示す図である。
図1(a)は、歯ブラシ1の平面図である。図1(b)は、歯ブラシ1の正面図である。図1(c)は、歯ブラシ1の左側面図である。図1(d)は、図1(b)に示すy方向から見た歯ブラシ1のヘッド部11の拡大図である。歯ブラシ1は、ヘッド部11と、ヘッド部11に接続された把持部15と、ヘッド部11に植毛された複数のブラシ毛からなる毛束12と、複数の毛束12からなる複数の毛束群13と、を有する。図1に示す歯ブラシ1は、3つの毛束群13を有する。また、毛束群13は、各々ヘッド部11上の略矩形の領域に収まるよう植毛された毛束12により構成される。
複数の毛束群13は、隙間14を隔てて隣り合う。ヘッド部11は、1又は複数の隙間14を有しており、隙間14は、ヘッド部11の短手方向に渡っている。より具体的には、隙間14は、ヘッド部11の周辺のうち長辺上の1点と、該長辺に対向する他の長辺上の1点とを接続するよう構成される。隙間14は、例えば把持部15の延伸する方向と略直交する直線形状である。なお、隙間14は、毛束12の根本部分の間隙である。ヘッド部11が図1(b)のy方向から見て略円形又は略正方形である場合等、長辺と短辺とを有さない場合には、隙間14は、ヘッド部11の周辺上の1点と、該周辺上の他の1点とを結ぶよう構成される。
なお、本実施形態における歯ブラシ1は、複数の毛束群13を有するものであるが、好ましくは3つ以上の毛束群13を有する。一般的な歯ブラシは、把持部15とヘッド部11とが樹脂等により一体成型される。また、一般的な歯ブラシのヘッド部11の長辺は約2.3cmである。該ヘッド部に対して3つ以上の毛束群13を設けると、各々の毛束群13を略同じ大きさに構成した場合に、1つの毛束群13の中央から隣り合う毛束群13の中央までのヘッド部長手方向の距離が7mm以下となり、成人の歯間に対して適切な距離となる。つまり、一般的な歯ブラシの金型を用いて成型する場合であっても、複数個所の歯間に適切に毛束群を到達させることができるため、歯ブラシ1は3つ以上の毛束群13を有することが好ましい。
隙間14は、毛束12と、該毛束12と同じ毛束群13に属し隣り合う他の毛束12と、の間隔よりも広い。つまり、隙間14は、毛束群13を構成する複数の毛束12の間隔よりも広い。隙間14は、1mm以上3.5mm以下であることが望ましい。
(第1の変形例)
図2は、第1の実施形態の第1の変形例における歯ブラシ1の外観を示す図である。以下、上述の実施形態と異なる点について説明し、重複する点については説明を省略する。
図2は、第1の実施形態の第1の変形例における歯ブラシ1の外観を示す図である。以下、上述の実施形態と異なる点について説明し、重複する点については説明を省略する。
図2(a)は、第1の変形例における歯ブラシ1のヘッド部11の平面図である。上述の実施形態における各毛束群13は、ヘッド部11に対して略矩形領域に収まるように植毛された複数の毛束12により構成されている。第1の変形例における毛束群13は、上述の実施形態において略矩形を構成する毛束12の植毛箇所のうち、4隅の植毛箇所を除いた箇所に植毛された毛束12を有する。結果として、毛束群13は、ヘッド部11上の略楕円形の領域に収まるよう植毛された毛束12により構成される。
図2(b)は、第1の変形例における歯ブラシ1のヘッド部11の他の例の平面図である。図2(b)におけるヘッド部11は、図2(a)のヘッド部11のように、略矩形の毛束12の4隅の植毛箇所を除いた箇所に植毛されたものではない。しかしながら、図2(b)のヘッド部11は、毛束群13がヘッド部11上の略楕円形の領域に植毛された毛束12を有する点において、図2(a)のヘッド部11と同様である。なお、円形は略楕円形に含まれるものと取り扱う。
図2(c)は、第2の変形例における歯ブラシ1のヘッド部11の斜視図である。第2の変形例における歯ブラシ1が有する毛束12は、各々等しい長さに揃えられたブラシ毛からなる。ブラシ毛の先端は、ヘッド部11の植毛面に対して略平行な平面形状である。なお、ブラシ毛の先端は、略半球形状であってもよいし、先端に向かうにつれて漸次直径が小さくなるよう尖った形状をしていてもよい。
(第2の変形例)
図3は、第2の変形例における歯ブラシ1の外観を示す図である。図3(a)は、第2の変形例における歯ブラシ1の平面図である。図3(b)は、第2の変形例における歯ブラシ1の正面図である。第3の変形例における歯ブラシ1は、2つの毛束群13を有している。また、第2の変形例における毛束群13は、ヘッド部11上の略円形の領域に収まるよう植毛された毛束12により構成される。
図3は、第2の変形例における歯ブラシ1の外観を示す図である。図3(a)は、第2の変形例における歯ブラシ1の平面図である。図3(b)は、第2の変形例における歯ブラシ1の正面図である。第3の変形例における歯ブラシ1は、2つの毛束群13を有している。また、第2の変形例における毛束群13は、ヘッド部11上の略円形の領域に収まるよう植毛された毛束12により構成される。
(第3の変形例)
図4は、第3の変形例における歯ブラシ1のヘッド部11の詳細を説明するための図である。第3の変形例における毛束12は、長さの異なるブラシ毛を有する。図4(a)は、第3の変形例におけるヘッド部11の斜視図である。図4(b)は、第3の変形例におけるブラシ毛を説明するための図である。図4(c)は、第3の変形例における他の構成例を説明するための図である。第3の変形例における歯ブラシ1が有する毛束12は、第1のブラシ毛121と、第1のブラシ毛よりも長い第2のブラシ毛122とからなる。
図4は、第3の変形例における歯ブラシ1のヘッド部11の詳細を説明するための図である。第3の変形例における毛束12は、長さの異なるブラシ毛を有する。図4(a)は、第3の変形例におけるヘッド部11の斜視図である。図4(b)は、第3の変形例におけるブラシ毛を説明するための図である。図4(c)は、第3の変形例における他の構成例を説明するための図である。第3の変形例における歯ブラシ1が有する毛束12は、第1のブラシ毛121と、第1のブラシ毛よりも長い第2のブラシ毛122とからなる。
なお、長さが異なるというのは、実質的に長さが異なることをいい、例えば目視において、長さが異なることを認識できる程度を意味する。第1のブラシ毛121と、第2のブラシ毛との長さの差は、1mm〜5mm、より好ましくは3mm〜4mmである。
第1のブラシ毛121は、上述の第2の変形例における歯ブラシ1が有するブラシ毛と同様に、ヘッド部11の植毛面に対して略平行な平面形状の先端を有する。第2のブラシ毛122は、先端に向かうにつれて漸次直径が小さくなる、尖った形状をしている。
なお、第1のブラシ毛121の先端は、略半球形状であってもよいし、先端に向かうにつれて漸次直径が小さくなる形状をしていてもよい。しかしながら、第2のブラシ毛122の先端が、第1のブラシ毛121の先端よりも尖った形状をなすよう構成される。換言すれば、第2のブラシ毛122における、直径が小さくなり始める箇所から先端までの距離は、第1のブラシ毛121における該距離よりも長い。
また、第3の変形例における歯ブラシ1の毛束12は、第1のブラシ毛121及び第2のブラシ毛122とも形状又は長さの異なるブラシ毛を有するものであってもよい。
図4(a)から分かるように、第3の変形例における歯ブラシ1の複数の毛束12は、すべて第1のブラシ毛121及び第2のブラシ毛122を有していてもよい。また、図4(c)から分かるように、歯ブラシ1は、第1のブラシ毛121又は第2のブラシ毛122のみからなる毛束12と、第1のブラシ毛121及び第2のブラシ毛122を有する毛束12と、の少なくとも2種類の毛束12を有するものであってもよい。
図5は、第3の変形例における歯ブラシ1の使用状態の一例を示す図である。図5(a)は、歯ブラシ1により同時に3箇所の歯間を磨いている状態を示す。毛束群13を歯間に当てることで、同時に複数個所の歯間を磨くことができる。また、隙間14の存在により、歯の中央部分にブラシ毛が当たることを防ぎ、歯ブラシ1の消耗を軽減できる。
図5(b)は、ヘッド部11の先端に設けられた毛束群13が歯周ポケットtを磨いている状態を示す図である。
奥歯は、歯茎に埋設する根元部分において二股に分かれているが、股の部分が露出することにより、歯周ポケットを形成することがある。歯周ポケットtは、ここでは奥歯の股の部分に相当する根本付近の歯周ポケットである。
本実施形態では、ヘッド部11の先端に設けられた毛束群13と、該毛束群13に隣り合い該毛束群13よりも把持部15寄りに設けられた他の毛束群13との間に隙間14がある。そのため、先端の毛束群13により歯周ポケットを磨く際に他の毛束群13が歯の表面に当たることを防ぎ、効率よく所望の歯周ポケットを磨くことができる。なお、歯ブラシ1は、歯と歯茎との隙間にある歯周ポケットも効率的に磨くことができることはいうまでもない。この様に、歯ブラシ1は、歯周のねらったポイントを狙い磨きしやすい。
(第4の変形例)
図6は、第4の変形例及び第5の変形例におけるヘッド部11の外観を示す図である。図6(a)は、第4の変形例におけるヘッド部11の左側面図であって、図6(b)が第5の変形例におけるヘッド部11の左側面図である。
図6は、第4の変形例及び第5の変形例におけるヘッド部11の外観を示す図である。図6(a)は、第4の変形例におけるヘッド部11の左側面図であって、図6(b)が第5の変形例におけるヘッド部11の左側面図である。
第4の変形例におけるヘッド部11は、歯ブラシ1のヘッド部11の先端を正面に見た場合(図1(b)における−x方向から見た場合)に、毛束12の先端がなす歯との接触面が、ヘッド部11の植毛面に対して凸方向に湾曲している。つまり、ヘッド部11の短手方向を正面に見た場合に、毛束12の先端を結ぶ曲線が、ヘッド部11の植毛面に対して突出する方向に湾曲した円弧形状をしている。ヘッド部11の中央付近の毛束12が有するブラシ毛が最も長く、ヘッド部11の縁方向に向かうにつれてブラシ毛が漸次短くなるよう構成される。
なお、第4の変形例における歯ブラシ1、及び下記の第5の変形例における歯ブラシ1においても、上述の実施形態と同様に、隙間14を隔てて隣り合う複数の毛束群13を有することは言うまでもない。
これにより、より容易に所望の箇所にブラシ毛を到達させることができる。また、歯の咬合面にある窪みにブラシ毛の先端をフィットさせることができるため、虫歯になりやすい咬合面をより効率的に磨くことができる。
なお、第4の変形例における歯ブラシ1は、第1の毛束と、第1の毛束よりも全長が長い第2の毛束との少なくとも2種類の毛束12を有していてもよい。
ここで、毛束12の全長とは、毛束12を構成するブラシ毛のうち最も長さの長いブラシ毛の先端と、該ブラシ毛の根本部分までの距離をいう。本変形例における第2の毛束は、第1の毛束よりも、目視において全長が長いことが認識しうる。第1の毛束と第2の毛束との全長の差は、2mm〜9mm、より好ましくは3mm〜5mmである。
この場合、第4の変形例における歯ブラシ1は、歯ブラシ1のヘッド部の短手方向を正面に見た場合、第2の毛束の先端がなす歯との接触面が、ヘッド部11の植毛面に対して凸方向に湾曲する。
なお、以下、第5の実施例、第6の実施例、及び第7の実施例においても、歯ブラシ1は、第1の毛束と、第1の毛束よりも全長が長い第2の毛束との少なくとも2種類の毛束12を有してもよい点において、第4の変形例と共通する。この場合、毛束群13がなす歯との接触面は、第2の毛束の先端により構成される。
(第5の変形例)
第5の変形例におけるヘッド部11は、歯ブラシ1のヘッド部11の先端を正面に見た場合(図1(b)における−x方向から見た場合)に、毛束12の先端がなす歯との接触面が、ヘッド部11の植毛面に対して凹方向に湾曲している。つまり、ヘッド部11の先端を正面に見た場合に、毛束12の先端を結ぶ曲線が、ヘッド部の植毛面に対して陥没する方向に湾曲した円弧形状をしている。ヘッド部11の中央付近の毛束12が有するブラシ毛が最も短く、ヘッド部の縁方向に向かうにつれて、ブラシ毛が漸次長くなるよう構成される。
第5の変形例におけるヘッド部11は、歯ブラシ1のヘッド部11の先端を正面に見た場合(図1(b)における−x方向から見た場合)に、毛束12の先端がなす歯との接触面が、ヘッド部11の植毛面に対して凹方向に湾曲している。つまり、ヘッド部11の先端を正面に見た場合に、毛束12の先端を結ぶ曲線が、ヘッド部の植毛面に対して陥没する方向に湾曲した円弧形状をしている。ヘッド部11の中央付近の毛束12が有するブラシ毛が最も短く、ヘッド部の縁方向に向かうにつれて、ブラシ毛が漸次長くなるよう構成される。
これにより、歯を直方体に見立てた場合に、角となる部分にブラシ毛をフィットさせることができ、より効率的に角部の歯垢を除去することができる。また、前歯や犬歯の先端など、歯の突出した部分を適切に磨くことができる。
(第6の変形例)
図7は、第6の変形例及び第7の変形例における歯ブラシ1の外観を示す図である。図7(a)は、第6の変形例における歯ブラシ1の平面図である。図7(b)は、第6の変形例における歯ブラシ1の正面図である。なお、本図における歯ブラシ1のヘッド部11は、4つの毛束群13を有しているが、第6の変形例及び第7の変形例における歯ブラシ1の毛束群13の数は、これに限定されない。
図7は、第6の変形例及び第7の変形例における歯ブラシ1の外観を示す図である。図7(a)は、第6の変形例における歯ブラシ1の平面図である。図7(b)は、第6の変形例における歯ブラシ1の正面図である。なお、本図における歯ブラシ1のヘッド部11は、4つの毛束群13を有しているが、第6の変形例及び第7の変形例における歯ブラシ1の毛束群13の数は、これに限定されない。
第6の変形例における歯ブラシ1は、歯ブラシ1を正面から見た場合に、ヘッド部11が有する毛束群13の先端がなす、歯との接触面が、ヘッド部11の植毛面に対して凹方向に湾曲している。換言すれば、図7(b)に示すように、ヘッド部11の長手方向を正面とした場合に、ヘッド部11が有する毛束群13の先端を結ぶ曲線が、中央が窪んだ円弧形状をしている。該曲線は、ヘッド部11の中央からヘッド部11の両端に向かうにつれ、高さが増すよう構成される。つまり、ヘッド部11の有する中央の毛束12の長さが最も短く、ヘッド部11の両端に向かうにつれて毛束12の長さが漸次増すよう構成される。
これにより、口腔外に向かって弧を描くように湾曲した歯列を外側から磨く際に、歯列に毛束12をフィットさせ、効率的に歯を磨くことができる。
(第7の変形例)
図7(c)は、第7の変形例における歯ブラシ1の平面図である。図7(d)は、第7の変形例における歯ブラシ1の正面図である。第7の変形例における歯ブラシ1は、歯ブラシ1を正面から見た場合に、ヘッド部11が有する毛束群13の先端がなす、歯との接触面が、ヘッド部11の植毛面に対して凸方向に湾曲している。
図7(c)は、第7の変形例における歯ブラシ1の平面図である。図7(d)は、第7の変形例における歯ブラシ1の正面図である。第7の変形例における歯ブラシ1は、歯ブラシ1を正面から見た場合に、ヘッド部11が有する毛束群13の先端がなす、歯との接触面が、ヘッド部11の植毛面に対して凸方向に湾曲している。
換言すれば、ヘッド部11の長手方向を正面とした場合に、ヘッド部11が有する毛束群13の先端を結ぶ曲線が、中央が突出した円弧形状をしており、ヘッド部11の中央からヘッド部11の両端に向かうにつれて高さが低くなるよう構成される。つまり、ヘッド部11の有する中央の毛束12の長さが最も長く、ヘッド部11の両端に向かうにつれて毛束12の長さが漸次短くなる。
これにより、歯の裏側を磨く際に、歯列の内側に毛束12をフィットさせ、効率的に歯を磨くことができる。
なお、歯ブラシ1の上述の実施形態、及び各変形例は、矛盾のない範囲において適宜組み合わせることができることは言うまでもない。例えば、第4の変形例と第6の変形例とを組み合わせ、ブラシ毛の先端がなす歯との接触面が、ヘッド部11の先端側を正面とした際に植毛面に対して突出する方向に湾曲し、ヘッド部11の長手方向を正面とした際に植毛面に対して陥没する方向に湾曲させた構成としてもよい。また、第4の変形例と第7の変形例とを組み合わせ、ブラシ毛の先端がなす歯との接触面が、ヘッド部11の先端側を正面とした際に植毛面に対して突出する方向に湾曲し、ヘッド部11の長手方向を正面とした際にも植毛面に対して突出する方向に湾曲させた構成としてもよい。第5の変形例と第6の変形例との組み合わせ、又は第5の変形例と第7の変形例との組み合わせについても同様である。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図8は、第2の実施形態における歯ブラシ1の外観を示す図である。図8(a)は、第2の実施形態における歯ブラシ1の正面図である。図8(b)は、第2の実施形態における歯ブラシ1の平面図である。図8(c)は、第2の実施形態における歯ブラシ1の使用状態の一例を示す図である。
次に、第2の実施形態について説明する。図8は、第2の実施形態における歯ブラシ1の外観を示す図である。図8(a)は、第2の実施形態における歯ブラシ1の正面図である。図8(b)は、第2の実施形態における歯ブラシ1の平面図である。図8(c)は、第2の実施形態における歯ブラシ1の使用状態の一例を示す図である。
本実施形態における把持部15は、指を通すための貫通孔が設けられたリング状の第1指掛け部151と、第1指掛け部151に延設して形成された第2指掛け部152と、第2指掛け部152に延設して形成された握り部153と、を含む。把持部15は、ヘッド部11において植毛がされた面と同じ側の面である表面及び対向側の面である裏面の幅が、表面及び裏面の間の両側面より広く、扁平な形状に形成される。
第1指掛け部151は、ヘッド部11に延設して形成される。図1(a)に示す第1指掛け部151の貫通孔154は、略円形状に形成される。第1指掛け部151は、人差し指や親指等の指先だけではなく、指の根元までが入る余裕のある大きさに形成される。幼児や子供、大人用で適正値は異なり、第1指掛け部151は、好ましくは、内径の最大幅Dnが13mm〜35mm程度で、外縁の最大幅Dgが20〜40mm程度である。これによって、歯ブラシ1を把持する手の全体の自由度を高めることができる。
第2指掛け部152は、第1指掛け部151に延設して形成される。第2指掛け部152は、一対の凹部152a及び一対の凸部152bを含む。一対の凹部152aは、第1指掛け部151の外縁にそれぞれ延続して形成され、互いに対向している一対の凹みである。一対の凸部152bは、一対の凹部152aにそれぞれ延続して形成され、互いに対向している凸状部分である。
一例として、図8(b)に示すように、第2指掛け部152は、第1指掛け部151の外縁より一旦幅を狭めてから広めた後に、さらに狭める形状に形成される。これによって、両側面において、くびれ状の凹みである一対の凹部152aと、「へ」の字状の一対の凸部152bが形成される。第2指掛け部152は、両凸部152bの間で形成される最大幅Wが第1指掛け部151の外縁の最大幅より広く形成される。好ましくは、第2指掛け部152の最大幅Wは30mm〜60mm程度であり、第1指掛け部151の外縁より広い。
握り部153は、第2指掛け部152に延設して形成される。握り部153は末端部分が丸みを帯びる形状に形成される。
一例として、歯ブラシ1は、長手方向の中心線Lに対して左右対称に形成される。または、歯ブラシ1は、利き手に合わせて、人差し指を第1指掛け部151に通した場合に、親指を当てる側の凹部152aを中指を当てる側の凹部152aより凹みが深くなるように形成されてもよい。
また、図1において、凸部152bは「へ」の字状に形成されているが、これに限定するものではなく、例えば、「冂」の字状に両側面から突出するように形成されてもよい。
使用者は、図8(c)に示すように、歯ブラシ1を、人差し指を第1指掛け部151に通し、親指及び中指をそれぞれ第2指掛け部152に当てるようにして把持することができる。また、親指を第1指掛け部151に通し、人差し指及び中指をそれぞれ第2指掛け部152に当てるように歯ブラシ1を把持することができる。このように、使用者は、弱い力でもしっかりと歯ブラシ1を把持することができ、ブラッシングに必要とされるヘッド部11の角度を調整することができる。
すなわち、使用者は、第1指掛け部151に指を通し、第2指掛け部152に指を当てることによって、弱い力でもしっかりと歯ブラシ1を把持することができる。また、第2指掛け部152の最大幅が第1指掛け部151より広いため、自然な把持態様となると共に、3点支持となるため安定感のある把持ができる。また、第2指掛け部152に凹部152aと凸部152bとを含めることで、凹部152aに指を当てた状態で、凸部152bで歯ブラシ1を捻るようにして、歯ブラシ1を長軸方向において回転させてヘッド部11の角度を調整することができる。また、凸部152b間の幅(第2指掛け部の最大幅)が広いため、小さい幅の捻りでもヘッド部11の角度を変える効果を十分に得ることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図9は、第3の実施形態における歯ブラシ1の外観を示す図である。第3の実施形態における歯ブラシ1は、接続部18を有する。接続部18により、ヘッド部11と把持部15とが接続している。例えば、ヘッド部11の一端と把持部15の一端とのいずれか一方が凸型の形状をしており、他方が凹型の形状をしており、一方が他方と嵌合することにより、接続部18でヘッド部11と把持部15とが接続される。なお、接続の方法はこの限りでなく、把持部15に対してヘッド部11が交換可能に接続されるものであればよい。
次に、第3の実施形態について説明する。図9は、第3の実施形態における歯ブラシ1の外観を示す図である。第3の実施形態における歯ブラシ1は、接続部18を有する。接続部18により、ヘッド部11と把持部15とが接続している。例えば、ヘッド部11の一端と把持部15の一端とのいずれか一方が凸型の形状をしており、他方が凹型の形状をしており、一方が他方と嵌合することにより、接続部18でヘッド部11と把持部15とが接続される。なお、接続の方法はこの限りでなく、把持部15に対してヘッド部11が交換可能に接続されるものであればよい。
第3の実施形態における歯ブラシ1は、上述の実施形態及び変形例において示した、複数の毛束群13を有するヘッド部11のほか、種々の形状に植毛された毛束群13を備えるヘッド部11が接続可能であってもよい。例えば、従来の歯ブラシと同様に、ヘッド部11の長手方向に沿って列をなす1つの毛束群13からなるヘッド部11が接続可能であってもよい。
これにより、例えば歯間以外の部分には隙間14を有さないヘッド部11を用い、歯間を磨く際に隙間14を有するヘッド部11を用いるなど、用途に応じてヘッド部11を使い分けることができる。また、ヘッド部11が消耗した際には、ヘッド部11のみを交換し、それまで使用していた把持部15を引き続き使用することができる。さらに、歯ブラシの堅さや色を毛束群に毎に変えて植毛したり、各毛束群の周囲と中心部により変えても良い。これにより、ブラッシング時のブラシの当たる感覚や効果などに変化を得る事が出来る。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。図10は、第4の実施形態における歯ブラシのヘッド部の正面図である。第4の実施形態における歯ブラシ1のヘッド部11は、第1の毛束群12bと、第1の毛束群よりも全長が長い複数の第2の毛束群12aと、を有する。第1の毛束群12bと第2の毛束群12aとは、上述の実施形態における毛束12に相当する。
次に、第4の実施形態について説明する。図10は、第4の実施形態における歯ブラシのヘッド部の正面図である。第4の実施形態における歯ブラシ1のヘッド部11は、第1の毛束群12bと、第1の毛束群よりも全長が長い複数の第2の毛束群12aと、を有する。第1の毛束群12bと第2の毛束群12aとは、上述の実施形態における毛束12に相当する。
第1の毛束群12bは、ヘッド部11の長手方向の一方の辺から他方の辺に渡って配置される。複数の第2の毛束群12aは、第1の毛束群12bを隔てて配置される。第1の毛束群12bは第2の毛束群12aよりも全長が短いため、複数の第2の毛束群12bの間には、少なくとも先端部分において隙間14が形成される。
本実施形態により、異なる全長を有する複数種の毛束群が形成される。また、長い毛束群の間に短い毛束群が形成されるため、長い毛束群が恒常的にしなることによる歯ブラシ1の傷みを予防することができる。また、長い毛束群が歯間を磨いている際に、短い毛束群が歯の表面に当たるため、効率的に歯間と歯の表面を磨くことができる。
以上、各実施形態に基づき本考案の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本考案が限定されるものではない。上記実施形態に示した要件に関しては、本考案の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
また、各実施形態は、それぞれの特徴を組み合わせることができる。上述のいずれかの歯ブラシ1が、他の実施形態の特徴を併せ持つものであってもよい。
1:歯ブラシ、11:ヘッド部、12:毛束、13:毛束群、14:隙間、15:把持部、121:第1のブラシ毛、122:第2のブラシ毛、151:第1指掛け部、152:第2指掛け部、152a:凹部、152b:凸部、153:握り部、154:貫通孔、t:歯周ポケット
Claims (8)
- 第1の毛束群と、前記第1の毛束群よりも全長が長い第2の毛束群と、を有するヘッド部と、前記ヘッド部に接続された把持部とを備え、
前記ヘッド部には、長手方向の一方の辺から他方の辺に渡った前記第1の毛束群を隔てて複数の前記第2の毛束群が配置され、前記第1の毛束群を挟む2つの前記第2の毛束群は、少なくとも先端部分において隙間を有する、歯ブラシ。 - 請求項1に記載の歯ブラシであって、
前記隙間は、前記第2の毛束群を構成する複数の毛束の間隔よりも広い、歯ブラシ。 - 請求項1又は2に記載の歯ブラシであって、
前記第2の毛束群は、前記ヘッド部上の略楕円形の領域に収まるよう植毛されている、歯ブラシ。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の歯ブラシであって、
前記第2の毛束群は、第1のブラシ毛と、前記第1のブラシ毛よりも長い第2のブラシ毛と、を含み、
前記第2のブラシ毛は、前記第1のブラシ毛よりも先端が尖っている、歯ブラシ。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の歯ブラシであって、
前記第2の毛束群がなす歯との接触面は、前記ヘッド部の植毛面に対して凹方向に湾曲する、歯ブラシ。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の歯ブラシであって、
前記第2の毛束群がなす歯との接触面は、前記ヘッド部の植毛面に対して凸方向に湾曲する、歯ブラシ。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載の歯ブラシであって、
前記隙間は、1mm以上3.5mm以下である、歯ブラシ。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載の歯ブラシであって、
前記把持部は、指を通すための貫通孔が設けられたリング状の第1指掛け部と、
前記第1指掛け部に延設して形成され、最大幅が前記第1指掛け部の外縁の最大幅より広い第2指掛け部と、
前記第2指掛け部に延設して形成された握り部と、を含む、歯ブラシ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015005085U JP3201621U (ja) | 2015-10-08 | 2015-10-08 | 隙間を有する歯ブラシ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015005085U JP3201621U (ja) | 2015-10-08 | 2015-10-08 | 隙間を有する歯ブラシ |
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JP3201621U true JP3201621U (ja) | 2015-12-17 |
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JP (1) | JP3201621U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018023584A (ja) * | 2016-08-10 | 2018-02-15 | 茂行 林 | クッション材付歯ブラシ用毛束およびそれを備える歯ブラシ |
-
2015
- 2015-10-08 JP JP2015005085U patent/JP3201621U/ja active Active
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