JP3200891U - ウッドデッキ材の固定具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 汎用性および施工性が高く低コストで施工後に一枚のデッキ材のみを取り外して補修や交換を行なうことができるデッキ材の固定具を提供することを課題とする。【解決手段】天板21と天板21の左右両端縁に設けた一対の側板22と天板21の前および/または後の端縁に設け天板の下方へ延出した脚板23とから固定具20を構成する。天板21にビス24用の孔25を備え、脚板23にビス24用の孔26を備える。孔25はビス24の外径よりもやや大きい口径寸法とし、孔26はビス24のネジ下穴程度の口径寸法とする。固定具20は一枚の金属板から打ち抜き加工および曲げ加工などのプレス加工にて製造する。【選択図】図1

Description

本考案は、テラスやベランダあるいは商業施設の一部や学校などに備えるウッドデッキを構築するデッキ材の固定具に関するものである。
より詳しくは、長尺状の板材であるデッキ材を下地となる根太材の上面に平面状に配設する際に、デッキ材を根太材に固定するために用いる固定具の構造に関するものである。
主として屋外の床上に備えるウッドデッキは、木質の風合いや感触の優しさなどが好まれ、近年になり例えばオープンカフェに用いられるなど、その需要が増加している。
図8はウッドデッキ1の一般的構造を示すものであり、床の上方に支持した数本の根太材2の上面に多数のデッキ材3を直交して架け渡すようにして平面状に並べて配設したものである。デッキ材3同士は雨水や砂あるいは埃などが通過して落下するように、長手方向の側面部4を互いに対向させて離間し、目地と称する隙間Sを持たせて配設している。
尚、図9はデッキ材3の側面部4の一般的な形状を示す要部断面図であり、5は凹溝、6は下部突条である。
根太材2は木材あるいは金属製形鋼などが使用されており、デッキ材3は天然木あるいは合成木製である。天然木としてはブラジル産のイペ、オーストラリア産のジャラ、インドネシア産のセランガンバツなどが使用されているが、近年ではPET(ポリエチレンテレフタレート)などの合成樹脂と木材粉を混錬して成型した合成木製が多く使われるようになってきている。
このようなデッキ材3を根太材2に固定するために、従来より様々な固定具が使用されており、例えば図10および図11に示すような固定具が使用されている。
図10(a)、(b)に示す例は、略エの字状断面の型材を用いた固定具7である。先ず左方のデッキ材3の下部突条6に固定具7の左方の隙間Pを嵌合し、次いで固定具7を根太材2にビス8で固定し、そして右方のデッキ材3の下部突条6を固定具7の右方の隙間Pに嵌合させてデッキ材3を根太材2に順次固定するものである。
しかしながら、デッキ材3は各メーカーより様々な種類の製品が製造販売されており、それらの側面部4の凹溝5や下部突条6の形状、凹溝5の幅寸法Wや奥行寸法Dおよび下部突条6の高さ寸法Hなどは実に様々である。従って、このような固定具7にあっては、限定された種類のデッキ材3にしか適用できない専用のものとなっている。また、施工後に一枚のデッキ材3について補修や交換を行なう場合には、その一枚のみならず数多くのデッキ材3を取り外さなければならないという不具合もあった。更に、固定具7とデッキ材3は嵌合しているだけであることから、温度変化によるデッキ材3の膨張や収縮などの寸法変化を規制できないものであった。また、経年変化などにより嵌合が緩むとデッキ材3が移動したり、振動により不快な音が発生する不具合もあった。
このような方式の他の多くの種類の固定具も、それぞれが限定された種類のデッキ材3にしか適用できない凡そ専用のものであり、予てより多種類のデッキ材3に使用することができる汎用性の高い固定具が切望されていた。
図11(a)、(b)に示す例(特開2013−241778)は、上述のような状況にあって種々のデッキ材3に適用できるように汎用性を持たせた固定具9である。この固定具9は、上方から押圧することによって一対の脚部10、10が拡開して固定具9の高さ寸法が変化することにより、種々のデッキ材3の下部突条6の高さ寸法Hに対応することが可能となっている。また、根太材2の上に固定具9を仮置きした際には、姿勢補助部材11により固定具9が倒れないように姿勢を保持することができ、作業性の向上を図ったものとなっている。また、施工後にビス13を外して固定具9を目地方向に移動させることにより、一枚のデッキ材3のみを取り外して補修や交換を行なうことも可能である。
しかしながら、この固定具9にあっては金属製の本体12と樹脂製の姿勢補助部材11の2つの部材を組合せて構成するものであり、それぞれの製造コストおよび組立コストを要することから高コストとなるものであった。また、脚部10は金属材料のバネ性で根太材2に接触しているだけであり固定されていないことから、ウッドデッキ1上を人が歩行した際や物品が落下などして干渉した際に脚部10が振動して不快な音が発生することがあり、ウッドデッキ1の品位を損なう場合もあった。
特開2013−241778号公報
本考案は、上述したような現状に鑑みて成されたものであり、多くの種類のデッキ材に適応して使用することができ汎用性が高く、施工時の仮置き状態では安定した姿勢を保ち施工性を高めることができ、施工後においては一枚のデッキ材のみを取り外すことができ補修や交換を容易に行なうことが可能となり、併せて、低コストで製造することができるデッキ材の固定具を提供することを課題とするものである。
上記のような課題を解決するために、本考案のデッキ材の固定具は、天板と、天板の左右両端縁に設けた一対の側板と、天板の前および/または後の端縁に設け天板の下方へ延出した脚板と、から成り、天板および脚板の各々にビス用の孔を備えたことを基本とするものである。
更には、天板に備えたビス用の孔はビス外径よりもやや大きい口径とし、脚板に備えたビス用の孔はビスのネジ下穴程度の口径とするほか、天板と側板および脚板を金属板にて一体に形成するものである。
本考案のデッキ材の固定具は、このような構成としたことにより多くの種類のデッキ材に適応して使用することができ、汎用性を高めることができる。即ち、上方から押圧することによって脚部が変形して固定具の高さ寸法が変化することにより、種々のデッキ材の下部突条の高さ寸法に対応することが可能となる。
上述のように固定具の高さ寸法が変化することにより、施工時の仮置き状態では脚部が根太材の上面に確実に着座して固定具を略垂直に自立させ安定した姿勢を保つことが可能となり、施工性を高めることができる。
施工後においてはビスを外し固定具を目地方向に移動させることにより、一枚のデッキ材のみを取り外すことができ、補修や交換を容易に行なうことが可能となる。
天板と側板および脚板を金属板にて一体に形成することにより、低コストで製造することが可能となる。
本考案の実施例を示す斜視図である。 図1に示す実施例の側面図である。 図1、図2に示す実施例の平面展開図である。 本考案の実施例の使用状態を示す斜視図である。 図4に示す使用状態についての断面図である。 本考案の他の実施例を示す側面図である。 本考案の別の実施例を示す側面図である。 ウッドデッキの一般的構造を示す斜視図である。 デッキ材の側面部の一般的な形状を示す要部断面図である。 従来例を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)はその使用状態を示す断面図である。 他の従来例を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)はその使用状態を示す断面図である。
本考案の実施例を以下、図面に基づいて説明する。尚、各図において共通する部分には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
図1および図2は本考案の固定具20を示すものであり、図1は斜視図、図2は側面図である。
固定具20は、天板21と、天板21の左右両端縁に設けた一対の側板22と、天板21の前の端縁に設け天板21の下方へ延出した脚板23と、から成っている。天板21にビス24用の孔25を備え、脚板23にビス24用の孔26を備えている。孔25はビス24の外径よりもやや大きい口径寸法であり、孔26はビス24のネジ下穴程度の口径寸法である。側板22は機械的強度を高めるリブ状であり、爪27を複数備えている。
図3は固定具20の平面展開図であり、上記構成の固定具20は、天板21と側板22および脚板23を金属板にて一体に形成したものであり、一枚の金属板から打ち抜き加工および曲げ加工などのプレス加工にて製造することができるものである。
脚板23は、天板21の前の端縁を基端として斜め下方へ延び、中間部は天板21に対し平行となり、先端は斜め上方へ延び天板21の後の端縁付近まで延出した形状となっている。中間部の孔26付近に段差Gを設け、孔25と孔26は凡そ同軸となっている。
上記のような脚板23の形成については、この実施例のように天板21の前または後の一端縁に限らず、前と後の両端縁に設けて延出し分割して形成することも可能である。
図4および図5は固定具20の使用状態を示すものであり、図4は斜視図、図5はその断面図である。先ず根太材2の上面に載置した左方のデッキ材3の凹溝5内に固定具20の左方の側板22を挿入し、脚板23を根太材2の上面に着座させて固定具20を仮置き状態とする。次に右方のデッキ材3を根太材2の上面に載置し左方のデッキ材3に接近させ、固定具20の右方の側板22が右方のデッキ材3の凹溝5に挿入された状態とする。そして左方と右方のデッキ材3にて固定具20を挟み込んだ状態としてビス24を締めて固定具20を根太材2に固定することにより、左方と右方のデッキ材3を根太材2の上面に固定するものである。尚、この際に脚板23の幅寸法Rが目地Sの寸法となる。
固定具20は上方から押圧することにより脚部23を変形させて高さ寸法を変化させることが可能である。従って、予め高さ寸法を大きめに設定しておきデッキ材3の下部突条6の高さ寸法Hに合わせて変形させることにより、下部突条6の高さ寸法Hが異なる種々のデッキ材3に対応することができる。また、脚部23を適宜に変形させることにより、仮置き状態では脚部23が根太材2の上面に確実に着座して固定具20を略垂直に自立させ、安定した姿勢を保つことが可能となり施工性を高めることができる。
ビス24を十分に締めた状態では、脚板23が更に変形すると共に爪27がデッキ材3に喰い込むことによりデッキ材3を強固に固定することができ、温度変化によるデッキ材3の膨張や収縮などの寸法変化を規制することができる。
孔25はビス24の外径寸法よりもやや大きい口径寸法であることから、ビスを締める際に直進性を高めるガイドとなり作業性を向上させることができる。孔26はビス24のネジ下穴程度の口径寸法であることから、ビス24を締めると孔26に雌ネジが切られることとなり、脚板23がビス24と根太材2に強力に固定される。このためウッドデッキ1上を人が歩行した際や物品が落下などして干渉した際に脚部23が振動して不快な音が発生することがなく、ウッドデッキ1の品位を損なうことがなくなる。
尚、使用するビス24はドリルビスやタッピングビスなどと称される先端にドリル部分や尖端部分を備えたビス類が好適である。この実施例のように孔26付近に段差Gを設けた場合には、孔25を通したビス24の先端のドリル部分や尖端部分などの小径部分を孔26に差し込んで固定具20とビス24を予め組み立てておくことができ、作業性を更に高めることができる。
図6は他の実施例を示す側面図であり、固定具30の脚板31に外側へ湾曲する湾曲部32を設けたものである。脚板31の形状をこのような形状とすることにより、脚板31の変形が容易となり更に作業性を高めることができると共に、固定具30の仮置き状態に於ける安定性を更に高めることができるものである。
図7は別の実施例を示す側面図であり、固定具40の脚板41に内側へ屈曲する屈曲部42を設けたものである。脚板41の形状をこのような形状とすることにより、脚板41の変形が容易となり更に作業性を高めることができると共に、固定具40の仮置き状態に於ける安定性を更に高めることができるものである。
このように脚板の変形を容易にするためには、上記の例の他にも例えば脚板の一部に薄肉部を設けたり、一部に切欠きを施し幅寸法の狭い箇所を設けることなども可能である。
本考案のウッドデッキ材の固定具は以上の説明の如き内容のものであり、多くの種類のデッキ材に適応して使用することができ汎用性が高く、施工時の仮置き状態では安定した姿勢を保ち施工性を高めることができ、施工後においては一枚のデッキ材のみを取り外すことができ補修や交換を容易に行なうことが可能となり、併せて、低コストで製造することができるものである。
このような特徴を併せ持つものであることから、新規施工や補修の工期を短縮しコストも低減することができ、また、緊急の補修にも迅速に対応することができるなど、ウッドデッキ材のメーカーや施工主は元より、施工業者にとっても極めて有益なものである。
特に施工業者は多くの種類のデッキ材を取扱い新規施工や補修などを行なうことから、対応して多種の固定具を常に潤沢に揃えておく必要があり、その手配や在庫に掛る手間やコストは煩わしく著しいものである。汎用性の高い本考案の固定具を適量揃えておくことにより、その手間やコストの多くを削減することが可能となる。
1 … ウッドデッキ
20、30、40 … 固定具
21 … 天板
22 … 側板
23、31、41 … 脚板
24 … ビス
25 … 天板に備えたビス用の孔
26 … 脚板に備えたビス用の孔

Claims (3)

  1. 天板と、天板の左右両端縁に設けた一対の側板と、天板の前および/または後の端縁に設け天板の下方へ延出した脚板と、から成るウッドデッキ材の固定具であって、天板と脚板の各々にビス用の孔を備えたものであるウッドデッキ材の固定具。
  2. 天板に備えたビス用の孔はビス外径よりもやや大きい口径とし、脚板に備えたビス用の孔はビスのネジ下穴程度の口径としたものである請求項1に記載のウッドデッキ材の固定具。
  3. 天板と側板および脚板は金属板にて一体に形成したものである請求項1または請求項2の何れかに記載のウッドデッキ材の固定具。
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