JP3200445B2 - 加熱定着用現像剤及び加熱定着方法 - Google Patents

加熱定着用現像剤及び加熱定着方法

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JP3200445B2 JP16077891A JP16077891A JP3200445B2 JP 3200445 B2 JP3200445 B2 JP 3200445B2 JP 16077891 A JP16077891 A JP 16077891A JP 16077891 A JP16077891 A JP 16077891A JP 3200445 B2 JP3200445 B2 JP 3200445B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電印刷、
磁気記録等において、現像剤で形成された顕画像を記録
材に加熱定着させる加熱定着用現像剤及び加熱定着方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トナーの顕画像を記録材に定着す
る方法としては、所定の温度に維持された加熱ローラー
と、弾性層を有して該加熱ローラーに圧接するもう一つ
の加圧ローラーとによって、未定着のトナー顕画像を保
持した記録材を挟持搬送しつつ加熱する、熱ロール定着
方式が多用されている。又、USP3,578,797
号に記載されているベルト定着方式が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、上述の従
来多用されてきた熱ロール定着方式では、下記の様な問
題点がある。 (1)熱ローラーが所定温度に達するまでの所謂ウエイ
ト時間があり、画像形成作動が出来ない時間がある。 (2)記録材の通過或いは他の外的要因で加熱ローラー
の温度が変動することによる定着不良、及び加熱ローラ
ーへのトナーの転移、といった所謂オフセット現象を防
止する為、加熱ローラーを最適な温度に維持する必要が
ある。この為、加熱ローラー或いは加熱体の熱容量を大
きくしなければならず、大きな電力を要するという問題
がある。 (3)加熱ローラーが低温度である為、記録材が加熱ロ
ーラーから通過排出される際に、記録材及び記録材上の
トナーが緩慢に冷却され、トナーの粘着性が高い状態と
なり、ローラーの曲率とも相まってオフセット或いは記
録材を巻き込むことによる紙詰まりを生ずることがあ
る。 (4)高温の加熱ローラーが直接手に触れる構造となっ
ている為、安全性に問題があったり、保護部材が必要で
あったりする。又、前述したUSP3,578,797
号記載のベルト定着方式においても、上記に挙げた熱ロ
ール定着方式の問題点のうち、(1)及び(2)につい
ては根本的に解決されていない。
【0004】これに対し、本出願人が先に特開昭62−
147884号公報において提案した、パルス状に通電
発熱させた低熱容量の発熱体により、移動する耐熱性シ
ートを介してトナー顕画像を加熱し、記録材へ定着させ
る定着装置によって、ウエイト時間が短く、且つ低消費
電力の画像形成装置が達成されている。又、同様に本出
願人が先に特開昭63−12069号公報において提案
した、トナーの顕画像を耐熱性シートを介して記録材へ
加熱定着する定着装置において、該耐熱性シートが耐熱
層と離型層或いは低抵抗層を有することで、オフセット
現象が有効に防止されている。
【0005】しかしながら、トナー顕画像の記録材への
優れた定着性及びオフセット現象の防止等を達成しつ
つ、更に、ウエイト時間が短く、且つ低消費電力である
定着方法を実現する為には、上記の如き優れた定着装置
に加えて、定着装置に適用するトナーの特性に負うとこ
ろが大きい。近年、小型で安価なパーソナルユースの複
写機やレーザープリンター等が出現しているが、これら
の小型の複写機等においては、メンテナンスフリーの立
場から、感光体、現像器、クリーニング装置等を一体化
したカートリッジ方式が採用されている。この為、現像
剤においても、現像器の構造を簡単に出来る為、キャリ
アを含まない磁性トナーからなる一成分系現像剤を使用
することが望まれている。
【0006】しかし、この様な磁性一成分系現像剤は、
通常、立方晶系の結晶構造を持つ多くの磁性体を含有し
ており、又、この様な磁性体が現像剤内部ばかりでなく
表面にも多く露出している為、該磁性体は、結晶構造上
鋭いエッジ部を持ち、大きな研磨効果を有し、磁性体で
定着部材の表面等を強く摺擦した場合に、定着部材の表
面を傷つけたり削ったりし易いという問題がある。特に
耐熱性シートを用いる定着方式の場合、この問題が顕著
となる。この問題に対して、従来より現像剤をスプレー
ドライヤー等で球形化する方法等が提案されているが、
エッジ部を有する磁性体が現像剤表面に露出している点
を根本的に解決したものではない為、上記の問題を完全
に解決するには至っていない。
【0007】又、特開昭59−64852号公報に見ら
れる如き、磁性体を湿式法で造粒させ球形化させたり、
粉砕法によりエッジ部分を取り除き、丸味を帯びた磁性
体を磁性一成分系現像剤に用いることも提案されている
が、耐熱性シートを用いる定着方式の定着方法を用いる
場合にはそれでも不十分である。即ち、造粒時に球形化
する方法では、凝集物が生成される割合が多くなり、こ
れをそのまま用いたのでは現像剤中への磁性体の不均一
分散が生じ、磁性体のリッチな部分では定着部材を摺擦
により傷つけ、他方、結着樹脂等がリッチな部分では融
着を起こし易くなるという問題がある。更に、この様な
現像剤の原材料の分散不良は、プリントアウト画像の定
着性を不安定にする等の種々の弊害を誘発する。一方、
粉砕法を用いて磁性体を球形化する方法では、磁性体は
結晶面に添って粉砕されるので破砕面は実質的に球面と
は言えず、更に、粉砕時に派生した微粉磁性体が混入し
ている為、現像剤の表面上における磁性体露出部分が増
え、実際には、定着部材の表面に傷や削れが頻繁に発生
するだけでなく、定着性自体にも悪影響を及ぼすという
問題がある。
【0008】従って、本発明の目的は上述の如き従来技
術の問題点を同時に解決し、ウエイト時間が実質的にな
いか、或は極めて短時間であり、且つ低消費電力で、オ
フセット現象が発生せず、記録材へのトナー画像の定着
も良好である新規な加熱定着方法を提供することにあ
る。又、本発明の目的は、本発明中で提供される加熱定
着方法において好ましく用いられる加熱定着用現像剤を
提供することである。又、本発明の別の目的は、定着装
置に高温の回転ローラーを使用とせず、耐熱性特殊軸受
けを必要としない簡易な加熱定着方法を提供することに
ある。又、本発明の別の目的は、定着装置を高温体に直
接手を触れることのない構成とすることで、安全性に優
れた或いは保護部材を必要としない加熱定着方法を提供
することである。更に、本発明の別の目的は、定着部材
が現像剤による固着或は傷等の影響を受けることがな
く、良好な画像を提供し得る加熱定着用現像剤及び加熱
定着方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決する為の手段】上記の目的は、下記の本発
明により達成される。即ち、本発明は、記録材上に形成
された現像剤の顕画像を、固定支持された加熱体と、該
加熱体に4〜20kgの総圧で対向圧接し且つ導電性物
質が分散されている弗素樹脂の離型層を表面に有するフ
イルムを介して記録材を加熱体に密着させる加圧部材と
により加熱定着する加熱定着方法に使用される加熱定着
用現像剤において、該現像剤は、結着樹脂、負荷電制御
剤及び磁性粒子を溶融混練する工程を経て製造された
性トナーを有しており、該磁性粒子は、嵩密度が0.
g/cm3以上であり、10,000エルステッドの
磁界下において、保力(Hc)が100エルステッド
以下であり、且つ残留磁化(σr)が10emu/g以
下であり、該磁性トナーは、該結着樹脂100重量部に
対して該磁性粒子を30乃至150重量部含有している
ことを特徴とする加熱定着用現像剤及びこれを用いる加
熱定着方法である。
【0010】
【作用】本発明の加熱定着方法は、従来の様な加熱ロー
ラーを使用しない為、ウエイト時間が実質的になく極め
て短時間であり、且つ低消費電力で作動出来、又、オフ
セット現象を発生することもない。又、本発明の加熱定
着方法は、高温の回転ローラーを使用しない為、耐熱性
特殊軸受けを必要とせず、簡易な定着装置が提供され
る。又、本発明の加熱定着方法は、高温体に直接手を触
れることのない、安全性に優れた或いは保護部材を必要
としない定着装置が提供される。更に、本発明の現像剤
を、本発明の加熱定着方法に適用することにより、定着
部材、特にフイルムが現像剤による固着或は傷等の影響
を受けることがなく、本発明の加熱定着方法の効果を充
分に発揮させることが出来る為、両発明が相俟って、常
に良好な画像が提供される。
【0011】
【好ましい実施態様】以下、本発明の加熱定着方法を適
用した加熱定着装置を挙げて、その構成について具体的
に説明する。本発明の加熱定着方法を適用した定着装置
は、加熱体に低熱容量の線状加熱体を使用したこと、及
び、加熱体と加圧部材との間に耐熱性の定着フイルムを
設け、加圧部材により該フイルムを介して加熱体に記録
材を密着させたことを特徴とする。即ち、本発明の加熱
定着方法に使用する加熱体は、従来の熱ロールに比べて
その熱容量が小さく線状の加熱部を有するものであり、
加熱部の最高温度は、100〜300℃であることが好
ましい。又、加熱体と加圧部材との間に位置するフイル
ムは、厚さ1〜100μmの耐熱性のシートであること
が好ましく、これら耐熱性シートとしては、耐熱性の高
い、例えば、ポリエステル、PET(ポリエチレンテレ
フタレート)、PFA(テトラフルオロエチレン−パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE
(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリア
ミド等のポリマーシートの他、アルミニウム等の金属シ
ート及び、金属シートとポリマーシートから構成された
ラミネートシートが用いられる。本発明においては、こ
れらのフイルムの表面に、導電性物質が分散されている
弗素樹脂の離型層を有するフイルムを使用する。更に、
より好ましいフイルムの構成としては、これら耐熱性シ
ートが離型層及び/又は低抵抗層を有していることであ
る。
【0012】以下、添付図面を参照して本発明の加熱定
着方法の好ましい実施態様を説明する。図1は、本発明
の加熱定着方法を適用した定着装置の構造図を示す。図
中11は、装置に固定支持された低熱容量の線状加熱体
である。一例としては、厚み1.0mm、巾10mm、
長手長240mmのアルミナ基板12に、抵抗材料13
を巾1.0mmに塗工したものがあり、長手方向の両端
より通電される。その際、通電は、DC100Vの周期
20msecのパルス状波形で行い、検温素子14によ
りコントロールされた所望の温度、エネルギー放出量に
応じたパルスを、そのパルス巾を変化させることにより
与える。パルス巾は、略0.5msec〜5msecと
なる。定着フイルム15は、この様にエネルギー及び温
度制御されている加熱体11に当接しつつ、図中の矢印
方向に移動する。この定着フイルム15の一例として
は、厚み20μmの耐熱性フイルムが挙げられる。即
ち、例えば、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PE
S、PFAフイルムの少なくとも画像当接面側に、導電
材を添加したPTFE、PAF等の弗素樹脂からなる離
型層を10μmコートしたエンドレスフイルムである。
一般的には、総厚が100μmより薄いものが好まし
く、更に好ましくは40μm未満の総厚のフイルムであ
る。尚、この様なフイルムの駆動は、駆動ローラー16
と従動ローラー17とによる、駆動とテンションとによ
り矢印方向に皺なく移動する。図中18は、シリコンゴ
ム等の離型性の良いゴム弾性層を有する加圧ローラーで
あり、総圧4〜20kgで定着フイルム15を介して加
熱体11を加圧し、定着フイルム15と圧接しつつ図中
の矢印方向に回転する。又、転写材19上の未定着トナ
ー20は、入口ガイド21によって定着部に導かれ、上
述の加熱により定着像を記録材上に与えるものである。
【0013】以上はフイルムがエンドレスベルト状であ
る場合について説明したが、図2に示した如く、シート
送り出し軸24及び巻き取り軸27を使用して、定着フ
イルム15を有端のフイルムとしてもよい。又、本発明
の加熱定着方法は、複写機、プリンター、Fax等のト
ナーを用いて画像を形成する画像形成装置の全ての定着
装置に適応することが出来る。低熱容量の線状加熱体1
1において、検温素子14で検出された温度がT1であ
る場合、抵抗材料13に対向する定着フイルム15の表
面温度T2は、T1とほぼ等しい。又、定着フイルム15
がトナー定着面より剥離する部分におけるフイルム表面
温度T3は、温度T1及びT2とほぼ等しい温度である。
【0014】次に、本発明の加熱定着方法に使用するの
に適した本発明の加熱定着用現像剤について説明する。
先に述べた様に、磁性体の研磨効果を防止する為、磁性
体を湿式法で造粒させ球形化させたり、粉砕法によりエ
ッジ部分が取り除かれた丸味を帯びた磁性体を磁性一成
分系現像剤に用いる方法があるが、以下の理由により不
十分であった。即ち、造粒時に球形化する方法では、凝
集物が生成される割合が多くなり、磁性体の不均一分散
が生じ、定着部材を摺擦により傷つけ、更には、プリン
トアウト画像の定着性を不安定にする等の種々の弊害を
誘発する。一方、粉砕法を用いて磁性体を球形化する方
法では、磁性体は結晶面に添って粉砕されるので破砕面
は実質的に球面とは言えず、更に、粉砕時に派生した微
粉磁性体が混入している為、現像剤の表面上における磁
性体露出部分が増え、実際には、定着部材の表面に傷や
削れが頻繁に発生するだけでなく、定着性自体にも悪影
響を及ぼす。以上のことは、この様な磁性体を含有する
現像剤を、本発明の加熱定着方法に用いる場合、本発明
で使用する定着部材がフイルム状である為、更に、顕著
に現れる。即ち、本発明の加熱定着方法における定着部
材はフイルム状であり、定着部材の表面に傷や削れが発
生した場合、フイルムの緊張に狂いを生じる為、トナー
画像の定着性への影響、更には、定着部材のフイルムが
破損する等の弊害が顕著に現れる危険性が大である。
【0015】これに対し、本発明の加熱定着用現像剤
は、結着樹脂、負荷電制御剤及び磁性粒子を少なくとも
含有する磁性トナーを有しており、該磁性粒子は、嵩密
度が0.50g/cm3以上であり、10,000エル
ステッドの磁界下において、保力(Hc)が100エ
ルステッド以下であり、且つ残留磁化(σr)が10e
mu/g以下であることを特徴とし、この様な構成をと
ることにより、本発明の加熱定着方法に使用する定着フ
イルム表面への、現像剤の固着や傷の発生が極めて起こ
りにくいものとなる。従って、本発明に係る加熱定着用
現像剤は、本発明に係る加熱定着方法とのマッチングが
極めてよく、本発明の加熱定着方法の効果を充分に発揮
させることが出来、両発明が相俟って、常に良好な画像
形成を行わせる優れた画像形成方法を提供することが出
来る。本発明者等は、本発明に係る加熱定着用現像剤が
上記の様な優れた効果を発揮する理由として、現像剤中
の磁性粒子の均一な分散が達成されることによるものと
考えている。即ち、現像剤中での磁性粒子の均一分散が
実現されていないと、磁性体のリッチな部分では、磁性
体が現像剤表面へ露出する割合が高くなるだけでなく、
結着樹脂の割合が少なくなる分、弾性が減少する為、定
着フイルムと加圧部材との当接部で機械的圧力による定
着フイルム表面への強い摺擦が行われ、傷や削れが発生
する。又、逆に、結着樹脂のリッチな部分では、磁性体
の割合が減少している分、粘弾性が増加しているので、
定着フイルム表面に固着する現象を生ずると推定してい
る。
【0016】磁性体の嵩密度は、磁性粒子の凝集体の存
在量、即ち分散性を間接的に示していると解することが
出来る。磁性体の嵩密度が0.35g/cm3未満の場
合には磁性体中に凝集物が多数存在していて、現像剤、
結着剤樹脂に対して十分な分散性が得られない。この
為、磁性体の偏在を起こし、定着フイルム表面に傷や削
れを生ずる。更には定着フイルムへの現像剤の固着現像
を引き起こす。磁性体の現像剤中での良好な分散を得る
為には、嵩密度が0.35g/cm3以上の磁性粒子を
用いることが必須であり、更には、0.5g/cm3
上を有する磁性体であることが好適である。尚、本発明
に於いて磁性体の嵩密度とは、JIS(日本工業規格)
K−5101で測定される値をいう。
【0017】本発明に係る現像剤に含有される磁性体
は、10,000エルステッドの磁界下に於いて、10
0エルステッド以下の保力(Hc)を有していること
が好ましく、更に好ましくは、80エルステッド以下の
力を有していることである。一般に、磁性粒子に於
いてその保力は、結晶磁気異方性及び形状異方性が支
配的でその表面形状を間接的に規定していると解するこ
とが出来る。即ち、磁性体が結晶性を帯びてくると保
力は大きくなり、磁性粒子表面に先鋭なエッジ部を持つ
様になる。この様なエッジ部を表面に有する磁性粒子を
含有する現像剤を本発明の加熱定着方法に用いた場合に
は、定着フイルム表面に傷や削れを生ずるだけでなく、
定着フイルム現像剤の埋め込み等による固着現象を生じ
やすくなる。従って、磁性粒子の保力を小さくし、そ
の表面を実質的に曲面に近付けることが好ましいのであ
る。但し、保力は磁性粒子が凝集体を形成している場
合にも100エルステッド以下の値を示すことがあるの
で、この場合でも、嵩密度は0.35g/cm3以上で
ある必要がある。
【0018】更に、本発明に係る現像剤に含有される磁
性体は、10,000エルステッドの磁界下に於いて、
10emu/g以下、好ましくは7emu/g以下の残
留磁化(σr)を有する磁性粒子を用いることが好まし
い。磁性体の残留磁化が10emu/gより大きくなる
と、磁性粒子の磁気凝集が大きくなり、現像剤中で凝集
体として存在し易くなり、この磁性体の偏在が上述した
様に定着部材表面に現像剤の固着現象等を発生させるの
で好ましくない。尚、磁性体の磁気的特性は、例えば東
英工業株式会社製のVSMP−1によって測定された値
をいう。
【0019】本発明の現像剤を構成する磁性トナーは、
摩擦電荷を有する為に実質的には電気絶縁性である。具
体的には、3.0Kg/cm2の加圧下において、10
0Vの電圧を印加したときの抵抗値が1014Ω・cm以
上を有していることが好ましい。又、本発明の現像剤に
使用する球状磁性体は、結着樹脂100重量部に対して
30〜150重量部(好ましくは40〜120重量部)
含有されている。30重量部未満では、スリーブの如き
現像剤担持体上における磁性トナーの搬送性が不足す
る。一方、150重量部を超える場合には、磁性トナー
の絶縁性及び熱定着性が低下してしまう。本発明の現像
剤に使用する磁性体は、硫酸第一鉄を原料とする湿式法
によって生成されることが好ましく、マンガン又は亜鉛
の如き2価金属化合物を、0.1〜10重量%含有して
いるマグネタイトまたはフェライトから形成されている
ことが好ましい。
【0020】又、本発明に係る現像剤に含有される磁性
粒子は、必要に応じて解砕処理を施したものを用いても
よい。磁性体を解砕処理する為に使用される手段として
は、粉体を解砕する為の高速回転子を具備している機械
式粉砕機、及び、粉体を分散又は解砕する為の荷重ロー
ラを具備している加圧分散機が例示される。機械式粉砕
機を使用して磁性粒子の凝集体を解砕処理する場合に
は、回転子による衝撃力が磁性粒子の1次粒子にも過度
に加わり易く、1次粒子そのものが破壊されて、磁性粒
子の微粉体が生成し易い。その為、機械式粉砕機で解砕
処理された磁性体をトナーの原料とした場合、磁性粒子
の微粉体が多量に存在すると、磁性粒子微粉体が現像剤
表面に露出する割合が高くなり、その為、現像剤自体の
もつ研磨効果が高められ、本発明が当初求めていた特性
から外れてしまい、あまり好ましくない。これに対し、
フレッドミルの如き加重ローラを具備している加圧分散
機が磁性粒子の凝集体の解砕処理の効率及び微粉状磁性
粒子の生成の抑制という点で好ましい。
【0021】本発明に係る現像剤を構成する磁性トナー
の結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリビニルトルエ
ン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−
プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合
体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−
アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、ス
チレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アク
リル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタ
アクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸
エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重
合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共
重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、ス
チレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビ
ニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレ
イン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合
体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレー
ト、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、ポ
リアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テンペル樹
脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、
芳香族系石油樹脂、パラフィンワックス、カルナバワッ
クス等が単独或いは混合して使用出来る。
【0022】又、本発明の現像剤中には負荷電制御剤、
更に、必要に応じて、着色剤、流動性改質剤を添加して
もよく、負荷電制御剤、流動性改質剤は現像剤粒子と混
合(外添)して用いてもよい。負荷電制御剤としては含
金属染料等があり、着色剤としては従来より知られてい
る染料、顔料が使用可能であり、流動性改質剤としては
コロイダルシリカ、脂肪酸金属塩等がある。又、増量の
目的で、炭酸カルシウム、微粉状シリカ等の充填剤を
0.5〜20重量%の範囲で現像剤中に配合することも
出来る。更に、現像剤粒子相互の凝集を防止して、その
流動性を向上させる為に、テフロン微粉末の様な流動性
向上剤を配合してもよい。又、熱ロール定着時の離型性
をよくする目的で低分子量ポリエチレン、低分子量ポリ
プロピレン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバ
ワックス、サゾールワックス等のワックス状物質を0.
5〜5重量%程度加えることも出来る。
【0023】
【実施例】以上本発明の基本的な構成と特色について述
べたが、以下実施例に基づいて具体的に本発明の方法に
ついて説明する。しかしながら、これによって本発明の
実施の態様が何ら限定されるものではない。
【0024】実施例1 上記材料からなる混合物を、140℃に加熱した2軸エ
クストルーダで溶融混練した後、冷却した混練物をハン
マーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕
し、得られた微粉砕粉を風力分級して、重量平均粒径が
11.8μmの磁性粒子分級粉を得た。更に、ここで得
られたトナー分級粉100部に対して、表面をシリコー
ンオイルで処理された疎水性コロイダルシリカ(疎水化
度92%)0.6部をヘンシェルミキサーで乾式混合し
て本発明の加熱定着用の現像剤を調製した。
【0025】この様にして調製した該現像剤を、市販の
レーザービームプリンターLBP−SX(キヤノン製)
を改造した、本発明の加熱定着方法からなる定着器に設
置した。その際の構成を以下に示す。図1に示す本発明
の加熱定着方法を適用した定着器において、加熱体11
の検温素子表面温度T1は180℃、加熱部の抵抗材料
13の消費電力は150W、加熱体11と加圧ローラー
21との間の総圧は13kg、加圧ローラー21とフイ
ルム15のニップは3mm、定着フイルム15の回転速
度は48mm/secに設定した。定着フイルム15と
しては、記録材との接触面にPTFEに導電性物質を分
散させた低抵抗の離型層を有する厚さ20μmの耐熱性
のポリイミドフイルムを使用した。この時、検温素子1
4で検出された加熱体11の表面温度T1が184℃に
達するまでに要した時間は約3秒であり、ウエイト時間
は殆どなかった。更に、定着フイルム15の表面温度T
2は182℃であり、定着フイルム15がトナー定着面
より剥離する部分におけるフイルム表面温度T3は18
1℃であり、両者はほぼ等しかった。以上の様な設定条
件で、A3サイズの紙に、4枚/分のプリント速度で、
連続2,000枚にわたり反転現像方式でトナー画像を
形成する実写テストを、常温常湿(25℃、60%R
H)、高温高湿(30℃、90%RH)及び低温低湿
(15℃、10%RH)の各条件下で行った。得られた
プリントアウト画像を評価し、又、同時に定着フイルム
表面の様子を観察した。その結果、各環境のいずれに於
いても、定着フイルム表面に現像剤による傷や削れは、
プリントアウト試験終了後もほとんどなく、又、残留現
像剤の固着もなかった。又、得られた画像は細線の再現
性にも優れた良好なものであり、低温低湿状態での定着
性にも問題は無かった。
【0026】実施例2 上記の材料からなる混合物を、実施例1と同様にして現
像剤を調製し、実施例1と同様にして、各環境下で連続
2000枚のプリントアウト試験を行った。その結果、
各環境のいずれにおいても、帯電部材及び感光体ドラム
表面上に現像剤による傷や削れは、プリントアウト試験
終了後もほとんどなく、残留現像剤の固着も認められな
かった。又、得られた画像も良好なものであった。
【0027】参考 嵩密度0.37g/cm3を有する磁性体(Hc=10
4エルステッド、σr=13.2emu/g)60重量
部を使用したことを除いて、実施例1と同様にして現像
剤を調製し、実施例1と同様にして各環境条件下で連続
1500枚のプリントアウト試験を行った。その結果、
高温高湿環境下で、感光体表面の数ヶ所に点状の固着物
を認めた。しかし、画像上に画像欠陥は認められず、低
温低湿条件下での定着性にも問題はなかった。その他の
環境でも、異常はなく良好な画像を得た。
【0028】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の加熱定着方
法は、従来の様な加熱ローラーを使用しない為、ウエイ
ト時間が実質的になく極めて短時間であり、且つ低消費
電力で作動出来、又、オフセット現象を発生することも
ない。又、本発明の加熱定着方法は、高温の回転ローラ
ーを使用しない為、耐熱性特殊軸受けを必要とせず、定
着装置を簡易なものと出来る。又、本発明の加熱定着方
法によれば、高温体に直接手を触れることのない、安全
性に優れた或いは保護部材を必要としない定着装置と出
来る。更に、本発明の加熱定着用現像剤を本発明の加熱
定着方法に適用することにより、定着部材が現像剤によ
る固着或は傷等の悪影響を受けることがなく、本発明の
加熱定着方法の効果を充分に発揮させることが出来る
為、定着器の長寿命化が達成される。又、両発明が相俟
って、常に良好な安定した画像が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱定着方法を適用した一実施例の定
着装置の構造図である。
【図2】本発明の加熱定着方法を適用した他の実施例の
定着装置の構造図である。
【符号の説明】
11:低熱容量線状加熱体 12:アルミナ基板 13:抵抗材料 14:検温素子 15:定着フイルム 16:駆動ローラー 17:従動ローラー 18:ゴム弾性層 19:転写材 20:未定着トナー 21:入口ガイド 24:シート送り出し軸 27:巻取り軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土屋 清子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−101741(JP,A) 特開 昭57−45554(JP,A) 特開 昭57−85060(JP,A) 特開 昭57−90641(JP,A) 特開 昭57−93351(JP,A) 特開 昭57−90640(JP,A) 特開 昭57−93350(JP,A) 特開 昭56−91242(JP,A) 特開 昭56−101150(JP,A) 特開 平2−136876(JP,A) 特開 平2−160250(JP,A) 特開 昭63−313182(JP,A) 特開 昭63−187582(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録材上に形成された現像剤の顕画像
    を、固定支持された加熱体と、該加熱体に4〜20kg
    の総圧で対向圧接し且つ導電性物質が分散されている弗
    素樹脂の離型層を表面に有するフイルムを介して記録材
    を加熱体に密着させる加圧部材とにより加熱定着する加
    熱定着方法に使用される加熱定着用現像剤において、 該現像剤は、結着樹脂、負荷電制御剤及び磁性粒子を
    融混練する工程を経て製造された磁性トナーを有してお
    り、該磁性粒子は、嵩密度が0.50g/cm3以上で
    あり、10,000エルステッドの磁界下において、保
    力(Hc)が100エルステッド以下であり、且つ残
    留磁化(σr)が10emu/g以下であり、該磁性ト
    ナーは、該結着樹脂100重量部に対して該磁性粒子を
    30乃至150重量部含有していることを特徴とする加
    熱定着用現像剤。
  2. 【請求項2】 該磁性粒子は、10,000エルステッ
    ドの磁界下において、保力(Hc)が80エルステッ
    ド以下であり、且つ残留磁化(σr)が7emu/g以
    下である請求項1に記載の加熱定着用現像剤。
  3. 【請求項3】 該現像剤は、該磁性トナー及びシリコー
    ンオイルで表面処理された疎水性コロイダルシリカを有
    する請求項1又は2に記載の加熱定着用現像剤。
  4. 【請求項4】 記録材上に形成された現像剤の顕画像
    を、固定支持された加熱体と、該加熱体に4〜20kg
    の総圧で対向圧接し且つ導電性物質が分散されている弗
    素樹脂の離型層を表面に有するフイルムを介して記録材
    を加熱体に密着させる加圧部材とにより加熱定着する加
    熱定着方法において、 該現像剤は、結着樹脂、負荷電制御剤及び磁性粒子を
    融混練する工程を経て製造された磁性トナーを有してお
    り、該磁性粒子は、嵩密度が0.50g/cm3以上で
    あり、10,000エルステッドの磁界下において、保
    力(Hc)が100エルステッド以下であり、且つ残
    留磁化(σr)が10emu/g以下であり、該磁性ト
    ナーは、該結着樹脂100重量部に対して該磁性粒子を
    30乃至150重量部含有していることを特徴とする加
    熱定着方法。
  5. 【請求項5】 該磁性粒子は、10,000エルステッ
    ドの磁界下において、保力(Hc)が80エルステッ
    ド以下であり、且つ残留磁化(σr)が7emu/g以
    下である請求項に記載の加熱定着方法。
  6. 【請求項6】 該現像剤は、該磁性トナー及びシリコー
    ンオイルで表面処理された疎水性コロイダルシリカを有
    する請求項4又は5に記載の加熱定着方法。
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