JP3200578B2 - 断熱防水パネル - Google Patents
断熱防水パネルInfo
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Description
ダや陸屋根等の床面敷設材として使用される断熱防水パ
ネル、とくに独立気泡の発泡合成樹脂材からなる板状の
断熱材ブロックの表面に、合成樹脂被覆金属板が積層状
に被覆接合一体化された断熱防水パネルに関する。
ては、例えば、特開平8−333849号公報に示され
るように、厚さ25〜100mm程度の発泡ポリスチレ
ン板状体からなる断熱材ブロックの表面に、塩化ビニル
被覆鋼板、即ち薄い鋼板の両面を塩化ビニル樹脂層で被
覆した厚さ約1mm内外程度のいわゆる塩ビ鋼板からな
る防水材を、適宜の接着剤を介して全面的に接合一体化
したものが多く使われている。
防水パネルをベランダ等の下地面上に敷き並べて施工し
た場合、比較的短期間の経過後に、すべてではないもの
の一部のパネルにおいてその表面側の防水材が部分的に
上方に山状に膨れ上がるフクレ現象を生じることがあっ
た。
初は、当該パネルが直接太陽光に曝される曝露条件下で
使用されるものであることから、断熱材ブロックと塩ビ
鋼板からなる防水材との熱伸縮率の違いの影響によるも
のと考え、両者の接着力を強化する方法を試みたが、フ
クレ現象を完全に解消することはできなかった。
更に究明を試みたところ、次のような理由によるもので
あることを突き止め得るに至った。
ク(2)として使用する樹脂発泡体中には、その製造段
階での発泡用の揮発性ガスが相当量内在する。このた
め、特に製造後十分な養生期間を経ずに供給された断熱
材ブロック(2)を用いた場合、太陽光により苛酷な加
熱の影響を受けることで、断熱材ブロック(2)中の残
存ガスが活性化され、発泡体の気泡を潰しながらその一
部が断熱材ブロックの表面層側に移行する。そして、こ
の揮発性ガスがやがて断熱材ブロック(2)と防水材
(3)との接合界面部分に到達し、その部分において防
水材(3)の部分剥離を生じさせ、更にこの部分にガス
が集中することで、剥離部分が拡大し、防水材(3)に
膨れ変形(4)を生じさせるというメカニズムに起因す
るものであることを解明し得た。
き、施工後において表面の防水材にフクレ現象を発生す
るのを防止し得る断熱防水パネルを提供することを目的
とする。
ックと表面の防水材との接合境界面から外部に通じるガ
ス逃出路を形成して、断熱材ブロックからの揮発性ガス
の上記境界面部への局部集中を回避するようにしたもの
である。
樹脂発泡体からなる板状の断熱材ブロックの表面に樹脂
被覆金属板あるいは軟質塩化ビニルシート等の防水シー
トよりなるシート状ないし薄い板状の防水材が積層状に
被覆接合された断熱防水パネルにおいて、前記断熱材ブ
ロックと防水材とが、所定間隔をおいて配置された複数
条の接着材層を介して接合され、この隣接する接着材層
間の遊離間隔部分をもって前記断熱材ブロックと防水材
との接合境界面部分に外部に連通する1ないし複数個の
ガス逃出路が形成されていることを特徴とするものであ
る。
ては、上記接着材層が、帯状の両面粘着テープからなる
ものとされる。
の接合境界面部分に外部に連通するガス逃出路を形成す
ることで、断熱材ブロック側から上記接合境界面に到達
してきた揮発性ガスは、最も近くに位置するガス逃出路
を通じて外部に逃出される。このため、上記の境界面中
の一部に多量にガスが集中して表面の防水材に有害な膨
れ変形を生じさせるのを確実に防止しうる。
例えばポリスチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、
ポリエチレンフォーム等の樹脂発泡体を任意に選択使用
可能であるが、これらのうち、とくにポリスチレンフォ
ームを使用するのが経済的に有利であり、一般的であ
る。
mであり、また通常、幅1mおよび長さ2m程度のもの
を使用するが、このような断熱材ブロックの大きさおよ
び形状は勿論任意である。
しては、例えば芯材が厚み0.2〜1.5mmの鋼板
で、かつその両面に厚み0.2〜1.0mmのポリ塩化
ビニル樹脂よりなる被覆層を設けた塩ビ鋼板を用いるの
が一般的である。このような塩化ビニル樹脂被覆鋼板
は、切断等の加工性が良く、表面がテトラヒドロフラン
のような溶剤による完全な溶着が可能であり、パネルの
製作上及び施工上有利である。防水材としては、その他
の合成樹脂を鋼板その他の金属板の片面もしくは両面に
被覆した板材など、防水性と耐食性を有するものであれ
ば使用可能である。更には軟質塩化ビニルシート等の軟
質合成樹脂シートを用いることも可能である。
ルの実施の形態について、図を参照しつつ説明する。
による断熱防水パネル(A2)を図示している。図2及
び図3は図1のIV−IV線およびV−V線による断面をそれ
ぞれ示している。
(2)は発泡ポリスチレンからなり、一例として厚さ5
0mm、長さ2m、幅1mの矩形状のものが用いられ
る。そして、この断熱材ブロック(2)の上面側には、
塩化ビニル樹脂被覆鋼板からなる厚さ0.9mmの防水
材(3)が複数の平行に配置された帯状の接着剤層
(7)を介して積層状に接合一体化されている。たとえ
ば100mm幅の接着材層(2)をパネル(A2)の長
さ方向に平行に、かつ相互間に150mm程度の間隔を
あけて4列均等間隔に配置することにより、断熱材ブロ
ック(2)と防水材(3)とが接合されている。
では、断熱材ブロック(2)と防水材(3)とが非接合
状態に遊離したものとなっており、この遊離間隙部
(8)をもって、断熱材ブロック(2)と防水材(3)
との接合境界面部分に外部に連通するガス逃出路を形成
したものとなされている。
布層として形成しても良いことはもちろんであるが、パ
ネル(A2)の製造上の容易性に鑑み、両面粘着テープ
を用いることが推奨される。この両面粘着テープとして
は、例えば厚さ0.1〜1.0mm、幅50〜150m
m程度のものを好適に使用しうるが、性能的には断熱材
ブロック(2)及び防水材(3)の被覆樹脂を侵す成分
を有しないこと、強固な接着力を有すること、例えば−
5℃〜80℃の温度範囲で常に0.5kgf/cm2 以
上の接着強度を有すること、更には耐水性に優れている
こと、例えば、水中での上記の温度範囲で0.3kgf
/cm2 以上の接着強度を保有するものであることが必
要である。
(8)は、パネル(A2)の幅方向または長さ方向の中
央部に1列のみ設けるものとしても良いが、図示実施態
様のように複数列設けるものとすることが望ましい。ま
たこの間隙部(8)の幅は、特に限定されるものではな
く、3〜150mm程度の範囲で適宜に設定可能であ
る。
2)は、その敷設施工後において、断熱材ブロック
(2)内から発生する揮発ガスが防水材(3)との接合
境界面に到達してきた場合、該ガスは、図3に矢印で示
すように前記遊離間隙部(8)によるガス逃出路を通っ
て速やかに外部に放出され、上記境界面に充満すること
がない。従って、ガス圧によって防水材(3)に膨れ変
形を生じることが防止される。
水パネルは、断熱材ブロックとその表面に接合された板
状ないしシート状防水材との接合境界面部分に外部に連
通するガス逃出路を形成したものとしていることによ
り、前記実施形態で説明したように、断熱材ブロックか
ら発生した揮発性ガスを上記境界面から外部に速やかに
逃出させることができる。このため、上記境界面部内で
のガスの集中による内圧増大によって防水材が大きく剥
離し、上方に膨れを生じるのを効果的に防止しうる。こ
のことはまた、上記膨れの発生状態で上面側から繰返し
荷重が加えられることによる防水材の剥離部分が拡大す
るのを未然に防止することができ、ひいては断熱防水パ
ネルの耐久性の向上にも貢献しうる。
て配置された隣接する接着剤層間の遊離間隔部分をもっ
て形成されたものとなされているので、接合境界面部分
から外部へのガスの逃出がスムーズに行われ、前記効果
を確実に達成しうると共に、断熱材ブロックに穿孔加工
等を施さないので、その断熱性や強度を一切損なうこと
がない利点がある。
断熱材ブロックと防水材との接合を、両面粘着テープを
用いて行うので、請求項1による効果を備えたパネルの
製造に際しての接合作業を容易に行うことができる。
一部切欠斜視図である。
現象を示す部分断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 樹脂発泡体からなる板状の断熱材ブロッ
クの表面にシート状ないし板状の防水材が積層状に被覆
接合された断熱防水パネルにおいて、 前記断熱材ブロックと防水材とが、所定間隔をおいて配
置された複数条の接着材層を介して接合され、この隣接
する接着材層間の遊離間隔部分をもって前記断熱材ブロ
ックと防水材との接合境界面部分に外部に連通する1な
いし複数個のガス逃出路が形成されてなることを特徴と
する断熱防水パネル。 - 【請求項2】 接着剤層が、帯状の両面粘着テープから
なる請求項1に記載の断熱防水パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31741097A JP3200578B2 (ja) | 1997-11-18 | 1997-11-18 | 断熱防水パネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31741097A JP3200578B2 (ja) | 1997-11-18 | 1997-11-18 | 断熱防水パネル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11148203A JPH11148203A (ja) | 1999-06-02 |
JP3200578B2 true JP3200578B2 (ja) | 2001-08-20 |
Family
ID=18087931
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31741097A Expired - Fee Related JP3200578B2 (ja) | 1997-11-18 | 1997-11-18 | 断熱防水パネル |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3200578B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100496627B1 (ko) * | 2002-11-21 | 2005-06-22 | 대림산업 주식회사 | 방수층 접착방식이 개선된 복합방수층 시공 방법 |
JP5245197B2 (ja) * | 2005-12-16 | 2013-07-24 | 富士ゼロックス株式会社 | 画像形成装置 |
-
1997
- 1997-11-18 JP JP31741097A patent/JP3200578B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11148203A (ja) | 1999-06-02 |
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