JP3200984B2 - 位相シフト・マスクの製造方法 - Google Patents

位相シフト・マスクの製造方法

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JP3200984B2
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置の製造分野等
においてフォトリソグラフィー用のフォトマスク(レチ
クル)として使用される位相シフト・マスクの製造方法
に関し、特に透明基板上における位相シフタのエッチン
グを該透明基板に対して高選択比を確保しながら、しか
もドライ・エッチングで行うことを可能とする方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の分野においてはサブミ
クロン・レベルの加工が量産工場において既に実現さ
れ、今後のハーフミクロン・レベル、さらには64Mビ
ットDRAMクラスで必須となるクォーターミクロン・
レベルの加工に関する研究が進められている。
【0003】このような微細加工の進歩の鍵となった技
術はフォトリソグラフィであり、従来の進歩は主として
ステッパ(縮小投影露光装置)の光学系の改良により達
成されてきた。この光学系の限界解像度Rは、レイリー
(Rayleigh)の式として知られる次式で表され
る。 R=k1 ×λ/NA ここで、k1 はレジスト材料やプロセスにより決まる比
例定数、λは露光波長、NAは縮小投影レンズの開口数
である。従来は、高圧水銀ランプのi線(365nm)
あるいはKrFエキシマ・レーザ光(248nm)等の
遠紫外線の利用に代表される露光波長の短波長化、およ
びステッパ(縮小投影露光装置)の縮小投影レンズの高
開口数(NA)化に努力が注がれてきた。しかし、これ
らの改良は実用的にはほぼ限界に達している。また、短
波長化と高開口数化は焦点深度DOF(=k2 ×λ/N
2 :k2 は比例定数)の低下につながるため、限界解
像度Rの追求にも限度がある。
【0004】かかる状況下で、開口数NAを一定レベル
に抑え、実用レベルの焦点深度を確保した上で露光光の
高調波成分を利用して解像度を上昇させるいわゆる超解
像技術が注目されている。この超解像技術のひとつに、
位相シフト法がある。これは、フォトマスクを透過する
露光光に位相差を与えることにより、透過光相互の干渉
を利用して解像度の向上を図る方法である。この位相差
は、通常は180°、すなわち反転状態となるように設
定されている。
【0005】位相シフト法による解像度向上の原理に
は、大別して空間周波数変調とエッジ強調とがあり、こ
れらの原理とマスク構造の組み合わせにより様々な種類
の位相シフト・マスクが提案されている。代表的なもの
としては、レベンソン(Levenson)型位相シフ
ト・マスク、補助パターン付き位相シフト・マスク、自
己整合型位相シフト・マスク、透過型位相シフト・マス
ク等がある。
【0006】位相シフト法では、位相差を発生させるた
めに、レチクルを構成するガラス基板上に位相シフタを
特定のパターンに形成することが必要である。この位相
シフタは、ガラス基板とは屈折率の異なるSOG(スピ
ン・オン・グラス)等の透明膜をパターニングして形成
するのが最も一般的である。他のタイプの位相シフタと
しては、ガラス基板そのものを所定のパターンにエッチ
ングして溝部を形成したものがある。この場合は、溝部
の深さ分だけがガラス基板とは屈折率の異なる空気層に
置き換わるために、溝部の透過光とその周辺の透過光と
の間に位相差が生ずる。ただし、溝部のエッチング深さ
の制御よりは、上述の透明膜の膜厚の制御の方が容易で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、透明基板上
で透明膜のパターニングを行う場合、従来の一般的な方
法では、電子ビーム描画装置による直接描画と現像処理
により電子ビーム・レジスト材料からなるエッチング・
マスクを形成し、このマスクを介してエッチングを行
う。このときのエッチング方法としては、ウェット・エ
ッチングが主流であった。
【0008】しかし、今後、半導体装置のデザイン・ル
ールがより一層微細化されると、レチクル上のパターン
寸法も半導体ウェハ上のそれより5倍大きいとは言え、
従来よりも大幅に縮小される。このような場合、位相シ
フタのエッジ部における位相のシャープな反転を実現す
るために、位相シフタの断面形状を良好な異方性形状に
制御する必要が高まる。この観点からは、等方的なエッ
チング反応が進行するウェット・エッチングよりも、イ
オン・アシスト機構により異方性加工が達成できるドラ
イ・エッチングの方が有利である。
【0009】また、レチクル上のパターンが微細になっ
てくると、ウェット・エッチングではエッチング液に透
明基板を浸漬した際に、Cr遮光膜と透明基板との間の
密着性の不足によりCr遮光膜が剥離する虞れもあり、
この観点からもドライ・エッチングを検討する必要性が
高まっている。
【0010】さらに、位相シフタのエッチングにおける
本質的な問題点として、透明基板と位相シフタとが同じ
系統の材料で構成されることが多いため、両者の間で十
分な選択性を確保しにくいことが挙げられる。この問題
に対処するため、透明基板と透明膜との間にSnO
2 (酸化スズ)等からなるエッチング停止層を介在させ
ることが提案されている。しかし、この技術によっても
未だ十分な選択性は達成されておらず、工程数の増大に
伴うコストの上昇に見合う程の成果が上がらないのが実
情である。
【0011】そこで本発明は、ドライエッチングにより
透明基板に対して十分に大きな選択比を確保しながら、
透明膜をエッチングして位相シフタを形成することが可
能な位相シフト・マスクの製造方法を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の位相シフト・マ
スクの製造方法は、上述の目的を達成するために提案さ
れるものであり、透明基板上で透明膜をエッチングして
所望のパターンを有する位相シフタを形成する際に、予
め前記透明基板と前記透明膜との間に窒素を構成元素と
して含有するエッチング停止層を設けておき、放電解離
条件下でプラズマ中に遊離のイオウを放出し得るイオウ
系化合物を含むエッチング・ガスを用いて前記透明膜の
エッチングを行い、このエッチングの終点近傍で前記エ
ッチング停止層の露出面上に窒化イオウ系化合物を堆積
させることを特徴とする。
【0013】本発明はまた、前記イオウ系化合物がS2
2 ,SF2 ,SF4 ,S2 10から選ばれる少なくと
も1種類のフッ化イオウであることを特徴とする。
【0014】本発明はまた、前記イオウ系化合物が、分
子中にチオカルボニル基とハロゲン原子とを有すること
を特徴とする。
【0015】本発明はまた、前記エッチング・ガスが、
2 ,H2 S,シラン系化合物から選ばれる少なくとも
1種類のハロゲン・ラジカル消費性化合物を含むことを
特徴とする。
【0016】本発明はまた、前記透明基板と前記透明膜
は共にSiOx 系材料より構成されることを特徴とす
る。
【0017】本発明はさらに、前記透明膜と前記エッチ
ング停止層とは屈折率が略一致され、該透明膜のエッチ
ング終了後、露出したエッチング停止層も除去すること
を特徴とする。
【0018】
【作用】本発明は、透明基板、および位相シフタを得る
ための透明膜が従来どおり主としてSiOx 系材料によ
り形成されることを想定し、放電解離条件下でプラズマ
中に遊離のイオウ(S)を放出できるイオウ系化合物を
含むエッチング・ガスを用いること、およびエッチング
停止層として窒素を構成元素として有する材料層を透明
基板と透明膜との間に設けること、の2点をポイントと
している。
【0019】Sは通常のエッチングが行われるような減
圧下では、おおよそ90℃に加熱されれば何ら汚染を残
すことなく除去される昇華性物質であるが、基体がこれ
より低い温度、好ましくは室温以下に制御されていれ
ば、その表面へ堆積して表面保護を行う堆積性物質でも
ある。
【0020】ここで、基体の表面のうちSが堆積し得る
部位は、イオンの垂直入射が起こらないか、もしくはエ
ッチングに伴って酸素(O)原子が大量に供給されない
部位である。これらの部位とは、本発明の位相シフト・
マスクの製造工程を考えた場合、パターン側壁面、レジ
スト・マスクの上表面および側壁面、エッチング停止層
の露出面等である。かかるSの堆積により、位相シフタ
の異方性形状が達成され、レジスト・マスクに対して高
い選択性が確保される。
【0021】逆に、Sが堆積できない部位は、エッチン
グに伴ってO原子を大量に放出するSiOx 系材料層の
イオン垂直入射面である。すなわち、この部位ではSは
スパッタ・アウトされたO原子と結合してSOx を生成
し、燃焼除去される。したがって、SiOx 系材料層の
エッチングは円滑に進行する。Sは、エッチング終了
後、レジスト・マスクを除去するためのアッシング工程
において容易に燃焼除去することができる。したがっ
て、Sは何らパーティクル汚染の原因とはならない。
【0022】さらにエッチングが進行し、窒素を構成元
素として有するエッチング停止層が露出し始めると、そ
の表面には窒化イオウ系化合物が形成される。窒化イオ
ウ系化合物をエッチング中の基体の表面保護に用いるこ
とについては、本願出願人が先に特願平3−15545
4号明細書において初めて提案し、詳述したとおりであ
る。
【0023】本発明において特に側壁保護効果を期待さ
れる代表的な窒化イオウ系化合物は、ポリチアジル(S
N)x である。このポリマーは、結晶状態ではS−N−
S−N−…の繰り返し構造を有する共有結合鎖が平行に
配向した構造をとり、単体のSよりもエッチング種の攻
撃に対して高い耐性を示す。なお、プラズマ中にF*
存在する系では上記(SN)x のS原子上にハロゲン原
子が結合したフッ化チアジルが、また、H* が存在する
系ではチアジル水素が生成し得る。
【0024】さらに、条件によっては分子内のS原子数
とN原子数が不均衡な環状窒化イオウ化合物、あるいは
これら環状窒化イオウ化合物のN原子上にH原子が結合
したイミド型の化合物等も生成可能である。
【0025】上記窒化イオウ系化合物は、条件にもよる
が、基体がおおよそ130℃よりも低い温度に維持され
ていれば、その表面へ堆積することができる。しかも、
エッチング終了後に行われる通常のアッシング工程にお
いて容易に昇華、分解、燃焼等の機構により除去される
ため、何らパーティクル汚染の原因とはならない。
【0026】Sおよび窒化イオウ系化合物の堆積につい
ては上述のとおりであるが、SiO x 系の透明膜の一方
の構成元素であるSiを除去するためには、ハロゲン・
ラジカル、特にSi原子との間にエネルギーの高い結合
を生成し得るF* がエッチング反応系に存在していると
好都合である。本発明で使用するS2 2 ,SF2 ,S
4 ,S2 10の4種類のフッ化イオウは、このような
観点から選択された化合物であり、本願出願人が先に特
開平4−84427号公報において提案している。これ
らのフッ化イオウから生成するF* は、SiOx 中のS
i原子をSiFx の形で揮発除去する。
【0027】本発明で提案するイオウ系化合物のもう一
方は、分子中にチオカルボニル基(>C=S)とF原子
とを有する化合物である。この化合物は、堆積性物質と
して上述のSの他、炭素系ポリマーも生成することがで
きる。この炭素系ポリマーは、従来のドライエッチング
において側壁保護の役目を果たしていたフルオロカーボ
ン系ポリマーよりも遙かにエッチング耐性が高い。これ
は、原子間結合エネルギーの比較においてC−F結合
(536kJ/mol)よりも大きいC−S結合(69
9kJ/mol)が分子構造中に取り込まれること、ま
た、双極子を有するチオカルボニルが分子構造中に取り
込まれることにより、エッチング中に負に帯電している
基体に対する静電吸着力が上昇していること、等の理由
による。
【0028】本発明ではさらに選択性を向上させる方法
として、前記エッチング・ガスにH 2 ,H2 S,シラン
系化合物から選ばれる少なくとも1種類のF* を添加し
て、Sまたは窒化イオウ系化合物の生成効率を向上させ
ることを提案する。これらのF* 消費性化合物から放出
されるH* および/またはSi* は、F* を捕捉し、揮
発性の高い化合物に変化させてエッチング反応系から除
去する役割を果たす。したがって、エッチング反応系の
見掛け上のS/F比(S原子数とF原子数の比)が上昇
し、表面保護効果を高めることができるわけである。
【0029】ところで、本発明で形成される位相シフタ
は、透明膜のみから構成されるのではなく、その下のエ
ッチング停止層も同様にパターニングされてその一部を
なしている。一般に、位相シフト・マスクにおいて位相
を180°反転させるのに必要な位相シフタの膜厚d
は、d=λ/2(n−1)(λは露光波長、1は空気の
屈折率)で表される。つまり、膜厚dは屈折率nに依存
する。エッチング停止層は一般には薄い層であるが、た
とえばCr遮光膜を被覆して形成されると、フォトマス
ク基板に対して垂直な方向でみた場合の膜厚が局部的に
変動する。このような場合、エッチング停止層と透明膜
の屈折率が互いに異なっていると、両者の膜厚の設計が
極めて困難となり、位相シフト・マスクの製造そのもの
が実用的でなくなる虞れが大きい。
【0030】そこで、実用的なプロセスとして、エッチ
ング停止層と透明膜の屈折率を略一致させることを提案
する。このようにしておけば、これら両方の材料層を単
一の材料層として取り扱うことができ、両者の膜厚の合
計を常に一定とすることにより容易に位相シフタが設計
できる。つまり、製造過程では透明膜の成膜時に、この
透明膜で基体の表面を平坦化すれば良いのである。
【0031】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について、実
験結果にもとづいて説明する。
【0032】実施例1 本実施例は、レベンソン型位相シフト・マスクの作製過
程において、ガラス基板上にSiOx y 停止層を介し
て形成されたSiOx 透明膜を、S2 2 を用いてエッ
チングした例である。このプロセスを、図1を参照しな
がら説明する。本実施例においてエッチング・サンプル
として使用したマスク基板を、図1(a)に示す。この
マスク基板は、ガラス基板1上に互いに開口部2aを隔
てて所定のパターンに形成されたCr遮光膜2を有し、
さらに基体の全面が薄くSiO x y 停止層3に被覆さ
れ、さらにその全面がSiOx 透明膜4により平坦化さ
れ、該SiOx 透明膜4上にエッチング・マスクとして
レジスト・マスク5が所定のパターンに形成されてなる
ものである。
【0033】ここで、上記SiOx y 停止層3は、一
例として下記の条件でプラズマCVDを行うことにより
形成されたものである。 SiH4 流量 350SCCM NH3 流量 10〜50SCCM O2 流量 100〜200SCCM ガス圧 1000Pa RFパワー密度 3.1W/cm2 (13.56
MHz) 基板温度 300℃ このプロセスで形成されたSiOx y 停止層3の屈折
率nは、約1.45であった。
【0034】一方、上記SiOx 透明膜4は、一例とし
て下記の条件でECR−CVDを行うことにより形成さ
れたものである。 SiH4 流量 10SCCM O2 流量 20SCCM Ar流量 10SCCM ガス圧 0.1Pa マイクロ波パワー 800W(2.45GHz) 基板温度 300℃ このプロセスで形成されたSiOx 透明膜4の屈折率n
も約1.45であり、SiOx y 停止層3の屈折率n
と合致させることができた。
【0035】ここで、上述のようにSiOx y 停止層
3とSiOx 透明膜4の屈折率を合致させる必要がある
のは、このSiOx y 停止層3も最終的に位相シフタ
6〔図1(c)参照。〕の一部を構成するからである。
もし屈折率が一致していないと、開口部2aの縁部(す
なわち、Cr遮光膜2に接する部位)においてガラス基
板1に対して垂直な方向でみたSiOx y 停止層3の
層厚が大きくなっているので、この部分において位相の
シフト量が狂ってしまうのである。
【0036】本実施例の場合、上記位相シフタ6の膜厚
dは、開口部2aにおけるSiOxy 停止層3とSi
x 透明膜4の膜厚の合計と考えれば良い。ここでは、
作製される位相シフト・マスクをi線ステッパ(λ=3
65nm)に搭載することを想定し、前述の式d=λ/
2(n−1)より、両者の膜厚の合計を405nmとし
た。
【0037】上記レジスト・マスク4は、隣接するCr
遮光膜2間の開口部2aをひとつ置きに被覆するように
形成されている。これは、ライン・アンド・スペースの
ごとく周期的パターンにおいて、微細な隣接パターン間
で透過光の位相を180°反転させるというレベンソン
型マスクの目的を達するためである。
【0038】次に、上記のマスク基板をRFバイアス印
加型の有磁場マイクロ波プラズマ・エッチング装置にセ
ットし、一例として下記の条件でSiOx 透明膜4をエ
ッチングした。 S2 2 流量 30SCCM ガス圧 1Pa マイクロ波パワー 800W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 30W(2MHz) 基板温度 −10℃(エタノール系冷媒
使用) この過程では、S2 2 から解離生成したSFx + 等の
イオンの寄与によるイオン・モード・エッチングによ
り、SiOx 透明膜4がSiFx ,SOx 等の形で選択
的に除去された。また、S2 2 からはSも放出され
た。
【0039】このSの挙動を、図1(b)および図2を
参照しながら説明する。図2は、図1(b)の被エッチ
ング領域の一部を拡大し、模式的に示したものである。
Sは、冷却されたマスク基板上のパターン側壁面上に堆
積して側壁保護膜7を形成し、異方性加工に寄与した。
一方、SiOx 透明膜4のイオン垂直入射面では、入射
イオンのスパッタ作用によりこの膜からO原子が放出さ
れるので、この部分に吸着されたSが直ちにSOx に変
化し、燃焼除去された。したがって、この露出面ではS
は堆積せず、エッチングが円滑に進行した。さらに、レ
ジスト・マスク5のイオン垂直入射面では、Sの堆積と
スパッタ除去とが競合し、レジスト・マスク5に対する
高選択比が確保された。
【0040】この結果、異方性形状を有するSiOx
明膜パターン4aが形成された。
【0041】SiOx 透明膜4のエッチングがほぼ終了
して下地のSiOx y 停止層3が露出すると、プラズ
マ中のF* によりその表層部からSi原子が引き抜か
れ、生成したN原子のダングリング・ボンドに直ちに遊
離のSが結合した。この結果、SiOx y 停止層3の
表面は、(SN)x を主体とする窒化イオウ系化合物の
表面保護膜8に被覆され、エッチング種の攻撃から保護
された。
【0042】次に、マスク基板を130℃以上に加熱す
るか、もしくは軽くO2 プラズマ・アッシングを行うこ
とにより上記の側壁保護膜7および表面保護膜8を除去
した。さらに、SiOx y 停止層3の露出部を、一例
として下記の条件で選択的にエッチングした。
【0043】 CH2 2 流量 20SCCM CO2 流量 20SCCM ガス圧 1Pa マイクロ波パワー 800W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 30W(2MHz) 基板温度 −10℃(エタノール系冷媒
使用)
【0044】上記ガス組成は、SiOx 系材料層上でS
x y 系材料層を選択的にエッチングすることを目的
とし、本願出願人が先に特開昭61−142744号公
報に開示した技術にもとづいている。すなわち、CH2
2 のようなF/C比(分子中のF原子数とC原子数の
比)が小さいガスに、上述のようにCOを比較的大量に
添加すると、F* の一部がCOFの形で除去され、CF
2 + 等のイオンにF*が再結合することによるCF3 +
の発生が抑制される。CF3 + はガラス基板1の主エッ
チング種であるから、このイオンの減少はガラス基板1
のエッチング速度の低下につながる。一方、SiOx
y 停止層3のエッチングは、CF3 + 以外のイオンやF
* 等により十分に進行する。
【0045】この結果、図1(c)に示されるように、
SiOx y 停止層3をガラス基板1にダメージを与え
ることなく選択的に除去し、SiOx y 停止層パター
ン3aを形成することができた。このSiOx y 停止
層パターン3aは、上述のSiOx 透明膜パターン4a
と共に、位相シフタ6として機能する。
【0046】この後、マスク基板をアッシング装置に移
設し、通常のO2 プラズマ・アッシングを行った。この
結果、図1(d)に示されるようにレジスト・マスク5
が除去された。場合によっては、このアッシングにより
マスク基板上に残存していた微量のSや窒化イオウ系化
合物も完全に除去された。このようにして形成された位
相シフト・マスクをi線ステッパに搭載し、i線(h
ν)を入射させると、Cr遮光膜2に開口された隣合う
開口部2aの間で透過光の位相が互いに反転してその境
界部における光強度が0となり、空間周波数変調の原理
にもとづき微細なパターンを分離することができる。
【0047】実施例2 本実施例は、実施例1で使用したS2 2 にF* 消費性
化合物としてH2 を添加したエッチング・ガスを用い、
Sの生成効率を高めて選択性を向上させた例である。本
実施例で使用したマスク基板は、実施例1と同じであ
る。このマスク基板を有磁場マイクロ波プラズマ・エッ
チング装置にセットし、一例として下記の条件でSiO
x 透明膜4をエッチングした。
【0048】 S2 2 流量 25SCCM H2 流量 10SCCM ガス圧 1Pa マイクロ波パワー 800W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 25W(2MHz) 基板温度 −10℃(エタノール系冷媒
使用) 上記のガス系では、S2 2 から生成するF* の一部が
2 から生成するH*に捕捉されてHF(フッ化水素)
の形で除去されるので、エッチング反応系の見掛け上の
S/F比が上昇した。この結果、Sによる側壁保護膜7
の形成や、窒化イオウ系化合物による表面保護膜8の形
成が効率良く行われ、実施例1に比べて選択性がさらに
向上した。
【0049】この後のSiOx y 停止層3のエッチン
グ方法は、実施例1と同様である。
【0050】実施例3 本実施例では、SiOx 透明膜4のエッチング・ガスと
してCSF2 (フッ化チオカルボニル)を用いた例であ
る。エッチング条件の一例を、以下に示す。 CSF2 流量 30SCCM ガス圧 1Pa マイクロ波パワー 800W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 25W(2MHz) 基板温度 −10℃(エタノール系冷媒
使用) このエッチング過程では、SiOx 透明膜4の露出面上
において、CSF2 から解離生成したF* によるラジカ
ル反応が、同じくCSF2 から生成したCFx + ,CS
+ ,SFx + 等のイオンの入射エネルギーにアシストさ
れる機構でエッチングが進行した。このとき、CSF2
からは同時に炭素系ポリマーやSも生成した。これらの
堆積性物質は、パターン側壁面上では側壁保護膜7を形
成し、SiOx 透明膜4のイオン垂直入射面上ではSO
x ,COx 等の形で燃焼除去された。
【0051】本実施例においても、良好な高選択・異方
性エッチングが実現された。
【0052】実施例4 本実施例では、実施例3で使用したCSF2 にF* 消費
性化合物としてH2 を添加したエッチング・ガスを用
い、Sの堆積効率を高めて選択性を向上させた例であ
る。図1(a)に示したマスク基板を用い、一例として
下記の条件でSiOx 透明膜4をエッチングした。
【0053】 CSF2 流量 25SCCM H2 流量 5SCCM ガス圧 1Pa マイクロ波パワー 800W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 25W(2MHz) 基板温度 −10℃(エタノール系冷媒
使用) 上記のガス系では、CSF2 から生成するF* の一部が
* により消費され、エッチング反応系の見掛け上のS
/F比が上昇することにより、実施例3に比べて選択性
がさらに向上した。
【0054】以上、本発明を4例の実施例にもとづいて
説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではない。たとえば、フッ化イオウとしてはS2
2 を例として説明したが、本発明で限定される他のフッ
化イオウを用いても、基本的には同様の結果が得られ
る。F* 消費性化合物としてはH2 を例として説明した
が、本発明で限定される他のH2 Sやシラン系化合物を
用いても、同様の結果が得られる。H2 Sは、自身がS
の供給源でもあるため、エッチング反応系のS/F比の
上昇効果が大きい。また、シラン系化合物は、H* に加
えてSi* もF* の捕捉に寄与するので、やはりS/F
比の上昇効果が大きい。
【0055】本発明で使用されるエッチング・ガスに
は、エッチング特性を変化させる目的で各種の添加ガス
を用いても良い。たとえば、N2 等の窒素系化合物を添
加すれば、パターン側壁面にも窒化イオウ系化合物を堆
積させることができるようになる。また、He,Ar等
の希ガスを添加して冷却効果、希釈効果、スパッタリン
グ効果を得ることもできる。
【0056】また、上述の各実施例では空間周波数変調
の原理にもとづくレベンソン型マスクの作製について述
べたが、本発明が適用可能な他のタイプの位相シフト・
マスクとしては、Cr遮光膜を持たず空間周波数変調の
原理にもとづく透過型位相シフト・マスク、エッジ強調
の原理にもとづく補助パターン付きマスク、同じく自己
整合型マスク等がある。
【0057】特に、Cr遮光膜を持たない透過型位相シ
フト・マスクの場合には、エッチング停止層は平坦な透
明基板上に形成され、膜厚が均一であるため、その上で
透明膜をエッチングした後もそのまま残しておいて構わ
ない。しかも、このエッチング停止層を基板の一部と考
えるならば、特に屈折率を透明膜と一致させる必要もな
い。
【0058】さらに、SiOx y 停止層と透明膜とS
iの成膜条件や膜厚、露光波長、エッチング条件等が適
宜変更可能であることは、言うまでもない。
【0059】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明を適用すれば、従来は主としてウェット・エッチング
により行われていた位相シフタのエッチングを、ドライ
・エッチングにより行うことが可能となる。したがっ
て、今後の半導体装置のデザイン・ルールの縮小に対応
して、透明基板に対して高選択性を維持しながら、微細
なパターンを有する位相シフタを異方的に加工すること
ができ、信頼性の高い位相シフト・マスクを製造するこ
とが可能となる。
【0060】本発明は、i線リソグラフィの延命策とし
て極めて有望であり、これにより0.35〜0.4μm
が主なパターン・ルールとなる64MビットDRAMも
しくは16MビットSRAM等の半導体装置を高い信頼
性をもって製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をレベンソン型位相シフト・マスクの作
製に適用したプロセス例をその工程順にしたがって示す
概略断面図であり、(a)はガラス基板上にCr遮光
膜、SiOx y 停止層、SiOx 透明膜、レジスト・
マスクが順次形成された状態、(b)はSiOx 透明膜
のエッチングが終了した状態、(c)はSiOx y
止層のエッチングが終了した状態、(d)はアッシング
によりレジスト・マスクが除去された状態をそれぞれ表
す。
【図2】図1(b)の被エッチング領域の一部を拡大し
て示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1・・・ガラス基板 2・・・Cr遮光膜 3・・・SiOx y 停止層 4・・・SiOx 透明膜 5・・・レジスト・マスク 6・・・位相シフタ 7・・・側壁保護膜(S) 8・・・表面保護膜(窒化イオウ系化合物)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に積層された透明膜をエッチ
    ングして、露光光の位相をシフトさせるための位相シフ
    タを所望のパターンに形成する位相シフト・マスクの製
    造方法において、 前記透明基板と前記透明膜との間に窒素を構成元素とし
    て含有するエッチング停止層を設け、放電解離条件下で
    プラズマ中に遊離のイオウを放出し得るイオウ系化合物
    を含むエッチング・ガスを用いて前記透明膜のエッチン
    グを行い、このエッチングの終点近傍では前記エッチン
    グ停止層の露出面上に窒化イオウ系化合物を堆積させる
    ことを特徴とする位相シフト・マスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記イオウ系化合物がS2 2 ,S
    2 ,SF4 ,S2 10から選ばれる少なくとも1種類
    のフッ化イオウであることを特徴とする請求項1記載の
    位相シフト・マスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記イオウ系化合物が、分子中にチオカ
    ルボニル基とフッ素原子とを有することを特徴とする請
    求項1記載の位相シフト・マスクの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記エッチング・ガスが、H2 ,H
    2 S,シラン系化合物から選ばれる少なくとも1種類の
    フッ素ラジカル消費性化合物を含むことを特徴とする請
    求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の位相シフ
    ト・マスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記透明基板と前記透明膜は共にSiO
    x 系材料より構成されることを特徴とする請求項1ない
    し請求項4のいずれか1項に記載の位相シフト・マスク
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記透明膜と前記エッチング停止層とは
    屈折率が略一致されてなり、該透明膜のエッチング終了
    後、露出したエッチング停止層も除去することを特徴と
    する請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の位
    相シフト・マスクの製造方法。
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