JP3198972U - 搬送装置とそれを使用した組合せ計量装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一つの搬送装置で大小様々な物品を搬送することのできる搬送装置とそれを搭載した組合せ計量装置を提供する。【解決手段】搬送装置3は、大きさの異なる少なくとも2種類の物品を搬送することのできる搬送トラフと、搬送トラフを振動させて、トラフ上の物品を搬送させる振動機構32とを備える。搬送トラフは、横断面形状がW字状に形成され、W字状を形成する2つのV字溝がそれぞれのV字溝内に小さい種類の物品を留めておく深さを有する。また、それぞれのV字溝の外側壁は、両V字溝を跨ぐ大きさの物品を両外側壁内に留めておく高さを有する。組合せ計量装置100は、複数の計量ホッパWHa、WHbと、各計量ホッパに物品を個別に供給する上記搬送装置と、各計量ホッパに供給された物品の計量値に基づいて最適な組合せを求める制御部とを備える。【選択図】図1
Description
本考案は、工業的に量産される各種サイズの成形部品を搬送することのできる搬送装置と、それを搭載した組合せ計量装置に関する。
工業的に量産された同一形状の成形部品(以下、物品という)を一定量(一定の質量又は一定の個数)に計量する場合は、通常、組合せ計量装置が用いられる。この組合せ計量装置は、多数の物品を複数の経路に小分けした後、各経路の先端下部に設けた計量ホッパで物品を計量し、得られた各計量値(質量又はそれを単体質量で除算して得られる個数)を組合せて最適組合せを選択し、選択された最適組合せに係る計量ホッパから物品を排出収集することによって、一定量の物品を得るようにしたものである。
こうした組合せ計量装置において、小分けされた物品の搬送装置としては、例えば、下記特許文献に記載のものが知られている。特許文献1に記載のものは、搬送トラフの底面をV字溝に成形したものである。このタイプの搬送装置では、搬送される物品を中央のV字溝に集めて整列させることができるから、特に、細長い物品を整列搬送させる場合に適する。また、特許文献2に記載のものは、これとは逆に、搬送トラフの底面中央を山形に盛り上げたもので、特に扁平なものを拡散させながら搬送する場合に適する。
このように、従来の搬送装置は、物品の形状や大きさに合わせて搬送トラフを設計していたので、同一の組合せ計量装置の下で、形状やサイズの異なる物品をロット単位で切り替えて計量する場合は、それぞれに合った搬送装置と交換しなければならない煩わしさがあった。
本考案は、この問題を解決したもので、一つの搬送装置で大小様々な物品を搬送することのできる搬送装置と、それを搭載した組合せ計量装置を提供することを課題とする。
本考案に係る搬送装置は、大きさの異なる少なくとも2種類の物品を搬送することのできる搬送トラフと、該搬送トラフを振動させて、該トラフ上の物品を搬送させる振動機構とを備え、前記搬送トラフの搬送方向と直交する方向の横断面形状がW字状に形成され、そのW字状を形成する2つのV字溝が、それぞれのV字溝内に小さい種類の物品を留めておく深さに形成され、かつ、それぞれのV字溝の外側壁が、両V字溝を跨ぐ大きさの物品を両外側壁内に留めておく高さに形成されていることを特徴とする。
ここで扱う物品は、例えば、樹脂製容器に採血針が組み込まれた小さな成形部品と、注射器サイズの樹脂製の採血器具であるが、本考案で搬送する物品は、これらには限定されない。
前者の小さい物品を搬送トラフに供給すると、各物品は、2つのV字溝に留まって搬送されるから、小さい物品に対しては、搬送トラフは、2条の搬送路となる。これに対し、大きい物品は、横並び状態では、片方のV字溝しか収まらないように設計されているから大きい物品に対しては、搬送トラフが一条の搬送路となる。したがって、これらの物品を切り替えて搬送する場合でも、この搬送トラフだけで搬送することが可能になる。
ところで、この搬送装置を、組合せ計量装置の各ホッパへ物品を供給するための供給装置として組み込むときは、この搬送装置からホッパへの物品供給量を所定量に絞り込む必要がある。
そこで、本考案に係る搬送装置は、さらに前記物品を前記搬送トラフに供給する供給フィーダと、該供給フィーダから排出される物品を前記搬送トラフの片方のV字溝側に偏らせて供給する傾斜シュートとを備えたことを特徴とする。
これにより、搬送トラフに供給された物品は、片方のV字溝に偏って供給されるから、片方のV字溝がメイン搬送路となる。また、そこから溢れ出た物品は、他方のV字溝に流れ込んで搬送されるから、他方のV字溝がサブ搬送路となる。したがって、メイン搬送路からの物品供給量を加減するだけで、搬送トラフからの供給量を適正な範囲に制御することができるから、組合せ計量装置に使用することができる。また、メイン搬送路の物品堆積量が粗密になると、そこからの物品供給が途切れることがあるが、そうした場合でも、サブ搬送路がそれを補うように物品を供給するから、搬送トラフからの物品供給量を安定させることができる。
さらに、本考案に係る搬送装置は、前記搬送トラフの始端部に、前記傾斜シュートから供給された物品を受け取って前記V字溝へ排出する床が設けられ、該床から排出される物品が前記片方のV字溝側に先行して排出されるように、前記床の排出エッジが、前記V字溝を斜めに横断する方向に形成されていることを特徴とする。
これにより、床に供給された物品をメイン搬送路側に多く供給しながら、残った一部の物品をサブ搬送路に供給することができるから、メイン搬送路からの物品供給量をコントロールするだけ、搬送トラフからの物品供給量を安定させることができる。
また、本考案に係る組合せ計量装置は、複数の計量ホッパと、各計量ホッパに物品を個別に供給する搬送装置と、各計量ホッパに供給された物品の計量値に基づいて最適な組合せを求める制御部とを備えた組合せ計量装置であって、前記搬送装置として前述の搬送装置を用いることを特徴とする。
これにより、小さい物品や大きい物品であっても、それらを複数のホッパに適量ずつ供給することができるから、各ホッパに供給された物品の質量に基づいて所定質量の最適組合せを求めたり、その質量を単体質量で除算することによって、所定個数の最適組合せを求めたりすることができる。したがって、小さい物品や大きい物品を所定個数にして袋詰めにする場合でも、この組合せ計量装置を使用することによって可能となる。
また、本考案に係る組合せ計量装置において、複数の前記計量ホッパとそれらに対応させた前記搬送装置とが、放射状に、或いは、一方向に横並びに配列されていることを特徴とする。
複数の搬送装置を放射状に配列する場合は、中央の分散フィーダを取り囲むように、それらを分散フィーダの周囲に放射状に配列して分散フィーダから各搬送装置に物品を供給するように構成する。また、一方向に横並びに配列する場合は、物品を溜め込んだホッパから直接複数の供給トラフ上に物品を排出し、それらの供給トラフを介して各搬送装置へ物品を供給するように構成する。
これにより、工場のレイアウトに応じて搬送装置を円形に配列した組合せ計量装置や一方向に配列した組合せ計量装置を選択することができる。
本考案によれば、一つの搬送装置で大きな物品から小さな物品までを整列搬送することができるから、物品に応じた搬送トラフの交換が不要となる。したがって、今まで以上に安価な搬送装置とそれを搭載した安価な組合せ計量装置を市場に提供することができる。また、搬送装置を物品に応じて交換する必要がないから、サイズの異なる物品をロット単位で切り替える場合でも、リードタイムを短縮させることができる。
以下、図面を参照しながら、本考案の一実施形態を説明する。なお、以下に示す実施形態は、本考案の技術的範囲を限定するものではない。
図1は、複数の搬送装置を一方向に横並びに配列した組合せ計量装置の一実施形態に係る装置側面図であり、図2は、その装置の、特に搬送装置の配置構成を示した平面図である。
これらの図において、組合せ計量装置100は、物品を蓄えるチャージホッパCHと、チャージホッパCHから排出される物品を下流へ送り出す8基の供給フィーダ1と、各供給フィーダ1から排出される物品を一方向に偏らせる8個の傾斜シュート2と、各傾斜シュート2から滑落してきた物品を下流へと搬送する8基の搬送装置3と、各搬送装置3から排出された物品を受け取って排出する8個のプールホッパPHと、プールホッパPHから排出された物品を受け取って計量する8対の計量ホッパWHとを備えている。
供給フィーダ1、傾斜シュート2、搬送装置3、プールホッパPH、計量ホッパWHの各々は、紙面と直交する方向に横並びに8列配列されているが、チャージホッパCHは、各供給フィーダ1に跨る一つのホッパとして構成されている。ただし、8列は一例であって、その数は、必要に応じて増減される。また、図2では、供給フィーダ1、傾斜シュート2、搬送装置3の配列状態を示しているが、チャージホッパCH、プールホッパPH,計量ホッパWH等は、省略している。
チャージホッパCHは、8列の各供給フィーダ1に被さる大きさのホッパであって、その上面は開放され、底面には、各供給フィーダ1に臨む8個の排出口が形成されている。そして、チャージホッパCHに投入された物品は、底面の各排出口から供給フィーダ1上に供給される。そして、供給フィーダ1の振動によって物品が下流側へ搬送されると、供給フィーダ1上の空いた空間を埋めるように、チャージホッパCHの排出口から物品が排出される。
供給フィーダ1は、供給トラフ11と、それを長手方向に沿って斜め上下方向に振動させる周知構成の電磁式振動機構12とを備え、該振動機構12が振動することにより、供給トラフ11上の物品を搬送装置3側へ搬送するように構成されている。
供給トラフ11は、三方が側壁に囲まれた樋状のもので、長手方向に伸びる両側壁は、図2に示すように、一方の側壁13上部が、他方の供給トラフ11の側壁14に覆いかぶさって、隣り合う供給トラフ11間から物品が零れ落ちないようになっている。また、両側壁13、14の先端部は、先端に行く程、高さが漸次低くなるように形成されている。
傾斜シュート2は、供給フィーダ1から排出される物品を搬送装置3の一方のV字溝34aへ寄せるもので、搬送方向に伸びる両側壁21、22と、それらと繋がって一方の側壁22から下り傾斜に伸びるシュート23とで構成されており、そのシュート23で物品を片方の側壁21側へ寄せるように形成されている。
図2において、各搬送装置3の始端部に配置される傾斜シュート2は、図示しないブラケットに一体的に連結されて、供給トラフ1の先端部と搬送装置3とに接触しないように図示しない装置フレームに取り付けられている。また、傾斜シュート2の前方上方には、物品の堆積量を検出する反射型の光センサ15(図1参照)が取り付けられ、そのセンサ15が検出した堆積量に基づいて、上流側の供給フィーダ1がON/OFF制御されるように構成されている。
搬送装置3は、搬送トラフ31と、それを長手方向に沿って斜め上下方向に振動させる周知構成の電磁式振動機構32とを備え、該振動機構32が振動することにより、搬送トラフ31上の物品がプールホッパPH側へ搬送されるようになっている。
図3は搬送トラフ31の平面図、図4はその側面図、図5はその正面図、図6は図4の矢印方向から見たB−B断面図を示す。これらの図において、搬送トラフ31は、三方が側壁に囲まれた樋状のもので、搬送方向と直交する方向の横断面形状が、図5のようにW字状に形成され、そのW字状の2つのV字溝33a、33bがそれぞれのV字溝33a、33b内に小さい種類の物品Sを留めておく深さdに形成され、かつ、それぞれの外側壁34a、34bが、両V字溝33a、33bを跨ぐような大きさの物品L(図6参照)を両外側壁34a、34b内に留めておく高さhに形成されている。
また、各外側壁34a、34bは、図3、図5、図6に示すように、先端に行く程、幅が狭くなり、かつ、その傾斜角度が次第に急峻となるように立ち上げられている。図3〜図5に示す符号35a、35bは、その折り曲げ部分を示す。これにより、始端部において広がった物品は、先端部に搬送されるに連れて次第にW字状の外側壁34a、34bの傾斜角度が急峻になることから、各V字溝33a、33b内で搬送される物品は、先端部に進むに連れて次第に一列縦隊となっていく。
さらに、搬送トラフ31の始端部には、傾斜シュート2から供給される物品を受け取って排出する床36が設けられ、その床36から排出される物品が一方のV字溝33a側に先行して排出されるように、その床36の排出エッジ36eが、各V字溝33a、33bを斜めに横断する方向に形成されている。
また、その始端部の搬送トラフ31の底面側には、補強板37が取り付けられ、その補強板37の下面に振動機構32と連結されるフランジ付きプレート38が取り付けられている。このプレート38は、搬送方向に長い長円形をしており、そのプレート38を振動機構32のフランジ付きプレート上に設置して、上下に合わさったフランジを上下から挟んで締め付ける締め付けバンドで強固に連結されるようになっている。この締め付けバンドとしては、例えば、特許第3485630号公報に開示されたものを使用することができる。
プールホッパPHは、両開き式の開閉ゲートを備えた周知構成のもので、この実施形態では、対向する一対の開閉ゲートが紙面に向かって左右方向に独立して開閉するようになっている。また、その下方には、一対の計量ホッパWHが設けられて、それぞれの計量ホッパWHに供給された物品の質量を計測して、後述の制御部4に出力するようになっている。したがって、この実施形態では、上方のプールホッパPHと、その下方に配置された左右一対の計量ホッパWHa、WHbとが、それぞれ紙面と直交する方向に8列で横並びに配置されている。
図7は、上記実施形態の制御系の構成ブロック図の一例を示す。この図において、制御部4は、コンピュータで構成され、横並びに配置された各列の光センサ15、供給フィーダ1、搬送装置3、プールホッパPH、計量ホッパWHa、WHb、操作ユニット41と電気的に接続されている。
制御部4は、光センサ15から物品の堆積量を入力し、入力した堆積量に応じて対応する供給フィーダ1をON/OFF制御する。また、計量ホッパWHa、WHbからは、計量値を入力し、入力した各計量値を組合せて最適な組合せを選択する。また、計量ホッパWHa、WHb毎の計量値の平均値を算出し、その平均値に基づいて、対応する搬送装置3の搬送力を調整する。すなわち、毎回の供給量が最適値となるように、振動機構32の振動時間と振動強度を調整する。さらに、一方の計量ホッパWHa(WHb)のゲートを開閉させて物品を排出させると、それと対応する側のプールホッパPHのゲートを開閉させる。
操作ユニット41は、タッチパネル機能を備えた入出力装置で構成され、それを操作することにより、組合せ計量装置100に対する各種の設定操作や運転開始、停止等の操作ができるようになっている。こうした組合せ計量装置の構成は、公知であるため、ここでは、それらの詳細な説明は省略する。
次に、この実施形態に係る組合せ計量装置100を使用して、小さい種類の物品を一定量に計量する場合について説明する。
まず、チャージホッパCHに小さい種類の物品を投入して、組合せ計量装置100を駆動させる。すると、制御部4は、最初に各計量ホッパWHa、Whbの計量値を入力し、それが所定値以下であると、それらの計量ホッパは空であると認識して、空の計量ホッパに対応するプールホッパPHを駆動させる。続いて、それに対応する搬送装置3と供給フィーダ1を駆動させる。すると、プールホッパPHの対応するゲートが開閉し、続いて、対応する搬送装置3と供給フィーダ1が所定時間振動して、チャージホッパCHから排出された物品が下流側へと搬送される。しかし、運転開始直後は、プールホッパPH、搬送装置3、供給フィーダ1には、物品が供給されていないから、それらに物品が供給されるまで、以上の動作を各列において繰り返す。
まず、チャージホッパCHに小さい種類の物品を投入して、組合せ計量装置100を駆動させる。すると、制御部4は、最初に各計量ホッパWHa、Whbの計量値を入力し、それが所定値以下であると、それらの計量ホッパは空であると認識して、空の計量ホッパに対応するプールホッパPHを駆動させる。続いて、それに対応する搬送装置3と供給フィーダ1を駆動させる。すると、プールホッパPHの対応するゲートが開閉し、続いて、対応する搬送装置3と供給フィーダ1が所定時間振動して、チャージホッパCHから排出された物品が下流側へと搬送される。しかし、運転開始直後は、プールホッパPH、搬送装置3、供給フィーダ1には、物品が供給されていないから、それらに物品が供給されるまで、以上の動作を各列において繰り返す。
そして、供給フィーダ1から搬送装置3に物品が供給されるようになると、傾斜シュート2の前方には、物品が堆積するから、制御部4は、その堆積量を光センサ15から入力し、その堆積量に基づいて供給フィーダ1をON/OFF制御する。すなわち、堆積量が少ない間は、供給フィーダ1を振動させて傾斜シュート2へ物品を供給させるが、堆積量が所定値を超えれば、供給フィーダ1の振動を停止させて待機する。待機中に堆積量が所定値以下になれば、再び、供給フィーダ1を駆動させる。
一方、供給フィーダ1の先端部から排出された物品は、傾斜シュート2をスライドして床36上に堆積するが、その際、傾斜シュート2がV字溝33aへ向かって傾斜しているため、物品は、図面に向かって上側のV字溝33a側に偏って堆積する。その状態で搬送装置3の搬送トラフ31が振動すると、V字溝33a側に偏った床36上の物品は、そのまま前進してV字溝33aに落下する。続いて、V字溝33b側に広がった少量の物品が隣のV字溝33bに落下する。こうして、上側のV字溝33aは、物品が大量に供給されたメイン搬送路となり、下側のV字溝33bは、物品が少量のサブ搬送路となる。
各V字溝33a、33bに供給された物品は、搬送トラフ31の振動によって歩進的に搬送されていくが、各V字溝33a、33b内の物品は、先端に行くに連れて両側壁34a、34bの傾斜角度が立ち上がるため、次第にV字溝33a内で折り重なって整列していく。その際、V字溝33aから溢れた物品は、中央の稜線を乗り越えて隣のV字溝34b内に流れ込む。こうして、大量のV字溝33aと少量のV字溝33bの2列に分かれた物品は、プールホッパPHが空になる度に歩進的に搬送されていく。
そして、プールホッパPHから一方の計量ホッパWHa、WHbへ物品が投入されると各計量ホッパWHa、WHbの計量値は、制御部4に入力され、それに基づいて組合せ演算が実行される。その際、質量自体を組合せる場合もあれば、その質量を物品の単体質量で割って個数に換算し、その個数で組合せる場合もある。
制御部4が、所定範囲内の目標値に最も近い最適組合せを見つけると、その組合せに該当する計量ホッパWHa、WHbに駆動指令を送ってそれらのホッパから物品を排出させる。続いて、物品を排出した各計量ホッパWHa、WHbと対応するプールホッパPHに駆動指令を送ってプールホッパPHから対応する計量ホッパWHa、WHbに物品を供給させる。その際、一対の計量ホッパWHa、WHbが共に物品を排出した場合は、何れか一方の計量ホッパWHa(WHb)だけに物品を供給し、供給されなかった計量ホッパWHb(WHa)には、次回に物品が供給される。こうして、プールホッパPHから物品が排出されると、制御部4は、搬送装置3を所定の搬送力で駆動して空になったプールホッパPHに物品を供給していく。こうした動作が毎回繰り返されて、選ばれた計量ホッパWHa、WHbから所定量の物品が排出収集されていく。
制御部4のこうした駆動制御は、物品サイズが小から大に切り替わっても、略同じ動きをするが、大きいサイズの物品になると、特に搬送トラフ31上での挙動が異なってくるから、その点について説明する。
物品の大きさが、例えば、両方のV字溝33a、33bを跨ぐような大きさの物品になると、その物品は、片方のV字溝33a(33b)にしか収まらないから、そうした物品は、略一列縦隊になって搬送トラフ31上を移動していく。そのため、各プールホッパPHには、物品が1個ずつ投入されるから、所定個数に計量する場合は、1個投入の制御がし易くなる。また、大きい物品Lだと、図6に示すように、V字溝33a(33b)の内壁に部分的に接触するだけとなるから、接触抵抗が小さくなり、その分、小さい物品を搬送するときと同様な搬送力でもって物品を搬送することができる。したがって、大きい物品に切り替えても、搬送装置3の供給制御を大幅に変える必要はないから、トラブルを抑えることができる。
<搬送トラフの第2実施形態>
図3の搬送トラフ31は、横断面がW字状の両外側壁34a、34bの傾斜角度を、先端に行く程急峻に立ち上がるようにしたものであるが、図8は、それらの傾斜角度を始端部から先端部まで略一定にした一例である。また、図3では、搬送トラフ31始端部の床36をフラットな板で形成したが、図8では、この床36に代えて、V字溝33a側をフラットな床36aにし、V字溝33b側は、外側壁34bに向けて上り傾斜の斜面36bとしている。これにより、V字溝33a側に物品が偏って、V字溝33aがメイン搬送路となるようにしている。この実施形態でも、図3と同様な効果を奏することが確認されている。なお、図3、図8、図10では、搬送トラフ31の横幅を、始端部から先端部に向けて漸次狭くなるようにしているが、これは、幅を狭くすることによって装置サイズをコンパクにしたものであって、装置サイズに余裕があるときは、搬送トラフ31の横幅を始端部から先端部まで同じ幅にしたものであっても良い。
図3の搬送トラフ31は、横断面がW字状の両外側壁34a、34bの傾斜角度を、先端に行く程急峻に立ち上がるようにしたものであるが、図8は、それらの傾斜角度を始端部から先端部まで略一定にした一例である。また、図3では、搬送トラフ31始端部の床36をフラットな板で形成したが、図8では、この床36に代えて、V字溝33a側をフラットな床36aにし、V字溝33b側は、外側壁34bに向けて上り傾斜の斜面36bとしている。これにより、V字溝33a側に物品が偏って、V字溝33aがメイン搬送路となるようにしている。この実施形態でも、図3と同様な効果を奏することが確認されている。なお、図3、図8、図10では、搬送トラフ31の横幅を、始端部から先端部に向けて漸次狭くなるようにしているが、これは、幅を狭くすることによって装置サイズをコンパクにしたものであって、装置サイズに余裕があるときは、搬送トラフ31の横幅を始端部から先端部まで同じ幅にしたものであっても良い。
<搬送トラフの第3実施形態>
図10の搬送トラフ31は、図8の床36a、36bに代えて、図3と同様なフラットな床39にしたものであるが、この床39の排出エッジ39eは、図3とは違って、物品の搬送方向と直交する方向に設けている。これは、床39の直上にある傾斜シュート2によって物品をV字溝33a側に寄せるため、その寄せだけで十分な場合に対応させたものである。この実施形態でも、図3と同様な効果を奏することが確認されている。
図10の搬送トラフ31は、図8の床36a、36bに代えて、図3と同様なフラットな床39にしたものであるが、この床39の排出エッジ39eは、図3とは違って、物品の搬送方向と直交する方向に設けている。これは、床39の直上にある傾斜シュート2によって物品をV字溝33a側に寄せるため、その寄せだけで十分な場合に対応させたものである。この実施形態でも、図3と同様な効果を奏することが確認されている。
図11は、中央の分散フィーダDFの周りを取り囲むように、複数の搬送装置3を放射状に配列したものである。この実施形態では、図11〜図13に示すように、W字状の両側の外側壁34a、34bは、先端に行く程、平面視で扇状に広がり、側面視で先端部に向けて立ち上がる形状とし、かつ、隣り合う搬送トラフ31の一方の側壁34b上部は、他方の搬送トラフ31の側壁34aに覆いかぶさって、隣り合う搬送トラフ31間から物品が零れ落ちないようになっている。
こうした構成は、複数のプールホッパPHを円周上に配列した組合せ計量装置の一般的な配置構成であるが、この実施形態でも、図3のフラットな床36に倣って、搬送トラフ31の始端部にフラットな扇状の床36を設けている。また、各プールホッパPHに対して一つの計量ホッパWHが直下に配置される。そして、この実施形態では、中央の分散フィーダDFに物品を投入し、そこから放射状に配列された各搬送トラフ31に物品を供給していく。
そして、この実施形態においても、搬送トラフ31の横断面形状は、図13に示すようにW字状に形成され、そのW字状の2つのV字溝33a、33bが、それぞれのV字溝33a、33b内に小さい種類の物品Sを留めておく深さdに形成され、かつ、それぞれの外側壁34a、34bが、両V字溝33a、33bを跨ぐような大きさの物品Lを両外側壁34a、34b内に留めておく高さhに形成されている。
以上の実施形態では、小さい物品と大きい物品の両極端の場合について説明したが、それらの中間の大きさの物品であっても、それらが工業的に量産された成形品であれば、同様に搬送できることは言うまでもない。
1 供給フィーダ
2 傾斜シュート
3 搬送装置
4 制御部
31 搬送トラフ
32 振動機構
33a V字溝
33b V字溝
34a 外側壁
34b 外側壁
36 床
36e 排出エッジ
100 組合せ計量装置
S 小さい物品
L 大きい物品
WHa 計量ホッパ
WHb 計量ホッパ
2 傾斜シュート
3 搬送装置
4 制御部
31 搬送トラフ
32 振動機構
33a V字溝
33b V字溝
34a 外側壁
34b 外側壁
36 床
36e 排出エッジ
100 組合せ計量装置
S 小さい物品
L 大きい物品
WHa 計量ホッパ
WHb 計量ホッパ
Claims (5)
- 大きさの異なる少なくとも2種類の物品を搬送することのできる搬送トラフと、該搬送トラフを振動させて、該トラフ上の物品を搬送させる振動機構とを備え、前記搬送トラフの搬送方向と直交する方向の横断面形状がW字状に形成され、そのW字状を形成する2つのV字溝がそれぞれのV字溝内に小さい種類の物品を留めておく深さに形成され、かつ、それぞれのV字溝の外側壁が、両V字溝を跨ぐ大きさの物品を両外側壁内に留めておく高さに形成されていることを特徴とする搬送装置。
- 前記物品を前記搬送トラフに供給する供給フィーダと、該供給フィーダから排出される物品を前記搬送トラフの一方のV字溝側に偏らせて供給する傾斜シュートとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
- 前記搬送トラフの始端部に、前記傾斜シュートから供給される物品を受け取って排出する床が設けられ、該床から排出される物品が前記一方のV字溝側に先行して排出されるように、前記床の排出エッジが、前記V字溝を斜めに横断する方向に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。
- 複数の計量ホッパと、各計量ホッパに物品を個別に供給する搬送装置と、各計量ホッパに供給された物品の計量値に基づいて最適な組合せを求める制御部とを備えた組合せ計量装置であって、前記搬送装置が請求項1乃至3の何れかに記載の搬送装置であることを特徴とする組合せ計量装置。
- 複数の前記計量ホッパとそれらに対応させた前記搬送装置とが、放射状に、或いは、一方向に横並びに配列されていることを特徴とする請求項4に記載の組合せ計量装置。
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