JP3200983U - 履物の底板及び履物、靴の中敷 - Google Patents
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Abstract
【課題】靴やサンダル等の履物の底板として適用することにより、踵の外転を効果的に矯正・防止できる履物、及び、同様の効果を奏する靴の中敷を提供する。【解決手段】履物の底板10であって、踵部の幅W2が装用者の踵の幅よりも狭く、装用時には踵部の外側線が装用者の踵裏面の外側線よりも内側に位置するように成形して成り、装用時には、装用者の踵の外側は底板上面からはみ出す形となることを特徴とする履物の底板、及び、該履物の底板を有する履物。また、踵部の幅が装用者の踵の幅よりも狭く、装用時には踵部の外側線が装用者の踵裏面の外側線よりも内側に位置するように成形して成ることを特徴とする靴の中敷。【選択図】図3
Description
本考案は、靴やサンダル等の履物の底板及び該底板を有する履物、並びに靴の中敷に関する。
履物を履いての起立・歩行の際には、主に踵で体重の大部分を支えるが、そのためには、履物の底板の踵部上で踵の位置が安定していることが重要である。現代人の多くは、履物により足趾の動きが制約されることに馴化して歩行に足趾をあまり使わなくなっているため、体重がより一層踵に掛かる傾向が強まった結果、骨盤が後傾しがちとなっている。骨盤が後傾して「猫背」になると必然的に両足が内転して内股気味となり、身体運動の機能が低下するだけでなく、内臓も圧迫されて新陳代謝が低下し、様々な体調不良を生じる。
一方、歩行の際には踵が底板上で安定せず外側にずれる傾向が生じている。人体の右足を後方から見た状態を示す図1の(1)の如く、本来人間の足は、膝下の二本の骨のうち太い脛骨が主に体重を支え、足首関節の距骨を介して足裏の踵骨まで、後方から見て垂直に体重が掛かるのが正常である。しかし、踵の距骨及び踵骨が重心線から外側にずれると図1の(2)に示すように体重は履物の底板の外側寄りに掛かるようになる。多くの現代人で、靴底の減りが内側に比べて外側の方が早いのはこのためである。
この場合、膝下の二本の骨は内傾していわゆるX脚となると同時に、踵の外転によって必然的に足先が内転し、さらに内股傾向が強まる。歩行の際には脚の後ろ側に位置する下腿三頭筋やいわゆるハムストリングといった太く力の大きな筋肉が原動力となるが、内傾した脛骨に十分に体重が掛からない状態であるため、本来は「踏ん張る」「動きを止める」という役割を担う脚の前側に位置する腓骨筋群や前脛骨筋に負担を掛けることになる。これはいわば「アクセルを踏みながらブレーキを掛けている状態」であり、身体の運動効率は低下し、当然にバランスも損なわれる。
かかる問題の解決には、履物の底板上で踵がずれて外転することを防ぐ必要があるが、市販されている大部分の履物はこの点について考慮されておらず、特に女性のハイヒールのようにそもそも底板の踵部の幅が狭く体重が足先に掛かりがちな履物では容易に踵の外転が起こる。実際、多くの靴では、歩行中につま先は靴の甲革により絞り上げられているのに対し、踵の外側面は甲革との間に隙間が生じて踵が安定していないことが見て取れるのが現状である。
かかる踵の外転に対しては、特許文献1乃至4に示されるような先行技術がある程度有効である。これらは靴底上面あるいは中敷の上面において足の外側に突起を設けたり上面自体の外側を内側よりも高くしたりするといった構成を有するため、踵の外転防止にも効果を有すると考えられる。ただ、これらの先行技術はそもそも外反母趾や膝関節疾患の矯正や治療を目的とする専用の靴や装具であり、既存の靴の多くには適用困難であるだけでなく、中敷きの場合は靴ごとに用意する必要があるためコスト面でも問題がある。
特開平7−184944号公開公報
特開平2008−29611号公開公報
実用新案登録第3056154号公報
実用新案登録第3104246号公報
本願考案に係る底板は、従来の靴やサンダル等の履物の底板として適用することにより、先行技術のかかる問題を解決し、踵の外転を効果的に矯正・防止できる履物を提供することを課題とする。また、本願考案に係る底板と同様の効果を奏する靴の中敷を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本考案の請求項1に記載した履物の底板(以下、単に「底板」と記す。)は、踵部の幅が装用者の踵の幅よりも狭く、装用時には踵部の外側線が装用者の踵裏面の外側線よりも内側に位置するように成形して成ることを特徴とする。
図2は左足用の底板を示す平面図であるが、本考案に係る底板20は、一般的な底板10に対して、中足骨より前方の形状は共通であるが、足根骨から後方は徐々に幅を狭めており、踵部分では装用者の踵裏面の幅よりも狭く成形している。そのため、装用時には、装用者の踵の外側は底板上面からはみ出す形となる。一方、踵の内側は一般的な底板10の場合と同様に底板上に載る状態とする。
本考案に係る底板による装用者の踵の外転の矯正は、人体の体性反射の効果を利用するものである。人体には多種の反射が備わっているが、その機能からは、自律神経系を介して内臓筋を収縮させたり腺の分泌を促進したりする内臓反射(自律神経反射)と、骨格筋を収縮させる体性反射とに大別される。木槌で膝蓋腱を叩くと下腿が跳ね上がる膝蓋腱反射は代表的な体性反射の一つである。
本考案に係る底板を有する履物を装用した場合、起立時または歩行時の装用者の足裏は踵の外側が底板によって支えられず下方に落ち込もうとするため不安定となる。また、装用者は踵の足裏面で底板の外側線の存在を「段差」として感じる形での刺激を受ける。そのため、装用者は体性反射により無意識のうちに踵足裏の不安定さを補正しようとして、脚の膝下の外側の腓骨筋、特に短腓骨筋を収縮させる。
短腓骨筋は腓骨の外側面から足裏を経由して第五中足骨に停止しており、その働きは主に足関節の外反(そとがえし)であるため、前述の通り踵を内転させ、つま先を外転させる。その結果、踵が靴底上面から外側にずれることが防がれて踵の位置が安定するため、X脚が改善されて腓骨、距骨、踵骨が垂直に一直線となる正常な状態が維持され、体重は正しく腓骨によって支えられるようになる。これにより骨盤後傾も矯正されて脊柱が本来のS字カーブを描くようになり、身体全体のバランスが改善される。
また、筋肉についても前脛骨筋等の足の前側への負担が軽減され、本来歩行等の運動を担うべき下腿三頭筋等の足の後ろ側の筋肉が正しく使われるようになる。これにより身体運動の効率とバランスが改善されるだけでなく、「第二の心臓」とも呼ばれるふくらはぎの筋肉の使用が活発化することで血液やリンパの流れも改善されるのである。
また、請求項2に記載した考案は、請求項1に記載の履物の底板を有する履物である。本考案に係る底板はサンダルのように装用者の足裏が底板の形状を直に感得する履物に適用した場合に最も直接的な体性反射の効果を誘導するが、足を甲革で覆う一般的な靴に適用した場合も同様の効果が期待できる。
なお、底板の材質は任意であるが、サンダル等の場合は、足裏が底板の形状を感得し易いため一般的なウレタンゴムやスポンジゴムのような柔らかい材料で足りる。一方、一般的な靴のように足裏と底板との間に内装材を設けたり中敷を使用するような履物の場合はより硬い材料を用いることが好適である。
また、請求項3に記載した靴の中敷は、踵部の幅が装用者の踵の幅よりも狭く、装用時には踵部の外側線が装用者の踵裏面の外側線よりも内側に位置するように成形して成ることを特徴とする。
前記靴の中敷は、請求項1に記載の履物の底板と同様に、踵部分を装用者の踵裏面の幅よりも狭く成形し、残余の部分は適用する靴の底板に対応した形状とする。装用時には、靴の中で装用者の踵の外側が底板上面からはみ出す形となり、同様の姿勢矯正効果を奏する。中敷の踵部分は靴の底板ほどの厚みは不要であるが、踵足裏が中敷の外側線の存在を感得できる程度の一定の厚みを持たせるものとする。
本考案に係る底板は、一般的な履物の底板の形状を一部変更するだけの構成であるため、低コストで製造可能である。その適用により、起立時・歩行時に踵が靴底上で外側にずれることを防いで安定させることで、X脚や内股の矯正、骨盤後傾の改善を通じて身体全体の姿勢のバランスを整え、運動のパフォーマンスも向上させる効果を奏する。また、本考案に係る中敷を従来の靴の中敷に代えて適用することによっても、同様の効果が期待できる。
(第一実施形態)
以下、本考案の実施形態について図を用いて説明する。図3は左足用の底板の平面図であり、左側が一般的な底板10、右側が本考案に係る底板20にそれぞれ装用者の足裏の形状(破線)を重ねて対比したものである。
以下、本考案の実施形態について図を用いて説明する。図3は左足用の底板の平面図であり、左側が一般的な底板10、右側が本考案に係る底板20にそれぞれ装用者の足裏の形状(破線)を重ねて対比したものである。
一般的な底板10では、踵部の幅W1が装用者の踵の足裏の幅よりも広いのに対して、本考案に係る底板20では、踵部の幅W2が狭く、装用者の足Fの踵の足裏が、内側では底板上面に載るのに対し外側では底板上面からはみ出す形となる。
図4は、図3のA−A線における断面図である。一般的な底板10では装用者の足Fの踵の足裏は底板によって全面的に支えられているが、本考案に係る底板20では、足裏のはみ出し部分Gが下方に落ち込もうとするため(D)、脚の外側の短腓骨筋Sが体性反射により収縮し、その結果として踵が内転する作用(T1)が生じる。
図5は、本考案に係る底板20が誘導する体性反射による装用者の足Fへの作用を示す平面図である。X−Xは足Fの前後方向の通常の軸線であるが、前述の踵の内転作用(T1)に対応して爪先は外転作用(T2)が働くため、足Fの軸線はY−Yに外反する。これにより、起立時・歩行時において踵が底板上面から外側にずれることが防がれ、踵の位置が底板上で安定するのである。
(第二実施形態)
なお、たとえばサンダルに本考案の底板20を適用した場合、歩行中に踵の外側裏面が不用意に地面に触れて汚れるおそれもある。体性反射は踵足裏面が底板の外側線の存在を感得しさえすれば誘導されるため、必ずしも底板20自体をW2の幅とする必要はなく、その上面の幅のみをW2とし、接地面の幅はW1としても良い。図6は、接地面の幅をW1とし、段差22を設けて上面の幅W2とした底板21の構成を示す実施形態の断面図である。かかる構成によれば、前述の体性反射の効果を有しつつ、かつ足裏面が接地することを防ぐことができる。
なお、たとえばサンダルに本考案の底板20を適用した場合、歩行中に踵の外側裏面が不用意に地面に触れて汚れるおそれもある。体性反射は踵足裏面が底板の外側線の存在を感得しさえすれば誘導されるため、必ずしも底板20自体をW2の幅とする必要はなく、その上面の幅のみをW2とし、接地面の幅はW1としても良い。図6は、接地面の幅をW1とし、段差22を設けて上面の幅W2とした底板21の構成を示す実施形態の断面図である。かかる構成によれば、前述の体性反射の効果を有しつつ、かつ足裏面が接地することを防ぐことができる。
(第三実施形態)
図7は、本考案に係る靴の中敷23を靴の靴底Bに適用した状態を示す斜視図であり、図中では靴の甲革部分は点線で表している。中敷23は踵部の外側線L2を靴の靴底Bの外側線L1よりも内側に位置するように成形している。踵部においては中敷23の厚み分だけ靴の靴底Bの表面との間に段差が生じる。装用者の踵足裏がこの段差を感得することにより前述の体性反射が誘導される。
図7は、本考案に係る靴の中敷23を靴の靴底Bに適用した状態を示す斜視図であり、図中では靴の甲革部分は点線で表している。中敷23は踵部の外側線L2を靴の靴底Bの外側線L1よりも内側に位置するように成形している。踵部においては中敷23の厚み分だけ靴の靴底Bの表面との間に段差が生じる。装用者の踵足裏がこの段差を感得することにより前述の体性反射が誘導される。
以上、本考案の実施形態について図面を参照しつつ説明したが、本考案は、必ずしも上述した構成にのみ限定されるものではなく、本考案の目的を達成し、効果を有する範囲内において、適宜変更実施することが可能なものであり、本考案の技術的思想の範囲内に属する限り、それらは本考案の技術的範囲に属する。
本考案に係る履物の底板は、一般的な履物の底板に代えて適用するだけで、起立時や歩行時に自然に踵が底板上面で安定するため、足裏の内転が矯正される。X脚や内股など骨盤後傾に起因するアンバランスな身体の姿勢の矯正装具として利用できるだけでなく、健常者にも脚の筋肉を効率的に使用させる効果を奏するため、各種運動のパフォーマンスを向上させるために利用可能である。また、本考案に係る靴の中敷を従来の靴の中敷に代えて適用しても、同様の効果が期待できる。
B 靴底
F 装用者の足(左足)
10 底板(一般的な履物用)
20 底板(第一実施形態)
21 底板(第二実施形態)
22 段差(第二実施形態)
23 中敷(第三実施形態)
F 装用者の足(左足)
10 底板(一般的な履物用)
20 底板(第一実施形態)
21 底板(第二実施形態)
22 段差(第二実施形態)
23 中敷(第三実施形態)
Claims (3)
- 履物の底板であって、踵部の幅が装用者の踵の幅よりも狭く、装用時には踵部の外側線が装用者の踵裏面の外側線よりも内側に位置するように成形して成ることを特徴とする履物の底板。
- 請求項1に記載の履物の底板を有する履物。
- 靴の中敷であって、踵部の幅が装用者の踵の幅よりも狭く、装用時には踵部の外側線が装用者の踵裏面の外側線よりも内側に位置するように成形して成ることを特徴とする靴の中敷。
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