JP3199038B2 - Atmセルのパイプラインによる処理方法及び装置 - Google Patents

Atmセルのパイプラインによる処理方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ATMセルの処理
システムに関し、特にATMセルのパイプライン処理装
置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ATM(Asynchronous Transfer Mod
e;非同期転送モード)セルに対する処理として、従来
より、パイプライン処理方式が知られている。パイプラ
イン処理は、一連の処理(部分処理)を、複数段のパイ
プラインステージに分割して行うことにより、処理効率
(スループット)の向上を図るものである。
【0003】なお、パイプライン構成する複数のプロセ
ッサの負荷を分散し、パイプライン構成の処理速度を最
大限引き出すようにした方式として、例えば特開平1−
295335号公報等の記載が参照される。同公報に開
示されているパイプライン処理方式について、図5を参
照して説明すると、n段のパイプラインを構成している
n個のプロセッサ11−1〜11−nにおいて一連の処
理を行う。各プロセッサは、部分処理10−1〜10−
nを行い、現在のデータの処理(部分処理)が次のプロ
セッサに移るときに、その一つ後のデータの処理(部分
処理)を行っていく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなパイプライン処理方式を用いて、入力したATMセ
ルの処理を行う場合、次のような問題点がある。
【0005】第一の問題点は、ハードウェア回路の回路
規模が増大する場合がある、ということである。
【0006】その理由は、パイプライン処理方式でAT
Mセルの処理を行う場合には、実時間処理と非実時間処
理との区別がなく、どちらの処理もパイプライン処理で
行っているため、必ずしもリアルタイムでの高速処理を
行う必要のない非実時間処理までも、パイプライン処理
され、このため、非実時間処理の量が多い場合であって
も、高速化には、パイプラインの段数を増やすことで対
応する他ないためである。
【0007】第二の問題点は、ATMセルの処理効率の
低下を招く場合がある、ということである。
【0008】その理由は、パイプラインの段数が増えた
場合、入力されたATMセルのパイプライン通過に要す
る処理遅延が増大するためである。
【0009】したがって、本発明は、上記問題点に鑑み
てなされたものであって、その目的は、ハードウエア規
模の増大を抑止低減するとともにATMセルの処理効率
の向上を図るパイプライン処理システムを提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明のATMセルのパイプライン処理方法は、入力ATM
セルの処理を、ATMセルのヘッダ情報及びコネクショ
ン設定情報によりセル種別に基づき判別し、所定時間内
に処理を行う必要がある実時間処理と、所定時間内に処
理を行う必要のない非実時間処理とに分割し、前記入力
されたATMセルに対する処理のうち、前記非実時間処
理は、パイプライン構成による実時間処理から外して実
行し、実時間処理についてだけパイプライン処理する、
ようにしたことを特徴としたものである。
【0011】また、本発明は、複数段のパイプライン構
成の実時間処理手段を備えたATMセルのパイプライン
処理装置であって、入力されたATMセルに対する処理
について、前記ATMセルのヘッダ情報及びコネクショ
ン設定情報からセル種別に基づき、非実時間処理を含む
か否か判別する手段と、前記入力されたATMセルに対
する処理が非実時間処理を含むと判定された場合、前記
ATMセルについて非実時間処理に関するデータを先入
れ先出し型記憶装置(FIFO;First In First Ou
t)に書き込み、一方、前記入力されたATMセルに対
する処理が非実時間処理を含まないと判定された場合、
前記ATMセルのデータをパイプライン構成の前記実時
間処理手段の初段に供給する手段と、前記先入れ先出し
型記憶装置にデータが蓄積状態にあるときこれを読み出
し、該データについて非実時間処理を行う手段と、を含
む。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
する。本発明の実施の形態は、図1を参照すると、セル
種別判定部(1)において、入力されたATMセルにつ
いて、そのヘッダ情報と、外部から設定されたコネクシ
ョン設定情報(VP(仮想パス)コネクション、VC
(仮想チャネル)コネクション、終端点情報等)を記憶
するコネクション設定情報部8の情報により、セル種別
(ユーザセル、OAM(Operation and Maintenanc
e)セル等)を判定する。
【0013】セル種別を判定されたデータは、次段の処
理判定部(2)に供給され、処理判定部(2)では、セ
ル種別情報により、入力したATMセルの処理が非実時
間処理を含むか否か判別する。
【0014】入力したATMセルの処理が、非実時間処
理を含まない場合には、処理判定部(2)から実時間処
理部(3−1)にデータが転送され、n段のパイプライ
ンを構成する実時間処理部(3−1〜3−n)にて、処
理周期T時間ずつの処理を行う。実時間処理制御部
(4)は、n段のパイプラインを構成する実時間処理部
(3−1〜3−n)の状態遷移を管理する。
【0015】一方、入力ATMセルの処理が非実時間処
理を含む場合には、実時間処理とともに、非実時間処理
も行う。非実時間処理を行う場合、処理判定部(2)
は、非実時間処理転送用FIFO(First In First
Out;先入れ先出し型記憶装置)(5)に対し、処理に必
要なデータのコピー(書き込み)を行う。
【0016】非実時間処理制御部(7)は、非実時間処
理転送用FIFO(5)のデータ蓄積状態をチェック
し、データが蓄積されていれば、そのデータを読み出し
て非実時間処理部(6)に転送する。
【0017】非実時間処理部(6)は転送されたデータ
を基に非実時間処理を行う。非実時間処理部(6)での
処理開始と終了は非実時間処理制御部(7)により管理
されており、非実時間処理部(6)で処理が終了した
ら、非実時間処理制御部(7)は、非実時間処理転送用
FIFO(5)のチェックを行い、データが蓄積状態で
あれば、次の非実時間処理の制御を行う。
【0018】非実時間処理転送用FIFO(5)におい
てデータが蓄積状態でなければ(空であれば)、非実時
間処理制御部7は、データが蓄積状態になるまで、非実
時間処理転送用FIFO(5)の監視を続け、その間
は、非実時間処理部(6)は待ち状態となる。以下実施
例に即して詳説する。
【0019】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の構成を示す図で
ある。図1を参照すると、本発明の一実施例は、セル種
別判定部1と、処理判定部2と、実時間処理部3−1〜
3−nと、実時間処理制御部4と、非実時間処理転送用
FIFO5と、非実時間処理部6と、非実時間処理制御
部7と、コネクション設定情報部(記憶部)8とを備え
て構成されている。
【0020】セル種別判定部1は、外部から入力される
ATMセルの種別をATMセルのヘッダ情報およびコネ
クション設定情報部8からのコネクション設定情報によ
り、セル種別を判定し、判定結果データは、次段の処理
判定部2に出力される。
【0021】処理判定部2は、入力されたATMセルの
種別によって、ATMセルの処理が、非実時間処理を含
むか否かを判定し、その判定結果に応じて、実時間処理
部3−1や非実時間処理転送用FIFO5にデータを書
き込む。
【0022】実時間処理部3−1は、実時間処理と判定
されたATMセルに対して、実時間処理を行うn段のパ
イプラインを構成する実時間処理部3−1〜3−nを備
えている。パイプラインでの各処理は実時間処理制御部
4で管理される。実時間処理部3−nは、パイプライン
処理の最終段の回路ブロックであり、ここで処理が終了
したATMセルは、外部へ出力される。
【0023】非実時間処理転送用FIFO5は、非実時
間処理が必要なデータを一時蓄積するためのFIFOバ
ッファであり、非実時間処理制御部7がデータの蓄積状
態を監視制御する。
【0024】非実時間処理部6は、処理判定部2で非実
時間処理と判定されたATMセルの非実時間処理を行
い、非実時間処理制御部7により非実時間処理転送用F
IFO5から処理データが転送され、そのデータに対す
る非実時間処理を行う。非実時間処理部の処理開始/終
了は非実時間処理制御部7で管理する。
【0025】本発明の一実施例の動作について説明す
る。入力されたATMセルは、セル種別判定部1におい
て入力セルのヘッダ情報、および外部から設定されたコ
ネクション設定情報(VPコネクション、VCコネクシ
ョン、終端点情報等)を収容するコネクション設定情報
部8からの情報により、セル種別が判定される。
【0026】セル種別が判定されたデータは、次段の処
理判定部2において実時間処理と非実時間処理を含むA
TMセルか実時間処理だけが必要なATMセルか判定さ
れる。実時間処理は、実時間処理制御部4の制御のも
と、実時間処理部3−1〜3−nのn段のパイプライン
にて処理周期T時間ずつの処理を行い、処理終了後に外
部に出力される。
【0027】処理判定部2において、非実時間処理を含
むATMセルと判定された場合には、非実時間処理転送
用FIFO5にデータを転送し、非実時間処理制御部7
は、非実時間処理転送用FIFO5に処理対象のデータ
が存在する場合、データを読み出して非実時間処理部6
に転送し、その処理を管理する。
【0028】非実時間処理制御部6は、入力されたAT
Mセルに対して非実時間処理を行う。非実時間処理部6
での処理開始と終了は非実時間処理制御部7において管
理されており、非実時間処理部6での処理が終了した
ら、非実時間処理制御部7は、非実時間処理転送用FI
FO5のチェックを行い、データが蓄積状態であれば次
の非実時間処理の制御を行う。一方、非実時間処理転送
用FIFO5にデータが蓄積状態でなければデータが蓄
積状態になるまで、非実時間処理制御部7は非実時間処
理転送用FIFO5の監視を続け、その間、非実時間処
理部6は待ち状態となる。なお、非実時間処理として、
例えばATMレイヤのOAM機能に対応する処理(警報
セル受信時の警報送出処理、ループバックセルの折り返
し)等があり、実時間処理としては、ATMセルの仮想
パス又はセグメントの終端点での廃棄処理等がある。
【0029】図4は、本発明の一実施例における処理の
時間経過を示す図である。なお、図4には、比較例とし
て従来のパイプライン処理の時間経過も示してある。
【0030】パイプライン処理の処理周期をTとし、パ
ラメータチェックに2T、実時間処理に2T、非実時間
処理に4T、データ出力処理にTの各処理時間が必要と
した場合、図4(a)に示すように、従来のパイプライ
ン処理においては、データ出力までの処理に、9T時間
かけてパイプライン上で全て行う必要がある。
【0031】これに対して、本発明の一実施例では、前
述したように、所定時間内に終了させる必要がない処理
を、パイプラインから外して処理を行うため、図4
(b)に示すように、5T時間でデータ出力処理までを
完了し、非実時間処理を含めた場合でも、図4(c)に
示すように6T時間で完了する。このように、本発明
は、従来のパイプライン方式と比較して、処理効率を特
段に向上することができる。
【0032】次に本発明の第2の実施例について説明す
る。図2は、本発明の第2の実施例の構成を示す図であ
る。図2を参照すると、本発明の第2の実施例は、図1
に示した前記実施例の非実時間処理転送用FIFOを複
数備えている。
【0033】本発明の第2の実施例では、入力されるA
TMセルの非実時間処理の優先順位を定めておき、優先
順位毎に、非実時間処理転送用FIFO5−1〜5−3
を割り当てる。処理判定部2では、非実時間処理の有無
とともにその優先度の判定も行い、書き込み先の非実時
間処理転送用FIFOを決定し、データの書き込みを行
う。非実時間処理制御部7は、優先度に従って非実時間
処理転送用FIFOの監視を行い、非実時間処理を行う
データの決定処理を行う。
【0034】次に本発明の第3の実施例について説明す
る。図3は、本発明の第3の実施例の構成を示す図であ
る。図3を参照すると、本発明の第3の実施例において
は、非実時間処理制御部7から実時間制御部3−nに対
してデータ転送を行う構成とされている。
【0035】本発明の第3の実施例は、非実時間処理の
結果を、ATMセル出力に反映させたい場合などに用い
ることができる。すなわち、非実時間処理部6の処理結
果は、非実時間処理制御部7を介してパイプラインの最
終段の実時間処理部3−nに転送され、該処理結果に基
づき、ATMセルの情報が設定される。
【0036】上記実施例に即して説明した本発明は、例
えばATM交換機、ATM伝送装置等、ATMセルを入
力して処理を行い、ATMセルを出力する各種装置に適
用することができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば下
記記載の効果を奏する。
【0038】本発明の第1の効果は、回路規模を削減す
ることができる、ということである。
【0039】その理由は、本発明においては、非実時間
処理を、パイプライン処理から外し、非実時間処理部で
処理することにより、実時間処理部のパイプライン数を
削減する、ためである。
【0040】本発明の第2の効果は、入力されたATM
セルに対する処理を効率化及び高速化する、ということ
である。
【0041】その理由は、入力されたATMセルに対す
る処理を実時間処理と非実時間処理に分割し、非実時間
処理はパイプライン処理から外して実行するために、処
理後のATMセル出力までの処理が、従来よりも、短時
間で行うことができる、ためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施例の構成を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施例の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施例の動作を、従来の構成と比較し
て説明するための図である。
【図5】従来のパイプライン処理方式の構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 セル種別判定部 2 処理判定部 3−1〜3−n 実時間処理部 4 実時間処理制御部 5 非実時間処理転送用FIFO 6 非実時間処理部 7 非実時間処理制御部 8 コネクション設定情報記憶部 10−1〜10−n 部分処理 11−1〜11−n プロセッサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 12/28

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力されたATMセルの処理を、ATMセ
    ルのヘッダ情報及びコネクション設定情報によりセル種
    別に基づき判別し、所定期間内に処理を行う必要がある
    実時間処理と、所定時間内に処理を行う必要のない非実
    時間処理とに分割し、前記入力されたATMセルに対す
    る処理のうち、前記非実時間処理は、パイプライン構成
    による実時間処理から外して実行し、実時間処理につい
    てだけパイプライン処理する、ようにしたことを特徴と
    するATMセルのパイプラインによる処理方法。
  2. 【請求項2】入力されたATMセルの処理を、該ATM
    セルのヘッダ情報及びコネクション設定情報によりセル
    種別に基づき判別し、所定時間内に処理を行う必要があ
    る実時間処理と、所定期間内に処理を行う必要のない非
    実時間処理とに分割する手段と、 前記入力されたATMセルに対する処理のうち、分割さ
    れた前記非実時間処理は、パイプライン構成による実時
    間処理から外して、非実時間処理手段で実行し、 前記入力されたATMセルに対する処理のうち前記実時
    間処理についてだけ、複数段のパイプライン構成の実時
    間処理手段で実行する、ことを特徴とするATMセルの
    パイプラインによる処理システム。
  3. 【請求項3】複数の処理手段が縦続形態に接続されパイ
    プラインを構成する実時間処理手段を備えたATMセル
    のパイプライン処理装置であって、 入力されたATMセルに対する処理について、前記AT
    Mセルのヘッダ情報及びコネクション設定情報からセル
    種別を判定し、非実時間処理を含むか否か判別する手段
    と、 前記入力されたATMセルに対する処理が非実時間処理
    を含むと判定された場合、前記ATMセルについて非実
    時間処理に関するデータを先入れ先出し型記憶装置に書
    き込み、一方、前記入力されたATMセルに対する処理
    が非実時間処理を含まないと判定された場合、前記AT
    Mセルのデータをパイプライン構成の前記実時間処理手
    段の初段の処理手段に供給することで、前記ATMに対
    する処理を振り分ける手段と、 前記先入れ先出し型記憶装置を監視し、前記先入れ先出
    し型記憶装置にデータが蓄積状態にあるときにこれを読
    み出し、該データについて非実時間処理を行う手段と、 を含むことを特徴とするATMセルのパイプライン処理
    装置。
  4. 【請求項4】複数の処理手段が縦続形態に接続されパイ
    プラインを構成する実時間処理手段を備えたATMセル
    のパイプライン処理装置であって、 前記ATMセルの非実時間処理には、優先順位を予め割
    り当てておき、 非実時間処理用の先入れ先出し型記憶装置を複数並設
    し、前記複数の先入れ先出し型記憶装置には優先順位が
    割り当てられ、 入力されたATMセルに対する処理について、前記AT
    Mセルのヘッダ情報及びコネクション設定情報からセル
    種別を判定し、非実時間処理を含むか否か判別する手段
    と、 前記入力されたATMセルに対する処理が非実時間処理
    を含むと判定された場合、前記ATMセルについて非実
    時間処理について優先順位を判定し、該非実時間処理の
    データを前記優先順位に対応した先入れ先出し型記憶装
    置に書き込み、一方、前記入力されたATMセルに対す
    る処理が非実時間処理を含まないと判定された場合、前
    記ATMセルのデータをパイプライン構成の前記実時間
    処理手段の初段の処理手段に供給することで、前記AT
    Mセルに対する処理を振り分ける手段と、 前記複数の先入れ先出し型記憶装置を優先順位にしたが
    って監視し前記先入れ先出し型記憶装置においてデータ
    が蓄積状態にあるとき、非実時間処理を行なうデータを
    決定する手段と、 前記決定されたデータを前記先入れ先出し型記憶装置か
    ら読み出して非実時間処理を行う手段と、 を備えたことを特徴とするATMセルのパイプライン処
    理装置。
  5. 【請求項5】前記非実時間処理を行う手段の処理結果
    を、前記パイプライン構成の前記実時間処理手段の最終
    段の処理手段に供給する、ように構成されてなることを
    特徴とする請求項3又は4記載のATMセルのパイプラ
    イン処理装置。
  6. 【請求項6】前記パイプライン構成の前記実時間処理手
    段の最終段の処理手段からATMセルが出力される請求
    項3乃至5のいずれか一に記載のATMセルのパイプラ
    イン処理装置。
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