JP3199555B2 - トーチ駆動装置 - Google Patents

トーチ駆動装置

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JP3199555B2
JP3199555B2 JP02165194A JP2165194A JP3199555B2 JP 3199555 B2 JP3199555 B2 JP 3199555B2 JP 02165194 A JP02165194 A JP 02165194A JP 2165194 A JP2165194 A JP 2165194A JP 3199555 B2 JP3199555 B2 JP 3199555B2
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崎 弘 幸 岡
山 修 志 丸
原 友 郎 萩
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日鐵溶接工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物体に溶接,溶削,切
断,加熱等の加工又は熱処理を行なうトーチを旋回駆動
する装置に関し、特に、これに限定する意図ではない
が、溶接ト−チを、水平材とそれに直交した「く」の字
形又は「コ」の字形分布の垂直材との下隅線に沿って、
垂直材が平面のところではト−チを直進駆動し、垂直材
の「く」の字形又は「コ」の字形コ−ナの最深部まで実
質上完全に溶接するためにコ−ナ部ではト−チを旋回駆
動する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば鋼船の船底に用いられる構造物を
組立てる場合には、水平な鋼板(水平板)の上に垂直に
立てた鋼板(縦板)をます目状に配置し、水平板と各縦
板とを突当てた下隅部分に溶接トーチを倣わせ、水平板
上面上で縦板面に沿って溶接トーチを移動しながら溶接
する。この場合、溶接トーチを縦板に平行(y方向)に
移動させると、ト−チ先端が溶接範囲の始端又は終端
(隅部)に達する前に、溶接トーチ又はそれを搭載した
台車の側面が、溶接中の縦板に接しそれと直交する他の
縦板に接触する。したがって、始端及び終端において、
溶接トーチもしくは台車の巾(y方向)の1/2だけは
自動溶接が出来ない。
【0003】始,終端の溶接残しをなくするためには、
溶接トーチを、その先端から離れた支持部材を中心にし
て水平面内で旋回させる必要があるが、溶接トーチが旋
回すると、ト−チ先端位置が溶接線(水平板と縦板とが
交わる下隅線)から離れる方向(又は接近する方向)に
移動するので、ト−チ先端を下隅線に倣わせるために、
旋回と同時にトーチ中心を溶接線に近づける方向(又は
離れる方向)に駆動しなければならない。また、下隅線
に沿ったト−チ先端の移動速度すなわち溶接速度も、溶
接トーチの旋回に伴なって変化するので、それを一定に
保つように特別な速度制御が必要になる。そこで例え
ば、実公昭52−1871号公報では、溶接トーチをガ
イドカム溝によって支え、旋回と同時に前進させる方法
を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、旋回運
動の円滑性が低く、大きな駆動力を要し、かつガイドカ
ムの防塵ができなく、円滑性と耐久性の問題から実用化
は困難と推察する。自動溶接装置は工場据付型のものを
除いて、なるべく小型で移動し易いものが望まれる。ま
た作業環境の面から、なるべく機構が単純で、機構の駆
動制御も単純なものが保守上有利である。
【0005】近時、電気,電子制御技術の進歩により機
械機構の簡略化,小型化が容易になっており、小型の自
動溶接装置では機械本体より制御装置の方が大きくなる
場合もある。しかし、制御装置自体も更に小型化および
簡略化がはかられるべきである。すなわち機械機構が簡
略でしかも駆動制御も簡略なト−チ駆動装置が望まれ
る。
【0006】もし溶接トーチの旋回機構の大きさをあま
り変えることなしに、それ自体で旋回中心の移動と旋回
速度の変更を自動的に行なう機能をもたせるか、あるい
は駆動制御工程の一部を代替しうる機能をもたせること
が出来れば、制御装置が簡略化して調整保守を容易に
し、容積を小さくして移動および取扱いに便利な装置と
することができる。
【0007】本発明は、トーチの旋回運動を円滑にする
ことを第1の目的とし、旋回機構を耐久性が高いものと
することを第2の目的とし、ト−チの直進/旋回の運動
切換えを円滑にしかつ溶接線(下隅線)に対するト−チ
の倣い距離ならびに倣い移動速度を一定にすることを第
3の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のト−チ駆動装置
は、基台(1);基台(1)に固定され、弧状に分布する噛合
い歯(14)を有するギア手段(13);ギア手段(13)の歯(14)
に噛合う第1歯車(23);第1歯車(23)を回転自在に支持
する歯車支持部材(17,21);歯車支持部材(17,21)をギア
手段(13)の噛合い歯(14)の配列に沿って移動自在に支持
する旋回支持手段(11,12,13,15,16fr,16fL,16rr,16r
L);第1歯車(23)の回転軸(22)と平行な軸を中心とし
て、歯車支持部材(17,21)に対して回転自在のト−チ支
持軸(32);および、第1歯車(23)およびト−チ支持軸(3
2)を、ト−チ支持軸(32)の回転が第1歯車(23)の回転に
よる歯車支持部材(17,21)の旋回の角速度の2倍の角速
度となる関係で回転駆動する回転駆動手段(22,25〜30,2
4,31);を備える。
【0009】本発明の好ましい実施例では、回転駆動手
段(22,25〜30,24,31)は、第1歯車(23)に固着された回
転軸(22),該回転軸(22)に固着されたウォ−ムホィ−ル
(25),このウォ−ムホィ−ル(25)に噛合うウォ−ム(2
6),該ウォ−ム(26)を回転駆動する減速機(29)、および
該減速機(29)を回転駆動する電気モ−タ(30)、ならび
に、第1歯車に結合されその回転による歯車支持部材(1
7,21)の旋回の角速度の2倍の角速度でト−チ支持軸(3
2)を回転駆動する動力伝達手段(24,31)を含み;動力伝
達手段は、第1歯車(23)に固着された回転軸(22)に固着
された小径の歯車(24)、および、この小径の歯車(24)に
噛合う、ト−チ支持軸(32)に固着された大径の歯車(31)
を含み;旋回支持手段は、ギア手段(13)の噛合い歯(14)
の弧状の配列と同心の弧状に延びる、基台(1)の上面に
対して起立した壁体(11,13),ギア手段(13)の噛合い歯
(14)の弧状の配列と同心の弧状に延びる、該壁体(11,1
3)に刻まれたロ−ラ案内溝(12,15)、および、歯車支持
部材(17,21)に回転自在に支持され該ロ−ラ案内溝(12,1
5)に係合するロ−ラ(16fr,16fL,16rr,16rL)を含む。
【0010】本発明の好ましい実施例は更に、基台(1)
をy方向に移動駆動するための基台駆動手段(5f,5r,10,
93,95);および、基台駆動手段(5f,5r,10,93)および回
転駆動手段(22,25〜30,24,31)の駆動/停止を制御する
ための制御手段(9,29,SAf〜SRb,50,90〜92,94,97,98);
を備え、制御手段は、ト−チ駆動を指示する指示手段(5
3);ギア手段(13)の弧状に分布する噛合い歯(14)の配列
に沿った歯車支持部材(17,21)の移動軌跡上の基準位置
への歯車支持部材(17,21)の到達を検出するための旋回
基準位置検出手段(SRhf,SRhb);および、指示手段(53)
のト−チ駆動指示に応答して回転駆動手段(22,25〜30,2
4,31)による第1歯車(23)の回転駆動を開始し、旋回基
準位置検出手段(SRhf,SRhb)の基準位置到達の検出に応
答して回転駆動を停止しかつ基台駆動手段(5f,5r,10,9
3,95)による基台(1)のy方向移動駆動を開始する旋回/
直進制御手段(91);を含み、更に、基台(1)のy方向移
動の限界位置到達を検出するy限界位置検出手段(SLf,S
Lb);ギア手段(13)の弧状に分布する噛合い歯(14)の配
列に沿った歯車支持部材(17,21)の移動軌跡上の限界位
置への歯車支持部材(17,21)の到達を検出する旋回限界
位置検出手段(SRf,SRb);および、指示手段(53)のト−
チ駆動指示に応答して基台駆動手段(5f,5r,10,93,95)に
よる基台(1)のy方向移動駆動を開始し、y限界位置検
出手段(SLf,SLb)の限界位置到達の検出に応答してy方
向移動駆動を停止しかつ回転駆動手段(22,25〜30,24,3
1)による第1歯車(23)の回転駆動を開始し、旋回限界位
置検出手段(SRf,SRb)の限界位置到達の検出に応答して
回転駆動を停止する直進/旋回制御手段(91);を含む。
【0011】この好ましい実施例では、基台(1)のy方
向移動速度をVyとすると、ト−チ支持軸(32)の、ギア
手段(13)の弧状に分布する噛合い歯(14)の配列に沿った
移動速度Vrは実質上Vy/2に設定される。より詳しく
は、該好ましい実施例は、基台駆動手段(5f,5r,10,93,9
5)にy方向移動速度Vyを指示する手段(95);ギア手段
(13)の弧状に分布する噛合い歯(14)の配列に沿った歯車
支持部材(17,21)の移動軌跡上の基準位置に歯車支持部
材(17,21)があるときのト−チ支持軸(31)の回転中心と
噛合い歯(14)の配列に沿った歯車支持部材(17,21)の旋
回の中心線とを結ぶ直線(b/Gc)からの歯車支持部材(17,
21)の旋回角θを検出する旋回角検出手段(INV,CON);お
よび、この旋回角θとy方向移動速度Vyに対応した移
動速度Vr=Vy/(2cosθ)を算出して回転駆動手段(2
2,25〜30,24,31)に速度指示値として与える速度補正手
段(ROM,DAC,GAM);を更に備える。
【0012】なお、カッコ内には、理解を容易にするた
めに、以下において図面を参照して説明する実施例の対
応要素又は対応事項に付した記号を、参考までに付記し
た。
【0013】
【作用】回転駆動手段(22,25〜30,24,31)が第1歯車(2
3)を回転駆動すると、第1歯車(23)は、基台(1)に固定
されたギア手段(13)に噛合っているので、ギア手段(13)
の噛合い歯(14)の弧状配列に沿って移動する。第1歯車
(23)が歯車支持部材(17,21)で回転自在に支持され、そ
して旋回支持手段(11,12,13,15,16fr,16fL,16rr,16rL)
が歯車支持部材(17,21)をギア手段(13)の噛合い歯(14)
の配列に沿って移動自在に支持しているので、第1歯車
(23)の移動(旋回θ)と同じく歯車支持部材(17,21)が
移動する。ト−チ支持軸(32)が歯車支持部材(17,21)に
回転自在に支持されているので、ト−チ支持軸(32)も同
じく移動(旋回θ)する。しかして、回転駆動手段(22,
25〜30,24,31)により、ト−チ支持軸(32)が、歯車支持
部材(17,21)の旋回の角速度の2倍の角速度で回転する
ので、ト−チ支持軸(32)は、θの旋回の間に、2θ分回
転する。
【0014】ここで図7を参照してより具体的に説明す
る。図7では、水平板WHが紙面と平行でありその上
に、2点鎖線で示す縦板WVP,FEPおよびBEPが
「コ」の字型分布で載っている。水平板WH上に基台1
があり、基台1上に、弧状に分布する噛合い歯14を有
するギア手段13が固定され、この噛合い歯14に第1
歯車23が噛合っている。図示しない動力伝達手段を介
してト−チ支持軸32が第1歯車23に、その回転によ
る歯車支持部材(17,21)の旋回の角速度の2倍の角速度
で回転するように結合されている。ト−チ支持軸32に
溶接ト−チ37が固着されている。噛合い歯14は円弧
状に分布し、その円中心をGcとし、ト−チ支持軸32
の中心,第1歯車23の中心およびト−チ37の先端中
心が同一直線上にあって、しかもその直線を水平面に投
影した線(水平投影線)がGcを通りx方向(yに直
交)に延びる(x軸に平行な)状態(図7に実線で示す
位置)を機構各要素の基準位置(又は基準姿勢)と称す
ると、第1歯車23が回転しこれにより噛合い歯14に
沿って第1歯車23がθだけ回転すると、ト−チ支持軸
32はFbの位置となり、しかもb点(基準位置)にあ
ったときから2θ分回転している。
【0015】このθ分旋回した位置Fbから、基準位置
bと旋回中心Gcを結ぶ直線に垂線を下し、直線b/G
c(b点からGc点に至る直線を意味する。以下同様)
との交点をFrとし、Gcを通り直線b/Gcに直交す
る垂直面(縦板WVPのト−チ対向面)に対して旋回位
置Fbから下した垂線の足(WVPとの交点)をWrと
し、旋回位置Fbでト−チが縦板WVPを指向する点
(溶接点)の位置をWfとすると、点Fb,Frおよび
Gcを結ぶ直角三角形と、点Gc,WrおよびFbを結
ぶ直角三角形と、点Wf,WrおよびFbを結ぶ直角三
角形の3者が合同となる。すなわち、ト−チ支持軸32
の中心とト−チ先端中心を通る直線の延びる方向におい
て、旋回前のト−チ支持軸32と縦板WVPの距離(直
線b/Gc)と旋回後の距離(直線Fb/Wf)は等し
い。つまり縦板WVPに対するト−チの倣い移動距離は
一定である。
【0016】ところで、θ分の旋回の間、ト−チ支持軸
32はb点とFbを結ぶ弧(中心はGc)の長さ分移動
するが、y方向の移動量は点FrとFbを結ぶ直線Fr
/Fbの長さ分である。すなわち実移動量(弧長)より
も、下隅線に沿う移動量(y移動量)の方が短い。この
y方向移動量(直線Fr/Fb)は、直線b/Gcの長
さをRとすると、Rsinθであり、ト−チ移動量(ト−
チによる溶接点のy方向移動量)は2Rsinθである。
したがってy方向のト−チ移動速度(溶接点のy方向移
動速度)は2Rsinθを時間微分したものとなるが、旋
回速度(第1歯車23の回転速度)が一定であるとθが時
間経過に比例した値となるので、ト−チ移動速度はcos
θに比例するものとなる(sinθの微分はcosθ)。例え
ば、θ=0°でcosθ=1,θ=10°でcosθ=0.984
8,θ=15°でcosθ=0.9659,θ=20°でcosθ=
0.9397,θ=25°でcosθ=0.9063,θ=30°でcos
θ=0.8660 であり、旋回角度θが大きくなるにつれて
ト−チ移動速度(y方向)は低下する。例えば、基準姿勢
(図7中の実線姿勢)で基台1をy方向(yからy’へ
の向き)に速度Vyで駆動し、スイッチSLfが縦板F
EPに当って閉になると基台1の駆動を停止してト−チ
のθ旋回(第1歯車23の回転)を開始し、ト−チ37
がWfまで旋回したときにこのθ旋回を停止する場合
(旋回範囲は図7に示す例では±θ)、θ旋回開始時
は、ト−チのy方向移動速度の変動がないように、ト−
チ支持軸32のθ旋回周速度がVy/2になる回転速度
(一定値)で第1歯車23を回転駆動すると、角度θの
増大に伴ない、ト−チのy方向移動速度がVyから次第
に(cosθの値対応で)低下する。一般に、隅部分の溶
接において許容しうる溶接速度の変動幅は10%以内で
あり、5%以内の場合はその影響を無視しうる。θ=2
5°でcosθ=0.9063であるので、θ=25°以内に旋
回範囲を設定した場合には、速度低下は10%以下に収
まるので、速度変動の許容範囲内に速度低下量が収まる
旋回範囲を設定することにより、速度低下の問題は解消
する。図7では、溶接点がWfにあるときθ=14°で
あり、このときcosθ=0.9703であり、速度低下は略3
%である。
【0017】なお、本発明の好ましい実施例では、この
ような速度低下を補償するため、旋回角θを検出し、R
OMを用いる関数発生器により1/cosθを発生して、
ト−チ支持軸32のθ旋回周速度がVy/(2cosθ)に
なる回転速度(一定値)で第1歯車23を回転駆動する
ようにしている。この好ましい実施例によれば、旋回範
囲の設定自由度が高く、旋回範囲を広く設定しても実質
上速度変動を生じない。 本発明の他の目的および特徴
は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかにな
ろう。
【0018】
【実施例】図1に本発明の一実施例の外観を示し、図1
の2A−2A線拡大断面を図2に示し、台車1の下部の
車輪を図3に示す。基台である台車1には溶接ト−チ3
7が搭載されている。台車1の下部には4個の車輪4f
r,4fL,5rr,5rLがある。車輪4frと4f
L(以下、前車輪と称す)は支持脚3fに回転自在に装
着されており、車輪4rrと4rL(以下、後車輪と称
す)は支持脚3rに回転自在に装着されている。図にお
いてWHは水平板(水平材)、WVPは縦板(垂直材)
であり、zは高さ方向、yは縦板WVPの延びる方向で
台車1の走行方向、xは縦板WVPの表面に直交する方
向である。
【0019】支持脚3fおよび3rはそれぞれ軸ピン2
fおよび2rでそれらを中心に回動自在に台車1に結合
され、台車1を支える。支持脚3f,3rにはリンクア
−ム6が連結されており、リンクア−ム6の中点にガイ
ドア−ム7が固着されている。ガイドア−ム7には、L
形ア−ム8aのx方向に延びる下端部が挿入されてお
り、ア−ム7内の図示しないばねによりア−ム7内に引
込まれるように、引張られている。ア−ム8aの、z方
向に起立した上端部には、球形の摘子8bが固着されて
いる。リンクア−ム6の、支持脚3f,3rに立てられ
たピンが貫通する穴は、x方向にやや長く、これにより
リンクア−ム6は、支持脚3f,3rを押しつつ(又は
引きつつ)y方向に移動しうる。このy方向の移動によ
り支持脚3f,3rは、軸ピン2f,2rを中心に回動
する。
【0020】台車1にはノッチ1Df,1Dbが刻まれ
ており、それらのノッチ1Df,1Dbのy方向中間点
は、台車1のy方向中間点と合致する。L形ア−ム8a
をノッチ1Db(後退位置)に係合させているときに
は、支持脚3f,3rが図3に実線で示す姿勢であり、
車輪4fr,4fL,4rr,4rLはy方向に対して
やや反時計方向に回動している。この状態で台車1がy
からy’に向かう方向(後退方向)に移動するように車
輪が回転駆動(逆転駆動)される(以下後退駆動又は後
退走行という)と、台車1はy方向に移動しつつx方向
で縦板WVPに近づく方向に移動する。このx方向で縦
板WVPに近づく方向の台車1に加わる力を、台車1
の、縦板WVPに対する倣い強制力として利用するよう
に、台車1には、図1および図2に示す突出しア−ム4
2f,42bが装着されており、それらの先端に倣いロ
−ラ41f,41bが装着されている。L形ア−ム8a
をノッチ1Df(前進位置)に係合させているときに
は、支持脚3f,3rが図3に実線で示す姿勢とは逆
に、右車輪4fr,4rrよりも左車輪4fL,4rL
がy方向でy’からyに向かう方向にややy側に突き出
た姿勢であり、車輪4fr,4fL,4rr,4rLは
y方向に対してやや時計方向に回動している。この状態
で台車1がy’からyに向かう方向(前進方向)に移動
するように車輪が回転駆動(正転駆動)される(以下前
進駆動又は前進走行という)と、台車1はy方向に移動
しつつx方向で縦板WVPに近づく方向に移動する。
【0021】この実施例では、L形ア−ム8aのこのよ
うな位置設定(作業者が行なう)を、y方向での進行方
向指示として認識するように、方向指示検出スイッチS
Df,SDbが台車1に装着されている。L形ア−ム8
aがノッチ1Dfにあるとき、スイッチSDfは閉(オ
ン)、SDbは開(オフ)で、これ(SDfオン)は前
進指示を意味する。L形ア−ム8aがノッチ1Dbにあ
るとき、スイッチSDfはオフ、SDbはオンで、これ
(SDbオン)は後退指示を意味する。
【0022】車輪4fLおよび4rLには歯付プ−リ5
f,5rが固着されており、これらのプ−リ5f,5r
に結合した図示しない歯付ベルトが、台車1に搭載され
た図示しない減速機を介して台車1に搭載された電気モ
−タ10(図8)で正,逆回転駆動される。これによる
車輪の所定小角度の回転につき1パルスの、互に位相が
90度ずれた2組のパルス列を発生するロ−タリエンコ
−ダ9(図8)が、該減速機に結合されている。台車1
を前進駆動するときには図8に示すモ−タドライバ93
が車輪を正回転駆動するように電気モ−タ10を正回転
付勢し、後退駆動するときには逆回転付勢する。このよ
うなモ−タ付勢の間ロ−タリエンコ−ダ9が2組のパル
ス列を発生し、図8に示す方向判別回路94が2組のパ
ルス列の相対関係に基づいて車輪の回転方向を判別して
方向信号(前進/後退)を生成し、方向信号と1組のパ
ルス列を、入出力インタ−フェイス92を介して走行コ
ントロ−ラ91に与える。図8において、作業者が操作
しうるポテンショメ−タ95の、作業者が調整,設定し
た電圧が、台車1のy方向走行速度指令信号として、モ
−タドライバ93および速度補正回路98に与えられ、
モ−タドライバ93は、電気モ−タ10の回転速度を、
台車1の走行速度がy方向走行速度指令信号が示す速度
と合致するように電気モ−タ10の回転速度制御を行な
う。なお、電気モ−タ10の回転付勢/停止および回転
方向は、走行コントロ−ラ91がモ−タドライバ93に
指示する。
【0023】再度図2を参照する。台車1の上面には、
大歯車の一部分を円弧状に切取った形のギア板13が固
着されており、また、このギア板13の弧(円周)の中
心点(図6に示すGc)を中心点とする円弧状の倣い垂
直壁を有する倣い板11が、台車1の上面に固着されて
いる。台車1上のギア板13と倣い板11の相対位置関
係を図4に示す。図4は台車1の上面を示す平面図であ
る。ギア板13は大略でカ−ブしたレ−ル状であり、そ
の円弧状の垂直壁の外周面がギア列14となっており、
このギア列14の裏側すなわち円弧状の垂直壁の内周面
に、断面がv形のロ−ラガイド溝15が刻まれている。
また、倣い板11の垂直壁の外周面にも、断面がv形の
ロ−ラガイド溝12が刻まれている。すなわち、中心点
Gcを中心とする弧状の、x方向で離れた、断面がv形
の2個のロ−ラガイド溝12,15が、台車1の真上に
あり、それらの溝の深さ方向は中心点Gcに向かう方向
である。ガイド溝12,15が描く弧とギア列14が描
く弧とは同心であり、それら弧の円中心はGcである。
【0024】図2および図3を参照すると、ロ−ラガイ
ド溝12にはロ−ラ16fL,16rLが、ロ−ラガイ
ド溝15にはロ−ラ16fr,16rrがはまり込んで
いる。これら4個のロ−ラ16fL,16rL,16f
r,16rrの回転軸はz方向であり、水平な旋回板1
7に回転自在に装着されている。したがって、旋回板1
7は、ロ−ラガイド溝12,15に沿って移動しうる。
すなわち中心点Gcを中心に旋回しうる。台車1のy方
向中間点を通りx方向に延びる線を台車1の中間線と称
すると、中心点Gcはこの中間線上にある。図4に示す
ように、前側の倣いロ−ラ16fr,16fLと後側の
倣いロ−ラ16rr,16rLが中間線に関して対称に
位置する状態が、旋回板17の基準位置(又は基準姿
勢)である。この位置にあるときに旋回板17で共にオ
ンになるように、基準位置検出スイッチSRhf,SR
hbが台車1に固定されており、これらのスイッチSR
hf,SRhbは中間線に関して対称に配置されてい
る。
【0025】旋回板17が基準位置にあるとき基準位置
検出スイッチSRhf,SRhbは共にオンであるが、
旋回板17が図4で基準位置から時計方向に回転すると
スイッチSRhfはオンを継続するがスイッチSRhb
はオフとなる。逆に、旋回板17が図4で基準位置から
反時計方向に回転するとスイッチSRhfはオフとなり
スイッチSRhbがオンを継続する。旋回板17が時計
方向の旋回限界位置に到達したときにオフからオンにな
る旋回限界検出スイッチSRfと、旋回板17が反時計
方向の旋回限界位置に到達したときにオフからオンにな
る旋回限界検出スイッチSRbが、中間線に関して対称
にして台車1に固定されている。また、台車1が前進方
向限界位置に到達したときにオフからオンに切換わる走
行限界検出スイッチSLfと、台車1が後退方向限界位
置に到達したときにオフからオンに切換わる走行限界検
出スイッチSLbが、中間線に関して対称にして台車1
に固定されている。スイッチSLfは例えば、図7に示
す縦板FEPに当ったときにオフからオンに切換わり、
スイッチSLbは図7に示す縦板BEPに当ったときに
オフからオンに切換わる。
【0026】台車1には更に、倣いロ−ラ支持ア−ム4
2fおよび42b(図1,図2)に加わるx方向(x’
→xの方向)の圧力が設定値を越えるとオフからオンに
切換わる感圧スイッチSAfおよびSAb(図8)が装
備されている。これらは図1〜図7では図示を省略して
いる。
【0027】再度図2を参照すると、ギア板13のギア
列14には、第1歯車23が噛合っている。第1歯車2
3はz方向に延びる第1回転軸体22に一体に固着され
ている。この第1回転軸体22は旋回板17およびそれ
と一体のギア支持枠21で回転自在に支持されている。
旋回板17およびギア支持枠21の上平面を図5に示
す。この図5をも参照すると、第1回転軸体22には小
径の第2歯車24が一体に固着され、更にウォ−ムホィ
−ル25が一体に固着されている。ウォ−ムホィ−ル2
5にはウォ−ム26が噛合っており、ウォ−ム26はギ
ア支持枠21で回転自在に支持されている。ウォ−ム2
6には1対の傘歯車27,28を介して減速機29の出
力軸が連結されている。減速機29の入力軸には電気モ
−タ30の回転軸が連結されている。なお、傘歯車2
7,28は、旋回板17上に旋回駆動機構をコンパクト
に搭載するために用いたものである。仮に傘歯車27,
28を省略してウォ−ム26の回転軸に減速機29およ
び電気モ−タ30を配列するとこれらがy方向に長く延
び、台車1のy方向の長さ(SLf/SLb間距離)を
長くせざるを得ず、台車1が大型になりその結果旋回板
17(ト−チ37)の旋回範囲を広くせざるを得なくな
る。この実施例ではこれを回避するため、減速機29お
よび電気モ−タ30を略x方向に延ばして、これらを傘
歯車27,28を介してウォ−ム26に結合している。
【0028】電気モ−タ30が正転すると、減速機2
9,1対の傘歯車27,28,ウォ−ム26およびウォ
−ムホィ−ル25を介して回転軸体22が正回転する。
すなわち第1歯車23が正回転してギア列14に沿って
中心点Gcを中心に時計方向に回転し、これにより旋回
板17がロ−ラガイド溝12,15に沿って中心点Gc
を中心に時計方向(図4)に旋回する(例えば図7でb
からFbへの旋回)。電気モ−タ30が逆転すると、回
転軸体23が逆回転する。すなわち第1歯車23が逆回
転してギア列14に沿って中心点Gcを中心に反時計方
向に回転し、これにより旋回板17がロ−ラガイド溝1
2,15に沿って中心点Gcを中心に反時計方向(図
4)に旋回する(例えば図7でbからBbへの旋回)。
減速機29には、第1歯車23の所定小角度の回転につ
き1パルスの、位相が互に90度づれた2組のパルス列
を発生するロ−タリエンコ−ダ(図8で29と表示)が
内蔵されており、これら2組のパルス列が図8に示す方
向判別回路97に与えられる。方向判別回路97は、こ
れら2組のパルス列に基づいて第1歯車23の回転方向
(旋回板17の旋回方向)を検出して旋回方向を示す方
向信号と1組のパルス列を入出力インタ−フェイス92
を介して走行コントロ−ラ91に与える。
【0029】再度図2および図5を参照する。第1回転
軸体22に一体の第2歯車24には、大径かつ扇形の第
3歯車31が噛合っており、この第3歯車31は第2回
転軸体(ト−チ支持軸)32に一体に固着されている。
第2回転軸体32は旋回板17およびギア支持枠21で
回転自在に支持されている。前述のように第1回転軸体
22が回転駆動されて旋回板17がロ−ラガイド溝1
2,15に沿って中心点Gcを中心に時計方向又は反時
計方向に旋回する間、第3歯車31が第2歯車24で回
転駆動されるので、第2回転軸体32が反時計方向又は
時計方向に回転する。
【0030】以上に説明した、ギア列14に噛合う第1
歯車23から第2回転軸体32までの動力伝達系(この
実施例ではギアトレイン:ギアの組合せ)は、旋回板1
7が角度θ分旋回する間、第2回転軸体32はその軸心
を中心に角度2θ分回転する関係に設定されている。す
なわち、旋回板17(第2回転軸体32)の旋回角速度
の2倍の角速度で、旋回板17の旋回方向と逆向きの回
転方向に、第2回転軸体32がその軸心を中心に回転す
る。
【0031】再度図2を参照する。第2回転軸体32の
上端にはナット部材33が一体に固着されており、この
ナット部材33の雌ねじ穴にねじ棒34がねじ込まれて
いる。ねじ棒34の一端にト−チホルダ36が固着さ
れ、他端にはト−チ37のx位置調整用の摘子35が固
着されている。ト−チホルダ36で溶接ト−チ37が支
持されている。図2〜図3に示す点Wpは溶接ト−チ3
7の溶接点(溶接狙い点)である。摘子35を時計方向
に廻わすとト−チ37が図2でxからx’の方向に移動
し、反時計方向に廻わすとト−チ37がx’からxの方
向に移動する。このように、ト−チ37のx方向位置を
摘子35で調整することができる。
【0032】図6および図7を参照して、以上に説明し
た機構によってもたらされるト−チ37の運動を説明す
る。なお、図6は歯車機構を簡略化して示す斜視図、図
7は平面図である。前述のように、第1歯車23が例え
ば正回転すると、旋回板17(およびそれに装着された
ギア機構および第2回転軸体32、以下第2回転軸体3
2を代表者とする)が、ロ−ラガイド溝12,15に沿
って中心点Gcを中心に時計方向に旋回する。この旋回
を角度θまで行なう間、第2回転軸体32はその軸心を
中心に角度2θ分反時計方向に回転する。すなわち第2
回転軸体32の時計方向旋回角速度の2倍の角速度で第
2回転軸体32が反時計方向に回転する(ト−チ37が
ト−チ支持軸32を中心に反時計方向に該2倍の角速度
で旋回する)。ト−チ37のこの旋回の中心(第2回転
軸体32の中心),第1歯車23の回転中心およびト−
チ37の先端中心が同一直線上にあって、しかもその直
線を水平面に投影した線(水平投影線)がGcを通りx
方向(yに直交)に延びる(x軸に平行な)状態、すな
わち機構各要素の基準位置(又は基準姿勢;図7に実線
で示す姿勢)から、第1歯車23が正回転しこれにより
噛合い歯14に沿って第1歯車23がθだけ回転する
と、第2回転軸体32はFbの位置となり、しかもb点
(基準位置)にあったときから2θ分回転している。
【0033】このθ分旋回した位置Fbから、基準位置
bと旋回中心Gcを結ぶ直線に垂線を下し、直線b/G
c(b点からGc点に至る直線を意味する。以下同様)
との交点をFrとし、Gcを通り直線b/Gcに直交す
る垂直面(縦板WVPのト−チ対向面)に対して旋回位
置Fbから下した垂線の足(WVPとの交点)をWrと
し、旋回位置Fbでト−チが縦板WVPを指向する点
(溶接点)の位置をWfとすると、点Fb,Frおよび
Gcを結ぶ直角三角形と、点Gc,WrおよびFbを結
ぶ直角三角形と、点Wf,WrおよびFbを結ぶ直角三
角形の3者が合同となる。すなわち、第2回転軸体32
の中心とト−チ先端中心を通る直線の延びる方向におい
て、旋回前の第2回転軸体32と縦板WVPの距離(直
線b/Gc)と旋回後の距離(直線Fb/Wf)は等し
い。つまり縦板WVPに対するト−チの倣い移動距離は
一定である。
【0034】ところで、θ分の旋回の間、第2回転軸体
32はb点とFbを結ぶ弧(円中心はGc)の長さ分移
動するが、y方向の移動量は点FrとFbを結ぶ直線F
r/Fbの長さ分である。すなわち実移動量(弧長)よ
りも、下隅線に沿う移動量(y移動量)の方が短い。こ
のy方向移動量(直線Fr/Fb)は、直線b/Gcの
長さをRとすると、Rsinθであり、ト−チ移動量(ト
−チによる溶接点のy方向移動量)は2Rsinθであ
る。したがってy方向のト−チ移動速度(溶接点のy方
向移動速度)は2Rsinθを時間微分したものとなる
が、旋回速度(第1歯車23の回転速度)が一定であると
θが時間経過に比例した値となるので、ト−チ移動速度
はcosθに比例するものとなって(sinθの微分はcos
θ)、旋回角度θが大きくなるにつれてト−チ移動速度
(y方向)は低下する。図7では、溶接点がWfにあると
きθ=14°であり、このときcosθ=0.9703であり、
速度低下は略3%である。本発明の実施例では、後述す
るように、このような速度低下を補償するため、旋回角
θを検出し、ROMを用いる関数発生器により1/cos
θを発生して、第2回転軸体32のθ旋回周速度がVy
/(2cosθ)になる回転速度(一定値)で第1歯車23
を回転駆動するようにしている。これによれば、旋回範
囲の設定自由度が高く、旋回範囲を広く設定しても実質
上速度変動を生じない。
【0035】図8に、上述の機構の中の、台車1のy走
行駆動用の電気モ−タ10ならびに第1歯車23の回転
駆動(=旋回板17の旋回駆動=第2回転軸体32の回
転駆動=ト−チ37の旋回駆動)を行なう電気モ−タ3
0の、正,逆回転駆動および停止を制御する電気系の構
成を示す。
【0036】図8において、走行コントロ−ラ91はC
PUを主体とする電子制御回路であり、この走行コント
ロ−ラ91に、増幅,波形成形,信号ラッチ等を行なう
電気信号処理回路でなる入出力インタ−フェイス90,
92を介して、前述の感圧スイッチSAf,SAb,方
向指示検出スイッチSDf,SDb,走行限界検出スイ
ッチSLf,SLb,基準位置検出スイッチSRhf,
SRhb,旋回限界検出スイッチSRf,SRb,操作
/表示ボ−ド50,モ−タドライバ93,方向判別回路
94,モ−タドライバ96,方向判別回路97および溶
接コントロ−ラ99が接続される。
【0037】操作/表示ボ−ド50の拡大平面を図9に
示す。操作/表示ボ−ド50には、操作者が押している
間オン、操作者が操作を止めるとオフに戻るモ−メンタ
リ指示スイッチ51〜60,文字表示灯61〜70,7
3〜81,ボタン状の表示灯71,72およびブザ−8
3、ならびにそれらのスイッチの操作を読取る回路,表
示灯を点灯する回路およびブザ−83を鳴動付勢する回
路等が備わっている。指示スイッチ51〜60には、そ
れぞれ表示灯61〜70が対応付けられており、例え
ば、調整モ−ド指定スイッチ51が一瞬オンになってこ
れが走行コントロ−ラ91で読取られると走行コントロ
−ラ91により表示灯61が点灯され、表示灯61上面
の文字が照明され、スイッチ51がオフに戻っても、ス
イッチ52がオンになるまでその表示が継続される。溶
接モ−ド指定スイッチ51が一瞬オンになってこれが走
行コントロ−ラ91で読取られると走行コントロ−ラ9
1により表示灯62が点灯され、表示灯62上面の文字
が照明され、スイッチ52がオフに戻っても、スイッチ
51がオンになるまでその表示が継続される。スイッチ
55〜60はト−チ駆動モ−ドを指定するものであり、
その1つ(例えば55)がオンになってこれが走行コン
トロ−ラ91で読取られると走行コントロ−ラ91によ
り表示灯65が点灯され、表示灯65上面の文字が照明
され、該スイッチ(55)がオフに戻っても、他のスイ
ッチ(56〜60)がオンになるまでその表示が継続さ
れる。表示灯71は、L形ア−ム8a(図3)がノッチ
1Dfの位置にあるときのスイッチSDfのオンに応答
して点灯(y方向前進設定を意味する)され、表示灯7
2は、L形ア−ム8aがノッチ1Dbの位置にあるとき
のスイッチSDbのオンに応答して点灯(y方向後退設
定を意味する)されるものである。
【0038】表示灯65の点灯は、ト−チ駆動が図10
の(a)に示す、後退限界位置を始点とし、前進限界位
置を終点とする、縦板2コ−ナ間全行程前進モ−ドが設
定されていることを意味する。表示灯66の点灯は、ト
−チ駆動が図10の(b)に示す、縦板2コ−ナ間の間
を始点とし、前進限界位置を終点とする、中間領域から
前方コ−ナへの前進モ−ドが設定されていることを意味
する。表示灯67の点灯は、ト−チ駆動が図10の
(c)に示す、縦板2コ−ナ間の間を始点とし、前進限
界位置を折り返し点として後退限界位置まで戻る、前進
限界位置折り返しモ−ドが設定されていることを意味す
る。表示灯68の点灯は、ト−チ駆動が図10の(d)
に示す、前進限界位置を始点とし、後退限界位置を終点
とする、縦板2コ−ナ間全行程後退モ−ドが設定されて
いることを意味する。表示灯69の点灯は、ト−チ駆動
が図10の(e)に示す、縦板2コ−ナ間の間を始点と
し、後退限界位置を終点とする、中間領域から後方コ−
ナへの後退モ−ドが設定されていることを意味する。表
示灯70の点灯は、ト−チ駆動が図10の(f)に示
す、縦板2コ−ナ間の間を始点とし、後退限界位置を折
り返し点として前進限界位置まで戻る、後退限界位置折
り返しモ−ドが設定されていることを意味する。
【0039】概要を述べると、「調整」表示灯61が点
灯した状態でスイッチ53がオンにされて「スタ−ト」
表示灯63が点灯すると、上述の6種の走行モ−ド(図
10)の、スイッチ55〜60で指定されたものが走行
コントロ−ラ91により実行される。この「調整」モ−
ドの走行すなわちト−チ駆動では、溶接ト−チ37によ
る溶接は行なわれない。「ストップ」指示スイッチ54
がオンになるとそこでト−チ駆動が停止される。この
「調整」モ−ドは、テスト駆動あるいは溶接開始位置お
よび姿勢に台車1およびト−チを設定(又は調整)する
ために備わっている。
【0040】「溶接」表示灯62が点灯した状態でスイ
ッチ53がオンにされて「スタ−ト」表示灯63が点灯
すると、走行コントロ−ラ91が溶接コントロ−ラ99
に「溶接」を指示し、溶接コントロ−ラ99が「走行」
を指示するとこれに応答して走行コントロ−ラ91が、
上述の6種の走行モ−ド(図10)の、スイッチ55〜
60で指定されたものの走行を開始し、前進,後退限界
位置に到達すると溶接コントロ−ラ99に「溶接停止」
を指示する。返り返しモ−ドの場合には、走行コントロ
−ラ91は、溶接停止後に折り返し駆動して、台車1が
スタ−ト位置に戻るとそこで一度停止して溶接コントロ
−ラ99に「溶接」を指示し、溶接コントロ−ラ99が
「走行」を指令すると終点(前進,後退限界位置)まで
ト−チを駆動し、終点で溶接コントロ−ラ99に「溶接
停止」を指示する。
【0041】図8に示す速度補正回路98の構成を図1
1に示す。モ−タドライバ93に与えられるy走行速度
Vyを指示する電気信号(作業者が設定するポテンショ
メ−タ95の出力電圧)が台車1のy走行駆動用のモ−
タドライバ93に与えられると共に、速度補正回路98
の加算器AAMに与えられる。加算器AAMは、微調整
用のポテンショメ−タCORの調整速度ΔVとVyの和
の1/2を表わす電気信号を発生して可変ゲイン増幅器
GAMに与える。増幅器GAMは、g・(ΔV+Vy)
/2を表わす電気信号を発生しこれを速度指令信号とし
てモ−タドライバ96に与える。「g」はD/Aコンバ
−タDACの出力信号が示す値(速度補正ゲイン)であ
り、g=1/cosθ、θは図7に示す旋回角であり、こ
のgはROMより、旋回角θに対応して読出されるデ−
タで与えられる。アップダウンカウンタCONが、旋回
角θを検出する。
【0042】基準位置から前進限界位置への旋回と後退
限界位置への旋回とは逆方向であるが、走行コントロ−
ラ91はこの旋回方向は方向指示検出スイッチSDf,
SDbのオン/オフに基づいて定める。すなわちスイッ
チSDfがオンのときには旋回板17の旋回方向を時計
方向(ト−チ37では反時計方向:図7)に、スイッチ
SDbがオンのときには反時計方向に定める。そこで速
度補正回路98においては、旋回角θの絶対値に対応し
たg=1/cosθを発生して可変ゲインアンプGAMに
与えればよい。アップダウンカウンタCONが旋回角θ
の絶対値デ−タを発生するように、そのカウントパルス
入力端CKにはロ−タリエンコ−ダ(図8で29と表
示)が発生する1組のパルスが与えられ、アップ/ダウ
ンカウント指示端U/Dには、反転回路INVが接続さ
れ、この反転回路INVに、方向判別回路97の回転方
向(ト−チの旋回方向)を表わす信号と、方向指示検出
スイッチSDfのオン(前進;ト−チの反時計方向旋
回)/オフ(後退;ト−チの時計方向旋回)信号が入力
される。反転回路INVは、スイッチSDfがオン(前
進)の場合は、方向判別回路97が表わす方向信号が反
時計方向回転を示すときにアップカウント信号を、時計
方向回転を示すときにはダウンカウント信号をU/D端
に与える。また、反転回路INVは、スイッチSDfが
オフ(後退)の場合は、方向判別回路97が表わす方向
信号が時計方向回転を示すときにアップカウント信号
を、反時計方向回転を示すときにはダウンカウント信号
をU/D端に与える。旋回角度θが0°のときには基準
位置検出スイッチSRhf,SRhbが共ににオンで、
図8に示すオアゲ−ト82の出力Aが低レベルLで、こ
れによりカウンタCONはクリアされ、0を示すカウン
トデ−タを出力する。このようにしてカウンタCON
は、旋回角θの絶対値を表わすカウントデ−タを発生
し、これをアドレスデ−タとしてROMに与える。RO
Mのアドレスθには、1/cosθを表わすデ−タが格納
されており、該デ−タをD/Aコンバ−タDACに与え
る。D/Aコンバ−タDACは1/cosθ=gを表わす
アナログ信号を可変ゲインアンプGAMに与える。この
ようにして、モ−タドライバ96には、g・(ΔV+V
y)/2すなわち(ΔV+Vy)/(2cosθ)の速度を
指示する速度信号が与えられる。これにより、微調整分
ΔVを省略すると、Vr=Vy/(2cosθ)なる旋回周
速度がモ−タドライバ96に指示され、例えば図10の
(b)に示すように中間領域から台車1のy走行を開始
して前進限界位置F端までト−チ37を駆動する態様で
は、走行限界検出スイッチSLfがオンになるまで台車
1が速度Vyでy走行し、オンになると台車1が停止し
かつ第2回転軸体32の、速度Vr=Vy/(2cosθ)
なる旋回駆動が開始されて、ト−チ37の溶接狙い点W
pは、縦板WVPに対してy方向にVyの速度で移動す
ることになる。すなわち台車1のy方向移動速度Vy
(=その間のト−チ37のy方向移動速度)と実質上同
一の速度で、台車1が停止した後ト−チ37の溶接狙い
点Wpがy方向に移動する。g=1/cosθなる旋回速度
補正を加えているので、旋回角θの増大に対応して溶接
狙い点Wpのy方向移動速度が次第に低下することはな
い。
【0043】前述の、「調整」モ−ドおよび「溶接」モ
−ドのト−チ駆動を行なう、走行コントロ−ラ91の制
御動作を、図12〜図28に示す。まず図12を参照す
ると、図8に示す電気回路各部に電源が投入される(ス
テップ1;以下カッコ内ではステップという語を省略
し、ステップ番号数字のみを記す)と、走行コントロ−
ラ91は、入出力ポ−トを待機時の信号レベルに設定し
内部レジスタ,内部カウンタ,タイマ等をクリアする
(2)。そして、入出力インタ−フェ−ス92の入力お
よびスイッチSAf〜SRbのオン/オフを読込む
(3)。この状態読取(3)において、方向指示検出ス
イッチSDfがオンであると表示灯71を点灯して表示
灯72は消灯し、方向指示検出スイッチSDbがオンで
あると表示灯72を点灯して表示灯71は消灯する。こ
れらの表示灯71,72の点灯/消灯を見て、作業者
は、操作/表示ボ−ド50上で、台車1のy走行方向
(前進/後退)がどちらに設定されているか、認識する
ことができる。
【0044】走行コントロ−ラ91は次に、操作/表示
ボ−ド50の入力(作業者の指示操作)を読取る
(4)。そしてト−チ駆動モ−ド指示スイッチ55〜6
0の1つ(例えば55)がオンになったときには、図1
2のステップ5〜10から、図13〜図15に示すサブ
ル−チン(図13の(a))に進んで、オンとなったス
イッチに宛てられている表示灯65〜70(65)を点
灯し他の表示灯(66〜70)は消灯して(22A,2
4A)、レジスタMAF〜MFF(MAF)に「1」を
書込み(23A)、他のスイッチ(56〜60)に当て
られているレジスタ(MBF〜MFF)をクリア
(「0」の書込みと同義)する(25A)。そして警告
表示灯73〜80を消灯する(26A)。なお、この前
段階で、指定されたト−チ駆動モ−ド(55〜60のオ
ンになったスイッチ)が、現在設定中のy走行方向(前
進/後退)と整合しているかをチエックして(図16の
31a)、整合していないと、方向指示(L形ア−ム8
aのノッチ位置)の変更又はト−チ駆動モ−ド指示の変
更(ボ−ド50への再入力)をうながすため、ブザ−8
3を一定時間オン(鳴動)して(27A)、警告表示灯
73,74を点灯し(28A)、レディ表示灯81を消
灯して(29A)、レジスタMAF〜MFF(MAF)
のデ−タ更新(「1」の書込み)は行なわない。このよ
うな入力対応の処理により、操作/表示ボ−ド50の表
示更新およびレジスタMAF〜MFFへのト−チ駆動モ
−ドの更新書込みが行なわれる。
【0045】例えば、レジスタMAFの内容が「1」で
あると、これは図10の(a)に示す縦板2コ−ナ間全
行程前進モ−ドが指定されていることを意味する。同様
に、レジスタMBFの「1」は、図10の(b)に示す
前方コ−ナへの前進モ−ドが指定されていることを意味
し、レジスタMCFの「1」は、図10の(c)に示す
前進限界位置折り返しモ−ドが指定されていることを意
味し、レジスタMDFの「1」は、図10の(d)に示
す縦板2コ−ナ間全行程後退モ−ドが指定されているこ
とを意味し、レジスタMEFの「1」は、図10の
(e)に示す中間領域から後方コ−ナへの後退モ−ドが
指定されていることを意味し、そして、レジスタMEF
の「1」は、図10の(f)に示す後退限界位置折り返
しモ−ドが指定されていることを意味する。
【0046】調整モ−ド指示スイッチ51がオンになっ
たときには、図12のステップ11から、図16の
(a)に示すサブル−チンに進んで、レジスタRMFの
内容が1(溶接モ−ド指定中)か0(調整モ−ド指定
中)かをチェックして、0であると表示灯61を点灯し
(32a,33a)、表示灯62を消灯する(34
a)。レジスタRMFの内容が1であったときには、溶
接中(レジスタSSFの内容が1)か否(SSFの内容
が0)かをチェックして(35a)、溶接中であると入
力エラ−を報知するためブザ−83を一定時間鳴動付勢
する(36a)。溶接中でないと、レジスタRMFをク
リアして(32a)、表示灯61を点灯し(33a)、
表示灯62を消灯する(34a)。
【0047】溶接モ−ド指示スイッチ52がオンになっ
たときには、図12のステップ12から、図16の
(b)に示すサブル−チンに進んで、レジスタRMFの
内容が1(溶接モ−ド指定中)か0(調整モ−ド指定
中)かをチェックして、1であると表示灯62を点灯し
(32b,33b)、表示灯61を消灯する(34
b)。レジスタRMFの内容が0(調整モ−ド指定中)
であったときには、ト−チ駆動中(台車1駆動中又はト
−チ37旋回中)か否かをチェックして(35b)、ト
−チ駆動中であると入力エラ−を報知するためブザ−8
3を一定時間鳴動付勢する(36b)。ト−チ駆動中で
ないと、レジスタRMFに1を書込み(32b)、表示
灯62を点灯し(33b)、表示灯61を消灯する(3
4b)。
【0048】スタ−ト指示スイッチ53がオンになった
ときには、図12のステップ13から、図17に示すサ
ブル−チンに進んで、まず、調整モ−ドと溶接モ−ドの
いずれが指定されているかをチェックする(40)。
【0049】調整モ−ドが指定されていると、レジスタ
MAF〜MFFの内容をチェックして(図17の41
A,図18の41B,図20の41D,図21の41
E)、レジスタMAFの内容が「1」のときには、走行
コントロ−ラ91は、図17のステップ42A〜61A
の、縦板2コ−ナ間全行程前進モ−ド(図10の
(a))のト−チ駆動制御を行なう。
【0050】−AA−調整モ−ド&縦板2コ−ナ間全行
程前進モ−ドのト−チ駆動:調整モ−ドでの、縦板2コ
−ナ間全行程前進モ−ド(図10の(a))のト−チ駆
動制御の内容を、図17のステップ42A〜61Aに示
す。これにおいては走行コントロ−ラ91はまず、前進
設定であるかをチェックし(42A)、台車1が後退限
界位置にあるかをチェックし(43A)、ト−チ37が
後退旋回限界位置(図7でWbを指向する姿勢)にある
かをチェックする(44A)。すなわち、図10の
(a)に実線で示す位置および姿勢に台車およびト−チ
があるかをチェックする。これらがすべてイエスである
と、走行コントロ−ラ91は、モ−タ30の正転駆動を
開始する(45A)。すなわちモ−タドライバ96に正
転指示を与える。これによりト−チ37が、その溶接狙
い点Wpのy方向移動速度が(ΔV+Vy)/(2cos
θ)となる反時計方向旋回を開始する。走行コントロ−
ラ91は次に、ト−チ37が基準姿勢(図7に実線で示
す姿勢)となるのを待つ(46A)。すなわち基準位置
検出スイッチSRhfとSRhbが共にオンになるのを
待つ。該基準姿勢になると走行コントロ−ラ91は、モ
−タ30を停止しモ−タ10の正転駆動を開始する(4
7A,48A)。これによりト−チ37は基準姿勢で台
車1に対する姿勢変化を停止しかつ台車1がy方向に速
度Vyで前進を始める。この切換わり直前のト−チ37
の溶接狙い点Wpの、y方向移動速度は、実質上Vy
(正確に表現すると2Vrすなわち(ΔV+V)/cos
θ)、切換わり直後の速度(台車速度)はVyで、実質
上速度変動を生じない。
【0051】走行コントロ−ラ91は次に、台車1が前
進限界位置に到達するのを待つ(49A)。その間台車
1は速度Vyで前進限界位置に向けて移動する。台車1
が前進限界位置に到達すると、モ−タ10を停止し、モ
−タ30の正転駆動を開始する(50A,51A)。こ
れにより、台車1が停止しト−チ37が反時計方向に旋
回を始める。このときのト−チ37の溶接狙い点Wp
の、y方向移動速度も、実質上Vyである。走行コント
ロ−ラ91は次に、ト−チ37が前進旋回限界(図7で
Wfを指向する姿勢)になるのを待ち(52A)、そう
なるとモ−タ30を停止し(53A)、ブザ−83を一
定時間鳴動付勢する(54A)。これにより、台車1お
よびト−チ37は、図10の(a)に示す2点鎖線位置
および姿勢となり、台車1およびト−チ37共に静止す
る。
【0052】以上に説明したト−チ37および台車1の
運動の間、ト−チ37には溶接電力が供給されない。す
なわち溶接は行なわれない。なお、上述の運動の間に溶
接指示スイッチ52又はストップ指示スイッチ54がオ
ンになると、走行コントロ−ラ91はそこでモ−タ10
を停止し(55A〜61A)、更にモ−タ30を停止し
(53A)、ブザ−83を一定時間鳴動付勢する(54
A)。これにより、台車1およびト−チ37は、そこで
停止する。
【0053】−AB−調整モ−ド&中間領域から前進コ
−ナへの前進モ−ドのト−チ駆動:調整モ−ドでの、中
間領域から前進コ−ナへの前進モ−ド(図10の
(b))のト−チ駆動制御の内容を、図18および図1
9のステップ42B〜61Bに示す。これにおいては走
行コントロ−ラ91はまず、前進設定であるかをチェッ
クし(42B)、台車1が後退限界から前進限界の間の
中間領域にあるかをチェックする(44B)。すなわ
ち、大略では、図10の(b)に実線で示す位置および
姿勢にあるかをチェックする。より正確に表現すると、
ト−チ37の溶接狙い点Wpが、図7でWb≦Wp<G
cの範囲か、あるいは、Gc≦Wp<Wrの範囲である
かをチェックする(44B)。そして、Wb≦Wp<G
cの範囲であったときには、前述の−AA−項で説明し
たト−チ駆動と同様に、まずモ−タ30を回転駆動する
(45B)。それ以降の制御動作は前述の−AA−項で
説明したステップ45A〜61Aの制御動作と同様であ
る。図18および図19には、これらのステップ45A
〜61Aに対応する、この−AB−項の制御でのステッ
プに45B〜61Bなる記号を付した。前述の−AA−
項の説明文の、45A〜61Aのアルファベット記号A
をBに読み替えると、スタ−ト時がWb≦Wp<Gcの
範囲であったときの、この−AB−項の制御の説明とな
る。
【0054】Gc≦Wp<Wrの範囲であったときに
は、モ−タ30を停止して(47B;ここでは最初から
モ−タ30は停止しているので、この停止指示に格別に
意味はない)、モ−タ10を正転駆動する(48B)。
それ以降の制御動作は前述の−AA−項で説明したステ
ップ48A〜61Aの制御動作と同様である。図18お
よび図19には、これらのステップ48A〜61Aに対
応する、この−AB−項の制御でのステップに48B〜
61Bなる記号を付した。前述の−AA−項の説明文
の、48A〜61Aのアルファベット記号AをBに読み
替えると、スタ−ト時がGc≦Wp<Wrの範囲であっ
たときの、この−AB−項の制御の説明となる。
【0055】−AC−調整モ−ド&前進限界位置折返し
モ−ドのト−チ駆動:調整モ−ドでの、前進限界位置折
返しモ−ド(図10の(c))のト−チ駆動制御の内容
を、図18および図19のステップ42B〜61Bおよ
び71C〜82Cならびに図21および図22の45E
〜61Eに示す。このト−チ駆動制御は、ト−チ37の
溶接狙い位置Wpが図7に示す前進限界位置Wfに到達
するまで(台車1およびト−チ37が前進限界位置に達
するまで)は、前述の−AB−の説明と略同様である
が、しかしこの前進限界位置折返しモ−ドでは、台車1
を前進限界位置に駆動するとき、台車1のy方向位置を
追跡するためのカウントレジスタCORをクリアして
(71C)、台車走行同期パルス(ロ−タリエンコ−ダ
9が発生し方向判別回路94が与えるパルス)をカウン
トするための割込を許可し、カウントアップを設定する
(72C)。この割込許可の後は、走行コントロ−ラ9
1は、台車走行同期パルスが1パルス到来する毎に、カ
ウントレジスタCORの内容を1インクレメント(カウ
ントアップ)する。前進限界位置に到達すると、走行コ
ントロ−ラ91は、L形ア−ム8aが前進位置(1D
f)から後退位置(1Db)に切換えられるのを待つ
(73c,74C)。すなわち方向指示検出スイッチS
Dbがオンになるのを待つ。スイッチSDbがオンにな
ると、モ−タ30の逆転駆動を開始しかつカウントダウ
ンを設定する(75C)。そしてト−チ37が基準姿勢
(図7に実線で示す姿勢)に戻るのを待つ(76C)。
すなわち、基準位置検出スイッチSRhf,SRhbが
共にオンになるのを待つ。そうなると、モ−タ30を停
止し(77C;ト−チ37の旋回駆動を停止し)、モ−
タ10の逆転駆動を開始する(78C)。そして走行コ
ントロ−ラ91は、台車走行同期パルスが1パルス到来
する毎に、カウントレジスタCORの内容を1デクレメ
ント(カウントダウン)しつつ、最初のスタ−ト位置
(図10の(c)に示す実線位置)又は後退限界位置に
台車1が到達するのを待つ(79C,85C)。すなわ
ちカウントレジスタCORの内容が0になるか、台車1
の走行限界検出スイッチSLfがオンになるのを待つ。
【0056】カウントレジスタの内容が0になると(台
車1が最初のスタ−ト位置に戻ると)、モ−タ10を停
止し(80C)、ブザ−82Cを一定時間鳴動付勢して
(82C)、後述する、調整モ−ド&中間領域から前進
コ−ナへの前進モ−ドのト−チ駆動(図10の(e);
後述の−AE−項)を開始し、台車1を後退限界位置ま
で駆動し、そしてト−チ37を後退限界位置(図7でW
bを狙う姿勢)に旋回駆動する(図21の45E〜図2
2の61E)。
【0057】−AD−調整モ−ド&縦板2コ−ナ間全行
程後退モ−ドのト−チ駆動:調整モ−ドでの、縦板2コ
−ナ間全行程後退モ−ド(図10の(d))のト−チ駆
動制御の内容を、図20のステップ42D〜61Dに示
す。このモ−ドのト−チ駆動は、縦板2コ−ナ間全行程
前進モ−ド(図10の(a))のト−チ駆動の台車1お
よびト−チ37の、スタ−ト位置,姿勢と駆動終了位
置,姿勢とを入れ替えたものに相当する。そしてステッ
プ42D〜61Dはステップ42A〜61Aにそれぞれ
対応するので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0058】−AE−調整モ−ド&中間領域から後退コ
−ナへの後退モ−ドのト−チ駆動:このモ−ド(図10
の(e))でのト−チ駆動制御の内容を、図21〜図2
2のステップ42E〜61Eに示す。このモ−ドのト−
チ駆動は、中間領域から前進コ−ナへの前進モ−ド(図
10の(B))のト−チ駆動の台車1およびト−チ37
の、スタ−ト位置,姿勢と駆動終了位置,姿勢とを入れ
替えたものに相当する。そしてステップ42E〜61E
はステップ42B〜61Bにそれぞれ対応するので、こ
こでの詳細な説明は省略する。
【0059】−AF−調整モ−ド&後退限界位置折返し
モ−ドのト−チ駆動:このモ−ド(図10の(f))で
のト−チ駆動制御の内容を、図21〜図22に示す。こ
のモ−ドのト−チ駆動は、前進限界位置折返しモ−ド
(第10図の(c))のト−チ駆動の台車1およびト−
チ37の、スタ−ト位置,姿勢と駆動終了位置,姿勢と
を入れ替えたものに相当する。そしてこのモ−ドでの制
御のための各ステップは前述の後退限界位置折返しモ−
ドのト−チ駆動制御の各ステップに対応するので、ここ
での詳細な説明は省略する。
【0060】スタ−ト指示スイッチ53がオンになった
ときに、溶接モ−ドが指定されていると、走行コントロ
−ラ91は、レジスタMAF〜MFFの内容をチェック
して(図23の41AW,図24の41BW,図26の
41DW,図26の41EW)、レジスタMAFの内容
が「1」のときには、走行コントロ−ラ91は、図23
のステップ42AW〜61AWおよび91W〜93W
の、縦板2コ−ナ間全行程前進モ−ド(図10の
(a))のト−チ駆動制御および溶接(開始/停止)制
御を行なう。
【0061】−WA−溶接モ−ド&縦板2コ−ナ間全行
程前進モ−ドのト−チ駆動:溶接モ−ドでの、縦板2コ
−ナ間全行程前進モ−ド(図10の(a))のト−チ駆
動制御および溶接制御の内容を、図23のステップ42
AW〜61AWおよび91W〜93Wに示す。ステップ
42AW〜61AWはそれぞれ図17のステップ42A
〜61Aの内容と略同じである。しかし溶接の場合、ト
−チ37の溶接開始,停止(終了)の制御が必要であ
る。このためにステップ91W〜93Wが加入され、し
かも溶接を開始したときには溶接中であることを示すた
めにレジスタSSFに「1」を書込み(45AW)、溶
接を停止又は終了したときにはレジスタSSFをクリア
する(93W)。ここで、溶接モ−ドであるので、前述
の調整モ−ドの縦板2コ−ナ間全行程前進モ−ドのト−
チ駆動と異なる点のみを説明する。
【0062】台車1およびト−チ37がスタ−ト位置お
よび姿勢にあることを確認する(42AW〜44AW)
と走行コントロ−ラ91は、溶接コントロ−ラ99に
「溶接開始」を指示する(91W)。溶接コントロ−ラ
99はこれに応答して、それに接続された操作/表示ボ
−ド(図示せず)を介して作業者により設定されている
溶接条件(溶接速度すなわちト−チ走行速度はポテンシ
ョメ−タ95で指定される)で溶接ト−チ37による溶
接を開始し、ト−チ走行を開始すべきタイミングで走行
指示を走行コントロ−ラ91に与える(92W)。この
走行指示に応答して走行コントロ−ラ91は、前述の−
AA−項で説明したト−チ駆動を開始し、溶接中を示す
「1」をレジスタSSFに書込む(45AW)。その後
走行コントロ−ラ91は、台車1およびト−チ37が前
進限界位置および姿勢になったときに、溶接コントロ−
ラ99に溶接停止を指示しそしてレジスタSSFをクリ
アする(溶接停止中を示す「0」を書込む)(93
W)。その他の制御は、前述の−AA−項の説明と同一
である。
【0063】このト−チ駆動および溶接制御により、図
10の(a)に示す溶接開始点(B端;後退側コ−ナ)
から終了点(F端;前進側コ−ナ)までの全長が、実質
上同一溶接速度で連続して溶接される。
【0064】−WB−溶接モ−ド&中間領域から前進コ
−ナへの前進モ−ドのト−チ駆動:溶接モ−ドでの、中
間領域から前進コ−ナへの前進モ−ド(図10の
(b))のト−チ駆動制御の内容を、図24および図2
5のステップ42BW〜61BWに示す。ステップ42
BW〜61BWはそれぞれ図18および図19のステッ
プ42B〜61Bの内容と略同じである。しかし溶接の
場合、ト−チ37の溶接開始,停止(終了)の制御が必
要である。このためにステップ94W〜96Wが加入さ
れ、しかも溶接を開始したときには溶接中であることを
示すためにレジスタSSFに「1」を書込み(45B
W)、溶接を停止又は終了したときにはレジスタSSF
をクリアする(96W)。ここで、溶接モ−ドであるの
で、前述の調整モ−ドの中間領域から前進コ−ナへの前
進モ−ドのト−チ駆動と異なる点のみを説明する。
【0065】台車1およびト−チ37がスタ−ト位置お
よび姿勢にあることを確認する(42BW,44BW)
と走行コントロ−ラ91は、溶接コントロ−ラ99に
「溶接開始」を指示する(94W)。溶接コントロ−ラ
99はこれに応答して、それに設定されている溶接条件
で溶接ト−チ37による溶接を開始し、ト−チ走行を開
始すべきタイミングで走行指示を走行コントロ−ラ91
に与える(95W)。この走行指示に応答して走行コン
トロ−ラ91は、前述の−AB−項で説明したト−チ駆
動を開始し、溶接中を示す「1」をレジスタSSFに書
込む(45BW)。その後走行コントロ−ラ91は、台
車1およびト−チ37が前進限界位置および姿勢になっ
たときに、溶接コントロ−ラ99に溶接停止を指示しそ
してレジスタSSFをクリアする(溶接停止中を示す
「0」を書込む)(96W)。その他の制御は、前述の
−AB−項の説明と同一である。
【0066】このト−チ駆動および溶接制御により、例
えば図10の(b)に示す溶接開始点(実線ト−チ37
の位置)から終了点(F端;前進側コ−ナ)までの全長
が、実質上同一溶接速度で連続して溶接される。
【0067】−WC−溶接モ−ド&前進限界位置折返し
モ−ドのト−チ駆動:溶接モ−ドでの、前進限界位置折
返しモ−ド(図10の(c))のト−チ駆動制御の内容
を、図24および図25のステップ42BW〜61BW
および71CW〜82CWならびに図27および図28
の45EW〜61EWに示す。しかし溶接の場合、ト−
チ37の溶接開始,停止の制御が必要である。このため
にステップ94W〜96W,100W〜102Wが加入
され、しかも溶接を開始したときには溶接中であること
を示すためにレジスタSSFに「1」を書込み(45B
W,45EW)、溶接を停止又は終了したときにはレジ
スタSSFをクリアする(96W,102W)。ここ
で、溶接モ−ドであるので、前述の調整モ−ドの前進限
界位置折返しモ−ドのト−チ駆動と異なる点のみを説明
する。
【0068】台車1およびト−チ37がスタ−ト位置お
よび姿勢にあることを確認する(42BW,44BW)
と走行コントロ−ラ91は、溶接コントロ−ラ99に
「溶接開始」を指示する(94W)。溶接コントロ−ラ
99はこれに応答して、それに設定されている溶接条件
で溶接ト−チ37による溶接を開始し、ト−チ走行を開
始すべきタイミングで走行指示を走行コントロ−ラ91
に与える(95W)。この走行指示に応答して走行コン
トロ−ラ91は、前述の−AB−項で説明したト−チ駆
動を開始し、溶接中を示す「1」をレジスタSSFに書
込む(45BW)。その後走行コントロ−ラ91は、台
車1およびト−チ37が前進限界位置および姿勢になっ
たときに、これらの駆動を停止し、溶接コントロ−ラ9
9に溶接停止を指示しそしてレジスタSSFをクリアす
る(溶接停止中を示す「0」を書込む)(96W)。そ
して、L形レバ−8aが後退位置になるのを待って、後
退位置になるとト−チ37を戻し旋回駆動して基準姿勢
に戻しそして台車1を最初の位置(図10の(c)に実
線で示す位置)を戻してそこで台車駆動を停止し、そし
て溶接コントロ−ラ99に「溶接開始」を指示する(1
00W)。溶接コントロ−ラ99はこれに応答して、そ
れに設定されている溶接条件で溶接ト−チ37による溶
接を開始し、ト−チ走行を開始すべきタイミングで走行
指示を走行コントロ−ラ91に与える(101W)。そ
して後述する、溶接モ−ド&中間領域から前進コ−ナへ
の前進モ−ドのト−チ駆動(図10の(e);後述の−
WE−項)を開始し、台車1を後退限界位置まで駆動
し、そしてト−チ37を後退限界位置(図7でWbを狙
う姿勢)に旋回駆動する(図21の45E〜図22の6
1E)。これを終了すると溶接コントロ−ラ99に溶接
停止を指示する(102W)。
【0069】このト−チ駆動および溶接制御により、ま
ず、図10の(c)に示す溶接開始点(実線ト−チ37
の位置)から終了点(F端;前進側コ−ナ)までが、実
質上同一溶接速度で連続して溶接される。そして、L形
ア−ム8aが後退位置(1Db)に移されると、台車1
が溶接開始点(実線ト−チ37の位置)まで自動的に折
返して戻ってそこで一時停止し、そしてそこから終了点
(B端;後退側コ−ナ)までが、実質上同一溶接速度で
連続して溶接される。したがってこの溶接モ−ドでも、
後退側コ−ナ(B端)から前進側コ−ナ(F端)までの
全長が溶接されるが、最初の溶接開始点は中間領域(図
10の(c)に実線で示すト−チ37の位置)となる。
【0070】−WD−溶接モ−ド&縦板2コ−ナ間全行
程後退モ−ドのト−チ駆動:溶接モ−ドでの、縦板2コ
−ナ間全行程後退モ−ド(図10の(d))のト−チ駆
動制御の内容を、図26のステップ42DW〜61DW
ならびに97W〜99Wに示す。このモ−ドのト−チ駆
動および溶接制御は、前記−WA−項で説明した溶接モ
−ドでの縦板2コ−ナ間全行程前進モ−ド(図10の
(a))のト−チ駆動および溶接制御の、台車1および
ト−チ37の、スタ−ト位置,姿勢と駆動終了位置,姿
勢とを入れ替えたものに相当する。そしてステップ42
DW〜61DWはステップ42AW〜61AWにそれぞ
れ対応するので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0071】このト−チ駆動および溶接制御により、図
10の(d)に示す溶接開始点(F端;前進側コ−ナ)
から終了点(B端;後退側コ−ナ)までの全長が、実質
上同一溶接速度で連続して溶接される。
【0072】−WE−溶接モ−ド&中間領域から後退コ
−ナへの後退モ−ドのト−チ駆動:このモ−ド(図10
の(e))でのト−チ駆動および溶接制御の内容を、図
27〜図28のステップ42EW〜61EWならびに1
00W〜102Wに示す。このモ−ドのト−チ駆動およ
び溶接制御は、前記−WB−項で説明した、中間領域か
ら前進コ−ナへの前進モ−ド(図10の(B))のト−
チ駆動および溶接制御の、台車1およびト−チ37の、
スタ−ト位置,姿勢と駆動終了位置,姿勢とを入れ替え
たものに相当する。そしてステップ42EW〜61EW
はステップ42BW〜61BWにそれぞれ対応するの
で、ここでの詳細な説明は省略する。
【0073】このト−チ駆動および溶接制御により、例
えば図10の(e)に示す溶接開始点(実線ト−チ37
の位置)から終了点(B端;後退側コ−ナ)までの全長
が、実質上同一溶接速度で連続して溶接される。
【0074】−WF−溶接モ−ド&後退限界位置折返し
モ−ドのト−チ駆動:このモ−ド(図10の(f))で
のト−チ駆動および溶接制御の内容を、図27,図28
ならびに図24〜図25のステップ94W〜96Wに示
す。このモ−ドのト−チ駆動および溶接制御は、前記−
WC−項で説明した前進限界位置折返しモ−ド(第10
図の(c))のト−チ駆動および溶接制御の、台車1お
よびト−チ37の、スタ−ト位置,姿勢と駆動終了位
置,姿勢とを入れ替えたものに相当する。そしてこのモ
−ドでの制御のための各ステップは前述の後退限界位置
折返しモ−ドのト−チ駆動および溶接制御の各ステップ
に対応するので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0075】このト−チ駆動および溶接制御により、ま
ず、図10の(f)に示す溶接開始点(実線ト−チ37
の位置)から終了点(B端;後退側コ−ナ)までが、実
質上同一溶接速度で連続して溶接される。そして、L形
ア−ム8aが前進位置(1Df)に移されると、台車1
が溶接開始点(実線ト−チ37の位置)まで自動的に折
返して戻ってそこで一時停止し、そしてそこから終了点
(F端;前進側コ−ナ)までが、実質上同一溶接速度で
連続して溶接される。したがってこの溶接モ−ドでも、
前進側コ−ナ(F端)から後退側コ−ナ(B端)までの
全長が溶接されるが、最初の溶接開始点は中間領域(図
10の(f)に実線で示すト−チ37の位置)となる。
【0076】以上に説明した「調整モ−ド」のト−チ駆
動および「溶接モ−ド」のト−チ駆動のいずれにおいて
も、ト−チ37の旋回駆動中又は台車1のy方向駆動中
にストップ指示スイッチ54又は溶接指示スイッチ52
がオンになると、駆動を停止し、溶接中であると溶接も
停止する。ここでは、ストップ指示スイッチ54および
溶接指示スイッチ52は緊急停止指示スイッチの意味が
ある。上述の調整モ−ドの6態様のト−チ駆動および溶
接モ−ドの6態様のト−チ駆動のそれぞれを終了したと
き、又はその途中でストップ指示スイッチ54又は溶接
指示スイッチ52のオンに応答して駆動を中止したとき
には、図12の状態読込み(3)に戻り、そして操作入
力読取り(4)に進む。
【0077】再度図12を参照する。入力待機(ト−チ
駆動停止,溶接停止状態で、作業者の指示待ち)時に、
操作入力読取り(4)でストップ指示スイッチ54のオ
ンを読取ると走行コントロ−ラ91は、初期化(2)に
戻る。これにより上述の各種レジスタがクリアされ、操
作/表示ボ−ドのすべての表示(点灯表示)が消える
が、次の状態読込み(3)で読込んだ状態が再表示され
る。したがって、ト−チ駆動中にはストップ指示スイッ
チ64は駆動停止(および溶接停止)の指示機能である
が、入力待機中には、リセット指示機能があることにな
る。
【0078】
【発明の効果】上述のように、回転駆動手段(22,25〜3
0,24,31)が第1歯車(23)を回転駆動すると、第1歯車(2
3)は、基台(1)に固定されたギア手段(13)に噛合ってい
るので、ギア手段(13)の噛合い歯(14)の弧状配列に沿っ
て移動する。第1歯車(23)が歯車支持部材(17,21)で回
転自在に支持され、そして旋回支持手段(11,12,13,15,1
6fr,16fL,16rr,16rL)が歯車支持部材(17,21)をギア手段
(13)の噛合い歯(14)の配列に沿って移動自在に支持して
いるので、第1歯車(23)の移動(旋回θ)と同じく歯車
支持部材(17,21)が移動する。ト−チ支持軸(32)が歯車
支持部材(17,21)に回転自在に支持されているので、ト
−チ支持軸(32)も同じく移動(旋回θ)する。しかし
て、回転駆動手段(22,25〜30,24,31)により、ト−チ支
持軸(32)が、歯車支持部材(17,21)の旋回の角速度の2
倍の角速度で回転するので、ト−チ支持軸(32)は、θの
旋回の間に、2θ分回転する。
【0079】すなわちト−チ支持軸(32)で支持されたト
−チ(37)は、ギア手段(13)の噛合い歯(14)の配列に沿っ
て移動(旋回θ)すると共に、ト−チ支持軸(32)の軸心を
中心に逆方向に旋回(2θ)するので、ト−チ(の溶接狙
い点)の移動(y方向倣い移動)は円滑である。ト−チ
支持軸(32)の中心とト−チ先端中心を通る直線の延びる
方向において、旋回前のト−チ支持軸(32)とト−チに対
向する縦板(WVP)の距離(直線b/Gc)と旋回後の距離(直線
Fb/Wf)は等しい。つまり縦板(WVP)に対するト−チの倣
い移動距離は一定である。
【0080】θ分の旋回の間、ト−チ支持軸(32)は図7
に示すb点とFbを結ぶ弧(中心はGc)の長さ分移動
するが、y方向の移動量は点FrとFbを結ぶ直線Fr
/Fbの長さ分である。すなわち実移動量(弧長)より
も、下隅線に沿う移動量(y移動量)の方が短い。すな
わち、ト−チの倣い移動速度はcosθに比例するものと
なる。したがって旋回角度θが大きくなるにつれてト−
チの倣い移動速度は低下するが、例えば、θ=14°で
cosθ=0.9703であるので、θ=14°以内に旋回範囲
を設定した場合には、速度低下は略3%以下に収まるの
で、速度変動の許容範囲内に速度低下量が収まる旋回範
囲を設定すると、倣い移動速度の変動が少い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の機構部を搭載した台車1
の外観を示す斜視図である。
【図2】 図1の2A−2A線縦断面拡大図である。
【図3】 図2に示す台車1の下部にある車輪を示す平
面図である。
【図4】 図2に示す台車1の上面を示す平面図であ
る。
【図5】 図2に示すギア支持枠21の上面を示す平面
図である。
【図6】 図2に示すギア列14,第1歯車23,第2
歯車24,第3歯車31および溶接ト−チ37の、相互
結合関係の概要を示す斜視図である。
【図7】 図6に示す機構要素を上方から見降ろした平
面図である。
【図8】 図2に示す機構を駆動制御する電気回路の構
成を示すブロック図である。
【図9】 図8に示す操作/表示ボ−ド50の、作業者
の操作面を拡大して示す平面図である。
【図10】 図1に示す台車1および溶接ト−チ37
の、各種走行制御モ−ドでの始端位置,姿勢(実線)と
終端位置,姿勢(2点線鎖線)を示す平面図である。
【図11】 図8に示す速度補正回路98の構成を示す
ブロック図である。
【図12】 図8に示す走行コントロ−ラ91の制御処
理内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図13】 図8に示す走行コントロ−ラ91の制御処
理内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図14】 図8に示す走行コントロ−ラ91の制御処
理内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図15】 図8に示す走行コントロ−ラ91の制御処
理内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図16】 図8に示す走行コントロ−ラ91の制御処
理内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図17】 図8に示す走行コントロ−ラ91の制御動
作の一部を示すフロ−チャ−トであり、「調整モ−ド」
で図10の(a)に2点鎖線矢印で示す走行駆動を行な
う部分を示す。
【図18】 図8に示す走行コントロ−ラ91の制御動
作の一部を示すフロ−チャ−トであり、「調整モ−ド」
で図10の(b)又は(c)に2点鎖線矢印で示す走行
駆動を行なう部分の一部を示す。
【図19】 図8に示す走行コントロ−ラ91の制御動
作の一部を示すフロ−チャ−トであり、「調整モ−ド」
で図10の(b)又は(c)に2点鎖線矢印で示す走行
駆動を行なう部分の残りの部分を示す。
【図20】 図8に示す走行コントロ−ラ91の制御動
作の一部を示すフロ−チャ−トであり、「調整モ−ド」
で図10の(d)に2点鎖線矢印で示す走行駆動を行な
う部分を示す。
【図21】 図8に示す走行コントロ−ラ91の制御動
作の一部を示すフロ−チャ−トであり、「調整モ−ド」
で図10の(e)又は(f)に2点鎖線矢印で示す走行
駆動を行なう部分の一部を示す。
【図22】 図8に示す走行コントロ−ラ91の制御動
作の一部を示すフロ−チャ−トであり、「調整モ−ド」
で図10の(e)又は(f)に2点鎖線矢印で示す走行
駆動を行なう部分の残りの部分を示す。
【図23】 図8に示す走行コントロ−ラ91の制御動
作の一部を示すフロ−チャ−トであり、「溶接モ−ド」
で図10の(a)に2点鎖線矢印で示す走行駆動を行な
う部分を示す。
【図24】 図8に示す走行コントロ−ラ91の制御動
作の一部を示すフロ−チャ−トであり、「溶接モ−ド」
で図10の(b)又は(c)に2点鎖線矢印で示す走行
駆動を行なう部分の一部を示す。
【図25】 図8に示す走行コントロ−ラ91の制御動
作の一部を示すフロ−チャ−トであり、「溶接モ−ド」
で図10の(b)又は(c)に2点鎖線矢印で示す走行
駆動を行なう部分の残りの部分を示す。
【図26】 図8に示す走行コントロ−ラ91の制御動
作の一部を示すフロ−チャ−トであり、「溶接モ−ド」
で図10の(d)に2点鎖線矢印で示す走行駆動を行な
う部分を示す。
【図27】 図8に示す走行コントロ−ラ91の制御動
作の一部を示すフロ−チャ−トであり、「溶接モ−ド」
で図10の(e)又は(f)に2点鎖線矢印で示す走行
駆動を行なう部分の一部を示す。
【図28】 図8に示す走行コントロ−ラ91の制御動
作の一部を示すフロ−チャ−トであり、「溶接モ−ド」
で図10の(e)又は(f)に2点鎖線矢印で示す走行
駆動を行なう部分の残りの部分を示す。
【符号の説明】
1:台車 2f,2r:軸ピン 3f,3r:支持脚 4fr,4fL,4
rr,4rL:車輪 5f,5r:歯付プ−リ WH:水平板 6:リンクア−ム 7:ガイドア−ム 8a:L形ア−ム 8b:摘子 1Df,1Db:ノッチ 9:ロ−タリエンコ
−ダ 10:電気モ−タ 11:倣い板 12:ロ−ラガイド溝 13:ギア板 14:ギア列 15:ロ−ラガイド
溝 16fr,16fL,16rr,16rL:ロ−ラ 17:旋回板 21:ギア支持枠 22:第1回転軸体 23:第1歯車 24:第2歯車 25:ウォ−ムホィ
−ル 26:ウォ−ム 27,28:傘歯車 29:減速機 30:電気モ−タ 31:第3歯車 32:第2回転軸体 33:ナット部材 34:ねじ棒 35:摘子 36:ト−チホルダ 37:溶接ト−チ 41f,41b:倣
いロ−ラ 42f,42b:突出しア−ム WVP,FEP,B
EP:縦板 SAf,SAb:感圧スイッチ SDf,SDb:方向指示検出スイッチ SLf,SLb:走行限界検出スイッチ SRhf,SRhb:基準位置検出スイッチ SRf,SRb:旋回限界検出スイッチ 50:操作/表示ボ−ド 51〜60:スイッ
チ 61〜81:表示灯 82:オアゲ−ト 90,92:入出力インタ−フェ−ス 91:走行コントロ−ラ 93,96:モ−タ
ドライバ 94,97:方向判別回路 95:ポテンショメ
−タ 98:速度補正回路 99:溶接コントロ
−ラ INV:反転回路 CON:アップダウ
ンカウンタ DAC:D/Aコンバ−タ GAM:可変ゲイン
増幅器 AAM:加算器 COR:ポテンショ
メ−タ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−174281(JP,A) 特開 昭64−15286(JP,A) 特開 昭51−59047(JP,A) 特開 昭51−78748(JP,A) 実開 昭59−157794(JP,U) 実開 昭64−10369(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/127 B23K 9/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基台;基台に固定され、弧状に分布する噛
    合い歯を有するギア手段;ギア手段の歯に噛合う第1歯
    車;第1歯車を回転自在に支持する歯車支持部材;歯車
    支持部材をギア手段の噛合い歯の配列に沿って移動自在
    に支持する旋回支持手段;第1歯車の回転軸と平行な軸
    を中心として、歯車支持部材に対して回転自在のト−チ
    支持軸;および、 第1歯車およびト−チ支持軸を、ト−チ支持軸の回転が
    第1歯車の回転による歯車支持部材の旋回の角速度の2
    倍の角速度となる関係で回転駆動する、回転駆動手段;
    を備えるト−チ駆動装置。
  2. 【請求項2】回転駆動手段は、第1歯車に固着された回
    転軸に固着された小径の歯車、および、この小径の歯車
    に噛合う、ト−チ支持軸に固着された大径の歯車を含
    み、旋回支持手段は、ギア手段の噛合い歯の弧状の配列
    と同心の弧状に延びる、基台の上面に対して起立した壁
    体,ギア手段の噛合い歯の弧状の配列と同心の弧状に延
    びる、該壁体に刻まれたロ−ラ案内溝、および、歯車支
    持部材に回転自在に支持され該ロ−ラ案内溝に係合する
    ロ−ラを含む、請求項1記載のト−チ駆動装置。
  3. 【請求項3】基台; 基台をy方向に移動駆動するための基台駆動手段; 基台に固定され、弧状に分布する噛合い歯を有するギア
    手段; ギア手段の歯に噛合う第1歯車; 第1歯車を回転自在に支持する歯車支持部材; 歯車支持部材をギア手段の噛合い歯の配列に沿って移動
    自在に支持する旋回支持手段; 第1歯車の回転軸と平行な軸を中心として、歯車支持部
    材に対して回転自在のト−チ支持軸; 第1歯車およびト−チ支持軸を、ト−チ支持軸の回転が
    第1歯車の回転による歯車支持部材の旋回の角速度の2
    倍の角速度となる関係で回転駆動する、回転駆動手段; 基台駆動手段にy方向移動速度Vyを指示する手段; ギア手段の弧状に分布する噛合い歯の配列に沿った歯車
    支持部材の移動軌跡上の基準位置に歯車支持部材がある
    ときのト−チ支持軸の回転中心と前記噛合い歯の配列に
    沿った歯車支持部材の旋回の中心線とを結ぶ直線からの
    歯車支持部材の旋回角θを検出する旋回角検出手段; この旋回角θとy方向移動速度Vyに対応した移動速度
    Vr=Vy/(2cosθ)を算出して回転駆動手段に速度指
    示値として与える速度補正手段;および、前記基台駆動手段および回転駆動手段の駆動/停止を制
    御するための制御手段; を備えるト−チ駆動装置。
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