JP3199812B2 - 水系現像可能な光硬化性組成物、これで製造された層を有する感光製品、並びにそれらの製品の改良方法 - Google Patents

水系現像可能な光硬化性組成物、これで製造された層を有する感光製品、並びにそれらの製品の改良方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、光硬化性プレポリマー類およ
び調合物、或は上記を含有している組成物、並びに上記
プレポリマー類または調合物から製造された固体表面も
しくは層を有する感光性軟質製品に関する。本発明はま
た、感光性製品の水系現像性および耐溶媒性を改良する
方法に関する。
【0002】
【発明の背景】印刷用プレートおよび他の感光性もしく
は放射感受性製品を製造するための技術において、光硬
化性プレポリマー類および組成物はよく知られている。
感光性を示すフレクソグラフィック印刷用プレートの分
野において、これらのプレートは、典型的に、支持体
と、光硬化性組成物から製造された感光性表面もしくは
層と、から成っている。このプレート上の追加的層もし
くは表面には、該感光性表面を保護するためのスリップ
および剥離フィルムが含まれる。このプレートを加工す
るに先立って、これらの追加的層を除去した後、その感
光性表面を画像様式で放射線に暴露する。その後、暴露
されていない表面を現像浴中で除去する。
【0003】米国特許番号2,760,863中に開示さ
れているが如き感光性を示す固体状組成物から成る暴露
されていない表面の除去には、環境上不安全な有機溶
媒、例えばテトラクロロエチレン、2−ブタノン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、トリクロロエタン、そして
テトラクロロエチレン/n−ブタノールの如き溶媒混合
物を含む現像浴の使用が必要とされている。しかしなが
ら、上記溶媒の毒性、高揮発性、および低引火点のた
め、それらの使用は危険な状態をもたらし、そして公害
問題を引き起こす。従って最近、非有機溶媒現像液、例
えば水系、界面活性剤水系、或はアルカリ性水系、の溶
液内で感光層を現像する分野に関して強い興味が持たれ
てきた。しかしながら、水系現像可能プレートを達成す
る最近の試みから得られた組成物は、物性、例えば柔軟
性、柔らかさなど、に関して不充分であることが示され
ている。ヨーロッパ特許出願261,910参照。
【0004】例えば、水系現像可能な感光性表面に加え
て、フラクソグラフィック印刷用プレートは、印刷用シ
リンダーに巻き付くに充分な柔軟性を有するばかりでな
く、典型的な印刷工程中に受ける苛酷さに耐える程充分
に強くある必要がある。更に、この印刷用プレートは低
い硬度、即ち印刷中のインクの移動を容易にするに充分
な柔らかさ、を有するべきである。軟質印刷用プレート
の分野における印刷用プレートに関する典型的な硬度目
標は、ショアA硬度が約30〜60の範囲にあることで
あった。
【0005】従来の水系現像可能組成物は、所望の性
質、例えば柔軟性、柔らかさ、そして印刷中に典型的に
用いられるインクに対する耐溶媒性、の全ては有してい
ない。例えば、ヨーロッパ特許出願261,910に
は、三元共重合体と、アミノアクリレート類の如き塩基
性窒素含有化合物と、から成る感光組成物から製造され
た水系現像可能印刷用プレートが記述されている。しか
しながら、261,910特許出願の出願者は、その表の中
で、彼らのプレートは66〜81の範囲のショアA硬度
を有することを示している。
【0006】更に、主要成分としての高分子量ポリマ
ー、例えばポリビニルアルコール、セルロースなどを含
有している他の水現像可能感光組成物もまた、柔軟性に
関して不充分であり、そして高いゴム硬度を有してお
り、従ってこれらはフレクソグラフィック印刷用プレー
トにおける使用には不適切である。
【0007】最後に、この印刷用プレートの感光層は、
保存中、寸法安定性を示すことも重要である。例えば、
プレート製造のために用いられるいくつかの組成物は、
これらがフレクソグラフィック印刷用固体プレートに用
いられるとき、これらの組成物が保存中に粘着性を示し
そして糊状になる点で、劣った安定特性を示していた。
これらの劣った特性は、これらの印刷用プレート製造に
用いられるポリマー類が低い分子量を有することによる
ものであった。Koch他の米国特許番号4,762,89
2、並びに日本特許公告57-23693に開示されてい
る低分子量ポリマー類に関する考察を参照。
【0008】
【発明の要約】従って、本発明の目的は、光硬化性組成
物が、(a)ブタジエンのモノマー単位と、式
【0009】
【化7】 [式中、R1は、水素またはメチルである]を有するモ
ノマー単位と、から本質的に成る酸含有共重合体、およ
び(b)重合可能エチレン系不飽和基を有する窒素含有
化合物(ここで、上記窒素含有化合物は、感光性を示す
軟質品における使用に対して該組成物を適切にするに充
分な量で存在している)、から成るところの、軟質印刷
用プレートの如き柔軟性を示す感光製品上の、水系現像
可能で貯蔵安定性を示す感光性固体表面もしくは層とし
て適切な、新規光硬化性組成物を製造することにある。
【0010】本発明の1つの目的は、この新規な光硬化
性組成物から成る感光製品を提供することにある。
【0011】更に一層の目的は、感光性軟質製品の水系
現像および耐溶媒性を改良するための新規な方法(この
方法は、該新規光硬化性組成物から該製品を製造するこ
とから成る)を開発することにある。
【0012】
【発明の詳細な記述】酸含有共重合体(a)は、ブタジ
エンのモノマー単位と、式
【0013】
【化8】 [式中、R1は、水素またはメチルである]を有する
(メタ)アクリル酸モノマー単位と、から本質的に成る
共重合体である。好適な具体例において、R1はメチル
である。
【0014】共重合体(a)は、よく知られた重合技
術、例えば乳化重合、に従って製造される。この得られ
た共重合体は固体状もしくは液状であり得る。適切な固
体状共重合体には、少なくとも約20そして約60以
下、最も好適には20〜40の範囲のムーニー粘度を有
するものが含まれる。適切な液状共重合体は、5,00
0〜30,000の範囲の重量平均分子量を有する。適
切な液状共重合体の例は、10,000の分子量を有し
そして27℃で2,000,000センチポイズ(c
p)以上の粘度を有するブタジエン−メタアクリル酸共
重合体である。これらの共重合体の酸含有量は、他の市
販重合体に比較してかなり高く、好適には0.1〜0.
5ephrである。この言葉「ephr」は、この樹脂共重合体
100グラム中の官能基の当量を表す。適切な固体状お
よび液状共重合体は、B. F. Goodrich、Polysarおよび日
本ゼオンから入手できる。
【0015】先駆体として液状共重合体を用いる場合、
通常、それが固体状になるまで該共重合体の鎖伸長を行
う必要がある。さもなければ、それから得られるいかな
る光硬化性組成物も、不充分な物性並びに寸法不安定性
を有することになる。鎖伸長は、いずれかの二官能鎖伸
長剤、例えば1,2,7,8−オクタンジエポキシドに
よって行われる。この鎖伸長反応は、この共重合体のバ
ックボーン上の酸基によるものである。
【0016】上述したように、該窒素含有化合物(b)
は重合可能エチレン系不飽和基を有している。上記化合
物の例には、以下に示す構造式IおよびII
【0017】
【化9】 [式中、Xは、
【0018】
【化10】 であり、R′は、水素、或は1〜6個の炭素を有するア
ルキル基であり、R5は、水素またはメチルであり、そ
してnは、1、2または3である]
【0019】
【化11】 [式中、Yは、
【0020】
【化12】 であり、R5は、水素またはメチルであり、nは、R′
がCH3のとき1〜6の範囲であり、そしてR′がC2
5のとき2〜6である]に包含されるものが含まれる。
【0021】上記式IおよびIIに包含される化合物の
特定例には、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミ
ノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノ
エチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル、
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノエチル−N′−(メタ)ア
クリロイルカルバメート、或は(メタ)アクリル酸N,
N−ジエチルアミノ−エトキシエチルが含まれる。上記
化合物は単独かもしくは互いの組み合わせで用いられて
もよい。
【0022】該窒素含有化合物の添加は該共重合体の酸
基の塩を生じさせ、そしてこれは、この光硬化性組成物
に対する水分散性、即ち水現像性、を改良するために必
要であると考えられる。ヨーロッパ特許出願195,4
44参照。この所望の分散性を達成するため、添加する
該窒素含有化合物(b)の量は、共重合体(a)の約5
〜18重量%であるべきである。しかしながら、この窒
素含有化合物の量は、共重合体(a)の約30重量%を
越えるべきではない。それ以上の量を用いると、不充分
な柔軟性、即ち硬すぎるプレートを生じさせる。(a)
と(b)とを反応させる条件、即ち典型的な加熱、例え
ば50℃、および混合は、本分野でよく知られている。
【0023】また、光暴露したとき、共重合体(a)と
化合物(b)の光硬化性生成物は、共重合体(a)より
も優れた耐溶媒性を有しており、そして等量の反応性モ
ノマー類と一緒に調合された場合、共重合体(a)の光
硬化組成物よりも優れた耐溶媒性を有している。例え
ば、一般に、耐溶媒性における改良は、(a)と(b)
の生成物中のエチレン系不飽和基類の光架橋によっても
たらされる。耐溶媒性に関する更に一層の改良は、他の
反応性モノマー類、例えば(メタ)アクリレート類と共
に、(a)と(b)の生成物中のエチレン系不飽和基類
の光架橋によって得られる。(a)と(b)の生成物を
フレクソグラフィック印刷用プレートで用いた場合、こ
れらの光硬化プレートの改良された耐溶媒性は、現像用
媒体内の硬化領域の溶解を防止する点で有益であり、そ
して水を基にしたインクの如きインク類を用いた印刷に
とって望ましいものである。
【0024】上で示したように、共重合体(a)は「そ
のまま」使用されてもよい。しかしながら、(a)を
(b)に添加する前後に追加的化学品で共重合体(a)
を修飾してもよい。例えば、カルボキシル化された共重
合体の光硬化性を増強し、それに対応して、その耐溶媒
性を改良することも望ましい。このような場合、この共
重合体が末端およびペンダント型の感光ビニル基を有す
るように、それをビニル含有化合物と反応させること
で、この共重合体を修飾し得る。この共重合体を修飾す
るために用いるビニル含有化合物はまた、この共重合体
上のカルボン酸基と反応する酸反応性官能基、例えばエ
ポキシ基、を有するべきである。これらの追加的ビニル
基は、(a)と(b)から創作された生成物が有すると
ころの、より大きな光架橋性をもたらし、そして更にそ
の耐溶媒性を増強する。該窒素含有化合物(b)の反応
に関して、該ビニル含有化合物の修飾度合は、柔らかく
柔軟な光硬化材料を与える程の量に制限される。(a)
を修飾するための適切なビニル含有化合物はメタアクリ
ル酸グリシジルである。
【0025】ビニル含有化合物で修飾した共重合体を用
いる場合、この組成物を無水マレイン酸の如き無水物と
反応させることによって、この修飾した共重合体の水分
散性も増強される。
【0026】次に、(a)と(b)の生成物から成る光
硬化性組成物を「そのまま」溶媒鋳込みすることで感光
性製品上に光硬化性固体層を創作することができる。し
かしながら、この光硬化性組成物を反応性モノマーと一
緒に調合することが望ましい。このようなモノマー類を
使用する場合、それらの添加度合は、ショアA硬度の上
昇および柔軟性の減少を考慮することにより制限され
る。モノマーの適当量は、約1〜20重量%の範囲、最
も好適には5〜15重量%の範囲の、反応性モノマーで
ある。適切な反応性モノマー類は、式
【0027】
【化13】 [式中、R6は水素またはメチルであり、そしてR7はn
原子価を有する有機部分であり、そしてnは1以上であ
る]を有するものである。上記反応性アクリル系希釈剤
には、これに限定されるものではないが、この硬化させ
た生成物を修飾するため該光重合可能組成物に添加でき
るところの、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、
ジアクリル酸ヘキサンジオール、ジアクリル酸1,3−
ブチレングリコール、ジアクリル酸ジエチレングリコー
ル、ジアクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジアクリ
ル酸ネオペンチルグリコール、ジアクリル酸ポリエチレ
ングリコール200、ジアクリル酸テトラエチレングリ
コール、ジアクリル酸トリエチレングリコール、テトラ
アクリル酸ペンタエリスリトール、ジアクリル酸トリプ
ロピレングリコール、ジアクリル酸エチルオキシル化ビ
スフェノールA、ジアクリル酸トリメチロールプロパ
ン、テトラアクリル酸ジトリメチロールプロパン、イソ
シアヌール酸トリス(ヒドロキシエチル)のトリアクリ
ル酸エステル、ヒドロキシペンタアクリル酸ジペンタエ
リスリトール、トリアクリル酸ペンタエリスリトール、
トリアクリル酸エポキシ化トリメチロールプロパン、ジ
メタアクリル酸トリエチレングリコール、ジメタアクリ
ル酸エチレングリコール、ジメタアクリル酸テトラエチ
レングリコール、ジメタアクリル酸ポリエチレングリコ
ール−200、ジメタアクリル酸1,6−ヘキサンジオ
ール、ジメタアクリル酸ネオペンチルグリコール、ジメ
タアクリル酸ポリエチレングリコール−600、ジメタ
アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジメタアクリ
ル酸エトキシル化ビスフェノールA、トリメタアクリル
酸トリメチロールプロパン、ジメタアクリル酸ジエチレ
ングリコール、ジアクリル酸1,4−ブタンジオール、
ジメタアクリル酸ジエチレングリコール、テトラメタア
クリル酸ペンタエリスリトール、ジメタアクリル酸グリ
セリン、ジメタアクリル酸トリメチロールプロパン、ト
リメタアクリル酸ペンタエリスリトール、ジメタアクリ
ル酸ペンタエリスリトール、ジアクリル酸ペンタエリス
リトールなどが含まれる。モノアクリル酸エステル、例
えばアクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニ
ル、アクリル酸ラウリルおよびアクリル酸テトラヒドロ
フルフリル、並びに相当するメタアクリル酸エステルも
また、反応性希釈剤として利用できる。
【0028】上記を含有している光硬化性組成物および
調合物のための光開始剤には、ベンゾインアルキルエー
テル類、例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルおよ
びベンゾインイソブチルエーテルが含まれる。もう1つ
の種類の光開始剤は、2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、即ちIrgacureR651(Ciba-Geigy)、
および2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ンによって例示されるジアルコキシアセトフェノン類で
ある。更にもう1つの種類の光開始剤は、カルボキシル
基に直接付いている少なくとも1個の芳香族核を有する
アルデヒドおよびケトンカルボニル化合物である。これ
らの光開始剤には、これに限定されるものではないが、
ベンゾフェノン、アセトフェノン、o−メトキシベンゾ
フェノン、アセナフテンキノン、メチルエチルケトン、
バレロフェノン、ヘキサノフェノン、アルファ−フェニ
ル−ブチロフェノン、p−モルホリノプロピオフェノ
ン、ジベンゾスベロン、4−モルホリノベンゾフェノ
ン、4′−モルホリノデオキシベンゾイン、p−ジアセ
チルベンゼン、4−アミノベンゾフェノン、4′−メト
キシアセトフェノン、ベンズアルデヒド、アルファ−テ
トラロン、9−アセチルフェナントレン、2−アセチル
フェナントレン、10−チオキサンテノン、3−アセチ
ルフェナントレン、3−アセチルインドン、9−フルオ
レノン、1−インダノン、1,3,5−トリアセチルベ
ンゼン、チオキサンテン−9−オン、キサンテン−9−
オン、7−H−ベンズ[デ]−アントラセン−7−オ
ン、1−ナフトアルデヒド、4,4′−ビス(ジメチル
アミノ)−ベンゾフェノン、フルオレン−9−オン、
1′−アセトナフトン、2′−アセトナフトン、2,3
−ブタンジオン、アセトナフテン、ベンズ[a]アント
ラセン7.12ジエンなどが含まれる。ホスフィン類、
例えばトリフェニルホスフィンおよびトリ−o−トルイ
ルホスフィンもまたここで光開始剤として利用できる。
これらの光開始剤またはそれらの混合物は、全組成物の
0.01〜5重量%の範囲の量で通常用いられる。
【0029】この光硬化性組成物に対する他の添加剤も
含有させ得る。ここに記述した光硬化性組成物保存中の
早過ぎる架橋を抑制するため、熱重合禁止剤および安定
剤を添加する。上記安定剤は本分野でよく知られてお
り、そしてこれらには、これに限定されるものではない
が、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、メチルヒドロ
キノン、アミルキノン、アミルオキシヒドロキノン、n
−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプ
ロピルエーテル、フェノチアジンおよびニトロベンゼ
ン、並びにそれらの混合物が含まれる。上記添加剤は、
この光硬化性組成物の約0.01〜約2重量%の範囲内
の量で用いられる。これらの安定剤は、調合、加工およ
び貯蔵中の該組成物の架橋を抑制する効果を示す。
【0030】これらの組成物はまた、化学作用のある光
に対して本質的に透明な不活性粒子状充填剤を約50重
量%以下含有していてもよい。上記充填剤には、有機物
親和性を示すシリカ類、ベントナイト類、シリカおよび
粉末ガラスが含まれる。上記充填剤は、この光硬化性組
成物に対して望ましい特性を与えることができ、そして
これらの組成物を含有している印刷用プレート上に浮彫
りを与えることができる。
【0031】次に、この光硬化性組成物を成型した後、
通常の溶媒鋳込みに従って、即ちこの組成物を溶媒に溶
解し、この溶液をフィルムまたはプレートに成型した
後、溶液を除去する、ことによって、適切な厚さを有す
る固体層に成型する。通常の押出しカレンダー加工また
は熱プレス技術も使用できる。フィルムの形状の該光硬
化性組成物の固体層を、ポリエステル、ナイロンまたは
ポリカーボネートから成る支持体の如き支持体に接着さ
せることができる。他の適切な支持体には、織物および
マット、例えばグラスファイバー織物、或は例えばグラ
スファイバーおよびプラスチックから製造された積層材
料、が含まれる。これらの支持体は寸法安定性を示しそ
して洗浄溶液に対する耐性を示すことが好適である。
【0032】暴露しそして洗浄するに先立つ貯蔵中、通
常、感光性表面を汚れおよび埃による汚染から保護する
必要もある。上記保護は、該支持体の反対側にある光硬
化性組成物側に柔軟性を示す保護用カバーシートを積層
するか施すことによって達成される。更に、この光硬化
性組成物はしばしば粘性を示す可能性があり、従って、
このカバーシートを施す前に、この光硬化層の表面に剥
離フィルムを施すことも望ましい。この剥離フィルム
は、薄くて柔軟性を示しそして水分散可能ポリマー状フ
ィルムで構成されていてもよく、そしてこれは、該支持
体の反対側にある光硬化性組成物表面と、この表面に施
された画像生産ネガと、の間の密な接触を可能する。
【0033】支持体と、この光硬化性組成物から成る固
体層もしくは表面と、から成る感光製品、例えばフレク
ソグラフィック印刷用固体プレートを、次に、化学作用
を示す光に画像様式で暴露するためのよく知られた技術
によって処理することができる。好適には、この光は約
230〜450mmの波長を有するべきである。暴露
は、光源と感光性表面との間に置いたネガを通して行わ
れる。適切な光源には、RS型サンランプ、カーボンア
ークランプ、キセノンアークランプ、水銀ランプ、ハロ
ゲン化タングステンランプなどが含まれる。
【0034】暴露時間は、この化学作用を示す光の強
度、プレートの厚さ、そしてこの印刷用プレート上の望
ましい浮彫りの深さ、に依存している。2〜20分間の
暴露時間が好適である。
【0035】暴露しそしてネガを除去した後、この光硬
化層の暴露されていない部分を水溶液中で現像すること
ができる。適切な溶液には、非イオン系およびカチオン
系界面活性剤の溶液、並びに塩基性および半水溶性塩基
性溶液、そしてこれらの組み合わせが含まれる。上記界
面活性剤は、Rohm & Hass CompanyからTritonR X-10
0(非イオン系)およびTriton RW-150(カチオン
系)として市販されている。
【0036】60以下のショアA硬度を有する感光性軟
質製品は、上述した光硬化性組成物から得られる。60
未満のショアAを有する製品が、印刷用プレートのシリ
ンダー、特に弾性を示す市販包装用フィルム表面上に印
刷するために用いられているシリンダー、に巻き付くに
充分な程の柔軟性を示すことを見い出した。更に、この
弾性を示す軟質包装用フィルム表面へのインクの正確な
移動が、上述した光硬化性組成物から製造された光硬化
層を有する柔軟な軟質(60以下のショアA)印刷用プ
レートから得られる。更に、前述した軟質プレートはま
た、印刷工程中に受ける通常の苛酷さに耐えるに充分な
強度を有している。
【0037】本発明の実施を更に詳しく説明する目的
で、下記の実施例を与える。しかしながら、これらの実
施例は、いかなる方法でも制限を与えることを意味する
ものではなく、単に説明的である。
【0038】
【実施例】実施例1 頭頂撹拌機、温度計、温度制御装置に連結した加熱用マ
ントルおよび還流コンデンサの備わっている樹脂製容器
内で混合することにより、約120部の酢酸ブチルに8
9部のカルボキシル化ポリブタジエンポリマー(約0.
3の酸ephr)を溶解した。このポリマー溶液に、10部
のメタアクリル酸ジエチルアミノエチル、1部の2,2
−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(光開始
剤)、1.35部のGeltrolR抗ゲル化剤(B. F. Goodri
ch製)および0.27部のニトロベンゼン(安定剤)を
加えた。この容器内の材料を50℃で1時間混合した。
【0039】このアイオノマー化したポリマー溶液を脱
気した後、溶媒鋳込みして、光硬化性固体フィルムを得
た。この固体フィルムを、画像様式で、化学作用を受け
させるようにUV光に暴露した後、1%のNa2CO3
液で洗浄して、フレクソグラフィック浮彫りプレートを
得た。この硬化したプレートのショアA硬度は59であ
った。
【0040】実施例2 実施例1と同様にして、120部の酢酸ブチルに、約
0.3の酸ephrを有するカルボキシル化ポリブタジエン
ポリマー82.4部を溶解した。12.6部のメタアク
リル酸ジエチルアミノエチルと共に、1.35部のGelt
rolR抗ゲル化剤および0.27部のニトロベンゼンを、
樹脂製容器に加えた。50℃に加熱した後1時間混合す
ることにより、このカルボキシル化ポリブタジエンのア
イオノマーを生じさせた。
【0041】上記反応に続いて、このアイオノマー溶液
に、4.2部のメタアクリル酸ポリプロピレングリコー
ルおよび0.8部の2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノンを加えた後、15分間混合した。
【0042】この得られるアイオノマー溶液を、次に、
実施例1と同様にして処理した。この硬化したプレート
のショアA硬度は56であった。
【0043】実施例3 270部のブタノールと90部のトルエン中の、約0.
3の酸ephrを有するカルボキシル化ポリブタジエンポリ
マー90部から成る溶液を、11.6部のジメチルアミ
ノプロピルメタアクリルアミドと一緒に、樹脂製容器内
で1時間、50℃で混合することによりアイオノマー化
した。また、これに1.35部のGeltrolR抗ゲル化剤お
よび0.27部のニトロベンゼンおよび1.94部の
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンを入
れて混合した。
【0044】実施例1および2と同様にしてこのアイオ
ノマー溶液を処理した。この硬化したプレートのショア
A硬度は57であった。
【0045】実施例4 約195部の酢酸ブチルに、約0.3の酸ephrを有する
カルボキシル化ポリブタジエンポリマー85部を溶解し
た。このポリマー溶液を90℃に加熱した後、1.35
部のGeltrolR抗ゲル化剤、0.85部の1,8ジアザビ
シクロ[5−4−0]ウンデセ−7−エン(触媒)およ
び0.27部のニトロベンゼンを加えた。その後、この
ポリマー溶液を90℃で約30時間加熱することによ
り、このポリマーのバックボーン酸基の6%を2.11
部のメタアクリル酸グリシジルと反応させた。このメタ
アクリル酸グリシジルの付加によって生じるヒドロキシ
ル基を、次に、90℃で3時間、1.45部の無水マレ
イン酸と反応させた。
【0046】その後、この付加ポリマー溶液を50℃に
冷却した後、10部のメタアクリル酸ジエチルアミノエ
チルを加え、そしてこのアミノメタアクリレートと一緒
に1時間混合した。このポリマー溶液に、2部のジメタ
アクリル酸ヘキサンジオール、2部のメタアクリル酸ジ
シクロペンテニルオキシエチル、および1部の2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンを加えた後、
15分間混合した。
【0047】このポリマー溶液をフィルムに鋳込みした
後、上述した実施例と同様に処理した。この硬化したプ
レートのショアA硬度は57であった。
【0048】本発明を好適な具体例の形で上述しそして
実施例によって説明してきたが、本分野の技術者に明ら
かとなるであろう変化および修飾は包含されるものと理
解すべきである。上記変化および修飾は、ここに付随す
る請求の範囲の範囲内に入るものと見なされるべきであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−134655(JP,A) 特開 昭55−143557(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 279/02 G03F 7/027 G03F 7/038

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ブタジエンのモノマー単位と、式 【化1】 [式中、 R1は、水素またはメチルである]を有するモノマー単
    位と、から本質的に成り、メタアクリル酸グリシジルで
    修飾した酸含有共重合体;および (b)重合可能エチレン系不飽和基を有する窒素含有化
    合物(ここで、上記窒素含有化合物は、上記(a)の酸
    含有共重合体に対して5〜18重量%の量で存在してい
    る); から成る光硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 R1がメチルである請求項1記載の光硬
    化性組成物。
  3. 【請求項3】 上記酸含有共重合体(a)が、共重合体
    100g中0.1〜0.5の範囲の酸量を有する請求
    項1記載の光硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 該修飾共重合体(a)を更に無水物と反
    応させる請求項記載の光硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 該窒素含有化合物(b)がメタアクリル
    酸ジエチルアミノエチルである請求項1記載の光硬化性
    組成物。
  6. 【請求項6】 該窒素含有化合物(b)がジメチルアミ
    ノプロピルメタアクリルアミドである請求項1記載の光
    硬化性組成物。
  7. 【請求項7】 エチレン系不飽和モノマー(c)および
    光重合開始剤(d)を更に含む請求項1記載の光硬化性
    組成物。
  8. 【請求項8】 エチレン系不飽和モノマー(c)が、式 【化2】 [式中、 R6は、水素またはメチルであり、そしてR7は、原子価
    n(nは1またはそれ以上である)を有する有機部分で
    ある]を有するモノマー類の群の一員である請求項
    載の光硬化性組成物。
  9. 【請求項9】 基質およびその上の光硬化性を示す固体
    層から成り、上記層が、(a)ブタジエンのモノマー単
    位と、式 【化3】 [式中、 R1は、水素またはメチルである]を有するモノマー単
    位と、から本質的に成り、メタアクリル酸グリシジルで
    修飾 した酸含有共重合体;および(b)重合可能エチレ
    ン系不飽和基を有する窒素含有化合物; から成る、感光性を示す軟質製品。
  10. 【請求項10】 R1がメチルである請求項記載の製
    品。
  11. 【請求項11】 上記酸含有共重合体(a)が、共重合
    体100g中0.1〜0.5の範囲の酸当量を有する請
    求項記載の製品。
  12. 【請求項12】 該修飾共重合体(a)を更に無水物と
    反応させる請求項記載の製品。
  13. 【請求項13】 該窒素含有化合物(b)がメタアクリ
    ル酸ジエチルアミノエチルである請求項記載の製品。
  14. 【請求項14】 該窒素含有化合物(b)がジメチルア
    ミノプロピルメタアクリルアミドである請求項記載の
    製品。
  15. 【請求項15】 エチレン系不飽和モノマー(c)およ
    び光重合開始剤(d)を更に含む請求項記載の製品。
  16. 【請求項16】 エチレン系不飽和モノマー(c)が、
    式 【化4】 [式中、 R6は、水素またはメチルであり、そしてR7は、原子価
    n(nは1またはそれ以上である)を有する有機部分で
    ある]を有するモノマー類の群の一員である請求項15
    記載の製品。
  17. 【請求項17】 上記光硬化性層のショアA硬度が30
    〜60の範囲にある請求項記載の製品。
  18. 【請求項18】 タジエンのモノマー単位と、式 【化5】 [式中、 R1は、水素またはメチルである]を有するモノマー単
    位と、から本質的に成り、メタアクリル酸グリシジルで
    修飾した酸含有共重合体を、重合可能エチレン系不飽和
    基を有する窒素含有化合物と反応させる光硬化性組成物
    の製造方法。
  19. 【請求項19】 R1がメチルである請求項18記載の
    方法。
  20. 【請求項20】 上記酸含有共重合体が、共重合体10
    0g中0.1〜0.5の範囲の酸量を有する請求項
    記載の方法。
  21. 【請求項21】 該修飾共重合体を更に無水物と反応さ
    せる請求項18記載の方法。
  22. 【請求項22】 該窒素含有化合物がメタアクリル酸ジ
    エチルアミノエチルである請求項18記載の方法。
  23. 【請求項23】 該窒素含有化合物がジメチルアミノプ
    ロピルメタアクリルアミドである請求項18記載の方
    法。
  24. 【請求項24】 エチレン系不飽和モノマーおよび光重
    合開始剤を更に含む請求項18記載の方法。
  25. 【請求項25】 該エチレン系不飽和モノマーが、式 【化6】 [式中、 R6は、水素またはメチルであり、そしてR7は、原子価
    n(nは1またはそれ以上である)を有する有機部分で
    ある]を有するモノマー類の群の一員である請求項24
    記載の方法。
  26. 【請求項26】 該窒素含有化合物が、該酸含有共重合
    の5〜18重量%の範囲で存在している請求項18
    載の方法。
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